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【発明の名称】 パルプ粉砕装置
【発明者】 【氏名】丸畠 和也
【住所又は居所】徳島県美馬郡貞光町太田字小山北89−1 株式会社リブドゥコーポレーション徳島貞光工場内

【要約】 【課題】パルプの終端近傍におけるパルプの供給速度を一定に維持し、単位時間あたりの粉砕パルプの生成量および質の均一性を向上する。

【解決手段】吸収体製造装置は、上部プレート241の下面に沿ってパルプを供給するパルプ供給機構、および、パルプ供給機構からのパルプを粉砕するパルプ粉砕機構を備える。パルプ供給機構では、粉砕ブレード32の間隙322に入り込んでパルプの主面に当接する上部ローラ243のディスク2432および下部ローラのディスクにより、回転する粉砕シリンダ31に対してパルプが供給される。その結果、パルプの終端近傍においても、粉砕シリンダ31の回転によりパルプが粉砕シリンダ31に引き込まれることが防止され、パルプの供給速度を一定に維持し、単位時間あたりの粉砕パルプの生成量および質の均一性を向上することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収体用のパルプを粉砕するパルプ粉砕装置であって、
シート状のパルプを所定の供給方向に供給するパルプ供給機構と、
前記パルプに平行であって前記供給方向にほぼ垂直な回転軸を中心とする略円筒状であり、前記回転軸を中心として回転することにより外周面に向かって進入する前記パルプを粉砕する粉砕シリンダと、
前記外周面に進入する前記パルプを前記外周面の回転に逆らって支持する略板状の支持部と、
を備え、
前記粉砕シリンダが、前記回転軸に沿って間隙を設けて配列された前記回転軸に垂直な略円板状の複数の粉砕ブレードを備え、
前記パルプ供給機構が、
前記間隙に入り込んで前記パルプの一方の主面に当接する少なくとも1つの円板部を有する供給ローラと、
前記パルプを挟んで前記供給ローラに対向して設けられ、前記パルプの他方の主面に当接するローラ対向部と、
前記供給ローラを回転することにより、前記パルプを前記供給方向に送り出すローラ回転機構と、
を備えることを特徴とするパルプ粉砕装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパルプ粉砕装置であって、
前記ローラ対向部が、ローラであることを特徴とするパルプ粉砕装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のパルプ粉砕装置であって、
前記複数の粉砕ブレードの全ての間隙のそれぞれに、前記供給ローラの円板部が配置されることを特徴とするパルプ粉砕装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のパルプ粉砕装置であって、
前記複数の粉砕ブレードのそれぞれが、外周に一定のピッチで複数の歯を備え、
前記粉砕シリンダの前記外周面において、前記複数の粉砕ブレードの複数の歯が螺旋状に配列されることを特徴とするパルプ粉砕装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のパルプ粉砕装置であって、
前記粉砕シリンダが、前記複数の粉砕ブレードよりも直径が小さく前記回転軸を中心とする略円板状であって前記複数の粉砕ブレードの間隙に設けられた複数の補助粉砕ブレードをさらに備えることを特徴とするパルプ粉砕装置。
【請求項6】
請求項5に記載のパルプ粉砕装置であって、
前記支持部の先端が、前記複数の粉砕ブレードの間隙において前記複数の補助粉砕ブレードに向かって突出する複数の突出部を備えることを特徴とするパルプ粉砕装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収体用のパルプを粉砕するパルプ粉砕装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、紙おむつ等の衛生品に用いる吸収体の製造において、シート状のパルプを粉砕する粉砕装置が使用されている。例えば、特許文献1では、ドラムに巻回されたシート状のパルプを繰り出しつつ解繊機(粉砕装置)により解繊(粉砕)し、解繊したパルプを不織布に吹き付けることにより、積層形成される吸収体の吸液層を形成する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−309945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような粉砕装置では、供給されるパルプの終端部の粉砕時に、フィードローラ通過後のパルプ片が粉砕刃に引っ張られて巻き込まれ、粉砕刃が設けられている粉砕室内に粉砕されないまま進入する恐れがある。また、パルプ片が巻き込まれなかったとしても、粉砕刃の回転力によりパルプの移動速度が増加し、単位時間あたりに生成される粉砕パルプの量が規定量よりも増加するとともに粉砕パルプが粗くなってしまう。さらには、先行のパルプ終端部と後続のパルプとが離れてしまい、その間は粉砕パルプが生成されないため、単位時間あたりの粉砕パルプの生成量および質に変動が生じ、形成される吸収体の質の均一性が低下してしまう。
【0004】
このため、パルプ終端部が巻き込まれる前に装置を停止してパルプ終端部をフィードローラから取り除くという作業が行われているが、粉砕作業の効率が低下するとともに歩留まりの向上を困難にする原因となっている。なお、2つのパルプ供給機構を設けて交互に稼働させることにより粉砕作業の効率低下を防止することも行われているが、装置が大型化してしまう。
【0005】
なお、粉砕室からの粉砕パルプの排出口に微小な開口が多数形成されたスクリーンを設けるとともに粉砕室内に別の粉砕機構を設けることにより、粗く粉砕されたパルプが所定の大きさ以下になるまで粉砕室内において再粉砕を繰り返したり、あるいは、粗砕および微砕の2台の粉砕装置を並行して使用することにより粉砕パルプの生成が完全には中断されないようにすることも行われている。しかしながら、これらの方法でも単位時間あたりの粉砕パルプの生成量は一定には維持されず、吸収体を形成する前に粉砕パルプの計量が必要であった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、パルプの終端近傍におけるパルプの供給速度を一定に維持し、単位時間あたりの粉砕パルプの生成量および質の均一性を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、吸収体用のパルプを粉砕するパルプ粉砕装置であって、シート状のパルプを所定の供給方向に供給するパルプ供給機構と、前記パルプに平行であって前記供給方向にほぼ垂直な回転軸を中心とする略円筒状であり、前記回転軸を中心として回転することにより外周面に向かって進入する前記パルプを粉砕する粉砕シリンダと、前記外周面に進入する前記パルプを前記外周面の回転に逆らって支持する略板状の支持部とを備え、前記粉砕シリンダが、前記回転軸に沿って間隙を設けて配列された前記回転軸に垂直な略円板状の複数の粉砕ブレードを備え、前記パルプ供給機構が、前記間隙に入り込んで前記パルプの一方の主面に当接する少なくとも1つの円板部を有する供給ローラと、前記パルプを挟んで前記供給ローラに対向して設けられ、前記パルプの他方の主面に当接するローラ対向部と、前記供給ローラを回転することにより、前記パルプを前記供給方向に送り出すローラ回転機構とを備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパルプ粉砕装置であって、前記ローラ対向部が、ローラである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のパルプ粉砕装置であって、前記複数の粉砕ブレードの全ての間隙のそれぞれに、前記供給ローラの円板部が配置される。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のパルプ粉砕装置であって、前記複数の粉砕ブレードのそれぞれが、外周に一定のピッチで複数の歯を備え、前記粉砕シリンダの前記外周面において、前記複数の粉砕ブレードの複数の歯が螺旋状に配列される。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のパルプ粉砕装置であって、前記粉砕シリンダが、前記複数の粉砕ブレードよりも直径が小さく前記回転軸を中心とする略円板状であって前記複数の粉砕ブレードの間隙に設けられた複数の補助粉砕ブレードをさらに備える。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のパルプ粉砕装置であって、前記支持部の先端が、前記複数の粉砕ブレードの間隙において前記複数の補助粉砕ブレードに向かって突出する複数の突出部を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、パルプの終端近傍におけるパルプの供給速度を一定に維持し、単位時間あたりの粉砕パルプの生成量および質の均一性を向上することができる。請求項2の発明では、パルプをより滑らかに供給することができる。請求項3の発明では、パルプをより安定して供給することができる。
【0014】
請求項4の発明では、パルプの各粉砕ブレードに当接する部位の周辺をも効率的に粉砕することができる。請求項5の発明では、パルプの複数の粉砕ブレードの間隙に対向する部位を、より確実に粉砕することができる。請求項6の発明では、パルプの複数の粉砕ブレードの間隙に対向する部位を、さらに確実に粉砕することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る吸収体製造装置1の構成を示す図である。吸収体製造装置1は、紙おむつや生理用ナプキン等に用いられる吸収体90を製造する装置であり、吸収体90は、一定の大きさに裁断された薄板状のパルプ9を粉砕して得られる粉砕パルプを用いて製造される。なお、図示の都合上、図1ではパルプ粉砕機構3等の一部については内部構造が判るように図示している(図2についても同様)。
【0016】
吸収体製造装置1は、パルプ9を所定の供給路に沿って図1中の(−X)方向に供給するパルプ供給機構2、パルプ供給機構2の下流側においてパルプ供給機構2により供給されるパルプ9を粉砕するパルプ粉砕機構3、パルプ粉砕機構3により生成された粉砕パルプを成形して吸収体90を形成する吸収体形成機構4、および、これらの機構を制御する制御部5を備える。吸収体製造装置1では、パルプ供給機構2およびパルプ粉砕機構3が、吸収体用のパルプ9を粉砕するパルプ粉砕装置の役割を果たす。
【0017】
パルプ供給機構2は、積み重ねられた複数のパルプ9が載置されるパルプ載置部21、パルプ載置部21からパルプ9を1枚ずつ取り出すパルプ取出機構22、パルプ取出機構22からパルプ9を受け取って(−X)方向へと搬送するコンベア23、および、コンベア23の(−X)側に配置されてパルプ9をパルプ粉砕機構3へと案内する供給路24を備える。
【0018】
図2は、供給路24およびパルプ粉砕機構3近傍を拡大して示す正面図である。図2に示すように、供給路24は、パルプ9の(+Z)側および(−Z)側の主面に当接する略板状の上部プレート241および下部プレート242を備える。パルプ供給機構2は、パルプ粉砕機構3の粉砕室30の内部に配置される上部ローラ243、および、パルプ9を挟んで上部ローラ243に対向して設けられるローラ対向部である下部ローラ244をさらに備え、上部ローラ243および下部ローラ244は、上部プレート241および下部プレート242に設けられた開口を介してパルプ9の(+Z)側および(−Z)側の主面に当接する。
【0019】
パルプ粉砕機構3は、パルプ9を粉砕する粉砕シリンダ31を備え、粉砕シリンダ31は、パルプ9に平行であってパルプ供給機構2の供給方向にほぼ垂直な(すなわち、図2中のY方向を向く)シリンダ回転軸311を中心とする略円筒状となっている。粉砕シリンダ31がシリンダ回転軸311を中心として回転することにより、外周面に向かって進入するパルプ9が粉砕される。
【0020】
図3は、粉砕シリンダ31近傍を示す平面図であり、図4は、粉砕シリンダ31近傍を(−X)側から(+X)方向を向いて見た側面図である。図3および図4に示すように、粉砕シリンダ31は、シリンダ回転軸311に沿って一定の間隙322を設けて配列された複数の粉砕ブレード32、および、間隙322に設けられた複数の補助粉砕ブレード33を備える。粉砕ブレード32および補助粉砕ブレード33はシリンダ回転軸311を中心とする略円板状であり、シリンダ回転軸311に垂直な姿勢でシリンダ回転軸311に沿って配列される。補助粉砕ブレード33の直径は粉砕ブレード32の直径よりも小さくされる。
【0021】
図2に示すように、複数の粉砕ブレード32はそれぞれ、外周に一定のピッチで複数(本実施の形態では、24個)の歯321を備える。図3に示すように、各粉砕ブレード32は、(−Y)側に隣接する粉砕ブレード32よりも歯321が3°ずつ粉砕シリンダ31の回転方向(すなわち、図2中における反時計回り)にずれるように配列されているため、複数の粉砕ブレード32の複数の歯321が粉砕シリンダ31の外周面において螺旋状に配列される。複数の補助粉砕ブレード33、および、補助粉砕ブレード33の複数の歯331についても同様である。
【0022】
図3および図4に示すように、上部ローラ243は、シリンダ回転軸311に平行な上部ローラ回転軸2431、および、上部ローラ回転軸2431に取り付けられる複数の円板状のディスク2432を備える。ディスク2432は、複数の粉砕ブレード32の全ての間隙322のそれぞれに1つずつ入り込んで補助粉砕ブレード33に近接して配置され、図3に示す上部プレート241の開口(開口の形状については後述する。)を介してパルプ9に当接する。
【0023】
図4に示すように、下部ローラ244は、上部ローラ243と同様にシリンダ回転軸311に平行な下部ローラ回転軸2441、および、下部ローラ回転軸2441に取り付けられる複数のディスク2442を備える。複数のディスク2442は、間隙322において、上部プレート241、パルプ9および下部プレート242(図2参照)を挟んで上部ローラ243の複数のディスク2432に対向して配置される。下部ローラ244は、押圧機構により上部ローラ243に向かって押圧される。
【0024】
図5は、粉砕シリンダ31および上部プレート241の(−X)側の先端部近傍の一部を拡大して示す平面図である。図5では、図示の都合上、上部ローラ243のディスク2432を二点鎖線にて描き、上部ローラ回転軸2431の図示を省略している。図5に示すように、上部プレート241の先端部は、複数の粉砕ブレード32の間隙322において複数の補助粉砕ブレード33に向かって突出する複数の突出部2411を備え、突出部2411の(−X)側のエッジは、補助粉砕ブレード33の外周に近接する。上部プレート241の複数の突出部2411の間の部位(以下、「凹部」という。)2412のエッジは、粉砕ブレード32の外周(すなわち、粉砕シリンダ31の外周面)に近接する。また、上部プレート241の先端部には、既述のように複数の開口2413が形成され、各開口2413を介して上部ローラ243のディスク2432がパルプ9の(+Z)側の主面に当接する。図2に示す下部プレート242の先端部も、上部プレート241と同様の形状であり、ディスク2442(図4参照)が下部プレート242に設けられた開口を介してパルプ9の(−Z)側の主面に当接する。
【0025】
図4に示すように、上部ローラ243の上部ローラ回転軸2431には、複数のタイミングベルト2434を介してモータ2433が接続され、上部ローラ回転軸2431は、ギア2435,2443を介して下部ローラ回転軸2441と連結される。パルプ供給機構2では、これらの機構により上部ローラ243および下部ローラ244が同期して回転する。すなわち、モータ2433、タイミングベルト2434、並びに、ギア2435,2443は、上部ローラ243および下部ローラ244を回転するローラ回転機構の役割を果たす。また、シリンダ回転軸311には、複数のタイミングベルト313を介してモータ312が接続される。
【0026】
パルプ供給機構2では、モータ2433が制御部5(図1参照)により駆動され、複数のディスク2432が上部ローラ回転軸2431と共に図2中において時計回りに回転し、複数のディスク2442が下部ローラ回転軸2441と共に反時計回りに回転することにより、ディスク2432およびディスク2442に挟まれたパルプ9が、上部プレート241および下部プレート242に案内されつつ供給方向(すなわち、(−X)方向)に送り出されてパルプ粉砕機構3に円滑に供給される。
【0027】
パルプ粉砕機構3では、図4に示すモータ312が制御部5により駆動されることにより、複数の粉砕ブレード32および複数の補助粉砕ブレード33がシリンダ回転軸311と共に図2中において反時計回りに回転し、パルプ供給機構2により供給されるパルプ9が粉砕される。このとき、複数の粉砕ブレード32の歯321により、パルプ9のうち粉砕ブレード32に進入する部位のみならずその周辺の部位(すなわち、図3に示す粉砕ブレード32の間隙322に対向する部位)が引き込まれるようにして粉砕され、幅方向に亘ってパルプ9の全体が原則として粉砕シリンダ31の外周面において粉砕される。仮に、間隙322に対向するパルプ9の一部が粉砕ブレード32により粉砕されずに残った場合であっても、その残存部位が図5に示す上部プレート241の突出部2411、および、突出部2411と対向する下部プレート242(図2参照)の突出部により案内されて補助粉砕ブレード33へと進入し、補助粉砕ブレード33の歯331により粉砕される。
【0028】
このとき、上部プレート241の先端部(すなわち、凹部2412および突出部2411)は、粉砕シリンダ31に進入するパルプ9を粉砕ブレード32および補助粉砕ブレード33の回転に逆らって支持する支持部の役割を果たし、その結果、パルプ粉砕機構3においてパルプ9が確実に粉砕される。また、下部プレート242の先端部は、上部プレート241の先端部と対向しつつパルプ9を(−Z)側から保持する保持部の役割を果たす。
【0029】
図1に示す吸収体製造装置1では、上述のパルプ粉砕機構3により生成された粉砕パルプは、粉砕室30の送風口301(図2参照)からの送風によりダクト41を介して吸収体形成機構4をへと送られ、ポリマー供給部421から供給される吸水性ポリマー(例えば、SAP(Super Absorbent Polymer))と混合されて円筒状の吸着ドラム42に吹き付けられる。吸着ドラム42は、図1中において時計回りに回転するとともに、内部に接続された図示省略の吸引機構により、微細な吸引孔が設けられた吸着ドラム42の外周面上に粉砕パルプおよび吸水性ポリマーを所定の高さまで吸着する。なお、吸収体90に要求される吸収力によっては吸水性ポリマーの混合は省略される場合もある。
【0030】
吸着ドラム42の外周面上に吸着された粉砕パルプおよび吸水性ポリマーは、吸着ドラム42の回転に伴って吸着ドラム42の(−Z)側へと移動し、ロール43から繰り出されるとともにコンベア401により(−X)方向に搬送されるティッシュペーパー92に転写される。ティッシュペーパー92の上面には、接着剤供給部431により接着剤(例えば、ホットメルト)が予め塗布されており、粉砕パルプおよび吸水性ポリマーはティッシュペーパー92上に接着されてパルプ層900を形成する。
【0031】
パルプ層900がコンベア401により(−X)方向に搬送される間に、別のロール44から繰り出されたティッシュペーパー93の片側の面に接着剤供給部441により接着剤が塗布され、ティッシュペーパー93は、接着剤の塗布面をパルプ層900と対向させつつパルプ層900およびティッシュペーパー92上に接着される。(−Z)側および(+Z)側からティッシュペーパー92,93に包まれたパルプ層900は、切断部471において所定の長さの個片(吸収体90のコア部分となるため、以下、「吸収コア」という。)901に切断され、複数の吸収コア901は、コンベア402により所定の間隔を空けて(−X)方向に搬送される。
【0032】
そして、ロール45,46から繰り出され、片側の面に接着剤供給部451,461からの接着剤が塗布されたトップシート94およびバックシート95が、吸収コア901を挟むティッシュペーパー93,92の上から接着され、さらに、切断部472により隣接する吸収コア901の間隙においてトップシート94およびバックシート95が切断されて吸収体90が形成される。製造された吸収体90はコンベア403により吸収体製造装置1から搬出される。
【0033】
以上に説明したように、パルプ供給機構2では、複数の粉砕ブレード32の間隙322に入り込んでパルプ9の主面に当接する上部ローラ243のディスク2432および下部ローラ244のディスク2442によりパルプ9が粉砕シリンダ31へと供給される。したがって、パルプ供給機構2およびパルプ粉砕機構3では、上部ローラ243および下部ローラ244がパルプ9を拘束する位置を粉砕シリンダ31の極近傍に配置することができ、パルプ9の終端(すなわち、(+X)側の端部)近傍の粉砕時においてもパルプ9を上部ローラ243および下部ローラ244により拘束することができる。その結果、パルプ9の終端近傍においても、粉砕シリンダ31の回転によりパルプ9に加えられる力(すなわち、パルプ9を(−X)方向へと引っ張る力)に対する抵抗をパルプ9に付与してパルプ9が粉砕シリンダ31に引き込まれることが防止でき、パルプ9の供給速度を一定に維持して単位時間あたりの粉砕パルプの生成量および質の均一性を向上することができる。このため、吸収体製造装置1では、吸収体90の品質の均一性を向上することができる。また、従来のようにパルプの終端近傍を粉砕することなく装置から取り除くことを回避してパルプ粉砕機構3に供給されるパルプ9を全長に亘って粉砕することにより、粉砕パルプの歩留まりの向上も実現される。
【0034】
パルプ供給機構2では、上部ローラ243および下部ローラ244によりパルプ9が供給されるため、いずれか一方のローラにより供給される場合に比べてパルプ9をより滑らかに供給することができる。また、複数の粉砕ブレード32の全ての間隙322のそれぞれに、上部ローラ243のディスク2432および下部ローラ244のディスク2442が配置されているため、パルプ9をより安定して供給することができる。
【0035】
パルプ粉砕機構3では、粉砕シリンダ31の外周面において螺旋状に配列された複数の歯321によりパルプ9を(+Y)側から(−Y)側へと順次粉砕していくことにより、多数の歯321が同時にパルプ9に当接することが防止され、パルプ9の複数の粉砕ブレード32の間隙322に対向する部位(以下、「間隙対向部位」という。)を主に(+Y)側の粉砕ブレード32に引き込んで効率的に粉砕することができる。その結果、パルプ9の各粉砕ブレード32に当接する部位の周辺をも効率的に粉砕することができる。
【0036】
また、パルプ粉砕機構3では、複数の粉砕ブレード32の間隙322に補助粉砕ブレード33が設けられることにより、パルプ9の間隙対向部位の一部が粉砕ブレード32により粉砕されずに残った場合、残余部位を補助粉砕ブレード33により粉砕することができるため、パルプ9の間隙対向部位をより確実に粉砕することができる。加えて、パルプ供給機構2では、上部プレート241および下部プレート242の先端部に、補助粉砕ブレード33に向かって突出する複数の突出部を設けることにより、パルプ9の残余部位を確実に補助粉砕ブレード33へと導くことができるため、パルプ9の間隙対向部位をさらに確実に粉砕することができる。
【0037】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る吸収体製造装置の粉砕シリンダ31および上部プレート241aの(−X)側の先端部近傍の一部を拡大して示す平面図である。第2の実施の形態に係る吸収体製造装置は、図1に示す吸収体製造装置1から図5に示す補助粉砕ブレード33、上部プレート241の突出部2411、および、突出部2411と対向する下部プレート242(図2参照)の突出部が省略されている点を除いて他の構成は図1と同様であり、以下の説明において同符号を付す。また、第2の実施の形態に係る吸収体製造装置による吸収体90の製造工程も第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。なお、図6では、図5と同様に、上部ローラ243のディスク2432を二点鎖線にて描き、上部ローラ回転軸2431の図示を省略している。
【0038】
図6に示すように、上部プレート241aの先端部は、複数の粉砕ブレード32に向かって突出する複数の突出部2411aを備え、突出部2411aの(−X)側のエッジは、粉砕ブレード32の外周に近接する。上部ローラ243のディスク2432は、複数の粉砕ブレード32の全ての間隙322のそれぞれに1つずつ入り込んで配置され、上部プレート241aの複数の突出部2411aの間においてパルプ9の(+Z)側の主面に当接する。図示省略の下部プレートの先端部も、上部プレート241aと同様の形状であり、複数の粉砕ブレード32の全ての間隙322のそれぞれに入り込んで配置される下部ローラ244のディスク2442が、下部プレートの突出部の間においてディスク2432と対向しつつパルプ9の(−Z)側の主面に当接する。また、粉砕シリンダ31の粉砕ブレード32の間隙322のそれぞれの幅は、第1の実施の形態よりも狭くされる。
【0039】
このように、パルプ9は第1の実施の形態と同様に上部ローラ243および下部ローラ244に挟まれて供給され、さらに、これらのローラのディスクが粉砕ブレード32の全ての間隙322に入り込むため、安定した供給も実現される。
【0040】
また、パルプ粉砕機構3では、第1の実施の形態と同様に、粉砕シリンダ31の外周面において螺旋状に配列された複数の歯321によりパルプ9が順次粉砕され、パルプ9の間隙対向部位が粉砕ブレード32に引き込まれて効率的に粉砕される。その結果、パルプ9の各粉砕ブレード32に当接する部位の周辺をも効率的に粉砕してパルプ9の幅方向の全体を粉砕することができる。このとき、上部プレート241aの突出部2411aは、粉砕シリンダ31に進入するパルプ9を粉砕ブレード32の回転に逆らって支持してパルプ9を確実に粉砕するための支持部としての役割を果す。
【0041】
第2の実施の形態に係る吸収体製造装置のパルプ供給機構2およびパルプ粉砕機構3においても、パルプ9を挟み込みつつ供給する上部ローラ243および下部ローラ244を粉砕シリンダ31の極近傍に配置することにより、パルプ9の終端近傍の粉砕時においてもパルプ9が粉砕シリンダ31に引き込まれることが防止される。このため、パルプ9の終端近傍においてもパルプ9の供給速度を一定に維持し、単位時間あたりの粉砕パルプの生成量および質の均一性を向上することができる。その結果、第2の実施の形態に係る吸収体製造装置では、吸収体90の品質の均一性を向上することができる。また、パルプ粉砕機構3に対して供給されるパルプ9を全長に亘って粉砕することにより、粉砕パルプの歩留まりの向上が実現される。このように、粉砕ブレード32の間に進入するパルプ9を粉砕することが保証されるのであれば、第1の実施の形態の装置から補助粉砕ブレード33や粉砕ブレード32の間隙322においてパルプ9を支持する構成が省略されてもよい。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、下部ローラ244は、必ずしも上部ローラ243に連結される必要はなく、パルプ9の移動に伴って受動的に回転するものであってもよい。
【0043】
パルプ供給機構2では、ディスク2432およびディスク2442は、複数の粉砕ブレード32の全ての間隙322に設けられる必要はなく、少なくとも1つの間隙322に設けられていればよい。また、両ディスクのいずれか一方の直径が小さくされ、間隙322に入り込まない状態で他方のディスクと対向するように配置されてもよい。さらには、パルプ供給機構2では、上部ローラ243または下部ローラ244のいずれか一方が省略されてもよい。例えば、下部ローラ244が省略される場合には、下部プレート242が上部ローラ243に対向するローラ対向部の役割を果たす。
【0044】
粉砕シリンダ31では、各粉砕ブレード32は、歯321の位置が隣接する粉砕ブレード32の歯321の位置と歯321のピッチの半分だけずれるように配列されてもよい。また、粉砕シリンダ31において、複数の(例えば、2,3枚の)粉砕ブレード32が間隙を設けずに配列されている場合、これら複数の粉砕ブレード32が上記実施の形態における1つのブレードとして扱われてよい。
【0045】
パルプ粉砕機構3により粉砕されるパルプはシート状であればよく、例えば、ドラムに巻回されたロール状のパルプが繰り出されてパルプ粉砕機構3に供給されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第1の実施の形態に係る吸収体製造装置の構成を示す図である。
【図2】供給路およびパルプ粉砕機構近傍を拡大して示す正面図である。
【図3】粉砕シリンダ近傍を示す平面図である。
【図4】粉砕シリンダ近傍を示す側面図である。
【図5】粉砕シリンダおよび上部プレートの先端部近傍の一部を拡大して示す平面図である。
【図6】第2の実施の形態に係る吸収体製造装置の粉砕シリンダおよび上部プレートの先端部近傍の一部を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 吸収体製造装置
2 パルプ供給機構
3 パルプ粉砕機構
9 パルプ
31 粉砕シリンダ
32 粉砕ブレード
33 補助粉砕ブレード
90 吸収体
241,241a 上部プレート
243 上部ローラ
244 下部ローラ
311 シリンダ回転軸
321 歯
322 間隙
2411 突出部
2432,2442 ディスク
2433 モータ
2434 タイミングベルト
【出願人】 【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
【住所又は居所】愛媛県四国中央市金田町半田乙45番地の2
【出願日】 平成16年8月25日(2004.8.25)
【代理人】 【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘

【公開番号】 特開2006−63467(P2006−63467A)
【公開日】 平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願番号】 特願2004−245018(P2004−245018)