| 【発明の名称】 |
無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂井 孝広 【住所又は居所】東京都中央区築地五丁目6番10号 JSR株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】パターン形状に優れたPDPの構成要素(例えば誘電体層、隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス)を好適に形成することができる無機粉体含有樹脂組成物を提供する。作業性に優れ、パターン形状に優れたPDPの構成要素が形成できる転写フィルムおよびPDPの製造方法を提供することにある。
【解決手段】(a)無機粉体、 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)無機粉体、 (b)結着樹脂 および (c)酸価が30mgKOH/g以上の低分子化合物 を含有し、JIS K 5601−2−1の方法により測定した酸価が8〜100mgKOH/gであることを特徴とする、無機粉体含有樹脂組成物。 【請求項2】 (b)結着樹脂が、カルボキシル基を含有するアクリル樹脂である、請求項1記載の無機粉体含有樹脂組成物。 【請求項3】 (c)低分子化合物が、有機酸または無機酸である、請求項1記載の無機粉体含有樹脂組成物。 【請求項4】 さらに(d)可塑剤を含有してなる、請求項1記載の無機粉体含有樹脂組成物。 【請求項5】 支持フィルム上に、 (a)無機粉体、 (b)結着樹脂 および (c)酸価が30mgKOH/g以上の低分子化合物 を含有し、JIS K 5601−2−1の方法により測定した酸価が8〜100mgKOH/gである無機粉体含有樹脂層を有することを特徴とする、転写フィルム。 【請求項6】 支持フィルム上に、(A)レジスト層と、 (B)(a)無機粉体、 (b)結着樹脂 および (c)酸価が30mgKOH/g以上の低分子化合物を含有し、 JIS K 5601−2−1の方法により測定した酸価が8〜100mgKOH/gである無機粉体含有樹脂層 とを積層してなることを特徴とする、転写フィルム。 【請求項7】 基板上に請求項1記載の無機粉体含有樹脂組成物から得られる層を形成し、当該層上にレジスト層を形成し、当該レジスト層を露光処理して、レジストパターンの潜像を形成し、当該レジスト層を現像処理してレジストパターンを顕在化させ、無機粉体含有樹脂層をエッチング処理してレジストパターンに対応する無機粉体含有樹脂層のパターンを形成し、当該パターンを焼成処理する工程を含む方法により、無機パターンを有するパネル材料を形成することを特徴とする、プラズマディスプレイパネルの製造方法。 【請求項8】 無機粉体含有樹脂組成物から得られる層が、請求項5記載の転写フィルムを用いて基板上に無機粉体含有樹脂層を転写することにより形成されることを特徴とする、請求項7記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。 【請求項9】 基板上に請求項1記載の無機粉体含有樹脂組成物から得られる層とレジスト層との積層膜を形成し、当該レジスト層を露光処理して、レジストパターンの潜像を形成し、当該レジスト層を現像処理してレジストパターンを顕在化させ、無機粉体含有樹脂層をエッチング処理してレジストパターンに対応する無機粉体含有樹脂層のパターンを形成し、当該パターンを焼成処理する工程を含む方法により、無機パターンを有するパネル材料を形成することを特徴とする、プラズマディスプレイパネルの製造方法。 【請求項10】 無機粉体含有樹脂組成物から得られる層とレジスト層との積層膜が、請求項6記載の転写フィルムを用いて基板上に無機粉体含有樹脂層とレジスト層との積層膜を転写することにより形成されることを特徴とする、請求項9記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、無機粉体含有樹脂組成物およびそれを用いて得られる転写フィルムに関する。詳しくは、プラズマディスプレイパネルを構成するパネル材料の形成に好適な、無機粉体含有樹脂組成物および転写フィルムに関する。 【背景技術】 【0002】 近年、平板状の蛍光表示体としてプラズマディスプレイが注目されている。図1は交流型のプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」ともいう)の断面形状を示す模式図である。同図において、1および2は対抗配置されたガラス基板、3は隔壁であり、ガラス基板1、ガラス基板2および隔壁3によりセルが区画形成されている。4はガラス基板1に固定された透明電極、5は透明電極4の抵抗を下げる目的で、当該透明電極4上に形成されたバス電極、6はガラス基板2に固定されたアドレス電極、7はセル内に保持された蛍光物質、8は透明電極4およびバス電極5を被覆するようガラス基板1の表面に形成された誘電体層、9はアドレス電極6を被覆するようガラス基板2の表面に形成された誘電体層、10は例えば酸化マグネシウムよりなる保護膜である。また、カラーPDPにあっては、コントラストの高い画像を得るため、ガラス基板と誘電体層との間に、カラーフィルター(赤色・緑色・青色)やブラックマトリックスなどを設けることがある。 【0003】 このようなPDPの誘電体層、隔壁、電極、蛍光体、カラーフィルターおよびブラックストライプ(マトリクス)等の製造方法としては、感光性無機粒子含有樹脂層を基板上に形成し、この膜にフォトマスクを介して紫外線を照射する方法やレーザー光を走査して直接描画する方法などで露光した上で現像することにより基板上にパターンを残存させ、これを焼成するフォトリソグラフィー法などが好適に用いられている。 【0004】 【特許文献1】特開平11−162339号公報 【特許文献2】特開2001−84833号公報 【特許文献3】特開2002−245932号公報 【特許文献4】特開2003−51250号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 アルカリ現像液を用いたフォトリソグラフィー法において、樹脂の酸価を調節することにより現像液に対する溶解性を調節しパターン形状の最適化が行われてきた。しかしながら、ペーストの分散安定性を満たすために、酸性基を持つ分散剤を添加する必要が生じており、この分散剤の影響により、樹脂の酸価を調節するだけでは、膜の溶解性が適切な範囲からはずれ、得られるパターンの形状が良好なものにならないと言う問題が生じている。 【0006】 本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものである。 本発明の第1の目的は、無機粉体含有樹脂層の酸価を調節することにより、無機粉体含有樹脂層の現像液への溶解性を制御しパターン形状に優れたPDPの構成要素(例えば誘電体層、隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス)を好適に形成することができる無機粉体含有樹脂組成物を提供することにある。 本発明の第2の目的は、作業性に優れ、パターン形状に優れたPDPの構成要素が形成できる転写フィルムを提供することにある。 本発明の第3の目的は、作業性に優れ、パターン形状に優れたPDPの構成要素が形成できるPDPの製造方法を提供することにある。 本発明のさらなる目的は、下記説明で明らかになろう。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明の無機粉体含有樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう)は、 (a)無機粉体、 (b)結着樹脂 および (c)酸価が30mgKOH/g以上の低分子化合物(以下、「酸性化合物」ともいう) を含有し、JIS K 5601−2−1の方法により測定した酸価が8〜100mgKOH/gであることを特徴とする。 【0008】 本発明の第一の転写フィルム(以下、「転写フィルムI」ともいう)は、支持フィルム上に、 (a)無機粉体、 (b)結着樹脂 および (c)酸価が30mgKOH/g以上の低分子化合物 を含有し、JIS K 5601−2−1の方法により測定した酸価が8〜100mgKOH/gである無機粉体含有樹脂層を有することを特徴とする。 【0009】 本発明の第二の転写フィルム(以下、「転写フィルムII」ともいう)は、支持フィルム上に、(A)レジスト層と、 (B)(a)無機粉体、 (b)結着樹脂 および (c)酸価が30mgKOH/g以上の低分子化合物を含有し、 JIS K 5601−2−1の方法により測定した酸価が8〜100mgKOH/gである無機粉体含有樹脂層 とを積層してなることを特徴とする。 【0010】 本発明の第一のPDPの製造方法(以下、「PDPの製造方法I」ともいう)は、基板上に本発明の組成物から得られる層を形成し、当該層上にレジスト層を形成し、当該レジスト層を露光処理して、レジストパターンの潜像を形成し、当該レジスト層を現像処理してレジストパターンを顕在化させ、無機粉体含有樹脂層をエッチング処理してレジストパターンに対応する無機粉体含有樹脂層のパターンを形成し、当該パターンを焼成処理する工程を含む方法により、無機パターンを有するパネル材料を形成することを特徴とする。 【0011】 本発明の第二のPDPの製造方法(以下、「PDPの製造方法II」ともいう)は、基板上に本発明の組成物から得られる層とレジスト層との積層膜を形成し、当該レジスト層を露光処理して、レジストパターンの潜像を形成し、当該レジスト層を現像処理してレジストパターンを顕在化させ、無機粉体含有樹脂層をエッチング処理してレジストパターンに対応する無機粉体含有樹脂層のパターンを形成し、当該パターンを焼成処理する工程を含む方法により、無機パターンを有するパネル材料を形成することを特徴とする。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 以下、本発明について詳細に説明する。 <無機粉体含有樹脂組成物> 本発明の組成物は、JIS K 5601−2−1の方法により測定した酸価が8〜100mgKOH/gであり、好ましくは10〜95mgKOH/g、特に好ましくは12〜90mgKOH/gである。 組成物の酸価の値が8mgKOH/gより小さいと、パターン形成の際にエッチング液への溶解性が不足して、現像に時間がかかりスループットが悪化するという問題が起きる傾向にある。また、現像時間が長くなることにより、未露光部が溶解しきる前に露光部が膨潤して基板との密着性が弱くなり、パターンが基板から剥離してしまう場合がある。また、酸価の値が100mgKOH/gを越えると、パターンの横からのエッチングが激しくなり、パターン上面の幅が狭く、パターン底面の幅が広くなる。その結果、良好な形状のパターンが得られなくなるという問題が起きる傾向にある。 【0013】 なお、本発明における酸価の具体的な測定方法は下記の通りである。 1.無機粉体含有ペーストをバーコーター等によりペットフィルム上に薄膜状に形成し、その膜を100℃で5分間乾燥させることにより有機溶剤を除去する。(転写フィルムの場合はこの工程が不要となる。) 2.得られた薄膜(転写フィルムの場合は無機粉体含有樹脂層)の所定量を2-ブタノンに溶解させる。 3.遠心分離により無機粉体を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を採取する。 4.フェノールフタレイン溶液を添加した後、0.1規定の水酸化カリウム(エタノール溶液)を用いて滴定し、酸価を求める。 なお、本発明の組成物を用いて本発明の転写フィルムを作製した場合、当該転写フィルムにおける無機粉体含有樹脂層の酸価は、本発明の組成物の酸価と変わらない値を示す。 【0014】 (a)無機粉体 本発明の組成物を構成する無機粉体を構成する無機物質としては特に限定されるものではなく、当該組成物により形成される焼結体の用途(PDPの構成要素の種類)に応じて適宜選択することができる。 ここに、PDPを構成する「誘電体層」および「隔壁」を形成するための組成物に含有される無機粉体については、軟化点が350〜700℃(好ましくは400〜620℃)の範囲内にあるガラス粉末を挙げることができる。ガラス粉末の軟化点が400℃未満である場合には、当該組成物による膜形成材料層の焼成工程において、有機物質が完全に分解除去されない段階でガラス粉末が溶融してしまうため、形成されるガラス焼結体中に有機物質の一部が残留し、この結果、得られる隔壁(ガラス焼結体)が着色されて、その光透過率が低下する傾向がある。一方、ガラス粉末の軟化点が620℃を超える場合には、620℃より高温で焼成する必要があるために、ガラス基板に歪みなどが発生しやすい。 また、ガラス粉末の熱膨張係数(α300)は下地のガラス基板の熱膨張係数と合わせることが好ましい。下地のガラス基板の熱膨張係数とガラス粉末の熱膨張係数を合わせることにより、焼成時に基板とパターン間での歪みによる基板の反りや割れ等の不具合を回避することができる。具体的には、ガラス粉末の熱膨張係数は60×10−7〜100×10−7/℃であることが好ましい。 好適なガラス粉末の具体例としては、I.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(PbO−B2O3−SiO2系)の混合物、II.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(ZnO−B2O3−SiO2系)の混合物、III.酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム(PbO−B2O3−SiO2−Al2O3系)の混合物、IV.酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(PbO−ZnO−B2O3−SiO2系)の混合物などを例示することができる。 これらガラス粉末は、誘電体や隔壁以外の構成要素(例えば電極・抵抗体・蛍光体・カラーフィルター・ブラックマトリックス)を形成するための組成物中に含有(併用)されていてもよい。これらの構成要素を得るための無機粉体含有樹脂組成物におけるガラス粉末の含有量は、無機粉体全量に対して、通常、90質量%以下、好ましくは、1〜90質量%である。 【0015】 PDPを構成する「電極」を形成するための組成物に含有される無機粉体としては、Ag、Au、Al、Ni、Ag−Pd合金、CuおよびCrなどからなる金属粒子を挙げることができる。 PDPを構成する「抵抗体」を形成するための組成物に含有される無機粉体としては、RuO2などからなる粒子を挙げることができる。 PDPを構成する「蛍光体」を形成するための組成物に含有される無機粉体としては、Y2O3:Eu3+、Y2SiO5:Eu3+、Y3Al5O12:Eu3+、YVO4:Eu3+、(Y, Gd)BO3:Eu3+、Zn3(PO4)2:Mnなどの赤色用蛍光物質;Zn2SiO4:Mn、BaAl12O19:Mn、BaMgAl14O23:Mn、LaPO4:(Ce, Tb)、Y3(Al, Ga)5O12:Tbなどの緑色用蛍光物質;Y2SiO5:Ce、BaMgAl10O17:Eu2+、BaMgAl14O23:Eu2+、(Ca, Sr, Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+、(Zn, Cd)S:Agなどの青色用蛍光物質などからなる粒子を挙げることができる。 PDPを構成する「カラーフィルター」を形成するための組成物に含有される無機粉体としては、Fe2O3、Pb3O4などの赤色用物質、Cr2O3などの緑色用物質、2(Al2Na2Si3O10)・Na2S4などの青色用物質などからなる粒子を挙げることができる。 PDPを構成する「ブラックマトリックス(ストライプ)」を形成するための組成物に含有される無機粉体としては、Mn、Fe、Cr、Co、Niなどからなる粒子およびこれらの酸化物を挙げることができる。 【0016】 (b)結着樹脂 本発明の組成物を構成する結着樹脂としては、カルボキシル基を含有するアクリル樹脂が好ましい。具体的には、下記のモノマー(イ)とモノマー(ハ)との共重合体、モノマー(イ)、モノマー(ロ)およびモノマー(ハ)の共重合体などを挙げることができる。 【0017】 モノマー(イ):カルボキシル基含有モノマー類 アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなど。 モノマー(ロ):OH含有モノマー類 (メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モノマー類;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどのフェノール性水酸基含有モノマー類など。 モノマー(ハ):その他の共重合可能なモノマー類 (メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルなどのモノマー(イ)以外の(メタ)アクリル酸エステル類;メチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、n−ブチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレートなどのα−ヒドロキシメチル基を有するアクリレート;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系モノマー類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ベンジル等のポリマー鎖の一方の末端に(メタ)アクリロイル基などの重合性不飽和基を有するマクロモノマー類など。 【0018】 上記モノマー(イ)とモノマー(ハ)との共重合体や、モノマー(イ)、モノマー(ロ)およびモノマー(ハ)の共重合体は、モノマー(イ)に由来する共重合成分の存在により、アルカリ可溶性を有するものとなる。中でもモノマー(イ)、モノマー(ロ)およびモノマー(ハ)の共重合体は、無機粉体の分散安定性や後述するエッチング液(アルカリ現像液)への溶解性の観点から特に好ましい。 この共重合体におけるモノマー(イ)に由来する共重合成分の含有率は、好ましくは5〜60質量%、特に好ましくは10〜40質量%であり、モノマー(ロ)に由来する共重合成分の含有率は、好ましくは1〜50質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。 【0019】 本発明の組成物に用いられるカルボキシル基含有樹脂として特に好ましい組成としては、メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル/メタクリル酸n−ブチル共重合体や、メタクリル酸/コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル/メタクリル酸n−ブチル共重合体が挙げられる。 【0020】 上記カルボキシル基含有樹脂の分子量としては、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が5,000〜5,000,000であることが好ましく、さらに好ましくは10,000〜300,000とされる。 また、上記カルボキシル基含有樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−20℃〜60℃であることが好ましく、さらに好ましくは0℃〜50℃とされる。Tgが60℃以上では、転写フィルムとした際は、フィルムの転写性が悪化する。また、Tgが−20℃以下では、転写フィルムのタックが強くなりハンドリング性が低下する。さらに、焼成時にパターンがメルトしパターンの直線性が悪化する。 【0021】 カルボキシル基含有樹脂の酸価は100〜250mgKOH/gであることが好ましく、さらに好ましくは120〜200mgKOH/gである。 また、本発明の組成物における結着樹脂の含有割合としては、無機粉体100質量部に対して、通常、1〜200質量部とされ、好ましくは、5〜150質量部、特に好ましくは、10〜125質量部とされる。 【0022】 (c)酸性化合物 本発明の組成物を構成する酸性化合物の酸価は30mgKOH/g以上であり、好ましくは、30〜1500mgKOH/gである。なお、酸性化合物の酸価は、JIS K 5601−2−1の方法により測定した酸価の値である。 【0023】 当該酸性化合物としては、有機酸または無機酸を用いることができ、有機酸が好ましく用いられる。有機酸としては、脂肪酸を用いることが好ましく、特に、炭素数が8〜30の脂肪酸を用いることが好ましい。上記脂肪酸の好ましい具体例としては、オクタン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデカン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸;エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。 無機酸としては、硝酸、硫酸、塩酸、ホウ酸、リン酸等が挙げられる。 【0024】 酸性化合物は、通常、無機粉体の分散剤として用いられるが、組成物の酸価を調整するために含有されるものであってもよい。 本発明の組成物における酸性化合物の含有割合としては、無機粉体100重量部に対して、0.001〜15重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜10重量部である。 【0025】 (d)可塑剤 本発明の組成物には、可塑剤が含有されていることが好ましい。可塑剤を含有することにより、転写フィルムを作製した場合、得られた転写フィルムを折り曲げても、無機粉体含有樹脂層の表面に微小な亀裂(ひび割れ)が発生するようなことはなく、また、当該転写フィルムは柔軟性に優れたものとなり、これをロール状に巻き取ることも容易に行うことができる。 本発明に用いられる可塑剤としては、下記一般式(1)で示される化合物からなる可塑剤が好ましい。当該化合物は、熱により容易に分解除去されるため、焼成後に形成された構造物中に有機分が残存することがない。 【0026】 【化1】
【0027】 (式中、R1 およびR4 は、それぞれ、同一または異なる炭素数1〜30のアルキル基を示し、R2 およびR3 は、それぞれ、同一または異なるメチレン基または炭素数2〜30のアルキレン基を示し、sは0〜5の数であり、tは1〜10の数である。) 【0028】 上記一般式(1)において、R1 およびR4で示されるアルキル基、並びにR2 およびR3で示されるアルキレン基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、また、飽和基であっても不飽和基であってもよい。R1 およびR4 で示されるアルキル基の炭素数は、1〜30とされ、好ましくは2〜20、さらに好ましくは4〜10とされる。当該アルキル基の炭素数が30を超える場合には、本発明を構成する溶剤に対する可塑剤の溶解性が低下し、良好な可撓性が得られない場合がある。また、tの値は、好ましくは2〜6である。 【0029】 上記一般式(1)で示される化合物の具体例としては、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケート、ジブチルジグリコールアジペートなどが挙げられる。 【0030】 また、可塑剤として、多官能性(メタ)アクリレートを用いることもできる。 多官能性(メタ)アクリレートの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトンなどの両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類; グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールアルカン、テトラメチロールアルカン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;3価以上の多価アルコールのポリアルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレート類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼンジオール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)アクリレート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)アクリレート類などを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。 これらのうち、トリメチロールプロパントリアクリレート等が特に好ましく用いられる。上記多官能性(メタ)アクリレートの分子量としては、100〜2,000であることが好ましい。 【0031】 本発明の組成物における可塑剤の含有割合としては、無機粉体100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部とされ、特に好ましくは10〜40質量部とされる。 【0032】 (e)溶剤 本発明の組成物には、通常、適当な流動性または可塑性、良好な膜形成性を付与するために溶剤が含有される。用いられる溶剤としては、無機粉体との親和性、結着樹脂の溶解性が良好で、組成物に適度な粘性を付与することができると共に、乾燥されることにより容易に蒸発除去できるものであることが好ましい。 また、特に好ましい溶剤として、標準沸点(1気圧における沸点)が100〜200℃であるケトン類、アルコール類およびエステル類(以下、これらを「特定溶剤」という。)を挙げることができる。 【0033】 かかる特定溶剤の具体例としては、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系アルコール類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチル、乳酸−n−ブチルなどの乳酸エステル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エステル類などを例示することができ、これらのうち、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどが好ましい。これらの特定溶剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。 特定溶剤以外の溶剤の具体例としては、テレビン油、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなどを挙げることができる。 本発明の無機粉体含有樹脂組成物における溶剤の含有割合としては、良好な膜形成性(流動性または可塑性)が得られる範囲内において適宜選択することができる。 【0034】 また、本発明の組成物には、任意成分として、分散剤、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、レベリング剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増感剤、連鎖移動剤などの各種添加剤が含有されてもよい。 本発明の組成物は、上記無機粉体、結着樹脂、酸性化合物および溶剤と必要に応じて可塑剤および上記任意成分を、ロール混練機、ミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミルなどの混練機を用いて混練することにより調製することができる。 上記のようにして調製される本発明の組成物は、塗布に適した流動性を有するペースト状の組成物であり、その粘度は、通常100〜1,000,000cp、好ましくは500〜300,000cpとされる。 【0035】 <転写フィルム> 本発明の転写フィルムは、JIS K 5601−2−1の方法により測定した酸価が8〜100mgKOH/g好ましくは10〜95mgKOH/g、特に好ましくは12〜90mgKOH/gである。である無機粉体含有樹脂層を有することを特徴とする。酸価が上記範囲を外れた場合の問題点は、本発明の無機粉体含有樹脂組成物における問題点と同様である。 【0036】 当該無機粉体含有樹脂層は、通常、本発明の組成物から形成される。具体的には、転写フィルムIについては、支持フィルム上に本発明の組成物を塗布し、塗膜を乾燥して無機粉体含有樹脂層を形成する。また、転写フィルムIIについては、支持フィルム上に、後述するレジスト組成物を塗布、乾燥してレジスト層を形成し、当該レジスト層の上に本発明の組成物を塗布し、塗膜を乾燥して無機粉体含有樹脂層を形成する。 【0037】 転写フィルムを構成する支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有すると共に可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコータによってペースト状の組成物を塗布することができ、無機粉体含有樹脂層をロール状に巻回した状態で保存し、供給することができる。支持フィルムを形成する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。支持フィルムの厚さとしては、例えば20〜100μmとされる。 【0038】 無機粉体含有樹脂組成物を塗布する方法としては、膜厚の均一性に優れた膜厚の大きい(例えば10μm以上)塗膜を効率よく形成することができるものであることが必要とされ、具体的には、ロールコータによる塗布方法、ドクターブレードによる塗布方法、カーテンコータによる塗布方法、ダイコータによる塗布方法、ワイヤーコータによる塗布方法などを好ましいものとして挙げることができる。 なお、支持フィルムの組成物塗布面には離型処理が施されていることが好ましい。これにより、PDP構成要素形成の際に、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。 【0039】 塗膜の乾燥条件としては、例えば、50〜150℃で0.5〜30分間程度とされ、乾燥後における溶剤の残存割合(無機粉体含有樹脂層中の含有率)は、通常2質量%以内とされる。 上記のようにして支持フィルム上に形成される無機粉体含有樹脂層の厚さとしては、無機粉体の含有率やサイズなどによっても異なるが、例えば5〜500μmとされる。また、転写フィルムIIにおけるレジスト層の厚さとしては、通常、0.1〜40μm、好ましくは0.5〜20μmである。 なお、無機粉体含有樹脂層の表面には保護フィルムが設けられていてもよく、当該保護フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコール系フィルムなどを挙げることができる。 【0040】 <PDPの製造方法> 本発明のPDPの製造方法Iは、(i)本発明の組成物または本発明の転写フィルムを用いて無機粉体含有樹脂層を基板上に形成し、(ii)当該層上にレジスト層を形成し、(iii)当該レジスト層を露光処理して、レジストパターンの潜像を形成し、(iv)当該レジスト層を現像処理してレジストパターンを顕在化させ、(v)無機粉体含有樹脂層をエッチング処理してレジストパターンに対応する無機粉体含有樹脂層のパターンを形成し、(vi)当該パターンを焼成処理する工程を含む方法により、無機パターンを有するパネル材料を形成することを特徴とする。以下に、各工程について説明する。 【0041】 (i)無機粉体含有樹脂層の形成工程 無機粉体含有樹脂層は、本発明の組成物を基板上に塗布するか、本発明の転写フィルムを用い、基板上に当該転写フィルムにおける無機粉体含有樹脂層を転写することによって形成することができる。転写フィルムを用いる方法によれば、膜厚均一性に優れた無機粉体含有樹脂層を容易に形成することができ、形成されるパターンの膜厚均一化を図ることができる。さらに、上記転写フィルムを用いてn回転写を繰り返すことで、n層(nは2以上の整数を示す)の無機粉体含有樹脂層を有する積層体を形成してもよい。また、n層の無機粉体含有樹脂層からなる積層体を支持フィルム上に形成した転写フィルムを用いて基板上に一括転写することにより、上記積層体を形成してもよい。 本発明の組成物の塗布方法としては、スクリーン印刷法、ロール塗布法、回転塗布法、流延塗布法など種々の方法が挙げられ、本発明の組成物を塗布した後、塗膜を乾燥する方法により、無機粉体含有樹脂層を形成することができる。なお、上記工程をn回繰り返すことでn層の積層体を形成してもよい。 また、転写フィルムを用いる転写工程の一例を示せば以下のとおりである。必要に応じて使用される転写フィルムの保護フィルム層を剥離した後、基板の表面に、無機粉体含有樹脂層の表面が当接されるように転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着した後、無機粉体含有樹脂層から支持フィルムを剥離除去する。これにより、基板の表面に無機粉体含有樹脂層が転写されて密着した状態となる。ここで、転写条件としては、例えば、加熱ローラの表面温度が40〜140℃、加熱ローラによるロール圧が0.1〜10kg/cm、加熱ローラの移動速度が0.1〜10m/分を示すことができる。また、基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては例えば40〜140℃とすることができる。 【0042】 (ii)レジスト層の形成工程 形成された無機粉体含有樹脂層の表面にレジスト層を形成する。このレジスト層を構成するレジストとしては、ポジ型レジストおよびネガ型レジストのいずれであってもよい。 レジスト層は、スクリーン印刷法、ロール塗布法、回転塗布法、流延塗布法等種々の方法によってレジストを塗布した後、塗膜を乾燥することにより形成することができる。 また、支持フィルム上に形成されたレジスト層を無機粉体含有樹脂層の表面に転写することによって形成してもよい。このような形成方法によれば、レジスト層の形成工程における工程改善(高効率化)を図ることができるとともに、形成される無機粉体パターンの膜厚均一性を図ることができる。 レジスト層の膜厚としては、通常、0.1〜40μm、好ましくは0.5〜20μmである。 【0043】 (iii)レジスト層の露光工程 レジスト層の表面に、露光用マスクを介して紫外線などの放射線の選択的照射(露光)を行う方法や、レーザー光を走査する方法などで、レジストパターンの潜像を形成する。ここに、放射線照射装置としては、フォトリソグラフィー法で一般的に使用されている紫外線照射装置、半導体および液晶表示装置を製造する際に使用されている露光装置、レーザー装置などが用いられるが、特に限定されるものではない。 なお、レジスト層を転写により形成した場合には、レジスト層上に被覆されている支持フィルムを剥離しない状態で露光を行うのが好ましい。 【0044】 (vi)レジスト層の現像工程 露光されたレジスト層を現像処理することにより、レジストパターン(潜像)を顕在化させる。ここに、現像処理条件としては、レジスト層の種類などに応じて、現像液の種類・組成・濃度、現像時間、現像温度、現像方法(例えば浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法)、現像装置などを適宜選択することができる。 この現像工程により、レジスト残留部とレジスト除去部とから構成されるレジストパターン(露光用マスクに対応するパターン)が形成される。 このレジストパターンは、次工程(エッチング工程)におけるエッチングマスクとして作用するものであり、レジスト残留部の構成材料(光硬化されたレジスト)は、無機粉体含有樹脂層の構成材料よりもエッチング液に対する溶解速度が小さいことが必要である。 【0045】 (v)無機粉体含有樹脂層のエッチング工程 この工程においては、無機粉体含有樹脂層をエッチング処理し、レジストパターンに対応する無機粉体含有樹脂層のパターンを形成する。 すなわち、無機粉体含有樹脂層のうち、レジストパターンのレジスト除去部に対応する部分がエッチング液に溶解されて選択的に除去され、無機粉体含有樹脂層におけるレジスト除去部に対応する部分でガラス基板表面が露出する。これにより、樹脂層残留部と樹脂層除去部とから構成される無機粉体含有樹脂層パターンが形成される。 ここに、エッチング処理条件としては、無機粉体含有樹脂層の種類などに応じて、エッチング液の種類・組成・濃度、処理時間、処理温度、処理方法(例えば浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法)、処理装置などを適宜選択することができる。 【0046】 なお、エッチング液として、現像工程で使用した現像液と同一の溶液を使用することができるよう、レジスト層および無機粉体含有樹脂層の種類を選択することにより、現像工程と、エッチング工程とを連続的に実施することが可能となり、工程の簡略化による製造効率の向上を図ることができる。 ここに、レジストパターンを構成するレジスト残留部は、エッチング処理の際に徐々に溶解され、無機粉体含有樹脂層パターンが形成された段階(エッチング処理の終了時)で完全に除去されるものであることが好ましい。 なお、エッチング処理後にレジスト残留部の一部または全部が残留していても、当該レジスト残留部は、次の焼成工程で除去される。 【0047】 (vi)焼成工程 無機粉体含有樹脂層のパターンを焼成処理して、無機粉体含有樹脂層の残留部における有機物質を焼失させる。この工程により、無機粉体含有樹脂層のパターンから有機物質が焼失して、ガラス層、金属層、蛍光体層などの無機物層が形成され、誘電体層、隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス等のPDP構成要素が形成される。 ここに、焼成処理の温度としては、無機粉体含有樹脂層(残留部)中の有機物質が焼失される温度であることが必要であり、通常、400〜600℃とされる。また、焼成時間は、通常10〜90分間とされる。 【0048】 PDPの製造方法IIにおいては、基板上に、無機粉体含有樹脂層とレジスト層との積層膜を一括形成する以外は、PDPの製造方法Iと同様の工程を有する。当該積層膜は、本発明の転写フィルムIIを用いて転写により形成されることが好ましい。 転写工程の一例を示せば以下のとおりである。必要に応じて使用される転写フィルムIIの保護フィルム層を剥離した後、基板の表面に、無機粉体含有樹脂層の表面が当接されるように転写フィルムIIを重ね合わせ、この転写フィルムIIを加熱ローラなどにより熱圧着した後、積層膜のレジスト層表面から支持フィルムを剥離除去する。これにより、基板の表面にレジスト層と無機粉体含有樹脂層との積層膜が転写されて密着した状態となる。ここで、転写条件としては、例えば、加熱ローラの表面温度が40〜140℃、加熱ローラによるロール圧が0.1〜10kg/cm、加熱ローラの移動速度が0.1〜10m/分を示すことができる。また、基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては例えば40〜140℃とすることができる。 【0049】 以下、上記各工程に用いられる材料、各種条件などについて説明する。 <レジスト層(レジスト組成物)> レジスト層を形成するために使用するレジスト組成物としては、(1)アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物、(2)有機溶剤現像型感放射線性レジスト組成物、(3)水性現像型感放射線性レジスト組成物などを例示することができるが、上述したように、レジスト層の現像に用いる現像液と、無機粉体含有樹脂層のエッチング工程に使用するエッチング液とを同一の溶液にすることが好ましいことから、レジスト組成物としては、(1)アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物を用いることが好ましい。 以下、これらのレジスト組成物について説明する。 【0050】 (1)アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物 アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物は、アルカリ可溶性樹脂と感放射線性成分を必須成分として含有してなる。 アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物を構成するアルカリ可溶性樹脂としては、無機粉体含有樹脂組成物組成物の結着樹脂成分を構成するものとして例示したアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。 アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物を構成する感放射線性成分としては、例えば、(イ)多官能性モノマーと光重合開始剤との組み合わせ、(ロ)メラミン樹脂と放射線照射により酸を形成する光酸発生剤との組み合わせなどを好ましいものとして例示することができ、上記(イ)の組み合わせのうち、多官能性(メタ)アクリレートと光重合開始剤との組み合わせが特に好ましい。 【0051】 感放射線性成分を構成する多官能性(メタ)アクリレートの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトンなどの両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類; グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールアルカン、テトラメチロールアルカン、ジペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;3価以上の多価アルコールのポリアルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレート類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼンジオール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)アクリレート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)アクリレート類などを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。 【0052】 また、感放射線性成分を構成する光重合開始剤の具体例としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−〔4’−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのカルボニル化合物;アゾイソブチロニトリル、4−アジドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド化合物;メルカプタンジスルフィドなどの有機硫黄化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tret−ブチルパーオキシド、tret−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパーオキシドなどの有機パーオキシド;1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチレニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのトリハロメタン類;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾール二量体などを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。 【0053】 このアルカリ現像型感放射線性レジスト組成物における感放射線性成分の含有割合としては、アルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、通常1〜300重量部とされ、好ましくは10〜200重量部である。 また、アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物については、良好な膜形成性付与するために、適宜有機溶剤が含有される。かかる有機溶剤としては、無機粉体含有樹脂組成物組成物を構成するものとして例示した溶剤を挙げることができる。 【0054】 (2)有機溶剤現像型感放射線性レジスト組成物: 有機溶剤現像型感放射線性レジスト組成物は、天然ゴム、合成ゴム、およびこれらを環化されてなる環化ゴムなどから選ばれた少なくとも1種と、アジド化合物とを必須成分として含有してなる。 有機溶剤現像型感放射線性レジスト組成物を構成するアジド化合物の具体例としては、4,4’−ジアジドベンゾフェノン、4,4’−ジアジドジフェニルメタン、4,4’−ジアジドスチルベン、4,4’−ジアジドカルコン、4,4’−ジアジドベンザルアセトン、2,6−ジ(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ジ(4’−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノンなどを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。 また有機溶剤現像型感放射線性レジスト組成物には、良好な膜形成性を付与するために、通常有機溶剤が含有される。かかる有機溶剤としては、無機粉体含有樹脂組成物組成物を構成するものとして例示した溶剤を挙げることができる。 【0055】 (3)水性現像型感放射線性レジスト組成物: 水性現像型感放射線性レジスト組成物は、例えばポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂と、ジアゾニウム化合物および重クロム酸化合物から選ばれた少なくとも1種とを必須成分として含有してなる。 【0056】 本発明の製造方法において使用するレジスト組成物には、任意成分として、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィラー、蛍光体、顔料、染料などの各種添加剤が含有されていてもよい。 【0057】 <基板> 基板材料としては、例えばガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族アミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの絶縁性材料からなる板状部材が挙げられる。この板状部材の表面に対しては、必要に応じて、シランカップリング剤などによる薬品処理;プラズマ処理;イオンプレーティング法、スパッタリング法、気相反応法、真空蒸着法などによる薄膜形成処理のような適宜の前処理を施されていてもよい。 なお、本発明においては、基板として、耐熱性を有するガラスを用いることが好ましい。ガラス基板としては、例えば旭硝子(株)製PD200を好ましいものとして挙げることができる。 【0058】 <露光用マスク> 本発明の製造方法による露光工程において使用される露光用マスクの露光パターンとしては、材料によって異なるが、一般的にストライプ状や格子状のものが用いられる。ストライプまたは格子の幅は、例えば10〜500μmである。 【0059】 <現像液> レジスト層の現像工程で使用される現像液としては、レジスト層(レジスト組成物)の種類に応じて適宜選択することができる。具体的には、アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物によるレジスト層にはアルカリ現像液を使用することができ、有機溶剤型感放射線性レジスト組成物によるレジスト層には有機溶剤現像液を使用することができ、水性現像型感放射線性レジスト組成物によるレジスト層には水性現像液を使用することができる。本発明においてはアルカリ現像型感放射線性レジスト組成物が好ましく用いられるため、アルカリ現像液を好ましく使用することができる。 アルカリ現像液の有効成分としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどの無機アルカリ性化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどの有機アルカリ性化合物などを挙げることができる。 アルカリ現像液は、前記アルカリ性化合物の1種または2種以上を水などに溶解させることにより調製することができる。ここに、アルカリ性現像液におけるアルカリ性化合物の濃度は、通常0.001〜10質量%とされ、好ましくは0.01〜5質量%とされる。なお、アルカリ現像液による現像処理がなされた後は、通常、水洗処理が施される。 【0060】 有機溶剤現像液の具体例としては、トルエン、キシレン、酢酸ブチルなどの有機溶剤を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、有機溶剤現像液による現像処理がなされた後は、必要に応じて貧溶媒によるリンス処理が施される。 水性現像液の具体例としては、水、アルコールなどを挙げることができる。 【0061】 <エッチング液> 無機粉体含有樹脂層のエッチング工程で使用されるエッチング液としては、アルカリ性溶液であることが好ましい。これにより、無機粉体含有樹脂層に含有されるアルカリ可溶性樹脂を容易に溶解除去することができる。 なお、無機粉体含有樹脂層に含有される無機粉体は、アルカリ可溶性樹脂により均一に分散されているため、アルカリ性溶液で結着樹脂であるアルカリ可溶性樹脂を溶解させ、洗浄することにより、無機粉体も同時に除去される。 ここに、エッチング液として使用されるアルカリ性溶液としては、現像液と同一組成の溶液を挙げることができる。 そして、エッチング液が、現像工程で使用するアルカリ現像液と同一の溶液である場合には、現像工程と、エッチング工程とを連続的に実施することが可能となり、工程の簡略化による製造効率の向上を図ることができる。 なお、アルカリ性溶液によるエッチング処理がなされた後は、通常、水洗処理が施される。 【0062】 また、エッチング液として、無機粉体含有樹脂層の結着樹脂を溶解することのできる有機溶剤を使用することもできる。かかる有機溶剤としては、無機粉体含有樹脂組成物を構成するものとして例示した溶剤を挙げることができる。 なお、有機溶剤によるエッチング処理がなされた後は、必要に応じて貧溶媒によるリンス処理が施される。 【実施例】 【0063】 以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下において「部」は「質量部」を示す。 また、Mwは、東ソー株式会社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(商品名HLC−802A)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。 【0064】 <実施例1> (1)無機粉体含有樹脂組成物の調製 (a)無機粉体としてAg粉体(平均粒径2.2μm)100部およびガラスフリット(Bi2 O3 −B2 O3 −SiO2 系、平均粒径3μm、不定形、軟化点520℃、熱膨張係数α300=87×10−7/℃)10部、(b)結着樹脂として、メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル/メタクリル酸−n−ブチル/コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)=15/25/40/20(質量%)共重合体(Mw=50,000)60部、(c)酸性化合物としてオレイン酸3部、(d)可塑剤として、トリメチロールプロパントリアクリレート20部、および(e)溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル100部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(500メッシュ、25μm径)でフィルタリングすることにより、本発明の無機粉体含有樹脂組成物(I)を調製した。 (2)無機粉体含有樹脂組成物(I)の酸価の測定 バーコーターを用いて無機粉体含有樹脂組成物(I)をペットフィルム上に薄膜状に形成し、形成した薄膜を100℃のクリーンオーブンで5分間乾燥することにより有機溶剤が除去された無機粉体含有樹脂層を形成した。有機溶剤が除去された無機粉体含有樹脂層を1.1045g計り取り、100mlの2−ブタノンに溶解させた。完全に溶解したことを確認した後、遠心分離により無機粉体を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を分取した。上澄み液にフェノールフタレインを加えた後、0.1規定の水酸化カリウム(エタノール溶液)を用いて滴定した。滴定量から酸価を計算したところ、24.5mgKOH/gであった。 (3)無機粉体含有樹脂層の形成 ガラス基板上に無機粉体含有樹脂組成物(I)を厚さ10μmでスクリーン印刷により塗布したのち、100℃のクリーンオーブンで5分乾燥して、無機粉体含有樹脂層を形成した。 (4)レジスト層の形成 メタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸=85/15(質量%)共重合体(Mw=50,000)60部、ヘプタプロピレングリコールジアクリレート40部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン5部およびシクロヘキサノン250部を混練りしてレジスト組成物を調製し、当該レジスト組成物を無機粉体含有樹脂層上に膜厚10μmでスクリーン印刷により塗布したのち、100℃のクリーンオーブンで5分乾燥して、レジスト層を形成した。 【0065】 (4)レジスト層の露光工程 ガラス基板上に形成された無機粉体含有樹脂層とレジスト層の積層膜に対して、ライン幅100μm、スペース幅400μmのストライプ状ネガ用露光用マスクを介して、超高圧水銀灯によりg線(436nm)、h線(405nm)およびi線(365nm)の混合光を照射した。その際の露光量は、365nmのセンサーで測定した照度換算で400mJ/cm2 とした。 (5)現像およびエッチング工程 露光処理されたレジスト層に対する現像処理と、無機粉体含有樹脂層に対するエッチング処理を、液温30℃の0.3質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いてシャワー法により連続的に120秒間行い、続いて、超純水を用いて水洗を行った。これにより、紫外線が照射されていない未硬化のレジスト層を除去してレジストパターンを顕在化させ、引き続き当該レジストパターンのレジスト除去部に対応する部分を除去して無機粉体含有樹脂層のパターンを形成した。 (6)焼成工程 無機粉体含有樹脂層のパターンが形成されたガラス基板を焼成炉内で590℃の温度雰囲気下で30分間にわたり焼成処理を行った。これによりガラス基板の表面にパターン幅100μm、厚み6μmの電極が形成されてなるパネル材料を得ることができた。得られた電極はパターン形状および形状の均一性に優れ、亀裂は認められなかった。 【0066】 <実施例2> (1)無機粉体含有樹脂組成物の調製 (a)無機粉体としてCo3O4粉体(平均粒径0.4μm)100部およびガラスフリット(Bi2 O3 −B2 O3 −SiO2 系、平均粒径3μm、不定形、軟化点520℃、熱膨張係数α300=87×10−7/℃)10部、(b)結着樹脂として、メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル/メタクリル酸−n−ブチル/コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)=15/25/40/20(質量%)共重合体(Mw=50,000)60部、(c)酸性化合物としてオレイン酸1.5部、(d)可塑剤として、トリメチロールプロパントリアクリレート20部、および(e)溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル100部、(g)光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン10部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(500メッシュ、25μm径)でフィルタリングすることにより、本発明の無機粉体含有樹脂組成物(II)を調製した。 (2)無機粉体含有樹脂組成物(II)の酸価の測定 バーコーターを用いて無機粉体含有樹脂組成物(II)をペットフィルム上に薄膜状に形成し、形成した薄膜を100℃のクリーンオーブンで5分間乾燥することにより有機溶剤が除去された無機粉体含有樹脂層を形成した。有機溶剤が除去された無機粉体含有樹脂層を1.1045g計り取り、100mlの2−ブタノンに溶解させた。完全に溶解したことを確認した後、遠心分離により無機粉体を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を分取した。上澄み液にフェノールフタレインを加えた後、0.1規定の水酸化カリウム(エタノール溶液)を用いて滴定した。滴定量から酸価を計算したところ、22.4mgKOH/gであった。 (3)無機粉体含有樹脂層の形成 ガラス基板上に無機粉体含有樹脂組成物(II)を厚さ10μmでスクリーン印刷により塗布したのち、100℃のクリーンオーブンで5分乾燥して、無機粉体含有樹脂層を形成した。 【0067】 (4)無機粉体含有樹脂層の露光工程 ガラス基板上に形成された無機粉体含有樹脂層に対して、ライン幅100μm、スペース幅400μmのストライプ状ネガ用露光用マスクを介して、超高圧水銀灯によりg線(436nm)、h線(405nm)およびi線(365nm)の混合光を照射した。その際の露光量は、365nmのセンサーで測定した照度換算で400mJ/cm2 とした。 (5)現像工程 露光処理された無機粉体含有樹脂層に対する現像処理を、液温30℃の0.3質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いてシャワー法により連続的に70秒間行い、続いて、超純水を用いて水洗を行った。これにより、紫外線が照射されていない未硬化の無機粉体含有樹脂層を除去して無機粉体含有樹脂層のパターンを形成した。 (6)焼成工程 無機粉体含有樹脂層のパターンが形成されたガラス基板を焼成炉内で590℃の温度雰囲気下で30分間にわたり焼成処理を行った。これによりガラス基板の表面にパターン幅100μm、厚み6μmのブラックストライプが形成されてなるパネル材料を得ることができた。得られた電極はパターン形状および形状の均一性に優れ、亀裂は認められなかった。 <実施例3> (1)レジスト組成物の調製: バインダーポリマーとしてメタクリル酸ベンジル/メタクリル酸=75/25(重量%)共重合体(Mw=30,000)60部、多官能性モノマーとしてトリプロピレングリコールジアクリレート40部、光重合開始剤として2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン20部および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を混練りした後、カートリッジフィルター(2μm径)でフィルタリングすることにより、アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物(以下、「レジスト組成物」という。)を調製した。 (2)転写フィルムの作製: 下記(イ)〜(ハ)の操作により、レジスト膜および無機粉体含有樹脂層をこの順に積層してなる積層膜が支持フィルム上に形成されてなる本発明の電極形成用転写フィルムを作製した。 (イ)上記(3)で調製したレジスト組成物を膜厚38μmのPETフィルムよりなる支持フィルム(I)上にブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で3分間乾燥して溶剤を除去し、厚さ8μmのレジスト膜を支持フィルム(I)上に形成した。 (ロ)実施例1の(1)で調製した無機粉体含有樹脂組成物(I)を膜厚38μmのPETフィルムよりなる支持フィルム(II)上にブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を除去し、厚さ10μmの無機粉体含有樹脂層を支持フィルム(II)上に形成した。 (ハ)レジスト膜と、無機粉体含有樹脂層との表面が当接されるよう転写フィルムを重ね合わせ、加熱ローラで熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2.5kg/cm、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、レジスト膜および無機粉体含有樹脂層を有する積層膜が支持フィルム間に形成されてなる転写フィルムを作製した。 【0068】 (3)積層膜の転写工程: ガラス基板の表面に、上記(2)で作製した転写フィルムの無機粉体含有樹脂層の表面が当接されるよう転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラに熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を2.5kg/cm、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、ガラス基板の表面に転写フィルムが転写されて密着した状態となった。 (4)レジスト膜の露光工程・現像工程: 上記(3)においてガラス基板上に形成された積層膜中のレジスト膜に対して、支持フィルム上より露光用マスク(100μm幅のストライプパターンおよび5cm四方の角パターン)を介して、超高圧水銀灯によりg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)の混合光を照射した。その際の露光量は、365nmのセンサーで測定した照度換算で400mJ/cm2 とした。照射後、レジスト膜上の支持フィルムを剥離し、次いで、露光処理されたレジスト膜に対して、0.3質量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を現像液とするシャワー法によるレジスト膜の現像処理を90秒間行った。 これにより、紫外線が照射されていない未硬化のレジストを除去し、レジストパターンを形成した。レジストパターンは、パターン形状が均一で、パターンエッジの直線性に優れた形状が良好なものであった。 【0069】 (5)無機粉体含有樹脂層のエッチング工程: 上記の工程に連続して、0.3質量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)をエッチング液とするシャワー法による無機粉体含有樹脂層のエッチング処理を60秒間行った。 次いで、超純水による水洗処理および乾燥処理を行った。これにより、無機粉体含有樹脂層パターンを形成した。 (6)パターンの焼成工程: 無機粉体含有樹脂層のパターンが形成されたガラス基板を焼成炉内の大気雰囲気下、580℃で30分間にわたり焼成処理を行った。これにより、ガラス基板の表面に膜厚6μmの電極パターンが形成された。得られた電極パターンは、亀裂や欠けがなく、形状に優れたものであった。 【0070】 <比較例1> (a)無機粉体としてAg粉体(平均粒径2.2μm)100部およびガラスフリット(Bi2 O3 −B2 O3 −SiO2 系、平均粒径3μm、不定形、軟化点520℃、熱膨張係数α300=87×10−7/℃)10部、(b)結着樹脂として、メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル/メタクリル酸−n−ブチル=10/35/60(質量%)共重合体(Mw=50,000)15.0部、(c)酸性化合物としてオレイン酸0.5部、(d)可塑剤として、トリメチロールプロパントリアクリレート10.0部、および(e)溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル100部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(500メッシュ、25μm径)でフィルタリングすることにより、無機粉体含有樹脂組成物(III)を調製した。 実施例1(2)と同様にして無機粉体含有樹脂組成物(III)の酸価を測定したところ、酸価は7.4mgKOH/gであった。 無機粉体含有樹脂組成物(III)を用いた以外は実施例1と同様にして、無機粉体含有樹脂層を形成し、当該無機粉体含有樹脂層上にレジスト層を形成し、露光工程、現像およびエッチング工程を行ったところ、無機粉体含有樹脂層にエッチング残さが認められ、良好なパターン形状が得られなかった。また、当該残さをなくすために、現像・エッチング工程を行う時間を長くしたとしたところ、残さが無くなる前に、無機粉体含有樹脂層のパターンが基板から剥がれてしまった。 【0071】 <比較例2> (a)無機粉体としてCo3O4粉体(平均粒径0.4μm)100部およびガラスフリット(Bi2 O3 −B2 O3 −SiO2 系、平均粒径3μm、不定形、軟化点520℃、熱膨張係数α300=87×10−7/℃)10部、(b)結着樹脂として、メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル/メタクリル酸−n−ブチル=30/30/40(質量%)共重合体(Mw=50,000)120部、(c)酸性化合物としてオレイン酸20部、(d)可塑剤として、トリメチロールプロパントリアクリレート20部、および(e)溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル100部をビーズミルで混練りした後、ステンレスメッシュ(500メッシュ、25μm径)でフィルタリングすることにより、無機粉体含有樹脂組成物(IV)を調製した。 実施例1(2)と同様にして無機粉体含有樹脂組成物(IV)の酸価を測定したところ、酸価は105mgKOH/gであった。 無機粉体含有樹脂組成物(IV)を用いた以外は実施例1と同様にして、無機粉体含有樹脂層を形成し、当該無機粉体含有樹脂層上にレジスト層を形成し、露光工程、現像およびエッチング工程を行ったところ、無機粉体含有樹脂層が全て溶解してしまい、パターンが形成できなかった。また、現像・エッチング工程を行う時間を60秒と短くしたとしたところ、無機粉体含有樹脂層のパターンが矩形にならず、パターン上部の幅が極めて細いものとなってしまい、良好なパターン形状を得ることができなかった。 【0072】 <比較例3> 無機粉体含有樹脂組成物として、比較例1で得られた無機粉体含有樹脂組成物(III)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、レジスト膜と無機粉体含有樹脂層とが積層された転写フィルムを作製した。 得られた転写フィルムを用いて、実施例3と同様にして転写、レジスト膜の露光・現像および無機粉体含有樹脂層のエッチングを行った結果、無機粉体含有樹脂層にエッチング残さが認められ、良好なパターン形状が得られなかった。また、当該残さをなくすために、現像・エッチング工程を行う時間を長くしたとしたところ、残さが無くなる前に、無機粉体含有樹脂層のパターンが基板から剥がれてしまった。 【図面の簡単な説明】 【0073】 【図1】交流型プラズマディスプレイパネルの断面形状を示す模式図である。 【符号の説明】 【0074】 1 ガラス基板 2 ガラス基板 3 隔壁 4 透明電極 5 バス電極 6 アドレス電極 7 蛍光物質 8 誘電体層 9 誘電体層 10 保護層
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004178 【氏名又は名称】JSR株式会社 【住所又は居所】東京都中央区築地五丁目6番10号
|
| 【出願日】 |
平成16年9月6日(2004.9.6) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2006−70226(P2006−70226A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月16日(2006.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願2004−257980(P2004−257980) |
|