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【発明の名称】 交絡処理装置
【発明者】 【氏名】谷口 正博
【住所又は居所】東京都港区港南一丁目6番41号 三菱レイヨン・エンジニアリング株式会社内

【氏名】鈴木 富夫
【住所又は居所】広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨン・エンジニアリング株式会社大竹事業所内

【要約】 【課題】繊維ウエブに対して交絡処理を行うためにノズル部から噴出したジェット水流の飛散水を、効率的に除去することのできる交絡処理装置を提供する。

【解決手段】ノズル孔7から噴射されたジェット水流10は、ネット状無端コンベア3によって搬送される繊維ウエブ2内を貫通して繊維同士を交絡させ、繊維ウエブ2を通過したジェット水流はネット状無端コンベア3の下面側に配した吸引ボックス11により吸引除去される。前記ジェット水流10のうち繊維ウエブ2の表面から跳ね返った飛散水12は、吸引ボックス11の上流側近傍に配した脱水用吸引ボックス20により吸引され外部に排出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェット水流により繊維同士を交絡させて不織布を製造及び/又は繊維布帛を処理する交絡処理装置において、
繊維ウエブ又は繊維布帛の搬送路に配した前記ジェット水流を噴出するジェット水流用ノズル部及び同ジェット水流用ノズル部からのジェット水流を吸引するジェット水流用吸引ボックスと、
前記搬送路における前記ジェット水流用吸引ボックスの上流側近傍において、前記繊維ウエブ又は繊維布帛上に付着した前記ジェット水流による飛散水を吸引脱水する脱水用吸引ボックスと、
を配設してなることを特徴とする交絡処理装置。
【請求項2】
前記脱水用吸引ボックスが、前記ジェット水流用吸引ボックスに並列して1以上近接配置されてなることを特徴とする請求項1記載の交絡処理装置。
【請求項3】
1以上の前記脱水用吸引ボックスに対して、前記繊維ウエブ又は繊維布帛を間に挟んだ対向する部位に第1スチームジェット用ノズル部が1以上配設されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の交絡処理装置。
【請求項4】
前記搬送路における前記脱水用吸引ボックスの上流側に、スチームジェット流を噴出する第2スチームジェット用ノズル部及び同第2スチームジェット用ノズル部からのスチームジェット流を吸引する第2スチームジェット流用吸引ボックスを配設してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の交絡処理装置。
【請求項5】
前記第2スチームジェット用ノズル部が、揺動自在に配設されてなることを特徴とする請求項4記載の交絡処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ジェット水流により繊維同士を交絡させて不織布を製造及び/又は繊維布帛を処理する交絡処理装置に関するものであり、特に、ジェット水流による交絡処理効果を向上させることのできる交絡処理装置に関するものである。ここで本発明における交絡処理とは、繊維同士を交絡させ、或いは繊維布帛を構成している繊維の配列状態を変化させることを意味する。例えば、隣接する繊維間隔を広げることにより、結果として拡幅効果をもたらす処理、逆にニードルパンチにより形成された布帛のニードルホールを、繊維を移動させて該ホールを解消させる処理等も含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来から繊維ウエブ又は繊維布帛に対してジェット水流を噴射して、繊維同士を交絡させ、不織布を製造したり繊維布帛を処理する装置は広く知られている。これらの交絡処理装置では、ジェット水流は複数の開口を有するノズルから噴射され、繊維ウエブ又は繊維布帛を挟んで前記ノズルに対向した部位には、繊維ウエブ又は繊維布帛を通った水を吸引する吸引ボックスが配設されている。
【0003】
繊維ウエブ又は繊維布帛表面に衝突したジェット水流の大部分は、繊維同士を絡み込ませながら繊維間を通り吸引ボックスにより吸引されるが、繊維ウエブ又は繊維布帛表面に衝突したジェット水流の一部は、繊維ウエブ又は繊維布帛の表面から跳ね返り、飛散水となって四方に飛散してしまう。しかも、飛散した飛散水の大部分は、再び繊維ウエブ又は繊維布帛の表面に落下して付着することになる。
【0004】
交絡処理前の繊維ウエブ又は繊維布帛表面に飛散した飛散水が付着すると、付着した飛散水はノズルから噴射されたジェット水流に対する緩衝材として作用し、ジェット水流を繊維ウエブ又は繊維布帛の底面まで到らなくさせてしまう。このため、繊維同士の交絡度を高めることができなくなり、また、繊維ウエブ又は繊維布帛等の地合いを崩してしまうことになった。
【0005】
繊維ウエブ又は繊維布帛表面に付着した飛散水を貫通してジェット水流を繊維ウエブ又は繊維布帛の底面まで到達させるためには、ジェット水流の水圧を更に高圧にしなければならなかった。あるいは吸引ボックスの吸引力を高めることや、ジェット水流の水圧及び吸引ボックスの吸引力を高めることを行わなければならなかった。しかも、ジェット水流の水圧を高めるためには、あるいは吸引ボックスの吸引力を高めるためには、高圧を発生させることのできる高価なポンプを用意しなければならないという問題があった。
【0006】
繊維ウエブ又は繊維布帛の表面から跳ね返った飛散水が再び繊維ウエブ又は繊維布帛表面に付着するのを防止するため、繊維ウエブ又は繊維布帛の表面から跳ね返った飛散水を捕えるデフレクタープレートを配設したシート材形成装置(特許文献1参照。)が提案されている。
【0007】
特許文献1に記載されたデフレクタープレート43は、図6に示す構成となっている。即ち、図6では、上方走行用のスクリーンベルト42と下部走行用の多孔性キャリアベルト40との間に挟まれた繊維ウエブ48が、図6の左側から右側に搬送され交絡用のジェットヘッド41の下を通過することで交絡が行われる様子が示されている。
【0008】
多孔性キャリアベルト40の下方には、滑らかな不浸透性支持テーブル45が配され、多孔性キャリアベルト40は、不浸透性支持テーブル45の上面に接触しながら走行する。ジェットヘッド41の直下における不浸透性支持テーブル45の中央には、多孔性キャリアベルト40を横切る形でスロット形状としたギャップ46が配設されている。同ギャップ46の下には、吸引ボックス47が配置されている。
【0009】
ジェットヘッド41から噴射されたジェット水流のうち、繊維ウエブ48の上面から又はスクリーンベルト42から跳ね返った飛散水は、ジェットヘッド41に近接して配設されたデフレクタープレート43により集められる。デフレクタープレート43に集められた水は、デフレクタープレート43の上方に配置された吸引チューブ44により吸引され、外部に除去される。また、ジェットヘッド41から噴射されたジェット水流のうち大部分の水は、繊維ウエブを通って吸引ボックス47に吸引されて外部に除去される。
【0010】
これにより、繊維ウエブ48の上面から又はスクリーンベルト42から跳ね返った飛散水は、再び繊維ウエブ48上に落下しないようにデフレクタープレート43上に集めることができ、デフレクタープレート43上に集められた水は、吸引ボックス47を通して外部に排出することができる。
【特許文献1】特表2003−535989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に示されたシート材形成装置では、繊維ウエブ48の上面から又はスクリーンベルト42から跳ね返った飛散水は、ジェットヘッド41の先端部に一度衝突させた後、ジェットヘッド41からの跳ね返り水としてデフレクタープレート43上に集める構成となっている。
【0012】
このため、繊維ウエブ48の上面、スクリーンベルト42上、ジェットヘッド41の先端部及びデフレクタープレート43の裏面側との間においてジェット水流の衝突が繰り返され、ジェットヘッド41の先端部近傍において霧の発生を促進させてしまうことになる。このようにして発生した霧は、デフレクタープレート43の裏面側や、繊維ウエブの表面に付着することになる。デフレクタープレート43の裏面側に付着した霧は、集まって水滴となり繊維ウエブ表面上に落下してしまう。このように、ジェットヘッド41による飛散水が、再び交絡処理前の繊維ウエブ上に付着してしまうことが避けられなかった。
【0013】
また、デフレクタープレート43上に集められた水を排出するためには、吸引チューブ44を設けなければならない。しかも吸引チューブ44により、略水平状に配されたデフレクタープレート43上の水を吸引するためには、吸引チューブ44の吸引力を高めなければならず、吸引力の大きな大型の吸引ポンプを別途用意しなければならなかった。しかし、吸引チューブ44の吸引力を高めたとしても、デフレクタープレート43上の水を全て吸引排除することはできなかった。
【0014】
このため、デフレクタープレート43上に集められた水を全て排除することができず、デフレクタープレート43のジェット水流側の端縁から溢れ出て垂れ流れてしまったり、飛散水に含まれる繊維くずを伝わって垂れ流れたりして、デフレクタープレート43から垂れ流れた水が繊維ウエブ上に落下しまう問題があった。
【0015】
本願発明では、これらの問題を解決し、ノズル部から噴出したジェット水流の飛散水を効率的にジェット水流の噴射部直前において脱水することができ、また、前記ジェット水流の飛散水を脱水する脱水部の上流側からは水切り脱水された繊維ウエブ又は繊維布帛を搬入することのできる交絡処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明の課題は請求項1〜5に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明では請求項1に記載したように、ジェット水流により繊維同士を交絡させて不織布を製造、及び/又は繊維布帛を処理する交絡処理装置において、繊維ウエブ又は繊維布帛の搬送路に配した前記ジェット水流を噴出するジェット水流用ノズル部及び同ジェット水流用ノズル部からのジェット水流を吸引するジェット水流用吸引ボックスと、前記搬送路における前記ジェット水流用吸引ボックスの上流側近傍において、前記繊維ウエブ又は繊維布帛上に付着した前記ジェット水流による飛散水を吸引脱水する脱水用吸引ボックスと、を配設してなることを最も主要な特徴となしている。
【0017】
本発明に用いる繊維は特に限定されることはなく、麻、ウール、綿等の天然繊維、レーヨン、アセテート等化学繊維、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、アクリル繊維等合成繊維、金属繊維、ガラス繊維等無機繊維が対象である。
【0018】
また、本願発明では請求項2に記載したように、前記脱水用吸引ボックスが、前記ジェット水流用吸引ボックスに並列して1以上近接配置されてなることを主要な特徴となしている。更に、本願発明では請求項3に記載したように、1以上の前記脱水用吸引ボックスに対して、前記繊維ウエブ又は繊維布帛を間に挟んだ対向する部位に第1スチームジェット用ノズル部が1以上配設されてなることを主要な特徴としている。
【0019】
更にまた、本願発明では請求項4に記載したように、前記搬送路における前記脱水用吸引ボックスの上流側に、スチームジェット流を噴出する第2スチームジェット用ノズル部及び同第2スチームジェット用ノズル部からのスチームジェット流を吸引する第2スチームジェット流用吸引ボックスを配設してなることを主要な特徴となしている。
また、本願発明では請求項5に記載したように、前記第2スチームジェット用ノズル部が、揺動自在に配設されてなることを主要な特徴となしている。
【発明の効果】
【0020】
本願発明では、繊維ウエブ又は繊維布帛の搬送路に配した、ジェット水流を噴出するジェット水流用ノズル部及びジェット水流用吸引ボックスとからなるジェット水流処理部の上流側近傍に、前記搬送ウエブ又は繊維布帛上に付着した前記ジェット水流による飛散水を吸引脱水する脱水用吸引ボックスを配設したことを特徴としている。
【0021】
これにより、前記ジェット水流処理部の上流側における繊維ウエブ又は繊維布帛上に飛散した前記ジェット水流処理部からの飛散水を、脱水用吸引ボックスにより吸引脱水することができるようになる。しかも、脱水用吸引ボックスにより吸引脱水された状態で繊維ウエブ又は繊維布帛がジェット水流処理部に搬入されるので、交絡処理前の繊維ウエブ又は繊維布帛から飛散水を取り除いておくことができ、ジェット水流による交絡処理において、飛散水が付着したことによる悪影響が防止された状態で交絡処理を行うことができる。
【0022】
脱水用吸引ボックスは、前記ジェット水流処理部におけるジェット水流用吸引ボックスに並列して少なくとも1以上近接配置しておくことができる。複数配置する場合における脱水用吸引ボックスの配置数は、前記ジェット水流処理部で交絡処理される繊維ウエブ又は繊維布帛の通気度、即ち、同繊維ウエブ又は繊維布帛の厚みや繊維密度等により、前記ジェット水流処理部の直前に1〜数個配設しておくことができる。
【0023】
また、ジェット水流用吸引ボックスに並列して1以上近接配置したジェット水流用吸引ボックスのうち、1以上のジェット水流用吸引ボックスに対向して第1スチームジェット用ノズルを配設することができる。即ち、ジェット水流用吸引ボックスを第1スチームジェット用ノズルから噴射されたスチームジェット流を吸引する吸引ボックスとして機能させることもできる。
【0024】
これにより、第1スチームジェット用ノズルから噴射されたスチームジェット流により、繊維ウエブ又は繊維布帛上に飛散して付着した前記飛散水の脱水処理と、繊維ウエブ又は繊維布帛に対する水切りとを行わせることができる。このため、前記ジェット水流処理部における交絡処理として、より効率的な交絡処理を行わせることができるようになる。
【0025】
また、繊維ウエブ又は繊維布帛の搬送路における前記脱水用吸引ボックスの上流側に、スチームジェット流を噴出する第2スチームジェット用ノズル部及び同第2スチームジェット用ノズル部からのスチームジェット流を吸引する第2スチームジェット流用吸引ボックスを配設しておくことができる。これにより、第2スチームジェット用ノズル部から噴射したスチームジェット流により、水切り脱水した状態で繊維ウエブ又は繊維布帛を脱水用吸引ボックス側へ搬入することができる。
【0026】
しかも、前記ジェット水流処理部からの飛散水を、水切り脱水された状態となった繊維ウエブ又は繊維布帛上にて受けることができるので、同繊維ウエブ又は繊維布帛上に飛散した飛散水は、乾燥した状態の繊維ウエブ又は繊維布帛内に素早く吸収されることができる。繊維ウエブ又は繊維布帛内に吸収された飛散水は、脱水用吸引ボックスにより水切り脱水することができるので、脱水用吸引ボックスによる前記飛散水の吸引脱水を効率的に行うことができるようになる。
【0027】
更に、前記スチームジェット用ノズル部を揺動自在とすることができる。これにより、脱水用吸引ボックスの上流側において、繊維ウエブ又は繊維布帛に対して万遍なくスチームジェットを噴射させて、繊維ウエブ又は繊維布帛に対する水切り脱水処理を充分に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明の交絡処理装置の構成としては、以下で説明する形状、配置構成以外にも本願発明の課題を解決することができる形状、配置構成であれば、それらの形状、配置構成を採用することができるものである。このため、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
【実施例1】
【0029】
図1は、本発明の実施形態に係わる交絡処理装置におけるジェット水流用ノズル部及びジェット水流用吸引ボックスと脱水用吸引ボックスとの概略的な配置関係を示した横断面図である。図2は、ジェット水流用ノズル部の概略的な横断面図である。以下の説明では、交絡処理される繊維ウエブについて説明を行うが、交絡処理されるものは繊維ウエブに限定されるものではなく、繊維布帛に対しても本願発明による処理を行うことができるものである。
【0030】
図1では、図1の左から右に向かってネット状無端コンベア3により搬送される繊維ウエブ2に対して、ジェット水流用ノズル部4からジェット水流10を噴射して繊維ウエブ2の繊維同士を交絡させる様子を概略的に示している。図2に示すようにジェット水流用ノズル部4は、ノズルホルダ5と同ノズルホルダ5に固定されたノズル部材6a、ネジ8a及び位置決め用のピン8bを介して同ノズル部材6aに固定される押え金具6bとから構成されている。ジェット水流用ノズル部4の構成は、本願発明の特徴をなすものではなく、他の周知のジェット水流用ノズル部の構成を本願発明に対して用いることができるものである。
【0031】
ノズルホルダ5は、内部が図示せぬ送水ポンプに連接された長尺状の形状を有しており、ネット状無端コンベア3に載置されて搬送される繊維ウエブ2の幅方向全域に亘って以下で説明するジェット水流を噴射することができるように配設されている。単一のノズルホルダ5によって、前記繊維ウエブ2の幅方向全域をカバーすることも、複数本のノズルホルダ5によって、前記繊維ウエブ2の幅方向全域をカバーする構成とすることもできる。ノズルホルダ5の下端部は長手方向に開口したスリット13が形成され、同スリット13を介して前記送水ポンプから供給された水を、ノズル部材6aに取り付けた押え金具6bのノズル孔7から均一なジェット水流として噴射することができる。
【0032】
ノズル部材6aには、長手方向に沿って複数の搾孔が形成された押え金具6bが、ネジ8a及びピン8bを介して着脱自在に取り付けられている。前記複数の搾孔が、ジェット水流10用のノズル孔7として機能する。複数の搾孔を押え金具6bに形成する代わりに、複数の搾孔を形成したプレートをノズル部材6aと押え金具6bと間で狭持する構成とすることもできる。この場合には、押え金具6bには、前記プレートの搾孔から噴射するジェット水流が通過する貫通孔等を形成しておくことが必要である。
【0033】
ノズル孔7から噴射されたジェット水流10は、ネット状無端コンベア3によって搬送される繊維ウエブ2内を貫通して繊維同士を交絡させ、繊維ウエブ2を通過したジェット水流10はネット状無端コンベア3の下面側に配した吸引ボックス11により吸引除去される。吸引ボックス11には、繊維ウエブ2側に開口したスリット11aが形成され、同スリット11aを吸引口として繊維ウエブ2を貫通した前記ジェット水流10が吸引される構成となっている。前記ジェット水流10のうち繊維ウエブ2の表面から跳ね返った飛散水12は、ジェット水流用ノズル部4の上流側及び下流側で搬送中の繊維ウエブ上に飛散する。
【0034】
ジェット水流用ノズル部材6aの上流側において搬送中の繊維ウエブ2上に飛散した飛散水は、吸引ボックス11と並列に近接して配した脱水用吸引ボックス20により吸引される。脱水用吸引ボックス20は、吸引ボックス11と同様の構成を備えており、繊維ウエブ2側に開口したスリット20aを吸引口として繊維ウエブ2上の飛散水を吸引除去することができる。脱水用吸引ボックス20内は、吸引源である図示せぬ真空ポンプ等に接続されている。吸引ボックス11の真空吸引源と脱水用吸引ボックス20の真空吸引源とを兼用させて使用することもできる。
【0035】
図3に示すように、脱水用吸引ボックス20の配設数として2個以上である複数個配設することができる。脱水用吸引ボックス20の配設数としては、繊維ウエブ2の通気度、即ち、繊維ウエブ2の厚み及び繊維密度等により、繊維ウエブ2上に付着した飛散水を吸引除去することができる適宜の数個配設しておくことができる。また、脱水用吸引ボックス20を複数配設した場合には、各脱水用吸引ボックス20における真空排気量を全て同じ真空排気量となるように設定しておくことも、それぞれ異なる真空排気量となるように設定しておくこともできる。
【0036】
また、吸引ボックス11の真空吸引源と脱水用吸引ボックス20の真空吸引源とを共用して使用することもできる。吸引ボックス11の真空吸引源と脱水用吸引ボックス20の真空吸引源とを共用して使用する場合であっても、脱水用吸引ボックス21における真空排気量と吸引ボックス10における真空排気量とを異ならせた真空排気量にそれぞれ設定しておくこともできる。
【0037】
脱水用吸引ボックス20の脱水効率を高めるため、脱水用吸引ボックス20のスリット20aの幅を5〜15mmとし、真空排気量を10〜15m3 /min、排気風速を8〜25m/secとすることが望ましい形態となる。
【実施例2】
【0038】
図4には、本願発明に係わる第2の実施例を示している。実施例2では、繊維ウエブ2を挟んだ脱水用吸引ボックス20の対向側にスチームジェット噴射による繊維ウエブ2の水切り脱水を行うことのできる第1スチームジェットノズル部25及び同第1スチームジェットノズル部25からのスチームジェット流を吸引するスチームジェット用吸引ボックスとして脱水用吸引ボックス20を利用した例を示している。他の構成は、実施例1における構成と同様の構成を備え、しかも、同様の機能を奏している。このため、実施例1で用いたと同じ部材に関しては、同じ符号を用いることでその部材の説明を省略することとする。
【0039】
第1スチームジェットノズル部25における基本的な構成は、ジェット水流用ノズル部4における基本的な構成と同様の構成を備えており、ノズル部に供給される動作流体が第1スチームジェットノズル部25では、高圧蒸気であるのに対してジェット水流用ノズル部11では高圧水である点で異なっている。また、ノズル部から噴射されるものが、第1スチームジェットノズル部25ではスチームジェット流であるのに対し、ジェット水流用ノズル部4ではジェット水流である。
【0040】
スチームジェット流を吸引除去する吸引ボックスを兼用した脱水用吸引ボックス20は、吸引ボックス11と同様に真空ポンプ等よりなる図示せぬ真空吸引源に接続され、第1スチームジェットノズル部25から噴射されたスチームジェット流を吸引することができる。スチームジェット流を吸引除去する脱水用吸引ボックス20における真空排気量を、第1スチームジェットノズル部25と対向していない他の脱水用吸引ボックス20と同じ真空排気量となるように設定しておくことも、異なる真空排気量となるように設定しておくこともできる。
【0041】
第1スチームジェットノズル部25としては、ノズル位置が固定したノズル部を用いることも、ノズル位置が周期的に可変となる揺動型のノズル部を用いることもできる。第1スチームジェットノズル部25を揺動自在とすることにより、搬送中の繊維ウエブ2に対してスチームジェットを満遍なく噴射することができるようになり、繊維ウエブ2をスチームジェットにより効率的に乾燥させ、水切り脱水させることができるようになる。尚、第1スチームジェットノズル部25を揺動させる場合には、スチームジェット流が、ジェット水流用ノズル部4から噴射されたジェット水流と干渉しない領域内で揺動させる構成としておくことが望ましい。
【0042】
図4では、第1スチームジェットノズル部25を1つの脱水用吸引ボックス20に対向した位置に配置した例を示しているが、複数の脱水用吸引ボックス20に対して第1スチームジェットノズル部25を対向して配置することもできる。また、第1スチームジェットノズル部25は、ジェット水流用ノズル部4に近接した位置に配した例を図4では示しているが、図4において左端に配した脱水用吸引ボックス20と対向する位置に配設するなど、ジェット水流用ノズル部4から離間した位置に配した脱水用吸引ボックス20に対向して配設することもできる。
【0043】
また、図示例では、繊維ウエブ2がネット状無端コンベア3により搬送される例を用いて説明を行ったが、繊維ウエブ2は特許文献1に記載されているように繊維ウエブ2の表面側にもネット状等の搬送ベルトを配し、繊維ウエブ2を上下の搬送ベルト等により狭持した状態で搬送させることもできる。
【実施例3】
【0044】
図5には、本願発明に係わる第3の実施例を示している。実施例3では、脱水用吸引ボックス20の上流側にスチームジェット噴射による繊維ウエブ2の水切り脱水を行うことのできる第2スチームジェットノズル部27及び同第2スチームジェットノズル部27から噴射されたスチームジェット流を吸引する第2スチームジェット用吸引ボックス28を配設している。他の構成は、実施例1 及び実施例2における構成と同様の構成を備え、しかも、同様の機能を奏している。このため、実施例1及び実施例2で用いたと同じ部材に関しては、同じ符号を用いることでその部材の説明を省略することとする。
【0045】
実施例3では、第2スチームジェットノズル部27の下流側に脱水用吸引ボックス20が配設した構成となっている。これにより、ジェット水流ノズル部4から噴射したジェット水流の飛散水12は、脱水用吸引ボックス20で吸引除去することができ、第2スチームジェットノズル部27から噴射したスチームジェット流では、繊維ウエブ2の水切り乾燥を専用に行わせることができる。このため、第2スチームジェットノズル部27及び第2スチームジェット流吸引ボックス28は、脱水用吸引ボックス20の上流側であれば任意の位置に配設することができる。
【0046】
スチームジェットノズル部27における基本的な構成は、ジェット水流用ノズル部11における基本的な構成又は第1スチームジェットノズル部25と同様の構成を備えている。第1スチームジェットノズル部25と同様にノズル部に供給される動作流体が第2スチームジェットノズル部27では、高圧蒸気である点でジェット水流用ノズル部4が高圧水である点と異なっている。
【0047】
第2スチームジェット用吸引ボックス28は、ジェット水流用吸引ボックス11と同様に真空ポンプ等よりなる図示せぬ真空吸引源に接続され、第2スチームジェットノズル部27から噴射されたスチームジェット流をスリット28aを吸引開口として吸引し、外部に除去することができる。
【0048】
第2スチームジェットノズル部27としては、ノズル位置が固定したノズル部を用いることも、ノズル位置が周期的に可変となる揺動型のノズル部を用いることもできる。ノズル部を揺動自在とすることにより、搬送中の繊維ウエブ2に対してスチームジェットを満遍なく噴射することができるようになり、繊維ウエブ2をスチームジェットにより効率的に乾燥させ、水切り脱水及び乾燥を行わせることができるようになる。
【0049】
図5では、第2スチームジェットノズル部27及び第2スチームジェット流吸引ボックス28の組を1組だけ脱水用吸引ボックス20の上流側に配設した例を示しているが、第2スチームジェットノズル部27及び第2スチームジェット流吸引ボックス28の組を複数組配設することもできる。
【0050】
また、図示例では、繊維ウエブ2がネット状無端コンベア3により搬送される例を用いて説明を行ったが、繊維ウエブ2は特許文献1に記載されているように繊維ウエブ2の表面側にもネット状等の搬送ベルトを配し、繊維ウエブ2を上下の搬送ベルト等により狭持した状態で搬送させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本願発明は、本願発明の技術思想を適用することができる装置等に対しては、本願発明の技術思想を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態に係わる交絡処理装置における概略的な横断面図である。(実施例1)
【図2】ノズル部の概略的な横断面図である。(実施例1)
【図3】脱水用吸引ボックスを複数配設した概略的な横断面図である。(実施例1)
【図4】脱水用吸引ボックスをスチームジェット流の吸引ボックスとして利用した概略的な横断面図である。(実施例2)
【図5】第2スチームジェットノズル部を配設した概略的な横断面図である。(実施例3)
【図6】ノズル部の概略的な横断面図である。(従来例)
【符号の説明】
【0053】
1 交絡処理装置
2 繊維ウエブ
3 ネット状無端コンベア
4 ジェット水流用ノズル部
5 ノズルホルダ
6a ノズル部材
6b 押え金具
7 ノズル孔
8a ネジ
8b ピン
9a、b 面取り
10 ジェット水流
11 ジェット水流用吸引ボックス
11a スリット
12 飛散水
13 貫通孔
20 脱水用吸引ボックス
20a スリット
25 第1スチームジェットノズル部
26 スチームジェット流
27 第2スチームジェットノズル部
28 第2スチームジェット流用吸引ボックス
28a スリット
40 多孔性キャリアベルト
41 ジェットヘッド
42 スクリーンベルト
43 デフレクタープレート
44 吸引チューブ
45 不浸透性支持テーブル
46 ギャップ
47 吸引ボックス
【出願人】 【識別番号】000176741
【氏名又は名称】三菱レイヨン・エンジニアリング株式会社
【住所又は居所】東京都港区港南一丁目6番41号
【出願日】 平成16年6月18日(2004.6.18)
【代理人】 【識別番号】100091948
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 武男

【識別番号】100119699
【弁理士】
【氏名又は名称】塩澤 克利

【公開番号】 特開2006−2297(P2006−2297A)
【公開日】 平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願番号】 特願2004−181071(P2004−181071)