トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 潤滑装置
【発明者】 【氏名】新堀 忠徳
【住所又は居所】神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

【氏名】杉田 澄雄
【住所又は居所】神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

【氏名】矢倉 健二
【住所又は居所】神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

【要約】 【課題】ハウジングの厚みを薄くし、間座の幅を小さくすることにより、主軸装置をコンパクト化することができる潤滑装置を提供する。

【解決手段】本発明の潤滑装置10は、潤滑油配管12に連通接続される潤滑油入口17と潤滑油噴射口18を有し、ハウジング35内の回転軸31の軸方向に沿って形成された駒取付孔43に挿入されるノズル駒11と、該ノズル駒11に弾性変形して密着する密着面21と潤滑油配管12を通す潤滑油配管路20を有し、ノズル駒11を潤滑油配管12に接続させるシール部材13と、該シール部材13を収容するシール部材収容部15を有し、該シール部材13を介してノズル駒11を押圧する押え部材14とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在な回転軸と、
内輪に前記回転軸が内嵌された軸受と、
前記軸受の外輪が内嵌されたハウジングと、
を備えた主軸装置に用いられ、加圧された少量の潤滑油を潤滑油配管を通じて前記軸受内部に噴射して微量潤滑を行う潤滑装置であって、
前記潤滑油配管に連通接続される潤滑油入口と潤滑油噴射口を有し、前記ハウジング内に形成された駒取付孔に挿入されるノズル駒と、
該ノズル駒に弾性変形又は塑性変形して密着する密着面と前記潤滑油配管を通す潤滑油配管路を有し、前記ノズル駒を前記潤滑油配管に接続させるシール部材と、
前記ハウジングに固定された該シール部材を前記ノズル駒に押圧する押え部材と、
を備えたことを特徴とする潤滑装置。
【請求項2】
回転自在な回転軸と、
内輪に前記回転軸が内嵌された軸受と、
前記軸受の外輪が内嵌されたハウジングと、
を備えた主軸装置に用いられ、加圧された少量の潤滑油を潤滑油配管を通じて前記軸受内部に噴射して微量潤滑を行う潤滑装置であって、
前記潤滑油配管に連通接続される潤滑油入口と潤滑油噴射口を有し、前記ハウジング内に形成された駒取付孔に挿入されるノズル駒と、
該ノズル駒に弾性変形又は塑性変形して密着する密着面と前記潤滑油配管を通す潤滑油配管路を有し、前記ハウジングに固定された該密着面を前記ノズル駒に押圧する押え部材と、
を備えたことを特徴とする潤滑装置。
【請求項3】
前記押え部材は、シール部材収容部を有し、該シール部材収容部は前記シール部材を加締める形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載した潤滑装置。
【請求項4】
前記ノズル駒と前記ハウジングとの間に、該ノズル駒を該ハウジングの所定位置に位置決めするための位置決め機構を有することを特徴とする請求項1又は2に記載した潤滑装置。
【請求項5】
前記押え部材を前記ハウジングにねじ込むことを特徴とする請求項1又は2に記載した潤滑装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械等の各種高速回転機械の主軸装置に潤滑油を供給する潤滑装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の潤滑装置としては、オイルミスト方式、オイルエア方式、ジェット方式等の各種方式が提案されかつ実施されている。
オイルミスト方式の潤滑装置は、油溜り、ポンプ、プランジャ、分配器、圧縮空気源、電磁バルブおよびノズルを有して構成され、潤滑油を微細な霧状にし、圧縮空気により空気配管中を搬送し、軸受内部に向けて噴出させるものである。
【0003】
オイルエア方式の潤滑装置は、油タンク、ポンプ、分配器、圧縮空気源、プランジャおよびノズルを有して構成され、プランジャの機械的機構により一定量に調整された潤滑油滴(0.01〜0.03cc(ml))を空気配管中に吐出し、空気によりノズルまで運び、軸受内部に向けて噴出させるものである。
【0004】
ジェット方式の潤滑装置は、空気源を用いず、高圧ポンプにより潤滑油を高圧にし、吐出径を絞ったノズルから潤滑油を高速で軸受内部に向けて噴出させる。
【0005】
上記のオイルミスト方式による潤滑装置においては、圧縮エアを使用することから、騒音問題や、潤滑油のミストが大気中に飛散することによる作業環境の悪化の問題が生じる。これと同時に、エアカーテンが軸受周囲に形成されて潤滑油の供給が阻害され、高速回転をしている軸受内に焼付けを生じるといった問題を考慮すると、実際に必要な量(0.01〜0.03cc(ml))以下の潤滑油を軸受に供給しなければならない。また、上記のオイルエア方式の潤滑装置においても同様なエアカーテンの問題を抱えている。
【0006】
そこで、各潤滑装置のうち、上記した問題を生じないものとして、微量のジェット化した潤滑油を、指向性を持つノズルにより直接軸受に噴射するジェット方式による微量潤滑が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0007】
従来のジェット方式を適用した潤滑装置の例を図7に示す。図7に示す潤滑装置80は、ノズル駒81に取付けられた固定金具82をビス83によりスピンドルのハウジング84に固定し、フィッティング85で配管86を接続している。
【特許文献1】特開2002−130590号公報(第3−5頁、図1)
【特許文献2】特開2002−206692号公報(第4−6頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、この潤滑装置80では、ハウジング84に固定するためのノズル駒81の固定金具82が、ノズル駒81の径より外側に張り出しているために、ハウジング84の径方向に大きな取付けスペースが必要となる。また、ノズル駒81自身に、樹脂やステンレス鋼(SUS)でできたフィッティング85用のねじ穴を設ける必要があり、ノズル駒81自身が太くかつ長くなってしまう。したがって、軸受87の周りのハウジング84の厚みを少なくしたい、軸受87の軸受ナット88と間座89の幅を短くしたい等、主軸装置全体を小さくする場合においては、ノズル駒81を取り付けるのに十分な空間が確保できない場合がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ハウジングの厚みを薄くし、間座の幅を小さくすることにより、主軸装置をコンパクト化することができる潤滑装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1)本発明の潤滑装置は、回転自在な回転軸と、内輪に前記回転軸が内嵌された軸受と、前記軸受の外輪が内嵌されたハウジングと、を備えた主軸装置に用いられ、加圧された少量の潤滑油を潤滑油配管を通じて前記軸受内部に噴射して微量潤滑を行う潤滑装置であって、前記潤滑油配管に連通接続される潤滑油入口と潤滑油噴射口を有し、前記ハウジング内に形成された駒取付孔に挿入されるノズル駒と、該ノズル駒に弾性変形又は塑性変形して密着する密着面と前記潤滑油配管を通す潤滑油配管路を有し、前記ノズル駒を前記潤滑油配管に接続させるシール部材と、前記ハウジングに固定された該シール部材を前記ノズル駒に押圧する押え部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
前記構成の潤滑装置によれば、ノズル駒がハウジングに挿入された後に、シール部材によって潤滑油配管をノズル駒に接続し、押え部材によってシール部材を介してノズル駒を押圧するので、従来のような径方向に張り出した固定金具をノズル駒に設ける必要はない。また、ノズル駒は押え部材により押圧されて、シール部材の密着面がノズル駒の潤滑油入口側端面に密着するとともに、押え部材のシール部材収容部にシール部材が収容されるため、押え部材に対して安定して密着させることができるので、潤滑油の漏洩を確実に防止することができる。従って、ハウジングの厚みを薄くすることができるとともに、間座の幅を小さくできるので、主軸装置をコンパクト化することができる。
【0012】
2)本発明の潤滑装置は、回転自在な回転軸と、内輪に前記回転軸が内嵌された軸受と、前記軸受の外輪が内嵌されたハウジングと、を備えた主軸装置に用いられ、加圧された少量の潤滑油を潤滑油配管を通じて前記軸受内部に噴射して微量潤滑を行う潤滑装置であって、前記潤滑油配管に連通接続される潤滑油入口と潤滑油噴射口を有し、前記ハウジング内に形成された駒取付孔に挿入されるノズル駒と、該ノズル駒に弾性変形又は塑性変形して密着する密着面と前記潤滑油配管を通す潤滑油配管路を有し、前記ハウジングに固定された該密着面を前記ノズル駒に押圧する押え部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
前記構成の潤滑装置によれば、ノズル駒がハウジングに挿入された後に、押え部材によって潤滑油配管をノズル駒に接続して、且つノズル駒を押圧するので、従来のような径方向に張り出した固定金具をノズル駒に設ける必要はなく、また押え部材自身がシール性能を有するために、シール部材を不要として、極めて簡単な構造になり、部品点数の減少を図ることができる。また、ノズル駒は押え部材により押圧されて、密着面がノズル駒の潤滑油入口側端面に密着するとともに、押え部材のテーパ状突部がノズル駒に収容されるため、ノズル駒に対して安定して密着させることができるので、潤滑油の漏洩を確実に防止することができる。従って、ハウジングの厚みを薄くすることができるとともに、間座の幅を小さくできるので、主軸装置をコンパクト化することができる。
【0014】
3)本発明の潤滑装置は、前記1)に記載した潤滑装置において、前記押え部材は、シール部材収容部を有し、該シール部材収容部は前記シール部材を加締める形状に形成されていることを特徴とする。
【0015】
前記構成の潤滑装置によれば、シール部材収容部に収容されたシール部材が加締められることで、潤滑油の漏洩を一層確実に防止することができる。
【0016】
4)本発明の潤滑装置は、前記1)又は前記2)に記載した潤滑装置において、前記ノズル駒と前記ハウジングとの間に、該ノズル駒を該ハウジングの所定位置に位置決めするための位置決め機構を有することを特徴とする。
【0017】
前記構成の潤滑装置によれば、位置決め機構により、ノズル駒がハウジングの所定位置に組付けられ、しかも押え部材を組み付ける前にノズル駒が位置決めされるので、ノズル駒と押え部材とを位置合わせすることなく、組付け作業を簡単に行うことができる。
【0018】
5)本発明の潤滑装置は、前記1)又は前記2)に記載した潤滑装置において、前記押え部材を前記ハウジングにねじ込むことを特徴とする。
【0019】
前記構成の潤滑装置によれば、組付け作業を簡単に行うことができるとともに、コンパクトな構成とすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の潤滑装置によれば、ハウジングの厚みを薄くし、間座の幅を小さくすることにより、主軸装置をコンパクト化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る複数の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る潤滑装置の第1実施形態を示す主軸装置の要部断面図、図2(a)は図1に示す潤滑装置に用いられるシール部材の側面図、図2(b)は図2(a)に示すシール部材の断面図、図3(a)は図1に示す潤滑装置に用いられる押え部材の正面図、図3(b)は図3(a)に示す押え部材の断面図、図3(c)は図3(a)に示す押え部材の背面図、図4は本発明に係る潤滑装置の第2実施形態を示す主軸装置の要部断面図、図5は図4に示す潤滑装置に用いられる押え部材の断面図、図6は図4に示す潤滑装置に用いられるノズル駒の断面図である。
【0022】
図1に示すように、本発明の第1実施形態である潤滑装置10は、回転自在な回転軸31と、内輪32に回転軸31が内嵌された軸受33と、軸受33の外輪34が内嵌されたハウジング35と、を備えた主軸装置30に用いられ、加圧された少量の潤滑油を軸受33内部に噴射して微量潤滑を行う潤滑装置10であって、ハウジング35に挿入されたノズル駒11と、ノズル駒11を潤滑油配管12に連通接続させるシール部材13と、シール部材13を介してノズル駒11を回転軸31の軸方向に押圧する押え部材14と、を備えている。
【0023】
また、潤滑装置10は、押え部材14が、シール部材13を収容するシール部材収容部15を有する。また、シール部材13が、潤滑油配管12が入る形状に形成されており、シール部材収容部15が、シール部材13を加締める形状に形成されている。また、ハウジング35に雌ねじ36が形成され、押え部材14が、雌ねじ36にねじ込まれている。また、ノズル駒11とハウジング35との間に、ノズル駒11をハウジング35の所定位置に位置決めするための位置決め機構16を有する。
【0024】
主軸装置30は、ハウジング35が、第1アウターハウジング37と、第2アウターハウジング38と、インナーハウジング39と、外輪間座部材40と、からなり、軸受ナット41を備えている。
【0025】
第1アウターハウジング37は、外筒であって、インナーハウジング39の外周部に外嵌されている。
【0026】
第2アウターハウジング38は、第1アウターハウジング37とともに外筒を形成する。第2アウターハウジング38は、第1アウターハウジング37との間に外輪間座部材40を挟み込んで配置されている。
【0027】
インナーハウジング39は、軸受33の外輪34に外嵌されており、押え部材14とノズル駒11とを組み付けるための駒取付孔43が、回転軸31の軸方向に形成されている。この駒取付孔43の内周面には、雌ねじ36が形成されている。また、インナーハウジング39は、駒取付孔43の端部寄りに、ノズル駒11から加圧噴出された少量の潤滑油を外輪34に向けて送給する流路44が径方向に形成されている。そして、インナーハウジング39は、駒取付孔43の端部に、位置決め機構16の一部を構成するピン挿入孔45が形成されている。インナーハウジング39は、軸受33の外輪34の一端部に当接している。
【0028】
外輪間座部材40は、内周側が軸受33の外輪34の他端部に当接しており、外周側がOリング46を介して第1アウターハウジング37に組付けられている。外輪間座部材40は、円周方向に複数または単一の切欠26を有し、その切欠内に潤滑油配管12が挿通される。
【0029】
軸受ナット41は、回転軸31に外嵌されて軸受34の内輪32の一端部に当接して内輪32を固定している。
【0030】
軸受33は、複列円筒ころ軸受であって、単一の外輪34と、単一の内輪32と、を有する。そして、外輪34と内輪32との間に転動自在に配された円筒ころ47が、保持器(不図示)によって保持されている。外輪34には、軸受内部と外輪34の外周面とを径方向に連通させた流路48が形成されている。
【0031】
ノズル駒11は、インナーハウジング39の駒取付孔43の内径よりも僅かに小さい外径の円柱形状に形成されており、ノズルチップ27、フィルタ28を内蔵している。ノズル駒11は、図1中の左端部に潤滑油入口17が形成され、図1中の下端部に潤滑油噴射口18が形成されている。潤滑油入口17は潤滑油配管12に連通接続され、潤滑油噴射口18はインナーハウジング39の流路44に連通される。ノズル駒11の端面は、表面が、粗さRa1.6μm程度に加工されている。また、ノズル駒11は、その先端部に、位置決め機構16の一部を構成するピン19が嵌入されている。ピン19は、ノズル駒11が駒取付孔43に挿入されてきた際に、駒取付孔43のピン挿入孔45に挿入されることにより、潤滑油噴射口18を流路44に対して位置決めする。
【0032】
図2(a),(b)に示すように、シール部材13は、例えばテフロン等の樹脂を素材として、内部に潤滑油配管路20を有して円錐台形に形成されている。シール部材13は、その内周の潤滑油配管路20に潤滑油配管12を通して、押え部材14に形成されたシール部材収容部15に装着される。シール部材13は、押え部材14が駒取付孔43の雌ねじ36にねじ込まれた際に、ノズル駒11の左端面に密着する密着面21を有する。シール部材13は、押え部材14が駒取付孔43の雌ねじ36にねじ込まれていくことにより、密着面21がノズル駒11の左端面に密着して、ノズル駒11とシール部材13との間での潤滑油の漏洩を防止する。
【0033】
さらに、シール部材13に形成されたテーパ面22が押え部材14のシール部材収容部15に加締めされることで、潤滑油配管12とシール部材13の内周の潤滑油配管路21との間での潤滑油の漏洩を防止する。シール部材13は、潤滑油配管12を通して押え部材14に内装されることにより、押え部材14の押圧によりノズル駒11に密着して潤滑油の漏洩を防止することができる。なお、これとは異なり、シール部材がノズル駒11に内装されることにより、押え部材14の押圧により押え部材14に密着して潤滑油の潤滑油の漏洩を防止することができる。更に、シール部材は押え部材14及びノズル駒11の双方に内装されても同様の効果を発揮する。
【0034】
図3(a),(b),(c)に示すように、押え部材14は、インナーハウジング39の駒取付孔43に形成されている雌ねじ36にねじ込まれる外径を持つ円筒形状に形成されている。押え部材14は、図3(b)中の左端部に押え部材固定部24が形成され、図3(b)中の右端部にシール部材収容部15が形成されている。押え部材固定部24とシール部材収容部15は連通している。シール部材収容部15は、端部に行くに従って内径が大きくなる円錐孔形状に形成されている。押え部材14は、駒取付孔43の雌ねじ36にねじ込まれていくことにより、所定の位置までノズル駒11を押圧する。押え部材14の反ノズル駒11側の端面には、例えば、治具挿入用凹溝を形成しておくのが好ましい。
【0035】
潤滑装置10は、高圧ポンプ(不図示)から送給された高圧の潤滑油が、ねじ込まれた押え部材14のシール部材収容部15内のシール部材13によってシールされた潤滑油配管12からノズル駒11に送られる。そして、ノズル駒11内においてフィルタを通り、ノズルチップからインナーハウジング39の流路44内および外輪34の流路48内に噴射され、軸受33内部に供給される。軸受33内部に供給された潤滑油は、軸受33内部に一旦保持された後に、排油口(不図示)から外部へ排出される。
【0036】
なお、潤滑装置10において、シール部材13を、押え部材14に換えてノズル駒11に収容するようにしても良い。その場合には、ノズル駒11にシール部材収容部を設けるのは言うまでもない。また、シール部材13を押え部材14およびノズル駒11にそれぞれ収容しても良い。その場合には、各シール部材13の密着面21を合わせるように配置するのが好ましい。
【0037】
第1実施形態の潤滑装置10によれば、ノズル駒11が回転軸31の軸方向に押圧されてインナーハウジング39に組み付けられた後に、潤滑油配管12を押え部材14の押え部材固定部24及びシール部材収容部15内に収容するシール部材13の内径を通して設置し、駒取付孔43の雌ねじ36にねじ込ませていくことで設置できる。それにより、ノズル駒11は、従来のような径方向に張り出した固定金具を用いることなく、押え部材14及びシール部材13により、回転軸31の軸方向に押圧されてインナーハウジング39に組み付けられるので、インナーハウジング39及び両アウターハウジング37,38の厚みを薄くすることができるとともに、軸受ナット41と内輪間座42の幅を小さくできるので、主軸装置30をコンパクトにできると同時に簡単に組付けを行うことができる。また、部品点数も削減できる。すなわち、従来では、押え部材はノズル駒に取り付けられているのに対して、本発明ではハウジングに直接取り付けられているため、このようなことが可能になっている。
【0038】
また、第1実施形態の潤滑装置10によれば、ノズル駒11とインナーハウジング39との間に、ノズル駒11をインナーハウジング39の所定位置に位置決めするための位置決め機構16を有する。それにより、位置決め機構16によって、ノズル駒11がインナーハウジング39の所定位置に組付けられるので、押え部材14を組み付ける以前に、ノズル駒11が位置決めされていて、ノズル駒11と押え部材14とを位置合わせすることなく、組付け作業を簡単に行うことができる。
【0039】
次に、図4〜図6を参照して、本発明に係る潤滑装置の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態において、既に説明した部材等と同様な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号または相当符号を付することにより、説明を簡略化或いは省略する。
【0040】
図4に示すように、第2実施形態の潤滑装置60は、回転自在な回転軸31と、内輪32に回転軸31が内嵌された軸受33と、軸受33の外輪34が内嵌されたハウジング35と、を備えた主軸装置30に用いられ、加圧された少量の潤滑油を軸受33内部に噴射して微量潤滑を行う潤滑装置60であって、ハウジング35に取付けられ、潤滑油配管12を通じ、回転軸31の軸方向に押圧して密封する押え部材61と、ノズル駒62と、を備えている。
【0041】
図5に示すように、押え部材61は、弾性を有する樹脂を素材として、インナーハウジング39の駒取付孔43に形成されている雌ねじ36にねじ込まれる外径を持つ円筒形状に形成されており、図5中の右端にノズル駒62に密着する密着面66と、ねじ込まれる先端にテーパ状突部63を有している。押え部材61は、図5中の左端部に押え部材固定部64が形成されている。押え部材61は、駒取付孔43の雌ねじ36にねじ込まれていくと、所定の位置にあるノズル駒62を押圧して、弾性的に変形する。このとき、押え部材61とノズル駒62の端面では、ノズル駒62において表面粗さRa1.6程度に加工されている端面に押え部材61の密着面66が密着するため、潤滑油の漏洩を確実に防止することができる。
【0042】
図6に示すように、ノズル駒62には、潤滑油配管12を接続するために、押え部材61のテーパ状突部63が入る凹形状部65が形成されている。
【0043】
潤滑装置60では、潤滑油配管12が、押え部材61のテーパ状突部63をノズル駒62の凹形状部65にねじ込むことにより加締められることで固定でき、潤滑油の漏洩を防止することができる。
【0044】
第2実施形態の潤滑装置60によれば、押え部材61の押圧により密封されるノズル駒62は、従来のような、径方向に張り出した固定金具を用いることなく、押え部材61により、回転軸31の軸方向に押圧されてインナーハウジング39に組付けられる。それにより、インナーハウジング39および両アウターハウジング37,38の厚みを薄くすることができるとともに、軸受ナット41と内輪間座42の幅を小さくできるので、主軸装置30をコンパクト化することができる。なお、押え部材はノズル駒を押圧するようにハウジングに対して取り付けられていれば良く、圧入や止め輪による固定等、ねじ込み以外の方法を用いても良い。
【0045】
なお、本発明に係る潤滑装置は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。例えば、軸受は、複列円筒ころ軸受に限らず、複列アンギュラ玉軸受や深溝玉軸受、等の各種転がり軸受を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る潤滑装置の第1実施形態を示す主軸装置の要部断面図である。
【図2】(a)は図1に示した潤滑装置に用いられるシール部材の側面図、(b)は(a)に示したシール部材の断面図である。
【図3】(a)は図1に示した潤滑装置に用いられる押え部材の正面図、(b)は(a)に示した押え部材の断面図、(c)は(a)に示した押え部材の背面図である。
【図4】本発明に係る潤滑装置の第2実施形態を示す主軸装置の要部断面図である。
【図5】図4に示した潤滑装置に用いられる押え部材の断面図である。
【図6】図4に示した潤滑装置に用いられるノズル駒の断面図である。
【図7】従来の潤滑装置の断面図である。
【符号の説明】
【0047】
10,60 潤滑装置
11,62 ノズル駒
12 潤滑油配管
13 シール部材
14,61 押え部材
15 シール部材収容部
16 位置決め機構
30 主軸装置
31 回転軸
32 内輪
33 軸受
34 外輪
35 ハウジング
36 雌ねじ
39 インナーハウジング(ハウジング)
【出願人】 【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
【住所又は居所】東京都品川区大崎1丁目6番3号
【出願日】 平成16年8月19日(2004.8.19)
【代理人】 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平

【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳

【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光

【識別番号】100115107
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 猛

【識別番号】100090343
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 百合子

【公開番号】 特開2006−57720(P2006−57720A)
【公開日】 平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願番号】 特願2004−239894(P2004−239894)