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【発明の名称】 |
改良型ハイブリッドターボ分子真空ポンプ |
| 【発明者】 |
【氏名】マーズベッド ハブラニアン |
【課題】平坦なポンピング面を備えた回転ディスクまたは回転円筒状ドラムを有する分子引きずりステージを含まない真空ポンプを提供する。
【解決手段】ハイブリッドターボ分子真空ポンプは、取入口と排出口とを有するハウジングと、前記ハウジング内部に設けられかつ傾斜ブレードを有する固定子と傾斜ブレードを有するインペラとを各々が含む1つ以上の軸方向フローステージと、軸方向フローステージではなくてかつハウジング内に設けられているとともに固定子とインペラとを含む少なくとも1つの追加真空ポンピングステージと、前記取入口から前記排出口へ気体をポンピングするように前記インペラを回転させる原動機とを含む。追加真空ポンピングステージは、インペラが粗いまたは溝付きのポンピング面を有するディスクを含む改良型分子引きずりステージ、および/または再生ステージであってもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 取入口と排出口とを有するハウジングと、 前記ハウジング内部に設けられ、かつ、傾斜ブレードを有する固定子と傾斜ブレードを有するインペラとを各々が含む、1つ以上の軸方向フローステージと、 軸方向フローステージではない少なくとも1つの追加真空ポンピングステージであって、前記ハウジング内部に設けられているとともに固定子とインペラとを含む少なくとも1つの追加真空ポンピングステージと、 前記取入口から前記排出口へ気体をポンピングするように前記インペラを回転させる原動機とを含み、 平坦なポンピング面を備えた回転円筒状ドラムまたは回転ディスクを有する分子引きずりステージは含まないことを特徴とする真空ポンプ。 【請求項2】 前記追加真空ポンピングステージは、前記インペラが粗いポンピング面を有するディスクを含むものである改良型分子引きずりステージを含むことを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。 【請求項3】 前記追加真空ポンピングステージは、前記インペラが溝付きのポンピング面を有するディスクを含むものである改良型分子引きずりステージを含むことを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。 【請求項4】 前記追加真空ポンピングステージは再生ステージを含むことを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。 【請求項5】 前記追加真空ポンピングステージは、2個以上の追加真空ポンピングステージを含むことを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。 【請求項6】 前記2個以上の追加真空ポンピングステージは、前記インペラが粗いまたは溝付きのポンピング面を有するディスクを含むものである改良型分子引きずりステージと、再生ステージとを含むことを特徴とする請求項5に記載の真空ポンプ。 【請求項7】 前記追加真空ポンピングステージの連続するステージの前記インペラは、段階的に高くなる圧力で動作するよう構成されていることを特徴とする請求項5に記載の真空ポンプ。 【請求項8】 前記追加真空ポンピングステージの回転軸は、前記追加真空ポンピングステージの前記固定子の中心からずれていることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。 【請求項9】 前記2個以上の追加真空ポンピングステージは、再生ステージを含むことを特徴とする請求項5に記載の真空ポンプ。 【請求項10】 前記軸方向フローステージの連続するステージの前記傾斜ブレードの角度は段階的に小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。 【請求項11】 取入口と排出口とを有するハウジングと、 前記ハウジング内部に設けられ、かつ、傾斜ブレードを有する固定子と傾斜ブレードを有するインペラとを各々が含む、1つ以上の軸方向フローステージと、 前記ハウジング内部に設けられているとともに固定子とインペラとを含む少なくとも1つの改良型分子引きずりステージと、 前記取入口から前記排出口へ気体をポンピングするように前記インペラを回転させる原動機とを含み、 平坦なポンピング面を備えた回転円筒状ドラムまたは回転ディスクを有する分子引きずりステージを含まないことを特徴とする真空ポンプ。 【請求項12】 前記改良型分子引きずりステージの前記インペラは、粗いポンピング面を有するディスクを含むことを特徴とする請求項11に記載の真空ポンプ。 【請求項13】 前記改良型分子引きずりステージの前記インペラは、溝付きのポンピング面を有するディスクを含むことを特徴とする請求項11に記載の真空ポンプ。 【請求項14】 前記少なくとも1つの改良型分子引きずりステージは、2個以上の改良型分子引きずりステージを含むことを特徴とする請求項11に記載の真空ポンプ。 【請求項15】 前記改良型分子引きずりステージの前記インペラの回転軸は、前記改良型分子引きずりステージの前記固定子の中心からずれていることを特徴とする請求項11に記載の真空ポンプ。 【請求項16】 取入口と排出口とを有するハウジングと、 前記ハウジング内部に設けられ、かつ、傾斜ブレードを有する固定子と傾斜ブレードを有するインペラとを各々が含む、1つ以上の軸方向フローステージと、 前記ハウジング内部に設けられているとともに固定子とインペラとを含む少なくとも1つの再生ステージと、 前記取入口から前記排出口へ気体をポンピングするように前記インペラを回転させる原動機とを含み、 平坦なポンピング面を備えた回転円筒状ドラムまたは回転ディスクを有する分子引きずりステージは含まないことを特徴とする真空ポンプ。 【請求項17】 前記少なくとも1つの再生ステージは、2個以上の再生ステージを含むことを特徴とする請求項16に記載の真空ポンプ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はハイブリッドターボ分子真空ポンプに関し、さらに詳しくは、軸方向フローステージと、1つ以上の追加ステージとを含むハイブリッドターボ分子真空ポンプに関する。この真空ポンプは、平坦なポンピング面を備えた回転ディスクまたは回転円筒状ドラムを有する分子引きずりステージを含まない。 【背景技術】 【0002】 従来のターボ分子真空ポンプは、取入口と、複数の軸方向ポンピングステージを含む内部室と、排出口とを有するハウジングを含む。排出口は通常、荒引き真空ポンプに取り付けられている。各軸方向ポンピングステージは、傾斜ブレードを有する固定子と、傾斜ブレードを有する回転子とを含む。回転子ブレードと固定子ブレードとは反対方向に傾斜している。回転子ブレードは、原動機により高速回転されて、取入口と排出口との間で気体がポンピングされる。典型的なターボ分子真空ポンプは、9個〜12個の軸方向ポンピングステージを含んでいてもよい。 【0003】 ハイブリッドターボ分子真空ポンプとしてしばしば言及される従来のターボ分子真空ポンプの変更例は、従来技術において開示されている。1つの従来技術の構成において、1つ以上の軸方向ポンピングステージは、分子引きずりコンプレッサーを形成する分子引きずりステージに置き換えられる。この構成は、1993年8月24日に発行されバリアン社に譲渡された特許に係る下記特許文献1に開示されている。バリアン社から、共通のハウジング内部に軸方向ターボ分子コンプレッサーと分子引きずりコンプレサーとを含むハイブリッド真空ポンプが販売されている。ハイブリッド真空ポンプ用の再生ステージと分子引きずりステージとは、1994年10月25日に発行されバリアン社へ譲渡された特許に係る下記特許文献2に開示されている。軸方向ポンピングステージの固定子の設計の段階的な変更も下記特許文献2に開示されている。他のハイブリッド真空ポンプが、1991年12月24日発行の特許に係る下記特許文献3、1998年12月15日発行の特許に係る下記特許文献4、および2000年10月24日発行の特許に係る下記特許文献5に開示されている。開示されているハイブリッド真空ポンプでは、既存のインペラタイプを使用するとともに、1つのインペラタイプから他のタイプへ突然切り替えられている。 【0004】 従来の分子引きずりステージは、回転ディスクまたはインペラと、固定子とを含む。回転ディスクのポンピング面は平坦でありかつ滑らかである。固定子は、接線フローチャンネルと、接線フローチャンネル用入口および出口とを区画している。接線フローチャンネル内に設けられ、しばしばストリッパーと呼ばれる固定バッフル(じゃま板)が入口と出口とを分離する。この技術分野で周知のように、回転ディスクの運動量は、接線フローチャンネル内部にて気体分子へ伝達され、これにより、分子は出口方向へ導かれる。分子引きずりステージは分子フロー条件のために開発された。 【0005】 別のタイプの分子引きずりステージは、回転ドラムに隣接して、円筒状内壁を有するハウジング内部で回転する円筒状ドラムを含む。円筒状ドラムまたは壁の外表面には螺旋溝が設けられている。ドラムが回転すると、気体は分子引きずりにより溝を介してポンピングされる。 2003年8月19日に発行されバリアン社へ譲渡された特許に係る下記特許文献6は、連続するステージのインペラが、漸進的により高くなる圧力で効率的に動作するような表面形状にて構成されているハイブリッドターボ分子真空ポンプを開示している。この表面形状は粗いまたは溝付きのポンピング面を含んでいてもよい。 【0006】 再生真空ポンピングステージは、接線フローチャンネルを区画する固定子内部で動作する再生インペラを含む。再生インペラは、外周または外周付近に相互離間された放射状リブを有する回転ディスクを含む。再生真空ポンピングステージは粘性流体条件用に開発された。 周知の従来技術のハイブリッドターボ分子真空ポンプは全て、インペラが平坦な表面を有する回転ディスクであるかまたは円筒状ドラムであるところの1つ以上の分子引きずりステージを含んでいる。これらのステージでは、所望の圧力比を得るために、回転子-固定子間隔として約1/5000インチ〜約1/8000インチであることが要求されている。 【特許文献1】米国特許第5,238,362号明細書 【特許文献2】米国特許第5,358,373号明細書 【特許文献3】米国特許第5,074,747号明細書 【特許文献4】米国特許第5,848,873号明細書 【特許文献5】米国特許第6,135,709号明細書 【特許文献6】米国特許第6,607,351号明細書 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 数個のステージにおいて、回転子と固定子との間の接触リスクを最少にしながらこのような小さな間隔を維持するには、厳しい精度が要求されるとともに製造コストが高くつくという結果になる。 したがって、改良型ハイブリッドターボ分子真空ポンプに対する必要性が生じている。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明の第1の局面の真空ポンプが提供される。この真空ポンプは、取入口と排出口とを有するハウジングと、前記ハウジング内部に設けられかつ傾斜ブレードを有する固定子と傾斜ブレードを有するインペラとを各々が含む1つ以上の軸方向フローステージと、軸方向フローステージではない追加真空ポンピングステージであって、前記ハウジング内部に設けられているとともに固定子とインペラとを含む少なくとも1つの追加真空ポンピングステージと、前記取入口から前記排出口へ気体をポンピングするよう前記インペラを回転させる原動機とを含む。この真空ポンプは、平坦なポンピング面を備えた回転ディスクまたは回転円筒状ドラムを有する分子引きずりステージは含んでいない。 【0009】 真空ポンプは、1つ以上の軸方向フローステージと、1つ以上の追加ステージとを含む。前記追加ステージは、改良型分子引きずりステージおよび/または再生ステージを含んでいてもよい。改良型分子引きずりステージのインペラは、粗いまたは溝付きのポンピング面を有するディスクを含む。真空ポンプのステージの合計数は本発明の範囲において変更してもよい。さらに、軸方向フローステージの数および追加真空ポンピングステージの数は、本発明の範囲において変更してもよい。 【0010】 本発明の第2の局面の真空ポンプが提供される。この真空ポンプは、取入口と排出口とを有するハウジングと、前記ハウジング内部に設けられかつ傾斜ブレードを有する固定子と傾斜ブレードを有するインペラとを各々が含む1つ以上の軸方向フローステージと、前記ハウジング内部に設けられているとともに固定子とインペラとを含む少なくとも1つの改良型分子引きずりステージと、前記取入口から前記排出口へ気体をポンピングするよう前記インペラを回転させる原動機とを含む。真空ポンプは、平坦なポンピング面を備えた回転ディスクまたは回転円筒状ドラムを有する分子引きずりステージは含まない。 【0011】 本発明の第3の局面の真空ポンプが提供される。この真空ポンプは、取入口と排出口とを有するハウジングと、前記ハウジング内部に設けられかつ傾斜ブレードを有する固定子と傾斜ブレードを有するインペラとを各々が含む1つ以上の軸方向フローステージと、前記ハウジング内部に設けられているとともに固定子とインペラとを含む少なくとも1つの再生ステージと、前記取入口から前記排出口へ気体をポンピングするよう前記インペラを回転させる原動機とを含む。前記真空ポンプは、平坦なポンピング面を備えた回転ディスクまたは回転円筒状ドラムを有する分子引きずりステージは含んでいない。 【0012】 本発明をよりよく理解するために、添付図面を参照されたい。なお、添付図面はここに引用により包含される。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 図1に、本発明の実施形態に係る高真空ポンプの簡略化した横断面ブロック図を示す。ハウジング10は、取入口14と排出口16とを有する内部室12を区画している。ハウジング10は、排気される真空室(図示せず)に対して取入口14を密封する真空フランジ18を含む。排出口16には、荒引き真空ポンプ(図示せず)を接続してもよい。真空ポンプが大気圧へ排気することが出来る場合、荒引きポンプは必要ではない。 【0014】 真空ポンピングステージ30、32、……、46は、ハウジング10内部に位置している。各真空ポンピングステージは固定部材すなわち固定子と、インペラまたは回転子としても知られている回転部材とを含む。各真空ポンピングステージの回転部材は、駆動軸50により原動機(モータ)52へ結合されている。軸50は、原動機52により高速回転させられ、これにより、回転部材を中心軸の周りで回転させるとともに、気体を取入口14から排出口16へポンピングさせる。図1の実施形態は9つのステージを有している。真空ポンピングの必要により、異なる数のステージを利用することが出来ることは理解されよう。 【0015】 真空ポンピングステージ30、32、……、46は、指定された圧力範囲において効率的な動作をするよう構成されている。例えば、動作中の取入口14での圧力は、10-5torr〜10-6torrの範囲であってもよく、排出口16での圧力は大気圧または大気圧付近であってもよい。真空ポンプを通しての圧力は、取入口14から排出口16へ段階的に増大する。各真空ポンピングステージの特徴は、そのステージの想定動作圧力範囲に対して効率的な動作をするように選択してもよい。 【0016】 1つの実施形態において、真空ポンピングステージ30、32、34および36は、図2に示すようにかつ以下に説明するように、軸方向フローステージであってもよい。真空ポンピングステージ38、40および42は、図6A〜図8Bおよび図10A〜図10Cとの関連で以下に説明するように、改良型分子引きずりステージであってもよい。ここで使用している「改良型分子引きずりステージ」とは、粗いまたは溝付きのポンピング面を備えた回転ディスクを含む真空ポンピングステージを意味する。改良型分子引きずりステージは、回転円筒状ドラムを有する分子引きずりステージを排除するとともに、平坦なポンピング面を備えた回転ディスクを有する分子引きずりステージを排除する。本発明の一局面によれば、真空ポンプは、回転円筒状ドラムを有する分子引きずりステージを含まないとともに、平坦なポンピング面を備えた回転ディスクを有する分子引きずりステージを含まない。改良型分子引きずりステージ38、40および42は、以下に記載するように、順次高くなる圧力で動作するよう構成されたインペラを有していてもよい。真空ポンピングステージ44および46は、図3〜図5、図9Aおよび図9Bと関連して以下に記載するように、再生真空ポンピングステージであってもよい。 【0017】 真空ポンプは、1つ以上の軸方向フローステージと、1つ以上の追加ステージとを含む。追加ステージは、改良型分子引きずりステージおよび/または再生ステージを含んでいてもよい。真空ポンプにおけるステージの合計数は、本発明の範囲内において変更してもよい。さらに、軸方向フローステージの数と、追加真空ポンピングステージの数とは、本発明の範囲内において変更してもよい。 【0018】 軸方向フローステージの実施形態を図2に示す。ポンプハウジング10は取入口14を有する。軸方向フローステージは回転子104と固定子110とを含む。回転子104は、中央軸の周りを高速回転するように軸50に接続されている。固定子110はハウジング10に関して固定位置に装着されている。回転子104と固定子110とはそれぞれ、複数の傾斜ブレードを有している。回転子104のブレードは、固定子110のブレードとは反対方向に傾斜している。従来の軸方向フローステージの変更例は、上記特許文献2に開示されており、それは引用によりここに組み込まれている。 【0019】 図1の真空ポンプの軸方向フローステージは、異なる圧力レベルで動作するよう最適化された、異なる回転子―固定子構造を有していてもよい。特に、固定子および回転子の傾斜ブレードの角度は、真空ポンプの異なるステージにおいて変更されてもよい。1つの例において、第1ステージ30は、45度で傾斜した回転子および固定子ブレードを有していてもよく、第2ステージ32は30度で傾斜した回転子ブレードを有するとともに20度で傾斜した固定子ブレードを有していてもよく、第3ステージ34は20度で傾斜した回転子ブレードを有するとともに10度で傾斜した固定子ブレードを有していてもよく、そして、第4ステージ36は10度で傾斜した回転子ブレードを有するとともに5度で傾斜した固定子ブレードを有していてもよい。これらのブレード角度は単に例示の目的で示したに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。 【0020】 図3〜図5に再生真空ポンピングステージの例を示している。再生真空ポンピングステージは再生インペラ300を含み、この再生インペラ300は、再生インペラ300の上面に隣接した上方固定子部分302と、再生インペラ300の下面に隣接した下方固定子部分304とを有する固定子とともに動作するよう構成されている。図3では、わかりやすくするため上方固定子部分302の図示を省略している。再生インペラ300はディスク305を含み、このディスク305は、その上面に相互離間して設けられた放射状リブ308と、その下面に相互離間して設けられた放射状リブ310とを有する。リブ308および310はディスク305の外周または外周付近に設けられているのが好ましい。空洞部312は、各対のリブ308の間に区画され、空洞部314は各対のリブ310の間に区画されている。図3〜図5の実施形態において、空洞部312および314は、リブ308同士の間およびリブ310同士の間のディスク305の材料を除去することにより形成され、湾曲した輪郭を有している。空洞部312および314の横断面形状は矩形、三角形またはその他の適切な形状であってもよい。ディスク305は真空ポンプの中央軸の周りを高速回転するように軸50に取り付けられている。 【0021】 上方固定子部分302は、リブ308および空洞部312に対して対向関係に形成された円形の上方チャンネル320を有している。下方固定子部分304は、リブ310および空洞部314に対して対向関係に形成された円形の下方チャンネル322を有している。上方固定子部分302はさらに、円周の一部分にチャンネル320の遮断部(図示せず)を含んでいる。下方固定子部分304は、円周の一部分にチャンネル322の遮断部326を含んでいる。固定子部分302および304には、遮断部326に隣接して流路330が区画されており、この流路330はディスク305の縁部周辺で上方チャンネル320と下方チャンネル322とを相互接続している。上方チャンネル320は流路(図示せず)を介して、前のステージから気体を受け取る。下方チャンネル322は流路334を介して、次のステージへ気体を排出する。 【0022】 動作において、ディスク305は軸50の周りを高速で回転する。前のステージから上方チャンネル320へ入る気体は、上方チャンネル320を通ってポンピングされる。ディスク305およびリブ308の回転により、気体は、空洞部312および上方チャンネル320を介して大まかな螺旋路に沿ってポンピングされる。次に、気体は流路330を介して下方チャンネル322へ至り、そして、ディスク305およびリブ310の回転によりチャンネル322を介してポンピングされる。同じようにして、リブ310により気体は、空洞部314および下方チャンネル322を介して大まかな螺旋路へポンピングされる。次に、気体は流路334を介して次のステージへ排出される。 【0023】 リブ308および310のサイズ、形状および間隔、ならびに対応する空洞部312および314のサイズおよび形状は変更可能であることは理解されよう。さらに、チャンネル320および322は直列または並列に接続してもよい。異なる構造の再生真空ポンピングステージは上記特許文献2に開示されている。 図1の真空ポンプにおける改良型分子引きずりステージは、異なる圧力レベルでの動作に対して最適化される異なるインペラ構造を有していてもよい。各インペラは大略的にディスク形状であり、その外周にまたは外周付近に少なくとも1つのポンピング面を有している。通常、ポンピング面は、ディスク形状のインペラの前面および/または後面の環状領域である。さらに、ポンピング面は、前面と後面とを接合する外周部を含んでもよい。 【0024】 図6Aおよび図6Bは、改良型分子引きずりステージ用のディスク形状のインペラ500を示している。インペラ500は動作中、軸502の周りを高速で回転する。図6Aにおいて破線で示しているポンピングチャンネル504を有する固定子は、インペラ500に隣接して設けられている。通常、ポンピングチャンネル504は、インペラ500の外周にまたは外周に近接して設けられている。ポンピングチャンネル504に面するインペラ500の部分は、真空ポンピング面510として機能する。このように、真空ポンピング面510は、ポンピングチャンネル504に対して露出するインペラ500の部分である。真空ポンピング面510は、通常、インペラ500の外周または外周付近のインペラ500の環状領域である。真空ポンピング面510は、インペラ500の前面500aおよび/または後面500bに設けられていてもよい。さらに、真空ポンピング面510はディスク形状のインペラ500の外周部500cに設けられていてもよい。インペラ500は、固定子の構造によって、前面500aおよび/または後面500bに2個以上の同心円状真空ポンピング面を含んでいてもよい。 【0025】 インペラ500は、真空ポンプ10の真空ポンピングステージ38に使用されてもよい。インペラ500は粗い真空ポンピング面510を有する。表面粗さは、想定される動作圧力範囲に依存するが、インペラの表面に隣接する比較的厚い層を引きずり機構内部へ誘導するに十分なものでなければならない。 図7Aおよび図7Bにおいて、インペラ600は真空ポンプ10の真空ポンピングステージ40において使用してもよい。インペラ600の真空ポンピング面610は、図6Aおよび図6Bのインペラ500よりも高い圧力で動作するよう構成されており、そして、真空ポンピング面610に一連の放射状溝を有していてもよい。溝の間隔および深さは想定動作圧力範囲に依存する。溝612の深さは、中くらいの寸法のポンプの場合、約1mm〜約2mmの範囲が好ましいであろう。同一の圧力範囲における動作に対する他の実施形態において、真空ポンピング面610は、インペラ500と比較してより大きな表面粗さであってもよく、または、想定圧力範囲において効率的な動作を生ぜしめる表面形状を有していてもよい。 【0026】 図8Aおよび図8Bにおいて、インペラ700は真空ポンプ10の真空ポンピングステージ42において使用されてもよい。インペラ700は、図7Aおよび図7Bのインペラ600よりも高い圧力で動作するよう構成された真空ポンピング面710を有している。インペラ700の真空ポンピング面710は、インペラ600の溝612よりも深くおよび/またはより隣接して離間された溝712を有していてもよい。あるいはまた、真空ポンピング面710は、想定動作圧力範囲において効率的な動作をするよう選択された別の表面形状を有していてもよい。 【0027】 図9Aおよび図9Bにおいて、再生インペラ900は真空ポンプ10の真空ポンピングステージ44および46において使用されてもよい。インペラ900は、空洞部914を区画する一連の離間した放射状リブ912を有する真空ポンピング面910を含む。リブ912および対応空洞部914の寸法と形状とは、想定動作圧力範囲に対して効率的な真空ポンピングを行えるよう選択される。例えば、リブ912の径方向の長さは変更してもよい。真空ポンピングステージ44および46の再生インペラは、異なる圧力範囲に対して効率的な動作を行うよう構成されてもよい。いくつかの実施形態において、真空ポンプ10は、単一の再生真空ポンピングステージまたは、段階的に高くなる圧力で動作するよう構成されたインペラを有する3個以上の再生真空ポンピングステージを含んでいてもよい。リブおよび空洞部の構造は、想定動作圧力範囲において効率的な動作を行えるよう選択されてもよい。他の実施形態において、2個以上の再生真空ポンピングステージは同一のインペラ構造を使用してもよい。 【0028】 全体として、図6Aおよび図6B、図7Aおよび図7B、図8Aおよび図8B、ならびに図9Aおよび図9Bに示すインペラ500、600、700および900はそれぞれ、段階的に高くなる圧力で効率的に動作するよう漸増特性を有するインペラのセットを構成する。かくして、1つ以上のインペラは分子フロー条件の下で効率的に動作するよう選択された特性を有していてもよく、また、1つ以上のインペラは遷移フロー条件の下で効率的に動作するよう選択された特性を有していてもよく、そして、1つ以上のインペラは粘性流体条件の下で効率的に動作するよう選択された特性を有していてもよい。ここで、セットをなすインペラは、ポンピング特性が段階的に変化するものである。各インペラは、想定圧力範囲に対して効率的な動作を行うよう構成された表面形状を有する真空ポンピング面を有している。セットをなすインペラはポンピング特性が段階的に変化するものであるが、このことは、2つ以上のインペラが同一であるということを除外するものではない。上述したように、各インペラの真空ポンピング面は、前面の全部もしくは一部分、後面の全部もしくは一部分、および/または外周部の全部もしくは一部分を、いかなる組み合わせででも、含んでいてもよい。 【0029】 図10Aおよび図10Bに、改良型分子引きずりステージのさらなる実施形態を示す。改良型分子引きずりステージ700は、固定子702とインペラ704とを含む。固定子702はポンピングチャンネル710と、取入口714と、排出口716とを区画している。ポンピングチャンネル710の外周は、円形であってよく、中心712を有していてもよい。インペラ704はポンピング面720を含み、このポンピング面720は、その外周または外周付近において、上述したように、粗く形成されていてもよいし、または溝を付けられていてもよい。インペラ704は軸722の周りを回転する。図10Bに示すようにポンピング面720は、インペラ704の前面704a、後面704b、および外周部704cに設けられていてもよい。 【0030】 図10Aの実施形態において、インペラ704の軸722は固定子702の中心712から変位しており、これにより、インペラ704の一部分が、取入口714と、排出口716との間の固定子部分724に隣接している。固定子部分724はバッフルまたはストリッパーとして機能する。 図10Aの改良型分子引きずりステージの別の構造を図10Cに示す。図10Cの構造において、固定子702はインペラ704の外周にポンピングチャンネル730を区画しているが、インペラ704の前面および後面にはポンピングチャンネルを有していない。インペラ704はその外周部にポンピング面732を有しており、このポンピング面732は上述したように粗くてもよいしまたは溝を付けられていてもよい。 【0031】 本明細書に記載され図面に示された実施形態は、本発明の精神および範囲内において、種々変形および変更されうるということは理解されよう。したがって、上記説明に含まれかつ添付図面に示された全ての事項は、例示として解釈されるべきであり限定的な意味に解釈されないものである。本発明は、特許請求の範囲に記載されたことおよびその均等物のみに限定される。 【図面の簡単な説明】 【0032】 【図1】本発明の実施形態に係る真空ポンプの簡略化した断面概略図である。 【図2】図1の真空ポンプにおいて利用することが出来る軸方向フローステージの部分的斜視図である。 【図3】再生真空ポンピングステージの分解斜視図であり、再生インペラと下方固定子部分とを示す。 【図4】図3の再生真空ポンピングステージの部分的断面図である。 【図5】図4の線5−5に沿った、再生真空ポンピングステージの部分平面図である。 【図6A】粗いポンピング表面を有する改良型分子引きずりインペラの平面図である。 【図6B】粗いポンピング表面を有する改良型分子引きずりインペラの側面図である。 【図7A】比較的浅い溝を備えたポンピング表面を有する改良型分子引きずりインペラの平面図である。 【図7B】比較的浅い溝を備えたポンピング表面を有する改良型分子引きずりインペラの側面図である。 【図8A】比較的深い溝を備えたポンピング表面を有する改良型分子引きずりインペラの平面図である。 【図8B】比較的深い溝を備えたポンピング表面を有する改良型分子引きずりインペラの側面図である。 【図9A】再生真空ポンピングステージ用のインペラの平面図である。 【図9B】再生真空ポンピングステージ用のインペラの断面図である。 【図10A】オフセットインペラを有する改良型分子引きずりステージの平面図である。 【図10B】オフセットインペラを有する改良型分子引きずりステージの部分的断面図である。 【図10C】図10Aの改良型分子引きずりステージの別の構成を示す部分的断面図である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599060928 【氏名又は名称】バリアン・インコーポレイテッド
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| 【出願日】 |
平成18年5月10日(2006.5.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087701 【弁理士】 【氏名又は名称】稲岡 耕作
【識別番号】100101328 【弁理士】 【氏名又は名称】川崎 実夫
【識別番号】100103517 【弁理士】 【氏名又は名称】岡本 寛之
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| 【公開番号】 |
特開2006−316792(P2006−316792A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月24日(2006.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2006−131808(P2006−131808) |
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