トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F22 蒸気発生

【発明の名称】 クリーン蒸気生成方法及び生成システム
【発明者】 【氏名】山田 修
【住所又は居所】岐阜県羽島市江吉良町2145−1 株式会社Z・E・T内

【要約】 【課題】高温熱触媒により、瞬時にクリーン飽和蒸気を多量に生成することが出来るクリーン蒸気生成方法及び生成システムを提供する。

【解決手段】給水を太陽熱温水器等により加熱して昇温させて湯とし、高pH値水を電気分解して生成した酸素ガスと水素ガスをそのままの比率で混合したガスをゼットバーナで燃焼させることによって触媒を高温に加熱して熱触媒とし、湯を高圧噴霧器で高圧噴霧して熱触媒に吹きつけることによって、高圧のクリーン飽和蒸気を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水を加熱して昇温させた湯を高圧噴霧して、高温加熱された熱触媒に吹きつけ、高圧飽和蒸気を生成することを特徴としたクリーン蒸気生成方法。
【請求項2】
太陽熱温水器により昇温させた湯を高圧噴霧して、高温加熱された熱触媒に吹きつけ、高圧飽和蒸気を生成し、この生成した飽和蒸気をアキュームレーターに吸引して貯蔵することを特徴としたクリーン蒸気生成方法。
【請求項3】
高温加熱された熱触媒をセラミックス製又は金属製としたことを特徴とする請求項1又は2記載のクリーン蒸気生成方法。
【請求項4】
太陽熱温水器と、高圧噴霧器と、飽和蒸気生成炉と、アキュームレーター及び前記飽和蒸気生成炉に吹き込むゼットガスバーナーとゼットガスを生成するゼットガス生成器を組み合せたことを特徴とするクリーン蒸気生成システム。
【請求項5】
高圧噴霧器は、温水を3kg/cm以上の高圧蒸気に変えることを特徴とした請求項4記載のクリーン蒸気生成システム。
【請求項6】
飽和蒸気生成炉は、耐熱炉の中央部に、高温熱触媒を設置し、該高温熱触媒を加熱するゼットガスバーナーと、前記飽和蒸気生成炉に吹き込む高圧噴霧を生成する高圧噴霧器と、これに連結する高圧噴霧嘴とを具えたたことを特徴とする請求項4記載のクリーン蒸気生成システム。
【請求項7】
ゼットガス発生器は、高pH値の水を電気分解して生成した酸素ガスと水素ガスをそのままの比率で混合し、混合ガスとして取り出すようにしたことを特徴とした請求項4記載のクリーン蒸気生成システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、温水を高圧噴霧化し、これを高温熱触媒に噴射して高圧高温の飽和蒸気を生成することを目的としたクリーン蒸気生成方法及び生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来高圧高温蒸気は、ボイラー(例えば多管式循環型ボイラー)で発生させた生蒸気を、加熱して過熱蒸気とする方法が一般的に採用され、その加熱熱源は、天然ガス又は石油が使用されていた。
【0003】
また、近来ブラウンガスの燃焼炎を水に直接接触させて高圧、高温蒸気を発生させる蒸気ボイラーの考案が提案されている。
【0004】
次にブラウンガス火炎によって点火した噴霧状にした高pH値水の燃焼火炎を容器内の水に直接接触させる水の沸騰方法及び、ブラウンガス火炎を照射して加熱中のタングステン等で水を熱分解させる温度以上の物質よりなる熱触媒に、適量の水を衝突させて、水の燃焼炎を得た後、これを容器内の水に直接接触させることを特徴とする水の沸騰方法が提案されている。
【特許文献1】登録実用新案第3076801号
【特許文献2】特開2003−42401
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来一般に行われている高圧高温蒸気生成技術は、ボイラーで蒸気を生成し、これを加熱して高圧・高温蒸気とするもので、効率が悪いのみならず、加熱には、天然ガス、石炭又は石油を使用するので、多量の二酸化炭素、灰分その他の有害物質を排出する問題点があった。
【0006】
また前記発明・考案のブラウンガスを直接使用する方法は、その蒸気生成の効率・効果が明らかでない問題点があるが、二酸化炭素を排出しない点は環境問題に対し、多大の貢献をするものと認められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、ボイラーで蒸気を生成することなく、また前記公知の発明・考案における熱触媒に、高圧噴霧を吹きつけることによって、飽和蒸気の生成を更に効率よくすると共に、生成飽和蒸気の安定性を確保したものである。
【0008】
即ち方法の発明は、給水を加熱して昇温させた湯を高圧噴霧して、高温加熱された熱触媒に吹きつけ、高圧飽和蒸気を生成することを特徴としたクリーン蒸気生成方法であり、太陽熱温水器により昇温させた湯を高圧噴霧して、高温加熱された熱触媒に吹きつけ、高圧飽和蒸気を生成し、この生成した飽和蒸気をアキュームレーターに吸引して貯蔵することを特徴としたクリーン蒸気生成方法であり、高温加熱された熱触媒をセラミックス製又は金属製としたものである。
【0009】
またシステムの発明は、太陽熱温水器と、高圧噴霧器と、飽和蒸気生成炉と、アキュームレーター及び前記飽和蒸気生成炉に吹き込むゼットガスバーナーとゼットガスを生成するゼットガス生成器を組み合せたことを特徴とするクリーン蒸気生成システムであり、高圧噴霧器は、温水を3kg/cm以上の高圧蒸気に変えるものである。
【0010】
次に他の発明は、飽和蒸気生成炉は、耐熱炉の中央部に、高温熱触媒を設置し、該高温熱触媒を加熱するゼットガスバーナーと、前記飽和蒸気生成炉に吹き込む高圧噴霧を生成する高圧噴霧器と、これに連結する高圧噴霧嘴とを具えたものであり、ゼットガス発生器は、高pH値の水を電気分解して生成した酸素ガスと水素ガスをそのままの比率で混合し、混合ガスとして取り出すようにしたものである。
【0011】
ボイラー加熱によることなく給水を加熱するには、各種産業における排熱利用(排気との熱交換による)又は太陽熱温水器により加熱する。前記各種産業とは、例えば蒸気タービンの排熱、鉄鋼等の製産時の排熱、廃棄物の焼却時に生じる排熱などがある。
【0012】
また排熱ではないが、自然に生成する地熱利用の加熱方法も前記この発明の給水加熱に入る。
【0013】
更に排熱利用ではあるが、この発明のクリーン蒸気を生成し、これにより乾燥、焙煎、殺菌、タービン駆動、その他に利用した後、その排気熱(例えば100℃〜300℃)の利用により給水加熱をすることも考えられる。この場合には閉回路(熱の循環利用)によるエネルギー利用になるので、熱効率を飛躍的に向上させることができる。このようにして熱効率が向上すると、最終排気温度は100℃以下となり、これを暖房などに利用すれば、最終排気温度は50℃以下にすることも可能であって、大気温度の上昇を著しく緩和することも可能となる。
【0014】
この発明で用いるゼットガスは、水を電気分解して生成した水素ガスと酸素ガスをそのまま混合した混ガスで、単独で燃焼すると共に、他物に吹きつけることにより2000℃〜4000℃の高温を生じ、表1のような特性がある。
【表1】


【0015】
前記セラミックス(例えば耐高温セラミック)又は金属(例えばタングステン)などよりなる高温熱触媒に吹きつけると、2000℃以上の高温となるので、これに高圧噴霧を吹きつけると、瞬時に高圧飽和蒸気を生成する。この場合に、吹きつけられた高圧噴霧は全部高圧飽和蒸気に変えられる。
【0016】
前記において、高温熱触媒の上方からゼットガス炎を吹きつけ、下方から高圧噴霧を吹きつければ、飽和蒸気生成時に生じる吸熱反応に必要な熱量は同時平衡的に供給されることになり、同一効率、同一スピードで安定した特性の飽和蒸気がコントロール可能に生成される。この場合のコントロール可能とは、例えば温度、生成量などのコントロールをいう。
【0017】
またアキュームレーターに貯留された飽和蒸気は、スーパーヒーターにより加熱され、過熱蒸気として、焼成、焙煎、乾燥、殺菌、タービン又は噴射流微粉砕用などに使用される。
【0018】
前記において高圧噴霧を生成するための温水は、排熱利用、クリーンエネルギー利用又は太陽熱を使用するので、この発明の全系における熱エネルギーは何れもクリーンエネルギーであって、従来使用されている天然ガス、都市ガス、石油、重油などと異なり、COその他の有害ガスを生成することなく、環境汚染のおそれはない。前記クリーンエネルギーとは、例えば温泉の排湯地熱又は各種産業の冷却排水などをいう。
【0019】
この発明でゼットガス生成に用いる電力を火力電力とすれば、電力生成時に石炭、重油などを使用するが、その電力をゼットガス利用の発電などにより、前記のような石炭等を使用して生成する電力は可及的に少なくするので、エネルギー利用の全系としては、有害物質の生成をきわめて少量又は皆無にすることができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明は、使用熱源がクリーンであり、また閉鎖循環系にできるので、生成系としてクリーンの蒸気生成となる効果がある。
【0021】
また蒸気が瞬時に生成されるので、その効率が著しく高く、従って生産コストを低減する効果がある。
【0022】
この発明によれば、蒸気生成系の各所におけるコントロールが容易であり、一箇所の制御系で全体をコントロールし得る効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
この発明は、太陽熱温水器で生成した温水を、高圧噴霧器で高圧噴霧化し、これを飽和蒸気生成炉内の高温熱触媒に吹きつけて、瞬時に高圧飽和蒸気を生成し、これをアキュームレーターに吸引貯蔵する。
【0024】
前記アキュームレーターの飽和蒸気は、必要量宛取り出して過熱蒸気とし、各種産業の用途に供する。
【実施例1】
【0025】
この発明の実施例を図1に基づいて説明すると、供給される水を太陽熱温水器によって60℃〜80℃に加温し、これを高圧噴霧器に送って高圧噴霧を生成し、適量宛飽和蒸気生成炉内の高温熱触媒に吹きつけて、瞬時に飽和蒸気を生成する。
【0026】
前記高温熱触媒は、ゼットガスバーナーで加熱して常時定温(例えば2500℃)を保たせてある。前記で生成した飽和蒸気は、ポンプにより吸引してアキュームレーターに送り、貯蔵する。アキュームレーターに貯蔵した飽和蒸気は適宜取り出して過熱蒸気として、各種用途に使用する。
【0027】
前記において、太陽熱温水器は、晴天で、昼間のみ有効であるから、一定温度(例えば80℃)になったならば、自動的に太陽熱温水槽に給送し、夜間又は雨天、曇天に際しても、定温給湯できるようにしてある。更に定温を保つ為に予備加熱(例えば電熱による)もあり得る。
【0028】
また過熱蒸気を各種用途に利用した場合の排気は、比較的高温(例えば100℃〜300℃)であるから、これを熱交換(使用中の復水もあり得る)して、100℃以上の水として前記温水槽へ給送することも考えられる(図2)。
【0029】
即ち産業排気等(例えば、溶鉱炉の排気、廃棄物焼却の排気)の排気(100℃〜800℃程度)と熱交換して、高温湯とし、これを温水槽に貯蔵し、必要量宛、高圧噴霧器に供給して、飽和蒸気生成炉へ噴霧し、ゼットガスバーナーで加熱して多量の飽和蒸気を生成し、これをポンプによりアキュームレーターに導き貯溜する。ついで必要量宛スーパーヒーターに送り過熱蒸気に変えて、焼成、焙煎、乾燥その他の使用場所へ必要量宛給送する。
【0030】
前記処理により生じた排気は、熱交換して前記温水槽に戻し、低温になった気体は外界へ放出する。
【0031】
前記外界に放出される気体は、低温(例えば100℃以下)であり、かつ蒸気であるから、公害を生じたり、環境に悪影響を及ぼすおそれはない。
【0032】
従って、過熱蒸気の使用による復水又は熱交換による湯の生成が多量にある場合には、当該湯を使用し、高圧高温蒸気の発生と、高圧噴霧とを全閉鎖系で完結することもできる(図2)。
【実施例2】
【0033】
この発明の装置の実施例を、図3に基づいて説明すると、飽和蒸気生成炉1の中央部へ、セラミックス製の高温熱触媒2を設置し、該高温熱触媒2の上部斜方向から、射入するように複数のゼットガスバーナー3、3を設置する。
【0034】
前記ゼットガスバーナー3、3は、分配器4を介して、ゼットガス生成器5に連結してある。前記飽和蒸気生成炉1の上部に蒸気パイプ6を連結し、蒸気パイプ6は中間部にポンプ7を介装し、その先端部をアキュームレーター8に連結する。
【0035】
前記アキュームレーター8は一側に給気パイプ9を連結し、給気パイプ9はスーパーヒーター10を介して過熱蒸気使用の工場等11に連結してある。図中12は高周波電源、13はノズルである。
【0036】
前記において使用する水は、太陽熱温水器14で加温した所定温度の温水を太陽熱温水槽15に貯留し、必要量宛高圧噴霧器16に送る。前記において、太陽熱が不足する場合(例えば日照不足)には、電気又はゼットガスで加熱する。
【0037】
前記飽和蒸気生成炉1における生成効率は自動化によって高温熱触媒の温度低下を来さないように制御してある。
【0038】
前記図2の実施装置は、太陽熱温水器に代えて、産業排気の有効利用の為に各種熱交換器を用いる。
【0039】
この場合に、クリーン蒸気を使用した後の排気を熱交換して得た加熱水を使用する際に、その量が十分ならば、産業排気などを使用することなく、全体を閉鎖循環系(図2)として使用することができる。このようにすれば、きわめて効率よく、クリーン蒸気を生成することができる。
【0040】
前記ゼットガス発生器8の一例を図4に基づいて説明すると、電解槽18内に、多数の電極板19、19を近接して縦に並列設置して、各電極板19、19は、導板20、20aにより、+電極と、−電極を対向させる。前記電解槽18の下部には、送水パイプ21の一端が連結され、送水パイプ21の他端は電解水槽22の下部に連結してあり、中間にポンプ23が介装してある。
【0041】
また電解槽18の上部には、排水パイプ24の基端が連結され、排水パイプ24の先端部は、電解水槽22の上部の分離匣25に連結され、電解水槽22の上部に排出パイプ26が連結されている。
【0042】
前記において、各電極板19、19に通電すると、水が電気分解されて、水素ガスと酸素ガスが上昇するが、この場合に、ポンプ23によって、電解水槽22の水を矢示36のように電解槽に送水し、電解槽18内の電解水を矢示27、28の方向へ流動させると、前記水素ガスと、酸素ガスは、排水と共に矢示36のように移動し、分離匣25で分離され、水は電解水槽22の水内へ戻され、水素ガスと酸素ガスの混合ガスは、矢示29のように排出パイプ26から、分配器4へ移動する。
【0043】
図中30は電解水槽22への給水パイプ、31は水面レベル計用分岐室、32はセンサー、33はコントローラー、34は電磁弁、35は排気パイプ、37は連通孔である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明の方法の実施例のブロック図。
【図2】同じく他の実施例のブロック図。
【図3】同じくシステムの実施例の模式図。
【図4】(a)同じくゼットガス発生器の実施例の概略図、(b)同じく電極の一部斜視図。
【符号の説明】
【0045】
1 飽和蒸気生成炉
2 高温熱触媒
3 ゼットガスバーナー
4 分配器
5 ゼットガス生成器
6 蒸気パイプ
7 ポンプ
8 アキュームレーター
9 給気パイプ
10 スーパーヒーター
【出願人】 【識別番号】305022129
【氏名又は名称】株式会社ジパングエナジー
【住所又は居所】東京都品川区北品川3丁目3−6−9
【出願日】 平成16年12月17日(2004.12.17)
【代理人】 【識別番号】100059281
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 正次

【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一

【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘

【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永

【公開番号】 特開2006−170567(P2006−170567A)
【公開日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願番号】 特願2004−366291(P2004−366291)