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【発明の名称】 冷却用不織布
【発明者】 【氏名】戸澤 愉之
【住所又は居所】茨城県猿島郡総和町大字北利根7 日本バイリーン株式会社内

【氏名】中村 達郎
【住所又は居所】茨城県猿島郡総和町大字北利根7 日本バイリーン株式会社内

【要約】 【課題】気化熱を利用した冷却作用を有し、保水性を持たせることによって、長時間に渡る効率的な冷却を図り得る冷却用不織布を実現すること。

【解決手段】上記課題は、少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなる繊維の表面に、親水化粒子が担持された不織布からなり、この不織布の保水量が100(g/m)以上であることを特徴とする冷却用不織布によって達成される。また、係る冷却用不織布において、上述した親水化粒子が担持された不織布の見掛け密度が0.100〜0.200(g/cm)であることが好ましい。さらに、本発明の実施に当たり、上述した親水化粒子を光触媒粒子とするのが好適である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなる繊維の表面に、親水化粒子が担持された不織布からなり、該不織布の保水量が100(g/m)以上であることを特徴とする冷却用不織布。
【請求項2】
前記親水化粒子が担持された不織布の見掛け密度が0.100〜0.200(g/cm)であることを特徴とする請求項1に記載の冷却用不織布。
【請求項3】
前記親水化粒子が、光触媒粒子であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷却用不織布。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、水などの液体を含有させた状態の布帛に通風させ、当該液体の気化熱消費を利用することにより、布帛を通過した空気などの気体を冷却する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、建築物や自動車、或いはその他、身の回りに有るものを冷却する技術は古くから利用されている。その中で、食品を保存するための冷蔵庫、居室や車室の温度を下げるための空調機器などは広く普及しており、主として大気圧下で揮発性を有するフロン類を冷媒として用い、当該冷媒の気化熱による冷却効果を利用してきた。しかし、この種の冷媒が大気中に放出される結果、地球環境に対して種々の悪影響を来すことが知られるに至っている。
【0003】
また、例えば特開2002−201727号公報(特許文献1)に開示されるように、近年の鉄筋コンクリート造構造物等の増加により、都市部や建物が密集している地域では、夏期に構造物から放射される熱により気温が上昇するヒートアイランド現象が社会問題化している。この公報に提案される技術は、構造物の壁面または屋根面の所定領域に、水膜を保持することのできる親水性の層を形成し、この親水性の層形成領域に水を供給し、蒸発に伴う潜熱により周辺空気および構造物を冷却するものである。
【0004】
上述した親水性の層を形成するに当たっては、超親水性作用をもたらすもので有れば、活性酸素発生効率の高い光触媒群と必ずしも一致する必要が無いと開示されている。従って各種光触媒の中で親水性に優れる光触媒を選択して用いることが望ましいとされ、具体的には、TiO、ZnO、SrTiO、WO、Bi、Fe、SnO等の光触媒半導体材料が挙げられている。この場合、必要とする親水性の度合いは、供給した水流が完全に濡れ拡がる程度であり、概ね接触角(水滴の端部接触角)が10°以下、好ましくは5°以下、より好ましくは3°以下であることが望ましいとされる。
【0005】
また、特開2003−340978号公報(特許文献2)には、親水性層として光触媒含有層を有し、水を滴下することにより断熱効果を発揮し、さらには脱臭・抗菌効果を発揮する親水性メッシュシートが提案されている。このメッシュシートとして、メッシュ状であるシート状基材、この基材の表面上に形成された柔軟性を有するフッ素樹脂の層、このフッ素樹脂の層の表面上に形成されたポリシロキサン樹脂の層、及び、このポリシロキサン樹脂の層の表面上に形成された光触媒含有層を含んでなる構成が提案されている。係るメッシュシートの基材は、有機または無機繊維とするのが好適とされ、さらに具体的には、平織、綾織、朱子織、模紗織、カラミ織などの形態が提案されている。
【0006】
他方、本出願人は特開2004−3070号公報(特許文献3)において、少なくとも表面が熱可塑性樹脂から主としてなる繊維の表面に固体粒子を担持した繊維又は繊維シートと、その製造技術を提案している。この文献技術によれば、バインダー等により固体粒子を繊維に固定する技術に比べて、固体粒子の表面特性を有効に保持したまま、しかも均一に固着した上記繊維又は繊維シートを提供することができる。
【0007】
【特許文献1】特開2002−201727号公報([特許請求の範囲]、[従来の技術]、[0020]並びに[0021])
【特許文献2】特開2003−340978号公報([特許請求の範囲]、[発明の属する技術分野]、[発明の実施の形態])
【特許文献3】特開2004−3070号公報([特許請求の範囲]、[課題を解決するための手段])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、水との接触角を極めて小さくし得る光触媒半導体材料等を種々のシート状物に担持することによってシート全面に水を拡散させ、気化熱を利用した冷却技術は電力等のエネルギーを節約し得ることから、極めて有望な技術である。しかしながら、前述した従来の技術では、塗料や織編物を超親水化することで気化熱による冷却を図っている。このため、冷却用の水を供給するに当たり、水の保持に着眼したものとは言い難く、比較的長時間に渡って効率的な冷却を図ることが難しいという問題点が有った。このような技術背景の下、本出願に係る発明者は、布帛の中でも、保水性に富んだ不織布に対して前述した特許文献3に係る技術を適用し、従来知られているものとの比較検討を行った結果、本発明を完成したものである。従って、この発明の目的は、気化熱を利用した冷却作用を有し、保水性を持たせることによって効率的な冷却を図ることが可能な冷却用不織布を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的の達成を図るため、本出願に係る冷却用不織布の構成によれば、少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなる繊維の表面に、親水化粒子が担持された不織布からなり、この不織布の保水量が100(g/m)以上であることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の冷却用不織布の実施に当たり、上述した親水化粒子が担持された不織布の見掛け密度を0.100〜0.200(g/cm)とするのが好適である。
【0011】
さらに、本発明の冷却用不織布では、親水化粒子として、光触媒粒子を用いるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る冷却用不織布の構成を採用することにより、気化熱を利用した冷却作用を有し、所定の保水性を持たせることによって効率的な冷却を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本出願に係る発明の実施形態につき説明する。既に述べたように、本発明は、少なくとも表面が熱可塑性樹脂からなる繊維の表面に、親水化粒子が担持された不織布からなり、この不織布の保水量が100(g/m)以上であることを主たる特徴としている。ここで、本発明の実施に当たって、親水化粒子を担持する不織布として種々のものを用いることができる。具体的には、スパンボンド法、メルトブロー法若しくはフラッシュ紡糸法を応用した不織布調製技術、或いは短繊維を利用したカード法や湿式抄造により調製したもの、さらに、これら各種の不織布に対してニードルパンチ法や高圧水流法による絡合を施したものを用いることができる。
【0014】
また、これら不織布を構成する繊維としては、少なくとも表面が1種または2種以上の熱可塑性樹脂からなるものであって、繊維表面が単一組成からなる単繊維や断面同心円状に複数成分を配置した芯鞘型繊維、または海島繊維、割繊可能な分割繊維、偏芯した芯鞘型繊維のように、複数の熱可塑性樹脂が表面に共存する複合繊維などとすることができる。この熱可塑性樹脂が備えるべき要件として、不織布を構成する繊維のうち、当該繊維表面に露出している、少なくとも1つの樹脂成分の融点(若しくは軟化点)が、担持される親水化粒子の融点又は分解温度以下であることが必要となる。後段で詳述するが、前述した特許文献3に開示される技術では、固体粒子(本願の親水化粒子に相当)が繊維表面を構成する熱可塑性樹脂の融点以上の温度となった状態で、当該繊維表面と接触することによって、その接触部分に固着される。従って、本発明にあっても、不織布を構成する繊維表面の全てが、加熱された親水化粒子の温度以下に融点を有する場合には、当該繊維表面の全てに親水化粒子を固着担持せしめることが可能となる。また、親水化粒子が有する融点又は分解温度以上に融点を持つ繊維、即ち、当該粒子の固着に関与しない繊維を含んでいても良い。親水化粒子の固着に関与する繊維と関与しない繊維との比率は、設計に応じて任意好適に選択することができるが、当該粒子の固着に関与する繊維の比率は50重量%以上とするのが好ましい。このような親水化粒子の融点または分解温度以下に融点を有する熱可塑性樹脂として、具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドなどを挙げることができる。
【0015】
次いで、本発明の冷却用不織布に担持する親水化粒子について説明する。本発明では、既に述べた特許文献1等に開示されるとおり、供給した水流が完全に濡れ拡がる程度の接触角が10°以下、好ましくは5°以下、より好ましくは3°以下の親水化粒子を用いることができる。さらに、このような親水化を発揮し得るものであれば、活性酸素発生効率の高い光触媒群と必ずしも一致する必要は無い。しかしながら、当該活性酸素を発生する光触媒粒子で有れば、冷却用不織布が含水した状態で長時間使用されることによる雑菌の繁殖や種々の臭気発生を回避し得ることから、より好ましい。従って、不織布に担持される親水化粒子としては、前述した特許文献1に開示されるように、TiO、ZnO、SrTiO、WO、Bi、Fe、SnO等を挙げることができ、より好ましくは、光触媒粒子としてのアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、或いは硫化カドミウム、ガリウムリンなどを用いることができる。これら粒子のうち、耐光性並びに耐摩耗性、或いは安全性にも優れたアナターゼ型酸化チタン(融点1843℃)を用いるのが最も好ましい。
【0016】
前述した種々の好適形態を満たす不織布に対し、その構成繊維の表面に親水化粒子を固着担持する工程として、前述した特許文献3に開示した技術と同様に、
(1)加熱した親水化粒子を含有する気流を不織布に吹き付ける手段
(2)加熱した親水化粒子を不織布に対して自然落下させる手段
(3)加熱した親水化粒子と不織布とを装入した耐熱性容器を振盪する手段
(4)加熱した親水化粒子中に不織布を浸漬する手段
(5)加熱した親水化粒子の流動層中に不織布を晒す手段
等の何れかの手段を適用した後、当該粒子の固着に関与する熱可塑性樹脂の融点以下にまで冷却(又は放冷)する。この後、不織布の構成繊維の表面に固着されていない余剰の親水化粒子を高圧エアー等によって除去するのが好ましい。
【0017】
また、本発明の冷却用不織布は、100(g/m)以上の保水量を有することが必要である。ここに言う保水量とは、冷却用不織布を純水に1分間浸漬した後に引き揚げ、1分間静置した後に保持されている水の単位面積当たりの重量とする。尚、この保水量は、本発明の冷却用不織布を規定するための数値条件であり、実際に使用する際には、純水、雨水、汚濁水を始めとし、保水した状態で気化熱を利用した冷却効果を奏するもので有れば、何れの液体を用いても良い。
【0018】
さらに、本発明の冷却用不織布の見掛け密度を0.100(g/cm)以上0.200(g/cm)以下とするのが好適である。この範囲よりも見掛け密度を小さく採る場合、供給した水の不織布への拡散効率が低下するとともに、不織布を構成する繊維が形成する微細な網目の開きが大きくなるため、水の表面張力を利用して網目部分に保持される水量が少なくなり、不織布全体の保水量が減少する。この範囲を超えて見掛け密度を大きく採る場合には、不織布厚み方向の内部空間が減少するため不織布全体の保水量が減少するとともに、通風量が減少するため、気化効率が低下する。なお、ここで言う見掛け密度とは、単位体積あたりの繊維の占める密度であり、面密度および見掛けの厚さから算出した値とする。見掛けの厚さとは、JIS B7503に規定されるダイヤルゲージ(測定力0.9N以内)で測定した値とする。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の実施例として、冷却用不織布の調製例と、その評価結果につき説明する。尚、以下の説明では、この発明の理解のため、材料、形状、配置関係、数値的条件及びその他、特定の条件を例示するが、本発明は、これら条件にのみ限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で任意好適な設計の変更及び変形を行い得る。
【0020】
(実施例1)
まず、ポリプロピレン(融点167℃)を芯部とし、ポリエチレン(融点135℃)を鞘部に配置した市販の芯鞘型繊維(繊度0.8デシテックス、繊維長5mm)のみを湿式抄造し、ドライヤーで乾燥・熱接着を施すことによって面密度50(g/m)の湿式不織布を得た。次いで、親水化粒子の一例としての光触媒粒子『ST−01』(石原産業株式会社製:粒度分布計測定による平均粒径3μm、カタログ表示の一次粒子径が7nmであるアナターゼ型酸化チタンの商品名)を250℃に加熱し、160℃の気流と共に、上述した湿式不織布に吹き付けた後に放冷した。次いで、不織布の構成繊維間に絡んだのみであり、繊維表面に固着されていない光触媒粒子をエアーにより除去した。このようにして、8(g/m)の光触媒粒子が繊維表面に担持固着された面密度58.0(g/m)、見掛けの厚さが0.38(mm)の実施例1に係る冷却用不織布を得た。
【0021】
(実施例2)
次に、ポリプロピレン(融点167℃)を芯部とし、ポリエチレン(融点135℃)を鞘部に配置した市販の芯鞘型繊維(繊度7.3デシテックス、繊維長102mm)を50重量%、これと同一の繊維構成を有する市販の芯鞘型繊維(繊度22デシテックス、繊維長102mm)を20重量%、及びポリプロピレンのみからなる市販の短繊維(繊度7.3デシテックス、繊維長51mm)30重量%を混綿してカード機にかけた後に熱接着することによって、面密度52.3(g/m)の乾式不織布を得た。次いで、実施例1と同様にして1.5(g/m)の光触媒粒子が繊維表面に担持固着された面密度53.8(g/m)、見掛けの厚さが0.51(mm)の実施例2に係る冷却用不織布を得た。
【0022】
(実施例3)
次に、面密度を90.0(g/m)としたことを除いては実施例2と同様にして得られた乾式不織布に対して、上述した光触媒粒子の担持工程を施し、3.0(g/m)の光触媒粒子が繊維表面に担持固着された面密度93.0(g/m)、見掛けの厚さが0.75(mm)の実施例3に係る冷却用不織布を得た。
【0023】
(比較例1並びに比較例2)
上述した実施例1〜3との比較検討を行う目的で、比較例1として前述した特許文献2に相当する『FK−500HS』(泉株式会社製,商品名:編織物に対してフッ素系バインダーで光触媒粒子を被着させた面密度180.0(g/m)、見掛けの厚さが0.43(mm)のメッシュ)、並びに比較例2として『IY−45』(泉株式会社製,商品名:立体的に編まれた編織物に対して同様な被着手段で構成した面密度235.0(g/m)、見掛けの厚さが3.6(mm)のメッシュ)を選定した。
【0024】
これら実施例1〜3、並びに比較例1及び比較例2に係る各サンプルに対して、前述した様に、純水に1分間浸漬した後に引き揚げ、1分間静置した後の保水量を求めた。この保水量測定は、各サンプルに担持された粒子の親水化機能を充分に発現させるための前処理として、波長365(nm)、照射強度5(mW/cm)の紫外線を1時間照射した後に行った。この結果につき、表1に、各サンプルの面密度、見掛けの厚さ、並びに、これらから算出した見掛け密度と共に示す。
【0025】
【表1】


【0026】
この結果から理解できるように、本発明の構成を採用した実施例1〜3に係る冷却用不織布では、親水化粒子(光触媒粒子)を担持しつつ、何れの比較例に対しても大きな保水量を実現し得た。
【0027】
(冷却効率の評価)
次いで、上述した各サンプルに関し、冷却効率を評価した結果につき説明する。この評価においては、各サンプルを横47(mm)×縦150(mm)の短冊状に裁断し、予め25℃、相対湿度40RH%で重量平衡となるように静置した後、当該短冊状のサンプルの横端部を上下方向として縦長にぶら下げた。次いで、市販のマイクロチューブポンプ(チューブ径φ2.15(mm))によって、1.5(mL/min)並びに0.75(mL/min)の2水準の流速で純水を上端部中央から連続的に供給し続け、サンプル表面の温度並びにサンプル面内での水の拡散保持状態を観察した。また、各サンプルの下端部から水が滴下した時点で水の供給を止め、冷却効果が持続する保持時間を計測した。このように、所定の流速で気温平衡に達した純水を連続的に給水した場合を連続給水、水の下端部からの滴下時に給水を停止した場合を単発給水と称する。このサンプル表面温度の測定は、市販の温度センサによって行った。測定部分は各サンプルの上端部から120(mm)の部分に統一し、測定開始からの温度変化が±1(℃/min)の温度平衡に達した時点から10秒間隔で計測記録を行った。この際、連続給水時の測定は計測記録の開始から30分間に渡って行い、その間の平均温度を温度測定結果とし、単発給水時の場合には、計測記録から各保持時間に渡る平均温度を温度測定結果とした。これらの結果について、表2に示す。尚、表2では、さらに、拡散保持状態の観察結果として、サンプル表面の90%以上の面積に渡って湿潤した場合を◎、同60%以上90%未満の場合を○、同40%以上60%未満の場合を△、同40%未満の場合を×で判定した。加えて、サンプル表面温度の測定結果については、サンプル表面の温度測定結果から外気温(25℃)を差し引いた差(夫々摂氏で計測)を「K」によって表してある。
【0028】
【表2】


【0029】
この表2に示す結果からも理解できるように、何れの給水形態を採った場合であっても、各サンプルの冷却能力は実質的に同等であった。しかしながら、単発給水時の保持時間を比較した場合、本発明の構成を採用した実施例1〜実施例3では、比較例1並びに比較例2との間に、有意な持続性が認められた。即ち、実施例に係るサンプルは、比較例のサンプルに較べて約5〜10倍の長時間に渡って冷却能力を維持することができ、効率的な冷却用不織布を実現することができた。
【0030】
尚、各実施例に係るサンプルにおける担持量は、本発明の実施に用いる親水化粒子の比重や粒子径、不織布の面密度および不織布を構成する繊維の表面積によって、好適な担持量は変化する。一例として、上述した実施例1に係るサンプルでは、繊維表面積が22.1(m/m)で、面密度50(g/m)の不織布に対し、平均粒子径3μmのアナターゼ型酸化チタン粒子を8(g/m)担持する場合を例示した。この平均粒径の粒子を種々の担持量で担持させ、拡散保持状態を確認したところ、当該不織布に対して10重量%以上の担持量とすることによって十分な親水化機能を発現させることができた。さらに、実施例3に係るサンプルでは、上記粒子を繊維表面積11.2(m/m)で面密度90(g/m)の不織布に担持する場合、不織布に対して3重量%以上の担持量であることが親水化機能発現に有効であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上に述べたとおり、本発明の構成を採用することにより、用いる水を有効に利用し、効率的な冷却を実現することができる。従って、本発明を適用することによって、背景技術として述べた種々の構造物の他、給水に動力を利用することが難しい災害被災地でのテント、ベビーカー、ペット小屋などの冷却への応用が期待できる。
【出願人】 【識別番号】000229542
【氏名又は名称】日本バイリーン株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区外神田2丁目14番5号
【出願日】 平成16年6月28日(2004.6.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−9200(P2006−9200A)
【公開日】 平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願番号】 特願2004−189306(P2004−189306)