トップ :: D 繊維 紙 :: D04 組みひも;レ−ス編み;メリヤス編成;縁とり;不織布

【発明の名称】 管状不織布及び管状不織布の製造装置
【発明者】 【氏名】大場 信宏
【住所又は居所】静岡県湖西市白須賀5905 合名会社湖西フェルト内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性物質を含んだシート状の不織布を管状に成形した管状不織布において、
前記シート状の不織布の端面同士を突き合わせ、当該突き合わせ部位を加熱することにより互いに溶着させて管状に成形して成ることを特徴とする管状不織布。
【請求項2】
長尺シート状の不織布をその長手方向に連続的に送り出す送出手段と、
該不織布の側面同士を突き合わせるよう案内する案内手段と、
該案内手段にて案内されて突き合わされた部位を加熱して互いに溶着させる加熱手段と、
を具備し、管状不織布を連続的に成形し得ることを特徴とする管状不織布の製造装置。
【請求項3】
前記案内手段は、所定長さの筒状部材から成り、その一端開口からシート状の不織布が導入され、他端開口から管状不織布が導出されるとともに、当該一端開口近傍に前記加熱手段が配設されたことを特徴とする請求項2記載の管状不織布の製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性物質を含んだシート状の不織布を管状に成形した管状不織布及び管状不織布の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
配管等の管状部材を覆って保冷或いは保温を図るべく、シート状の不織布を管状に成形しつつ配管等の外周面に巻き付けることが一般的に行われている。シート状の不織布を管状に成形したものとして、従来、ニードルパンチ法管状不織布や縫製法管状不織布が挙げられる。このうち、ニードルパンチ法管状不織布は、シート状不織布を管状に成形しつつ、その合わせ部に対して外側から針を多数貫通させ、繊維を交絡させて形状を固定させて成るものでり、縫製法管状不織布は、シート状不織布を管状に成形しつつ、その端部同士を縫い合わせて成るものである。尚、これら先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の管状不織布においては、以下の如き問題があった。即ち、ニードルパンチ法管状不織布にあっては、繊維を交絡させて形状を固定させるものであるため、使用される不織布の材料が繊維等に限定されてしまうとともに、孔明けできない防水機能等が付与された他素材と複合した不織布に対して適用できないという問題があった。一方、縫製法管状不織布にあっては、縫製によるため、管状にした後の接合面が密着せず、離間して隙間が生じることがあるとともに、縫製した部位の強度が弱く、大きな径の管状不織布には適さないという問題があった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、シート状の不織布から管状に成形して成るものであって、繊維を交絡させることができないもの等の形態の適用範囲を広くすることができるとともに、確実に管状に成形することができる管状不織布及び管状不織布の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、熱可塑性物質を含んだシート状の不織布を管状に成形した管状不織布において、前記シート状の不織布の端面同士を突き合わせ、当該突き合わせ部位を加熱することにより互いに溶着させて管状に成形して成ることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、長尺シート状の不織布をその長手方向に連続的に送り出す送出手段と、該不織布の側面同士を突き合わせるよう案内する案内手段と、該案内手段にて案内されて突き合わされた部位を加熱して互いに溶着させる加熱手段とを具備し、管状不織布を連続的に成形し得ることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の管状不織布の製造装置において、前記案内手段は、所定長さの筒状部材から成り、その一端開口からシート状の不織布が導入され、他端開口から管状不織布が導出されるとともに、当該一端開口近傍に前記加熱手段が配設されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、シート状の不織布の端面同士を突き合わせ、当該突き合わせ部位を加熱することにより互いに溶着させて管状に成形して成るので、繊維を交絡させることができないもの等の形態の適用範囲を広くすることができるとともに、確実に管状に成形することができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、長尺シート状の不織布から管状不織布を連続的に成形し得るので、生産性が高く量産に適しており、管状不織布の製造コストを図ることができる。
【0010】
請求項3の発明によれば、案内部材が所定長さの筒状部材から成るので、その一端開口近傍で加熱され溶融した突き合わせ部位が確実に溶着するまで当該筒状部材の内部で管状が維持され、その後他端開口から導出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る管状不織布は、熱可塑性物質を含んだシート状の不織布を管状に成形して成るものであり、例えば配管の外周面を覆うよう構成されたものである。より具体的には、本管状不織布は、図1に示すように、シート状の不織布1(フェルト)の端面1a及び1bを突き合わせ、当該突き合わせ部位を加熱することにより互いに溶着させて、図2に示すような管状不織布2としたものである。尚、使用される不織布は、内在する繊維自体が熱可塑性のものであってもよく、或いは別途の熱可塑性物質を含有したものであってもよい。
【0012】
かかる管状不織布2は、図3に示すように、端面1a及び1bが突き合わされて突き合わせ部位2aが形成されているため、当該部位に段差が生じず、またニードルパンチによるものの如き繊維の交絡が不要とされている。従って、繊維を交絡させることができないもの等の形態の適用範囲を広くすることができるとともに、確実に管状に成形することができる。例えば、図4に示すように、管状不織布2’を配管Kの断熱材として使用する場合、内周面側にフェルトから成る不織布層H1、外周面側に空気の対流を遮断する遮断層H2(熱可塑性の物質から成る)が形成されたものに適用が可能である。
【0013】
即ち、不織布層H1の表面に断熱層H2が形成されたシート状の不織布を用意しておき、これを上記の如く管状に成形しつつ突き合わせ部位を加熱して溶着させることにより、同図に示すような管状不織布2’が得られるのである。かかる管状不織布2’によれば、遮断層を別工程にて形成する必要があった従来技術に比べ、施工時間を大幅に短縮することができ、且つ、熟練者によらず品質を安定させることができる。
【0014】
次に、上記管状不織布2(管状不織布2’の如き複合材料のものも含む)の製造装置について説明する。
本実施形態に係る管状不織布の製造装置は、図5に示すように、材料供給ドラム6及び一対のテンションロール7を回転自在に載置した載置台3、所定高さに立設されるとともにガイドロール11及び送出手段としての一対の駆動ロール12を具備した主フレーム5、及びこれら載置台3と主フレーム5との間に固設されつつ供給位置決めロール8を具備した中間フレーム4が床面に固定されて成る。尚、材料供給ドラム6には、長尺シート状の不織布(不織布原反)がロール巻きにされて収容されている。
【0015】
また、主フレーム5には、同図及び図6に示すように、幅ガイド9と、案内手段10と、加熱手段13とが配設されている。幅ガイド9は、連続して上方へ送り出される長尺シート状の不織布Aの側面Aa及びAbをガイドして、その送り出し方向を床面に対して略直交する方向に揃えるためのもので、当該不織布の幅方向の位置に対向して一対配設されている。
【0016】
案内手段10は、所定長さの筒状部材から成り、下方を向いた一端開口からシート状の不織布Aが導入され、上方を向いた他端開口から管状に成形された管状不織布Bが導出されるよう構成されている。即ち、シート状の不織布Aが案内手段10に導かれる過程において、当該不織布Aはその幅方向に巻き込まれ、側面AaとAbとが突き合わされて管状になるよう案内されるのである。
【0017】
加熱手段13は、案内手段10の一端開口近傍(直下)に配設されたバーナから成るものであり、その炎の生成口がシート状の不織布Aの突き合わせ部位に向くよう位置決めされている。これにより、案内手段10により側面AaとAbとが突き合わされると、その突き合わせ部位に対して加熱手段13により加熱がなされ、溶融させることができる。従って、溶融した突き合わせ部位が冷却固化する過程で側面AaとAbとが溶着され、そのまま案内手段10の長手方向に沿って送られるのである。尚、同図中符号13aは、バーナに燃焼ガスを供給するためのガス供給管を示している。
【0018】
次に、上記管状不織布の作用について説明する。
まず、材料供給ドラム6に収容された長尺シート状の不織布の端部をテンションロール7の間に通し、供給位置決めロール8及びガイドロール11に懸架させ、駆動ロール12の間を通しておく。その状態から、駆動ロール12を駆動させるとともに、バーナに点火して加熱手段13による加熱を行う。これにより、材料供給ドラム6から長尺シート状の不織布Aが送り出され、幅ガイド9にて幅方向のガイドがなされつつ、案内手段10に向かい、側面Aa及びAbとが突き合わされるとともに、その突き合わせ部位が加熱手段13により溶融される。
【0019】
側面Aa及びAbが溶融されつつ管状に成形された不織布は、その状態が維持されつつ筒状部材から成る案内手段10の内部を通り、冷却固化される過程で突き合わせ部位が接着する。これにより、突き合わせ部位の溶着がなされ、案内手段10の他端側から管状不織布が導出されることとなる。かかる溶着部Baにて管状に成形された管状不織布Bは、ガイドロール11を介して駆動ロール12から搬出される。
【0020】
上記の如く成形された管状不織布Bを所定の寸法に裁断すれば、図2で示すような、管状不織布が得られることとなる。このように、本実施形態に係る管状不織布の製造装置によれば、長尺シート状の不織布から管状不織布を連続的に成形し得るので、生産性が高く量産に適しており、管状不織布の製造コストを図ることができる。また、案内手段10の一端開口近傍で加熱され溶融した突き合わせ部位が溶着するまで当該筒状部材の内部で管状が維持され、その後他端開口から導出させるので、突き合わせ部位を確実に、且つ、連続的に溶着することが可能である。
【0021】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば下水管補強用の管状不織布として使用するようにしてもよい。この場合、老朽化した下水管の内径に合わせた管状不織布を当該下水管内に張り、不織布内に溶融樹脂を充填した後、その樹脂を硬化させることにより補強層を形成する。かかる適用例によれば、従来縫製法管状不織布にて行われていた下水管補強よりも、以下の点で有利である。即ち、従来の縫製法管状不織布にあっては、管状に成形する際の接合部の強度を十分とすべく、不織布を2つに折り、端部を重ねた状態で縫製していたのであるが、この場合、接合部に段差が生じてしまうのに対し、本適用例においては、そうした段差が生じず、品質が安定するのである。
【産業上の利用可能性】
【0022】
シート状の不織布の端面同士を突き合わせ、当該突き合わせ部位を加熱することにより互いに溶着させて管状に成形して成る管状不織布であれば、内部に他の機能的な層が付加されたもの或いは断面が矩形状に成形されたものであっても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る管状不織布の製造過程を示す模式図
【図2】本発明の実施形態に係る管状不織布を示す模式図
【図3】同管状不織布の断面を示す模式図
【図4】同管状不織布の内部に遮断層が形成されたものを示す断面図
【図5】同管状不織布の製造装置を示す全体模式図
【図6】同管状不織布の製造装置における主要部を示す拡大模式図
【符号の説明】
【0024】
1 シート状の不織布
1a、1b 端面
2 管状不織布
3 載置台
4 中間フレーム
5 主フレーム
6 材料供給ドラム
7 テンションロール
8 供給位置決めロール
9 幅ガイド
10 案内手段
11 ガイドロール
12 駆動ロール
13 加熱手段(バーナ)
A 長尺シート状の不織布
Aa、Ab 側面
B 管状不織布
【出願人】 【識別番号】301074274
【氏名又は名称】合名会社湖西フェルト
【住所又は居所】静岡県湖西市白須賀5905
【出願日】 平成16年7月29日(2004.7.29)
【代理人】 【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫

【公開番号】 特開2006−37300(P2006−37300A)
【公開日】 平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願番号】 特願2004−221825(P2004−221825)