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複合繊維構造体、その製造方法及びこの複合繊維構造体からなる吸液体 - 特開2006−2310 | j-tokkyo
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【発明の名称】 複合繊維構造体、その製造方法及びこの複合繊維構造体からなる吸液体
【発明者】 【氏名】野中 栄治
【住所又は居所】東京都墨田区京島一丁目21番10号 アルケア株式会社内

【氏名】中村 博昭
【住所又は居所】東京都墨田区京島一丁目21番10号 アルケア株式会社内

【要約】 【課題】吸液性能及び強度特性に優れた複合繊維構造体、その製造方法及びこの複合繊維構造体からなる吸液体を提供する。

【解決手段】カルボキシアルキル化セルロース繊維と非セルロース繊維とから構成される複合繊維構造体であって、複合繊維構造体の厚み方向と直角の方向に少なくとも二次元構造を有するように形成された非セルロース繊維層の少なくとも1層と、複合繊維構造体の厚み方向においてこの非セルロース繊維層に積層されたカルボキシアルキル化セルロース繊維層の少なくとも1層とからなり、カルボキシアルキル化セルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部が非セルロース繊維層を構成する繊維と交絡していることを特徴とする複合繊維構造体。複合繊維構造体の製造方法。複合繊維構造体からなる吸液体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボキシアルキル化セルロース繊維と非セルロース繊維とから構成される複合繊維構造体であって、複合繊維構造体の厚み方向と直角の方向に少なくとも二次元構造を有するように形成された非セルロース繊維層の少なくとも1層と、複合繊維構造体の厚み方向においてこの非セルロース繊維層に積層されたカルボキシアルキル化セルロース繊維層の少なくとも1層とからなり、カルボキシアルキル化セルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部が非セルロース繊維層を構成する繊維と交絡していることを特徴とする複合繊維構造体。
【請求項2】
複合繊維構造体が、非セルロース繊維層とその片面に積層されたカルボキシアルキル化セルロース繊維層との2層からなる請求項1の複合繊維構造体。
【請求項3】
複合繊維構造体が、非セルロース繊維層からなる中間層と、この層の両面に積層されたカルボキシアルキル化セルロース繊維層とからなる請求項1の複合繊維構造体。
【請求項4】
カルボキシアルキル化セルロース繊維がアルカリ金属カルボキシアルキル化繊維である請求項1〜3のいずれかに記載の複合繊維構造体。
【請求項5】
アルカリ金属カルボキシアルキル化繊維がアルカリ金属カルボキシメチル化繊維である請求項4に記載の複合繊維構造体。
【請求項6】
常態強度に対する湿潤強度の比率が、3%以上である請求項1〜5のいずれかに記載の複合繊維構造体。
【請求項7】
非セルロース繊維層が熱融着繊維を含んでなり、この熱融着繊維により、非セルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部が互いに結合されている請求項1〜6のいずれかに記載の複合繊維構造体。
【請求項8】
複合繊維構造体中の非セルロース繊維とカルボキシアルキル化セルロース繊維との比率が、重量比で、10/90〜70/30である請求項1〜7のいずれかに記載の複合繊維構造体。
【請求項9】
少なくとも1層の少なくとも二次元構造を有する非セルロース繊維層とこの非セルロース繊維層の厚み方向に積層された少なくとも1層のセルロース繊維層とからなり、セルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部が非セルロース繊維層を構成する繊維と交絡している複合繊維構造体を、カルボキシアルキル化処理に付してセルロース繊維をカルボキシアルキル化することを特徴とする請求項1記載の複合繊維構造体の製造方法。
【請求項10】
少なくとも1層の少なくとも二次元構造を有する非セルロース繊維層の厚み方向に少なくとも一層のセルロース繊維層を積層して多層繊維構造体を作製し、セルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部を非セルロース繊維層を構成する繊維とスパンレース法を用いて交絡させることにより、非セルロース繊維層の厚み方向にセルロース繊維層が形成された複合繊維構造体を形成し、これをカルボキシアルキル化処理に付してセルロース繊維をカルボキシアルキル化する請求項9記載の複合繊維構造体の製造方法。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれかに記載の複合繊維構造体からなる吸液体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複合繊維構造体、その製造方法及びこの複合繊維構造体からなる吸液体に関する。更に詳しくは、特定の複合多層構造を有し、吸液性能及び強度特性のいずれにおいても優れる複合繊維構造体、その製造方法及びこの複合繊維構造体からなる吸液体に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布を始めとする繊維材料は、医療用材料等の分野で血液や滲出液等の体液吸収体、包帯及び創傷被覆材として、また、おむつ等の家庭衛生用品として、更には、吸水性シートや吸水性マット等の家庭用品として、用いられている。このような繊維材料には、吸液量等の吸液性能のほかに、常態強度(乾燥強度)、湿潤強度及び湿潤時強度保持率(湿潤強度/常態強度の比率)の強度特性においても優れることが求められている。
【0003】
このような繊維材料としては、カルボキシメチルセルロースが古くから用いられている。例えば、特許文献1では、グルコース残基1個当たりのカルボキシアルキル基平均置換度が約0.35以上のカルボキシアルキルセルロースアルカリ金属塩の吸収性繊維からなる圧縮体を含んで成り、上記カルボキシアルキルセルロースアルカリ金属塩の吸収性繊維が室温で不溶ではあるが膨潤性になるように熱処理されている吸収性手当用品が開示されている。ここで、熱処理後のカルボキシアルキルセルロースアルカリ金属塩の繊維は、カルボキシル基とグルコース残基中の残存ヒドロキシル基とから形成される内部エステル構造を有していると推定されている。この吸収性手当物品は、膨潤性に優れているが、湿潤強度に問題がある。
【0004】
特許文献2には、再生繊維の連続フィラメントからなる不織布にカルボキシメチル化処理を行ってカルボキシメチルセルロースナトリウム塩化した不織布を、更にメチロール化メラミン等の架橋剤で処理して不織布全域を架橋構造化した吸収性不織布が開示されている。この架橋構造の形成により、強度はある程度向上するが、それでも十分ではなく、他方、上記の架橋構造により膨潤性が抑制される。
【0005】
特許文献3には、ポリノジックセルロース繊維にカルボキシメチルナトリウム塩化処理をし、次いで熱融着性ポリエステル繊維やアクリル系高吸水性繊維と混綿してウエブを得た後、これをニードルパンチングするか、熱処理又は架橋剤使用による架橋を行わせて、吸水性の不織布を得ている。この方法によって得られた不織布は、常態強度に優れているが、やはり、湿潤強度が十分ではない。
【0006】
特許文献4には、セルロース繊維を主体として構成された不織布のセルロース繊維をアルカリ金属カルボキシメチル化することによって得られる易崩壊性不織布が開示されている。「易崩壊性」が、水中の振動で容易に崩壊することを意味することから分かるように、この不織布の湿潤強度は小さい。
【0007】
特許文献5には、50〜95重量%の織物繊維(textile fiber)、好ましくはセルロース繊維と、5〜50重量%のゲル形成性繊維、好ましくはカルボキシメチル化セルロースアルカリ金属塩とからなる非固着性の創傷被覆材が開示されている。この創傷被覆材は、織物繊維とゲル形成性繊維とを混綿して形成されたウエブ形状のものである。しかしながら、このものは、乾燥時及び湿潤時のいずれにおいても、強度が低い。
このように、従来知られている繊維材料には、吸液性能及び強度特性に対する全ての要求を十分に満たすものはないのが現状である。
【0008】
【特許文献1】特開昭49−130097号公報
【特許文献2】特開昭61−89364号公報
【特許文献3】特開平3−269144号公報
【特許文献4】特開平2−289177号公報
【特許文献5】米国特許第6,471,982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような状況の下になされたものであって、吸液性能及び強度特性に優れた複合繊維構造体、その製造方法及びこの複合繊維構造体からなる吸液体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を進めた結果、特定構造を有する複合繊維構造体を用いればよいことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、カルボキシアルキル化セルロース繊維と非セルロース繊維とから構成される複合繊維構造体であって、複合繊維構造体の厚み方向と直角の方向に少なくとも二次元構造を有するように形成された非セルロース繊維層の少なくとも1層と、複合繊維構造体の厚み方向においてこの非セルロース繊維層に積層されたカルボキシアルキル化セルロース繊維層の少なくとも1層とからなり、カルボキシアルキル化セルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部が非セルロース繊維層を構成する繊維と交絡していることを特徴とする複合繊維構造体が、提供される。
【0011】
本発明の複合繊維構造体は、非セルロース繊維層とその片面に積層されたカルボキシアルキル化セルロース繊維層との2層からなるものであってもよい。
また、本発明の複合繊維構造体は、非セルロース繊維層からなる中間層と、この層の両面に積層されたカルボキシアルキル化セルロース繊維層とからなるものであってもよい。
本発明の複合繊維構造体において、カルボキシアルキル化セルロース繊維がアルカリ金属カルボキシアルキル化繊維であることが好ましく、アルカリ金属カルボキシアルキル化繊維がアルカリ金属カルボキシメチル化繊維であることが更に好ましい。
また、本発明の複合繊維構造体において、常態強度に対する湿潤強度の比率は、好ましくは3%以上である。
本発明の複合繊維構造体において、非セルロース繊維層が熱融着繊維を含んでなり、この熱融着繊維により、非セルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部が互いに結合されていることが好ましい。
また、本発明の複合繊維構造体において、複合繊維構造体中の非セルロース繊維とカルボキシアルキル化セルロース繊維との比率が、重量比で、10/90〜70/30であることが好ましい。
【0012】
本発明の複合繊維構造体は、少なくとも1層の少なくとも二次元構造を有する非セルロース繊維層とこの非セルロース繊維層の厚み方向に積層された少なくとも1層のセルロース繊維層とからなり、セルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部が非セルロース繊維層を構成する繊維と交絡している複合繊維構造体を、カルボキシアルキル化処理に付してセルロース繊維をカルボキシアルキル化することにより製造することができる。
【0013】
本発明の複合繊維構造体の製造方法において、少なくとも1層の少なくとも二次元構造を有する非セルロース繊維層の厚み方向に少なくとも一層のセルロース繊維層を積層して多層繊維構造体を作製し、セルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部を非セルロース繊維層を構成する繊維とスパンレース法を用いて交絡させることにより、非セルロース繊維層の厚み方向にセルロース繊維層が形成された複合繊維構造体を形成し、これをカルボキシアルキル化処理に付してセルロース繊維をカルボキシアルキル化することが好ましい。
【0014】
更に、本発明によれば、本発明の複合繊維構造体からなる吸液体が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の複合繊維構造体は、吸液量等の吸液性能に優れ、且つ、常態強度、湿潤強度及び湿潤時強度保持率等の強度特性にも優れているので、医療用材料等の分野において血液や滲出液等の吸液体、包帯及び創傷被覆材として、また、おむつ等の家庭衛生用品として、更には、吸水性シートや吸水性マット等の家庭用品として、有用である。
また、本発明の複合繊維構造体の製造方法によれば、上記各特性に優れた複合繊維構造体を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の複合繊維構造体は、カルボキシアルキル化セルロース繊維と非セルロース繊維とから構成される複合繊維構造体であって、複合繊維構造体の厚み方向と直角の方向に少なくとも二次元構造を有するように形成された非セルロース繊維層の少なくとも1層と、複合繊維構造体の厚み方向において、この非セルロース繊維層に積層されたカルボキシアルキル化セルロース繊維層の少なくとも1層とからなり、カルボキシアルキル化セルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部が非セルロース繊維層を構成する繊維と交絡していることを特徴とする。
【0017】
本発明において、非セルロース繊維層は、主として非セルロース繊維から構成される。非セルロース繊維の比率は、重量比で、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上である。
非セルロース繊維層を構成する非セルロース繊維は、セルロース繊維以外の繊維であれば特に限定されないが、実質上カルボキシアルキル化されない繊維であることが好ましい。このような繊維としては、例えば、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリアミド系繊維、アラミド繊維、ポリオレフィン系繊維、ビニロン繊維、ポリオキシメチレン繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維等の有機合成繊維;羊毛等の動物性天然繊維;ガラス繊維、カーボンファイバー繊維等の無機繊維;等を挙げることができる。これらの中でも、合成繊維が好ましく、とりわけ、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等の有機合成繊維が好ましい。
【0018】
非セルロース繊維の形態は、フィラメントであっても、更にこれを複数束ねて形成した糸条体であってもよく、具体的には、撚糸、モノフィラメント、マルチフィラメント、カバードヤーン、コアヤーンのいずれでもよく、また、伸縮加工や嵩高加工等の加工をされたものであってもよい。
非セルロース繊維は、一種類を単独で用いてもよく二種類以上を併用してもよい。
【0019】
非セルロース繊維層は、複合繊維構造体の厚み方向と直角の方向に少なくとも二次元構造を有するように形成されていることが必要である。
本発明において、繊維が二次元構造を有するとは、単数又は複数の繊維がそれ自体で又は相互に接触ないし好ましくは結合して、平面ないし曲面を形成している構造をいう。結合の方法は、接着剤等による化学的結合であっても、ファンデアワールス力等による物理的結合であっても、単なる絡み合い等による機械的結合であっても、これらを複合したものであってもよい。
また、少なくとも二次元構造を有するとは、二次元構造又は三次元構造を有することをいう。
【0020】
少なくとも二次元構造を有する非セルロース繊維層の構造の具体例としては、織物、編物、不織布、ネット等のシート状物を挙げることができる。
織物の形状は、平織、綾織、朱子織等のいずれであってもよい。
編物の形状としては、経編及び緯編の各種編組織が利用できる。
不織布は、フリース形成法として、乾式法、湿式法及びスパンボンド法のいずれを使用したものであってもよく、繊維結合が、スパンレース法、ニードルパンチ法、ケミカルボンド法、ポイントシール法、サーマルボンド法等のいずれの方法で形成されたものであってもよい。
ネットは、複数の長繊維を網目が形成されるように適当な間隔をあけて配置し、これを熱融着や接着剤等の結合手段により繊維の少なくとも一部を互いに結合して形成したものを使用できる。
【0021】
非セルロース繊維層は、三次元構造を有していてもよい。
本発明において、三次元構造とは、単数又は複数の非セルロース繊維がそれ自体で又は相互に、三次元的に接触ないし好ましくは結合して、立体を形成している構造をいう。結合の方法は、接着剤等による化学的結合であっても、ファンデアワールス力等による物理的結合であっても、単なる絡み合い等による機械的結合であっても、これらを複合したものであってもよい。立体状(三次元)の構造の具体例としては、繊維を三次元方向にランダムに絡み合わせた三次元網目構造、上記面状(二次元)の構造の非セルロース繊維を複数繋ぎ合わせて三次元構造としたもの、等を示すことができる。
具体的な三次元構造を有するものの具体例としては、ニードルパンチ法、スパンレース法等により作成した不織布を挙げることができる。このような不織布は、主として二次元に繊維が配向した繊維ウエブを三次元方向に偏向させて繊維間の結合を形成させたものである。
【0022】
非セルロース繊維層の構造は、複合繊維構造体中において、単一である必要はなく、面状(二次元)構造及び立体状(三次元)構造が混在していてもよい。
また、非セルロース繊維層の構造としては、カルボキシアルキル化セルロース繊維層と多くの交絡点が得られ、強い層間強度が得られ易い不織布が好ましい。
【0023】
非セルロース繊維層を構成する非セルロース繊維の繊維長は、特に限定されず、その構造によって適宜選択すればよい。
例えば、短繊維から作製する不織布である場合には、5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、15mm以上が更に好ましい。上限は、150mm程度である。極度に短い繊維を使用すると、得られる複合繊維構造体の強度が低くなるので、好ましくない。
【0024】
非セルロース繊維層の目付け量は、特に限定されないが、10〜250g/mであることが好ましい。
非セルロース繊維層は、その形状(織物、編物、不織布等)に応じて、従来公知の方法によって製造することができる。
非セルロース繊維層の大きさは、複合繊維構造体の強度が不十分にならないように、複合繊維構造体の厚み方向に垂直な断面の半分以上、好ましくは全域を覆い得る大きさを有することが必要である。
【0025】
また、非セルロース繊維層に、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維等の熱融着繊維を含有させ、この熱融着繊維を熱融着させることにより、非セルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部を互いに結合させておくことが好ましい。
非セルロース繊維層は、複合繊維構造体の湿潤強度を保つ役割を果たすが、湿潤時には、非セルロース繊維層を構成する個々の非セルロース繊維間にも液体が浸入し繊維間の結合が弱まるので、非セルロース繊維層自体の強度も多少低下する。そのため、複合繊維構造体の全体強度もその影響を受けるが、非セルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部を互いに熱融着により結合させておくことにより、湿潤時にも十分な強度を有する複合繊維構造体を得ることができる。
熱融着には、熱融着繊維を含有する編物、織物、不織布等を、熱風融着、加熱加圧融着、超音波融着する等の公知の方法が使用できる。
【0026】
本発明において、カルボキシアルキル化セルロース繊維層は、主としてカルボキシアルキル化セルロース繊維から構成される。カルボキシアルキル化セルロース繊維の比率は、重量比で、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上である。
カルボキシアルキル化セルロース繊維層を構成するカルボキシアルキル化セルロース繊維は、セルロース繊維のグルコース水酸基がカルボキシアルキル化されたセルロース繊維である。このようなカルボキシアルキル化セルロース繊維は、綿等の天然セルロース繊維;ビスコースレーヨン繊維、ポリノジック繊維や銅アンモニアレーヨン繊維、リヨセル繊維、モダル繊維等の再生セルロース繊維;等のセルロース繊維をカルボキシアルキル化することによって得ることができる。これらのカルボキシアルキル化繊維は、一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。これらのカルボキシアルキル化繊維の中でも、ポリノジック繊維、銅アンモニアレーヨン繊維等の再生繊維をカルボキシアルキル化したものが好ましい。
【0027】
本発明において、カルボキシアルキル化とは、セルロース繊維のグルコース水酸基をカルボキシアルキル化することをいう。ここで、カルボキシアルキル基のアルキル基部分の炭素数は、通常、1〜3、好ましくは1〜2である。カルボキシアルキル化の具体例としては、カルボキシメチル化、カルボキシエチル化等を示すことができる。好ましくは、カルボキシメチル化である。
本発明においては、カルボキシルアルキル化において、カルボキシル基の水素原子をアルカリ金属等の金属で置換した形のアルカリ金属カルボキシアルキル化も、カルボキシアルキル化の概念に含む。
カルボキシルアルキル化のうち、アルカリ金属カルボキシアルキル化が好ましく、アルカリ金属カルボキシメチル化がより好ましい。
アルカリ金属としては、ナトリウムが好ましい。
【0028】
セルロース繊維のカルボキシアルキル化の方法は、従来公知の方法であればよく、特に限定されない。
本発明において、セルロース繊維のカルボキシアルキル化の程度は、出発物質とするセルロース繊維の種類及び形態によって異なるが、グルコース単位当たり平均で0.15〜0.6個の水酸基がカルボキシアルキル化されている(平均置換度が0.15〜0.6である)のが好ましく、平均置換度が0.2〜0.4であることがより好ましい。平均置換度がこの下限値以上にあることにより、水や体液に対する吸収性が優れ、他方、平均置換度が前記上限値以下にあることにより、複合繊維構造体の水や体液による溶解が適度に抑えられ、複合繊維構造体からのカルボキシアルキル化セルロース繊維の欠落が起こりにくい。
【0029】
本発明の複合繊維構造体において、カルボキシアルキル化セルロース繊維層の構造は、特に限定されないが、二次元又は三次元構造であることが好ましい。中でも、二次元構造の織物、編物、不織布等のシート状物及び三次元構造の不織布が好ましく、特に不織布の形態であるのが好ましい。
カルボキシアルキル化セルロース繊維層が二次元構造又は三次元構造であると、吸液性に優れ、且つ、強度特性にも優れる複合繊維構造体を得ることができる。
不織布の形態である場合、スパンボンド法により繊維同士を自己接着させたもの、スパンレース法、ニードルパンチ法等により、繊維間の交絡を形成したものが好ましい。
カルボキシアルキル化セルロース繊維層は、架橋されていてもよい。架橋は、架橋剤を使用して行えばよく、カルボキシアルキル化処理前のセルロース繊維に架橋剤を反応させてもよいし、カルボキシアルキル化を行う際に架橋剤を作用させてもよいし、カルボキシアルキル化処理後に架橋剤を作用させてもよい。架橋剤としては、公知のものを使用できる。
【0030】
カルボキシアルキル化セルロース繊維層の目付け量は、特に限定されないが、体液吸収等の用途に用いる場合には、10〜250g/mであることが好ましい。
カルボキシアルキル化セルロース繊維層は、繊維層1g当たり15g以上の吸液量を有することが好ましい。
【0031】
カルボキシアルキル化セルロース繊維の繊維長は、特に限定されず、その構造によって適宜選択すればよく、非セルロース繊維層を構成する非セルロース繊維の繊維長と同等のものを使用できる。
本発明においては、カルボキシアルキル化セルロース繊維層は、それを構成する繊維として、連続繊維を含むものであることが好ましい。
【0032】
複合繊維構造体全体の目付け量は、30〜750g/mであればよい。非セルロース繊維層とカルボキシアルキル化セルロース繊維層との比率(非セルロース繊維層/カルボキシアルキル化セルロース繊維層)は、重量比で、10/90〜70/30となるような比率であることが好ましく、15/85〜50/50であることがより好ましく、20/80〜30/70であることが更に好ましい。
【0033】
複合繊維構造体の構造の例としては、1層の非セルロース繊維層と1層のカルボキシアルキル化セルロース繊維層とが積層された2層構造のもの、1層の非セルロース繊維層の厚み方向の両面にそれぞれ1層のカルボキシアルキル化セルロース繊維層を積層した3層構造のもの、1層のカルボキシアルキル化セルロース繊維層の厚み方向の両面にそれぞれ1層の非セルロース繊維層を積層した3層構造のもの、これら3層構造の複合繊維構造体に、更に、非セルロース繊維層又はカルボキシアルキル化セルロース繊維層を積層したもの等を挙げることができる。
【0034】
これらのうち、複合繊維構造体を吸液体として使用する場合は、1層の非セルロース繊維層の厚み方向の両面にそれぞれ1層のカルボキシアルキル化セルロース繊維層を積層した3層構造が好ましい。カルボキシアルキル化セルロース繊維層による液体の吸収は、カルボキシアルキル化セルロース繊維自体の膨潤による吸収に加え、繊維間に液体が浸入することにより構造的に膨潤する吸収も寄与していると考えられる。このため、カルボキシアルキル化セルロース繊維層の膨潤ができるだけ阻害されないように、カルボキシアルキル化セルロース繊維層は、前記3層構造のように、非セルロース繊維層の表面に積層されることが好ましい。
3層構造とする場合、中間層繊維層をサンドイッチする上層繊維層と下層繊維層とは、その繊維の種類・組成、構造、目付け量等が、同一でも異なっていても構わない。また、中間層繊維層をサンドイッチする上層繊維層と下層繊維層との重量比率は、異なっても構わないが、同等程度にするのが好ましい。
【0035】
本発明の複合繊維構造体において、非セルロース繊維とカルボキシアルキル化セルロース繊維との重量比(非セルロース繊維/カルボキシアルキル化セルロース繊維)が、10/90〜70/30となるような比率であることが好ましい。カルボキシアルキル化セルロース繊維の比率が前記下限値以上であることにより、非セルロース繊維との交絡が強固なものとなり、複合繊維構造体が体液等を吸収して膨潤した際に脱落してしまうことが少なく、また、体液等の吸収性が優れたものとなる。上記重量比率は、15/85〜50/50であることがより好ましく、20/80〜30/70であることが更に好ましい。
【0036】
本発明の複合繊維構造体においては、非セルロース繊維層を構成する繊維と、カルボキシアルキル化繊維層を構成する繊維とが交絡していることが必須である。
【0037】
本発明の複合繊維構造体は、少なくとも1層の少なくとも二次元構造を有する非セルロース繊維層とこの非セルロース繊維層の厚み方向に積層された少なくとも1層のセルロース繊維層とからなり、セルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部が非セルロース繊維層を構成する繊維と交絡している複合繊維構造体(以下、「カルボキシアルキル化処理前複合繊維構造体」ということがある。)を、カルボキシアルキル化処理に付してセルロース繊維をカルボキシアルキル化することによって製造することができる。
【0038】
カルボキシアルキル化処理前複合繊維構造体は、例えば、以下のようにして作成することができる。
即ち、先ず、少なくとも二次元構造を有するように形成された非セルロース繊維層を従来公知の方法で作製する。また、セルロース繊維層を従来公知の方法で作製する。なお、このセルロース繊維層は、カルボキシアルキル化されていないものが好ましいが、一部カルボキシアルキル化されたものであってもよい。
次に、非セルロース繊維層の厚み方向に、セルロース繊維層を積層して、多層繊維構造体を得る。積層する繊維層の数及び順序は、目的とする複合繊維構造体の構造に応じて適宜選択すればよい。
次に、多層繊維構造体のセルロース繊維層を構成する繊維の少なくとも一部を非セルロース繊維層を構成する繊維と交絡させて、カルボキシアルキル化処理前複合繊維構造体を作製する。
交絡の方法は、例えば、スパンレース法、ニードルパンチ法等を挙げることができる。特に、複合繊維構造体の繊維の損傷が少ないスパンレース法により交絡することが好ましい。もちろん、これらの方法を組み合わせたものであってもよい。
【0039】
このようにして得られたカルボキシアルキル化処理前の複合繊維構造体をカルボキシアルキル化処理することによって、セルロース繊維がカルボキシアルキル化されて本発明の複合繊維構造体を得ることができる。
カルボキシアルキル化は、公知の方法に従えばよく、例えば、以下のようにして行うことができる。下記の方法において、炭素数2〜3のハロゲノアルカン酸又はその塩に水酸化アルカリ金属を併用するとアルカリ金属カルボキシル化が行われる。
カルボキシアルキル化処理前の複合繊維構造体を、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸、1−クロロプロピオン酸、2−クロロプロピオン酸、3−クロロプロピオン酸等の炭素数2〜3のハロゲノアルカン酸もしくはその塩(以下、単に両者を合わせて「ハロゲノアルカン酸等」という。)又はハロゲノアルカン酸等と水酸化アルカリ金属との混合溶液(以下、単に「浸漬液」という。)に浸漬する。一般的には、浸漬は、浸漬液を入れた浴にカルボキシアルキル化処理前の複合繊維構造体を漬けることによって行う。ハロゲノアルカン酸としては、一般的にモノクロロ酢酸が用いられ、水酸化アルカリ金属としては、好ましくは、水酸化ナトリウムが用いられる。ハロゲノアルカン酸等又はこれと水酸化アルカリ金属との混合溶液を調製するために、溶媒として水、アルコール等の有機溶媒、又は水と有機溶媒との混合溶媒が用いられる。また、ハロゲノアルカン酸等の濃度は、所望の平均置換度に応じて適宜決定すればよい。
【0040】
次に、カルボキシアルキル化処理前の複合繊維構造体の浸漬液含浸量を圧搾等により調整した後、複合繊維構造体を加熱処理する。加熱処理は、通常、熱風、電気ヒーター、赤外線ヒーター等の熱風循環式乾燥機等を用いて行えばよい。加熱処理の温度は、通常、100〜200℃で、加熱処理の時間は、通常、15秒ないし30分間程度である。
この加熱処理によって、セルロース繊維中のセルロース分子がハロゲノアルカン酸等と又は更に水酸化アルカリ金属と反応し、セルロース分子の水酸基の水素原子がカルボキシアルキル基又はアルカリ金属カルボキシアルキル基と置換されて、本発明の複合繊維構造体が得られる。
【0041】
加熱処理後、複合繊維構造体中に残存する未反応のハロゲノアルカン酸等、水酸化アルカリ金属及び反応副生成物を除去するために、複合繊維構造体を洗浄する。洗浄には、水、アルコール等の有機溶媒、又は水とアルコール等の有機溶媒との混合溶媒が使用できる。アルカリ金属カルボキシアルキル化されたセルロース繊維の場合には、その溶解を避けるため、アルコールと水との混合溶媒で行うのが好ましい。アルコール等の有機溶媒と水との混合割合は、容量比で、アルコール等の有機溶媒:水=95/5〜50/50程度が好ましい。アルコールとしては、水との混和性があり、沸点が高くないものであればよいが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を用いるのが好ましい。
また、残存する水酸化アルカリ金属を中和するために、酢酸等で弱酸性としたアルコールと水との混合溶媒がより好ましい。
洗浄の後、乾燥して、洗浄に使用した溶剤を除去して本発明の複合繊維構造体が得られる。
【0042】
本発明の複合繊維構造体は、常態強度の3%以上の湿潤強度を有することが好ましい。
【0043】
本発明の複合繊維構造体は、そのままの状態で、又はこれを織物、編物、不織布や、合成樹脂より成形したネット等のシート状物で部分的に又は全体を被覆した状態で、吸液体とすることができる。
吸液体の用途としては、医療用材料等の分野における血液や滲出液等の吸液体、包帯、創傷被覆材等を挙げることができる。また、おむつ等の家庭衛生用品として、更には、吸水性シートや吸水性マット等の家庭用品として、有用である。
【実施例】
【0044】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
なお、本発明において、複合繊維構造体の各特性は、以下の試験法により測定した。
【0045】
[非セルロース繊維とカルボキシアルキル化セルロース繊維との比率]
試験片の絶乾質量(W1)を測定する。共栓付き三角フラスコに入れた試験片に、試験片1gにつき100mLの割合で23〜25℃の70%硫酸を加え、フラスコに栓をして少なくとも10分間激しく振盪し、セルロース繊維を溶解する。これを秤量したるつぼ型フィルターに通し吸引濾過した後、フィルター上の残分を上記硫酸と同量、同温の70%硫酸及び水で順次洗浄する。次に、この残分を別のビーカーに移し、溶解前の試験片1gにつき50mLのアンモニア希釈液(1%)を加えて中和し、再びこれを上記フィルターに通し吸引濾過した後、フィルター上の残分を水で洗浄する。フィルター及び残分を乾燥、冷却、秤量し、残分質量(W2)を求める。そして下記式により繊維比率を求める。
A(%)={(W1−W2)/W1}×100
B(%)=100−A
A:複合繊維構造体におけるセルロース繊維の比率
B:複合繊維構造体における非セルロース繊維の比率
【0046】
[アルカリ金属カルボキシルメチル基平均置換度]
本発明の複合繊維構造体を、酸を添加した水とアルコール混合溶媒中で処理して、アルカリ金属カルボキシメチル基[−CHCOOM](但し、Mは、アルカリ金属である。)をカルボキシメチル基「−CHCOOH」に変換する。次に、水とアルコールとの混合溶媒で洗浄後、乾燥し、秤量してその質量(Xg)を求める。次に、複合繊維構造体におけるセルロース繊維と非セルロース繊維との比率から、セルロース繊維の質量を算出する。
乾燥後の複合繊維構造体を容器中に入れ、一定量の水酸化ナトリウム水溶液で溶解する。フェノールフタレイン指示薬を添加した後、過剰の水酸化ナトリウムを規定度Nの塩酸で中和滴定して、その使用量をSmlとする。一方、複合繊維構造体を酸処理しないで同様の操作を行い、塩酸の使用量をBmlとする。
平均置換度は、下記式で求められる。
A=N×(B−S)/X
平均置換度=0.162A/(1−0.058A)
【0047】
[複合繊維構造体の常態強度]
複合繊維構造体から、幅50±0.5mmで、つかみ間隔を200mmにできる長さ(例えば300mm)の試験片を、複合繊維構造体の縦方向及び横方向に各5枚採取する。試験片を、弛みが生じない程度に引っ張った状態で引張試験機(インストロン社製 INSTRON5564、ロードセルに型式2525−808 10N+を使用)に掴み間隔200±1mmで取り付け、100±10mmの引張速度で、試験片が切断するまで荷重を加える。このときの最大荷重を常態強度(単位:N)とする。常態強度は、縦方向(複合繊維構造体の製造方法に平行な方向)及び横方向(縦方向と直交する方向)についてそれぞれ測定する。
【0048】
[複合繊維構造体の湿潤強度]
常態強度試験用試験片と同様にして、試験片を複合繊維構造体の縦方向及び横方向に各5枚採取する。試験片を生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)に入れ、試験片が自重で沈下するまで放置するか、又は10分間生理食塩水中に静止状態で沈めておく。生理食塩水から試験片を取り出し、試験片を、弛みが生じない程度に引っ張った状態で引張試験機(複合繊維構造体の常態強度測定と同様のもの)に掴み間隔200±1mmで取り付け、100±10mmの引張速度で、試験片が切断するまで荷重を加える。このときの最大荷重を湿潤強度(単位:N)とする。湿潤強度は、縦方向(複合繊維構造体の製造方法に平行な方向)及び横方向(縦方向と直交する方向)についてそれぞれ測定する。
【0049】
[複合繊維構造体の湿潤時強度保持率]
下記の式により求める。
湿潤時強度保持率(%)=100×湿潤強度/常態強度
【0050】
[吸水量]
0.5gの複合繊維構造体を20℃、相対湿度65%の雰囲気に24時間保存する。これを30mlの生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)中に浸漬して5分間放置した後、取出して、細孔サイズ100〜160μmの焼結ガラス漏斗を用いて濾過し、滴下が終了するまで放置する。濾過された水を計量し、30mlとの差を吸水量とする。
【0051】
[実施例1]
銅アンモニアレーヨン原液を多数の小孔を有するノズルから押出し、押出された繊維を自己接着により結合させ、銅アンモニアレーヨン連続繊維からなる目付け19.0g/mのスパンボンド不織布を作成した。次に、この銅アンモニアレーヨン不織布の上から、ポリエステルステープルファイバー(融点約250℃)を含有する水流を噴きつけ、銅アンモニアレーヨン不織布の上にポリエステル繊維を堆積させ、目付け13.0g/mのポリエステル不織布層を形成した。さらに、そのポリエステル不織布の上に、前記銅アンモニアレーヨン不織布と同様の方法により、目付け19.0g/mの銅アンモニアレーヨン不織布をもう一層形成し、3層構造の多層繊維構造体を得た。その後、この3層構造の多層繊維構造体に、金網上で40kg/cmGの高圧水流を噴射することにより、各層の境界面において、各層を構成する繊維同士を交絡させ、この多層繊維構造体を120℃の熱風乾燥工程に通し、カルボキシアルキル化処理前複合繊維構造体を得た。
【0052】
このカルボキシアルキル化処理前複合繊維構造体を、モノクロロ酢酸と水酸化ナトリウムの混合水溶液に浸漬した後、余剰の混合水溶液を圧搾して除去した。次いで、熱風乾燥機で加熱処理した。加熱処理後、水とアルコールとの混合溶媒に適量の酸を添加し、中和洗浄し、乾燥して平均置換度が0.35のナトリウムカルボキシメチル化複合繊維構造体を得た。この複合繊維構造体は、目付けが50.0g/mであり、非セルロース繊維とカルボキシアルキル化セルロース繊維との重量比が、25:75であった。
この複合繊維構造体について、常態強度、湿潤強度、湿潤時強度保持率及び吸水量を測定した。結果を表1に示す。
【0053】
[実施例2〜4]
モノクロロ酢酸を変量するほかは実施例1と同様にして、平均置換度を変量した複合繊維構造体を得た。
これらの複合繊維構造体について、常態強度、湿潤強度、湿潤時強度保持率及び吸水量を測定した。結果を表1に示す。
【0054】
[実施例5]
銅アンモニアレーヨン原液を多数の小孔を有するノズルから押出し、押出された繊維を自己接着により結合させ、銅アンモニアレーヨン連続繊維からなる目付け30.0g/mのスパンボンド不織布を作成した。次に、この銅アンモニアレーヨン不織布の上から、ポリエステルステープルファイバー(融点約250℃)を含有する水流を噴きつけ、銅アンモニアレーヨン不織布の上にポリエステル繊維を堆積させ、目付け10.0g/mのポリエステル不織布層を成し、2層構造の多層繊維構造体を得た。その後、この2層構造の多層繊維構造体に、金網上で40Kg/cmGの高圧水流を噴射することにより、各層の境界面において、各層を構成する繊維同士を交絡させ、この多層繊維構造体を120℃の熱風乾燥工程に通し、カルボキシアルキル化処理前複合繊維構造体を得た。その後、このカルボキシアルキル化処理前複合繊維構造体を実施例1と同様の方法でカルボキシアルキル化処理し、複合繊維構造体を得た。
この複合繊維構造体について、常態強度、湿潤強度、湿潤時強度保持率及び吸水量を測定した。結果を表1に示す。
【0055】
[実施例6]
ポリエステルステープルファイバーを融点約130℃のものに変えるほかは実施例1と同様の方法で作製したカルボキシアルキル化処理前複合繊維構造体を140℃の熱ロールに通し、加熱加圧処理して、ポリエステル不織布層を構成する繊維同士を結合した。このカルボキシアルキル化処理前複合繊維構造体を実施例1と同様の方法でカルボキシアルキル化処理し、複合繊維構造体を得た。
この複合繊維構造体について、常態強度、湿潤強度、湿潤時強度保持率及び吸水量を測定した。結果を表1に示す。
【0056】
[比較例1]
ビスコースレーヨン繊維とポリエステル繊維とが均一に混合された市販のスパンレース不織布を、実施例1と同様の条件でカルボキシメチル化処理して平均置換度0.35のナトリウムカルボキシメチル化不織布を得た。
この不織布について、常態強度、湿潤強度、湿潤時強度保持率及び吸水量を測定した。結果を表1に示す。
【0057】
[比較例2]
目付けを変量する他は、実施例1と同様の方法で、銅アンモニアレーヨン連続繊維からなるスパンボンド不織布を作製した。これを実施例1と同様の条件でカルボキシメチル化処理して平均置換度0.30のナトリウムカルボキシメチル化不織布を得た。
この不織布について、常態強度及び吸水量を測定した。湿潤強度は、試験片が崩れてしまったため、測定不能であった。結果を表1に示す。
【0058】
【表1】


【0059】
表1の結果から、本発明の、カルボキシルアルキル化セルロース繊維層/非セルロース繊維層/カルボキシルアルキル化セルロース繊維層の積層体からなり、カルボキシアルキル化セルロース繊維層と非セルロース繊維層との間で繊維が交絡されている複合繊維構造体は、一定レベルの湿潤強度及び湿潤時強度保持率を有することが分かる(実施例1〜5)。また、カルボキシルアルキル化セルロース繊維層/非セルロース繊維層の2層構造の複合繊維構造体も同様である。更に、非セルロース繊維層を形成するポリエステル繊維同士を熱融着させた複合繊維構造体は、優れた湿潤強度及び湿潤時強度保持率を有することが分かる(実施例6)。
他方、単にカルボキシアルキル化セルロース繊維と非セルロース繊維とが均一に分布している複合繊維構造体(比較例1)は、常態強度において優れるものの、湿潤強度及び湿潤時強度保持率において大きく劣ることが分かる。更に、セルロース繊維のみからなるカルボキシアルキル化スパンボンド不織布(比較例2)は、湿潤強度の測定ができなかった。
【出願人】 【識別番号】000151380
【氏名又は名称】アルケア株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区京島1丁目21番10号
【出願日】 平成16年6月21日(2004.6.21)
【代理人】 【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖

【識別番号】100076853
【弁理士】
【氏名又は名称】駒田 喜英

【識別番号】100085833
【弁理士】
【氏名又は名称】松崎 清

【公開番号】 特開2006−2310(P2006−2310A)
【公開日】 平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願番号】 特願2004−182353(P2004−182353)