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【発明の名称】 排水ヘッダー
【発明者】 【氏名】石川 尚登
【住所又は居所】大阪市中央区安土町2丁目3番13号 タキロン株式会社内

【氏名】片岡 史朗
【住所又は居所】大阪市中央区安土町2丁目3番13号 タキロン株式会社内

【氏名】玉田 敦雄
【住所又は居所】大阪市中央区安土町2丁目3番13号 タキロン株式会社内

【氏名】真山 淳哉
【住所又は居所】大阪市中央区安土町2丁目3番13号 タキロン株式会社内

【要約】 【課題】水設備からかなり多量の排水が流入しても、ヘッダー内部や排水枝管や上流側排水管に負圧が発生し難く、それゆえ水設備のトラップの封水破壊が生じ難い排水ヘッダーを提供する。

【解決手段】家屋の床下に配置される排水ヘッダーHであって、上流側端面に上流側排水管を接続する接続口1aを備え、かつ、両側面又は片側面に排水枝管を接続する複数の接続口1bを備えた横筒状のヘッダー本体1と、底面に基礎貫通排水管を接続する接続口2eを備え、かつ、上記ヘッダー本体1の下流側端部に連設されて渦流を発生させる渦流発生器2と、から成る排水ヘッダーHとする。排水はヘッダー本体1から渦流発生器2に流れ込んで渦流となり、空気芯を形成して基礎貫通排水管を通って屋外に排水されるため、基礎貫通排水管の閉塞による負圧が排水枝管等に発生し難くなって、水設備の封水破壊が防止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家屋の床下に配置される排水ヘッダーであって、
上流側端面に上流側排水管を接続する接続口を備え、かつ、両側面又は片側面に排水枝管を接続する複数の接続口を備えた横筒状のヘッダー本体と、
底面に基礎貫通排水管を接続する接続口を備え、かつ、上記ヘッダー本体の下流側端部に連設されて渦流を発生させる渦流発生器と、
から成ることを特徴とする排水ヘッダー。
【請求項2】
渦流発生器が曲率半径の漸減する渦巻き状の湾曲側壁部を備え、平面視したとき、この湾曲側壁部の曲率半径の小さい方の端部に底面の接続口が内接する位置関係となっていることを特徴とする請求項1に記載の排水ヘッダー。
【請求項3】
渦流発生器の渦巻き状の湾曲側壁部がヘッダー本体の片側に膨出していることを特徴とする請求項2に記載の排水ヘッダー。
【請求項4】
渦流発生器が受口を備え、この受口にヘッダー本体の下流側端部が水密的に嵌合されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の排水ヘッダー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、家屋の床下に配置され、浴室、洗面台、台所等の水設備から排水を合流させて屋外へ排水する、封水破壊の生じ難い排水ヘッダーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、床下に排水ヘッダーを配置し、この排水ヘッダーに浴室、洗面台、台所等の水設備からの排水枝管を接続すると共に、この排水ヘッダーに接続した下流側排水管を家屋の基礎を貫通させて屋外に導出するようにした排水システムが提案された(特許文献1)。この排水システムは、各水設備からの排水を排水ヘッダーに合流させ、基礎を貫通する下流側排水管を通じて一括して屋外に排水するため、各水設備からの排水を別々に屋外に排水する従来の排水システムに比べると、屋外に設置する排水桝の個数を大幅に削減してコストダウンを図ることができるものである。
【0003】
しかしながら、上記の排水ヘッダーは、その側面に複数の排水枝管の接続口を備えると共に、下流側端に基礎を貫通する下流側排水管の接続口を備えた横筒状のものであり、各排水枝管から一度に多量の排水が排水ヘッダーに合流すると、排水が下流側排水管を閉塞した状態で流れるため、排水ヘッダーから各排水枝管に負圧が発生し、この負圧によって各水設備のトラップの封水破壊が生じやすいという問題があった。
【0004】
本出願人は、これまでに、組立作業性の良い改良タイプの排水ヘッダーを提案した(引用文献2,3)が、これらの改良タイプの排水ヘッダーも、上記の封水破壊の問題を解決するものではあった。
【特許文献1】特開2002−61248号公報
【特許文献2】特開2004−137733号公報
【特許文献3】特開2004−211319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑み、各水設備からかなり多量の排水が流入しても、ヘッダー内部や排水枝管や上流側排水管に負圧が発生し難く、それゆえ各水設備の封水破壊が生じ難い排水ヘッダーを提供することを解決課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係る排水ヘッダーは、家屋の床下に配置される排水ヘッダーであって、上流側端面に上流側排水管を接続する接続口を備え、かつ、両側面又は片側面に排水枝管を接続する複数の接続口を備えた横筒状のヘッダー本体と、底面に基礎貫通排水管を接続する接続口を備え、かつ、上記ヘッダー本体の下流側端部に連設されて渦流を発生させる渦流発生器と、から成ることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の排水ヘッダーにおいては、渦流発生器が曲率半径の漸減する渦巻き状の湾曲側壁部を備え、平面視したとき、この湾曲側壁部の曲率半径の小さい方の端部に底面の接続口が内接する位置関係となっていることが好ましく、また、この渦巻き状の湾曲側壁部がヘッダー本体の片側に膨出していることも好ましい。そして、渦流発生器が受口を備え、この受口にヘッダー本体の下流側端部が水密的に嵌合されていることも好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の排水ヘッダーは家屋の床下に配置され、横筒状のヘッダー本体の上流側端面の接続口に上流側排水管が、また両側面又は片側面の接続口には各水設備からの排水枝管が、さらに渦流発生器の底面の接続には基礎貫通排水管が、それぞれ接続される。そして、各水設備からの排水や上流側からの排水が排水枝管や上流側排水管を通じてヘッダー本体に流入すると、この排水はヘッダー本体の下流側端部の渦流発生器に流れ込んで渦流となり、基礎貫通排水管を通って屋外に排水される。このように渦流発生器によって渦流が発生すると、渦流の中心に空気芯が形成されて排水が基礎貫通排水管に流れ込むため、排水量が多くても基礎貫通排水管が閉塞され難くなる。従って、基礎貫通排水管の閉塞によって排水ヘッダーや上流側排水管や排水枝管に負圧を発生することは殆どないので、よほど大量の排水が一度にヘッダー本体に流入しない限り、水設備の封水破壊を防止することができる。
【0009】
渦流発生器が曲率半径の漸減する渦巻き状の湾曲側壁部を備え、平面視したとき、この湾曲側壁部の曲率半径の小さい方の端部に底面の接続口が内接する位置関係となっている排水ヘッダーは、湾曲側壁部に沿って渦流を生じた排水が、湾曲側壁部の曲率半径の小さい方の端部から、渦流に大きな乱れを生じることなく渦流の勢いを保ったまま、底面の接続口に流れ込んで基礎貫通排水管を流れるため、空気芯が確実に形成されて基礎貫通排水管の閉塞防止効果が向上する。
【0010】
更に、渦流発生器の渦巻き状の湾曲側壁部がヘッダー本体の片側に膨出している排水ヘッダーは、渦流を発生させる湾曲側壁部の沿面距離が長くなるので、乱れの少ない勢いのある渦流を発生させることが可能となり、閉塞防止効果を一層向上させることができる。
【0011】
また、渦流発生器が受口を備え、この受口にヘッダー本体の下流側端部が水密的に嵌合されている排水ヘッダーは、ヘッダー本体の下流側端部に渦流発生器を連設する作業を簡単かつ水漏れなく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
【0013】
図1は本発明の一実施形態に係る排水ヘッダーの斜視図、図2は同排水ヘッダーの側面図、図3は渦流発生器の蓋を省略した同排水ヘッダーの平面図、図4は図3のA−B−C−D−E−F線に沿った同排水ヘッダーの断面図、図5は図3のA−B−C−D−E−F線に沿った同排水ヘッダーの分解断面図である。
【0014】
この排水ヘッダーHは、図1〜図4に示すように、合成樹脂製の横筒状のヘッダー本体1と、このヘッダー本体1の下流側端部に連設された合成樹脂製の渦流発生器2とからなる。
【0015】
横筒状のヘッダー本体1は、排水の流れが良好な卵形の断面形状を備えたもので、その上流側端面には上流側排水管を接続する接続口1aが設けられ、両側面には排水枝管を接続する複数の接続口1b,1bが設けられている。これらの接続口1a,1bはいずれも、その上端がヘッダー本体1の上端と略同一の高さとなるように上方に偏位して設けられており、ヘッダー本体1の内部の水位が上昇しても、接続口1a,1bに接続される上流側排水管や排水枝管が閉塞されないようになっている。また、このヘッダー本体1の上面には複数の点検口1c,1cが形成され、キャップ1d,1dが螺合されて脱着自在に取付けられている。
【0016】
上記のヘッダー本体1は合成樹脂で一体成形されたものではなく、図4,図5に示すように、合成樹脂で成形された複数のヘッダー用継手1e,1eと端部閉塞部材1fを接合一体化して組立てられている。このヘッダー用継手1eは、図5に示すように、卵形の断面形状を有する短尺筒体の一端側(上流側)に受口1gを形成し、短尺筒体のいずれか片側面に排水枝管の接続口1bを上方に偏位させて形成すると共に、短尺筒体の上面に点検口1cを形成してキャップ1dを螺合したものであり、また、端部閉塞部材1fは、ヘッダー用継手1eの受口1gに差し込む差込み筒部1hを卵形の閉塞板の片側に形成すると共に、上流側排水管を接続する接続口1aを閉塞板の上方に偏位させて形成したものである。そして、上記のヘッダー用継手1eの受口1gに、隣接する上流側のヘッダー用継手1eの他端側(下流側)の端部を差し込んで接着剤で水密的に接続すると共に、この上流側のヘッダー用継手1eの受口1gに上記の端部閉塞部材1fの差込み筒部1hを差し込んで接着剤で水密的に接続することにより、ヘッダー本体1が組み立てられている。
【0017】
上記のごときヘッダー本体1は、ヘッダー用継手1eの接続個数を増減することによって、排水枝管の接続口1bを所望数備えたヘッダー本体1を組み立てることができ、また、片側面に接続口1bが形成されたヘッダー用継手1eと、反対側面に接続口1bが形成されたヘッダー用継手1eとの組合わせ方によって、片側面のみに接続口1bを有するヘッダー本体1や、両側面に所望数の接続口1bを有するヘッダー本体1を組み立てることができる。
【0018】
一方、前記の渦流発生器2は、図1〜図5に示すように、その排水導入通路部2aの端部に受口2bを備え、この受口2bに上記ヘッダー本体1の下流側端部を嵌合して接着剤で水密的に接合することにより、ヘッダー本体1の下流側端部に水漏れなく連設されている。排水導入通路部2aは、図3に示すように、受口2bから前方に向かって先細り状に絞った形状の通路部に形成されている。
【0019】
この渦流発生器2は、その排水導入通路部2aから延びる一方の側壁が、曲率半径の漸減する渦巻き状の湾曲側壁部2cに形成されており、この湾曲側壁部2cはヘッダー本体1の片側に膨出して、その曲率半径の小さい方の端部2dが排水導入通路部2aの他方の側壁に連なっている。そして、この渦流発生器2の底面には基礎貫通排水管を接続する接続口2eが下向きに形成され、この渦流発生器2を平面視したとき、上記の接続口2eが湾曲側壁部2cの曲率半径の小さい方の端部2dに内接する位置関係となっている。また、この渦流発生器2の排水導入通路部2aを除いた上端開口部2fには、蓋体2gが脱着可能に被着されている。
【0020】
上記の渦流発生器2がヘッダー本体1の下流側端部に連設されていると、ヘッダー本体1から排水導入通路部2aを通って渦流発生器2へ流入した排水が、湾曲側壁部2cの内面に沿って流れながら渦流となり、湾曲側壁部2cの曲率半径の小さい方の端部2dから、渦流に大きな乱れを生じることなく渦流の勢いを保ったまま、底面の接続口2eに流れ込んで基礎貫通排水管を流れるため、渦流の中心に空気芯が確実に形成されて、基礎貫通排水管の閉塞が防止されることになる。特に、この実施形態のように渦巻き状の湾曲側壁部2cがヘッダー本体1の片側に膨出していると、渦流を発生させる湾曲側壁部2cの沿面距離が長くなって、乱れの少ない勢いのある渦流を発生させることが可能となるので、閉塞防止効果が一層向上するようになる。
【0021】
図6は上記の排水ヘッダーHを用いた排水システムの一例を示す断面図であって、この排水システムによれば、排水ヘッダーHは家屋の床下の土間コンクリート3の上に支持材4,4で所定の勾配をもって支持固定され、排水ヘッダーHの渦流発生器2が布基礎5の内側に形成された土間コンクリート3の箱抜き部分3aの上側に位置している。そして、ヘッダー本体1の上流側端面の接続口1aには上流側排水管6が接続され、ヘッダー本体1の側面の接続口1bには各水設備からの排水枝管(不図示)が接続され、渦流発生器2の底面の接続口2eには、布基礎5を貫通する基礎貫通排水管7が90°の大曲り継手7aと深さ調節用の短管7bを介して接続されている。また、基礎貫通排水管7の下流側端部は、屋外の排水管路(不図示)の途中に埋設された、渦流を発生させる排水桝8の上部接続口8aに接続されている。この排水桝8は、上部接続口8aが桝の中心より片側に偏位して形成されたものであって、基礎貫通排水管7から流入した排水が排水桝8の内面沿いに流れて渦流となり、下部の接続口8bから屋外の排水管路(不図示)へ排水されるようになっている。
【0022】
本発明の排水ヘッダーHを用いた上記の排水システムでは、各水設備からの排水や上流側からの排水が排水枝管(不図示)や上流側排水管6を通じてヘッダー本体1に流入すると、この排水は渦流発生器2の排水導入通路部2aから渦流発生器2の内部に導入され、渦巻き状の湾曲側壁部2cの内面沿いに流れて渦流となり、底面の接続口2eから深さ調節用の短管7b、大曲り継手7a、基礎貫通排水管7を通って屋外の排水桝8に流入し、この排水桝8内でも渦流となって排水される。このように渦流発生器2によって渦流が発生すると、渦流の中心に空気芯が形成されて底面の接続口2から流落するため、排水量が多くても深さ調節用の短管7bや大曲り継手7aや基礎貫通排水管7が閉塞され難くなる。そして、排水桝8内でも渦流が発生するため、屋外排水管が排水で閉塞されることも皆無に等しい。従って、高さ調節用の短管7bや大曲り継手7aや基礎貫通排水管7などの閉塞によって排水ヘッダー2や上流側排水管6や排水枝管に負圧が発生することは殆どないので、よほど大量の排水が一度にヘッダー本体1に流入しない限り、負圧による水設備の封水破壊を防止することができる。特に、この実施形態の排水ヘッダーHは、渦流発生器2の湾曲側壁部2cがヘッダー本体1の片側に膨出し、該渦流発生器2を平面視したとき、底面の接続口2eが湾曲側壁部2cの曲率半径の小さい方の端部2dに内接する位置関係となっているため、既述したように乱れの少ない勢いのある渦流を発生させて確実に空気芯を形成し、優れた閉塞防止効果を発揮する。
【0023】
また、基礎貫通排水管7が大曲り継手7aと高さ調節用の短管7bを介して渦流発生器2の底面の接続口2eに接続されるため、切断により高さ調節用の短管7bの長さを変えるだけで簡単に基礎貫通排水管7の深さ位置を調節できると共に、高さ調節用の短管7bが垂直に立上がって接続口2eに接続されるため、この短管7b及び接続口2eを中心に排水ヘッダーHを布基礎5に対して所望の角度となるように回転させて設置できるようになり、施工性及び配管の自由度が向上するといった効果も発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係る排水ヘッダーの斜視図である。
【図2】同排水ヘッダーの側面図である。
【図3】渦流発生器の蓋を省略した同排水ヘッダーの平面図である。
【図4】図3のA−B−C−D−E−F線に沿った同排水ヘッダーの断面図である。
【図5】図3のA−B−C−D−E−F線に沿った同排水ヘッダーの分解断面図である。
【図6】同排水ヘッダーを用いた排水システムの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 ヘッダー本体
1a 上流側排水管を接続する接続口
1b 排水枝管を接続する接続口
1e ヘッダー用継手
1f 端部閉塞部材
2 渦流発生器
2a 排水導入通路部
2b 受口
2c 渦巻き状の
2d 湾曲側壁部の曲率半径が小さい方の端部
2e 基礎貫通排水管を接続する底面の接続口
6 上流側排水管
7 基礎貫通排水管
8 渦流を発生させる排水桝
H 排水ヘッダー
【出願人】 【識別番号】000108719
【氏名又は名称】タキロン株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13号
【出願日】 平成17年4月22日(2005.4.22)
【代理人】 【識別番号】100090608
【弁理士】
【氏名又は名称】河▲崎▼ 眞樹

【公開番号】 特開2006−299685(P2006−299685A)
【公開日】 平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願番号】 特願2005−124575(P2005−124575)