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【発明の名称】 |
タップ形成ボルト |
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【氏名】黒木 俊昭 【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野自動車株式会社内 【氏名】斉藤 憲治 【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野自動車株式会社内 【氏名】森下 徳夫 【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野自動車株式会社内 【氏名】斉藤 信之 【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野自動車株式会社内 |
【課題】遅れ破壊に起因するねじの頭飛びを生じさせない。
【解決手段】タップ形成ボルトは、頭部11とその頭部11に垂設され先端にねじ成形部12aを有するねじ部12とを備え、ブラケット13に形成された挿通孔13aにねじ部を挿通し、フレーム14に形成された下孔の内周面にねじ成形部12aがねじ山14aを成形し、形成されたねじ山14aにねじ部12が螺合した状態で頭部11がブラケット13をフレーム14に押し付けるように構成される。ねじ成形部12aにのみ高周波焼き入れが施される。ねじ山14aに螺合するねじ部12表面のHv硬度が350未満であり、ねじ山14aを形成するねじ成形部12a表面のHv硬度が350以上である。ブラケット13の厚さをT1、フレーム14の厚さをT2とするとき、ねじ成形部12aの長さL1とねじ部12の全長L2との関係が次の式を満たす。L1≦L2−(T1+T2) |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 頭部(11)と前記頭部(11)に垂設され先端にねじ成形部(12a)を有するねじ部(12)とを備え、ブラケット(13)に形成された挿通孔(13a)に前記ねじ部を挿通し、フレーム(14)に形成された下孔の内周面に前記ねじ成形部(12a)がねじ山(14a)を成形し、形成された前記ねじ山(14a)に前記ねじ部(12)が螺合した状態で前記頭部(11)が前記ブラケット(13)を前記フレーム(14)に押し付けるように構成されたタップ形成ボルトにおいて、 前記ねじ成形部(12a)にのみ高周波焼き入れが施されたことを特徴とするタップ成形ボルト。 【請求項2】 ねじ山(14a)に螺合するねじ部(12)表面のHv硬度が350未満であり、前記ねじ山(14a)を形成するねじ成形部(12a)表面のHv硬度が350以上である請求項1記載のタップ成形ボルト。 【請求項3】 ブラケット(13)の厚さをT1、フレーム(14)の厚さをT2とするとき、ねじ成形部(12a)の長さL1とねじ部(12)の全長L2との関係が以下の式(1)を満たす請求項1又は2記載のタップ成形ボルト。 L1≦L2−(T1+T2) ……………… (1)
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、本発明は下孔を開けた部材にねじ山を形成しながら締結するタッピング性を兼備したタップ形成ボルトに関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来から頭付きねじ又はボルトを始めとして、タップ形成ボルト等のねじ類は様々な分野で締結手段として利用されている。このタップ形成ボルトは、相手部材に下孔をあけるだけで自らタップを立てながら螺入するので、普通の小ねじ(ボルト・ナット)による締結のように予め相手部材にねじ山を成形しておく手間が省けるので、大幅に作業を軽減できる利点がある。タップ形成ボルトは相手部材に下孔を開けるだけでねじ山を成形しながら締結するので、普通のボルト・ナットによる締結よりもねじ山の成形の点で大幅に作業を軽減できる利点がある。この性能からタップ形成ボルトは相手部材にねじ山を成形する必要が有るため相手部材よりも十分硬くなければならず、また、締結手段としての機械的性質も満足することが重要である。 【0003】 このことから従来例えばJISB1122十字孔付きタップ形成ボルトはJISG3539冷間圧造用炭素鋼線のSWRCH12A〜22A(アルミキルド鋼)又はSWRCH12K〜22K(キルド鋼)が用いられ転造加工等によってネジ成形し、浸炭(浸炭窒化)焼入れ、焼戻しの調質処理によって製造されてきた。タップ形成ボルト用鋼種を決定する重要な要因の1つは焼入れ後の靭性の確保であってその意味で粒度の細かいアルミキルド鋼が良いとされている一方で、靭性と相反する傾向にある硬さ・強さなどの特性も同時に満足しなければならない。そのため、表面硬化処理を施し、表面硬さHvで550〜700、芯部硬さHvで200〜320、硬化層深さ0.05〜0.7mm、引張り強さ800〜1200N/mm2を有することを特徴とする高強度のタップ形成ボルト(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。この高強度のタップ形成ボルトでは、所望の強度を有し、かつタッピング性を兼備するとともにタップ形成ボルトを一度相手部材から外した後にタップ形成ボルトで成形されたねじ山に小ねじを螺合することができるように小ねじと互換性を持たせることができるものとしている。 【特許文献1】特開2001−247937号公報(特許請求の範囲) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかし、ねじ部の全体に浸炭処理が施された上記従来のタップ形成ボルトを用いて鋼板を締めつけると、締めつけた後の遅れ破壊によりねじの頭部が破壊する頭飛び現象が生じる場合があった。 本発明の目的は、遅れ破壊に起因するねじの頭飛びを生じさせないタップ形成ボルトを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 請求項1に係る発明は、図1に示すように、頭部11とその頭部11に垂設され先端にねじ成形部12aを有するねじ部12とを備え、ブラケット13に形成された挿通孔13aにねじ部を挿通し、フレーム14に形成された下孔の内周面にねじ成形部12aがねじ山14aを成形し、形成されたねじ山14aにねじ部12が螺合した状態で頭部11がブラケット13をフレーム14に押し付けるように構成されたタップ形成ボルトの改良である。 その特徴ある構成は、ねじ成形部12aにのみ高周波焼き入れが施されたところにある。 本発明者は、遅れ破壊に起因する頭飛び発生が以下のメカニズムによることを知見し、本発明をするに至った。即ち、浸炭処理したねじの表層部には、0.1mm程度の厚さの浸炭硬化層が形成されているが、締めつけ後のねじには上記浸炭硬化層内部に微小な亀裂が発生し、この亀裂が粒界に沿って内部に進展し破断に至り、ねじの頭飛びが生じる。この請求項1に記載されたタップ形成ボルトでは、ねじ山14aに螺合するねじ部12に浸炭硬化層は存在しないので、たとえ表面に微小な亀裂が発生していたとしても、この亀裂が粒界に沿って内部に進展することはなく、遅れ破壊に起因するねじの頭飛びを生じさせない。また、ねじ成形部12aに高周波焼き入れをおこなうので、実際にねじ山14aを形成する成形部12aの表面硬度を確保することができる。 【0006】 請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、ねじ山14aに螺合するねじ部12表面のHv硬度が350未満であり、ねじ山14aを形成するねじ成形部12a表面のHv硬度が350以上であることを特徴とする。 本発明者は、ねじの硬度と遅れ破壊との間に関連性があり、その硬度がHv350以上で遅れ破壊の頻度が高いことを知見した。この請求項2に記載されたタップ成形ボルトでは、ねじ山14aを形成するねじ成形部12a表面のHv硬度が350以上であるので、下孔にねじ山14aを有効に形成することができる。そして、形成されたねじ山14aに螺合するねじ部12表面のHv硬度が350未満であるので、実際に螺合するねじ部12に遅れ破壊が生じることを防止して、ブラケット13のフレーム14に対する取付強度を確保することができる。 【0007】 請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、ブラケット13の厚さをT1、フレーム14の厚さをT2とするとき、ねじ成形部12aの長さL1とねじ部12の全長L2との関係が以下の式(1)を満たすことを特徴とする。 L1≦L2−(T1+T2) ……………… (1) この請求項3に記載されたタップ成形ボルトでは、ブラケット13がフレーム14に取付けられた状態で、ねじ成形部12aはフレーム14から突出する。このため、ねじ成形部12aがねじ山14aに螺合することはなく、ねじ山14aに螺合することに起因するねじ成形部12aの遅れ破壊を有効に回避することができる。 【発明の効果】 【0008】 本発明のタップ形成ボルトでは、ねじ部先端のねじ成形部にのみ高周波焼き入れを施したので、ねじ山に実際に螺合するねじ部自体に浸炭硬化層は存在しない。このため、たとえ表面に微小な亀裂が発生していたとしても、この亀裂が粒界に沿って内部に進展することはなく、遅れ破壊に起因するねじの頭飛びを生じさせることはない。 また、ねじ成形部に高周波焼き入れをおこなうので、その成形部の表面硬度を比較的容易に高剛性にすることができる。そして、ねじ山を形成するねじ成形部表面のHv硬度が350以上であれば、下孔にねじ山を有効に形成することができ、形成されたねじ山に螺合するねじ部表面のHv硬度が350未満であれば、実際に螺合するねじ部に遅れ破壊が生じることを防止して、ブラケットのフレームに対する取付強度を確保することができる。 更に、ブラケットがフレームに取付けられた状態で、ねじ成形部がフレームから突出するようにすれば、ねじ成形部がねじ山に螺合することはなく、ねじ山に螺合することに起因するねじ成形部の遅れ破壊を有効に回避することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。 図1に示すように、本発明のタップ形成ボルト10は、頭部11とその頭部11に垂設されたねじ部12とを備える。このボルト10は、S48C、SCM435H等のボルト用鋼材を用いて作られ、ねじ部12は転造により形成され、頭部11は鍛造によりいわゆる六角頭に形成される。ねじ部12の先端にはねじ山を形成するためのねじ成形部12aが、転造時に同時に形成される。そして、ブラケット13をフレーム14に取付ける場合における本発明のタップ形成ボルト10を説明すると、そのブラケット13の厚さをT1、フレーム14の厚さをT2とするとき、ねじ成形部12aの長さL1とねじ部12の全長L2との関係が以下の式(1)を満たすように構成される。 L1≦L2−(T1+T2) ……………… (1) 本発明の特徴ある構成は、ねじ成形部12aにのみ高周波焼き入れが行われ、そのねじ成形部12a表面のHv硬度が350以上にされることを特徴とする。そして、そのねじ成形部12aにより下孔14aに形成されたねじ山に螺合するねじ部12表面のHv硬度は350未満である。 【0010】 このように構成されたタップ成形ボルト10では、ブラケット13に形成された挿通孔13aにねじ部12を挿通し、フレーム14に形成された下孔14aの内周面にねじ成形部12aがねじ山を成形し、そのねじ山14aにねじ部12が螺合する。これにより、頭部11がブラケット13をフレーム14に押し付ける。この結果、ブラケット13がフレーム14に取付けられる。 そして、ブラケット13がフレーム14に取付けられた状態では、ねじ成形部12aはフレーム14から突出してそのねじ成形部12aがねじ山14aに螺合することはなく、ブラケット13がフレーム14に取付けられた状態でそのねじ山14aに螺合するのは、表面のHv硬度が350未満であるねじ部12である。ここで、遅れ破壊は浸炭硬化層内部に微小な亀裂が発生し、この亀裂が粒界に沿って内部に進展することのより生じるけれども、ねじ山に螺合するねじ部12に浸炭硬化層は存在しない。また、その表面のHv硬度が350未満であるので、たとえ表面に微小な亀裂が発生していたとしても、この亀裂が粒界に沿って内部に進展することはなく、遅れ破壊に起因するねじの頭飛びを生じさせることはない。 【図面の簡単な説明】 【0011】 【図1】本発明実施形態のタップ形成ボルトを示す正面図である。 【符号の説明】 【0012】 11 頭部 12 ねじ部 12a ねじ成形部 13 ブラケット 13a 挿通孔 14 フレーム 14a ねじ山 T1 ブラケットの厚さ T2 フレームの厚さ L1 ねじ成形部の長さ L2 ねじ部の全長
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005463 【氏名又は名称】日野自動車株式会社 【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1
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| 【出願日】 |
平成16年6月30日(2004.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085372 【弁理士】 【氏名又は名称】須田 正義
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| 【公開番号】 |
特開2006−16648(P2006−16648A) |
| 【公開日】 |
平成18年1月19日(2006.1.19) |
| 【出願番号】 |
特願2004−193862(P2004−193862) |
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