| 【発明の名称】 |
伸縮ブーム |
| 【発明者】 |
【氏名】村山 裕二
【氏名】有馬 邦裕
【氏名】三宅 和文
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| 【要約】 |
【課題】ブームの下部セクションに補強部材を追加すると、組み合わせた時のブーム断面寸法の変化割合が大きくなるだけでなく、長い溶接が必要なことから製作工数あるいはコストの面で問題がある。そこで、このような問題が発生することなくブームの下部セクションの座屈強度を向上することができる伸縮ブームを提供する。
【解決手段】伸縮ブームを構成する各段ブーム20の下部セクション22の断面が連続した板材により略U字形状に形成されており、さらに当該下部セクション22の略U字形状部分には当該略U字形状とは独立した形状からなる小区画部27を形成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ベースブーム内に中間ブーム及びトップブームがそれぞれ伸縮自在に組み込まれる伸縮ブームであって、 当該伸縮ブームを構成する各段ブームの下部セクションの断面が連続した板材により略U字形状に形成されており、さらに当該下部セクションの略U字形状部分には当該略U字形状とは独立した形状からなる小区画部を形成したことを特徴とする伸縮ブーム。 【請求項2】 請求項1に記載された伸縮ブームにおいて、 前記小区画部は、前記略U字形状部分の外方に突出して形成されていることを特徴とする伸縮ブーム。 【請求項3】 請求項1に記載された伸縮ブームにおいて、 前記小区画部は、前記略U字形状部分の中央部に下方に突出した1個の台形形状に形成されていることを特徴とする伸縮ブーム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、移動式クレーンあるいは高所作業車等の作業車に用いられる伸縮ブームであって、特に座屈強度に優れた断面形状を有する伸縮ブームに関するものである。 【背景技術】 【0002】 移動式クレーンあるいは高所作業車等の作業車は少しでも作業可能な高さを高くしてほしいという要望に答えるため、その伸縮ブームの全伸長時の長さが長くなる傾向にある。その一方、作業車の総重量は公道を走行する車両を規制する法律等によって所定の重量以下になるよう押さえられているため、伸縮ブーム全体の重量を増やすことができない。したがって、伸縮ブームを構成する各段のブームは長手方向の単位長さ当たりの重量を軽量化しつつ、伸縮ブーム全伸長時の長さを長くせざるを得ない。 【0003】 上記要請に応えるため、ブームに使用する鋼板の板厚を薄くし、材料を従来よりもさらに高応力まで使用できる高張力鋼板が採用されるようになっている。そのため、ブーム断面の圧縮応力が発生する側の座屈に対する強度が問題となってきた。 【0004】 上述した問題を解決するものとして、近年伸縮ブームを構成する各段ブームの下部セクションの断面が連続した板材により略U字形状に形成されるものが現れてきた(例えば、特許文献1参照。)。図1は特許文献1に記載された伸縮ブームから1つのブームの断面形状を取り出して説明するものである。ブーム1の下部セクション2は大きな円弧状の部分3、5と当該円弧状部分3、5に挟まれた直線部分4とから構成されている。係る下部セクションの形状とすることにより、圧縮応力が発生する下部セクション2のうちの円弧状部分3、5が座屈しにくい形状であるため、下部セクション2全体の座屈強度も高いものとなっている。 【0005】 さらに、各段ブームの下部セクションの断面形状を略U字形状とするものとして、図2に示す特許文献2に記載されたものも提案されている。ブーム10の下部セクション11はその小径部分が下部セクション11の最下点部12となる楕円形状となっている。すなわち、最下点部12の曲率R1が最小であって、当該最下点部12を離れるにしたがって下部セクションの断面の曲率はR2、R3とだんだんと大きくなるようになっている。座屈に対しては上記曲率が小さいほど当該部分の強度が大きいことから、圧縮応力が最大となる下部セクション11の最下点の曲率が最小となる特許文献2の断面形状は非常に合理的なものである。 【特許文献1】特許第2828779号公報(第7図) 【特許文献2】EP0499208B1号公報(第2図) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 ところが、近年さらなるブームの長尺・軽量化の要望から従来よりもさらに高張力の鋼板により高応力で使用するようになってきたため、上述した特許文献1あるいは特許文献2に記載された断面形状でも座屈強度が十分とは言えなくなってきた。 【0007】 特許文献1に記載されたブーム1(図1)では、図3に示すように直線部4に長手方向に沿ってコの字形状補強部材6を追加した断面形状とすることにより、下部セクション2の座屈強度の向上を図ることが考えられる。ところが、このブーム断面形状では外側のブームと組み合わせた際にコの字形状補強部材6を避けるための大きな間隔が必要となり、結果として伸縮ブームの各段ブーム断面寸法の変化割合が大きなものとなってしまう。このことは、全伸長時のブーム長さを長くする手法としてブーム段数を増やす場合に特に大きな問題となる。また、長尺のコの字形状補強部材を取付けるための非常に長い溶接が必要となり、製作工数あるいはコストの面でも問題となる。 【0008】 特許文献2に記載されたブーム10(図2)においても、さらなる高応力での使用に対しては座屈強度が不足することとなるため、上述したような補強部材の追加が必要となる。この場合も同じ問題が発生することとなる。そこで、本発明は、上述したような問題が発生することなくブームの下部セクションの座屈強度を向上することができる伸縮ブームを提供しようとするものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本願の請求項1に記載された伸縮ブームは、ベースブーム内に中間ブーム及びトップブームがそれぞれ伸縮自在に組み込まれる伸縮ブームであって、当該伸縮ブームを構成する各段ブームの下部セクションの断面が連続した板材により略U字形状に形成されており、さらに当該下部セクションの略U字形状部分には当該略U字形状とは独立した形状からなる小区画部を形成したことを特徴とする。 【0010】 さらに、本願の請求項2に記載された伸縮ブームは、請求項1に記載された伸縮ブームにおいて、前記小区画部は、前記略U字形状部の外方に突出して形成されていることを特徴とする。 【0011】 また、本願の請求項3に記載された伸縮ブームは、請求項1に記載された伸縮ブームにおいて、前記小区画部は、前記略U字形状部分の中央部に下方に突出した1個の台形形状に形成されていることを特徴とする。 【発明の効果】 【0012】 請求項1に記載された伸縮ブームでは、下部セクションの略U字形状部分の当該略U字形状とは独立した形状からなる小区画部が高い座屈強度を有することから、下部セクションの略U字形状部分全体の座屈強度が向上する。さらに、別の補強部材を追加することなく、連続した板材により形成された略U字形状の一部を独立した形状からなる小区画部を形成するようにしたので、重量の増加が無く溶接作業も不要である。また、上記小区画部の形状を各段ブームに同じ位置・形状で設けることにより、外側のブームと組み合わせた際の間隔を増やす必要がない。そのため、結果として伸縮ブームの各段ブーム断面寸法の変化割合を小さなものとすることができる。 【0013】 請求項2に記載された伸縮ブームでは、請求項1に記載された伸縮ブームの構成に加えて前記小区画部を外方に突出して形成したので、ブーム全体の曲げに対する強度の低下を招くことなく下部セクションの座屈強度が向上する。 【0014】 請求項3に記載された伸縮ブームでは、請求項1に記載された伸縮ブームの構成に加えて、圧縮応力が最大となる前記下部セクション中央部に1個の小区画部を形成したので、座屈に対する強度を効率的に高めることができる。さらに、前記小区画部の形状を単純な形状である突出した台形形状としたので、容易にその小区画部を形成することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 上述した特許文献1のブーム断面(図1)と特許文献2のブーム断面(図2)に対して本願発明を実施した場合について、発明を実施するための最良の形態を説明する。 【実施例1】 【0016】 図4に、本発明の実施の形態に係る伸縮ブームのブーム20を示す。ブーム20の断面は連続した板材により構成された上部セクション21と同じく連続した板材により構成された下部セクション22とから構成されている。 【0017】 上部セクション21の板材の板厚はt1であり、全体が略コの字形状となっている。上部セクション21には比較的大きな曲げ半径であるR4により2ヶ所が直角に曲げられている。上部セクション21の断面の両端部分23と24は互いに平行となっている。 【0018】 下部セクション22は上部セクションの板厚t1よりもやや厚い板厚t2の板材が用いられている。下部セクション22の全体形状は略U字形状に形成されている。下部セクション22の断面の両端部分25と26は互いに平行となっており、その内側の間隔は上部セクション21の両端部分23と24との間隔と同じ寸法となっている。そして、上部セクション21と下部セクション22とはその断面の両端部23と25および、24と26がそれぞれ溶接により接合され、全体としてブーム20の断面が形成される。 【0019】 下部セクション22中央部には下方に突出した台形形状からなる1個の小区画部27が形成されている。図5は小区画部27の詳細図である。図5に示されたように小区画部27は小さな曲げRであるR6の曲げ個所を4ヶ所設けることにより全体として下方に突出した台形形状に形成されている。台形の上下辺の寸法L1、L2と高さ寸法Hは、下部セクション22の板厚t2との関係で施行可能な寸法が選定される。小区画部27の曲げ加工の方法としては、ブーム20を長尺なダイスに載せ、同じく長尺なポンチでプレスすることにより長手方向を一度に曲げるようにしてもよいし、あるいはロール曲げによりブーム20を長手方向に送りながら小区画部27の台形形状に曲げていくようにしてもよい。 【0020】 図5に示した小区画部27を形成するための曲げR6は下部セクション22の略U字形状を形成するための曲げR5に比べて非常に小さいものであるため、小区画部27部分の局部的な座屈強度は非常に大きなものとなる。そして、小区画部27が形成される下部セクション22の中央部は下部セクション22の中で一番圧縮応力が高い部分であり、座屈が発生する場合の起点となる個所であるため、当該部分の局部的な座屈強度を向上させることにより、下部セクション22全体の座屈強度を向上させることができる。 【0021】 図6はブーム20を外側のブーム30に組み合わせた時の断面を示したものである。外側のブーム30の断面は連続した板材により構成された上部セクション31と同じく連続した板材により構成された下部セクション32とから構成されている。33は外側のブーム30の下部セクション中央部に下方に突出した台形形状からなる1個の小区画部である。ブーム30の断面形状はブーム20の断面形状と相似形となっており、本願発明に係るブーム20の小区画部27とブーム30の小区画部33も、共に相似な台形形状である。そのため、図3に示した従来のコの字形状補強部材を追加した場合のように隣り合うブーム間における断面寸法の変化が大きくならず、隣り合うブーム間の相似比を非常に近接したものとすることができる。したがって、伸縮ブームのブーム段数を増やしても、ベースブームに対するトップブームの断面寸法が小さくなりすぎることがない。言い換えると、伸縮ブームの先端側のブーム断面寸法を大きく取ることができるので、同じ強度を持たせるのにより薄い板厚でブーム断面を構成すればよくなり、結果として伸縮ブーム全体の軽量化を図ることができる。 【実施例2】 【0022】 図7は、特許文献2に記載されたブーム断面形状(図2)に本願発明を適用したブーム40を示すものである。ブーム40の下部セクション41は断面が連続した板材により略U字形状に形成されており、さらに当該下部セクション41の略U字形状部分には当該略U字形状とは独立した形状からなる3つの小区画部(42、43、44)が前記略U字形状部分の外方に突出して形成されている。3つの小区画部は共に略U字形状部の曲率(R1、R2、R3)に比べて十分に小さい曲率R8からなる小円弧状に形成されている。そして、第1の小区画部42は略U字形状部分の中央に配置され、第2の小区画部43と第3の小区画部44は、前記第1の小区画部42に近接して対称な位置に配置されている。 【0023】 ブーム40の下部セクション41には、略U字形状部の曲率(R1、R2、R3)に比べて十分に小さい曲率R8からなる小円弧状に形成された3つの小区画部(42、43、44)を配置するよう形成したので、従来のブーム10の下部セクション11の座屈に対する強度を向上することができる。 【図面の簡単な説明】 【0024】 【図1】特許文献1に記載されたブーム断面である。 【図2】特許文献2に記載されたブーム断面である。 【図3】特許文献1に記載されたブーム断面にコの字形状補強部材6を追加したものである。 【図4】本発明の実施例1に係る伸縮ブームのブーム20である。 【図5】図4の小区画部27の詳細図である。 【図6】ブーム20を外側のブーム30に組み合わせた時の断面を示したものである。 【図7】本発明の実施例2に係る伸縮ブームのブーム40である。 【符号の説明】 【0025】 20:ブーム 22:下部セクション 27:小区画部 40:ブーム 41:下部セクション 42、43、44:小区画部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000148759 【氏名又は名称】株式会社タダノ
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| 【出願日】 |
平成16年7月8日(2004.7.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−21877(P2006−21877A) |
| 【公開日】 |
平成18年1月26日(2006.1.26) |
| 【出願番号】 |
特願2004−201423(P2004−201423) |
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