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【発明の名称】 |
ホットプレス用めっき鋼板の製造方法 |
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【氏名】阿部 雅之 【住所又は居所】北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 【氏名】真木 純 【住所又は居所】北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 【氏名】大神 正浩 【住所又は居所】北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 【氏名】楠見 和久 【住所又は居所】北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 【氏名】藤田 展弘 【住所又は居所】千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技術開発本部内 【氏名】中島 信也 【住所又は居所】北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 【氏名】宮腰 寿拓 【住所又は居所】東京都千代田区大手町2−6−3 新日本製鐵株式会社内 【氏名】林 邦夫 【住所又は居所】千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技術開発本部内 |
【課題】強度が必要とされ、高温プレスで製造される、自動車部品の構造部材に代表される部材に使用される、高温成形後に1200MPa以上の強度を得ることができ、高温成形性及び対水素脆性に優れたアルミめっき鋼板、亜鉛めっき鋼板あるいはアルミ−亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、Cを0.1%以上、0.5%以下含有する鋼板を焼鈍するに際し、水素濃度15%以下、露点0℃以下の雰囲気にて660℃以上、Ac3点以下の温度にて焼鈍した後に、アルミニウムもしくは亜鉛を主体とするめっきを施し、鋼中の拡散性水素を0.3ppm以下とすることを特徴とするホットプレス用鋼板の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 質量%で、Cを0.1%以上、0.5%以下含有する鋼板を焼鈍するに際し、水素濃度15%以下、露点0℃以下の雰囲気にて660℃以上、Ac3点以下の温度にて焼鈍した後に、アルミニウムもしくは亜鉛を主体とするめっきを施し、鋼中の拡散性水素を0.3ppm以下とすることを特徴とするホットプレス用鋼板の製造方法。 【請求項2】 質量%で、Cを0.1%以上、0.5%以下含有するスラブを加熱し、熱間圧延工程における圧延終了温度をAr3変態点以上とし、熱間圧延後の巻取温度を500℃以上、750℃以下とし、酸洗、冷延を施し、水素濃度10%以下、露点−5℃以下の雰囲気にて660℃以上、Ac3点以下の温度にて焼鈍した後に、アルミニウムもしくは亜鉛を主体とするめっきを施し、鋼中の拡散性水素を0.3ppm以下とすることを特徴とするホットプレス用鋼板の製造方法。 【請求項3】 鋼板が質量%で、C:0.1%以上、0.5%以下、Si:0.1〜2%、Mn:0.1〜3%を含有し、残部不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホットプレス用鋼板の製造方法。 【請求項4】 鋼板のP,Sを質量%で、それぞれP≦0.1%、S≦0.03%とすることを特徴とする請求項3に記載のホットプレス用鋼板の製造方法。 【請求項5】 鋼板が質量%で、さらにCr:0.1〜5%、Mo:0.1〜3%、B:0.0003〜0.005%、V:0.01〜2%、W:0.01〜3%のうち1種以上を含有することを特徴とする請求項3乃至請求項4に記載のホットプレス用鋼板の製造方法。 【請求項6】 鋼板が質量%で、さらにN:0.01%以下、Ti:0.005〜1%、Nb:0.01〜1%、Al:0.005〜1%のうち1種以上を含有することを特徴とする請求項3乃至請求項5に記載のホットプレス用鋼板の製造方法。 【請求項7】 鋼板が質量%で、さらにNi:0.01〜5%、Cu:0.01〜3%のうち1種以上を含有することを特徴とする請求項3乃至請求項6に記載のホットプレス用鋼板の製造方法。 【請求項8】 鋼板が質量%で、さらにSn:0.005〜0.1%、Sb:0.005〜0.1%のうち1種以上を含有することを特徴とする請求項3乃至請求項7に記載のホットプレス用鋼板の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、高温でのプレスにより製造される自動車部品の構造部材に代表されるような強度が必要とされる部材に使用されるめっき鋼板およびその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 地球環境問題に端を発する自動車の軽量化のためには、自動車に使用される鋼板をできるだけ高強度化することが必要となるが、一般に鋼板を高強度化していくと伸びやr値が低下し、成形性が劣化していく。このような課題を解決するために、温間で成形し、その際の熱を利用して強度上昇を図る技術が、特許文献1に開示されている。この技術では、鋼中成分を適切に制御し、フェライト温度域で加熱し、この温度域での析出強化を利用して強度を上昇させることを狙っている。 また、特許文献2では、プレス成形精度を向上させる目的で成形温度での降伏強度を常温での降伏強度より大きく低下する高強度鋼板が提案されている。しかしながら、これらの技術では得られる強度に限度がある可能性がある。一方、より高強度を得る目的で、成形後に高温のオーステナイト単相域に加熱し、その後の冷却過程で硬質の相に変態させる技術が特許文献3に提案されている。 しかしながら、成形後に加熱・急速冷却を行うと形状精度に問題が生じる可能性がある。この欠点を克服する技術としては、鋼板をオーステナイト単相域に加熱し、その後プレス成形過程にて冷却を施す、いわゆるホットプレスの技術が、非特許文献1や特許文献4に開示されている。 【特許文献1】特開2000−234153号公報 【特許文献2】特開2000−87183号公報 【特許文献3】特開2000−38640号公報 【特許文献4】特開2001−181833号公報 【非特許文献1】SAE, 2001−01−0078 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 自動車等に使用される高強度鋼板は高強度化されるほど、前述のような成形性の問題や、特に1000MPaを超えるような高強度材においては、従来から知られているように水素脆化(置きわれや遅れ破壊と呼ばれることもある)という本質的な課題がある。特にホットプレス用鋼板として用いられる場合、素材の水素量を下げることが望ましいが、本発明で対象とするめっき鋼板ではめっきの影響により拡散性水素の残留が起こりやすいため、その低減が重要である。本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、高温成形後に1200MPa以上の強度を得ることができる高温成形性に優れたアルミめっき鋼板、亜鉛めっき鋼板、あるいはアルミ−亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明者らは、上記課題を解決するために種々の検討を実施した。その結果、めっきをする際の雰囲気及び温度を制御することで対水素脆性に優れたホットプレス用めっき鋼板が製造できることを見出した。すなわち、本発明の要旨とするところは下記のとおりである。 (1)質量%で、Cを0.1%以上、0.5%以下含有する鋼板を焼鈍するに際し、水素濃度15%以下、露点0℃以下の雰囲気にて660℃以上、Ac3点以下の温度にて焼鈍した後に、アルミニウムもしくは亜鉛を主体とするめっきを施し、鋼中の拡散性水素を0.3ppm以下とすることを特徴とするホットプレス用鋼板の製造方法。 (2)質量%で、Cを0.1%以上、0.5%以下含有するスラブを加熱し、熱間圧延工程における圧延終了温度をAr3変態点以上とし、熱間圧延後の巻取温度を500℃以上、750℃以下とし、酸洗、冷延を施し、水素濃度10%以下、露点−5℃以下の雰囲気にて660℃以上、Ac3点以下の温度にて焼鈍した後に、アルミニウムもしくは亜鉛を主体とするめっきを施し、鋼中の拡散性水素を0.3ppm以下とすることを特徴とするホットプレス用鋼板の製造方法。 (3)鋼板が質量%で、C:0.1%以上、0.5%以下、Si:0.1〜2%、Mn:0.1〜3%を含有し、残部不可避的不純物からなることを特徴とする(1)または(2)に記載のホットプレス用鋼板の製造方法。 (4)鋼板のP,Sを質量%で、それぞれP≦0.1%、S≦0.03%とすることを特徴とする(3)に記載のホットプレス用鋼板の製造方法。 (5)鋼板が質量%で、さらにCr:0.1〜5%、Mo:0.1〜3%、B:0.0003〜0.005%、V:0.01〜2%、W:0.01〜3%のうち1種以上を含有することを特徴とする(3)乃至(4)に記載のホットプレス用鋼板の製造方法。 (6)鋼板が質量%で、さらにN:0.01%以下、Ti:0.005〜1%、Nb:0.01〜1%、Al:0.005〜1%のうち1種以上を含有することを特徴とする(3)乃至(5)に記載のホットプレス用鋼板の製造方法。 (7)鋼板が質量%で、さらにNi:0.01〜5%、Cu:0.01〜3%のうち1種以上を含有することを特徴とする(3)乃至(6)に記載のホットプレス用鋼板の製造方法。 (8)鋼板が質量%で、さらにSn:0.005〜0.1%、Sb:0.005〜0.1%のうち1種以上を含有することを特徴とする(3)乃至(7)に記載のホットプレス用鋼板の製造方法。 【発明の効果】 【0005】 本発明によれば、高温成形後に高強度となる高温成形性に優れたアルミめっき鋼板あるいはアルミ−亜鉛めっき鋼板が製造でき、工業的に価値の大きなものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 以下、本発明について詳細に説明する。 まず、鋼成分を限定した理由について述べる。Cは冷却後の組織をマルテンサイトとして材質を確保するために添加する元素であり、強度1000MPa以上を確保するためには0.1%以上添加する必要がある。ところが、添加量が多すぎると、衝撃変形時の強度確保が困難となるため、その上限を0.5%とした。 Si:0.1〜2% Siは固溶強化元素であり、比較的安価に鋼板の強度を上昇させることができ0.1%以上で効果が認められるが、1%を超えて添加しても効果が飽和し、まためっき性が劣化するため、その上限を2%とした。 Mn:0.1〜3% Mnは、強度や焼入れ性の観点から有用な元素であり0.1%以上で効果が認められるが、3%を超えて添加してもコストが上昇しまた効果が飽和するため、上限を3%とした。 【0007】 P≦0.1% Pは固溶強化元素であり、比較的安価に鋼板の強度を上昇させることができる。ただし、添加量がむやみに増加すると高強度材での靭性を低下させるなどの悪影響が出るため上限を0.1%とした。 S≦0.03% Sは不可避的に含まれる元素であり、靭性を低下させるなど加工性劣化の要因となるため、低いほど望ましく、0.03%以下とすることで加工性に対する問題は解消されるため、その範囲を0.04%以下とした。 Cr:0.1〜5% Crは焼入れ性の観点から有用な元素であり、0.1%以上にて効果を発揮する。但し、5%を超えて添加しても効果は飽和し、またコストも上昇するので上限を5%とした。 Mo:0.1〜3% Moは焼入れ性の観点から有用な元素であり、0.1%以上にて効果を発揮する。但し、3%を超えて添加しても効果は飽和し、またコストも上昇するので上限を3%とした。 【0008】 B:0.0003〜0.005% Bも焼入れ性の観点から有用な元素であり、0.0003%以上の添加が必要である。但し、0.005%を超えて添加しても効果は飽和し、また鋳造欠陥や熱間圧延時の割れを生じさせるなど製造性を低下させるので、上限を0.005%とした。 V:0.01〜2% Vは焼入れ性の観点から有用な元素であり、0.1%以上にて効果を発揮する。但し、2%を超えて添加しても効果は飽和し、またコストも上昇するので上限を2%とした。 W:0.01〜3% Wは焼入れ性の観点から有用な元素であり、0.1%以上にて効果を発揮する。但し、3%を超えて添加しても効果は飽和し、またコストも上昇するので上限を3%とした。 【0009】 N:0.01%以下 Nは不可避的に含まれる元素であり、特性の安定化の観点からは固定することが望ましく、Ti,Nb,Al等にて固定可能であるが、N量が増加すると固定用に添加する元素が多量となり、コストアップを招くことになるため、その上限を0.01%とした。 Ti:0.005〜0.5% TiはN固定の観点から添加することができ、質量%にてNの約3.4倍添加することが必要であるが、Nは低減しても10ppm程度であるので、下限を0.005%とした。またTiを過剰に添加しても焼入れ性を低下させ、また強度も低下させるためその上限を0.5%とした。 Nb:0.01〜1% NbはN固定の観点から添加することができ、質量%にてNの約6.6倍添加することが必要であるが、Nは低減しても10ppm程度であるので、下限を0.01%とした。またNbを過剰に添加しても焼入れ性を低下させ、また強度も低下させるためその上限を0.5%とした。 【0010】 Al:0.005〜1% AlはN固定の観点から添加することができ、また脱酸剤としても有用であり、この場合には鋼中に0.005%以上含有させることが必要であるが、1%を超えて添加しても上記の観点では効果も飽和するため上限を1%とした。 Ni:0.01〜5%、 Niは焼入れ性に加え、耐衝撃特性改善に繋がる低温靭性の観点で有用な元素であり、0.1%以上にて効果を発揮する。但し、5%を超えて添加しても効果は飽和し、またコストも上昇するので上限を5%とした。 Cu:0.01〜3% Cuも焼入れ性に加え、靭性の観点で有用な元素であり、0.1%以上にて効果を発揮する。但し、3%を超えて添加しても効果は飽和し、またコストを上昇させるばかりでなく鋳片性状の劣化や熱間圧延時の割れや疵発生を生じさせるためその上限を5%とした。 【0011】 Sn:0.005〜0.1% Sb:0.005〜0.1% Sn、Sbはめっきの濡れ性や密着性を向上させるのに有効な元素であり,0.005%〜0.1%で添加できる。いずれも0.005%未満では効果が認められず、0.1%を超えて添加すると製造時の疵が発生しやすくなったり、また靭性の低下を引き起こしたりするため上限を0.1%とした。 その他の成分については特に規定しない。Zr,As等の元素がスクラップから混入する場合があるが、通常の範囲であれば本発明鋼の特性には影響しない。 また本発明の特徴であるめっき前の焼鈍については、鋼板の軟質化のためには660℃以上の温度が必要であり、特にアルミめっきを施す場合はめっき浴温高いため、焼鈍温度は700℃以上が望ましい。またAc3点を超えた高温では水素溶解度が高くなり拡散性水素も多量となるために、Ac3点以下の焼鈍とする。また拡散性水素量は焼鈍する雰囲気にて大きく変わり、前述の焼鈍条件と合わせ、後述するように雰囲気中の水素濃度が15%以下で且つ露点が0℃以下にすることで鋼中の拡散性水素を低く制御することができる。 【0012】 熱間圧延は通常の熱延工程、あるいは仕上圧延においてスラブを接合し圧延する連続化熱延工程のどちらでも可能である。熱間圧延の際の圧延終了温度は生産性や板厚精度、また異方性改善の観点からAr3変態点以上とする。熱間圧延後の冷却は通常の方法で行うが、その際の巻取温度は生産性の観点からは500℃未満とすると、熱延板の強度が高くなりまた靭性も低下し、熱処理が必要になり、また巻取温度が高すぎる場合には酸洗性が劣化するため750℃以下とする。 それ以外の鋼板の製造条件については特に規定しないが、以下に望ましい製造条件について説明する。前述したような成分の鋼を鋳造し、得られた熱片スラブを直接または加熱した後、あるいは冷片を再加熱して熱間圧延を施す。その際、熱片スラブを直接圧延することと再加熱後に圧延することでの特性変化はほとんど認められない。また、再加熱温度は特に限定しないが、生産性を考慮して1000℃から1300℃の範囲とすることが好ましい。 酸洗、冷間圧延は常法でよく、その後焼鈍−めっきの工程は通常一連の工程にて実施され、焼鈍工程では上述の雰囲気制御が必要であるが、めっきの条件については通常の方法で問題ない。つまり、アルミめっきであれば浴中Si濃度は5〜12%が適しており、亜鉛めっきであれば、浴中Al濃度は0.1〜50%が適している。以上の製造条件ではめっき前に鋼板表面に金属プレめっきを施していないが、NiプレめっきやFeプレめっき、その他めっき性を向上させる金属プレめっきを施しても特に問題は無い。また、アルミめっき層中にMgやZnが混在しても、アルミ−亜鉛めっき層中にMgが混在しても特に問題なく同様の特性の鋼板を製造することができる。 【実施例】 【0013】 次に、本発明の拡散性水素の規定について、実施例を用いて説明する。 表1に示す成分の鋼を実験室にて溶製し50kgの鋼塊とし、1200℃の温度に再加熱後、4mmまで熱延し、酸洗を行い、1.6mmまで冷間圧延を施した。その後、種々の温度にて焼鈍してアルミめっきを行いめっき鋼板を製造した。さらにこれらのめっき鋼板を露点−35℃の窒素雰囲気にて900℃に加熱し、5分間この温度で保定後、常温の金型でプレス成形を行った。その後、打ち抜き加工を施し、打ち抜き面での亀裂発生有無を調査し、耐水素脆化特性を評価した。打ち抜きの条件は、ポンチ10mmφ、ダイス10.5mmφ、クリアランスは15.6%にて20mm/minで実施した。なお、打ち抜き速度やクリアランスを変化させても評価結果としては大きな差は認められなかった。 まためっき後の鋼板の拡散性水素量を測定した。拡散性水素量は、めっき鋼板作成後に30分以内にせん断加工して試験片を作成し、試験片を石英管中に入れArにて置換した後100℃/hrにて昇温し、250℃まで発生した水素をガスクロマトグラフにより測定する昇温法にて実施した。水素測定がすぐにできない場合は試験片を液体窒素中に保管を実施した。 【表1】
【0014】 焼鈍温度と拡散性水素量およびホットプレス後の後加工時の微小クラックとの関係を図1に示す。焼鈍温度が高くなるほど拡散性水素量は高くなり、また鋼板の拡散性水素量が0.3ppm以上になると水素脆化感受性が高くなり、鋼板として拡散性水素量を制御する必要があることが明らかとなった。 また同一材を用いて窒素を主体とした雰囲気にて水素量と露点を変え750℃にて1分の焼鈍をした場合の、雰囲気と拡散性水素量との関係を図2に示す。この結果より露点を0℃以下、水素量を15%以下に制御することで鋼板中の拡散性水素量を0.3ppm以下に制御することが可能である。 以上より、鋼板の拡散性水素量はめっき時の雰囲気の水素量および焼鈍温度にて変化し、ホットプレス後の後加工(ピアス)部での水素脆化挙動が大きく変わることが判明した。原板の拡散性水素量が0.3ppm以下であれば、後加工後の水素に起因する微小亀裂の発生を抑えることが容易な鋼板となる。 【0015】 上記の現象を鋼板の成分及び焼鈍条件を変えた結果を表2、及び表3に示す。表2に示す成分の鋼板は前述の表1に示す鋼板と同様に実験室にて製造し、加熱温度を1050℃から1250℃にて再加熱後に熱間圧延し、酸洗−冷延をして1.6mmの鋼板とした。焼鈍条件を変えめっき処理(アルミめっきあるいはアルミ−亜鉛めっき(ガルバリウム鋼板)及び亜鉛めっき)を行い、鋼板の拡散性水素量を測定した。めっきの付着量はアルミめっきでは両面で160g/m2、ガルバリウム鋼板は両面で150g/m2、亜鉛めっきは180g/m2とした。 これらの鋼板を露点−35℃の窒素雰囲気にて900℃に加熱し、5分間この温度で保定後、常温の金型でプレス成形を行った。その後、打ち抜き加工を施し、打ち抜き面での亀裂発生有無を調査し、耐水素脆化特性を評価した。打ち抜きの条件は、ポンチ10mmφ、ダイス10.5mmφ、クリアランスは15.6%にて20mm/minで実施した結果を合わせて表3に示す。表3に示すように本発明条件範囲では水素脆化による微小亀裂は認められないが、本発明の範囲を超えた条件にて製造した鋼板では微小亀裂が認められ、水素脆化感受性が高いことが認められた。 【表2】
【表3】
【図面の簡単な説明】 【0016】 【図1】本発明におけるの焼鈍温度と拡散性水素量およびホットプレス後のせん断加工後の微小亀裂発生の関係を示す図である。 【図2】本発明におけるの焼鈍雰囲気と拡散性水素量の関係を示す図である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006655 【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区大手町2丁目6番3号
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| 【出願日】 |
平成16年7月23日(2004.7.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097995 【弁理士】 【氏名又は名称】松本 悦一
【識別番号】100074790 【弁理士】 【氏名又は名称】椎名 彊
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| 【公開番号】 |
特開2006−37130(P2006−37130A) |
| 【公開日】 |
平成18年2月9日(2006.2.9) |
| 【出願番号】 |
特願2004−215353(P2004−215353) |
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