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【発明の名称】 プラスチック製袋
【発明者】 【氏名】石崎 真吾
【課題】袋体の内側寸法を有効に利用して従来よりも大きな物品を出し入れ可能で、かつ、遮光効果、防塵効果、さらには未開封確認効果をも有するジッパー付きのプラスチック製袋を得る。

【解決手段】プラスチックフィルム11,12からなる袋体の上辺開口部15の内側にジッパー5を備えたプラスチック製袋。袋体の両側辺部分13は溶着されており、両側辺部分13であってジッパー5の両端部が位置する領域は非溶着部16とされている。さらに、フィルム11,12はジッパー5よりも内方部分であって袋体の上辺に沿ってイージーピール溶着によって封止されている。この封止ライン20aは加熱によって強く溶着はしないが密着しており、上辺開口部15を両側に引っ張ることで剥離する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルムからなる袋体の上辺開口部の内側面に、凹部と凸部とからなる嵌合/解除可能なジッパーを備えたプラスチック製袋において、
前記袋体は少なくともその両側辺部分が溶着又は溶断されており、
前記袋体の両側辺部分であって前記ジッパーの両端部が位置する領域は非溶着部とされており、
前記袋体を構成する表フィルム及び裏フィルムが前記ジッパーよりも内方部分であって袋体の上辺に沿ってイージーピール溶着により封止されていること、
を特徴とするプラスチック製袋。
【請求項2】
前記イージーピール溶着による封止ラインは前記袋体の上辺の全長に渡って形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック製袋。
【請求項3】
前記イージーピール溶着による封止ラインの一部が非溶着部とされていることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック製袋。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック製袋、特に、プラスチックフィルムからなる袋体の上辺開口部の内側に、凹部と凸部とからなる嵌合/解除可能なジッパーを備えたプラスチック製袋に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックフィルムからなる袋体の上辺開口部の内側に、凹部と凸部とかならなる嵌合/解除可能なジッパーを備えたプラスチック製袋は、従来から種々のものが提供されている。
【0003】
この種のジッパー付きプラスチック製袋に関しては、密閉性、遮光性、防塵性、あるいは未開封であることの確認性が要求されている。袋体の密閉性に関しては、特許文献1に、バップ剤などの揮発性成分を有する物品の収納袋として、ジッパーの内側に剥離性シール部を設けることが開示されている。
【0004】
一方、代表的なジッパー付きプラスチック製袋は、図5に示すように、2枚のプラスチックフィルム1A,1Bの両側辺部を溶着あるいは溶断し(図5(C)で斜線を付した部分2が溶着部である)、上辺開口部にジッパー5を設けたものである。ジッパー5は、よく知られているように(図6参照)、プラスチック製のベース部6に凹部7及び凸部8をそれぞれ一体的に形成したものである。
【0005】
ジッパー5は、その両端部5a,5aにおいて、凹部7と凸部8が互いに嵌合状態で溶着されている。従って、開口時にあっても両端部5a,5aは嵌合状態で固定されており、再封時には両端部5a,5aを起点としてジッパー5の背面部を指で挟み込み、押圧しつつ指を滑らせて封止する。
【0006】
ところで、この種の従来のプラスチック製袋にあっては、ジッパー5を開いた際の開口部3の面積(図5(B)に斜線を付した部分)がかなり小さくなる。即ち、ジッパー5が設置される部分は樹脂量が多くなるためにどうしても溶着面積が大きくなり(図5(C)の2a参照)、また、凹部7及び凸部8が内方に膨出していることに起因する。従って、開口部3から出し入れすることのできる物品は溶着部2の内側寸法D1よりも小さな寸法D2から凹部7と凸部8とが開口時に重なり合っている部分を除いた幅D3以下のものに限定されていた。
【0007】
特に、この種のプラスチック製袋をコピーやプリンタなどの用紙類の包装袋として使用した場合、狭い開口部をカットしなければ用紙を取り出すことができず、用紙を数枚ずつ取り出して残りを再封しておくような使い方ができなかった。
【0008】
袋体内部の密閉性は特許文献1に開示されているように剥離性シール部分を設けることで解決が可能であるが、袋体の内容積を有効に活用して大きな物品を出し入れできたり、用紙類を数枚ずつ取り出して再封を可能とし、かつ、防塵性などを確保する点は未解決である。
【特許文献1】特開平7−132946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の目的は、袋体の内側寸法を有効に利用して従来よりも大きな物品を開口部をカットしなくても取出し/再封可能で、かつ、遮光効果、防塵効果、さらには未開封確認効果をも有するジッパー付きのプラスチック製袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明は、プラスチックフィルムからなる袋体の上辺開口部の内側面に、凹部と凸部とからなる嵌合/解除可能なジッパーを備えたプラスチック製袋において、前記袋体は少なくともその両側辺部分が溶着又は溶断されており、前記袋体の両側辺部分であってジッパーの両端部が位置する領域は非溶着部とされており、前記袋体を構成する表フィルム及び裏フィルムが前記ジッパーよりも内方部分であって袋体の上辺に沿ってイージーピール溶着により封止されていることを特徴とする。
【0011】
本発明において、イージーピール溶着とは、加熱によって強く溶着はしないが密着し、袋体の上辺開口部を両側に引っ張ることで剥離可能な接合状態を意味する。
【0012】
本発明に係るプラスチック製袋によれば、袋体の上辺開口部であってジッパーの両端部が位置する領域は非溶着部分とされてジッパー部分を含めて開放可能である。上辺開口部はイージーピール溶着によりライン状に封止されているが、この封止ラインはジッパーの解除と共に容易に剥離される。従って、袋体の上辺開口部を大きく開けることができ、袋体の内側寸法を有効に利用して従来よりも大きな物品を出し入れでき、あるいは、コピーやプリンタの用紙類などを数枚ずつ取り出して残りを再封しておくことができる。
【0013】
さらに、イージーピール溶着によって遮光効果、防塵効果が得られ、収納物の劣化などを防止することができる。また、イージーピール溶着は一旦剥離されると通常は再密着することはないので、当該袋体が未開封の状態であるか否かを容易に識別することができる。
【0014】
本発明に係るプラスチック製袋において、前記イージーピール溶着は袋体を構成する表フィルム又は裏フィルムの少なくともいずれか一方に、耐熱インキ、メジューム、シリコン又はイージーピール樹脂などを塗布して、あるいは、イージーピールフィルムを挟み込み、ライン状に加熱するなどして処理すればよい。
【0015】
特に、イージーピール溶着による封止ラインを袋体の上辺の全長に渡って形成すれば、袋体内部の密閉性を確保することができる。また、イージーピール溶着による封止ラインの一部を非溶着部として残しておけば、物品収納時に該非溶着部が袋内部の空気抜き孔として機能する。さらに、該非溶着部を起点として封止ラインに沿って容易に剥離することができる利点をも奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るプラスチック製袋の実施例について添付図面を参照して説明する。
【0017】
(第1実施例、図1及び図2参照)
第1実施例であるプラスチック製袋10Aは、図1に示すように、2枚のプラスチックフィルム11,12の両側辺部分13,13及び下辺部分14が右下がりの斜線で示すように溶着されて袋体とされている。フィルム11,12としては、熱溶着可能な1枚の素材、あるいは、少なくとも内側面に熱溶着可能な樹脂層を有する素材が用いられている。
【0018】
袋10Aの上辺開口部15の内側面には、ジッパー5が溶着されている。このジッパー5は、図6に示すように、プラスチック製のベース部6に凹部7及び凸部8をそれぞれ一体的に成形した従来から用いられているものである。
【0019】
また、フィルム11,12はジッパー5よりも内方部分においてイージーピール溶着により封止されている。イージーピール溶着は、従来種々の方法が知られており、フィルム11,12の少なくともいずれか一方に、例えば、耐熱インキ、メジューム、シリコン又はイージーピール樹脂などを塗布して、あるいは、イージーピールフィルムを挟み込み、ライン状に加熱するなどして処理すればよい。
【0020】
イージーピールフィルムとしては、例えば、フィルム11,12の内側面がポリエチレン100%であれば、ポリプロピレン80%とポリエチレン20%の共重合フィルムを使用することができる。
【0021】
図1及び図2において右上がりの斜線を付した部分がイージーピール処理領域20であり、この領域20に耐熱インキなどが塗布されたり、イージーピールフィルムが挟み込まれる。そして、この処理領域20において加熱によって封止ライン20aが形成される。封止ライン20aは加熱によって強く溶着はしていないが密着し、強制的に剥離可能である。
【0022】
ところで、従来のジッパー付きプラスチック製袋にあっては、両側辺部分13,13はジッパー5が設けられている上辺部分まで溶着されている。しかし、この袋10Aにあっては、図2に示すように、両側辺部分13の溶着は、イージーピール処理領域20が溶着阻害層として機能し、両側辺部分13の上端部分13’はイージーピール処理された領域となる。そして、ジッパー5の両端部が位置する領域は非溶着部16とされている。
【0023】
この袋10Aを開封するには、フィルム11,12の上辺開口部15を両手でつまみ、左右に広げる。これにて、ジッパー5の嵌合が解除され、さらに、力を加えることによって封止ライン20aが剥離される。袋10Aが開封された状態は、図1(C)に示すように、袋10Aの上辺開口部15が大きく開く。この状態で、収納物を容易に取り出すことができ、ジッパー5によって再封することも可能である。
【0024】
なお、袋10Aをコピー用紙などの包装袋として使用する場合は、下辺部分14を溶着することなく製袋しておき、コピー用紙などを下辺部分14から収納した後(このとき、上辺開口部15はジッパー5にて閉じられており、封止ライン20aも形成されている)、下辺部分14を溶着して閉止する。この下辺部分14の閉止は溶着に限定するものではなく、フィルム11,12のいずれか一方を長くした延長部分に接着剤層を設け、該延長部分を折り返して他方のフィルムの下辺部分に貼り付けるようにしてもよい。
【0025】
この袋10Aにあっては、上辺開口部15を大きく開けることができるため、袋体の内側寸法を有効に利用して従来よりも大きな物品を出し入れでき、あるいはコピー用紙などを数枚ずつ取り出して残りを再封することができる。また、袋体の上辺部分がその全長に渡って封止ライン20aによって密着/封止されているため、最初の開封までは袋体内部の密閉性を確保できると共に、遮光効果、防塵効果が得られ、収納物の劣化などを防止することができる。さらに、封止ライン20aは一旦剥離されると通常は再密着することはないので、当該袋体が未開封の状態であるか否かを容易に識別することができる。
【0026】
(第2実施例、図3及び図4参照)
第2実施例であるプラスチック製袋10Bは、図3及び図4に示すように、基本的には前記第1実施例であるプラスチック製袋10Aと同様の構成からなる。異なるのは、イージーピール処理領域20の封止ライン20aの中央部分が途切れて非溶着部20bとされている点である。なお、図3及び図4において図1及び図2と同じ部材、部分には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
【0027】
この袋10Bにあっては、袋体内部の密閉性以外の作用効果は前記袋10Aと同じである。特に、封止ライン20aの一部を非溶着部20bとしているため、上辺開口部15を開く場合、非溶着部20bを起点として封止ライン20aに沿って容易に剥離することができる。
【0028】
即ち、イージーピール溶着による封止ライン20aは図4の矢印A方向からの剥離力に対してはライン20aの長さに比例した大きな抵抗力を発揮するが、矢印B方向からの剥離力に対してはライン20aの幅に比例した小さな抵抗力しか示さない。従って、非溶着部20bから指などを入れてライン20aに沿って開き始めれば(矢印B方向から剥離力を作用させれば)、僅かな力で容易に開封することができる。
【0029】
さらに、非溶着部20bは物品収納時に袋内部の空気抜き孔として機能する。例えば、シャツなどを収納する袋にあっては、滞留空気の排出のため、従来ではフィルム11又は12に小孔を形成して空気抜き孔としていたが、この袋10Bにあっては空気抜き孔を形成する必要がなくなる。
【0030】
(他の実施例)
なお、本発明に係るプラスチック製袋は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0031】
例えば、前記ジッパー5の形状、構造は任意であり、フィルム11,12やイージーピール溶着の材料は前記実施例に示したもの以外に種々の材料を使用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施例であるプラスチック製袋を示し、(A)は正面図、(B)は断面図、(C)は開封状態の断面図である。
【図2】図1(A)のX部分の拡大図である。
【図3】本発明の第2実施例であるプラスチック製袋を示し、(A)は正面図、(B)は断面図、(C)は開封状態の断面図である。
【図4】図3(A)のX部分の拡大図である。
【図5】従来のプラスチック製袋を示し、(A)はジッパーを閉じた状態の上面図、(B)はジッパーを開けた状態の上面図、(C)は正面図である。
【図6】前記ジッパーの説明図である。
【符号の説明】
【0033】
5…ジッパー
10A,10B…プラスチック製袋
11,12…プラスチックフィルム
13…側辺部分
14…下辺部分
15…上辺開口部
16…両端非溶着部
20…イージーピール処理領域
20a…封止ライン
20b…非溶着部
【出願人】 【識別番号】391022234
【氏名又は名称】石崎資材株式会社
【出願日】 平成16年6月22日(2004.6.22)
【代理人】 【識別番号】100091432
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 武一

【公開番号】 特開2006−8141(P2006−8141A)
【公開日】 平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願番号】 特願2004−183842(P2004−183842)