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【発明の名称】 メルトブロー不織布シートおよびそれを用いてなる濾材
【発明者】 【氏名】恒松 久美子
【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内

【氏名】近藤 五郎
【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内

【要約】 【課題】圧力損失が低く、高い捕集性能を有する不織布シートおよびそれを用いた濾材を提供する。

【解決手段】主として非導電性繊維を含んでなり、繊維径0.1〜1.5μmである繊維の割合が10〜30%、繊維径3〜10μmである繊維の割合が30〜60%であることを特徴とするメルトブロー不織布シート。このメルトブロー不織布シートを用いた濾材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主として非導電性繊維を含んでなり、繊維径0.1〜1.5μmである繊維の割合が10〜30%、繊維径3〜10μmである繊維の割合が30〜60%であることを特徴とするメルトブロー不織布シート。
【請求項2】
エレクトレットであることを特徴とする請求項1に記載のメルトブロー不織布シート。
【請求項3】
ヒンダードアミン系化合物およびトリアジン系化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を0.5〜5重量%含有することを特徴とする請求項1または2に記載のメルトブロー不織布シート。
【請求項4】
前記非導電性繊維がポリオレフィン繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のメルトブロー不織布シート。
【請求項5】
前記ポリオレフィン繊維がポリプロピレン繊維であることを特徴とする請求項4に記載のメルトブロー不織布シート。
【請求項6】
目付が10〜80g/mであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のメルトブロー不織布シート。
【請求項7】
30g/m相当圧力損失が25〜55PaかつQF値が0.130〜0.250Paであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のメルトブロー不織布シート。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のメルトブロー不織布シートを用いてなる濾材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、メルトブロー不織布シートおよびそれを用いてなる濾材に関する。特にエアフィルターとして高捕集かつ低圧力損失を発揮する、高性能のメルトブロー不織布シートに関する。
【背景技術】
【0002】

メルトブロー法により得られる不織布シートは、スパンボンド法等の不織布製造法に比べて細い繊維が容易に得られることから、フィルター製品の濾材、中でもエアフィルター用濾材に多く使用されている。
【0003】
エアフィルターに要求される性能は、ミクロなダストを多く捕集できる「高捕集」、および、エアフィルター内部を気体が通過する際に抵抗が少ない「低圧力損失」である。
【0004】
高い捕集性能を有する濾材を得るためには、構成するメルトブロー不織布シートが細繊度であることが適しているが、その一方、シート内の繊維密度が増加することにより圧力損失が高くなる。
【0005】
また、低い圧力損失を有する濾材を得るためには、構成するメルトブロー不織布シートが太繊度であることが適しているが、その一方、シート内の繊維間の空隙が広くなるため、捕集性能が低下する。
【0006】
このように、「高捕集」であることと「低圧力損失」であることは相反する関係にあるもので、従来技術においてこれらの要求を同時に満たすメルトブロー不織布シートは得られていない。
【0007】
例えば、特許文献1によると、繊維の平均分子量を高くし、また分子量分布を狭くすることにより、不織布シートにおける繊維径の斑および目付の斑を少なくし、捕集性能に優れ、強度の強い不織布を得ることができたが、その圧力損失は高いものであった。
【0008】
また、特許文献2によると、原料のメルトフローレートを高くし、また分子量分布を狭くすることにより、捕集性能に優れた極細繊維メルトブロー不織布を得ることができたが、その圧力損失は高いものであった。
【0009】
従来のエアフィルター濾材用メルトブロー不織布シートは、主に「高捕集」を目的とし、繊維径斑が少なくて繊維径の小さい繊維を主体とするシートであったため、エアフィルター濾材に用いた場合、エアフィルター要求性能である「高捕集」かつ「低圧力損失」を同時に満足することは困難であった。
【特許文献1】特許第2775959号
【特許文献2】特開2002−201560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、圧力損失が低いうえに捕集性能に優れるメルトブロー不織布シート、特にエアフィルターに好適に用いることができるメルトブロー不織布シートおよびそれを用いた濾材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決する本発明のメルトブロー不織布シートは、次の構成を有する。
(1)主として非導電性繊維を含んでなり、繊維径0.1〜1.5μmである繊維の割合が10〜30%、繊維径3〜10μmである繊維の割合が30〜60%であることを特徴とするメルトブロー不織布シート。
(2)エレクトレットであることを特徴とする前記(1)に記載のメルトブロー不織布シート。
(3)ヒンダードアミン系化合物およびトリアジン系化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を0.5〜5重量%含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載のメルトブロー不織布シート。
(4)前記非導電性繊維がポリオレフィン繊維であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のメルトブロー不織布シート。
(5)前記ポリオレフィン繊維がポリプロピレン繊維であることを特徴とする前記(4)に記載のメルトブロー不織布シート。
(6)目付が10〜80g/mであることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のメルトブロー不織布シート。
(7)30g/m相当圧力損失が25〜55PaかつQF値が0.130〜0.250Pa−1であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のメルトブロー不織布シート。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載のメルトブロー不織布シートを用いてなる濾材。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、低圧力損失であるとともに高捕集に優れたメルトブロー不織布シートおよびそれを用いてなる濾材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の不織布シートの素材は、非導電性を有する材料からなる繊維を主として含むものであれば特に限定されない。好ましくは不織布シートを構成する繊維素材のうち50重量%以上が非導電性を有する材料からなる繊維であること、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、最も好ましくは全ての繊維素材が非導電性を有する繊維からなる不織布シートである。ここでいう非導電性は、体積抵抗率が1012・Ω・cm以上であることが好ましく、1014・Ω・cm以上であることがより好ましい。
【0014】
このような非導電性の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、フッ素系樹脂、およびこれらの共重合体または混合物などを挙げることができる。これらの中でも、ポリオレフィンまたはポリ乳酸を主体とするものはエレクトレット性能を特に発揮する点から好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。
【0015】
本発明の不織布シートは、上記のような非導電性繊維を主として含むものであって、さらに繊維径0.1〜1.5μmである繊維の割合が10〜30%、繊維径3〜10μmである繊維の割合が30〜60%である。
【0016】
繊維径0.1〜1.5μmの細繊維が10%より低くなると、圧力損失は低下するが捕集性能も低下する。また30%より高くなると捕集性能は高くなるが圧力損失も高くなる。
【0017】
また、繊維径3〜10μmの太繊維が30%より低くなると、捕集性能は高くなるが圧力損失が高くなる。また60%より高くなると、圧力損失は低下するが捕集性能も低下する。
【0018】
本発明においては、繊維径(直径)0.1〜1.5μmの繊維の含有率および繊維径(直径)3〜10μmの繊維の含有率を上記範囲内に同時に満たすことが必要である。両方の繊維を上記割合で含むことにより、捕集性能と圧力損失が共に優れる不織布シートが得られる。
【0019】
上記のような繊維構成を示す不織布シートを得る方法としては、特に限定されるものではないが、メルトブロー法において、吐出孔径を最適化した口金を使用し、ポリマー吐出量、ノズル温度、エア圧力といった製造条件を調整して製造することができる。
【0020】
口金吐出孔径の最適化の例としては、孔径を増大させる方法や、孔径の異なる2種の吐出孔を口金に配置する方法が挙げられるが、好ましい方法は後者である。
【0021】
孔径の異なる2種の吐出孔を口金に配置する方法の場合、口金に径の大きい孔と径の小さい孔を混在させて配置することにより、孔間で吐出差が生じるため、小さい孔からより細い繊維が、大きい孔からより太い繊維が形成し易くなる。細繊維と太繊維の生成する割合は、孔間吐出比により左右され、吐出量は孔面積の2乗に比例するため、径の小さい孔の直径をA(mm)、径の大きい孔の直径をB(mm)としたとき、2種の孔間吐出量比は次の式で定義される。
【0022】
孔間吐出比=B/A
繊維径0.1〜1.5μmの繊維の割合が10〜30%、および繊維径3〜10μmの繊維の割合が30〜60%である不織布シートを得るために好ましい孔間吐出比の範囲は2〜20である。
【0023】
2種の孔の配置様式は、径の大きい孔の間に径の小さい孔を1個または複数個挿入することが考えられるが、複数個挿入した場合、細繊維と太繊維がうまく混ざり合わず、得られたシートに筋や斑が生じる原因となるため好ましくない。従って、径の大きい孔と径の小さい孔を1個おきに交互に配置するのが好ましい。孔と孔の間隔(ピッチ)は狭すぎると開繊が悪く、広すぎるとシートに筋や斑が生じる原因となるため、1〜2mmの範囲で設定するのが好ましい。
【0024】
また、本発明の不織布シートの目付は、10〜80g/mであることが好ましく、15〜70g/mであることがより好ましく、20〜60g/mであることがさらに好ましい。
【0025】
さらに、本発明の不織布シートはエレクトレット化されていることが望ましい。特にエレクトレット化メルトブロー不織布シートにすれば、静電気吸着効果により更に低圧力損失、高捕集性能を得ることができる。エレクトレット化の方法は特に限定されるものでないが、高性能を有するメルトブロー不織布シートを得る上で、水を不織布シートに付与した後に乾燥させることによりエレクトレット化する方法(例えば、特表平9−501604、特開2002−249978等に記載されている方法)が好ましい。
【0026】
また、本発明の不織布シートには、耐候性を向上させ、またエレクトレット性能を良くする観点から、ヒンダードアミン系化合物およびトリアジン系化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種が含まれていることが好ましい。ヒンダードアミン系化合物が2種類以上含まれていてもよいし、トリアジン系化合物が2種類以上含まれていてもよい。また、ヒンダードアミン系化合物とトリアジン系化合物が混在していてもよい。
【0027】
ヒンダードアミン系化合物としては、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)](チバガイギー製、キマソープ944LD)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(チバガイギー製、チヌビン622LD)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(チバガイギー製、チヌビン144)などが挙げられる。
【0028】
また、トリアジン系添加剤としては、前述のポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ))(チバガイギー製、キマソープ944LD)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)−フェノール(チバガイギー製、チヌビン1577FF)などを挙げることができる。
【0029】
不織布シートには、上記化合物の他に、熱安定剤、耐候剤、重合禁止剤等の一般にエレクトレット加工品の不織布シートに使用されている通常の添加剤を添加してもよい。
【0030】
ヒンダードアミン系化合物又はトリアジン系化合物の含有量は、特に限定されないが、0.5〜5重量%の範囲であることが好ましく、0.7〜3重量%の範囲であることがより好ましい。
【0031】
さらに本発明のメルトブロー不織布シートは、30g/m相当圧力損失が25〜55PaかつQF値が0.130〜0.250Pa−1であることが好ましい。30g/m相当圧力損失が27〜54Paであることがより好ましく、29〜53Paであることがさらに好ましい。また、QF値は0.140から0.245Pa−1であることがより好ましく、0.150〜0.240であることがさらに好ましい。
【0032】
また、本発明のメルトブロー不織布シートは濾材として用いることができる。この濾材は空調用エアフィルター、車載用エアフィルター等、エアフィルター全般に好適である。
【実施例】
【0033】
以下、実施例を挙げてより具体的に本発明を説明するが、これらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において使用する特性値は、次の測定法により測定したものである。
(1)繊維径
不織布シートの幅方向に10カ所、長さ方向に4カ所、合計40個の測定用サンプルを採取し、走査型電子顕微鏡で倍率を2000倍に調節して400本以上の繊維写真を撮影、写真に写った全ての繊維1本1本の直径をノギスで測定した。
(2)繊維含有割合
繊維径0.1〜1.5μmの繊維の含有割合および繊維径3〜10μmの繊維の含有割合は以下の式により求めた。
繊維径0.1〜1.5μmの繊維含有割合(%)=100×(繊維径0.1〜1.5μmの繊維本数)/(総繊維本数)
繊維径3〜10μmの繊維含有割合(%)=100×(繊維径3〜10μmの繊維本数)/(総繊維本数)
(3)目付
15cm×15cmのシートの重量を測定し、得られた値を1m当たりの値に換算し、目付(g/m)とした。
(4)捕集性能、圧力損失
不織布シートの幅方向に10カ所測定用サンプルを採取し、それぞれのサンプルについて、図1に示す捕集性能測定装置で測定した。この捕集性能測定装置は、測定サンプルMをセットするサンプルホルダー1の上流側にダスト収納箱2を連結し、下流側に流量計3、流量調整バルブ4、ブロワ5を連結している。また、サンプルホルダー1にパーティクルカウンター6を使用し、切替コック7を介して、測定サンプルMの上流側のダスト個数と下流側のダスト個数をそれぞれ測定することができる。さらにサンプルホルダー1は圧力計8を備え、サンプルM上流、下流の静圧差を読み取ることができる。
【0034】
捕集性能の測定にあたっては、直径0.3μmのポリスチレン標準ラテックスパウダーをダスト収納箱2に充填し、サンプルMをホルダー1にセットし、風量をフィルター通過速度が6.5m/分になるように流量調整バルブ4で調整し、ダスト濃度を1万〜4万個/2.83×10−4(0.01ft)の範囲で安定させ、サンプルMの上流のダスト個数Dおよび下流のダスト個数dをパーティクルカウンター6(リオン社製、KC−01B)で1サンプル当り10回測定し、JIS K−0901に基づいて下記計算式にて捕集性能(%)を求めた。10サンプルの平均値を最終的な捕集性能とした。
【0035】
捕集性能(%)=〔1−(d/D)〕×100
ただし、d:下流ダストの10回測定トータル個数
D:上流のダストの10回測定トータル個数
また、圧力損失は捕集性能測定時のサンプルM上流、下流の静圧差を圧力計8で読み取り求めた。10サンプルの平均値を最終的な圧力損失とした。
(5)30g/m相当圧力損失
以下の式により、前記(4)項で求めた圧力損失を30g/m相当圧力損失に換算して求めた。
【0036】
30g/m相当圧力損失(Pa)=実目付の圧力損失(Pa)×30(g/m)/実目付(g/m
(6)QF値
以下の式によりQF値を算出した。
【0037】
QF値(Pa−1)=−[ln(1−[捕集性能(%)]/100)]/[圧力損失(Pa)] 実施例1
原料として、ポリプロピレン(MI=800)にトリアジン系化合物であるキマソーブ944(チバガイギー製)を1重量%添加したものを使用し、直径が0.3mmおよび0.6mmの吐出孔を1個おきに一直線上に配置した口金(孔ピッチ:1.6mm、孔数:94ホール、幅:150mm)を用いて、メルトブロー法により、ポリマー吐出量80g/分、ノズル温度270℃、エア圧力0.045MPaの条件で噴射し、捕集コンベア速度を調整することによって目付が20g/mの不織布シートを得た。
【0038】
得られた不織布シートを逆浸透膜濾過水が供給される水槽の水面に沿って走行させながら、その表面にスリット状の吸引ノズルを当接させて水を吸引することにより浸透処理し、次いで水切り後に80℃で20分熱風乾燥することにより、エレクトレット化されたメルトブロー不織布を得た。このエレクトレット化されたメルトブロー不織布の特性値を測定し、表1に示した。
【0039】
実施例2
実施例1において、コンベア速度を調整する以外は、実施例1と同様にして、目付が30g/mの不織布シートを得た。得られた不織布シートを実施例1と同様の方法でエレクトレット加工した後、特性値を測定し、表1に示した。
【0040】
実施例3
実施例2において、ノズル温度を265℃、エア圧力を0.030MPaとする以外は、実施例2と同様にして、目付が30g/mの不織布シートを得た。得られた不織布シートを実施例1と同様の方法でエレクトレット加工した後、特性値を測定し、表1に示した。
【0041】
実施例4
実施例3において、エア圧力を0.040MPaとする以外は、実施例3と同様にして、目付が30g/mの不織布シートを得た。得られた不織布シートを実施例1と同様の方法でエレクトレット加工した後、特性値を測定し、表1に示した。
【0042】
実施例5
実施例1において、ノズル温度を260℃、エア圧力を0.040MPaとし、コンベア速度を調整する以外は、実施例1と同様にして、目付が40g/mの不織布シートを得た。得られた不織布シートを実施例1と同様の方法でエレクトレット加工した後、その特性値を測定し、表1に示した。
【0043】
実施例6
実施例5において、コンベア速度を調整する以外は、実施例5と同様にして、目付が60g/mの不織布シートを得た。得られた不織布シートを実施例1と同様の方法でエレクトレット加工した後、特性値を測定し、表1に示した。
【0044】
比較例1
実施例1と同じ原料を使用し、直径が0.4mmの吐出孔を一直線上に配置した口金(孔ピッチ:1mm、孔数:151ホール、幅:150mm)を用いて、メルトブロー法により、ポリマー吐出量80g/分、ノズル温度270℃、エア圧力0.045MPaの条件で噴射し、捕集コンベア速度を調整することによって目付が30g/mの不織布シートを得た。
【0045】
得られた不織布シートを実施例1と同様の方法でエレクトレット加工した後、特性値を測定し、表1に示した。
【0046】
比較例2
比較例1において、エア圧力を0.030MPaとする以外は、比較例1と同様にして、目付が30g/mの不織布シートを得た。得られた不織布シートを実施例1と同様の方法でエレクトレット加工した後、特性値を測定し、表1に示した。
【0047】
比較例3
比較例1において、ポリマー吐出量を130g/分とする以外は、比較例1と同様にして、目付が30g/mの不織布シートを得た。得られた不織布シートを実施例1と同様の方法でエレクトレット加工した後、特性値を測定し、表1に示した。
【0048】
比較例4
比較例1において、ポリマー吐出量を100g/分とする以外は、比較例1と同様にして、目付が30g/mの不織布シートを得た。得られた不織布シートを実施例1と同様の方法でエレクトレット加工した後、特性値を測定し、表1に示した。
【0049】
【表1】


【0050】
直径が0.3mmおよび0.6mmの吐出孔を1個おきに一直線上に配置した口金を使用した実施例1〜6では、紡糸温度およびエア圧力を調整することにより、繊維径0.1〜1.5μmの繊維の割合および繊維径3〜10μmの繊維の割合の両方を満足する不織布シートが得られ、これらは低い圧力損失かつ高いQF値を示した。
【0051】
一方、直径が0.4mmの吐出孔を一直線上に配置した口金を使用した比較例1〜4において、比較例1では口金を変更した以外は実施例1と同じであり、繊維径0.1〜1.5μmの繊維割合は10〜30%の範囲内であったが、繊維径3〜10μmの繊維含有率は10%と低い値であり、その結果、高い圧力損失を示し、QF値も低い値となった。
【0052】
比較例2では比較例1の場合よりエア圧力を低くした結果、繊維径3〜10μmの繊維の割合が30〜60%の範囲内まで増加し、低い圧力損失が得られたが、繊維径0.1〜1.5μmの繊維の割合が4%と低い値であったために捕集性能が低下し、QF値も低い値となった。
【0053】
比較例3では比較例1の場合より吐出量を増加させた結果、繊維径3〜10μmの繊維の割合が30〜60%の範囲内まで増加し、低い圧力損失が得られたが、繊維径0.1〜1.5μmの繊維の割合が2%と低い値であったために捕集性能が低下し、QF値も低い値となった。
【0054】
比較例4では比較例1の場合より吐出量を増加させた結果、繊維径0.1〜1.5μmの繊維の割合が8%および繊維径3〜10μmの繊維の割合が24%といずれも低くなり、その結果、圧力損失は低くなったが、QF値も低い値が得られた。
【0055】
以上のように直径が0.4mmの吐出孔を一直線上に配置した口金を使用した場合、ポリマー吐出量やエア圧力の調整では本発明で規定する範囲の繊維構成は得られず、圧力損失とQF値を同時に満足するシートは得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明により、圧力損失が低く、高い捕集性能を示す不織布シートが得られ、この不織布シートは濾材としてエアフィルターに好ましく用いることができるが、その応用範囲はこれらに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】捕集性能および圧力損失の測定装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0058】
1:ホルダー
2:ダスト収納箱
3:流量計
4:流量調整バルブ
5:ブロワ
6:パーティクルカウンター
7:切替コック
8:圧力計
M:測定サンプル
【出願人】 【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号
【出願日】 平成16年7月29日(2004.7.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−37295(P2006−37295A)
【公開日】 平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願番号】 特願2004−221443(P2004−221443)