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【発明の名称】 伸縮性不織布および伸縮性複合不織布
【発明者】 【氏名】田中 茂樹
【住所又は居所】滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡績株式会社総合研究所内

【氏名】足立 将孝
【住所又は居所】滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡績株式会社総合研究所内

【要約】 【課題】透湿性に優れ蒸れ難く、表面が滑り易いので毛羽立ち難く、かつ皮膚面の伸縮に追随できる適度の伸縮性を有し剥がれ難い要件をすべて満たすことができる、皮膚面に貼付するシート又はテープの基布に最適な伸縮性不織布を提案する

【解決手段】部分的に熱圧着された熱可塑性エラストマー繊維からなる不織布であって、該不織布の少なくとも片面の最表層の一部が樹脂コートされ、見掛け密度が0.15g/cm3以上、通気度が200cm3/cm2・sec以下、透湿度が8000g/m2・24h以上であり、一方向の伸び率が100%以上かつ20%伸長回復率が80%以上であることを特徴とする伸縮性不織布。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分的に熱圧着された熱可塑性エラストマー繊維からなる不織布であって、該不織布の少なくとも片面の最表層の一部が樹脂コートされ、見掛け密度が0.15g/cm3以上、通気度が200cm3/cm2・sec以下、透湿度が8000g/m2・24h以上であり、一方向の伸び率が100%以上かつ20%伸長回復率が80%以上であることを特徴とする伸縮性不織布。
【請求項2】
吸放湿性微粒子を0.01重量%〜10重量%含有することを特徴とする請求項1記載の伸縮性不織布。
【請求項3】
熱可塑性エラストマー繊維がポリエステル系エラストマー繊維であることを特徴とする請求項1〜請求項2に記載の伸縮性不織布。
【請求項4】
該不織布の100%伸長時荷重が50%伸長時荷重の1.4倍以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の伸縮性不織布。
【請求項5】
請求項1〜請求項4に記載の伸縮性不織布を構成する繊維が、顔料等の有色微粒子を熱可塑性エラストマーに練り込まれた樹脂からなる原着繊維からなる伸縮性不織布。
【請求項6】
請求項1〜請求項5に記載の伸縮性不織布に、融点150〜230℃のブロック共重合ポリエステルよりなる厚さ5〜100μmのフィルムが押出ラミネートされていることを特徴とする伸縮性複合不織布。
【請求項7】
請求項1〜請求項6に記載の伸縮性不織布あるいは伸縮性複合不織布を用いることを特徴とする貼付用基布。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮性不織布に関する。さらには、透湿性に優れ蒸れ難く、表面を滑り易くして毛羽立ち難くし、かつ皮膚面の伸縮に追随できる適度の伸縮性を有し剥がれ難い、皮膚面に貼付又は被覆するシート又はテープの基布に最適な伸縮性不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚面に貼付するシート又はテープの基布に伸縮性を付与するために熱可塑性弾性樹脂からなる繊維を用いた不織布が提案されている。例えば、メルトブロー法によるウレタン繊維不織布が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、ウレタン繊維からなる不織布は、平滑性が劣り毛羽立ちが著しい。また、薬液膏薬等を付与した場合、滲み出しが大である問題がある。ウレタンの欠点である耐光性、耐薬品性、耐熱性を改良する狙いでビニル芳香族共役ジエン化合物とオレフィンを組成としたメルトブロー不織布が提案されている(たとえば、特許文献3参照)が、毛羽立ちが著しい問題は解決されてはいない。
【特許文献1】特開昭59−223347号公報
【特許文献2】特開平01−132858号公報
【特許文献3】特開平02−259151号公報
【0003】
そのため、毛羽立ちを防止する方法として、熱可塑性弾性樹脂をフィルムで用いる提案が各種なされている。例えば、ウレタン樹脂フィルムを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしてこの方法は、透湿性が劣り、また、ウレタンのため薬液のしみだしを生じる問題がある。
【0004】
フィルムと不織布の積層構造体の提案も多数ある。例えば、繊維不織布とウレタンフィルムの積層体(例えば、特許文献5参照)、繊維不織布とウレタン又は熱可塑性ゴム系フィルムの積層構造体(例えば、特許文献6参照)、伸縮性を重視して繊維不織布も熱可塑性弾性樹脂からなり、フィルムも熱可塑性弾性樹脂から構成される積層構造体も提案されている。
【0005】
更に、ウレタン繊維不織布とウレタンフィルムの積層体(例えば、特許文献7)、ポリアミドエラストマーからなる不織布とフィルムの積層構造体(たとえば、特許文献8)、ポリエステルエラストマーからなる不織布とフィルムの積層構造体(例えば、特許文献9)、各種フィルムとの積層構造体(例えば、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14など)が提案されている。如かして、これらのフィルムとの積層構造体は、平滑性には優れ毛羽立ちは解消されるが、透湿性が不充分で蒸れを解消できてはいない。
【特許文献4】特開平02−270818号公報
【特許文献5】特開平05−271077号公報
【特許文献6】特開平07−309748号公報
【特許文献7】特開平08−10283号公報
【特許文献8】特開2003−181995号公報
【特許文献9】特開2003−171861号公報
【特許文献10】特開2000−158593号公報
【特許文献11】特開2001−105520号公報
【特許文献12】特開2001−348766号公報
【特許文献13】特開2002−96432号公報
【特許文献14】特開2002−178427号公報
【0006】
上述の通り、従来の技術では、透湿性に優れ蒸れ難く、表面が滑り易いので毛羽立ち難く、かつ皮膚面の伸縮に追随できる適度の伸縮性を有し剥がれ難い要件をすべて満足する、皮膚面に貼付するシート又はテープの基布に最適な伸縮性不織布は得られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は従来技術の課題を背景になされたもので、透湿性に優れ蒸れ難く、表面が滑り易いので毛羽立ち難く、かつ皮膚面の伸縮に追随できる適度の伸縮性を有し剥がれ難い要件をすべて満たすことができる、皮膚面に貼付するシート又はテープの基布に最適な伸縮性不織布を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、伸縮性は熱可塑性弾性樹脂で付与した繊維不織布に、必要な強度を付与するために、緻密構造化したものであっても、不織布表面に吸放湿性物質を付加することで、毛羽立ち性を解決して優れた透湿性を付与できることを知見し、本発明を完成するに到った。即ち本発明は(A)部分的に熱圧着(エンボス加工)された熱可塑性エラストマー繊維からなる不織布であって、該不織布の少なくとも片面の最表層の一部が樹脂コートされ、見掛け密度が0.15g/cm3以上、通気度が200cm3/cm2・sec以下、透湿度が8000g/m2・24h以上であり、一方向の伸び率が100%以上かつ20%伸長回復率が80%以上であることを特徴とする伸縮性不織布。(B)吸放湿性微粒子を0.01重量%〜10重量%含有することを特徴とする(A)記載の伸縮性不織布。(C)熱可塑性エラストマー繊維がポリエステル系エラストマー繊維であることを特徴とする(A)〜(B)に記載の伸縮性不織布。(D)該不織布の100%伸長時荷重が50%伸長時荷重の1.4倍以上であることを特徴とする(A)〜(C)に記載の伸縮性不織布。(E)(A)〜(D)に記載の伸縮性不織布を構成する繊維が、顔料等の有色微粒子を熱可塑性エラストマーに練り込まれた樹脂からなる原着繊維からなる伸縮性不織布。(F)(A)〜(E)に記載の伸縮性不織布に、融点150〜230℃のブロック共重合ポリエステルよりなる厚さ5〜100μmのフィルムが押出ラミネートされていることを特徴とする伸縮性複合不織布。(G)(A)〜(F)に記載の伸縮性不織布あるいは伸縮性複合不織布を用いることを特徴とする貼付用基布。
【発明の効果】
【0009】
本発明の伸縮性不織布は、伸縮性は熱可塑性弾性樹脂で付与した繊維不織布に、必要な強度を付与するために、緻密構造化したものであっても、不織布表面に吸放湿性物質を付加することで、毛羽立ち性を解決して優れた透湿性の付与を可能にした。かつ皮膚面の伸縮に追随できる適度の伸縮性を有し剥がれ難いので、絆創膏、パップ、プラスター、バンテージ、包帯、テーピング、サポーターなどの、皮膚面に貼付又は被覆する医療用粘着シート又は医療用粘着テープの基布に最適な伸縮性不織布を提供できる。
さらには、耐水性を要求されるハウスラップ用途にも、フィルムとのラミネート加工をすることで、優れた透湿性と耐水性を同時に満足させる基布を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、部分的に熱圧着された熱可塑性エラストマー繊維からなる不織布であって、該不織布の少なくとも片面の最表層の一部が樹脂コートされ、見掛け密度が0.15g/cm3以上、通気度が200cm3/cm2・sec以下、透湿度が8000g/m2・24h以上であり、一方向の伸び率が100%以上かつ20%伸長回復率が80%以上であることを特徴とする伸縮性不織布である。
【0011】
本発明における、熱可塑性エラストマーとは、熱可塑性でゴム弾性を有する熱可塑性樹脂をいい、例えば、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ブタジエン系エラストマー、フッ素系エラストマー、及びそれらの共重合体や混合物、熱可塑性非エラストマーを含有する組成物を含むものなどが例示できる。
【0012】
本発明における好ましい熱可塑性エラストマーとしては、ソフトセグメントとして分子量300〜5000のポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ルまたは長鎖の炭化水素末端をカルボン酸または水酸基にしたオレフィン系化合物等をブロック共重合したポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、ポリウレタン系エラストマ−、ポリオレフィン系エラストマ−などが挙げられる。
【0013】
熱可塑性弾性樹脂とすることで、再溶融により再生が可能となるため、リサイクルが容易となる。例えば、ポリエステル系エラストマ−としては、熱可塑性ポリエステルをハ−ドセグメントとし、ポリアルキレンジオ−ルをソフトセグメントとするポリエステルエ−テルブロック共重合体、または、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエステルブロック共重合体が例示できる。ポリエステルエ−テルブロック共重合体のより具体的な事例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン2・6ジカルボン酸、ナフタレン2・7ジカルボン酸、ジフェニル4・4’ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1・4シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、琥珀酸、アジピン酸、セバチン酸ダイマ−酸等の脂肪族ジカルボン酸または、これらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1・4ブタンジオ−ル、エチレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトレメチレングリコ−ル、ペンタメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル、1・1シクロヘキサンジメタノ−ル、1・4シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族ジオ−ル、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオ−ル成分の少なくとも1種、および平均分子量が約300〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種から構成される三元ブロック共重合体である。
【0014】
ポリエステルエステルブロック共重合体としては、上記ジカルボン酸とジオ−ル及び平均分子量が約300〜5000のポリラクトン等のポリエステルジオ−ルのうち少なくとも各1種から構成される三元ブロック共重合体である。熱接着性、耐加水分解性、伸縮性、耐熱性等を考慮すると、ジカルボン酸としてはテレフタル酸、または、及びナフタレン2・6ジカルボン酸、ジオ−ル成分としては1・4ブタンジオ−ル、ポリアルキレンジオ−ルとしてはポリテトラメチレングリコ−ルの3元ブロック共重合体または、ポリエステルジオ−ルとしてポリラクトンの3元ブロック共重合体が特に好ましい。特殊な例では、ポリシロキサン系のソフトセグメントを導入したものも使うこたができる。また、上記エラストマ−に非エラストマ−成分をブレンドされたもの、共重合したもの、ポリオレフィン系成分をソフトセグメントにしたもの等も本発明の熱可塑性弾性樹脂に包含される。
【0015】
ポリアミド系エラストマ−としては、ハ−ドセグメントにナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12等及びそれらの共重合ナイロンを骨格とし、ソフトセグメントには、平均分子量が約300〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種から構成されるブロック共重合体を単独または2種類以上混合して用いてもよい。更には、非エラストマ−成分をブレンドされたもの、共重合したもの等も本発明に使用できる。ポリウレタン系エラストマ−としては、通常の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)の存在または不存在下に、(A)数平均分子量1000〜6000の末端に水酸基を有するポリエ−テル及び又はポリエステルと(B)有機ジイソシアネ−トを主成分とするポリイソシアネ−トを反応させた両末端がイソシアネ−ト基であるプレポリマ−に、(C)ジアミンを主成分とするポリアミンにより鎖延長したポリウレタンエラストマ−を代表例として例示できる。(A)のポリエステル、ポリエ−テル類としては、平均分子量が約1000〜6000、好ましくは1300〜5000のポリブチレンアジペ−ト共重合ポリエステルやポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルが好ましく、(B)のポリイソシアネ−トとしては、従来公知のポリイソシアネ−トを用いることができるが、ジフェニルメタン4・4’ジイソシアネ−トを主体としたイソシアネ−トを用い、必要に応じ従来公知のトリイソシアネ−ト等を微量添加使用してもよい。
【0016】
(C)のポリアミンとしては、エチレンジアミン、1・2プロピレンジアミン等公知のジアミンを主体とし、必要に応じて微量のトリアミン、テトラアミンを併用してもよい。これらのポリウレタン系エラストマ−は単独又は2種類以上混合して用いてもよい。なお、必要に応じ、有色微粒子を添加して着色した原着樹脂として使用できる。また、抗酸化剤や耐光剤等を添加して耐久性を向上させることができる。しかして、最も好ましくは、皮膚と接触する用途では、ポリオレフィン等合成樹脂製食品容器等に関する自主基準に合格する組成である。
【0017】
本発明の伸縮性不織布は、前記、熱可塑性エラストマーからなる繊維で構成される、部分的に熱圧着された不織布であり、該不織布の少なくとも片面の最表層の一部が樹脂コートされ、見掛け密度が0.15g/cm3以上、通気度が200cm3/cm2・sec以下、透湿度が8000g/m2・24h以上であり、一方向の伸び率が100%以上かつ20%伸長回復率が80%以上の要件を全て満足する必要がある。
【0018】
本発明の不織布は、不織布を構成する繊維を接合一体化して、伸縮性に必要な強度と形態保持性を付与するため、部分的に熱圧着されている必要がある。熱圧着(エンボス)パターンの形態は特には限定されないが、各種要求に応じて形態と熱圧着面積を選定するのが好ましい。例えば、四角凸柄、格子凸柄、亀甲柄、斜格子柄、ダイヤ柄、横楕円柄、織目柄などの形状で、圧着面積比5%〜60%までが選択できる。バルキー構造とするには熱圧着面積比を5%〜15%と少なくするのが好ましい。強度が要求される場合は、圧着面積比を20%〜60%と多くするのが好ましい。また、特殊な場合、熱圧着部分を貫通孔とすることもできる。エンボス温度は、素材に応じて、融点以下の温度で行う。例えば、融点180℃のポリエステルでは130℃〜140℃で、圧着線圧は5kN/m〜200kN/mが選択できる。
【0019】
本発明の伸縮性不織布は、少なくとも片面の最表層が樹脂コートされ、表面を滑り易く且つ引っ掛りによる繊維の抜き出しを防止して毛羽立ち難くする必要がある。本発明でいう最表面とは、エンボス加工で潰された面から浮き上がった面であり、少なくとも最表面の一部は樹脂コートされている必要がある。表層を樹脂コートしない場合は、表面の滑りが悪くなり繊維が、毛羽立ち易くなるので好ましくない。また、繊維の引っ掛りによる繊維の引き出しが容易となり、基布の破壊を生じる場合があるので好ましくない。本発明での樹脂コートは、例えば、最表層のみ樹脂コートするには、グラビア印刷やオフセット印刷で樹脂をコートする方法があり、やや内層まで樹脂コートするにはフレキソ印刷などが使用できる。必要に応じ、両面を樹脂コートする。さらに内層まで樹脂コートするには、ディップ方式やスプレー方式、泡加工等で樹脂を付与して樹脂含浸させることもできる。本発明の好ましい樹脂コートは、表層の内面まで樹脂加工が可能とすることで、表層を強固に固定でき、且つ、水系の樹脂分散液を使用できるフレキソ印刷である。
【0020】
コーテング樹脂は、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系及びそれらの混合系等の樹脂が使用できる。樹脂は、平滑性を阻害しない範囲で伸縮性を有するものを用いるのが好ましい。樹脂の付与量は、印刷では片面で0.1g/m2〜10g/m2が好ましく(両面では2倍)、必要に応じ付与量は変更することができる。0.1g/m2未満では、毛羽立ち防止効果が不充分な場合がある。付与量は、伸縮性を阻害しない適正量を設定する必要がある。
本発明での見掛け密度は、JIS L−1906(2000)に準拠して求めた、単位面積あたりの質量および厚さより求めた値である。本発明では、見掛け密度が0.15g/cm3以上必要である。見掛け密度が0.15g/cm3未満では、強力が不十分なため伸長時の破損等が生じ好ましくない。本発明の好ましい見掛け密度は、0.18g/cm3〜0.50g/cm3であり、より好ましくは、0.20g/cm3〜0.45g/cm3である。見掛け密度が0.50g/cm3を超えると通気性及び透湿性が悪くなり好ましくない場合がある。
【0021】
本発明での通気度は、JIS L 1906(2000)フラジール法に準拠して求めた値とする。本発明では伸縮性不織布の通気度は200cm3/cm2・sec以下である。通気度が200cm3/cm2・secを超えると、通気により皮膚の被覆性能が低下する場合があり好ましくない。本発明の好ましい通気度は150cm3/cm2・sec以下、より好ましくは100cm3/cm2・sec以下である。
本発明での透湿度は、JIS L 1099(1993)塩化カルシュウム法による値とする。本発明では、透湿度が8000g/m2・24h以上必要である。透湿度がこのように高いので皮膚面の水蒸気が不織布外部に放出されて、皮膚面に貼り付けても蒸れを感じ難い。8000g/m2・24h以下では、蒸れが解消されないので好ましくない。好ましくは10000g/m2・24h〜25000g/m2・24h、より好ましくは12000g/m2・24h〜20000g/m2・24hである。25000g/m2・24h以上では、耐水性が極端に劣る場合があるので好ましくない場合がある。
本発明での不織布の伸び率は、JIS L−1906に準拠した方法で測定した値で示す。
【0022】
また、伸長回復率は、JIS L−1906の伸び率測定方法に準拠して、20%まで伸長させた後、直ちに0%まで回復させて、再び破断まで伸長させたときの伸長回復伸長荷重曲線の20%伸長回復後再度伸長したときの緩和歪(εi)を20%から減じた値を20%で叙した値を%で示した値である。本発明でいう一方向とは、縦方向(以下、MD方向と略す)または横方向(以下CD方向と略す)のどちらか一方向のことをいう。記載の無い場合は、MD方向とする。本発明不織布の少なくとも一方向の伸び率は100%以上かつ20%伸長回復率が80%以上である。伸び率が100%未満では皮膚面の伸縮に追随できないので好ましくない。好ましい伸び率は、120%〜500%、より好ましくは150%〜450%である。500%以上の伸び率では、伸長回復率が80%以上でも200%を超える伸長により、たるみが発生してめくれの原因になる場合があり好ましくない。20%伸長回復率が80%未満では、皮膚面の伸縮に追随して好ましいフィット感を付与できないと共にたるみを発生し、めくれの原因にもなり好ましくない。好ましい20%伸長回復率は、85%以上、より好ましくは90%〜100%である。本発明では、他の方向の伸び率及び伸長回復率は特には限定されないが、皮膚の伸縮性への追随性が良好になる範囲として、好ましくは、伸び率は50%以上、伸長回復率は50%以上である。より好ましくは、伸び率は100%以上500%未満、伸長回復率は80%以上である。
なお、本発明不織布の伸長荷重はとくには限定されないが、該不織布の100%伸長時荷重が50%伸長時荷重の1.4倍以上とすることで、低伸長率(50%未満)では、皮膚面の伸縮に追随する荷重を低くできるので、皮膚面への圧迫感を軽減できるため、好ましい実施形態である。
【0023】
本発明不織布は、吸放湿性微粒子を付与することで内部(皮膚面)から吸放湿性微粒子を介して外部へ(皮膚面に貼付するシート又はテープの表面から大気中へ)湿気を常に放出してより透湿性を高められるので好ましい実施形態である。
なお、放湿性を有さない吸湿性微粒子を付与すると、吸湿性微粒子が充分に吸湿して飽和すると吸湿しなくなり、吸湿性微粒子が湿度バリヤーとなり内部(皮膚面)からの水分移動がなくなり蒸れが急速に進むため好ましくない。
【0024】
本発明に用いる好ましい吸放湿性微粒子としては、例えば、一部又は全部がアクリルニトリルを85%以上含むアクリル樹脂にヒドラジン処理により架橋構造を導入し、窒素含有量の増加が1〜15重量%であり、加水分解により残存しているニトリル基量の1mmol/g以上を塩系カルボキシ基に化学変化せしめた粒径5μm以下のものなどが例示できる。粒径が繊維径にくらべて大きいと、繊維表面への接合が難しくなり、接合させても脱落しやすくなるため粒径は、細かいほど付与が容易になり好ましい。細かい微粒子は、例えば、表面の滑りを向上させ、毛羽伏せするためにグラビア印刷する際、インク成分に吸放湿性微粒子を混合して不織布表面に印刷する方法などで、表面に付与接合させることができる。本発明での不織布表面に付与する吸放湿性微粒子の好ましい粒径は5μm以下、より好ましくは、1μm以下である。吸放湿性微粒子を付与する不織布は、皮膚面と反対の大気中になる面へ付与すると、不織布の通気性が非常に低い場合でも、吸放湿性微粒子の吸湿機能が通気性の低いバリヤーを介しても強制的に機能して、より放湿効率が向上するので好ましい実施形態である。通気度が著しく低い不織布の場合、吸放湿性を十分付与するためには、吸放湿性微粒子の不織布に対する付与量を多くするのが好ましい。本発明での好ましい実施形態では、吸放湿性微粒子の不織布に対する付与量は、0.01重量%~10重量%が好ましい。より好ましくは、0.10重量%〜5重量%である。0.01重量%未満では、吸放湿性が不十分となる場合があり、10重量%以上では過剰付与効果で機能の有効利用とならないので好ましくない場合がある。
【0025】
本発明不織布を構成する繊維の組成は、上述の熱可塑性エラストマーであれば、特には限定されないが、膏体や薬剤等の滲み出しが発生し難いポリエステル系エラストマーが特に好ましい実施形態である。
本発明の不織布を構成する繊維の繊度は特には限定されないが、各用途に応じて所望される構造に適した繊度に設定するのが望ましい。例えば、緻密な構造とするには、0.2dtex〜3dtexが好ましく、やや荒い構造とするには、3dtex〜6dtexが好ましく、更には、荒い構造とするには、6dtex〜20dtexとするのが好ましい。
本発明の不織布を構成する繊維の断面形状は、特には限定されないが、より薄く特定方向に強力と伸縮性を要求される場合は、扁平断面にするのが好ましく、バルキー性を極端に要求される場合は、異形中空断面にするなどの方策が好ましいが、通常は丸断面が製造時の無理が少なく好ましい断面形状である。
【0026】
本発明の不織布を構成する繊維の配列は、特には限定されないが、各用途に応じた所望される配列とするのが好ましい。例えば、縦方向にのみ伸長回復性を特に要求される場合は、ややランダムな直交配列が好ましく、縦横ともに伸縮性が要求される場合は、ランダムな配列がこのましい。
本発明不織布の目付けは特には限定されないが、薄物要求の場合、30g/m2〜80g/m2が好ましく、中目付け要求品では、80g/m2〜200g/m2、厚目付け要求品では200g/m2〜1000g/m2の範囲で設定するのが好ましい。
【0027】
本発明の伸縮性不織布は、防水性を要求される場合、熱可塑性エラストマーとのラミネート加工によるフィルム積層構造体として用いることができる。例えば、ポリエステルエラストマーからなる伸縮性不織布とポリエステルエラストマー、例えば、ポリエステルポリエーテル共重合体とをラミネート押出して、厚み5μm〜100μmのフィルムとのラミネート加工品とすることで、防水性と透湿性を兼ね備えた伸縮性不織布とすることができる。
【0028】
以下に本発明不織布の製造方法の一例を示す。
本発明不織布は、スパンボンド法、メルトブロー法などの公知の紡糸方法に準拠し、ゴム弾性の発現を制御することにより製造することができる。
公知のスパンボンド法では、押出ポリマーの融点より10℃〜20℃高い温度で紡出し、4000m/分〜6000m/分で引取り振り落としてシート形成するが、本発明では、熱可塑性エラストマーの融点より15℃〜25℃高い温度で紡糸し、ウエッブの伸度を250%〜350%確保するためと、融着を防ぐため充分冷却させ、かつ、ゴム弾性回復による繊維の戻りを防止して、エジェクターで500m/分〜2000m/分の速度にて引取りつつ下方の引取ネットに振り落として、シート状にウエッブを形成する。次いで、エンボスローラーにて熱圧着処理を行い、巻き取って伸縮性不織布とすることができる。エンボスロールの柄は、必要に応じついで、本発明の最も好ましい実施形態として、不織布表面に吸放湿性微粒子を毛羽伏せと着色及び、平滑性付与のためのグラビア印刷の表面コート用樹脂インクに混合分散させ、不織布表面に付与して印刷と同時に吸放湿性微粒子を固着させた伸縮性不織布が得られる。
【0029】
公知のメルトブロー法では、紡糸温度は通常の温度で押出し、300℃を超える高温の10000m/分を超える超高速気流に随伴させて牽引しつつ振り落としてシート形成するが、本発明では、牽引気流の温度(300℃未満)及び速度(8000m/分未満)を低く設定して固化寸前にネット面に振り落とし、吸引してネット面へ張り付かせゴム弾性による引き攣りを防止しつつエンボス処理して巻き取り、伸縮性不織布を得る。本発明の最も好ましい実施形態として、伸縮性不織布表面に吸放湿性微粒子を毛羽伏せと着色及び、平滑性付与のためのグラビア印刷の表面コート用樹脂インクに混合分散させ、不織布表面に付与して印刷と同時に吸放湿性微粒子を固着させた伸縮性不織布が得られる。
【0030】
かくして得られた本発明の伸縮性不織布は、毛羽立ち性を解決して優れた透湿性の付与を可能にし、かつ皮膚面の伸縮に追随できる適度の伸縮性を有し剥がれ難いので、絆創膏、パップ、プラスター、バンテージ、包帯、テーピング、サポーターなどの、皮膚面に貼付又は被覆する医療用粘着シート又は医療用粘着テープの基布に最適な伸縮性不織布を提供できる。
さらには、耐水性を要求されるハウスラップ用途にも、ラミネート加工により、例えば、ポリエステルポリエーテル共重合体とをラミネート押出して、厚み5μm〜100μmのフィルムとのラミネート加工品とすることで、優れた透湿性と耐水性を同時に満足させる基布を提供できる。
なお、本発明における例示は、これらに限定されるものではない。
【0031】
以下に本発明の実施例を示す。本発明は、実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0032】
次に実施例及び比較例を用いて、本発明を具体的に説明するが、着用試験による官能評価は、以下の方法で測定して評価した。
作成した片面を樹脂コートした伸縮性不織布の樹脂コート面とは反対側面に100μmのアクリル系粘着剤を100μmコートして不織布面とは反対面を50μmのポリプロレンフィルムでラミネートして粘着シートを作成した。この粘着シートをMD方向に20cmとCD方向に10cmに打ち抜き貼付け用サンプルとした。貼り付け用サンプルは、パネラー5人に両膝表面、両肘表面に貼らせて長ズボン及び長袖のアクリル製トレーニングウエアを着けて、室内温度25℃室内湿度65%RHにて、ランニングマシーンにて相対速度10km/時間で膝と肘を屈曲させて、2時間走行させた後5分後に以下の評価を行った。
【0033】
(蒸れ感)
貼り付け面の蒸れの程度からパネラーの感覚で判断した。蒸れを感じない:5、蒸れを若干感じるが気にならない:4、蒸れを少し感じる:3、蒸れをやや感じる:2、蒸れを非常に感じる:1で評価し、5人の平均値で判定した。
【0034】
(追随性)
貼り付け面の抵抗感の程度からパネラーの感覚で判断した。屈曲時抵抗感なし:5、屈曲時抵抗感若干感じるが気にならない:4、屈曲時抵抗感を少し感じる:3、屈曲時抵抗をやや感じる:2、屈曲時抵抗感を非常に感じる:1で評価し、5人の平均値で判定した。
(毛羽立ち性)
着用後の4箇所のサンプル表面の毛羽発生状況から判断した。毛羽発生なし:5、毛羽発生ほとんどなし:4、毛羽発生すこしあり:3、毛羽発生ややあり:2、毛羽発生大:1で判断し、5人の平均値で判定した。
(剥れ)
着用後の4箇所の貼り付けサンプルの剥れ状態から判断した。剥れなし:5、わずかに剥れあり(1箇所のみ):4、わずかに剥れあり(3箇所以内):3、剥れすこしあり:2、剥れあり(4箇所):1で評価し、5人の平均値で判定した。
【0035】
実施例1、2、3、比較例1、2、3、4、
ポリエステル系エラストマ−として、ジメチルテレフタレ−ト(DMT)と1・4ブタンジオ−ル(1・4BD)を少量の触媒と仕込み、常法によりエステル交換後、ポリテトラメチレングリコ−ル(PTMG)を添加して昇温減圧しつつ重縮合せしめポリエ−テルエステルブロック共重合エラストマ−を生成させ、次いで抗酸化剤1%を添加混合練込み後ペレット化し、50℃48時間真空乾燥して得られた熱可塑性エラストマー原料の処方を表1に示す。
【0036】
【表1】


【0037】
ポリウレタン系エラストマ−として、4・4'ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDI)とPTMG及び鎖延長剤として1・4BDを添加して重合しペレット化し真空乾燥してポリエ−テル系ウレタンを熱可塑性エラストマー(A−3)原料とした。得られた熱可塑性エラストマーの融点は152℃、PTMG含有量は64%であった。
【0038】
(実施例1)
得られた熱可塑性エラストマーとしてA−1を用いて、紡糸温度200℃にて、単孔吐出量0.5g/分にて吐出し、エジェクターにて1000m/分にて牽引しつつ引取りネット上に50g/m2となるように振り落とし、吸引によりシート状にウエッブ形態を保持して押えローラーにてウエッブを固定引取り移送し、ついで温度110℃、織目柄で圧着面積20%のエンボスローラーにて、線圧100kN/mにてエンボス加工を行い巻き取った伸縮性不織布を、ついで、アクリル系樹脂の水系分散液及び肌色の顔料と平均径5μmの吸放湿性微粒子である東洋紡績株式会社製タフチックHUを該水系分散液に分散させ、フレキソ印刷法にて、エンボス加工面に、樹脂量5g/m2と吸放湿性微粒子2g/m2付与して巻き取った。得られた伸縮性不織布の評価結果を表2に示す。実施例1は、本発明要件をすべて満たし、優れた着用感を示すものであり、皮膚面に貼付又は被覆するシート又はテープの基布に最適な伸縮性不織布特性を示す。
【0039】
【表2】


【0040】
(実施例2)
熱可塑性エラストマーとしてA−2を用い、紡糸温度220℃、エンボス温度130℃とした以外、実施例1と同様にして得た伸縮性不織布の評価結果を表2に示す。なお、肌色の着色された樹脂コートはエンボス加工による圧着面には付与されていない。実施例2は、本発明要件をすべて満たし、優れた着用感を示すものであり、皮膚面に貼付又は被覆するシート又はテープの基布に最適な伸縮性不織布特性を示す。
【0041】
(比較例1)
熱可塑性エラストマーとしてA−3を用いて、紡糸温度200℃にて、単孔吐出量0.5g/分にて吐出し、エジェクターにて1300m/分にて牽引しつつ引取りネット上に50g/m2となるように振り落とし、吸引によりシート状にウエッブ形態を保持して押えローラーにてウエッブを固定引取り移送し、ついで温度120℃、織目柄で圧着面積65%のエンボスローラーにて、線圧50kN/mにてエンボス加工を行い巻き取って得られた伸縮性不織布の評価結果を表2に示す。比較例1は、本発明要件の最表面の樹脂コートがされず、透湿度が劣るため、着用感が劣り、皮膚面に貼付又は被覆するシート又はテープの基布には不適当な伸縮性不織布特性を示す。
【0042】
(比較例2)
熱可塑性エラストマーとしてA−2を用いて、紡糸温度280℃、単孔吐出量0.4g/分にて吐出し、牽引流体温度350℃にて、8500m/分にて牽引しつつ半溶融状態の繊維を引取りネット上に50g/m2となるようにブローさせ、吸引によりシート状に形態を保持して押えローラーにてメルトブローシートを固定引取り移送して巻き取ったメルトブロー不織布を、ついで、アクリル系樹脂の水系分散液及び肌色の顔料と平均径5μmの吸放湿性微粒子である東洋紡績株式会社製タフチックHUを該水系分散液に分散させ、スプレー法にて、片面に、樹脂量5g/m2と吸放湿性微粒子0.1g/m2付与して巻き取った。得られた伸縮性不織布の評価結果を表2に示す。比較例2は、本発明要件のエンボス加工が施されておらず、伸長時に構造破壊を生じるため回復性に劣る。また、繊維径が細く緻密な構造のため通気性が低くかつ、吸放湿性微粒子を付与したにもかかわらず透湿度が低いものとなり、毛羽立ち難い良さは有するが、皮膚面に貼付又は被覆するシート又はテープの基布には不適当な伸縮性不織布特性を示す。
【0043】
(比較例3)
エンボス加工時の加工柄を格子凸柄とし、圧着面積25%、線圧を20kN/mとした以外は、比較例1と同様にして得た伸縮性不織布の評価結果を表2に示す。比較例3は、本発明要件の最表面の樹脂コーティングが施されておらず毛羽立ちしやすく、低密度のため、通気性が大きくなり被覆性に劣り、伸長時に構造破壊を生じるため回復性に劣るので、皮膚面に貼付又は被覆するシート又はテープの基布には不適当な伸縮性不織布特性を示す。
【0044】
(比較例4)
ウェブの目付が70g/m2となるように引き取り、エンボス加工時の加工柄を格子凸柄とし、圧着面積25%、ロール温度120℃、線圧を20kN/mとした以外は、比較例1と同様にして得た不織布を、ついで、アクリル系樹脂の溶剤系溶解液及び顔料と平均径5μmの吸放湿性微粒子である東洋紡績株式会社製タフチックHUを該溶剤系溶解液に分散させ、グラビア印刷法にて、エンボス加工面に、樹脂量2g/m2と吸放湿性微粒子1g/m2付与して巻き取った。得られた伸縮性不織布の評価結果を表2に示す。比較例4は密度が低く伸長時に構造破壊しやすく回復性に劣り、皮膚面に貼付又は被覆するシート又はテープの基布にはやや不適当な伸縮性不織布特性を示す。
【0045】
(比較例5)
熱可塑性樹脂にメルトインデックス20のポリプロピレン(PP)を用い、紡糸温度220℃にて紡糸し、エンボス加工時の加工柄は格子凸柄で圧着面積25%を用い、温度120℃にて線圧100kN/mとした以外、比較例1と同様の方法にて得られた不織布の評価結果を表2に併記する。比較例5は、素材がエラストマーではないため、伸長回復性が著しく劣り、その他の特性も非常に劣るため、皮膚面に貼付又は被覆するシート又はテープの基布にはまったく不適当な不織布特性を示す。
【0046】
(実施例3)
ウェブの目付を100g/m2とし、吸放湿性微粒子を0.05重量%付与した以外、実施例1と同様にして得た伸縮性不織布の評価結果を表3に示す。実施例3は、目付が高くなった例であるが、本発明要件をすべて満たし、優れた着用感を示すものであり、皮膚面に貼付又は被覆するシート又はテープの基布に最適な伸縮性不織布特性を示す。
【0047】
【表3】


【0048】
(実施例4)
熱可塑性エラストマーA−1に肌色の有色無機微粒子を0.3%練り込んだ樹脂(A−4)を用い、樹脂コート用水分散液に顔料を付与しなかった以外、実施例1と同様にして得られた伸縮性不織布の評価結果を表3に示す。肌色の原着繊維で構成されている以外は実施例1と同様に本発明要件をすべて満たし、優れた着用感を示すものであり、皮膚面に貼付又は被覆するシート又はテープの基布に最適な伸縮性不織布特性を示す。
【0049】
(実施例5)
熱可塑性エラストマーとしてA−4を用いて、紡糸温度270℃、単孔吐出量0.6g/分にて吐出し、牽引流体温度300℃にて、2500m/分にて牽引しつつ半溶融状態の繊維を引取りネット上に100g/m2となるようにブローさせ、吸引によりシート状に形態を保持して押えローラーにて固定引取ったメルトブローシートを移送し、ついで温度110℃、織目柄で圧着面積20%のエンボスローラーにて、線圧20kN/mにてエンボス加工を行い巻き取った伸縮性不織布を、ついで、アクリル系樹脂の水系分散液及び平均径5μmの吸放湿性微粒子である東洋紡績株式会社製タフチックHUを該水系分散液に分散させ、オフセット印刷にて、片面に、樹脂量2g/m2と吸放湿性微粒子0.5g/m2付与して巻き取った。得られた伸縮性不織布の評価結果を表3に示す。実施例5は、本発明要件を満たし優れた着用感を示すものであり、皮膚面に貼付又は被覆するシート又はテープの基布に最適な伸縮性不織布特性を示す。
【0050】
(実施例6)
実施例1で得られたエンボス加工した不織布を、A−1を用いてフィルム厚み25μmとなるようにラミネート加工して得られた伸縮性不織布に、ついで温度110℃、φ0.5mmドット柄で圧着面積5%のエンボスローラーにて、線圧50kN/mにてフィルム面からエンボス加工を行い巻き取った複合伸縮性不織布を、ついで、アクリル系樹脂の溶剤系分散液及び顔料と平均径5μmの吸放湿性微粒子である東洋紡績株式会社製タフチックHUを該溶剤系分散液に分散させ、グラビア印刷にて、フィルム面に、樹脂量0.5g/m2と吸放湿性微粒子0.5g/m2付与して巻き取った。得られた伸縮性不織布は通気度43cm3/cm2・sec、透湿度9200g/m2・24h、MD伸び190%、MD20%伸長後の回復率88%であった。着用評価結果は蒸れ4級、追随性4級、毛羽立ち性5級、剥れ5級であった。実施例6は、本発明要件を満たし優れた着用感を示すものであり、皮膚面に貼付又は被覆するシート又はテープの基布に最適な伸縮性不織布特性を示す。
【0051】
実施例1〜5、比較例1〜5により明らかなように、本発明の要件を満たす伸縮性不織布は、皮膚面に貼付又は被覆するシート又はテープの基布に最適な不織布であることが判る。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の伸縮性不織布は、伸縮性は熱可塑性弾性樹脂で付与した繊維不織布に、必要な強度を付与するために、緻密構造化したものであっても、不織布表面に吸放湿性物質を付加することで、毛羽立ち性を解決して優れた透湿性の付与を可能にした。かつ皮膚面の伸縮に追随できる適度の伸縮性を有し剥がれ難いので、絆創膏、パップ、プラスター、バンテージ、包帯、テーピング材、サポーターなどの、皮膚面に貼付又は被覆する医療用粘着シート又は医療用粘着テープの基布に最適な伸縮性不織布を提供できる。
さらには、耐水性を要求されるハウスラップ用途にも、フィルムとのラミネート加工をすることで、優れた透湿性と耐水性を同時に満足させる基布を提供できるなど、波及効果も大きく、産業界に寄与することが大である。
【出願人】 【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜2丁目2番8号
【出願日】 平成16年7月20日(2004.7.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−28695(P2006−28695A)
【公開日】 平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願番号】 特願2004−211351(P2004−211351)