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【発明の名称】 湿式法ガラス不織布およびプリプレグ、複合材料
【発明者】 【氏名】錦織 義治
【住所又は居所】東京都江東区東雲一丁目10番6号 王子製紙株式会社東雲研究センター内

【氏名】出口 朋斉
【住所又は居所】東京都江東区東雲一丁目10番6号 王子製紙株式会社東雲研究センター内

【要約】 【課題】化粧板用途に適するガラス繊維不織布を提供すること、即ち、水あるいは水とアルコール混合液に浸漬しても引張強度が低下しないガラス繊維不織布を提供することを課題とする。

【解決手段】ガラス繊維とガラス繊維を結合するバインダー成分からなる湿式法ガラス不織布であって、前期バインダー中に硫黄原子を持つ成分とゴム成分が含有されている湿式法ガラス不織布。該硫黄原子を持つ成分は、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファドが適する。ゴム成分はBR、SBR、NBR、ABS、あるいはこれらの分子中にアクリルモノマーが共重合されたゴム成分が適する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス繊維とガラス繊維を結合するバインダー成分からなる湿式法ガラス不織布であって、前期バインダー中に硫黄原子を持つ成分とゴム成分が含有されていること特徴とする湿式法ガラス不織布。
【請求項2】
前記硫黄原子を持つ成分が、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファドの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の湿式法ガラス不織布。
【請求項3】
前記ゴム成分がBR、SBR、NBR、ABS、あるいはこれらの分子中にアクリルモノマーが共重合されたゴム成分であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の湿式法ガラス不織布。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の湿式法ガラス不織布に、樹脂成分を付着させたことを特徴としたプリプレグ。
【請求項5】
請求項4に記載のプリプレグを少なくとも1枚以上用いてプレス成形させたことを特徴とする複合材料。
【請求項6】
前記複合材料が、化粧板であることを特徴とする請求項5に記載の複合材料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス繊維を用いた湿式法ガラス不織布およびこれを用いたプリプレグ、複合材料に関する。更に詳しく述べるならば、引張強度の強い湿式法ガラス不織布およびそれを用いたプリプレグ、複合材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
FRP(Fiber Reinforced Plastics)は、繊維強化プラスチックと言われるように、マトリックスとなる樹脂(プラスチック)中に繊維を含ませることにより、樹脂自体の強度を向上させている。このFRPの一種に繊維として湿式法ガラス不織布を用い、これに樹脂成分を含浸または塗布したプリプレグをプレス成形して得られる板状の複合材料の中に、電気回路基板に用いるプリント配線板とか建材に用いる化粧板などがある。
プリプレグを製造する際、湿式法ガラス不織布の引張強度が不足すると含浸機あるいは塗布機において断紙し易くなり生産性を低下させる問題が起きる。特に近年、生産性向上のため、湿式法ガラス不織布に求められる引張強度は以前にも増して強い強度が要求されるようになってきた。
【0003】
従来、湿式法ガラス不織布のバインダー成分中にシランカップリング剤を添加する技術として、エポキシ樹脂と脂肪族アミンとこれらの成分と反応性を持つシランカップリング剤を必須成分とするものが提案(特許文献1)されている。別の提案としてカチオニックシランをガラス繊維自体に表面処理するあるいはバインダー成分中に添加するものが提案(特許文献2)されている。これらの提案は、いずれもプレス成型後の積層板の耐熱湿絶縁特性およびスルーホール間のマイグレーション性を向上させることを目的としたプリント配線板に使用する湿式法ガラス不織布に関するものであった。
また、特許文献2明細書中に「ガラス不織布のカップリング剤処理として、従来はエポキシシランによる処理が行われてきた」と従来の湿式法ガラス不織布の技術が記載紹介されている。
また特許文献3ではゴムエマルジョンとアミノシラン系カップリング剤からなる成分をガラス繊維表面に付着させることが提案されている。しかしこの成分をバインダー成分としてもゴムエマルジョンとアミノシラン系カップリング剤との結合は主に水素結合であるため、十分な引張強度を得ることができなかった。
【特許文献1】特許2778399号
【特許文献2】特開平7−113016号
【特許文献3】特公昭62−4344号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように従来の技術では、ガラス不織布の引張強度向上に満足するものはなかった。
特に化粧板用途においては、水とアルコール混合液に浸漬しても湿式法ガラス不織布の引張強度が低下しないことが重要であるが、その性質を満足できるものはなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は以下の(1)〜(6)の構成を採用する。
(1) ガラス繊維とガラス繊維を結合するバインダー成分からなる湿式法ガラス不織布であって、前期バインダー中に硫黄原子を持つ成分とゴム成分が含有されていることを特徴とする湿式法ガラス不織布。
(2) 前記硫黄原子を持つ成分が、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファドの少なくとも1種であることを特徴とする(1)に記載の湿式法ガラス不織布。
(3) 前記ゴム成分がBR、SBR、NBR、ABS、あるいはこれらの分子中にアクリルモノマーが共重合されたゴム成分であることを特徴とする(1)または(2)に記載の湿式法ガラス不織布。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の湿式法ガラス不織布に、樹脂成分を付着させたことを特徴としたプリプレグ。
(5) (4)に記載のプリプレグを少なくとも1枚以上用いてプレス成形させたことを特徴とする複合材料。
(6) 前記複合材料が、化粧板であることを特徴とする(5)に記載の複合材料。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、引張強度の強い、特に水および/アルコール浸漬時の引張強度の強い湿式法ガラス不織布ならびにそれを用いたプリプレグ、複合材料を提供することが可能となり、産業上極めて有用なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の不織布は、湿式法によりガラス繊維を抄き上げて製造され、ガラス繊維とガラス繊維を結合するバインダー成分よりなる。湿式法として公知の抄紙技術を使うことができる。例えば、長網、丸網、傾斜ワイヤー、ツインワイヤー等の公知の抄紙機、当業者が実験室レベルで検討に用いる手抄きマシーン等を好ましく挙げることができる。湿式法ガラス不織布の場合、特に好ましくは傾斜ワイヤーであり、実験室レベルの抄紙は手抄きマシーンである。
【0008】
本発明に用いるバインダー成分が、バインダー繊維または粉末のバインダーを使用する場合は、集束繊維の束を含む繊維分散液に予め含ませておくことが好ましい。バインダー成分として、液系のバインダーを使用する場合は、ワイヤーパートで形成したウエットシートにバインダー成分を供給し付着させ、ドライヤーパートで乾燥し不織布を製造することが好ましい。このような液系のバインダーの供給方法は、例えば、含浸方式、スプレー方式、メイヤーバー方式、グラビア方式、マイクログラビア方式、ダイ方式、ブレード方式、マイクロロッド方式、エアナイフ方式、カーテン方式、スライド方式、ロール方式等の公知の塗布方法を好ましく挙げることができる。もちろん公知であればこれらの例に限定されることはない。
【0009】
本発明で用いるガラス繊維としては、Eガラス繊維、Dガラス繊維、Sガラス繊維、NEガラス繊維、Cガラス繊維、石英ガラス繊維、高珪酸ガラス繊維等を好ましく挙げることができ、特に好ましくはEガラス繊維である。
本発明のガラス繊維は、平均繊維径(平均繊維径は、真円換算したときの平均繊維径を言う)が4μm〜20μmであり、かつ平均繊維長が1mm〜25mmであることが好ましい。より好ましくは平均繊維径4μm〜15μmであり、かつ平均繊維長が3mm〜20mmである。平均繊維径が4μm未満および/または平均繊維長が1mm未満の場合は、アスベストと同様に健康に害を与える恐れがあり好ましくなく、平均繊維径が20μmより大きい場合および/または平均繊維長が25mmより大きい場合は、不織布の地合い不良となり易い問題がある。
【0010】
本発明で用いるガラス繊維は、表面にシランカップリング剤処理したものでも構わない。表面処理するシランカップリング剤は公知のものを好ましくあげることができる。例えば、ビニルシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、スチリルシラン系カップリング剤、メタクリロキシシラン系カップリング剤、アクリロキシシラン系カップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、ウレイドシラン系カップリング剤、クロロプロピルシラン系カップリング剤、メルカプロシラン系カップリング剤、スルフィドシラン系カップリング剤、イソシアネートシラン系カップリング剤、等をより好ましく挙げることができる。
【0011】
湿式法ガラス不織布の引張強度向上のため鋭意検討を重ねた結果、バインダー成分として硫黄原子を持つ成分とゴム成分を併用することにより画期的な本発明を発明するに至ったのである。本発明の湿式法ガラス不織布の引張強度向上のメカニズムは定かではないが、加硫作用が重要な1つのメカニズムと考えられる。
本発明のバインダー成分中の硫黄原子を持つ成分の必要量を考慮する際には、硫黄原子の量で評価することが妥当である。バインダー成分中の硫黄原子は、バインダー成分100質量%に対して0.0001質量%〜10質量%含まれていることが好ましく、より好ましくは0.001質量%〜3質量%、更により好ましくは0.05質量%〜0.5質量%である。
【0012】
本発明におけるバインダー成分中の硫黄原子を持つ成分として好ましくは、シランカップリング剤分子中に硫黄原子が含まれているものである。このように分子中に硫黄原子が含まれるシランカップリング剤が好ましい理由は、ガラス繊維と加水分解したシランカップリング剤が結合し、かつカップリング剤中の硫黄原子と高分子成分中のゴム成分が加硫作用を起こし、ガラス繊維とバインダー成分が強固に結合するためである。シランカップリング剤としてアミノシランを用いる場合は、高分子成分との結合は水素結合が多いとされるため、その引張強度向上効果は小さく、特に水やアルコール等に浸漬した場合は十分な引張強度は得難い。
【0013】
このような硫黄原子が含まれるシランカップリング剤として具体的には、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファドまたはこれらのアルコシキドオリゴマーが好ましく、より好ましくはγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランである。本発明では硫黄原子が含まれるシランカップリング剤を1種あるいは複数種使用することができ、バインダー成分100質量%に対し0.01質量%〜10質量%で配合されていることが好ましく、より好ましくは0.1質量%〜6質量%、更により好ましくは0.3質量%〜3質量%である。
【0014】
本発明のバインダー成分の主成分はゴム成分であり、好ましくはバインダー成分100質量%に対して30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましきくは80質量%以上である。
このようなゴム成分として、好ましくは、天然ゴム、BR(ブタジエンゴム)、SBR(スチレン・ブタジエン共重合体ゴム)、NBR(アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)、クロロプロピレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ポリサルファイド、ネオプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴムおよびこれらのゴム成分の分子中にアクリルモノマーが共重合されたもの等を挙げることができる。
より好ましくはブタジエン基を持つ高分子成分を挙げることができ、更により好ましくはBR、SBR、NBR、ABS、あるいはこれらの成分の分子中にアクリルモノマーが共重合されたものを挙げることができる。アクリルモノマーとはアクリル酸エステルモノマーを意味する。
【0015】
本発明の湿式法ガラス不織布のバインダー量は、湿式法ガラス不織布100質量%に対し、3質量%〜25質量%であることが好ましい。3質量%未満の場合は、不織布の強度が弱く裂け易く、25質量%より多い場合は、プリプレグを作る際に用いる樹脂成分が付着し難くなることがある。バインダー量が4質量%〜20質量%であればより好ましく、6質量%〜15質量%であれば更により好ましい。
【0016】
本発明に用いるバインダー成分は、硫黄原子を持つ成分とゴム成分以外の成分を併用することもできる。このような併用成分として、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、水溶性セルロース、澱粉、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の公知の液系バインダーの他に、メタアラミド繊維、液晶高分子繊維、熱可塑性ポリイミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、アクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリスチレン繊維等の公知の熱可塑性繊維、KP、GP、TMP等の木質パルプなどのバインダー繊維を好ましく挙げることができる。本発明のバインダー成分中に顔料を含有させることもできる。顔料として例えば、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、雲母粉、ゼオライト、雲母粉、酸化チタン等を好ましく挙げることができる。
【0017】
本発明の湿式法ガラス不織布には、ガラス繊維とこれを結合するバインダー成分からなるが、湿式法ガラス不織布の製造上必要な補助添加剤、例えば、ガラス繊維分散剤、粘剤、等を好ましく用いることができる。
【0018】
本発明のプリプレグは、樹脂成分を本発明の湿式法ガラス不織布に付着したものである。プリプレグの樹脂成分は、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができ、一般的には熱硬化性樹脂を用いるが好ましく、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド系樹脂、シアネート系樹脂、熱硬化型ポリフェニレンオキサイド樹脂等がより好ましく使用され、より好ましくはこの中の樹脂成分の内、水/アルコール混合希釈液に対して安定性のあるものである。
【0019】
本発明のプリプレグの樹脂成分に顔料を含有することができる。顔料を含有させることにより、このプリプレグをプレス成形して製造する複合材料の不燃性、水分吸収性、等の品質を向上することができる。顔料は樹脂成分100質量%に対して30質量%以上含有させることが好ましく、より好ましくは50質量%以上である。顔料として、公知の無機顔料、有機顔料を挙げることができる。無機顔料として例えば、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、雲母粉、ゼオライト、雲母粉、酸化チタン等を好ましく挙げることができ、特に不燃性の効果の点で水酸化アルミニウムが適している。顔料は少なくとも1種類以上用いることができる。
【0020】
本発明のプリプレグの製造方法は、樹脂成分の塗料を、公知の方法を用いて付着でき、例えば、含浸方式、スプレー方式、ダイ方式、ロール方式などがあり、これを乾燥して作成する。樹脂成分の塗料の希釈液は、水および/またはアルコールであることが好ましい。アルコールとしては公知のものを好ましく用いることができ、より好ましくはメタノール、エタノール、IPA(イソプロピルアルコール)、メチルセルソルブである。
本発明の複合材料は、上記プリプレグを少なくとも1枚以上用いてプレス成形したものである。上記プリプレグ以外のプリプレグをミックスしたタイプの複合材料としても良い。
【0021】
本発明の複合材料としては、如何なるものでも構わないが、例えば、プリント配線板、化粧板を好ましく挙げることができ、化粧板とすることがより好ましくい。
【実施例】
【0022】
以下に本発明を実施例によって、さらに具体的に説明するが、もちろん本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、特に断らない限り「%」及び「部」はすべて「質量%」及び「質量部」を示す。
【0023】
<実施例1>
丸断面形状繊維径φ13μm繊維長6mmのEガラス繊維チョップと丸断面形状繊維径φ6μm繊維長15mmのEガラス繊維チョップを質量比1:1となるように調整した繊維にノニオン系界面活性剤であるポリエチレングリコールステアレート(エマノーン3299、花王社製)を対繊維1%で混合し、スリーワンモーターを用いて繊維濃度0.02%で水中攪拌させた。この繊維分散液中に粘剤としてアニオン系水溶性高分子であるアニオン性ポリアクリルアミド(スミフロックFA40H、住友化学工業社製)0.1%溶液を前記分散液100部に対して0.5部の割合で攪拌し繊維分散液を調成した。この繊維分散液の束を含む繊維分散液をワイヤメッシュ数80メッシュのプラスチックワイヤーを使用して角型手抄きマシーンにて湿式抄紙した。続いて得られたウエットシートにスプレーにてバインダー成分Aを付着させ160℃の乾燥機にて10分間乾燥させ、坪量100g/m2、バインダー量10%(10g/m2)、バインダー中の硫黄原子成分約0.08%の湿式法ガラス不織布を得た。この湿式法ガラス不織布をJIS P 8113に基づき引張強度を測定した。またこのシートを水中に15分間浸漬し後、JIS P 8113に基づき測定した引張強度(本明細では耐水引張強度と呼ぶ)を測定した。結果を表1に示す。
【0024】
<<バインダーA>>
SBR(商品名:NipolLX433C、日本ゼオン社製)
99.5部
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
(商品名:KBM−803、信越化学工業社製) 0.5部
【0025】
<実施例2>
丸断面形状繊維径φ13μm繊維長10mmのEガラス繊維チョップにノニオン系界面活性剤であるポリエチレングリコールステアレート(エマノーン3299、花王社製)を対繊維1%で混合し、スリーワンモーターを用いて繊維濃度0.02%で水中攪拌させた。この繊維分散液中に粘剤としてアニオン系水溶性高分子であるアニオン性ポリアクリルアミド(スミフロックFA40H、住友化学工業社製)0.1%溶液を前記分散液100部に対して0.5部の割合で攪拌し繊維分散液を調成した。この繊維分散液の束を含む繊維分散液をワイヤメッシュ数80メッシュのプラスチックワイヤーを使用して角型手抄きマシーンにて湿式抄紙した。続いて得られたウエットシートにスプレーにてバインダー成分Bを付着させ160℃の乾燥機にて10分間乾燥させ、坪量100g/m2、バインダー量10%(10 g/m2)、バインダー中の硫黄原子成分約0.33%の湿式法ガラス不織布を得た。実施例1と同様に評価を行った結果を表1に示す。
【0026】
<<バインダーB>>
アクリル(商品名:A−104、東亞合成社製) 18部
SBR(商品名:NipolLX433C、日本ゼオン社製)
80部
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
(商品名:KBM−803、信越化学工業社製) 2部
【0027】
<実施例3>
丸断面形状繊維径φ13μm繊維長10mmのEガラス繊維チョップにノニオン系界面活性剤であるポリエチレングリコールステアレート(エマノーン3299、花王社製)を対繊維1%で混合し、スリーワンモーターを用いて繊維濃度0.02%で水中攪拌させた。この繊維分散液中に粘剤としてアニオン系水溶性高分子であるアニオン性ポリアクリルアミド(スミフロックFA40H、住友化学工業社製)0.1%溶液を前記分散液100部に対して0.5部の割合で攪拌し繊維分散液を調成した。この繊維分散液の束を含む繊維分散液をワイヤメッシュ数80メッシュのプラスチックワイヤーを使用して角型手抄きマシーンにて湿式抄紙した。続いて得られたウエットシートにスプレーにてバインダー成分Cを付着させ160℃の乾燥機にて10分間乾燥させ、坪量100g/m2、バインダー量10%(10 g/m2)、バインダー中の硫黄原子成分約0.42%の湿式法ガラス不織布を得た。耐水引張強度を水/メタノールの質量比1:1の水メタノール溶液に5分間浸漬して測定する以外、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0028】
<<バインダーC>>
SBR(商品名:NipolLX433C、日本ゼオン社製)
49部
NBR(商品名:NipolLX1577、日本ゼオン社製)
49部
ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファド
(商品名:KBE−846、信越化学工業社製) 1部
γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン
(商品名:KBM−802、信越化学工業社製) 1部
【0029】
<比較例1>
バインダーDとする以外、実施例1と同様な検討を行った。結果を表1に示す。
<<バインダーD>>
SBR(商品名:NipolLX433C、日本ゼオン社製)
99.5部
N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン
(商品名:KBM−603、信越化学工業社製) 0.5部
【0030】
<比較例2>
バインダーEとする以外、実施例1と同様な検討を行った。結果を表1に示す。
<<バインダーE>>
アクリル(商品名:A−104、東亞合成社製) 18部
SBR(商品名:NipolLX433C、日本ゼオン社製)
80部
N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン
(商品名:KBM−603、信越化学工業社製) 2部
【0031】
<比較例3>
バインダーFとする以外、実施例1と同様な検討を行った。結果を表1に示す。
<<バインダーF>>
SBR(商品名:NipolLX433C、日本ゼオン社製)
49部
NBR(商品名:NipolLX1577、日本ゼオン社製)
49部
γ-アミノプロピルトリメトキシシラン
(商品名:KBM−603、信越化学工業社製) 2部
【0032】
【表1】


【0033】
<実施例4>
レゾール型フェノール樹脂(固形分50%)100部に平均粒径5μmの水酸化アルミニウム50部、水10部、IPA10部を混合した樹脂成分塗料を実施例1の湿式法ガラス不織布に含浸機にて固形分で800g/m2(固形分)になるように含浸し、乾燥してプリプレグを得た。このプリプレグを7枚重ね、150℃、80kgf/m2、20分間の条件でプレス成形し、複合材料である化粧板を作成した。プリプレレグ製造工程において湿式法ガラス不織布が断紙することはなかった。
【0034】
<実施例5>
レゾール型フェノール樹脂(固形分50%)100部に平均粒径5μmの水酸化アルミニウム50部、水10部、IPA10部を混合した樹脂成分塗料を実施例1の湿式法ガラス不織布に含浸機にて固形分で800g/m2(固形分)になるように含浸し、乾燥してプリプレグを得た。このプリプレグを7枚重ね、坪量64g/m2のグラビア印刷された紙にメラミン樹脂を固形分で130g/m2付着含浸乾燥させた含浸紙を最上層とし150℃、80kgf/m2、20分間の条件でプレス成形し、複合材料である化粧板を作成した。プリプレレグ製造工程において湿式法ガラス不織布が断紙することはなかった。
【0035】
<実施例6>
レゾール型フェノール樹脂(固形分50%)100部に平均粒径5μmの水酸化アルミニウム50部、水10部、メタノール10部を混合した樹脂成分塗料を実施例1の湿式法ガラス不織布に含浸機にて固形分で800g/m2(固形分)になるように含浸し、乾燥してプリプレグを得た。このプリプレグを7枚重ね、坪量64g/m2のグラビア印刷された紙にメラミン樹脂を固形分で130g/m2付着含浸乾燥させた含浸紙を最上層とし150℃、80kgf/m2、20分間の条件でプレス成形し、複合材料である化粧板を作成した。プリプレレグ製造工程において湿式法ガラス不織布が断紙することはなかった。
【0036】
<比較例4>
比較例1の湿式法ガラス不織布を使用する以外、実施例4と同様な検討を行った。プリプレグ製造工程で断紙した。
【0037】
<比較例5>
比較例2の湿式法ガラス不織布を使用する以外、実施例5と同様な検討を行った。プリプレグ製造工程で断紙した。
【0038】
<比較例6>
比較例3の湿式法ガラス不織布を使用する以外、実施例6と同様な検討を行った。プリプレグ製造工程で断紙した。
【出願人】 【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子製紙株式会社
【住所又は居所】東京都中央区銀座4丁目7番5号
【出願日】 平成16年6月15日(2004.6.15)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−2257(P2006−2257A)
【公開日】 平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願番号】 特願2004−176426(P2004−176426)