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【発明の名称】 グラブ浚渫施工支援装置および浚渫方法
【発明者】 【氏名】松田 信彦
【住所又は居所】東京都千代田区四番町5 東亜建設工業株式会社内

【氏名】水川 達也
【住所又は居所】東京都千代田区四番町5 東亜建設工業株式会社内

【要約】 【課題】容易に浚渫対象区域の水底を平らに浚渫可能とするグラブ浚渫施工支援装置および浚渫方法を提供する。

【解決手段】支持ワイヤ繰出し計17によって支持ワイヤ6の繰出入れ量を検出するとともに、開閉ワイヤ繰出し計18によって開閉ワイヤ7の繰出入れ量を検出し、これらの検出データから、バケットの側面方向における刃先位置Aをデータ処理装置21によって算出し、このデータ処理装置21が算出したバケットの側面方向における刃先位置Aの移動軌跡をリアルタイムで表示装置20に画像表示して、この移動軌跡をオペレータに把握させながら浚渫するので、刃先位置Aの移動軌跡に基づいて刃先位置Aを調整して水平に移動させることができ、容易に水底を平らに浚渫することが可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラブバケット浚渫装置のバケットの刃先位置を画像表示するグラブバケット浚渫施工支援装置であって、前記バケットを上下移動させる支持ワイヤの繰出入れ量を検出する支持ワイヤ繰出し計と、前記バケットを開閉させる開閉ワイヤの繰出入れ量を検出する開閉ワイヤ繰出し計と、前記支持ワイヤ繰出し計および前記開閉ワイヤ繰出し計が検出した検出データから前記バケットの側面方向における刃先位置を算出するデータ処理装置と、前記データ処理装置が算出したバケットの側面方向における刃先位置を画像表示する表示装置とを備え、前記表示装置は、リアルタイムで前記バケットの側面方向における刃先位置の移動軌跡を画像表示するグラブバケット浚渫施工支援装置。
【請求項2】
さらに、ブーム傾斜計を備えて、前記支持ワイヤおよび前記開閉ワイヤを先端部の滑車を介して支持するクレーンのブームの傾斜角度を該ブーム傾斜計によって検出し、該検出データと前記支持ワイヤ繰り出し計および前記開閉ワイヤ繰出し計が検出した検出データとから、前記データ処理装置がバケットの側面方向における刃先位置を算出するようにした請求項1に記載のグラブバケット浚渫施工支援装置。
【請求項3】
グラブバケット浚渫装置による浚渫方法であって、支持ワイヤ繰出し計によってバケットを上下移動させる支持ワイヤの繰出入れ量を検出するとともに、開閉ワイヤ繰出し計によって前記バケットを開閉させる開閉ワイヤの繰出入れ量を検出し、前記支持ワイヤ繰出し計および前記開閉ワイヤ繰出し計が検出した検出データから、前記バケットの側面方向における刃先位置をデータ処理装置によって算出し、前記データ処理装置が算出したバケットの側面方向における刃先位置の移動軌跡をリアルタイムで表示装置に画像表示して、該移動軌跡を前記グラブバケット浚渫装置オペレータに把握させながら浚渫する浚渫方法。
【請求項4】
さらに、ブーム傾斜計によって、前記支持ワイヤおよび前記開閉ワイヤを先端部の滑車を介して支持するクレーンのブームの傾斜角度を検出し、該検出したデータと前記支持ワイヤ繰り出し計および前記開閉ワイヤ繰出し計が検出した検出データとから、前記データ処理装置がバケットの側面方向における刃先位置を算出するようにした請求項3に記載の浚渫方法。
【請求項5】
前記バケットの側面方向における刃先位置の移動軌跡を前記グラブバケット浚渫装置オペレータに把握させて、前記バケットが水中を自然沈降している中途で前記バケットの沈降速度を、この自然沈降速度よりも遅くして水底に着底させるようにした請求項3または4に記載の浚渫方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、グラブ浚渫施工支援装置および浚渫方法に関し、さらに詳しくは、容易に浚渫対象区域の水底を平らに浚渫可能とするグラブ浚渫施工支援装置および浚渫方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、海底等をグラブバケットを用いて浚渫する際には、浚渫区域にグラブバケットのバケットを開いた状態で、自然沈降させて、バケットの刃先を水底に貫入させた後にバケットを閉めて浚渫対象の土砂等をバケット内に保持して、水上にすくい上げるようにしていた。
【0003】
バケットによる浚渫では、バケットの刃先が移動した軌跡の形状で、くぼみ状に浚渫されるので、水底を水平に浚渫するのが困難であり、浚渫対象が所定厚さの土砂層等の場合は余分な土砂をすくい上げることになり、効率が悪いものであった。また、オペレータの経験や技能によっても浚渫精度が大きくばらつくので、常に精度良く浚渫するのが困難であった。
【0004】
水中カメラや超音波等で水底の状況をモニターしながら浚渫する場合は、浚渫後の水底の状況や、浚渫中の上方からの状況を確認できるが、土砂等に貫入したバケットの刃先位置を確認することができないので、平らに浚渫するのは困難であった。
【0005】
バケットの先端の到達深度を把握しながら掘削作業を行なえるようにした掘削機および掘削方法としては、深度を計測するワイヤストロークセンサと、バケット開閉度検出器とを用いて、これらの検出値を処理装置で処理してバケットの先端到達深度を算出し、これをリアルタイムで表示装置に表示するものが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
この提案では、オペレータがリアルタイムでバケットの刃先位置を数値または図形表示によって確認しながら、掘削をすることができる。ところが、バケットによって平らに浚渫するには、バケットを上下移動させるとともにバケットを開閉させて、刃先を水平に移動させることが必要とされる。したがって、この提案のように、リアルタイムで現時点の刃先位置のみが確認できても、バケットの刃先を水平に移動させるのは困難であり、また浚渫精度はオペレータの技能等によってばらつくものであった。
【特許文献1】特許第2656742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、容易に浚渫対象区域の水底を平らに浚渫可能とするグラブ浚渫施工支援装置および浚渫方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明のグラブ浚渫施工支援装置は、グラブバケット浚渫装置のバケットの刃先位置を画像表示するグラブバケット浚渫施工支援装置であって、前記バケットを上下移動させる支持ワイヤの繰出入れ量を検出する支持ワイヤ繰出し計と、前記バケットを開閉させる開閉ワイヤの繰出入れ量を検出する開閉ワイヤ繰出し計と、前記支持ワイヤ繰出し計および前記開閉ワイヤ繰出し計が検出した検出データから前記バケットの側面方向における刃先位置を算出するデータ処理装置と、前記データ処理装置が算出したバケットの側面方向における刃先位置を画像表示する表示装置とを備え、前記表示装置は、リアルタイムで前記バケットの側面方向における刃先位置の移動軌跡を画像表示することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の浚渫方法は、グラブバケット浚渫装置による浚渫方法であって、支持ワイヤ繰出し計によってバケットを上下移動させる支持ワイヤの繰出入れ量を検出するとともに、開閉ワイヤ繰出し計によって前記バケットを開閉させる開閉ワイヤの繰出入れ量を検出し、前記支持ワイヤ繰出し計および前記開閉ワイヤ繰出し計が検出した検出データから、前記バケットの側面方向における刃先位置をデータ処理装置によって算出し、前記データ処理装置が算出したバケットの側面方向における刃先位置の移動軌跡をリアルタイムで表示装置に画像表示して、該移動軌跡を前記グラブバケット浚渫装置オペレータに把握させながら浚渫することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のグラブ浚渫施工支援装置によれば、グラブバケット浚渫装置のバケットの刃先位置を画像表示する装置において、バケットを上下移動させる支持ワイヤの繰出入れ量を検出する支持ワイヤ繰出し計と、バケットを開閉させる開閉ワイヤの繰出入れ量を検出する開閉ワイヤ繰出し計と、この支持ワイヤ繰出し計および開閉ワイヤ繰出し計が検出した検出データからバケットの側面方向における刃先位置を算出するデータ処理装置と、このデータ処理装置が算出したバケットの側面方向における刃先位置を画像表示する表示装置とを備え、この表示装置は、リアルタイムでバケットの側面方向における刃先位置の移動軌跡を画像表示するようにしたので、オペレータは土砂の中にあるバケットの側面方向における刃先位置の移動軌跡をリアルタイムで把握しながら、刃先位置を調整して水平に移動させることができるので、容易に水底を平らに浚渫することができる。
【0011】
また、支持ワイヤ繰出し計および開閉ワイヤ繰出し計を用いて検出した各ワイヤの繰出入れ量に基づいて刃先位置を算出するようにしたので、簡易な装置となり、コストを抑えることができ、設置も容易である。
【0012】
本発明の浚渫方法によれば、グラブバケット浚渫装置による浚渫方法において、支持ワイヤ繰出し計によってバケットを上下移動させる支持ワイヤの繰出入れ量を検出するとともに、開閉ワイヤ繰出し計によってバケットを開閉させる開閉ワイヤの繰出入れ量を検出し、この支持ワイヤ繰出し計および開閉ワイヤ繰出し計が検出した検出データから、バケットの側面方向における刃先位置をデータ処理装置によって算出し、このデータ処理装置が算出したバケットの側面方向における刃先位置の移動軌跡をリアルタイムで表示装置に画像表示して、この移動軌跡をグラブバケット浚渫装置のオペレータに把握させながら浚渫することにしたので、オペレータは土砂の中にあるバケットの側面方向における刃先位置の移動軌跡をリアルタイムで把握しながら、刃先位置を調整して水平に移動させることができるので、容易に水底を平らに浚渫することができる。
【0013】
また、支持ワイヤ繰出し計および開閉ワイヤ繰出し計を用いて検出した各ワイヤの繰出入れ量に基づいて刃先位置を算出するようにしたので、簡易な装置となり、コストを抑えることができ、設置も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明のグラブ浚渫施工支援装置および浚渫方法について図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0015】
図1に本発明の浚渫支援施工装置が設置されたグラブバケット浚渫装置1の一例を示す。グラブバケット浚渫装置1は、左右に開閉する一対のバケット2を有しており、上端部を支持ワイヤ6によって吊られている。この支持ワイヤ6は台船14上のクレーン12のブーム13先端の滑車を介して、クレーン12に装備された支持ワイヤドラム15に巻回されるようになっている。支持ワイヤドラム15が回転して支持ワイヤ6が繰出されるとバケット2が下方移動し、反対に支持ワイヤ6が繰入れられるとバケット2が上方移動する。
【0016】
この支持ワイヤドラム15には、支持ワイヤ繰出し計17が設置されていて、支持ワイヤ6の繰出し、繰入れ量が検知できるようになっている。支持ワイヤ繰出し計17としては、ロータリーエンコーダや光電スイッチ等が用いられる。
【0017】
また、バケット2には、バケット2を開閉するための開閉ワイヤ7が接続されていて、この開閉ワイヤ7は、クレーン12のブーム13先端の滑車を介して、クレーン12に装備された開閉ワイヤドラム16に巻回されるようになっている。この開閉ワイヤドラム16が回転して開閉ワイヤ7が繰出されると一対のバケット2が左右に開くようになっている。反対に、開閉ワイヤ7が繰入れられるとバケット2が閉じることになる。
【0018】
この開閉ワイヤドラム16には、開閉ワイヤ繰出し計18が設置されていて、開閉ワイヤ7の繰出し、繰入れ量が検知できるようになっている。開閉ワイヤ繰出し計18としては、ロータリーエンコーダや光電スイッチ等が用いられる。
【0019】
オペレータ室19には、データ処理装置21と表示装置20が設置されている。このデータ処理装置21は、支持ワイヤ繰出し計17および開閉ワイヤ繰出し計18が検出した支持ワイヤ6および開閉ワイヤ7の繰出入れ量のデータからバケット2の側面方向における刃先位置Aを算出する。具体的な算出方法は、後述する。このデータ処理装置21は、演算機能と記憶機能とを有しており、グラブバケット浚渫装置1の各部の寸法や浚渫対象区域の水深等のデータが記憶されている。
【0020】
表示装置20は、データ処理装置21が算出したバケットの側面方向における刃先位置Aの移動軌跡をリアルタイムで表示する。この表示方法についても後述する。
クレーン12は旋回可能で、ブーム13は、基端部が軸支されて上下方向に回転可能となっている。このクレーン12には、ブーム13の傾斜を検知するブーム傾斜計23およびクレーン12の旋回角度を検知する旋回角度計24が備わっている。台船14には台船14の位置を検知するRTK−GPS測定装置22が2台設置され、台船14を所定の浚渫場所に位置させることができる。
【0021】
グラブバケット浚渫装置1の構造の一例を図2に示す。グラブバケット浚渫装置1の上部支持体4には支持ワイヤ6の一端がつながれていて、両端部にはアーム支持軸9によって一対のアーム5が回転可能に軸支されている。このアーム5の下端部はバケット支持軸8によって一対のバケット2の両端部が回転可能に軸支されている。さらに一対のバケット2の中央上部には動滑車である下部滑車11と一対のバケット2が連結軸3によって回転可能に連結されている。上部支持体4には、定滑車である上部滑車10が回転自在に設置されていて、開閉ワイヤ7によって下部滑車11と連動して回転するようになっている。
【0022】
開閉ワイヤ7が繰出されると下部滑車11が下方に移動し、一対のバケット2が左右に開口する。即ち、開閉ワイヤ7の繰出入れ量によって、バケット2の開閉角度Tが規定される。
【0023】
以下、バケットの刃先位置Aの算出およびその位置Aの表示装置20への表示のプロセスを図2、図3、図5に基づいて説明する。
【0024】
図5に示すように、任意の時点のバケット2の側面方向における刃先位置Aを算出するには、第1〜第4のステップが実施される。本実施形態では、バケット2が所定距離降下し、所定角度開いた状態時について説明する。
【0025】
まず、第1ステップでは、深度位置の初期化を行なう。具体的には、図2に示すようにバケット2を閉じた状態でバケット2の刃先を水面に一致させた後、データ処理装置21のリセットボタンを押して、支持ワイヤ繰出し計17および開閉ワイヤ繰出し計18を初期化する。ここで、このリセットした刃先位置Aを原点に設定し、この原点に基づいて移動後の刃先位置Aの座標を確定する。
【0026】
図中のL0はバケット2閉口時の上部滑車10から下部滑車11までの高さ(既知データ)、L1はアーム支持軸9から上部滑車10までの高さ(既知データ)、L2は下部滑車11から連結軸3までの高さ(既知データ)、Z0はバケット2閉口時の刃先位置Aからアーム支持軸9までの高さ(既知データ)を示している。
【0027】
第2ステップでは、バケット2が移動した後のアーム支持軸深度ZSを算出する。図3に示すように、バケット2の降下のために繰出された支持ワイヤ6の繰出し長さΔZSを支持ワイヤ繰出し計17によって検出し、その検出データに基づいてデータ処理装置21がアーム支持軸深度ZSをZS=ΔZS−Z0を演算することによって算出する。バケット2を上昇させた場合は、支持軸ワイヤ6の繰入れ長さに基づいて同様にアーム支持軸深度ZSを算出する。
【0028】
第3ステップでは、連結軸深度ZKを算出する。バケット2を開くために繰出された開閉ワイヤ7の繰出し長さを開閉ワイヤ繰出し計18によって検出し、その計測データに基づいてデータ処理装置21が下部滑車11の移動距離ΔLKを算出する。そして、既知データのL0、L1、L2を用いてデータ処理装置21が連結軸深度ZKをZK=ZS+ΔLK+L0+L1+L2を演算することによって算出する。バケット2を閉口させた場合は、開閉ワイヤ7の繰入れ長さに基づいて同様に連結軸深度ZKを算出する。
【0029】
第4ステップでは、バケット2の刃先深度Zおよび片側のバケット2の垂線からの開閉角度Tを算出し、これに基づいて刃先位置Aを算出する。開閉角度Tの算出には、既に算出したデータから求まるアーム支持軸9から連結軸3までの高さLS=ZK―ZSと、バケット2閉口時の既知寸法であるバケット2の幅方向中心線からアーム支持軸9までの水平距離P1、アーム支持軸9からバケット支持軸8までの距離P2、連結軸3からバケット支持軸8までの距離P3、バケット支持軸8からバケット2の刃先までの距離P4、連結軸3からバケット2の刃先までの距離P5のデータに基づいて下式1によりデータ処理装置21によって演算されて算出される。
【0030】
【数1】


【0031】
また、刃先深度ZはZ=ZK+P5cosTによりデータ処理装置21によって演算されて算出される。そして、刃先位置Aの原点からの水平方向の距離Xは、X=P5sinTによりデータ処理装置21によって演算されて算出される。
以上のようにバケット2の刃先深度Zと開閉角度Tが算出されて、初期設定した原点に対する刃先位置Aが確定する。この位置データを表示装置20に送信して画像として表示する。
【0032】
所定間隔、たとえば1秒ごとのデータを検知、算出して表示するように設定すると、1秒ごとに第2ステップから第4ステップまでを繰り返すことになる。また、表示したデータを所定時間、たとえば10秒間表示し続けてから消滅するように設定すると直近10秒前から現時点までのバケットの側面方向における刃先位置Aの移動軌跡を画像として確認できる。データの検知、算出する間隔を短くすると線状の移動軌跡が表示され、この間隔を長くすると点による移動軌跡が表示されることになる。
【0033】
このデータを検知、算出する時間間隔や表示データを表示し続ける所定時間は適宜、変更可能としておくのが好ましい。
【0034】
図4に表示装置20がバケット2の側面方向における刃先位置Aの移動軌跡を表示している状態の一例を示す。図4では、バケット2で水底Sから所定厚みの浚渫深度Dに対して浚渫をしている状況を示しており、点によってバケットの側面方向における刃先位置Aの移動軌跡を表示している。オペレータは、このような画像によるバケットの刃先位置Aの移動軌跡、即ち、残像をリアルタイムで確認しながら、バケット2の上下移動および開閉を操作できる。したがって、刃先が土砂の中にあってもバケットの刃先位置Aが水平移動するようにリアルタイムで調整、修正しながら操作可能となり、容易に水底を平らに浚渫ができるようになる。このようにすれば、オペレータの技能による浚渫精度のばらつきも小さくすることができる。
【0035】
また、刃先位置Aを検知するために、支持ワイヤ繰出し計17および開閉ワイヤ繰出し計18を用いて、簡易な装置としているので、低コストであり、設置するのも容易である。
【0036】
図1に示すブーム傾斜計23によって検出したブーム13の傾斜角度のデータによって、バケットの刃先位置Aの原点位置を修正する演算をデータ処理装置21で行ない、この修正後の原点に基づいて側面方向における刃先位置Aの移動軌跡をリアルタイムで表示装置20に表示するようにしてもよい。
【0037】
このような構成とすれば、ブーム13の傾斜角度を変える度に、バケット2の刃先を水面に一致させて原点位置の初期化をする必要がなく、ブーム13の傾斜角度が変化しても正確な刃先位置Aを表示することができる。
【0038】
また、バケット2の沈降速度が大きいと水底にバケット2の刃先が貫入することによる土砂等の拡散が大きくなるので、表示装置20でバケットの刃先位置Aを確認しながら、水底に刃先が着底する前にバケット2の沈降速度を小さくすることが好ましい。
【0039】
具体的には、水底上方0.5〜5m、好ましくは1m〜2mの位置で、自重によって自然沈降しているバケット2の支持ワイヤ6の繰出しにブレーキをかけて、自然沈降速度よりも遅く、たとえば0.5〜1m/s程度とする。この範囲よりも上方で沈降速度を遅くするとバケット2が着底するまでの時間が長くなるので浚渫作業が遅くなり、この範囲よりも下方で沈降速度を遅くすると、水流の影響によって水底の土砂が拡散する場合がある。したがって、この範囲でバケット2の沈降速度を遅くすると、水底の土砂等の拡散を防ぎつつ、効率のよい浚渫が可能となる。
【0040】
データ処理装置21に記憶した水底水深データや支持ワイヤ繰出し計17が検出した検出データを用いて、データ処理装置21で演算することでバケットの側面方向における刃先位置Aの移動軌跡とともに、バケット2の沈降速度や水底までの距離を算出してリアルタイムで表示装置20に表示することもできる。
【0041】
さらに、RTK−GPS測定装置22および旋回角度計24の検出した検出データを用いてデータ処理装置21で演算することによって、平面方向におけるバケットの刃先位置の移動軌跡、即ち、既に浚渫が完了した区域を表示装置20に画像表示することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明のグラブ浚渫施工支援装置を設置したグラブバケット浚渫装置を示す全体概要側面図である。
【図2】本発明のグラブ浚渫施工支援装置によるバケットの側面方向における刃先位置を算出する方法の一例を示す説明図で、バケットが閉じた状態を示す側面図である。
【図3】本発明のグラブ浚渫施工支援装置によるバケットの側面方向における刃先位置を算出する方法の一例を示す説明図で、バケットが沈降し、かつ開いた状態を示す側面図である。
【図4】本発明のグラブ浚渫施工支援装置の表示装置がバケットの側面方向における刃先位置の移動軌跡を表示している状態の一例を示す説明図である。
【図5】本発明のグラブ浚渫施工支援装置によるバケットの側面方向における刃先位置を算出する方法を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0043】
1 グラブバケット浚渫装置
2 バケット
3 連結軸
4 上部支持体
5 アーム
6 支持ワイヤ
7 開閉ワイヤ
8 バケット支持軸
9 アーム支持軸
10 上部滑車
11 下部滑車
12 クレーン
13 ブーム
14 台船
15 支持ワイヤドラム
16 開閉ワイヤドラム
l7 支持ワイヤ繰出し計
18 開閉ワイヤ繰出し計
19 オペレータ室
20 表示装置
21 データ処理装置
22 RTK−GPS測定装置
23 アーム傾斜計
24 旋回角度計
A バケットの側面方向における刃先位置
【出願人】 【識別番号】000219406
【氏名又は名称】東亜建設工業株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区四番町5
【出願日】 平成16年7月16日(2004.7.16)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一

【識別番号】100066854
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 賢照

【識別番号】100068685
【弁理士】
【氏名又は名称】斎下 和彦

【公開番号】 特開2006−27830(P2006−27830A)
【公開日】 平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願番号】 特願2004−210035(P2004−210035)