| 【発明の名称】 |
インフレータおよび流体中自由運動体 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 博 【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内
【氏名】須藤 肇 【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内
【氏名】西村 修 【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内
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| 【要約】 |
【課題】保管時や使用時の環境による劣化が少なく、幅広い環境で正しく作動し取扱が簡便なインフレータおよび流体中自由運動体を提供する。
【解決手段】加圧媒体が充填された圧力タンク5の一部には脆弱部4aが設けられている。脆弱部4aを貫通可能な位置と離れた位置との間を往復可能に、貫通手段7は設けられている。貫通手段7は、圧力タンク5の慣性力を用いて脆弱部4aを貫通する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加圧媒体が充填された圧力タンクと、 前記圧力タンクの一部に設けられた脆弱部と、 前記脆弱部を貫通し、前記加圧媒体を前記圧力タンクの外部へ放出する流路を形成するための貫通手段と、を有するインフレータであって、 前記インフレータの加速度に変化が生じた際、前記加速度の変化に伴って発生する慣性力を用いて、前記貫通手段は前記脆弱部を貫通することを特徴とするインフレータ。 【請求項2】 前記貫通手段は、前記脆弱部を貫通可能な位置と離れた位置との間を、前記圧力タンクに対して相対的に往復可能な状態で設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインフレータ。 【請求項3】 前記加圧媒体が前記流路を通じて外部へ放出される際、前記加圧媒体が前記流路から漏洩することを抑制するための漏洩防止手段を有することを特徴とする請求項1および請求項2に記載のインフレータ。 【請求項4】 前記漏洩防止手段は、ベローズを有することを特徴とする請求項3に記載のインフレータ。 【請求項5】 前記漏洩防止手段は、パッキンを有することを特徴とする請求項3に記載のインフレータ。 【請求項6】 前記漏洩防止手段は、Oリングを有することを特徴とする請求項3に記載のインフレータ。 【請求項7】 流体中を運動可能なボディーと、 前記ボディーに設けられた翼と、 加圧媒体が充填され、前記ボディーの内部に設けられた圧力タンクと、 前記圧力タンクの一部に設けられた脆弱部と、 前記脆弱部を貫通し、前記加圧媒体を前記圧力タンクの外部へ放出するための流路を形成するための貫通手段と、 前記翼の後縁近傍に開口され、前記流路と連通し、前記加圧媒体を噴出するための噴出口と、を有する流体中自由運動体であって、 前記流体中自由運動体の加速度に変化が生じた際、前記加速度の変化に伴って発生する慣性力を用いて、前記貫通手段は前記脆弱部を貫通することを特徴とする流体中自由運動体。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、加圧媒体が充填されたタンクを開栓することにより、加圧媒体を放出(噴出)するインフレータおよびこれを用いた流体中自由運動体に関する。 【背景技術】 【0002】 車両のタイヤやエアバッグなどに用いるインフレータ、そして空気圧アクチュエータを用いた駆動機構などの圧縮気体の供給源として、高圧の気体やその液化物等の加圧媒体が充填されたタンクを開栓することにより、高圧の加圧媒体を供給するインフレータが用いられている。 【0003】 特許文献1によれば、破裂板が設けられたインフレータハウジング(タンク)には加圧媒質(加圧媒体)が充填されている。インフレータハウジングに接続されたディフューザー部の内部には点火薬を備えた点火器が設けられている。外部から点火信号を受けると、点火器に備えられた点火薬は燃焼し、この点火薬の燃焼の際の爆発力により破裂板が破壊され、インフレータハウジングは開栓される。 【特許文献1】特開2002−255006公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところが、上述の様な従来のインフレータは、破裂板の破壊に点火薬を用いているため、点火薬の自然発火温度を超える高温下で用いる場合、外部から点火信号を受けない場合でも点火薬は燃焼してしまう。すなわち、加圧媒体の放出を意図しない場合でも、インフレータは誤作動し加圧媒体の放出を開始してしまう。 【0005】 また、破裂板の破壊に点火薬を用いているため、インフレータを高温多湿の環境下にて保管した場合、点火薬が吸湿してしまい、外部から点火信号を受けて点火薬が燃焼しても、十分な燃焼速度が得られず破裂板が破壊されない場合がある。すなわち、加圧媒体の放出を意図した場合でも、インフレータは正しく作動せず加圧媒体が放出されない。 【0006】 さらに、破裂板の破壊に点火薬を用いているため、インフレータを保管する倉庫やインフレータを移送する車両などは、危険物取扱のための防火壁等の付帯設備、危険物取扱者の資格を有する管理者などが必要となる場合があり、簡便な取扱ができなかった。 【0007】 本発明は、このような事情を鑑みてされたもので、保管時や使用時の環境による劣化が少なく、幅広い環境で正しく作動し取扱が簡便なインフレータおよび流体中自由運動体を提供する事を目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記目的を達成するために、本発明のインフレータは、加圧媒体が充填された圧力タンクと、前記圧力タンクの一部に設けられた脆弱部と、前記脆弱部を貫通し、前記加圧媒体を前記圧力タンクの外部へ放出する流路を形成するための貫通手段と、を有するインフレータであって、前記インフレータの加速度に変化が生じた際、前記加速度の変化に伴って発生する慣性力を用いて、前記貫通手段は前記脆弱部を貫通することを特徴とする。 【0009】 また、上記目的を達成するために、本発明の流体中自由運動体は、流体中を運動可能なボディーと、前記ボディーに設けられた翼と、加圧媒体が充填され、前記ボディーの内部に設けられた圧力タンクと、前記圧力タンクの一部に設けられた脆弱部と、前記脆弱部を貫通し、前記加圧媒体を前記圧力タンクの外部へ放出するための流路を形成するための貫通手段と、前記翼の後縁近傍に開口され、前記流路と連通し、前記加圧媒体を噴出するための噴出口と、を有する流体中自由運動体であって、前記流体中自由運動体の加速度に変化が生じた際、前記加速度の変化に伴って発生する慣性力を用いて、前記貫通手段は前記脆弱部を貫通することを特徴とする。 【発明の効果】 【0010】 本発明によれば、保管時や使用時の環境による劣化が少なく、幅広い環境で正しく作動し取扱が簡便なインフレータおよび流体中自由運動体を提供する事ができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。 【0012】 (第1の実施の形態) 図1は本発明の第1の実施の形態によるインフレータ100の断面図である。 【0013】 例えば略円筒形の圧力容器1の一端側には開口部2が設けられている。圧力容器1の内部の空間3には、例えば圧縮空気や液化炭酸ガス、液化窒素などの加圧媒体が充填されている。圧力容器1の材質としては、外部からの衝撃等により容易に変形、破裂しないような、例えば十分な厚みを持つ真鍮や構造用鋼などの、比較的硬度が高く引っ張り強度の高い金属が適している。 【0014】 圧力容器1には封板4が設けられている。封板4の材質としては、例えば圧力容器1の壁の厚さより薄い銅やアルミニウム、軟鉄など、比較的硬度が低く引っ張り強度の低い金属が適している。封板4は、加圧媒体が圧力容器1から漏洩しないように、例えば溶接などの方法を用いて開口部2を密閉するように設けられている。圧力容器1に設けられた封板4の開口部2と重なる部分、すなわち脆弱部4aは封板4の一部の面が直接空間3に露出しており、この脆弱部4aの強度は圧力容器1よりも低くなる。このようにして圧力容器1と封板4にて圧力タンク5があらかじめ構成される。 【0015】 圧力タンク5の周囲には筐体6が設けられている。また、筐体6の内部には脆弱部4aを貫通するための貫通手段7が設けられている。圧力タンク5は筐体6に、例えばスライドレールやリニア軸受(本実施の形態ではリニア軸受11)等を用いて往復可能に設けられている。このとき、圧力タンク5の往復可能な方向・範囲は、脆弱部4aが貫通手段7によって貫通可能な位置と、脆弱部4aが貫通手段7と離れた位置(脆弱部4aが貫通手段7によって貫通されない位置で接触している位置を含む)との間を往復可能な方向・範囲である。なお、本実施の形態では、後述する支持部材12を用いて圧力タンク5はリニア軸受11に接続されている。 【0016】 筐体6には開口部8が設けられている。開口部8は、圧力タンク5から放出された加圧媒体を、インフレータ100外部へ導出するために設けられている。開口部8は、インフレータ100の用途に応じて、圧力ホース等を介して加圧媒体の供給対象と接続される。例えば車両のタイヤの空気入れとして用いるならば、圧力ホースにてタイヤと開口部8を接続して用いることができる。また、例えば車両のエアバッグの部品として用いるならば、圧力ホースを用いてエアバッグと開口部8を接続して用いることができる。また、例えば駆動機構の圧縮気体の供給源として用いるならば、圧力ホースを用いて駆動機構の圧縮空気導入口と開口部8を接続して用いることができる。 【0017】 貫通手段7は、筐体6の脆弱部4a側に設けられている。貫通に必要な力を軽減するために、貫通手段7は、例えば円柱状パイプの一端を鋭角に切断した注射針の先端の様な鋭利な形状に形成されている。貫通手段7は、例えばステンレス合金等の硬度の高い材質からなる。脆弱部4aが貫通手段7と離れた位置から脆弱部4aが貫通手段7によって貫通可能な位置へと移動する際、貫通手段7にて脆弱部4aを貫通できるように、貫通手段7は設けられている。例えば貫通手段7に中空部を設けたり、貫通手段の側面に溝を設けたりすることにより、貫通手段7が脆弱部4aを貫通した際、空間3と開口部8とが連通する流路が形成されるように、貫通手段7は加工されている。このように貫通手段7を加工することで、貫通手段7が脆弱部4aを貫通すると空間3と開口部8との間に流路が形成され、空間3に充填されている加圧媒体が、流路を通じて開口部8から噴出する。 【0018】 筐体6の内部には、加圧媒体が流路、続いて開口部8を通じて外部へ放出される際、加圧媒体が流路から漏洩することを抑制するためのベローズ10(漏洩防止手段)が設けられている。ベローズ10の一端は、支持部材12を介して圧力タンク5と接続されている。ベローズ10の他端は、支持部材13を介して筐体6と接続されている。ベローズ10と支持部材12、圧力タンク5、支持部材13、筐体6とで形成された空間から加圧媒体が漏洩することを抑制するために、各部材の接続部分には必要に応じてシール材やパッキン等がさらに設けられている。 【0019】 貫通手段7と開口部8の間には、レギュレータ9が設けられている。レギュレータ9は開口部8から放出される加圧媒体の圧力を所望の圧力に調整するために設けられている。ここで、所望の圧力とは、インフレータ100を使用する際の目的に応じた圧力のことを言う。例えばインフレータ100を車両のタイヤの空気入れとして用いるならば、所望の圧力はインフレータ100の定格や、タイヤの指定空気圧等をいう。また、例えば車両のエアバッグの部品として用いるならば、エアバックが作動した際のエアバック内部の最大圧力等をいう。 【0020】 筐体6には貫通孔6aが設けられている。また、支持部材12には孔12aが設けられている。貫通孔6aと孔12aは、脆弱部4aが貫通手段7と離れた位置にある際に貫通孔6aと孔12aが連通するように設けられている。貫通孔6aと孔12aには、安全ピン14が挿入可能となるように設けられている。安全ピン14は、圧力タンク5の往復動作を停止するために設けられている。すなわち、安全ピン14が挿入されている状態ではインフレータ100は加圧媒体の放出の動作ができない様に、安全ピン14は設けられている。 【0021】 続いて、本発明の第1の実施の形態によるインフレータ100の動作について説明する。図2(a)に、加圧媒体を噴出させる前の状態のインフレータ100を示す。 【0022】 まず、脆弱部4aは貫通手段7に貫通されていない状態である。インフレータ100が保管や輸送等の加圧媒体を放出する必要がない場合、貫通孔6aと孔12aには安全ピン14が挿入されたままの状態とする。 【0023】 インフレータ100を使用する場合、使用の準備として、はじめに安全ピン14を貫通孔6aと孔12aから引き抜く。すると、圧力タンク5はリニア軸受11によって往復可能な状態となる。この時、ベローズ10の弾性によって、脆弱部4aが貫通手段7から離れた位置に圧力タンク5は保持される。 【0024】 次に、図2(b)にインフレータ100に加速度が加えられた状態を示す。インフレータ100は、例えば車両のエアバッグの部品として用いる場合、走行中の車両が衝突して急激に車両の速度がゼロに、またはゼロに近くなる際、インフレータ100にも加速度が加わる。また、例えば車両のタイヤの空気入れとして用いるならば、作業者がインフレータ100を手で振るなどの操作により加速度が加わる。 【0025】 次に、図2(c)にインフレータ100に加速度が加えられた後の状態を示す。インフレータ100に加速度が矢印F1の方向に加わった場合、インフレータ100には、加速度に応じた力F1が加わる。圧力タンク5が往復可能な状態となっているので、圧力タンク5には、力F1と相対的に逆向きの力F2(慣性力)が加わる。力F2が加えられた圧力タンク5は、リニア軸受11によって往復可能な状態となっているので、脆弱部4aが貫通手段7によって貫通可能な位置に向かって相対的に移動する。結果、貫通手段7に接触した脆弱部4aは、力F2によって貫通手段7に貫通され、形成された流路を通じて開口部8より加圧媒体が放出される。 【0026】 このように、本発明の第1の実施の形態によるインフレータ100は、圧力タンク5から加圧媒体を噴出させるために点火薬を用いないので、保管時や使用時の環境による劣化を少なくすることができる。また内部に点火薬を一切使用していないため、幅広い環境で正しく作動し、さらに保管に防火壁等の特殊な保管庫が不要で、簡便に取り扱うことができる。 【0027】 また、本発明の第1の実施の形態によるインフレータ100は、圧力タンク5から加圧媒体を噴出させるために、サーボモータや電磁弁、油圧シリンダー等のアクチュエータ、アクチュエータの動作や制御に必要な電装系を必要としない。従って、インフレータ100の小型化が可能であるばかりでなく、水等によるショートや外部ノイズに起因する誤動作の恐れがない。さらに、例えば車両のエアバックの部品として用いる場合、事故等によって電装系に不具合があった場合でも、誤動作や動作不良の恐れがない。 【0028】 また、筐体6の内部にはベローズ10が設けられているので、万一貫通手段7が脆弱部4aを貫通した後に、脆弱部4aが貫通手段7と離れた位置に戻ってしまった場合でも、ベローズ10によって漏洩が抑制され、開口部8からの加圧媒体の放出が妨げられることがない。 【0029】 なお、本発明の第1の実施の形態による圧力容器1と封板4は一体に形成されたものでも良く、例えば液化炭酸ガスが封入された一部に肉厚の薄い脆弱部を有する市販の小型CO2ボンベのようなものでも良い。 【0030】 また、安全ピン14を引き抜くことにより圧力タンク5はリニア軸受11によって往復可能な状態とする実施の形態について説明したが、安全ピン14をインフレータ100があらかじめ設計時に定められた所定の加速度を超えた場合、力F2によって折れる程度の強度のものを用いることもできる。この場合、通常の保管、輸送といった取扱いでは圧力タンク5はリニア軸受11によって往復可能な状態となることはないが、所定の加速度を超えた場合にのみ圧力タンク5はリニア軸受11によって往復可能な状態とすることができる。 【0031】 また、安全ピン14は他の安全装置と兼用することもできる。例えば駆動機構の圧縮気体の供給源として用いる場合、別途設けられた駆動機構の安全ピンとワイヤー等で接続し、駆動機構の安全ピンが引き抜かれた際、同時に安全ピン14が引き抜かれる様に構成してもよい。 【0032】 (第2の実施の形態) 図3は本発明の第2の実施の形態によるインフレータ200の断面図である。なお、第1の実施の形態の各部と同一部分は、同一符号で示し、その説明を省略する。 【0033】 圧力タンク5の周囲には筐体6が設けられている。圧力タンク5は筐体6に、例えばスライドレールやリニア軸受(本実施の形態ではリニア軸受11a、11b)等を用いて往復可能に設けられている。このとき、圧力タンク5の往復可能な方向・範囲は、脆弱部4aが貫通手段7によって貫通可能な位置と、脆弱部4aが貫通手段7と離れた位置との間を往復可能な方向・範囲である。なお、本実施の形態では、後述する支持部材12を用いて圧力タンク5はリニア軸受11a、11bに接続されている。 【0034】 筐体6の内部には、加圧媒体が流路、続いて開口部8を通じて外部へ放出される際、加圧媒体が流路から漏洩することを抑制するためのパッキン35(漏洩防止手段)が設けられている。パッキン35は、支持部材13やレギュレータ9、または圧力タンク5と接続されている(図3では支持部材13およびレギュレータ9)。 【0035】 支持部材12には、永久磁石31(吸着機構)が設けられている。筐体6には永久磁石31を吸着するための吸着板32(吸着機構)が設けられている。永久磁石31と吸着板32は、脆弱部4aを貫通手段7から離れた位置で圧力タンク5を保持するように設けられている。また、圧力タンク5に力F2が加わった際、永久磁石31と吸着板32の吸着が解かれ、永久磁石31と吸着板32の間で発生する吸着力が圧力タンク5の往復動作が開始することができる方向、強さとなるように、永久磁石31と吸着板32は設けられている。 【0036】 支持部材12には、永久磁石33(吸着機構)が設けられている。支持部材13には永久磁石33を吸着するための永久磁石34(吸着機構)が設けられている。永久磁石33と永久磁石34は、脆弱部4aが貫通手段7によって貫通可能な位置で圧力タンク5を保持するように設けられている。また、脆弱部4aが貫通手段7によって貫通された際、永久磁石33と永久磁石34の間で発生する吸着力によって、圧力タンク5がパッキン35を支持部材13やレギュレータ9(図3では支持部材13およびレギュレータ9)に向かって押し付けることができるように、永久磁石33と永久磁石34は設けられている。 【0037】 続いて、本発明の第2の実施の形態によるインフレータ200の動作について説明する。図4(a)に、加圧媒体を噴出させる前の状態のインフレータ200を示す。 【0038】 まず、インフレータ200を使用する場合、使用の準備として、はじめに安全ピン14を貫通孔6aと孔12aから引き抜く。すると、圧力タンク5はリニア軸受11a、11bによって往復可能な状態となる。この時、永久磁石31と吸着板32によって、脆弱部4aが貫通手段7から離れた位置に圧力タンク5は保持される。 【0039】 次に、図4(b)にインフレータ200に加速度が加えられた状態、図4(c)にインフレータ200に加速度が加えられた後の状態を示す。力F2が加えられた圧力タンク5は、リニア軸受11a、11bによって往復可能な状態となっているので、脆弱部4aが貫通手段7によって貫通可能な位置に向かって相対的に移動しようとする。力F2が永久磁石31と吸着板32によって保持された圧力タンク5を往復動作させるのに必要な力を超えた場合、貫通手段7に接触した脆弱部4aは、力F2によって貫通手段7に貫通され、形成された流路を通じて開口部8より加圧媒体が放出される。 【0040】 このように、本発明の第2の実施の形態によるインフレータ200は、圧力タンク5から加圧媒体を噴出させるために点火薬を用いないので、保管時や使用時の環境による劣化を少なくすることができる。また内部に点火薬を一切使用していないため、幅広い環境で正しく作動し、さらに保管に防火壁等の特殊な保管庫が不要で、簡便に取り扱うことができる。 【0041】 また、本発明の第2の実施の形態によるインフレータ200は、圧力タンク5から加圧媒体を噴出させるために、サーボモータや電磁弁、油圧シリンダー等のアクチュエータ、アクチュエータの動作や制御に必要な電装系を必要としない。従って、インフレータ200の小型化が可能であるばかりでなく、水等によるショートや外部ノイズに起因する誤動作の恐れがない。さらに、例えば車両のエアバックの部品として用いる場合、事故等によって電装系に不具合があった場合でも、誤動作や動作不良の恐れがない。 【0042】 また、筐体6の内部にはパッキン35が設けられているので、貫通手段7が脆弱部4aを貫通した後にパッキン35によって漏洩が抑制され、開口部8からの加圧媒体の放出が妨げられることがない。 【0043】 また、圧力タンク5はリニア軸受11a、11bの2つのリニア軸受を用いて往復可能に設けられている。リニア軸受11a、11bは、圧力タンク5の往復可能な可動軸に垂直な軸回りの回転運動を拘束しているので、圧力タンク5が誤って回転運動してしまうことがない。 【0044】 なお、本発明の第1の実施の形態と同様、本発明の第2の実施の形態による圧力容器1と封板4は一体に形成されたものでも良い。また、安全ピン14をインフレータ200があらかじめ設計時に定められた所定の加速度を超えた場合、力F2によって折れる程度の強度のものを用いることもできる。さらに、安全ピン14は他の安全装置と兼用することもできる。 【0045】 また、永久磁石31、33、34および吸着板32は、吸着力を発生させるものであれば良い。例えば、永久磁石31、33、34および吸着板32それぞれを、吸着力を発生させる他の組合せに入れ替えて用いても構わない。 【0046】 (第3の実施の形態) 図5は本発明の第3の実施の形態によるインフレータ300の断面図である。なお、第1の実施の形態および第2の実施の形態の各部と同一部分は、同一符号で示し、その説明を省略する。 【0047】 筐体6の内部には、加圧媒体が流路、続いて開口部8を通じて外部へ放出される際、加圧媒体が流路から漏洩することを抑制するためのOリング51(漏洩防止手段)が設けられている。Oリング51は、例えば支持部材12と支持部材13の間に設けられている。 【0048】 続いて、本発明の第3の実施の形態によるインフレータ300の動作について説明する。図6(a)に、加圧媒体を噴出させる前の状態のインフレータ300を示す。 【0049】 まず、インフレータ300を使用する場合、使用の準備として、はじめに安全ピン14を貫通孔6aと孔12aから引き抜く。すると、圧力タンク5はリニア軸受11によって往復可能な状態となる。この時、Oリング51の摩擦力によって、脆弱部4aが貫通手段7から離れた位置に圧力タンク5は保持される。 【0050】 次に、図6(b)にインフレータ300に加速度が加えられた状態、図6(c)にインフレータ300に加速度が加えられた後の状態を示す。力F2が加えられた圧力タンク5は、リニア軸受11によって往復可能な状態となっているので、脆弱部4aが貫通手段7によって貫通可能な位置に向かって相対的に移動しようとする。力F2がOリング51によって保持された圧力タンク5を往復動作させるのに必要な力を超えた場合、貫通手段7に接触した脆弱部4aは、力F2によって貫通手段7に貫通され、形成された流路を通じて開口部8より加圧媒体が放出される。 【0051】 脆弱部4aが貫通されると、加圧媒体の圧力によって、支持部材12と支持部材13との間隙の少なくとも一部、すなわちOリング51によって漏洩が防止された図6(c)に示す空間52の圧力が上昇する。空間52の圧力が上昇すると、Oリング51のセルフシールの作用により、Oリング51が支持部材12と支持部材13に押し付けられる力は増大する。その結果、Oリング51の摩擦力によって圧力タンク5を保持しようとする力が増大し、加圧媒体の圧力によって脆弱部4aが貫通手段7から離れた位置に戻ろうとする圧力タンク5は、脆弱部4aが貫通手段7によって貫通可能な位置に保持される。 【0052】 このように、本発明の第3の実施の形態によるインフレータ300は、圧力タンク5から加圧媒体を噴出させるために点火薬を用いないので、保管時や使用時の環境による劣化を少なくすることができる。また内部に点火薬を一切使用していないため、幅広い環境で正しく作動し、さらに保管に防火壁等の特殊な保管庫が不要で、簡便に取り扱うことができる。 【0053】 また、本発明の第3の実施の形態によるインフレータ300は、圧力タンク5から加圧媒体を噴出させるために、サーボモータや電磁弁、油圧シリンダー等のアクチュエータ、アクチュエータの動作や制御に必要な電装系を必要としない。従って、インフレータ300の小型化が可能であるばかりでなく、水等によるショートや外部ノイズに起因する誤動作の恐れがない。さらに、例えば車両のエアバックの部品として用いる場合、事故等によって電装系に不具合があった場合でも、誤動作や動作不良の恐れがない。 【0054】 また、筐体6の内部にはOリング51が設けられているので、貫通手段7が脆弱部4aを貫通した後にOリング51によって漏洩が抑制され、開口部8からの加圧媒体の放出が妨げられることがない。 【0055】 なお、本発明の第1の実施の形態、第2の実施の形態と同様、本発明の第3の実施の形態による圧力容器1と封板4は一体に形成されたものでも良い。また、安全ピン14をインフレータ300があらかじめ設計時に定められた所定の加速度を超えた場合、力F2によって折れる程度の強度のものを用いることもできる。さらに、安全ピン14は他の安全装置と兼用することもできる。 【0056】 (第4の実施の形態) 図8および図9に、本発明の第4の実施の形態による流体中自由運動体400を示す。 【0057】 図8に、流体中自由運動体400の斜視図、図9(a)に流体中自由運動体400の後述する操舵翼401(翼)の断面図、図9(b)に流体中自由運動体400の後述するボディー402の断面図を示す。なお、第1乃至第3の実施の形態の各部と同一部分は、同一符号で示し、その説明を省略する。 【0058】 流体中自由運動体400は、4枚の操舵翼401がボディー402に設けられている。流体中自由運動体400は、流体中を運動する際、流体からボディー402や操舵翼401にかかる力のバランスを制御して姿勢を制御する。 【0059】 ボディー402の内部には、インフレータ300が設けられている。インフレータ300には、安全ピン14が設けられている。例えばワイヤーなど用いて別途設けられた流体中自由運動体400の安全ピンと接続することにより流体中自由運動体400の安全ピンが引き抜かれる際に連動して、または例えばワイヤーなどを用いて別途設けられた固定物等と接続することにより流体中自由運動体400の運動の開始と連動して引き抜かれる様に、安全ピン14は設けられている。その他の構成は、第3の実施の形態によるインフレータ300と同様のため、その説明を省略する。 【0060】 ボディー402には、開口部404が設けられている。また、操舵翼401には、各2系統の噴出口405が設けられている。操舵翼401の一方の面に開口するように、一方の系統の噴出口405が、操舵翼401の他方の面に開口するように、他方の系統の噴出口405が設けられている。流体中自由運動体400が流体中を移動する際、操舵翼401の周囲を流れる流体の流れを変化させる事により、流体中自由運動体400の姿勢を制御するために、噴出口405は設けられている。噴出口405から噴出する加圧媒体を、どの噴出口405から噴出するかを切り替えることにより、流体中自由運動体400の姿勢を制御することができる。 【0061】 例えば、図10(a)に示すように、操舵翼401の周囲を流体301、302が流れている。操舵翼401の一方の面の表面に反って、流体301は流れている。操舵翼401の他方の面の表面に反って、流体302は流れている。次に、一方の噴出口405より、例えば図10(b)に示すように操舵翼401の流体302側の噴出口405より、加圧媒体303を噴出させると、流体301、302の流れのバランスが変化し、操舵翼401には力304が発生する。すなわち、噴出口405から噴出する加圧媒体303の量やタイミング、どの噴出口405から加圧媒体303を噴出するかを制御することにより、流体中自由運動体400の姿勢を制御することができる。 【0062】 操舵翼401の内部には、インフレータ300から放出された加圧媒体を噴出口405へ導くための配管406が設けられている。 【0063】 ボディー402の内部には、流体経路切替素子407が設けられている。流体切替素子407は、インフレータ300の開口部8から噴出した加圧媒体を、複数設けられた噴出口405のうち、どの噴出口405から加圧媒体を噴出するかが切替可能となる様に設けられている。図9では説明の都合上、1つの操舵翼401に設けられた2系統の噴出口405のいずれかに加圧媒体を導くかが切替可能となる様に設けた例を図示している。実際には、他の3つの操舵翼401に設けられた6系統の噴出口405、すなわち合計8系統の噴出口405のいずれかに加圧媒体を導くかが切替可能となるように設けられている。 【0064】 流体経路切替素子407には、入力経路407aが設けられている。入力経路407aは開口部8と接続され、インフレータ300から噴出した加圧媒体が入力されるように設けられている。 【0065】 入力経路407aから入力された加圧媒体は、少なくとも複数設けられた出力経路407bのいずれか1つから出力される。各出力経路407bは、それぞれ配管406と連通するように設けられている。 【0066】 バルブ407cは、開口部404が流体中自由運動体400の外部に開放されているか、閉じているかを切り替え可能となるように設けられている。入力経路407aから入力された加圧媒体が、閉じられた開口部404の方向の出力経路407bへ導かれるように流体切替素子407は設けられている。すなわち、どの開口部404を開放するかを切り替えることにより、インフレータ300から噴出した加圧媒体がどの噴出口405から噴出するかを切り替えることができる。 【0067】 このように、本発明の第4の実施の形態による流体中自由運動体400は、圧力タンク5から加圧媒体を噴出させるために点火薬を用いないので、保管時や使用時の環境による劣化を少なくすることができる。また内部に点火薬を一切使用していないため、幅広い環境で正しく作動し、さらに保管に防火壁等の特殊な保管庫が不要で、簡便に取り扱うことができる。 【0068】 また、従来の流体中自由運動体は、フラップを駆動するための油圧や電動などの重量の大きいアクチュエータが必要であるが、インフレータ300を用いた流体中自由運動体400は、姿勢制御に必要な空間、重量、エネルギーが非常に小さいため、流体中自由運動体の小型化、軽量化が可能となる。これは、流体中自由運動体の設計の自由度が増すばかりでなく、流体中自由運動体のもつ運動エネルギーが減少し、流体との抵抗が減少し、航続距離の延長、運動性能の向上が実現できる。 【0069】 また、インフレータ300の内部にはOリング51が設けられているので、貫通手段7が脆弱部4aを貫通した後にOリング51によって漏洩が抑制され、開口部8からの加圧媒体の放出が妨げられることがない。 【0070】 なお、本実施の形態では、1つの流体切替素子407にて8系統のどの噴出口405から噴出するかを切り替える実施の形態について説明した。しかし、流体切替素子の数は1つに限られたものではなく、例えば、4系統のどの噴出口405から噴出するかを切り替えることができる流体切替素子を2つを組み合わせたり、2系統のどちらの噴出口405から噴出するかを切り替えることができる流体切替素子4つを組み合わせたりすることもできる。 【0071】 また、流体切替素子407は、どの開口部404を開放するかにより、インフレータ300から噴出した加圧媒体がどの噴出口405から噴出するかを切り替える実施の形態について説明した。しかし、流体切替素子407には、他の公知の流体切替素子を用いることも可能である。例えば、公知のソレノイドバルブを複数組み合わせ、流体切替素子として用いることも可能である。 【0072】 また、本発明の第1乃至第3の実施の形態と同様、本発明の第4の実施の形態による圧力容器1と封板4は一体に形成されたものでも良い。また、安全ピン14をインフレータ300があらかじめ設計時に定められた所定の加速度を超えた場合、力F2によって折れる程度の強度のものを用いることもできる。さらに、安全ピン14は他の安全装置と兼用することもできる。 【0073】 また、本発明の第1乃至第4の実施の形態では、固定された筐体6に対して圧力タンク5が往復可能に設けられている例について説明した。しかし、例えば図7に示す様に、固定された圧力タンク5に対して筐体6が往復可能に設けられているなど、筐体6に対し圧力タンク5が相対的に往復可能に設けられていれば良い。 【図面の簡単な説明】 【0074】 【図1】本発明の第1の実施の形態によるインフレータの断面図 【図2】本発明の第1の実施の形態によるインフレータの動作を示す図 【図3】本発明の第2の実施の形態によるインフレータの断面図 【図4】本発明の第2の実施の形態によるインフレータの動作を示す図 【図5】本発明の第3の実施の形態によるインフレータの断面図 【図6】本発明の第3の実施の形態によるインフレータの動作を示す図 【図7】本発明の第1の実施の形態によるインフレータの変形例を示す図 【図8】本発明の第4の実施の形態による流体中自由運動体の斜視図 【図9】本発明の第4の実施の形態による流体中自由運動体の部分断面図 【図10】本発明の第4の実施の形態による流体中自由運動体の動作を示す図 【符号の説明】 【0075】 1 圧力容器 2 開口部 3 空間 4 封板 4a 脆弱部 5 圧力タンク 6 筐体 6a 貫通孔 7 貫通手段 8 開口部 9 レギュレータ 10 ベローズ 11、11a、11b リニア軸受 12 支持部材 12a 孔 13 支持部材 14 安全ピン 31、33、34 永久磁石 32 吸着板 35 パッキン 51 Oリング 52 空間 100、200、300 インフレータ 400 流体中自由運動体 401 操舵翼 402 ボディー 404 開口部 405 噴出口 301、302 流体 303 加圧媒体 304 力 406 配管 407 流体経路切替素子 407a 入力経路 407b 出力経路 407c バルブ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝 【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成17年2月1日(2005.2.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100109900 【弁理士】 【氏名又は名称】堀口 浩
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| 【公開番号】 |
特開2006−213092(P2006−213092A) |
| 【公開日】 |
平成18年8月17日(2006.8.17) |
| 【出願番号】 |
特願2005−25415(P2005−25415) |
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