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【発明の名称】 テープ基布、それを用いた粘着テープ、及びマスカー
【発明者】 【氏名】黒瀬 哲男
【住所又は居所】岡山県倉敷市片島町236番地 カモ井加工紙株式会社内

【氏名】生水 勝次
【住所又は居所】岡山県倉敷市片島町236番地 カモ井加工紙株式会社内

【氏名】行本 昌
【住所又は居所】岡山県倉敷市片島町236番地 カモ井加工紙株式会社内

【氏名】北嶋 剛
【住所又は居所】岡山県倉敷市片島町236番地 カモ井加工紙株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】熱可塑性樹脂からなる繊維が一方向に配列されかつ延伸された延伸一方向配列繊維を、縦繊維層および横繊維層として、繊維の配列方向が直交するように積層してなる直交積層不織布に、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂の水性分散体を含浸し、乾燥後の含浸量が直交積層不織布1m当たりの質量を100とした場合、20〜200の範囲にあるテープ基布、及びテープ基布を使用し、前記テープ基布の片面に粘着剤を塗布し、反対面に離型剤を塗布したことを特徴とする粘着テープ及び当該粘着テープを用いたマスカー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂からなる繊維が一方向に配列されかつ延伸された延伸一方向配列繊維を、縦繊維層および横繊維層として、繊維の配列方向が直交するように積層してなる直交積層不織布に、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂の水性分散体を含浸し、乾燥後の含浸量が直交積層不織布1m当たりの質量を100とした場合、20〜200の範囲にあるテープ基布。
【請求項2】
直交積層不織布の縦繊維層の坪量が10g/m〜30g/mであり、横繊維層の坪量が15g/m〜40g/mであることを特徴とする請求項1記載のテープ基布。
【請求項3】
直交積層不織布の縦繊維層の繊維径が、横繊維層の繊維径を1とした場合、0.2〜1.0の範囲にあることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のテープ基布。
【請求項4】
直交積層不織布の縦繊維層と横繊維層に使用する樹脂の融点が異なり、縦繊維層に使用する樹脂の融点が横繊維層に使用する樹脂の融点より20℃〜80℃低いことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載のテープ基布。
【請求項5】
直交積層不織布の縦繊維層と横繊維層がエンボス加工により部分的に熱融着されて拘束されており、部分的にエンボス加工により熱融着した後の非融着部分の面積が50%〜95%であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかひとつに記載のテープ基布。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかひとつに記載したテープ基布を使用し、前記テープ基布の片面に粘着剤を塗布し、反対面に離型剤を塗布したことを特徴とする粘着テープ。
【請求項7】
マスキングテープ及び養生テープのKES(Kawabata Evaluation System)測定による繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.3mN・cm2/cm〜3mN・cm2/cmであり、繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.5mN・cm2/cm〜6mN・cm2/cmの範囲になるように不織布の目付け量、含浸剤種類、含浸剤量を調整したことを特徴とする請求項6に記載の粘着テープ。
【請求項8】
熱可塑性樹脂が、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリアクリル酸エステルから撰ばれる1種類または2種類以上からなり、粘着剤がゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤から選ばれる1種であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の粘着テープ。
【請求項9】
請求項6ないし請求項8のいずれかひとつに記載の粘着テープを、粘着テープの粘着面の長尺方向片側側縁を養生シート材の側縁に沿って貼着して、全体をロール状に巻回してなるマスカー。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、曲面や粗面、凹凸面への追従性、接着性が良く、耐水性に優れた、施工後剥がす際にテープ破断が少なく、かつ手切れ性が良好なテープ基布、それを用いた粘着テープ(とくに建築の塗装用、シーリング用のマスキングテープ及び養生シートの固定用として好適に使用される養生用テープ)及びマスカーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、粘着テープの基材としては、木材パルプを主体とした和紙やクレープ紙などの紙基材が知られている。これら紙基材を使用した粘着テープは、手で容易に切断することができる、所謂手切れ性が良好であることから、マスキングテープとして、作業性を重視する車両や建築物の塗装用やシーリング用として幅広く使用されている。また、紙基材は厚みや繊維組成、含浸剤、背面塗工剤等を変えてやることにより、自由にその柔軟性を設定することができることから、最近では曲面や粗面、凹凸面に追従性、接着性が良いものが多品種用意されている。
しかしながら、このように追従性を重視した紙基材の粘着テープは、強度が不十分となり、施工後剥がす際にテープ破断しやすいという欠点を有している。このため、含浸剤や背面処理剤等での改善も試みられているが十分ではなく、またこの他耐水性、耐溶剤性の面でも問題が多い。
また、粘着テープのうち、塗装マスキングテープや養生用テープには、主としてレーヨンスフや綿からなる紡績糸による織物に樹脂を含浸したりポリオレフィンシートを貼り合わせた基材に粘着加工した布テープが広く使用されている。また、熱可塑性樹脂からなるフラットヤーンクロスの少なくとも片面に粘着剤層を形成するとともに、それらの間に、両者の一体性を保持すべくポリエチレンベースの被着層を介在させたことを特徴とする粘着テープが開示されている。(特許文献1参照)
【0003】
しかしながら、テープ基材が、布テープの場合はレーヨンスフや綿糸を利用して製造しているため吸湿性が非常に高く耐水性に劣るため問題がある。さらに、布テープや特許文献1で開示されているようなフラットヤーンクロスを使用した粘着テープの場合、フィルム状のラミネート層で糸やフラットヤーンクロスを完全に拘束しているため、柔軟性が損なわれ、曲面や粗面、凹凸面に対する追従性、接着性に問題があり用途が限定されている。
また、熱可塑性樹脂からなる縦方向延伸繊維層と横方向延伸繊維層の積層体を熱可塑性樹脂で拘束した粘着テープが開示されている。(特許文献2参照)しかしながら、このような粘着テープはポリエチレン等の熱可塑性樹脂で繊維を完全に拘束しているため、前記の布テープやフラットヤーンクロステープと同様にテープ基材の柔軟性が損なわれ、曲面や粗面、凹凸面に対する追従性、接着性に問題があるため、平滑な被着体には使用可能であるが、曲面や粗面、凹凸面に対する追従性、接着性が要求される建築塗装用マスキングテープ、シーリング用マスキングテープ、養生用テープとしての使用では問題がある。さらに、このように繊維を完全に拘束すれば横方向への手切れ性は良くなるものの、同時に縦方向へも裂け易くなるためテープとしては致命的な問題であり、特に養生用テープで一般に使用されている 50mm幅のテープでは、手で切る際や使用後被着体から剥がす際に縦裂けの問題が顕著に現れる。
【特許文献1】特開平10−237395
【特許文献2】特開2003−193005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、曲面や粗面、凹凸面への追従性が良く、耐水性に優れた、施工後剥がす際にテープ破断が少なくかつ手切れ性の良好なテープ基布、マスキングテープ、養生用テープ等の粘着テープ及びそれらを使用したマスカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、鋭意研究した結果、直交積層不織布を特定のポリマーで処理したテープ基布を見出し、このテープ基布を使用することにより高性能の粘着テープ及びマスカーを得ることに成功した。
すなわち、直交積層不織布を、ガラス転移温度が20℃以下の柔軟な樹脂の水性分散体を適量含浸してテープ基布にしたり、さらに、テープ基布をエンボス加工により部分的に熱融着することにより縦繊維層および横繊維層の接着力を調整したりできること、及び、片面に粘着剤を塗布し、反対面に離型剤を塗布したことにより、曲面や粗面、凹凸面への追従性、耐水性、施工後剥がす際のテープ破断が少ない性能、手切れ性の向上を図ることができることが判明し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂からなる繊維が一方向に配列されかつ延伸された延伸一方向配列繊維を、縦繊維層および横繊維層として、繊維の配列方向が直交するように積層してなる直交積層不織布に、ガラス転移温度が20℃以下である樹脂の水性分散体を含浸し、乾燥後の含浸量が直交積層不織布1m当たりの質量を100とした場合、20〜200の範囲にあるテープ基布である。
また、本発明のテープ基布は、直交積層不織布の縦繊維層の坪量が10g/m〜30g/mであり、横繊維層の坪量が15g/m〜40g/mであることを特徴とすることができる。
さらに、本発明のテープ基布は、直交積層不織布の縦繊維層の繊維径が、横繊維層の繊維径を1とした場合、0.2〜1.0の範囲にあることを特徴とすることができる。
また、本発明のテープ基布は、直交積層不織布の縦繊維層と横繊維層に使用する樹脂の融点が異なり、縦繊維層に使用する樹脂の融点が横繊維層に使用する樹脂の融点より20℃〜80℃低いことを特徴とすることができる。
さらにまた、本発明のテープ基布は、直交積層不織布の縦繊維層と横繊維層がエンボス加工により部分的に熱融着されて拘束されており、部分的にエンボス加工により熱融着した後の非融着部分の面積が50%〜95%であることを特徴とすることができる。
【0006】
本発明では、さらに、このようなテープ基布を使用して、テープ基布の片面に粘着剤を塗布し、反対面に離型剤を塗布したことを特徴とする粘着テープとすることができる。
さらに本発明では、マスキングテープ及び養生テープのKES(Kawabata Evaluation System)測定による繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.3mN・cm2/cm〜3mN・cm2/cmであり、繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.5mN・cm2/cm〜6mN・cm2/cmの範囲になるように不織布の目付け量、含浸剤種類、含浸剤量を調整したことを特徴とする粘着テープとすることができる。
本発明のテープ基布に適した熱可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリアクリル酸エステルから撰ばれる1種類または2種類以上であり、粘着剤がゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン粘着剤から選ばれる1種であることができる。
また、本発明の粘着テープを用いて、養生シートの固定用として好適に使用される養生テープとし、粘着テープの粘着面の長尺方向片側側縁を養生シート材の側縁に沿って貼着して、全体をロール状に巻回してなるマスカーとすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のテープ基布は、曲面や粗面、凹凸面への追従性が良く、耐水性に優れた、施工後剥がす際にテープ破断が少なくかつ手切れ性の良好であり、これを用いた粘着テープとくに、マスキングテープ、養生用テープ及びそれを使用したマスカーは、曲面や粗面、凹凸面への追従性が良く、耐水性に優れた、施工後剥がす際にテープ破断が少なくかつ手切れ性が良好でとくに、粗面に貼り付けて使用される粗面塗装用マスキング又は粗面養生用テープとして使用すると作業性が優れていることが判明した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のテープ基布の縦繊維層および横繊維層として用いる熱可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリアクリル酸エステルなどが挙げられるが、特にポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンであることが好ましい。
本発明のテープ基布の、直交積層不織布の縦繊維層の坪量が10g/m〜30g/mであり、横繊維層の坪量が15g/m〜40g/mであることが望ましく、特に縦繊維層坪量/横繊維層坪量の比が0.3〜1.5になるような範囲にあることが好ましい。縦繊維の坪量が10g/m未満だとテープ強度が不足し、テープ使用後に被着体から剥離する際に紙切れが発生する。縦繊維坪量が30g/mを超えると縦繊維の強度が強すぎ手切れ性が不良になる。 横繊維の坪量が15g/m未満だと手切れ性が不良となり、40g/mを超えると、直交積層不織布の総厚が厚くなることにより粗面追従性が低下する。縦繊維層/横繊維層の坪量の比が 0.3未満だと強度が不足しテープ使用後に被着体から剥がす際、テープが破断しやすくなる。また、比が1.5を超えると手切れ性が不良になる。
【0009】
また、本発明のテープ基布の、直交積層不織布に使用する繊維の繊維径については、1μm〜20μmであることが好ましい。繊維径を1μm未満にすることは製造技術的に困難であり、20μmより太いと直交積層不織布の柔軟性が損なわれ、粗面に対する追従性が不良となる。さらに、横繊維層の繊維径を1とした場合に、縦繊維層の繊維径が0.1〜1.0であることが好ましく、さらには0.2〜0.8であることが好ましい。縦繊維層の繊維径が0.1未満であると流れ方向の引張強度が不足し、テープを剥がす際にテープが破断しやすくなり、1.0より大きいと手切れ性が不良となる。
【0010】
本発明のテープ基布の、直交積層不織布に使用する樹脂の融点は、縦繊維層に使用する樹脂の融点が横繊維層に使用する樹脂の融点より20℃〜80℃低いことが好ましい。融点の差が20℃未満の場合は、エンボスによる熱融着での縦繊維と横繊維の接着力が弱くなり、層間剥離しやすくなり問題がある。融点の差が80℃より大きいと縦繊維層の強度が不足し、さらにエンボスによる熱融着の際に縦繊維が必要以上に溶融し、縦方向の強度が低下し好ましくない。
【0011】
本発明のテープ基布の、直交積層不織布を、部分的にエンボスにより熱融着する方法としては特に限定されないが、例えば積層した不織布を、不織布を構成する熱可塑性樹脂の融点より30〜60℃低い温度に加熱したエンボスロールで処理することにより得られる。エンボスの形状、大きさ、密度については特に限定されないが、エンボス処理後の非融着部分が全体の50〜95%以上であることが好ましい。非融着部分が50%未満になると、不織布の柔軟性が損なわれ、さらに含浸剤、粘着剤が不織布繊維間へ浸透し難くなるため、テープ化した際の柔軟性に問題があり、曲面や粗面、凹凸面への追従性、粗面接着性が不良となる。非融着部分が95%以上では縦繊維層と横繊維層の接着力が不足し、テープ化した際に層間剥離し易くなり問題がある。
【0012】
本発明のテープ基布の直交積層不織布を、エンボス加工した基布にガラス転移温度が20℃以下である樹脂の水性分散体を含浸する。含浸する樹脂のガラス転移温度は、20℃以下であれば良いが、特に0℃以下が好ましい。また、ガラス転移温度が20℃より高い水性分散体とガラス転移温度が20℃より低い水性分散体を混合して、ガラス転移温度の平均値が20℃以下になるように調整した水性分散体を使用しても良い。
このような水性分散体として用いることができる樹脂としては特に制限はないが、例えば、天然ゴムの他、アクリルゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、(メタ)アクリル酸グラフト天然ゴム、(メタ)アクリル酸エステルグラフト天然ゴム、スチレングラフト天然ゴム、アクリロニトリルグラフト天然ゴム、合成イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合ゴム、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、エチレン−アクリロニトリル共重合ゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、シリコーンゴムなどの合成ゴム(合成エラストマー)や、セラック、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの樹脂、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、N−アルキロール基やN−アルコキシアルキル基を有するモノマーよりなる群から選ばれた少なくとも2種以上の共重合樹脂などが挙げられる。
【0013】
また、官能基を有するものについても、該官能基と反応することができる各種架橋剤、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを併用して架橋させてもよい。架橋剤はそれぞれに応じて1種又は2種以上組み合わせて使用され、架橋を行うと主に耐溶剤性などが向上する。
【0014】
またさらに、含浸剤には充填剤、顔料や紫外線吸収剤、老化防止剤を配合すると、紫外線や熱が遮断され、粘着剤層の劣化が防止されるので好ましい。
【0015】
本発明において、使用される充填剤や顔料としては特に限定されないが、例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、けい酸アルミニウム、けい酸カルシウム、珪藻土、珪石粉、タルク、シリカ、ゼオライト、アルミナホワイト、グラファイト、酸化チタン、超微粒子酸化チタン、亜鉛華、黒色酸化鉄、雲母状酸化鉄、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホワイト、カーボンブラック、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、ベンガラ、モリブデン赤、鉛丹、黄鉛、カドミウム黄、バリウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫、コバルト紫などの無機系のものや、シェラック、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニンブルー、染色レーキなどの有機系のものなどが挙げられる。これらは1種用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。充填剤や顔料を配合する場合、その配合量は、含浸剤100質量部に対して、通常0.1〜250質量部の範囲で選択される。
【0016】
本発明において、使用される紫外線吸収剤としては特に限定されないが、例えばサリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系のもの、ベンゾトリアゾール系のものなどが挙げられる。これら紫外線吸収剤は1種用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。紫外線吸収剤を配合する場合、その配合量は、含浸剤100質量部に対して、通常0.05〜5質量部の範囲で選択される。
【0017】
本発明において、使用される老化防止剤としては特に限定されないが、例えば、ナフチルアミン系のもの、P−フェニレンジアミン系のもの、アミン混合物、その他アミン系のもの、キノリン系のもの、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系のもの、ビス,トリス,ポリフェノール系のもの、チオビスフェノール系のもの、ヒンダードフェノール系のもの、亜リン酸エステル系のものなどが挙げられる。これら老化防止剤は1種用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。老化防止剤を配合する場合、その配合量は、本発明の感圧接着剤100質量部に対して、通常0.05〜5質量部の範囲で選択される。
【0018】
本発明の粘着テープを製造するに際して、テープ基布の片面に塗布する粘着剤は、従来の粘着剤すべて用いることができ、溶剤(水を含む)に溶解、あるいは分散させて用いられるかもしくは加熱により塗工できる状態まで粘度を下げて用いるが、その使用形態に制限はない。例えばゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン粘着剤などがある。
本発明の粘着テープを製造するに際して、テープ基布に適用できるゴム系粘着剤としては、従来から知られているゴム系粘着剤なら、どの様なものでも良く、天然ゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、メタクリル酸メチルグラフト天然ゴム、スチレングラフト天然ゴム、アクリロニトリルグラフト天然ゴム、合成イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴム、エチレン−アクリトニトリル共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、液状イソプレンゴム、液状ブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合ゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状オキシプロピレンゴムなどを挙げることが出来る。
本発明で用いるアクリル系粘着剤の例を挙げれば、(A)アルキル基の炭素数が4〜12のアクリル酸アルキルエステル及び/又はアルキル基の炭素数が4〜18のメタクリル酸アルキルエステル85〜98.9質量%、(B)α,β一不飽和カルボン酸0.1〜5質量%から成るモノマー混合物か、あるいは該モノマー混合物100質量部に対し40質量部を超えない量のこれら成分と共重合可能なモノマーを配合して成るモノマー混合物を重合して得られるポリマーを等が挙げられる。
シリコーン系粘着剤としては、例えば一分子中に平均して1個以上のケイ素原子結合アルケニル基を有する生ゴム状のジオルガノポリシロキサンであるシリコーン系の粘着剤等が挙げられる。
【0019】
本発明の粘着テープを製造するに際して、直交積層不織布に適用できるゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤及びシリコーン系粘着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、含浸剤に使用されるような充填剤、顔料、紫外線防止剤、老化防止剤や公知の粘着性付与樹脂、可塑剤、架橋剤など各種添加剤を含有させることができる。
【0020】
本発明の粘着テープを製造するに際して、粘着性付与樹脂としては特に限定されないが、例えば、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール系樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、ロジン系樹脂、変性ロジン系樹脂、脂肪族合成石油系樹脂、芳香族合成石油系樹脂、脂環族合成石油系樹脂、クマロン−インデン樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びこれらの中で、水素添加可能な不飽和の二重結合を有するものは、その水素添加品などが挙げられる。これら粘着性付与樹脂は1種用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0021】
本発明の粘着テープを製造するに際して、直交積層不織布に適用できる感圧接着剤の支持体への塗工方法としては通常用いられる方法、例えば、グラビアコータ法、ロールコータ法、リバースコータ法、ドクターブレード法、バーコータ法、コンマコータ法、ダイコータ法、リップコータ法、ナイフコータ法などが挙げられる。これらのうち好ましいものはダイコータ法、コンマコータ法である。塗工後は、熱風または(近)赤外線、高周波などのエネルギーにより加熱して溶媒あるいは分散媒の乾燥を行う。粘着剤の乾燥塗工厚さは、テープ基布への染み込みを差し引いた有効な厚み、すなわち粘着剤塗布乾燥後の総厚から粘着剤塗布前の基布の厚みを指し引いた厚みが10μm〜200μmであることが好ましくは、さらには30μm〜100μmであることが好ましい。
【0022】
本発明の直交積層不織布を用いた粘着テープは、周知の方法により粘着層中に気泡を含有させてもよい。気泡を含有させる方法としては特に制限はなく、公知の方法、例えばアゾ系、スルホニルヒドラジド系、ニトロソ系、無機系などの、それ自身が熱分解や化学反応を起こして気体を発生する発泡剤を含有させる方法、熱発泡性あるいは熱膨張性のマイクロカプセルを含有させる方法などの化学的方法や、乾燥の際、溶媒あるいは分散媒を急激に揮発させることにより生成する気泡をそのまま含有させる方法、塗工前に感圧接着剤配合液を急激に攪拌することにより機械的に泡を形成させる方法などの物理的方法が挙げられる。気泡を含有させることにより柔軟性が向上するとともに、表層が粗面となることから、低接着力でありながら十分なタックを有する、いわゆる接着性と再剥離性のバランスのとれた粘着テープとなる。
【0023】
本発明の粘着テープ、代表的には、マスキングテープ及び養生用テープの曲げ硬さは、KES(Kawabata Evaluation System)測定による繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.3mN・cm/cm〜3mN・cm/cm、好ましくは0.5mN・cm/cm〜2.5mN・cm/cm、繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.5mN・cm/cm〜6mN・cm/cm、好ましくは0.5mN・cm/cm〜3.0mN・cm/cmの範囲で選択される。
KES(Kawabata
Evaluation System)測定による繊維流れ方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.3mN・cm/cmに満たない場合、テープが柔軟になり過ぎ、施工する際にテープがよれて施工し難くなり、3mN・cm/cmを超える場合追従性が不十分となる。
KES(Kawabata
Evaluation System)測定による繊維流れ方向と直交する方向の表裏両サイドへの曲げ硬さの平均値が0.5mN・cm/cmに満たない場合、テープの腰が不足し、施工する際にテープがよれて施工し難くなり、6.0mN・cm/cmを超える場合追従性が不十分となる。
通常、繊維流れ方向とテープの長さ方向を一致させ、繊維流れ方向と直交する方向とテープの幅方向を一致させている。
なお、テープ基材の表裏両サイドへの曲げ硬さの測定に使用した計測機器は、
カトーテック株式会社 KES−FB2 純曲げ試験機であり、測定条件は、温度20℃、湿度65%で行った。
KES測定とは川端李雄筆、繊維機械学会(繊維工学)、vol.26、No.10、P721〜P728(1973)に記載されているように、風合い計測のために設計された布試験システムKES−FBシリーズ(Kawabata Evaluation System for
fabrics)の一部で布の曲げ特性を測定するものである。この曲げ特性測定機KES−FB2(カトーテック社製)は、試料全体を一定曲率で円弧状に曲げ、その曲率を等速で変化させることができ、それに伴う微少な曲げモーメントを検出し、曲げモーメントと曲率の関係を測定することができる。なお、最大曲率はK=±2.5cm-1、クランプ間隔(試料長)=1cm、曲げ変形速度は0.5cm-1/secである。
曲げかたさは、曲率K(cm-1)の増加に対する曲げモーメントM(g・cm/cm、単位長さ当りの値)の増分でM−K曲線の傾斜を示す。かかる曲げかたさは、K=0.5と1.5の間、および、K=−0.5と−1.5の間の2ヶ所で測定し、それぞれ表曲げ(表面が外側となるような曲げ)と裏曲げ(裏面が外側となるような曲げ)の勾配の平均値とする。
【0024】
本発明のテープ基布に用いる直交積層不織布の製造方法としては例えば、以下のような方法で作成することができる。まず、縦延伸一方向配列不織布の作成には、イソフタル酸で変性した融点が220℃のポリエステル樹脂を用い、押出機により溶融混練し、ギアポンプにより定量的に押出し、熱風とともにメルトブローダイスよりフィラメント状に紡出する。紡出したフィラメントをコンベア状に集積し、これを延伸ロールを用いて縦方向に6倍に延伸することで縦延伸一方向配列不織布が得られる。この場合、得られた縦延伸一方向配列不織布の坪量は20g/mであった。繊維径は5μmであった。一方、横方向延伸一方向配列不織布の作成には、融点が260℃のポリエステル樹脂を用い、押出機により溶融混練し、ギアポンプにより定量的に押出し、スプレーノズルに導く。スプレーノズルから紡出されたフィラメントに横方向から熱風を吹き付けることにより、フィラメントをコンベアの進行方向に直角な方向(横方向)に飛散させ、コンベア上に、フィラメントが横方向に配列されたウェブを形成する。続いてこのウェブをプーリ式の横延伸装置により横方向に6.5倍に延伸し、横延伸一方向配列不織布を作成した。作成された横延伸一方向配列不織布の坪量は20g/mであった。繊維径は10μmであった。そして、この横延伸一方向配列不織布上に上述の縦延伸一方向配列不織布を繰出し、190℃に加熱されたエンボスロールによって、連続的にエンボス処理を行うことで横延伸一方向配列不織布と縦延伸一方向配列不織布とを積層し、直交積層不織布を作成することができる。必要により、坪量はフィラメントの紡出量とコンベア速度のコントロールにより変化させることができる。繊維径はメルトフローダイス、スプレーノズルの穴の径、延伸倍率により変化させることができる。ポリエステル樹脂の融点はイソフタル酸の変性量で変化させることができる。エンボスによる融着部分の面積はエンボスロールの形状で変化させることができる。
【0025】
本発明のテープ基布に用いる直交積層不織布を用いた本発明の粘着テープには、支持体の強度を向上させたり、支持体と粘着剤あるいは剥離剤との接着を十分なものにする目的の他、粘着剤あるいは剥離剤の必要以上の支持体への吸収を防ぐ目的で、粘着剤層側の支持体の片面にアンダーコート剤の層や粘着層とは反対側の支持体の背面に背面処理剤の層を設けてもよい。
【実施例1】
【0026】
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(テープ基布の作成)
縦繊維の目付け量が20g/m、横繊維の目付け量が20g/mであり、縦繊維に使用するポリエステル樹脂の融点が220℃、横繊維に使用するポリエステル樹脂の融点が260℃であり、縦繊維の繊維径が5μm、横繊維の繊維径が10μmであり、エンボスにより融着されていない部分の面積が全体の85%である新日石プラスト(株)製経緯直交ポリエステル不織布「ミライフTLFY2020E」にガラス転移温度−17℃の日本カーバイド工業(株)社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFA−2555A」を乾燥後の含浸量が25g/mになるように含浸することにより基布aを得た。
(粘着剤の調整)
トルエン83gに素練りによりムーニー粘度を60に調整した天然ゴム10gを溶解した後、YSレジンPX1000(ヤスハラケミカル社製)を5g、ダイマロン(ヤスハラケミカル社製)を2g、老化防止剤アンテージW−400(川口化学工業社製)を0.1g添加し、十分溶解させ固形分17%、23℃の粘度が9800mPa・sの粘着剤aを得た。
(基布への塗布)
粘着剤aを乾燥後の塗膜の塗布厚が50μmになるように前記の基布aの縦繊維を積層した面に塗布し、横繊維を積層した面にセラック樹脂を乾燥後の塗布量が5gになるように塗布し、更にその上に一方社油脂(株)製ピーロイル1010を乾燥後の塗布量が0.2gになるように塗布し、粘着シートを得た。
この粘着シートを、幅方向15mm×流れ方向300mm及び幅方向50mm×流れ方向300mmの矩形状に切断して、試験片を作製した。
【0027】
試験片を、粗面追従性、手切れ性の2項目についてテストした。
(1)粗面追従性1(貼り付け時):試験片には、幅15mm、長さ300mmのものを用い、また被着体にはリシン塗装面を使用し、温度23℃、湿度50%R.Hの条件下で被着体に完全に追従させるように貼り付けた時の貼り付け易さ(追従し易さ)を測定者が判断し、次の基準で判定した。
〇:良い
△:普通
×:悪い
(2)粗面追従性2(貼り付け後経時):(1)で貼り付け後、1時間経過後の試験片の被着体に対する追従状態を観察し、次の基準で評価した。
○:貼り付け直後から殆ど変化がなく、被着体に追従している。
△:一部で凹み部から試験片が浮き上がっている。
×:凹み部に追従していた試験片が大部分浮き上がって、凸部にのみ接着している。
(2)手切れ性:試験片には、幅50mm、長さ300mmのものを用い、試験片の基布流れ方向と直交する方向に手で裂いた時の裂き易さを測定者が判断し、次の基準で判定した。
〇:良い
△:普通
×:悪い
【実施例2】
【0028】
(テープ基布の作成)
縦繊維の目付け量が20g/m、横繊維の目付け量が20g/mであり、縦繊維に使用するポリエステル樹脂の融点が220℃、横繊維に使用するポリエステル樹脂の融点が260℃であり、縦繊維の繊維径が10μm、横繊維の繊維径が10μmであり、非エンボス融着部分が全体の85%である新日石プラスト(株)製経緯直交ポリエステル不織布「ミライフTLY2020E」にガラス転移温度−17℃の日本カーバイド工業(株)社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFA−2555A」を乾燥後の含浸量が20g/mになるように含浸することにより基布bを得た。
(粘着剤の調整)
実施例1と同様にして粘着剤aを得た。
(基布への塗布)
実施例1と同様にして基布bに塗布し試験片を作成した。
【実施例3】
【0029】
(テープ基布の作成)
実施例1の基布の調整で含浸剤をガラス転移温度が−44℃の日本カーバイド工業(株)製「ニカゾールFX−563A」にし、乾燥後の含浸量が30g/mになるように含浸処理した以外は実施例1と同様にして基布cを得た。
(粘着剤の調整)
実施例1と同様にして粘着剤aを得た。
(基布への塗布)
実施例1と同様にして基布cに塗布し試験片を作成した。
【実施例4】
【0030】
実施例1のテープ基布の作成で、含浸剤をガラス転移温度が12℃の日本ゼオン(株)製「Nipol LX430」にし、乾燥後の含浸量が20g/mになるように含浸処理した以外は実施例1と同様にして基布dを得た。
(粘着剤の調整)
実施例1と同様にして粘着剤aを得た。
(基布への塗布)
実施例1と同様にして基布dに塗布し試験片を作成した。
【実施例5】
【0031】
(テープ基布の作成)
縦繊維の目付け量が15g/m、横繊維の目付け量が15g/mであり、縦繊維に使用するポリエステル樹脂の融点が220℃、横繊維に使用するポリエステル樹脂の融点が260℃であり、縦繊維の繊維径が10μm、横繊維の繊維径が10μmであり、エンボスで融着処理を行っていない新日石プラスト(株)製経緯直交ポリエステル不織布「ミライフTLY1515LT」に、ガラス転移温度−17℃の日本カーバイド工業(株)社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFA−2555A」とガラス転移温度が−18℃の日本ゼオン(株)製スチレン−ブタジエン共重合体エマルション「Nipol2570X5」を固形分比で50/50になるように混合した含浸剤を乾燥後の含浸量が30g/mになるように含浸し、さらに、横繊維側に上記「ニカゾールFA−2555A」を乾燥後の塗布量が5g/mになるように塗布することにより基布eを得た。
(粘着剤の調整)
実施例1と同様にして粘着剤aを得た。
(基布への塗布)
実施例1と同様にして基布eに塗布し試験片を作成した。
【実施例6】
【0032】
(テープ基布の作成)
縦繊維の目付け量が15g/m、横繊維の目付け量が15g/mであり、縦繊維に使用するポリエステル樹脂の融点が220℃、横繊維に使用するポリエステル樹脂の融点が260℃であり、縦繊維の繊維径が10μm、横繊維の繊維径が10μmであり、エンボスで融着処理を行っていない新日石プラスト(株)製経緯直交ポリエステル不織布「ミライフTLY1515LT」に、ガラス転移温度−17℃の日本カーバイド工業(株)社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFA−2555A」を乾燥後の含浸量が35g/mになるように含浸し、さらに、横繊維側に上記「ニカゾールFA−2555A」を乾燥後の塗布量が10g/mになるように塗布することにより基布fを得た。
(粘着剤の調整)
実施例1と同様にして粘着剤aを得た。
(基布への塗布)
実施例1と同様にして基布fに塗布し試験片を作成した。
[比較例―1]
【0033】
(テープ基布の作成)
新日石プラスト社製ミライフTY1010E(縦繊維層の目付け量10g/m、横繊維層の目付け量10g/m)の両面に、片面の坪量が20g/mになるように低密度ポリエチレンをTダイで溶融押し出しして貼り合わせ、基布gを得た。
(粘着剤の調整例)
実施例―1と同様にして粘着剤aを得た。
(基布への塗布例)
粘着剤aを乾燥後の塗布厚が50μmになるように基布gの縦繊維が積層されている面に塗布し、反対面に一方社油脂工業製「ピーロイル1010」を乾燥後の塗布量が0.2g/mになるように塗布し、粘着シートを得た。
この粘着シートを、幅方向15mm×流れ方向300mm及び幅方向50mm×流れ方向300mmの矩形状に切断して、試験片を作製した。
[比較例−2]
【0034】
(テープ基布の作成)
縦繊維の目付け量が20g/m、横繊維の目付け量が20g/mである
新日石プラスト(株)製経緯直交ポリエステル不織布「ミライフTY2020E」にガラス転移温度33℃の日本カーバイド工業社製水系アクリル樹脂「ニカゾールFX−670」を乾燥後の含浸量が25g/mになるように含浸することにより基布hを得た。
(粘着剤の調整例)
実施例―1と同様にして粘着剤aを得た。
(基布への塗布例)
実施例1と同様にして基布hに塗布し試験片を作成した。
[比較例−3]
【0035】
(テープ基布の作成)
縦繊維の目付け量が15g/m、横繊維の目付け量が15g/mである
新日石プラスト(株)製経緯直交ポリエステル不織布「ミライフTY1515E」にガラス転移温度−17℃の日本カーバイド工業社製水系アクリル樹脂「ニカゾール2555A」を乾燥後の含浸量が70g/mになるように含浸することにより基布iを得た。
(粘着剤の調整例)
実施例―1と同様にして粘着剤aを得た。
(基布への塗布例)
実施例1と同様にして基布iに塗布し試験片を作成した。
[比較例−4]
【0036】
(テープ基布の作成)
実施例1で用いた新日石プラスト(株)製経緯直交ポリエステル不織布「ミライフTLFY2020E」の縦繊維径を25μm、横繊維径10μmに変更した経緯直交ポリエステル不織布にガラス転移温度−17℃の日本カーバイド工業社製水系アクリル樹脂「ニカゾール2555A」を乾燥後の含浸量が30g/mになるように含浸することにより基布jを得た。
(粘着剤の調整例)
実施例―1と同様にして粘着剤aを得た。
(基布への塗布例)
実施例1と同様にして基布jに塗布し試験片を作成した。
[比較例−5]
【0037】
(テープ基布の作成)
実施例2で用いた新日石プラスト(株)製経緯直交ポリエステル不織布「ミライフTLY2020E」のエンボス融着の密度を変更し、非エンボス融着部分が全体の40%になるように調整して作成した経緯直交ポリエステル不織布にガラス転移温度−17℃の日本カーバイド工業社製水系アクリル樹脂「ニカゾール2555A」を乾燥後の含浸量が30g/mになるように含浸することにより基布kを得た。
(粘着剤の調整例)
実施例―1と同様にして粘着剤aを得た。
(基布への塗布例)
粘着剤aを乾燥後の塗布厚が50μmになるように基布kの縦繊維が積層されている面に塗布し、反対面に一方社油脂工業製「ピーロイル1010」を乾燥後の塗布量が0.2g/mになるように塗布し、幅方向15mm×流れ方向300mm及び幅方向50mm×流れ方向300mmの矩形状に切断して、試験片を作製した。
[比較例−6]
【0038】
スフ布を基材とした布粘着テープとして(株)スリオンテック社製「No.3362」を使用し、実施例−1と同様にして試作片を作成した。

実施例1〜4、比較例1〜6のテープ状試験片についてテストした結果を表1に示す。
【0039】
【表1】


【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明のマスキングテープ、養生テープ及びそれを使用したマスカーは、曲面や粗面、凹凸面への追従性が良く、耐水性に優れた、施工後剥がす際にテープ破断が少なくかつ手切れ性が良好であるため、作業性が優れているのみならず、施行した箇所を傷めることがないので、環境にやさしいものである。

【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】マスカーの見取り図
【符号の説明】
【0042】
1養生テープ
2養生シート

【出願人】 【識別番号】591189258
【氏名又は名称】カモ井加工紙株式会社
【住所又は居所】岡山県倉敷市片島町236番地
【識別番号】000231682
【氏名又は名称】新日本石油化学株式会社
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門一丁目2番6号
【出願日】 平成17年6月15日(2005.6.15)
【代理人】 【識別番号】100112173
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 修身

【公開番号】 特開2006−28726(P2006−28726A)
【公開日】 平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願番号】 特願2005−174758(P2005−174758)