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【発明の名称】 構造発色性材料及びその製造方法
【発明者】 【氏名】谷岡 明彦

【氏名】松本 英俊

【氏名】皆川 美江

【氏名】諸田 賢治

【氏名】桑山 悠

【要約】 【課題】反射、干渉作用に基づく構造発色を呈する緻密な繊維堆積物からなる構造発色性材料を提供すること。

【解決手段】100nmから1μmの極細繊維を繊維と繊維のからみ合い間の長さが1μmから10μmの間隔で堆積させた繊維堆積物。この繊維堆積物は、反射、干渉作用に基づく構造発色を呈する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロスプレーデポジション法により形成された、平均繊維径が100nm〜1μmの透明繊維の堆積物又は平均繊維径が100nm〜1μmの透明繊維と平均粒子径が100nm〜1μmの透明粒子との堆積物からなることを特徴とする光の反射・干渉機能によって可視光領域の波長の着色光を発する構造発色性材料。
【請求項2】
前記堆積物が、基体上にシート状に堆積されていることを特徴とする請求項1記載の光の反射・干渉機能によって可視光領域の波長の着色光を発する構造発色性材料。
【請求項3】
前記堆積物が、透明繊維からなることを特徴とする請求項1又は2記載の光の反射・干渉機能によって可視光領域の波長の着色光を発する構造発色性材料。
【請求項4】
前記堆積物が、平均繊維径が100nm〜1μmの透明繊維の堆積物であって、繊維と繊維のからみ合い間の長さが1μm〜10μmとされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光の反射・干渉機能によって着色光を発する構造発色性材料。
【請求項5】
可視光領域の波長の着色光を発する前記透明繊維の平均繊維径が、800nm以下であって、その分布幅が平均繊維径の±20%以内であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の光の反射・干渉機能によって着色光を発する構造発色性材料。
【請求項6】
液体収容部を有するキャピラリー、前記キャピラリーと対向配置された基板及び前記キャピラリーの液体収容部に収容される液体と前記基板又は前記基板近傍に配置した電極間に電圧を印加する電圧印加手段を備えた装置を用意する工程と、
前記装置の液体収容部に、粘度が10〜1900cPの透明高分子溶液を収容する工程と、
前記透明高分子溶液と前記基板又は電極間に1〜50kV/mの電圧を印加して前記基板上に平均粒子径が100nm〜1μmの透明粒子又は平均繊維径が100nm〜1μmの透明繊維の堆積物を堆積させる工程と、
前記堆積物が所望の発色状態を呈したときに前記電圧の印加を停止する工程と
を有することを特徴とする構造発色性材料の製造方法。
【請求項7】
前記透明高分子溶液の電気伝導度が、400mS/m以下であることを特徴とする請求項6記載の構造発色性材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、光の反射、干渉等の光学物理現象によって着色光を発する構造発色性材料とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種の繊維や建材、自動車の塗装などに色味を付与したり、紫外線や赤外線を反射させたりする手段として、あるいはこれらの質感や風合いを一層向上させる手段として、無機あるいは有機系の染料や顔料を用いたり、アルミフレークやマイカなどの光輝材を塗料あるいは繊維中に分散させたものを用いることが行われてきた。
【0003】
一方、近年、ユーザーの嗜好の多様化、パーソナル化、高級化の傾向と相俟って、例えば色味を例に挙げても、見る方向によって色味が変わる(いわゆる玉虫色)ものや、より彩度の高い鮮やかな色味を有する優美かつ高級感のある繊維製品や塗装が要望されるようになってきている。そのため、染料や顔料などの色素を使わずに光の反射・干渉、回折、散乱などの物理現象を積極的に利用して発色する構造体や、このような物理現象による発色 と従来の染料や顔料などによる発色 とを組み合わせて、これらの相乗効果により一層鮮やかに発色するようにした構造体が研究されている。
【0004】
このような構造体の一例として、特許文献1には、繊維表面に一定幅の細隙が一定間隔にて繊維軸方向に平行に多数付設された表面部分を有することで干渉色を発色させた繊維が記載されている。また、特許文献2には、シート状物の表面に平行な一定幅の細隙が一定間隔にて多数付設することで干渉色を発色させたシート状物とその製造方法が記載されている。これらの方法では、細隙の幅をw、細隙と細隙との間隔をdとすると、w、dの関係は、次式で表される。
0. 3≦w+d≦3.0
この構造体では、wは、0.1〜2.0μmであり、細隙の深さは0.01μm以上である。このように繊維表面、プラスチック表面を精密加工することで干渉色を実現している。
【0005】
また別の構造発色法として、光学屈折率の異なる2種の高分子物質を交互に積層した構造を有し、自然光の反射、干渉作用によって可視光領域の波長の色を発色する発色構造体が提案されている。
【0006】
特許文献3には、隣接する一方の高分子物質層1の光学屈折率をna、他方の高分子物質層2の光学屈折率をnbとしたとき、1.3≦na、1.1≦nb/na≦1.4であることを特徴とする反射、干渉作用を有する発色構造体が織物や塗装などに用いられる発色用の繊維やチップ(小片)の用途で提案されている。
【0007】
また、特許文献3には、2種のA,Bポリマー成分で構成される交互層状の断面構造を有する複合繊維において、A成分よりなる層およびB成分よりなる層とを5層以上に交互に積層し、それぞれの層の厚みを0.02〜0.3ミクロン(μm)の範囲とした複合繊維が記載されている。特許文献3には、これらの複合繊維を布帛として使用すると摩擦力が働いて薄膜間で剥離が生じ易く、多層構造が破壊されることがあるが、多層の外周部にポリカーボネート等の2μm以上の非積層領域を設置することにより防止できるとも記載されている。
【0008】
さらに、特許文献4には、こうした多層構造を有する複合繊維を不織布として利用することが記載されている。
【特許文献1】特開昭62−164371号公報
【特許文献2】特開昭63−120642号公報
【特許文献3】特開平07−34324号公報
【特許文献4】特開平11−1829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、このような従来の方法による構造発色性構造体には、次のような問題があった。
すなわち、特許文献1や特許文献2に記載の方法では、合成繊維やプラスチック等の構造発色体の表面に幅が0.1〜2.0μm、深さが0.01μm以上の細隙を規則的に多数設置する極めて微細かつ複雑な加工を施す必要があり、このため製造コストが上昇するという問題がある。
【0010】
また、特許文献3や特許文献4に記載の方法では、光屈折率の異なる2種の高分子物質を積層して光の反射・干渉作用によって鮮やかな色味に発色するためには内部に多層でかつ実質的に界面が全て平行になる構造とする必要があるが、このような構造とするためには複雑な製造工程が必要となり、このため製造コストが上昇するという問題がある。さらに、このような性質を繊維に付与した場合には、複雑な製造工程を要するばかりか、このような構造発光部分が繊維内部や表面に形成されるため、繊維径が太くなってしまうという問題もある。
【0011】
本発明は、かかる従来の問題を解決すべくなされたもので、従来の構造発色材料とは全く異なる構造発色性材料及びその製造方法を提供することを目的とする。より詳しくは、本発明は、極緻密に繊維を堆積することによって光の反射・干渉作用による鮮やかな色味に発色する繊維堆積物からなる構造発色性材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の光の反射・干渉機能によって可視光領域の波長の着色光を発する構造発色性材料は、エレクトロスプレーデポジション法により形成された、平均繊維径が100nm〜1μmの透明繊維の堆積物又は平均繊維径が100nm〜1μmの透明繊維と平均粒子径が100nm〜1μmの透明粒子との堆積物からなることを特徴とする。
【0013】
この堆積物は、通常、基体上に透明繊維だけ、又は透明繊維と透明粒子がシート状に堆積された堆積物として製造される。なお、基体としては、通常、導電性の基板が用いられるが、非導電性の基板であっても板状以外の形態の基体であっても適用可能である。
【0014】
透明繊維の断面形状は、円形又は楕円形であり、通常、繊維と繊維の絡み合い部分で上にある繊維で反射した光と下側の繊維表面で反射した光の干渉作用により、各種の色調に発色する。この場合の繊維と繊維のからみ合い間の長さは、1μm〜10μm程度が適当である。なお、繊維と繊維のからみ合い間の長さとは、繊維堆積物の緻密さの指標となる。すなわち繊維堆積物を構成する繊維Aは、複数の繊維と交差することで複数の交差点(C1、C2、C3・・・Cn)ができる。繊維と繊維のからみ合い間の長さとは、C1―C2 間、C−1―Cn間の距離を意味する。なお、透明繊維の断面が楕円形の場合には、同じ繊維による反射光中に経路長の異なる成分が生ずるため、繊維の絡み合いのない部分でも発色する。透明繊維の断面形状は、繊維を構成する高分子の分子構造により、円形あるいは楕円形となる。
【0015】
本発明の構造発色性材料の着色光を発する透明繊維の平均繊維径は、できるだけ均一であることが好ましく、800nm以下であって、その分布幅が平均繊維径の±20%以内であることがより好ましい。
【0016】
本発明の構造発色性材料は、以下の実施の形態で説明する、いわゆるエレクトロスプレーデポジション法により製造することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明よれば極細繊維を緻密に堆積するだけで光の反射・干渉作用による鮮やかな色味に発色を実現することができ、このため雅趣のある発色を示す繊維堆積物を安価に提供することができる。
【0018】
また本発明における繊維堆積物は、発色機能の他に、従来の繊維堆積物に比べ極細繊維の緻密な堆積物であるため非常に軽量な不織布となる。そして繊維径が2nm〜1000nmの間で制御できることから、これまで除去が不可能であった0.05〜2μmの直径を持つ微粒子の除去も可能である。この範囲内に有害な微生物やウィルス等も入っており、サーズウイルスや炭疽菌の除去も可能である。また繊維径が非常に細いことから圧力損失がほとんどなく気体を透過させることができる。さらに本堆積物は撥水性があり、撥水加工を行わなくても水滴を通さないことから、水滴中の有害物質の除去にも利用可能である。従って構造発色を行うと同時に有害微粒子の除去も可能であり、マスクやバイオハザード防止用衣服に使用した時、染色することなく色により危険度を知らせることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明の構造発色性材料を製造するエレクトロスプレーデポジション法に使用する装置を概略的に示す図である。
この装置は、液体収容部1を有する先端径が20〜70μmのガラス製のキャピラリー2の下方にアルミ板のような導電性基板3が配置され、液体収容部1内に挿入された白金電極4と導電性基板3間にスプレー電圧を印加するための電圧印加装置5を有している。キャピラリー2の先端と導電性基板3間の距離は、5〜10cm程度とされている。導電性基板3上には、堆積領域を規制するための絶縁体マスク6が配置され、その上にスプレー電圧で透明繊維または透明粒子を静電気的に絶縁体マスク6の開口に導くコリメータ電極7が配置されている。コリメータ電極7上には、スプレーされた透明繊維または透明粒子の飛散を防止する漏斗状のフッ素樹脂シールド8が配置され、キャピラリー2の開口のやや下方のスプレー通路を囲んでスプレーの噴射領域を規制するガードリング9が配置されている。コリメータ電極7とガードリング9は、コリメータ電源10の正極側に接続されている。
【0020】
図示を省略したが、図1の装置は、気密チャンバー内に配置されており、チャンバー内の気体の循環により一定湿度および温度で装置を駆動できるようになっている。このような装置を用いて本発明の構造発色性材料は、次のようにして製造される。
【0021】
まず、キャピラリー2の液体収容部1へ高分子溶液11を収容し、白金電極4と導電性基板3間に1〜50kV/mの直流高電圧(スプレー電圧)を印加する。なお、堆積させる対象が電気伝導性でない場合は、その近傍に電極が配置され、白金電極4と、この基板に代わる電極間に所定の直流高電圧が印加される。
【0022】
この電圧印加により、キャピラリー2先端の高分子溶液表面に電極と同符号の電荷をもつイオンが集まり、高分子溶液表面に蓄積された電荷と電場の相互作用によってキャピラリー2先端ではメニスカスが半円球状に盛り上がる。より高い電場の下では、ティラー・コーン(Taylor-Cone)と呼ばれる円錐状のメニスカスが形成される。印加電圧を上昇させて、静電気力反発が表面張力を上回るようにすると高分子溶液の一部がティラー・コーンから飛び出し、液滴あるいはジェットとして基板に向けて噴出し始める。
【0023】
噴出された液滴あるいはジェットは、強く帯電しているため白金電極4,導電性基板3間の電場により導電性基板3側へ飛行し、このとき、液滴やジェットはサイズが極めて小さく、表面積が体積よりも非常に大きいため、きわめて短時間のうちに溶媒が蒸発する。通常、溶媒は飛行過程中に蒸発するので基板上には乾燥した繊維成分が堆積する。操作条件によってナノ〜マイクロスケールの粒状、紡錘状、繊維状などの堆積物12が形成される。
【0024】
透明繊維および粒子材料の場合には、可視光波長の近傍の太さまたは大きさのものの堆積により構造発色が起こることが予想される。
【0025】
しかし、後述する実施例1に示すように、実際には、繊維堆積物の繊維径が120nmと青色の光の波長より小さいにもかかわらず青色に構造発色している。したがって、可視光の波長の近傍の繊維太さの堆積によるだけではなく、堆積した繊維と繊維のからみ合い間の長さも構造発光に寄与しているものと考えられる。
【0026】
本発明者らの研究によって、繊維径が100nmから1μmの範囲にあれば、繊維と繊維のからみ合い間の長さを1μmから10μmの範囲で調節することにより、堆積物を構造発光させることが可能なことが確認されている。
【0027】
本発明の構造発色性材料は、エレクトロスプレーデポジション法において、使用する高分子の分子量、高分子溶液の濃度と粘度、電気伝導度、キャピラリー先端と基板間に印加される電圧等を制御することにより、所望の構造発色に適した繊維堆積物として得ることができる。
【0028】
本発明の構造発色性材料の製造に用いる透明高分子溶液は、目的とする構造発色性材料、すなわち繊維堆積物と同じ材質の高分子を溶媒に溶解させて調整される。このような高分子としては、例えばポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリ乳酸、ポリアミノ酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ-N-ビニルピロリドン、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリベンズイミダゾール、ポリアミド、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリサッカライド、ポリメチルメタアクリレート、コラーゲン、ポリペプチド、DNA、シルクフィブロイン、セリシンを用いることができる。これらの高分子以外の高分子でも溶媒に可溶なものであればいかなる高分子でも使用可能である。
【0029】
これらの高分子溶液に使用する溶媒としては高分子を溶解するものであれば特に限定するものではないが水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、アセトン、DMF、DMSO、ヘキサン、ベンゼン等を単独または混合して用いることができる。
【0030】
本発明に用いる高分子の分子量は、5万から50万の範囲のものが好ましい。5万未満であるとエレクトロスプレーデポジション法において粒状または紡錘状堆積物になり繊維状堆積物を得ることが難しくなる。また50万を越えると得られる繊維が太くなり構造発色には適さない。
【0031】
高分子溶液の濃度と粘度は相関があるが濃度は0.1から20%、好ましくは2〜10%である。また粘度として10〜1900cP、好ましくは20〜300cPである。濃度、粘度共に前述の範囲より低いと、エレクトロスプレーデポジション法において粒状または紡錘状堆積物になり繊維状堆積物を得ることが難しくなる。また濃度、粘度共に前述の範囲を超えると得られる繊維が太くなり構造発色に適さなくなる。
高分子溶液の電気伝導度は、エレクトロスプレーが可能かどうか及び繊維の太さの決定に影響するため重要である。このため、高分子溶液の電気伝導度は、400mS/m以下であることが好ましく、特に、構造発色に適した太さを得るためには電気伝導度は10〜400mS/mの範囲にあることが望ましい。400mS/mを越えるとエレクトロスプレーデポジション法をにおいてスプレーができなくなる。高分子溶液の伝導度は水、有機溶媒の組み合わせで調整するか無機物並びに有機物のイオン性化合物を添加することもできる。 また高分子溶液と基板の間の電位差は、繊維径の太さの決定に影響する。
【0032】
その電位差は、1〜50kV/mが好ましい。3〜5kV/m及び15〜30kV/m(*6)におけるエレクトロスプレーデポジション法では繊維径が細くなり構造発色に適する。
【0033】
ちなみに、エレクトロスプレーデポジション法においては、電圧(電場)は吐出量と延伸の2つに影響を及ぼすため、最適な電圧区分は吐出量の寄与が大きい範囲と延伸の寄与が大きい範囲の2つ現れる。
【0034】
以下に実施例で本発明を説明するが、これによって本発明が限定されるものではない
(実施例1)
分子量50万のポリエチレンオキサイド(PEO)を、体積でプロパノール3に対して水7の割合で混合した溶媒に20g/Lの濃度になるように溶解したものを用意した。この溶液の電気伝導度は約5μS/cmであった。
【0035】
次に、この溶液を先端径50μmのパッチクランプピペット型のガラスキャピラリーに収容し、図1に示した装置と同じ構造の装置(キャピラリーの先端から導電性基板までの距離10cm)にセットした。
【0036】
キャピラリー先端と基板の間の印加電圧を45kV/mに調整し、キャピラリー内の溶液をジェットとして噴出させ基板上に繊維径610±80nmの繊維堆積物を形成させた。この繊維堆積物は、黄色に構造発色した。図2に、堆積物のSEM写真(×1000倍)を示す。図2において、符号12は、PEO繊維である。
【0037】
(実施例2)
分子量50万のポリエチレンオキサイド(PEO)を、体積でメタノール1に対して水9の割合で混合した溶媒に20g/Lの濃度になるように溶解した溶液(電気伝導度は約1mS)を用いた以外は、実施例1と同じ装置、同じ条件で基板上に繊維径760±20nmの繊維堆積物を形成させた。この繊維堆積物は、黄色に構造発色していた。
【0038】
(実施例3)
分子量50万のポリエチレンオキサイド(PEO)を、体積で、プロパノール9に対して水1の割合で混合した溶媒に20g/Lの濃度になるように溶解した溶液(電気伝導度は約1μS/cm)を用いた以外は、実施例1と同じ装置、同じ条件で基板上に、繊維径800nm以上で一部球状粒子を含む繊維堆積物を形成させた。この繊維堆積物は、赤色に構造発色していた。
【0039】
(実施例4)
分子量50万のポリエチレンオキサイド(PEO)を、水に20g/Lの濃度になるように溶解し、さらにこの溶液30mlにCaClを0.05g加えた溶液(電気伝導度は約4mS/cm)を実施例1で用いたキャピラリーに収容し、キャピラリーと基板の間の印加電圧を70kV/mに調整して、実施例1と同様にして基板上に繊維径が120±10nmの繊維堆積物を形成させた。この繊維堆積物は、青色に構造発色していた。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の構造発色性材料を製造する装置を概略的に示す図。
【図2】本発明の実施例1の堆積物のSEM写真(×1000倍)。
【符号の説明】
【0041】
1……液体収容部、2……キャピラリー、3……導電性基板、4……白金電極、5……電圧印加装置、6……絶縁体マスク、7……コリメータ電極、8……フッ素樹脂シールド、9……ガードリング、10……コリメータ電源、11……高分子溶液
【出願人】 【識別番号】899000013
【氏名又は名称】財団法人理工学振興会
【出願日】 平成17年6月7日(2005.6.7)
【代理人】 【識別番号】100077849
【弁理士】
【氏名又は名称】須山 佐一

【公開番号】 特開2006−22463(P2006−22463A)
【公開日】 平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願番号】 特願2005−167565(P2005−167565)