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【発明の名称】 潤滑油供給検出装置
【発明者】 【氏名】沼 強
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】川崎 節郎
【住所又は居所】茨城県筑波郡谷和原村絹の台4−2−2 SMC株式会社筑波技術センター内

【氏名】沖津 篤司
【住所又は居所】茨城県筑波郡谷和原村絹の台4−2−2 SMC株式会社筑波技術センター内

【氏名】加藤 克彦
【住所又は居所】茨城県筑波郡谷和原村絹の台4−2−2 SMC株式会社筑波技術センター内

【要約】 【課題】出力ポートから吐出される潤滑油を確実に検出することにある。

【解決手段】入力ポート12、出力ポート14及び室18とが形成された本体部16と、前記室18内に導入された潤滑油によって押圧され、前記入力ポート12の内径と出力ポート14との内径との比に対応して変位する磁性材料からなるピストン20と、前記ピストン20の円筒部30の内側に配置されたコイル38を有する検出部26とを備え、前記ピストン20の変位量に基づいて、潤滑油供給開始位置と潤滑油供給完了位置と潤滑油吐出完了位置とをそれぞれ検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑油が供給される入力ポートと、前記入力ポートから供給された潤滑油を外部の流体機器に吐出する出力ポートと、前記入力ポート及び出力ポートに連通し該入力ポートを介して供給された潤滑油が導入される室とを有する本体部と、
前記本体部の軸線方向に沿って室内を摺動自在に設けられ、前記室内に導入された潤滑油によって押圧されることで、前記入力ポートの内径と出力ポートとの内径との比に対応して変位するピストンと、
前記本体部の軸線方向に沿った前記ピストンの変位量を検出する検出部と、
を備え、
前記検出部では、入力ポートを介して室内に対する潤滑油の供給が開始された際の前記ピストンの潤滑油供給開始位置と、定量の潤滑油の室内に対する供給が完了した際の前記ピストンの潤滑油供給完了位置と、前記室内に供給された定量の潤滑油が全て出力ポートを介して外部の流体機器に吐出された際の前記ピストンの潤滑油吐出完了位置とがそれぞれ検出されることを特徴とする潤滑油供給検出装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記検出部は、磁性材料によって形成されたピストンと、前記ピストンの内側又は外側に配置されたコイルとを有し、前記ピストンとコイルとの相対的変位によって発生するコイルのインダクタンスの変化を周波数変化として検出し、前記検出された周波数に基づいてピストンの変位量が算出されることを特徴とする潤滑油供給検出装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、
前記ピストンは、シール部材が装着される円柱部と、コイルが挿通可能な中空状の円筒部とからなることを特徴とする潤滑油供給検出装置。
【請求項4】
請求項1記載の装置において、
前記ピストンには、入力ポートの内径と略同一の直径からなり、前記入力ポートに向かって所定長だけ突出する突起部が設けられることを特徴とする潤滑油供給検出装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、
前記本体部内には、室内に一定量の潤滑油が供給された後、ピストンを入力ポート側に向かって押圧することにより、前記潤滑油を出力ポートから吐出させるばね部材が設けられることを特徴とする潤滑油供給検出装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、定量の潤滑油が流体機器に対して間欠的に供給されたことを確実に検出することが可能な潤滑油供給検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、潤滑油が間欠的に必要とされる流体機器として、ボールねじ軸と、前記ボールねじ軸に螺合するねじ部が形成されたナットと、前記ボールねじ軸と前記ナットとの間に介装され無限循環軌道に沿って転動する複数のボールとを備えるボールねじ機構が従来から知られている。
【0003】
この場合、摺動摩擦を低減すると共に、前記複数のボールの円滑な転動を確保するために前記ボールが転動する無限循環軌道等の潤滑部位には定量の潤滑油が供給され、前記潤滑油の減少に対応して所定量の潤滑油が適宜補充されることが要求される。
【0004】
潤滑油は、前記潤滑部位に対して所定量だけ間欠的に供給される必要があるが、仮に、前記潤滑油の供給が前記潤滑部位(無限循環軌道)の末端まで確実に供給されていないと、転動するボールやボールねじ軸等の摩耗が発生して該ボールねじ軸の円滑な回転運動に支障が生じるため、前記潤滑部位の末端まで確実に潤滑油が供給されたか否かを検出することが必要となる。
【0005】
そこで、特許文献1に記載された潤滑油供給検出装置には、導電性材料によって吐出管と可動体とを形成し、吐出管から潤滑油が間欠的に吐出されるとき、その吐出圧によって可動体が付勢力に抗して後退し、吐出管から可動体が離間することにより非導通状態となり、前記非導通状態をパルス状信号として検知する検出手段を設けることが開示されている。
【0006】
この特許文献1によれば、非導通状態の検知により、潤滑油が吐出され確実に後流の送気管を経て潤滑部位へ搬送されていると判定できるとし、また、1回の吐出量は、定量で予めわかっているので、前記パルス状信号の単位時間当たりのパルス数をカウントすることにより、単位時間当たりの潤滑油供給量を算出することができるとしている。
【0007】
【特許文献1】特開2001−248787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1に開示された技術的思想では、間欠的に加圧される潤滑油を定量毎に吐出する吐出管の先端開口が、潤滑部位へエアを送給する送気管に連通する位置に配置され、吐出された潤滑油を該送気管内の気流によって前記潤滑部位へ搬送供給する装置に対して好適に適用することが可能であるが、これに対し、入力ポートと出力ポートとを備えた本体部の室内に潤滑油を導入し、前記室に沿ってピストンが摺動変位して潤滑油を押圧することにより該潤滑油を出力ポートから吐出させる装置に対して適用することが困難である。
【0009】
なぜならば、本体部の室内に潤滑油が導入されてもピストンが本体部の室に常時接触した状態で摺動変位するため、導電性材料で形成された本体部とピストンとを非導通状態とすることができないからである。
【0010】
本発明は、前記の点を考慮してなされたものであり、ピストンの変位量に基づいて、間欠吐出される潤滑油の本体部内への供給開始位置と、出力ポートからの潤滑油の吐出完了位置とをそれぞれ検出することにより、出力ポートから吐出される潤滑油を確実に検出することが可能な潤滑油供給検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するために、本発明は、潤滑油が供給される入力ポートと、前記入力ポートから供給された潤滑油を外部の流体機器に吐出する出力ポートと、前記入力ポート及び出力ポートに連通し該入力ポートを介して供給された潤滑油が導入される室とを有する本体部と、
前記本体部の軸線方向に沿って室内を摺動自在に設けられ、前記室内に導入された潤滑油によって押圧されることで、前記入力ポートの内径と出力ポートとの内径との比に対応して変位するピストンと、
前記本体部の軸線方向に沿った前記ピストンの変位量を検出する検出部と、
を備え、
前記検出部では、入力ポートを介して室内に対する潤滑油の供給が開始された際の前記ピストンの潤滑油供給開始位置と、定量の潤滑油の室内に対する供給が完了した際の前記ピストンの潤滑油供給完了位置と、前記室内に供給された定量の潤滑油が全て出力ポートを介して外部の流体機器に吐出された際の前記ピストンの潤滑油吐出完了位置とがそれぞれ検出されることを特徴とする。
【0012】
この場合、磁性材料によって形成されたピストンと、前記ピストンの内側又は外側に配置されたコイルとを含んで検出部を構成し、前記ピストンとコイルとの相対的変位によって発生するコイルのインダクタンスの変化を周波数変化として検出し、前記検出された周波数に基づいてピストンの変位量が算出されるとよい。
【0013】
前記ピストンを、シール部材が装着される円柱部と、コイルが挿通可能な中空状の円筒部とによって構成するとよい。
【0014】
また、前記ピストンには、入力ポートの内径と略同一の直径からなり、前記入力ポートに向かって所定長だけ突出する突起部が設けられるとよい。この突起部を設けることにより入力ポートから導入される潤滑油によって受圧される面積が小さくなり、応答速度を向上させることができる。
【0015】
さらに、前記本体部内には、室内に一定量の潤滑油が供給された後、ピストンを入力ポート側に向かって押圧することにより、前記潤滑油を出力ポートから吐出させるばね部材が設けられるとよい。本体部内の構造を簡素化することができるからである。
【0016】
本発明によれば、入力ポートを介して室内に対する潤滑油の供給が開始された際のピストンの潤滑油供給開始位置と、定量の潤滑油の室内に対する供給が完了した際のピストンの潤滑油供給完了位置と、前記室内に供給された定量の潤滑油が全て出力ポートを介して外部の流体機器に吐出された際のピストンの潤滑油吐出完了位置とを、前記ピストンの変位量に基づいて検出部によってそれぞれ検出することにより、間欠的に吐出される一定量の潤滑油が流体機器に向かって確実に供給されたことが確認されると共に、前記潤滑油が流体機器の潤滑通路の末端まで行き渡ったことが確認される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0018】
すなわち、ピストンの変位量に基づいて、間欠吐出される潤滑油の本体部内への潤滑油供給開始位置と、出力ポートからの潤滑油吐出完了位置とをそれぞれ検出することにより、出力ポートから吐出される潤滑油を確実に検出することができる。
【0019】
従って、流体機器の潤滑油が減少した場合であっても、間欠的に一定量の潤滑油を簡便且つ確実に供給してメンテナンス作業を効率的に遂行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る潤滑油供給検出装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0021】
図1において、参照数字10は、本発明の実施の形態に係る潤滑油供給検出装置を示す。
【0022】
この潤滑油供給検出装置10は、軸線方向に沿って所定長だけ延在する筒体状からなり入力ポート12及び出力ポート14が形成された本体部16と、前記本体部16の内部に形成された室18の所定範囲だけ摺動自在に設けられたピストン20と、本体部16の端部に装着されるエンドブロック22と、前記エンドブロック22の中心孔に形成されたねじ部に螺入される保持部材24と、前記保持部材24によって保持されることにより室18内に向かって本体部16の軸線と略平行に臨むように配置された検出部26とを備える。
【0023】
さらに、前記潤滑油供給検出装置10は、内壁に形成された環状段部を介して本体部16の略中央部に配置され、中心部に形成された孔部28を介して前記ピストン20の円筒部30が挿通することにより該ピストン20の変位を支持する係止部材32と、内壁に形成された環状溝に装着されることにより、前記係止部材32を室18内の軸線方向に沿った中間位置に係止するリング部材34と、一端部がピストン20に係着され他端部が係止部材32に係着されたコイルスプリング(ばね部材)36とを有する。
【0024】
前記入力ポート12はエンドブロック22と反対側の端部に形成され、また、前記出力ポート14は、該入力ポート12に近接し且つ該入力ポート12の軸線と直交する方向に沿って形成される。
【0025】
この場合、入力ポート12の内径Aは、出力ポート14の内径Bよりも大きく設定されており(A>B)、入力ポート12の内径断面積と出力ポート14の内径断面積が所定の比率となるように形成されることにより、前記ピストン20は入力ポート12の内径断面積と出力ポート14の内径断面積との比によって作動するように設けられている。
【0026】
従って、入力ポート12を通じて室18内に導入された潤滑油は、出力ポート14の内径Bが絞られているため、直ちに出力ポート14から吐出されることがなくピストン20を図1中の右方向に向かって押圧するように作用する(図6参照)。
【0027】
ピストン20は、本体部16の室18を構成する内壁の直径よりも僅かに小さく設定された円板状の大径部20aと、前記大径部20aと一体的に連結され該大径部20aよりも直径が小なる小径部20bと、一端部が前記小径部20bに装着され他端部側が後述するコイル38の外周面を囲繞する円筒部30とから構成され、前記大径部20a、小径部20b及び円筒部30は、磁性体によって形成される。なお、前記大径部20a及び小径部20bは、円柱部として機能するものである。
【0028】
入力ポート12を介して室18内に導入された潤滑油によってピストン20の大径部20aの側面が押圧されることにより、前記ピストン20を構成する大径部20a、小径部20b及び円筒部30がコイルスプリング36のばね力に抗して一体的に図1中の右方向に向かって変位する。前記室18内に導入された潤滑油は、前記大径部20aの外周面に形成された環状溝を介して装着されたピストンパッキン(シール部材)40によってシールされる。
【0029】
前記ピストン20が変位する際、該ピストン20の円筒部30は、孔部28に沿って挿通することにより係止部材32によって支持され、前記円筒部30の中空部内にコイル38の外周面が徐々に被覆(囲繞)されるように設けられる。前記円筒部30とコイル38との間には、所定のクリアランスが形成される。
【0030】
検出部26は、図2に示されるように、ボビンである中空ロッド41上に導体が複数巻回され、前記中空ロッド41の軸線方向に沿って巻き間隔が一定に巻回されたコイル38と、インダクタンス変化検出器42とを有する。前記インダクタンス変化検出器42は、コイル38の両端子38a、38bに接続されたコンデンサ44と、このコイル38のインダクタンスとコンデンサ44とからなるLC発振回路46と、前記LC発振回路46の出力側に接続される周波数カウンタ48とから構成される。
【0031】
前記周波数カウンタ48の出力側には、マイクロコンピュータによる周波数・位置変換部50が接続される。前記周波数・位置変換部50には、表示部52と出力端子54とが接続され、前記周波数カウンタ48及び周波数・位置変換部50をワンチップマイコンによって構成してもよい。前記マイクロコンピュータは、制御・演算・判断機能を有するCPU(central processing unit)と、プログラム等が記憶されるROM(read only memory)と、電気的に書き込み消去可能なEEPROM(electric erasable programmable ROM)と、RAM(random access memory)と、A/D変換器、D/A変換器等の入出力インタフェース等を含む。
【0032】
前記検出部26では、コイル38が交流によって励磁され、ピストン20の円筒部30が中空ロッド41の軸線方向に沿って変位したとき、前記コイル38のインダクタンスが変化し、このインダクタンスとコンデンサ44の容量で決定されるLC発振回路46の発振信号の発振周波数faが変化する。
【0033】
この発振周波数faの周波数が周波数カウンタ48で検出され、発振周波数faとして周波数・位置変換部50に供給される。前記周波数・位置変換部50では、予め格納された、例えば、図3に示されるような、インダクタンスの変化に対応する発振周波数fa(Hz)と位置x(mm)との間の変化特性に係るテーブルを参照してピストン20(円筒部30)の現在位置が算出される。前記算出された現在位置は、表示部52に表示され、あるいは出力端子54へ供給される。なお、前記算出された現在位置を、図示しない送信手段を介して外部の受信手段に対して通信によって送信するようにしてもよい。
【0034】
換言すると、磁性体で形成された外周側のピストン20の円筒部30と内周側のコイル38との間で相対的な変位が発生するとコイル38のインダクタンスが変化する。この場合、LC発振回路46から発振される発振周波数faは、コイル38のインダクタンスが変化することにより変化するため、前記ピストン20の変位量は、インダクタンスの変化量によって変化する周波数に基づいて算出される。
【0035】
なお、図2では、磁性体で形成されたピストン20の円筒部30の内周側にコイル38を配置しているが、これに限定されるものではなく、前記ピストン20の円筒部30の外側にコイル38を配置するようにしてもよい。
【0036】
本発明の実施の形態に係る潤滑油供給検出装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0037】
図4は、検出部26によって検出されたピストン20の現在位置に基づいて算出されたピストン20の変位量と時間との関係を示す特性図である。なお、ピストン20は、初期状態において原点位置にあるものとし、前記原点位置ではピストン20が入力ポート12側の内壁面に接着して室18内に導入された潤滑油の量が零の状態である。
【0038】
先ず、図1に示す潤滑油供給源60を付勢して所定量の潤滑油を本体部16の入力ポート12に供給する(図5参照)。前記入力ポート12に供給された潤滑油は、本体部16の室18内に導入されてピストン20を押圧し、前記ピストン20がコイルスプリング36のばね力に打ち勝ってコイル38側(図5中の右方向)に向かって変位する。なお、出力ポート14の内径Bが絞られているため、本体部16の室18内に導入された潤滑油は、理想状態として前記出力ポート14から吐出することがなく、ピストン20のみに作用するものとする。
【0039】
従って、ピストン20は室18内に導入された潤滑油によって押圧され、入力ポート12の内径断面積と出力ポート14の内径断面積の比によってピストン20が作動するように設定されている(図6参照)。ピストン20が潤滑油に押圧されることにより、該ピストン20と一体的に円筒部30が変位し、巻き間隔が一定に設定されたコイル38のインダクタンスの変化を発振周波数faの変化として検知し、前記発振周波数faの変化に比例するピストン20の変位量が求められる。
【0040】
ピストン20が原点位置から変位して時間T1となったとき、本体部16の室18内に対する潤滑油の供給が開始された潤滑油供給開始位置に到達したことを検出部26によって検出する(図4参照)。前記潤滑油供給開始位置は、メモリに格納され、設置状態に対応した状態における実験データによって予め設定されたものである。
【0041】
従って、CPUでは、検出部26から導出された検出信号に基づく位置情報(発振周波数)と、予め実験によって設定された情報(第1基準周波数)とを比較判断し、両情報が一致したときにピストン20が潤滑油供給開始位置に到達したことを確認する。
【0042】
なお、前記潤滑油供給開始位置が原点位置となっていないのは、外乱、ノイズ、温度変化等を考慮したからであり、ピストン20がコイル38側に僅かに変位した位置に設定されている。
【0043】
次に、ピストン20が潤滑油供給位置から変位して時間T2となったとき、本体部16の室18内に対する一定量の潤滑油の供給が完了した潤滑油供給完了位置に到達したことを検出部26によって検出する(図4参照)。前記潤滑油供給完了位置は、メモリに格納された実験データによって予め設定されたものである。
【0044】
従って、CPUでは、検出部26から導出された検出信号に基づく位置情報(発振周波数)と、予め実験によって設定された情報(第2基準周波数)とを比較判断し、両情報が一致したときにピストン20が潤滑油供給完了位置に到達したことを確認する。
【0045】
なお、前記潤滑油供給完了位置は、ピストン20の変位終端位置(ピーク位置)の僅かに手前の位置に設定されている。ピストン20が変位終端位置に到達したときに潤滑油の供給が完了したとは言えない場合があるからである。
【0046】
本体部16の室18内に対する一定量の潤滑油の供給が完了したとき潤滑油供給源60からの潤滑油の供給が停止され、ピストン20が前記潤滑油供給完了位置から僅かに変位して変位終端位置(ピーク位置)に到達する(図7参照)。
【0047】
続いて、ピストン20の大径部20aと係止部材32との間に介装されたコイルスプリング36のばね力(押圧力)によってピストン20がコイル38から離間する方向に押圧され、前記とは逆方向に向かってピストン20が変位する。この場合、潤滑油供給源60から入力ポート12への潤滑油の供給が停止されているため、前記ピストン20によって加圧された潤滑油は、出力ポート14から吐出される(図8参照)。前記出力ポート14から吐出された潤滑油は、例えば、ボールねじ機構等の外部の流体機器62に供給される。
【0048】
ピストン20がコイル38から離間する方向(図8中の矢印方向)、すなわち、原点位置に向かって変位し、時間T3から所定時間が経過して時間T4となったとき、本体部16の室18内に供給された一定量の潤滑油が全て外部の流体機器62に吐出されたこと、すなわち、出力ポート14から全部の潤滑油の吐出が完了した潤滑油吐出完了位置に到達したことを検出部26によって検出する(図4参照)。前記潤滑油吐出完了位置は、メモリに格納された実験データによって予め設定されたものである。
【0049】
従って、CPUでは、検出部26から導出された検出信号に基づく位置情報(発振周波数)と、予め実験によって設定された情報(第3基準周波数)とを比較判断し、両情報が一致したときにピストン20が潤滑油吐出完了位置に到達したことを確認する。なお、前記潤滑油吐出完了位置は、ピストン20が原点位置に復帰する僅かに手前の位置に設定されている。
【0050】
さらに、ピストン20が潤滑油吐出完了位置から僅かに変位して原点位置に復帰することにより、流体機器62に対する潤滑油の供給作業が終了する。なお、前記潤滑油の供給作業は、流体機器62の潤滑油の減少に伴って間欠的に遂行される。
【0051】
本実施の形態では、交流によって励磁されたコイル38を固定側とし、磁性体からなるピストン20(円筒部30)を可動側とすることによって発生するインダクタンスの変化を発振周波数faの変化に変換し、さらに、前記発振周波数faの変化をピストン20の変位量に対応させることにより、ピストン20の変位量を高精度に検出することができる。
【0052】
この場合、予め実験データによって設定された複数の所定位置に基づいて、本体部16の室18内に対する潤滑油の供給が開始された潤滑油供給開始位置と、本体部16の室18内に対する一定量の潤滑油の供給が完了した潤滑油供給完了位置と、本体部16の室18内に供給された一定量の潤滑油が全て外部の流体機器62に吐出されて潤滑油の吐出が完了した潤滑油吐出完了位置とを検出部26によって検出することにより、間欠的に吐出された一定量の潤滑油が流体機器62に対して確実に供給され、しかも、前記潤滑油が流体機器62の潤滑通路の末端まで行き渡ったことが確認される。
【0053】
この結果、本実施の形態では、ピストン20の変位量に基づいて、間欠吐出される潤滑油の本体部16内への供給開始時と、出力ポート14からの潤滑油の吐出完了時とをそれぞれ検出することにより、出力ポート14から吐出される潤滑油を確実に検出することができる。
【0054】
次に、本発明の他の実施の形態に係る潤滑油供給検出装置100を図9及び図10に示す。なお、前記実施の形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0055】
他の実施の形態に係る潤滑油供給検出装置100では、入力ポート12の内径と略同径からなり該入力ポート12側に向かって所定長だけ突出する突起部102をピストン20に設けている点で前記実施の形態と相違している。
【0056】
ピストン20に突起部102を付設することにより、最初に入力ポート12から潤滑油を供給した場合、前記潤滑油の受圧面積が突起部102を設けないときと比較して小さくなる。
【0057】
すなわち、突起部102を設けないときに潤滑油によって最初に受圧される面積はピストン20の大径部20aの面積となり、突起部102を設けたときに潤滑油によって最初に受圧される面積は入力ポート12の内径面積と略一致する。このため、ピストン20の変位開始時間が前記受圧面積の減少に伴って迅速となる。この結果、応答感度が良好となり、応答速度を向上させることができる利点がある。なお、その他の作用効果は、前記実施の形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態に係る潤滑油供給検出装置の概略構成縦断面図である。
【図2】図1に示す潤滑油供給検出装置を構成する検出部の概略構成ブロック図である。
【図3】発振周波数と位置との関係を示す特性図である。
【図4】ピストンの変位量と時間との関係を示す特性図である。
【図5】本体部の入力ポートに潤滑油が供給された状態を示す動作説明図である。
【図6】前記潤滑油が本体部の室内に導入されてピストンを押圧し、前記ピストンが変位した状態を示す動作説明図である。
【図7】前記ピストンが変位終端位置に到達し、潤滑油供給源から潤滑油の供給が停止した状態を示す動作説明図である。
【図8】コイルスプリングの押圧力によってピストンがコイルから離間する方向に変位し、室内に導入された潤滑油が出力ポートを介して吐出される状態を示す動作説明図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る潤滑油供給検出装置の概略構成縦断面図である。
【図10】図9に示す潤滑油供給検出装置において、入力ポートを介して供給された潤滑油が室内に導入されてピストンが変位した状態を示す動作説明図である。
【符号の説明】
【0059】
10、100…潤滑油供給検出装置 12…入力ポート
14…出力ポート 16…本体部
18…室 20…ピストン
22…エンドブロック 24…保持部材
26…検出部 28…孔部
30…円筒部 32…係止部材
34…リング部材 36…コイルスプリング
38…コイル 40…ピストンパッキン
41…中空ロッド 44…コンデンサ
46…LC発振回路 48…周波数カウンタ
50…周波数・位置変換部 52…表示部
102…突起部
【出願人】 【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区外神田四丁目14番1号
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
【出願日】 平成16年12月2日(2004.12.2)
【代理人】 【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏

【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸

【公開番号】 特開2006−161852(P2006−161852A)
【公開日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願番号】 特願2004−350126(P2004−350126)