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【発明の名称】 表面粗さ/輪郭形状測定装置
【発明者】 【氏名】谷内 信幸
【住所又は居所】東京都三鷹市下連雀9丁目7番1号 株式会社東京精密内

【氏名】久保田 和浩
【住所又は居所】東京都三鷹市下連雀9丁目7番1号 株式会社東京精密内

【要約】 【課題】本発明は比較的安価な構成によって、直交XY面内において測定子とワークとを相対移動させることが可能な表面粗さ/輪郭形状測定装置を提供する。

【解決手段】表面粗さ/輪郭形状測定装置1の測定子6、7と、測定子6、7を所定の1方向に駆動する駆動部4との間を、駆動部4に対して所定の1方向に測定子6、7を移動することが可能な連結部材8により連結する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物の表面に接触させる測定子と、この測定子を所定の1方向に移動可能に支持する駆動部とを備え、前記駆動部の移動方向に沿って前記被測定物の表面形状を測定する表面粗さ/輪郭形状測定装置であって、
前記測定子と前記駆動部との間に、前記測定子を前記駆動部に対して所定の1方向に移動する連結部材を設けたことを特徴とする表面粗さ/輪郭形状測定装置。
【請求項2】
前記連結部材は、前記駆動部が前記測定子を移動する方向と異なる方向に、前記測定子を移動する請求項1に記載の表面粗さ/輪郭形状測定装置。
【請求項3】
前記連結部材は、前記駆動部が前記測定子を移動する方向と同じ方向に、前記測定子を移動する請求項1に記載の表面粗さ/輪郭形状測定装置。
【請求項4】
被測定物の表面に接触させる測定子と、この測定子を所定の1方向に移動可能に支持する駆動部とを備え、前記駆動部の移動方向に沿って前記被測定物の表面形状を測定する表面粗さ/輪郭形状測定装置に付加される連結部材であって、
前記駆動部に前記測定子を取り付けるために前記測定子と前記駆動部との間に設けられ、前記測定子を前記駆動部に対して所定の1方向に移動する連結部材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、表面粗さ/輪郭形状測定装置に関し、特に被測定物を移動させることなく、2軸方向に沿った3次元の被測定物の表面粗さ及び輪郭形状を測定する表面粗さ/輪郭形状測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表面粗さ/輪郭形状測定装置は、被測定物(ワーク)表面に沿って、触針を有するピックアップを移動させ、触針の変位量を電気信号に変換してコンピュータ等の計算機に読み取ることで、被測定物(ワーク)表面の粗さ又は輪郭形状を測定する(例えば、下記特許文献1)。図1に、従来の表面粗さ/輪郭形状測定装置の基本構成を示す。
【0003】
表面粗さ/輪郭形状測定装置1は、テーブル2上に載置されたワークの表面粗さを測定する測定子(ピックアップ)6を有し、このピックアップ6は駆動部4に固定されるホルダ5に支持されている。
ピックアップ6は、先端に触針7を有し、この触針7の変位量がピックアップ6に内蔵された差動トランス(図示せず)によって電圧に変換される。そして、この電圧値はA/D変換器によってディジタル信号に変換され、コンピュータ等のデータ処理装置(図示せず)に入力される。これにより、データ処理装置によってワークの表面粗さを示す測定データが取得される。
図1に示すとおり、駆動部4は、テーブル2に立設されたコラム3に取り付けられ、上記のデータ処理装置からの指示に従ってモータが駆動されることにより、駆動部4はホルダ5をワークが載置されるテーブル面上の所定の1方向である左右方向(X方向)に移動させることが可能であり、駆動部4全体もまた、ワークの高さにあわせて、コラム3に沿ってテーブル面に垂直な上下方向(Z方向)に移動させることが可能である。
【0004】
このような従来の表面粗さ/輪郭形状測定装置1では、ワークの測定面に沿った駆動部4によるピックアップ6の移動可能方向は図のX方向のみであった。これは、粗さ測定に関する各規格(例えばJIS規格、ISO規格)が、直線上で測定した粗さのみを規定していることに起因する。
したがって、X−Y面内の表面粗さ/輪郭形状を評価する様な(特殊の)場合は、ピックアップ6をテーブル面に水平な面内方向(XY方向)に沿ってワークと相対移動させるために、テーブル面上のX方向と異なる他の1方向(Y方向)にワークを移動させるY軸駆動用ユニットをテーブル上に載置して測定を行っていた。
【0005】
従来、このような3次元表面粗さ/輪郭形状測定装置は、例えば塗装面の光沢評価、フィルム膜の表面性状評価、液晶塗膜面の平坦度などの測定に専ら使用されており、測定範囲が広く測定機の汎用性が高い装置であることが重要な課題であった。
【0006】
【特許文献1】特開2002−107144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記測定対象物は、生産歩留まりの向上により表面粗さ/輪郭形状測定装置の対象から除々に外れ、その代わりにマイクロマシン周辺の小型高精度パーツの形状測定が増大してきている。これらは何れも三次元的に精度を管理し、且つサブミクロン以下の精度を要求している。
しかしながら、測定面上の1方向(Y方向)におけるピックアップ6とワークとの相対移動をワークを駆動する駆動部によって実現する従来の表面粗さ/輪郭形状測定装置には、下記の問題があった。
【0008】
すなわち、上記のようにワークのY軸駆動用ユニットを使用する場合には、その積載可能重量に限界があるため、その積載可能重量を超えるワークを測定することができず、表面粗さ/輪郭形状測定装置自体の測定対象が限定される。
また、重心位置により移動テーブルの変形や駆動に影響するため、ワークの重心や載置場所により撓み量が変化し、測定精度への影響があった。
【0009】
また、一定の積載可能重量を確保するためにはワークのY軸方向駆動部もこれに応じて余力のある機構や動力を採用する必要があり、その結果として表面粗さ/輪郭形状測定装置自体が大きくかつ高価になる。
さらに、上記のようにY軸駆動用ユニットをテーブル上に載置する場合には、ワークのY軸駆動ユニットと、駆動部4との間にコラムが介在するため、温度変化や振動などの影響を受け、上記駆動部4に正確に直角に設置することが困難である。
【0010】
上記問題点を鑑みて、本発明は比較的安価な構成によって、上記直交XY面内において測定子とワークとを相対移動させることが可能な表面粗さ/輪郭形状測定装置を提供することを目的とする。
また、比較的安価な構成によって、上記直交XZ面内や傾斜面においてワークの表面形状を測定可能な表面粗さ/輪郭形状測定装置を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明では、表面粗さ/輪郭形状測定装置の測定子と、かかる測定子を所定の1方向に駆動する駆動部と、の間を、上記駆動部に対して所定の1方向に上記測定子を移動することが可能な連結部材により連結する。
【0012】
すなわち本発明によれば、被測定物の表面に接触させる測定子と、この測定子を所定の1方向に移動可能に支持する駆動部とを備え、駆動部の移動方向に沿って被測定物の表面形状を測定する表面粗さ/輪郭形状測定装置であり、かつこの測定子と駆動部との間に、測定子を駆動部に対して所定の1方向に移動する連結部材を設けたことを特徴とする表面粗さ/輪郭形状測定装置が提供される。
【0013】
この連結部材は、駆動部が測定子を移動する方向と異なる方向に、測定子を移動するように駆動部と測定子の間に取り付けられることとしてよく、また駆動部が測定子を移動する方向と同じ方向に、測定子を移動するように駆動部と測定子の間に取り付けられることとしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
上記の本発明に係る連結部材を使用して上記駆動部と上記測定子とを連結することにより、ワークを移動させることなく、測定面において被測定物に対して測定子を面内移動させることが可能となる。
これにより、ワーク移動テーブルなどのワーク駆動部の最大積載量に制限されることなく測定面内におけるワークの表面形状測定が可能となる。さらに連結部材が駆動する測定子は比較的軽量な部材であるので、小型な装置でよく、高い精度で駆動可能な機構を簡易かつ安価に実現可能である。
また、被測定物の重心や載置場所により、精度に影響することもない。
【0015】
駆動部が測定子を移動する方向と異なる方向に測定子を駆動するように連結部材を取り付けることにより、直交XY平面や、直交XZ平面は勿論、これら直交平面以外の様々な傾斜面における測定が可能となる。なお、ここにX方向とは、被測定物が載置される載置面上の所定の1方向であり、上記駆動部が上記測定子を駆動する方向であり、Y方向とは、上記載置面上におけるX方向と異なる他の1方向であり、Z方向とは上記載置面の垂直方向をいう。
【0016】
また駆動部が測定子を移動する方向と同じ方向に測定子を駆動するように連結部材を取り付けることにより、駆動部が測定子を移動する方向(X方向)における、測定可能範囲を伸ばすことが可能となる。
また、X−Z方向傾斜面の、鋸刃状面の連続測定や高分解能での測定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例を説明する。図2は、本発明の実施例に係る表面粗さ/輪郭形状測定装置の基本構成図である。表面粗さ/輪郭形状測定装置1の基本構成は、図1に示した構成に類似した構成を有しており、これらの図と同一の機能部分に同一の参照番号を付して表し説明を省略する。
【0018】
図示するように、表面粗さ/輪郭形状測定装置1において、このピックアップ6を支持するホルダ5と駆動部4とは、連結部材8を介して連結されている。
図2の例では、連結部材8は、駆動部4によるピックアップ6の駆動方向であるテーブル面XY方向上の所定の1方向であるX方向と垂直なY方向に沿って、ピックアップ6を移動することが可能である。このような連結部材8の拡大図を図3(A)に示す。
【0019】
図3(A)に示すように、連結部材8は、本体81と、この本体81に固定されるとともに駆動部側アタッチメント41(図3(C)参照)に係合保持され、本体81を駆動部4に対して固定する第1アタッチメント82と、本体81に対してY方向に移動することが可能な可動部83と、可動部83を駆動するためのモータ84と、可動部83に固定され、ホルダ5を係合保持する第2アタッチメント85を備えて構成される。モータ84は、上記のデータ処理装置(図示せず)からの指示にしたがって駆動される。
【0020】
可動部83は、本体81の所定の面81A上をY方向に摺動することができるように本体81に取り付けられている。可動部83が、本体81の所定の面81A上をY方向に摺動した様子を図3(B)に示す。
【0021】
図3(C)は、連結部材8が、駆動部4とピックアップ6を保持するホルダ5間との間に取り付けられた使用状態を示す図である。図示するように、連結部材8の第1アタッチメント82は、駆動部4によってX方向に駆動される駆動部側アタッチメント41に係合保持される。一方、ピックアップ6を保持するホルダ5は、本体81に対してY方向に移動することが可能な可動部83に固定された第2アタッチメント85に係合保持される。
上記構成により、ピックアップ6は、駆動部4と連結部材8とによってX方向及びY方向に駆動されることが可能となる。
【0022】
この連結部材8は、既存の表面粗さ/輪郭形状測定装置1にもともと備えられている駆動部側アタッチメント41、及びホルダ5に応じて、これらと係合可能な第1アタッチメント82及び第2アタッチメント85をそれぞれ採用することにより、Y方向駆動機構を有しない既存の表面粗さ/輪郭形状測定装置1に対しても容易に後付けすることが可能である。
【0023】
また、第1アタッチメント82の本体81の面81B(XY面)への取り付け角度を90°変更することにより、連結部材8によるピックアップ6の駆動方向がX方向となるように連結部材8を駆動部側アタッチメント41に係合することが可能となる。これにより連結部材8によるピックアップ6の駆動方向と、駆動部4による駆動部側アタッチメント41の駆動方向とを等しくし、X方向へのピックアップ6の駆動範囲を広げることが可能となる。
【0024】
さらに、第1アタッチメント82を、本体81のXZ平面(すなわちモータ84の取り付け面と反対側の面)に取り付けることにより、連結部材8によるピックアップ6の駆動方向がZ方向となるように連結部材8を駆動部側アタッチメント41に係合することが可能となる。これにより、直交XZ平面におけるワークの表面形状測定が可能となる。
【0025】
このように、連結部材8は、連結部材8によるピックアップ6の駆動方向が、駆動部4による連結部材8の駆動方向に等しい方向又は直交する2方向いずれの方向となるように、駆動部側アタッチメント41又はホルダ5に取り付けることが可能であり、さらに、第1アタッチメント82の、本体81への取り付け面と駆動部側アタッチメント41への取り付け面との角度を変える(非平行にする)ことにより、連結部材8によるピックアップ6の駆動方向を、X方向に対して傾けて(傾斜角を持って)取り付けることが可能である。
さらに、連結部材8によるピックアップ6の駆動方向と、駆動部4による連結部材8の駆動方向との相対角度を調節するために、駆動部側アタッチメント41又は第1アタッチメント82に自由雲台のような角度調節機構を設けることとしてもよい。
【0026】
このように、連結部材8によるピックアップ6の駆動方向を任意の方向に傾けて設定することを可能とすることで、以下の効果を奏する。
すなわち、例えば刃物の加工条痕のような加工物の表面粗さ測定は、測定物の加工方向に対して直角に測定子を移動させて行なうのが原則である。このような測定方向に応じた測定子の移動を、例えば通常のXY軸移動機構などにより行なおうとすれば、この移動機構のXY移動の分解能に起因して測定子が階段状に移動し、これにより測定誤差が生じてしまう。しかしながら、本発明の連結部材8によれば、該連結部材8の移動方向を、加工方向に応じて自由に設定できるので、例えば連結部材8の移動方向を上述の刃物の加工条痕に合わせて測定することにより上記測定誤差を防止することが可能となる。また任意の方向に傾いた測定面を効率よく測定することも可能となる。
また、図4に示すような鋸歯面を測定する場合には、連結部材8によるピックアップ6の駆動方向が、XZ平面内の鋸歯面に沿う第2軸方向となるように取り付ける。
そして、図示するように、歯面A部分を測定する間は、駆動部4が連結部材8を位置Cに固定した状態で、連結部材8がピックアップ6を位置E〜位置Fまで移動する。歯面A部分の測定が終了したら、駆動部4が連結部材8を位置Dまで移動させる一方で、連結部材8がピックアップ6を位置E’まで復帰させ、その後、歯面A部分の測定と同様に、ピックアップ6を位置E’〜位置F’まで移動させて歯面B部分の測定を行なう。このような動作を繰り返すことにより、鋸歯面を連続測定により高い分解能で測定することが可能となる。
【0027】
上述の通り、本発明に係る連結部材を付加することにより、表面粗さ/輪郭形状測定装置1は、テーブル面であるXY面上に沿ったワークの表面粗さ/輪郭形状測定を、容易に行なうことが可能となる。
また、例えば、円筒形状のワークをテーブル2上に横にねかせて載置し、この円筒ワークの円筒面上をX及びY方向にピックアップを移動させて、円筒ワークの円筒面の各位置の座標及び高さを測定することにより、円筒ワークの延在方向の各位置における円筒面の頂点の座標及び高さの測定(頂点出し)を行なうことも容易である。
【0028】
さらに、任意の方向に載置された円筒ワークの円筒面の2つの頂点を拾い出しておき、予め円筒面頂点の載置方向を求めておく事により、円筒ワーク側面の平行度を測定することが可能となる。このとき、円筒ワークの延在方向を上記X方向及びY方向に合致させて測定を容易にするために、テーブル2上に横にねかせて載置される円筒ワークを、Z方向を回転軸として回転させるための回転テーブルを使用して、かかる回転テーブルに円筒ワークを載置して測定することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、被測定物の表面に沿わせてこれに触針などの測定子を移動させ、表面形状を測定する測定装置に広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来の表面粗さ/輪郭形状測定装置の基本構成図である。
【図2】本発明の実施例に係る表面粗さ/輪郭形状測定装置の基本構成図である。
【図3】(A)及び(B)は、図2に示す連結部材の拡大斜視図であり、(C)は、連結部材が駆動部とピックアップとを連結する使用状態を示す図である。
【図4】図2の表面粗さ/輪郭形状測定装置を用いた鋸歯面の測定の説明図である。
【符号の説明】
【0031】
1 表面粗さ/輪郭形状測定装置
2 テーブル
3 コラム
4 駆動部
5 ホルダ
6 ピックアップ
7 触針
8 連結部材
【出願人】 【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
【住所又は居所】東京都三鷹市下連雀9丁目7番1号
【出願日】 平成16年10月20日(2004.10.20)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一

【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎

【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍

【識別番号】100082898
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 雅也

【公開番号】 特開2006−118911(P2006−118911A)
【公開日】 平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願番号】 特願2004−305253(P2004−305253)