| 【発明の名称】 |
電解水生成装置の電解槽 |
| 【発明者】 |
【氏名】武藤 剛 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】宮下 公一 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
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| 【要約】 |
【課題】膜−電極構造体の電極に対して確実に十分な電力を供給できる電解水生成装置の電解槽を提供する。
【解決手段】イオン透過性の隔膜7を介して対向配置された1対の電解室5,6と、隔膜7を挟んで電解室5,6に設けられた1対の電極8a,8bとを備える。電極8a、8bが隔膜7に密着して形成された膜−電極構造体2と、電解室5,6の内壁面9,10に設けられ、先端部13,14で膜−電極構造体2に圧接する突出部11,12と、電解室5,6の内壁9,10に沿って形成された集電体15,16とを備える。集電体15,16は蒸着またはメッキにより形成された導電性金属部材層からなる。電解室5,6と隔膜7との間に、接続部材として導電性の金属パッキン19,20を備える。電解室5,6は、膜−電極構造体2の両側の互いに対向する位置に突出部11,12を備える。電極8a,8bは、導電性粉体を含む多孔質体からなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 イオン透過性の隔膜を介して対向配置された1対の電解室と、各電解室に原水を供給する原水供給手段と、該隔膜を挟んで各電解室に設けられた1対の電極と、両電極に電圧を印加して該原水供給手段により各電解室に供給された原水を電解することにより得られた電解水を各電解室から取り出す電解水取出手段とを備える電解水生成装置の電解槽において、 各電極が該隔膜の両表面に密着して形成された膜−電極構造体と、各電解室の該膜−電極構造体に対向する内壁面に該内壁から該膜−電極構造体に向かって突出して設けられ、先端部で該膜−電極構造体に圧接する複数の突出部と、少なくとも該突出部の先端部を含む該電解室の内壁に沿って形成された導電性金属部材からなる集電体とを備えることを特徴とする電解水生成装置の電解槽。 【請求項2】 前記集電体は、少なくとも前記突出部の先端部を含む前記電解室の内壁を被覆するように蒸着またはメッキにより形成された導電性金属部材層からなることを特徴とする請求項1記載の電解水生成装置の電解槽。 【請求項3】 前記各電解室と前記隔膜との間に、前記集電体を外部電源に接続する接続部材として導電性の金属パッキンを備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電解水生成装置の電解槽。 【請求項4】 前記各電解室は、前記膜−電極構造体の両側の互いに対向する位置に前記突出部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電解水生成装置の電解槽。 【請求項5】 前記電極は、導電性粉体を含む多孔質体からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の電解水生成装置の電解槽。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、イオン透過性の隔膜を介して対向配置された1対の電解室に供給される原水を、該隔膜を挟んで各電解室に設けられた1対の電極に電圧を印加して電解することにより、酸性及びアルカリ性の電解水を生成させる電解水生成装置の電解槽に関するものである。 【背景技術】 【0002】 イオン透過性の隔膜を介して対向配置された1対の電解室と、該隔膜を挟んで各電解室に設けられた1対の電極とを備える電解槽を用いて電解水を生成させる電解水生成装置が知られている。前記電解水生成装置では、前記各電解室に電解質を含む原水を供給し、前記1対の電極に電圧を印加して該原水を電解することにより、陽極側の電解室に酸性の電解水、陰極側の電解室にアルカリ性の電解水を生成させることができる。 【0003】 前記電解水生成装置の電解槽では、通常、前記電極は前記隔膜から離間して設けられている。ところが、前記構成では、前記隔膜を挟んで配設される両電極の間隔が広いために電極間の電気抵抗が大きく、印加される電力に対する電解効率が低いという問題がある。 【0004】 前記問題を解決するために、例えば、平織金網からなる多孔質電極素材とパンチドメタルとを重ね合わせた電極を隔膜に当接させることにより両電極の間隔を狭めると共に、該多孔質電極素材の内部に原水を流通させることにより該原水と電極との接触面積を大きくした電解槽が提案されている(例えば特許文献1参照)。前記電解槽によれば、印加される電力に対する電解効率はある程度向上させることができるが、前記原水は前記多孔質電極素材の内部に流通されるために流通抵抗が大きく、単位時間当たりの電解水の生成量を多くしようとすると装置の大型化が避けられない。 【0005】 そこで、本発明者らは、前記1対の電極がイオン透過性の隔膜の両表面に密着して形成されており、前記電極自体がイオン透過性を備える膜−電極構造体を用いた電解槽を提案している(特願2003−381741、特願2003−381742参照)。前記膜−電極構造体によれば、両電極間には前記隔膜が介在するだけであるので、印加される電力に対する電解効率を高くすることができ、しかも装置を小型化することができる。 【0006】 しかしながら、前記膜−電極構造体では、前記電極にリード線を接続しにくく、該リード線を介して電力を供給することが難しい。前記リード線に代えて、前記電極の表面に集電体を当接することも考えられるが、該電極が微細な細孔を備える多孔質体、所謂マイクロポーラス状であるときには、該電極の表面抵抗が大きくなるため、該集電体から該電極に十分な電力を供給しにくく、さらに改良が望まれる。 【特許文献1】特開2001−73177号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、かかる不都合を解消して、膜−電極構造体の電極に対して確実に十分な電力を供給することができる電解水生成装置の電解槽を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 かかる目的を達成するために、本発明は、イオン透過性の隔膜を介して対向配置された1対の電解室と、各電解室に原水を供給する原水供給手段と、該隔膜を挟んで各電解室に設けられた1対の電極と、両電極に電圧を印加して該原水供給手段により各電解室に供給された原水を電解することにより得られた電解水を各電解室から取り出す電解水取出手段とを備える電解水生成装置の電解槽において、各電極が該隔膜の両表面に密着して形成された膜−電極構造体と、各電解室の該膜−電極構造体に対向する内壁面に該内壁から該膜−電極構造体に向かって突出して設けられ、先端部で該膜−電極構造体に圧接する複数の突出部と、少なくとも該突出部の先端部を含む該電解室の内壁に沿って形成された導電性金属部材からなる集電体とを備えることを特徴とする。 【0009】 本発明の電解槽では、各電解室の前記膜−電極構造体に対向する内壁面に、該内壁から該膜−電極構造体に向かって突出する複数の突出部が設けられており、該突出部はその先端部で該膜−電極構造体に圧接するようにされている。そして、前記電解室には、前記内壁に沿って導電性金属部材からなる集電体が備えられている。 【0010】 ここで、前記集電体は、少なくとも前記突出部の先端部を含むように形成されている。このような構成によれば、前記突出部が前記膜−電極構造体に圧接されることにより、前記集電体もまた各電極に当接されることとなり、膜−電極構造体の電極に対する該集電体の接触面積が大きくなる。従って、前記集電体から前記電極に対して電力が均一に供給され、該集電体から該電極に確実に十分な電力を供給することができる。 【0011】 また、前記電解室の内壁に設けられた前記突出部は、該電解室内に流路を形成したり、あるいは流路中に島状に形成することにより、電解水中のイオンを拡散する効果を向上させることができる。 【0012】 前記集電体は、少なくとも前記突出部の先端部を含む前記電解室の内壁を被覆するものを用いることができ、このような集電体として例えば蒸着またはメッキにより形成された導電性金属部材層を用いることが好ましい。前記導電性金属部材層は、前記蒸着またはメッキにより、前記電解室の内壁に容易に形成することができる。 【0013】 本発明の電解槽においては、前記各電解室と前記隔膜との間に、前記集電体を外部電源に接続する接続部材として導電性の金属パッキンを備えることが好ましい。前記導電性の金属パッキンによれば、簡単な構成で、前記電解槽内部の密封性を維持しつつ、前記集電体に電力を供給することができる。 【0014】 また、本発明の電解槽において、前記各電解室は、前記膜−電極構造体の両側の互いに対向する位置に前記突出部を備えることを特徴とする。前記突出部が、前記膜−電極構造体の両側の互いに対向する位置に備えられていることにより、該膜−電極構造体は両側から均等な圧力で押圧され、一方の側だけに局部的な圧力が加わることを避けることができる。 【0015】 さらに、本発明の電解槽において、前記電極は、導電性粉体を含む多孔質体からなることを特徴とする。前記電極は前記多孔質体であることにより、前記隔膜の表面全体を被覆した場合にも前記原水を透過させて該隔膜に接触させることができるので、該隔膜の機能を阻害することなく、十分なイオン交換能を得ることができる。 【0016】 また、前記電極は前記多孔質体であることにより、前記原水との接触面積が大きくなり、電解効率を向上させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の電解槽の構成を示す説明的断面図、図2は図1に示す膜−電極構造体の側から見た電解室の平面図である。 【0018】 本実施形態の電解槽1は電解水生成装置に用いられるものであり、図1に示すように、膜−電極構造体2と、膜−電極構造体2を挟持する電解槽ケース3,4を備え、各電解槽ケース3,4は内部に電解室5,6を備えている。 【0019】 膜−電極構造体2は、陰イオン交換膜7の両表面に膜状の電極8a,8bが形成された構成を備えている。陰イオン交換膜7としては、例えば、旭化成工業株式会社製アシプレックス(登録商標)、旭硝子株式会社製セレミオン(登録商標)等の炭化水素系ポリマーからなる陰イオン交換膜あるいは旭硝子株式会社製フレミオン(登録商標)等のフッ素系陰イオン交換膜を用いることができる。また、電極8a,8bは、カーボンブラック等の導電性粉体に、白金、イリジウム等の金属粉末を例えば前記導電体粉末に対して5重量%の割合で混合し、さらにポリビニルアルコールを水とアルコールとの混合液に溶解した混合物を加えたペースト状体を、陰イオン交換膜7の両表面に所定の形状に塗布し、加熱、加圧することにより、陰イオン交換膜7に密着し、陰イオン交換膜7と一体に形成されている。電極8a,8bは、前記導電性粉体、金属粉末から形成されるので、直径数μmの細孔を備える多孔質体、所謂マイクロポーラス状体となっている。尚、前記ペースト状体において、ポリビニルアルコールは結着剤として使用されている。 【0020】 膜−電極構造体2では、陰イオン交換膜7は50〜200μmの膜厚を備えている。また、電極8a,8bは、前述の方法により乾燥膜厚が30〜200μmとなるように形成されている。 【0021】 電解室5,6は、膜−電極構造体2を介して対向配置されており、膜−電極構造体2に対向する内壁9,10に、膜−電極構造体2に向かって突出する突出部11,12が設けられている。突出部11,12はその平坦な先端部13,14で膜−電極構造体2の表面に圧接されるようになっている。突出部11,12は、各電解室5,6にそれぞれ複数設けられており、膜−電極構造体2の両側に互いに対向する位置に備えられている。従って、膜−電極構造体2は、両側から均等な圧力で押圧され、一方の側だけに局部的な圧力が加わることを避けることができる。 【0022】 そして、電解室5,6の内壁15,16には、少なくとも突出部11,12の先端部13,14の表面を被覆する導電体金属層15,16が形成されている。導電体金属層15,16は、例えば、蒸着またはメッキにより容易に形成することができ、例えば0.5〜100μmの厚さを備えている。導電体金属層15,16は、少なくとも突出部11,12の先端部13,14の表面を被覆していればよく、他の部分は各先端部13,14を接続するラインとしての機能を備えるものであってもよい。このような構成を備える導電体金属層15,16は、前記蒸着またはメッキにより形成されたのち、必要に応じてエッチングを施すことにより所定のパターンとすることができる。導電体金属層15,16は、突出部11,12により、膜−電極構造体2の電極8a,8bに圧接されて集電体として作用する。 【0023】 電解槽ケース3,4は、それぞれゴム等の非電導性弾性材料からなるパッキン17,18と、導電性の金属パッキン19,20とを介して膜−電極構造体2を挟持している。金属パッキン19,20は、集電体としての導電体金属層15,16と接続されると共に、電解槽ケース3と電解槽ケース4とでそれぞれ異なる位置から外部に引き出されている。この結果、金属パッキン19,20は、図示しない導線を介して図示しない電源装置に接続され、該電源装置から導電体金属層15,16に電力を供給する接続部材として作用する。 【0024】 また、電解槽ケース3,4は、電解室5,6に原水を供給する原水供給口21,22と、各電解室5,6から電解水を取り出す電解水取出口23,24とを備えている。原水供給口21,22は図示しない原水タンク等の原水供給手段に接続されており、電解水取出口23,24は図示しない貯水タンク等に接続されている。 【0025】 本実施形態の電解槽1では、例えば電極8aを陽極、電極8bを陰極とする場合、原水供給口21を介して電解室5にほとんど電解質を含まない水を原水として供給し、原水供給口22を介して電解室6に電解質を含む原水として食塩水(塩化ナトリウム水溶液)を供給しながら、集電体としての導電体金属層15,16を介して電極8a,8bに通電する。この結果、電解室5には次亜塩素酸を含む酸性電解水が得られ、該酸性電解水は電解水取出口23を介して取り出される。一方、電解室6にはアルカリ性電解水が得られ、該アルカリ性電解水は電解水取出口24を介して取り出される。 【0026】 このとき、電極8a,8bは、陰イオン交換膜7の両表面に密着して陰イオン交換膜7と一体に形成されており両電極間の間隔が非常に狭いので、電極間抵抗が小さく、低電圧で効率よく電解を行うことができる。 【0027】 また、集電体としての導電体金属層15,16は、各電解室5,6の内壁に設けられた突出部11,12により電極8a,8bに圧接されている。従って、導電体金属層15,16の、電極8a,8bに対する接触面積が大きくなり、電極8a,8bに対して十分な電力を均一かつ確実に供給することができる。 【0028】 尚、本実施形態の電解槽1において、突出部11,12は、膜−電極構造体2の両側に互いに対向する位置に設けられているが、突出部11,12は、それぞれ導電体金属層15,16を電極8a,8bに圧着することができればよく、必ずしも対向する位置に設けられていなくてもよい。 【0029】 また、本実施形態の電解槽1において、突出部11,12は、図2に突出部11を例として示すように、電解室5の長さ方向に沿って平行に複数設けられ、突出部11,11間に流路25を形成しているが、図2に仮想線111で示すように流路25の中に島状に設けられていてもよい。電解槽ケース3は、外周部に設けられたボルト孔26に挿通されるボルトと該ボルトに螺着されるナットとにより、電解槽ケース室4と共に膜−電極構造体2に圧接される。 【0030】 また、本実施形態の電解槽1においては、イオン透過性の隔膜として陰イオン交換膜7を使用しているが、これに代えて陽イオン交換膜を使用しても同様に実施することができる。 【0031】 本実施形態の電解槽1は、電極8a,8bに電力を供給する電源装置や前記原水供給手段等の作動を制御する制御装置等の周辺装置を備えることにより、電解水生成装置を構成することができる。 【図面の簡単な説明】 【0032】 【図1】本発明の電解槽の一実施形態を示す説明的断面図。 【図2】図1に示す膜−電極構造体の側から見た電解室の平面図。 【符号の説明】 【0033】 1…電解槽、 2…膜−電極構造体、 5,6…電解室、 7…隔膜、 8a,8b…電極、 11,12…突出部、 15,16…集電体、 19,20…接続部材、 21,22…原水供給手段、 23,24…電解水取出手段。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成16年11月25日(2004.11.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077805 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 辰彦
【識別番号】100077665 【弁理士】 【氏名又は名称】千葉 剛宏
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| 【公開番号】 |
特開2006−152318(P2006−152318A) |
| 【公開日】 |
平成18年6月15日(2006.6.15) |
| 【出願番号】 |
特願2004−339890(P2004−339890) |
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