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【発明の名称】 定着装置
【発明者】 【氏名】青木 正人
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気工業株式会社内

【氏名】久下 英七
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気工業株式会社内

【氏名】大山 剛司
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気工業株式会社内

【氏名】池田 恭之
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気工業株式会社内

【氏名】箭野 達也
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気工業株式会社内

【氏名】山縣 毅
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気工業株式会社内

【氏名】片岡 宏基
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気工業株式会社内

【要約】 【課題】部品数の増加による装置の大型化とならずに、媒体のセットし易くかつ搬送ジャムの発生しないプリンタを提供する。

【解決手段】媒体搬送路4に進入した状態で斜行を矯正すべき媒体2の前方端201を当接させる突起部21aと、この突起部21aに向けて媒体2を搬送する方向に空転されるプレッシャローラ5とを設ける。ストッパ21とプレッシャローラ5を、連動させて、媒体に近づいたり遠ざかるように動作をさせるとともに、斜行矯正した後の媒体の斜行量が許容範囲の外にあるときは、プレッシャローラ5を更に媒体搬送路へ深く進入させる。媒体搬送部4の一部に設けられた開口部12の上流側には、下流側に向かって先端が、媒体搬送路の外方に向いた傾斜部13aを有する上流側ガイド13を回動可能に配設する。また、開口部12の下流側には、上流側に向かって先端が媒体搬送路の外方に向いた傾斜部14aを有する下流側ガイド14を回動可能に配設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に延伸して、印字すべき媒体を搬送する媒体搬送路の一部に、前記第1の方向に実質的に直角の第2の方向に延伸するように設けられた開口部と、
前記開口部を介して前記媒体に印字をする印字ヘッドを搭載したヘッドキャリアと、
前記ヘッドキャリアを前記第2の方向に走行させる印字ヘッド走行手段とを有し、
前記開口部に対して、前記搬送路の上流側に設けられた第1のガイドであり、前記第1のガイドは、回動可能であるとともに、前記搬送路の外方へ傾斜しながら下流側に向かって延びる先端部を有し、
前記開口部に対して、前記搬送路の下流側に設けられた第2のガイドであり、前記第2のガイドは、回動可能であるとともに、前記搬送路の外方へ傾斜しながら上流側に向かって延びる先端部を有することを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプリンタにおいて、
前記媒体が、上流側より下流側へ向かって、前記開口部を通過するときは、前記第1のガイドだけが前記媒体搬送路の内方に進入するように回動することを特徴とするプリンタ。
【請求項3】
請求項1に記載のプリンタにおいて、
前記ヘッドキャリアが、前記媒体搬送路において、前記第2の方向の一方の端にあるとき、前記第1のガイドが前記媒体搬送路の内方に進入するように回動し、前記媒体搬送路の前記第2の方向の他方の端にあるとき、前記第2のガイドが前記媒体搬送路の内方に進入するように回動することを特徴とするプリンタ。
【請求項4】
請求項1に記載のプリンタにおいて、
前記媒体の搬送を行うとき、前記媒体の前方端又は後方端の停止位置に対応して、前記ヘッド走行手段の待機位置が選択されることを特徴とするプリンタ。
【請求項5】
請求項3記載のプリンタにおいて、
前記ヘッドキャリアが、前記媒体搬送路において、前記第2の方向のいずれの端にも位置していないときは、第1のガイドと第2のガイドの双方が、前記媒体搬送路の内方へ向かって進入するように回動することを特徴とするプリンタ。
【請求項6】
請求項1に記載のプリンタにおいて、
前記印字ヘッドに対向して設けられ、前記印字ヘッドとの間にある前記媒体を支持するプラテンを更に有し、
前記プラテンは、
第2の方向に対して略平行な方向に延伸するとともに、前記印字ヘッド走行手段と連動して、前記印字ヘッドに対して近づく方向と遠ざかる方向に選択的に移動可能であることを特徴とするプリンタ。
【請求項7】
請求項6に記載のプリンタにおいて、
前記印字ヘッドが前記媒体に印字するときは、前記プラテンが前記印字ヘッドに近づき、前記媒体が前記ヘッドキャリアと前記プラテンの間に挟持されることを特徴とするプリンタ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入される媒体を内部に取り込み、この媒体に印字処理をするプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関等で使用される通帳伝票プリンタをはじめとし、一般家庭で使用されるパーソナルコンピュータの出力機器としてのプリンタがある。これらのプリンタにおいては、手操作により挿入された媒体または所定の収納カセットに予めセットされた媒体を取り込み、印字部まで搬送する。この媒体を搬送する搬送ガイドには、媒体の厚さ方向には、媒体の厚さに比べて充分な広さを有し、且つ、媒体の斜行を矯正してからプリンタ内に取り込むものがある。これらの技術は特開平1−247356号公報や特開平5−309925号公報等により開示されている。これらの技術により、媒体上の所望の印字位置に印字することができる。
【0003】
更に印字部においては、印字ヘッドが媒体に印字するために、搬送ガイドを横切る方向に、開口部を設ける必要がある。このため、開口部の直下では、媒体の印字面側の位置規制ができないので、搬送時には媒体が開口部から不用意に突出してしまい、搬送ジャムを発生することがある。これらの不具合の解決策として特公平6−20958号公報や特開平5−16464号公報などにより開示された技術がある。これは開口部を媒体が通過する際の案内として補助ガイド(ガイドシュー)を有するものや、搬送制御方法に関するものであり、媒体の前方端が開口部を通過する際の搬送ジャムを防止している。実開昭63−183150号公報に開示された装置では、媒体の搬送路にシャッタを設け、媒体がシャッタに当接したら、媒体に接触して滑動する複数の矯正ローラにより、媒体の斜行を矯正している。
【0004】
特開平1−247356号公報に開示される技術は、ローラを帳票類に接触させ、ローラと帳票類との間の摩擦力を利用して、帳票類を少しずつ進行させて、突出板に突き当てることにより帳票類を整列させる。しかしながら、帳票を搬送する手段と、突出板を駆動するアクチュエータ類が個別に設けてあるので、部品数の増加や消費電力の増加などの課題がある。また、実開昭63−183150号公報の従来技術では、個別の矯正ローラなどを設けるため、部品数が増加するとともに制御も複雑化することが多い。
【0005】
特公平6−20958号公報に開示されたものは、媒体の横幅を検出したり、キー入力によって、媒体の横幅に関する情報を記憶しておき、ガイドシューを配した印刷ヘッドの位置を最適な位置関係に制御するものである。よって媒体の横幅を検出する動作が必要となり、処理時間がかかったり、また、キー入力をするという操作の煩わしさがある。特開平5−16464号公報に開示されたものはキャリッジのスペース方向への左右移動動作が必要となるので制御が複雑化する。
【0006】
【特許文献1】特開平1−247356号公報
【特許文献2】特開平5−309925号公報
【特許文献3】特公平6−20958号公報
【特許文献4】特開平5−16464号公報
【特許文献5】実開昭63−183150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、部品数の増加による装置の大型化とならずに、媒体のセットし易くかつ搬送ジャムの発生しないプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係わる別のプリンタは、第1の方向に延伸して、印字すべき媒体を搬送する媒体搬送路の一部に、前記第1の方向に実質的に直交する第2の方向に延伸するように設けられた開口部と、前記開口部を介して前記媒体に印字をする印字ヘッドを搭載したヘッドキャリアと、前記ヘッドキャリアを前記第2の方向に走行させる印字ヘッド走行手段とを有し、前記開口部に対して、前記媒体搬送路の上流側に設けられた第1のガイドであり、前記第1のガイドは、回動可能であるとともに、前記媒体搬送路の外方へ傾斜しながら下流側に向かって延びる先端部を有し、前記開口部に対して、前記媒体搬送路の下流側に設けられた第2のガイドであり、前記第2のガイドは、回動可能であるとともに、前記媒体搬送路の外方へ傾斜しながら上流側に向かって延びる先端部を有することを特徴とする。
【0009】
前記プリンタにおいて、前記媒体が前記開口部を上流から下流方向に通過するときは、前記第1のガイドだけが前記媒体搬送路の内方へ進入するように回動することを特徴とする。
【0010】
前記プリンタにおいて、前記ヘッドキャリアが、前記媒体搬送路において、前記第2の方向の一方の端にあるとき、前記第1のガイドが前記媒体搬送路の内方へ向かって傾斜し、前記媒体搬送路の前記第2の方向の他方の端にあるとき前記第2のガイドが前記媒体搬送路の内方へ進入するように回動することを特徴とする。
【0011】
前記プリンタにおいて、前記媒体の搬送を行うとき、前記媒体の前方端又は後方端の係合位置により前記印字ヘッド走行手段の停止位置が選択されることを特徴とする。
【0012】
前記プリンタにおいて、前記ヘッドキャリアが、前記媒体搬送路において、前記第2の方向のいずれの端にも位置していないときは、第1のガイドと第2のガイドの双方が、前記媒体搬送路の内方へ進入するように回動することを特徴とする。
【0013】
本発明に係わる別のプリンタは、媒体に印字を行うための印字ヘッドを搭載したヘッドキャリアと、前記印字ヘッドに対向して設けられ、前記印字ヘッドとの間にある前記媒体を支持するプラテンと、前記媒体が搬送される第1の方向に対して、実質的に直交する第2の方向に、前記ヘッドキャリアを走行させる印字ヘッド走行手段とを有し、前記プラテンは、第2の方向に対して略平行な方向に延伸するとともに、前記印字ヘッド走行手段と連動して、前記印字ヘッドに対して近づく方向と遠ざかる方向に選択的に移動可能であることを特徴とする。
【0014】
前記プリンタにおいて、前記印字ヘッドが前記媒体に印字するときは、前記プラテンが前記印字ヘッドに近づき、前記媒体が前記ヘッドキャリアと前記プラテンの間に挟持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、搬送方向と直行する方向に配設した複数の媒体センサの少なくとも1個が媒体を検出したとき、斜行矯正を行った後、媒体搬送手段と媒体検出センサにより、媒体の斜行量を測定する。その斜行量が許容範囲内のときだけ印字を行うので斜め印字等が発生しない。また、突起部とプレッシャローラの、媒体搬送路への進入動作及び退避動作を1個のモータで連動させることにより、制御が容易になるとともに、部品数の削減が可能となる。更に、斜行矯正手段を作動させた後の媒体の斜行量が許容範囲外のときの再実行動作時にはプレッシャローラの突出量を増加可能なので斜行矯正が確実となる。
【0016】
本発明では、印字すべき媒体の媒体搬送路の一部に設けられた開口部に、媒体に印字を行うための印字ヘッドを搭載した印字ヘッド走行手段を設ける。この開口部に対して媒体搬送路の上流側には、下流側に向かって先端が媒体搬送路の外側へ向いた傾斜部を有する上流側ガイドを回動可能に配する。また、開口部に対して媒体搬送路の下流側には、上流側に向かって先端が媒体搬送路の外側へ向いた傾斜部を有する下流側ガイドを回転可能に配設する。そして、上流側ガイドと下流側ガイドを、媒体搬送路の内方へ押し下げる動作は、ヘッドキャリアの停止位置(退避位置)により制御されるので、特別な駆動源を必要としないので装置の小型軽量化が実現できる。
【0017】
本発明では、搬送する媒体を挟持したまま回転する搬送ローラを有する媒体搬送路と、媒体搬送路の一部に設けられた開口部に対して、媒体搬送路の上流側には下流側に向かって先端が媒体搬送路の外側へ向いた傾斜部を有する上流側ガイドを回動可能に配する。また、開口部に対して、下流側には、上流側に向かって先端が媒体搬送路の外側へ向いた傾斜部を有する下流側ガイドを回転可能に配する。更に、搬送ローラの回転軸とレバー部材との間の摩擦力を利用して、レバー部材が、上流側ガイド又は下流側ガイドを所定量だけ押し下げを可能とする。この上流側ガイド又は下流側ガイドの押し下げは媒体の搬送方向によって自動的に切り替えられるので、部品数を低減できる。
【0018】
本発明では、媒体に印字行うための印字ヘッドを搭載したヘッドキャリアと、媒体を支持するプラテンと、ヘッドキャリアを媒体幅方向に走行させる印字ヘッド走行手段とを備え、印字ヘッド走行手段の動作に連動してプラテンが上下動される。よって、特別な駆動源を必要としないので小型計量化が実現できるという効果がある。なお、本発明は、プリンタとして説明したが、ファクシミリ、光学認識装置、イメージリーダなどの媒体搬送を行う装置に応用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の各実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1
図1は、本発明のプリンタの外観図である。図2は、本発明の印字部近傍の要部を示す側面図である。図3は、本発明の要部の動作を示す図であり、カム軸27の回転の角度位置と、ストッパ21とプレッシャローラ5の位置との関係を示す。図2は図3の0度のときに対応する。
【0020】
図2において、媒体2は、プリンタ1により印字される帳票や伝票類である。搬送ローラ3−1と3−2は、後述する手段と協働して、媒体2を加圧しながら挟持することが可能である。搬送ローラ3−1は媒体搬送路4の上方に設けられ、搬送ローラ3−1と3の外周部が、上側ガイド4aに設けられた開口部12(図5)から媒体搬送路4に突出している。プレッシャローラ5−1と5−2は、搬送ローラ3−1と3−2に、それぞれ、対向して設けてある。プレッシャーローラ5−1と5−2は、媒体搬送路4の下方に設けられ、プレッシャローラ5−1と5−2の外周部が、下側ガイド4bに設けられた穴部から媒体搬送路4に突出している。
【0021】
搬送ローラ3−1と3−2の同心度や外形寸法は、厳密に設計及び製造されており、フレーム23(図6)に、シャフト3aを介して回動可能に軸支されている。搬送ローラ3−1と3−2は、歯付ベルト6等を介して、搬送用モータ(以後、LFモータとする、LF:ラインフィード)7と連結されている。このLFモータ7はステッピングモータであり、例えば単位ステップ当たりの媒体送り量が1/180インチとすれば、媒体送り量に、LFモータ7の回転量(回転ステップ数)を乗算することにより、搬送ローラ3−1と3−2に挟持された媒体2の搬送量が分かる。なお、少なくともプレッシャローラ5−1と5−2の表面は高摩擦部材で形成されており、媒体2との間には適切な摩擦力が作用する。
【0022】
プラテン8は、媒体2に印字をするための印字ヘッド9に対向させて配置されている。プラテン8は、印字ヘッド9に対する、媒体2の裏面の位置を規制する。印字ヘッド9はヘッドキャリア10に搭載される。ガイド部材11aと11b等は、後述のSPモータ15、モータギア15a及びフィードギア15bとともに、ヘッドキャリア10を印字方向に走行させる印字ヘッド走行手段11を形成する。ガイド部材(以後、フィードスクリューと呼ぶ)11aは螺旋状に刻み込まれた溝を有し、係合するヘッドキャリア10を支持する。フィードスクリュー11aを回転させることにより、ヘッドキャリア10を走行させる。ガイド部材11bは、ヘッドキャリア10中を摺動可能に貫通しており、これにより、印字ヘッド9の先端が、プラテン8の印字面に対して法線の方向に姿勢を保つように、ヘッドキャリア10を保持する。
【0023】
補助ガイド11cはヘッドキャリア10に設けられるとともに、印字ヘッド9の両側部に位置する(詳細は後述する)。補助ガイド11cは、媒体搬送路4を横切る方向に、印字ヘッド9と整列する。補助ガイド11cは、図示しないインクリボンが媒体2に不用意に接触して、媒体2がインクで汚れるのを防止する。媒体搬送路4中を搬送される媒体2の進行方向に対して上流側には、上流側ガイド13を設け、下流側には、下流側ガイド14を設ける。上流側ガイド13及び下流側ガイド14は、それぞれ、傾斜部13a及び14aを有し、これにより、媒体2は媒体搬送路4内で円滑に誘導する。なお、上流側ガイド13と下流側ガイド14についての詳細は後述する。
【0024】
図4は、本発明のプリンタ全体の構成を示す説明図である。図4において、スペーシングモータ(以後、SPモータと呼ぶ)15は、そのモータ軸に固着したモータギア15a及びフィードギア15bを介して、前述のフィードスクリュー11aを回転させる。SPモータ15はステッピングモータであり、単位ステップ当たりの移動量が、例えば、1/180インチである。SPモータ15により、ヘッドキャリア10を移動させるとともに、印字ヘッド9を駆動すれば、所定のフォントでの文字が印字できる。なお、SPモータ15、モータギア15a、フィードギア15bも前述した印字ヘッド走行手段11に含まれる。
【0025】
SPモータをDCモータとし、外周縁部の近傍に複数のスリットを有するスリットディスクを、DCモータの軸に固着し、スリット検出センサで、スリットディスクのスリットがセンサを通過するのを監視して制御する方法もある。この場合には、スリットが通過する毎に生じるスリット検出センサの出力変化をA/D変換して制御信号を生成し、モータの回転方向や回転位置を制御する。例えば、この制御信号のON/OFFの数からヘッドキャリア10の位置を制御できる。
【0026】
媒体検出センサSE1、SE2及びSE3は、所定の間隔で、媒体2の搬送方向に対して直交する方向に一列に配設されている。各媒体検出センサは、発光ダイオードと、発光ダイオードに対向して配置された受光トランジスタとからなり、発光ダイオードの光が媒体搬送路4を横切るように配置されている。媒体2が媒体搬送路4を進行して、この光を遮断すると、受光トランジスタの出力の変化を生じる。受光トランジスタの出力をA/D変換することで、ON/OFF信号を得ることができる。また媒体2の通過によって、複数の媒体検出センサの光が遮断(ON)されれば、その媒体2の幅はそのセンサ間の距離より大きいことになる。
【0027】
図6は、媒体の搬送系の構成を示す説明図である。図6において、シャフトホルダ16には、上下方向に延びる長穴16aが形成されており、この長穴16aが軸受として作用して、プレッシャローラ5−1を固着したシャフト5aの両端を回転可能に支持する。スプリング17は、シャフトホルダ16とシャフト5a間に架設され、プレッシャローラ5−1を長穴16aの上側に向けて付勢している。シャフトホルダ16には、カムローラ18が回転可能に軸支される。また、後述する板カム駆動モータ20の動力により回動されるカム軸27には、カムローラ18に係合する板カム19が設けられている。板カム19が回動すると、図3に記載したタイミングでプレッシャローラ5−1を搬送ローラ3−1に圧接する。この圧接力は前述のスプリング17により発生するものであり、このときには長穴16aの上端面とシャフト5aは隙間を生じるように設定してある。なお、シャフト5aやシャフトホルダ16は、図示しない軸受やガイド部材により上下方向のみに案内されるようになっている。
【0028】
ストッパ21の突起部21aは、図示するように、下側ガイド4bに設けた穴から媒体搬送路4に進入可能に構成される。本実施例では、媒体搬送路4の下流側に、4個のプレッシャローラ5−1の各々に対向させて、4個の突起部21aが設けられている。各突起部21aは、各プレッシャローラ5−1の長さと略等しい幅を有する。ストッパアーム22は、フレーム23に固着された支持軸22aによって枢動可能に軸支されている。更に、ストッパアーム22のほぼ中央にはカムローラ24が回動可能に軸支されており、このカムローラ24に対応させてストッパカム25が配設されている。
【0029】
ストッパアーム22は、その先端近くで、ストッパ21に設けたポスト21bと係合する。ストッパアーム22の先端とストッパ21との間には、スプリング26が張架され、このスプリング26が、ストッパアーム22を、ポスト21bに対して付勢する。なお、プラテン8より、媒体搬送路4の下流側に設けた搬送ローラ3−2とプレッシャローラ5−2は、前述の板カム19のような部材により上下に駆動されるものではなく、図示しない手段により、互いに常時圧接させてある。
【0030】
図2及び図6を参照して説明したプレッシャローラ5−1の上下駆動と、それに連動したストッパ21の上下駆動、更にLFモータ7に回転制御等を行う機構が、斜行矯正手段を形成する。
【0031】
図7は本発明の要部を制御する制御ブロック図である。図7において、ドライバ回路28は、前述した印字ヘッド9や各モータ7、15、20を駆動する駆動回路である。アンプ回路29は、前述したセンサ類の出力信号を増幅する増幅回路であり、増幅器が出力する各信号を制御部30が受信し、この受信した各信号に基づいて、制御部30からドライバ回路28等に駆動指示等が出される。搬送される媒体2の前方端201が媒体検出センサSE1を通過した時点で、その前方端アドレスに値が付与され、その前方端アドレスの値はLFモータ7の回転ステップに同期してカウントアップされる。増幅された媒体検出センサの出力は、A/D変換回路31によりデジタル信号に変換される。
【0032】
カウント回路32は、LFモータ7やSPモータ15などの回転ステップ数などの計測を行うものであり、制御部30により制御される。例えば、印字ヘッド走行手段11においては、このカウント回路32がSPモータ15の回転ステップ数を計数し、ヘッドキャリア10の位置を表すヘッドキャリア位置アドレスの管理を行う。記憶部33は、各種の動作制御プログラムが格納されたHDD及びRAM等で構成され、動作情報などを一時的に格納する。この記憶部33には、少なくとも前方端201および側端部202から、印刷する行中に印字する最初の文字の中心までの距離情報が格納されている。この距離情報は、SPモータ15の分解能を整数倍した値である。
【0033】
図8と図9を加えて、図6の細部を説明する。図8は印字系の構成を示す正面図であり、図9は、印字系の構成を示す平面図である。なお、図8において、説明の都合上、プラテン8、媒体2、印字ヘッド9等は互いの間隙を大きく示すとともに、インクリボン等は省略してある。図6において、カム軸27には前述した板カム19とストッパカム25が固着されている。カム軸27の端部近くには、スリットディスク34とギア27aとが固着されている。スリットディスク34が回転すると、ホームセンサHPSが、スリットの通過を検出し、電気的な信号を出力する。これらのカム類は図3に示すようなタイミング関係となっている。
【0034】
再び、図6において、板カム駆動モータ20の回転軸に固着したモータギア20aは、ギア27aと噛み合っており、この板カム駆動モータ20の回転を制御することにより、プレッシャローラ5−1及びストッパ21が上下(矢印E方向と矢印F方向)に動く。また、プレッシャローラ5−1は矢印EとFの方向に移動可能であるとともに、媒体2の搬送時に回転駆動される。図6に示すようにフレーム23に回転可能に支持されたギア35の回転軸と、シャフト5aとの間にはユニバーサルジョイント36が組み込まれている。ユニバーサルジョイント36によりギア35の回転力がシャフト5aへ伝達される。板カム19が回動されシャフト5aが上昇したときでも、このユニバーサルジョイント36により、滑らかに回転力が伝達されるようになっている。ギア35は、フィードギア37と噛み合うとともにプーリ38を介して、前述した歯付きベルト6により回転される。
【0035】
次に、印字系の構成について、図8を参照して説明する。ローラ8aと8bは、媒体搬送路4の上方において、媒体搬送路4の左右端部の近くで、回転可能に支持されている。一方、ヘッドキャリア10の下端部には傾斜部10aから続く水平な下面10bが形成されている。ヘッドキャリア10が媒体搬送路4を横切る方向に前進して傾斜部10aがローラ8a(8bでも同様)と係合すると、ローラ8aを下方に押し下げるので、スプリング39の反発力に抗してプラテン8が下方に押し下げられる。
【0036】
ヘッドキャリア10が更に移動し、図6の左端の停止位置まで移動すると、ローラ8aは下面10bと係合することになり、プラテン8は最下端位置にて静止することになる。このヘッドキャリア10の停止位置において、補助ガイド11cは、媒体2の横幅が占有する領域の外側に位置するように配設されている。よって、媒体2は補助ガイド11cと接触せず、かつ、プラテン8は降下しているので、LFモータ7が駆動されると媒体2の搬送が行われる。
【0037】
図8に示すように、補助ガイド11cには、媒体の右側端部を検出するセンサSELと、媒体の左端部を検出するセンサSERとが設けられてある。このセンサSELとSERは、いわゆる反射型ホトカプラといわれるものであって、発光素子から発した光が、媒体等により反射されて戻ってくる反射光を、受光素子が受光するように形成されている。この受光素子の出力をA/D変換することにより、例えば、黒白領域などから媒体の側端部202を検出できる。
【0038】
センサSELが、挿入された媒体2の側端部202の位置を検出し、この検出した位置から媒体上の所定の位置までの印字ヘッド9の移動量を指定することにより、媒体上の指定された場所で印字が行える。なお、これらの技術は特開平4−355172号公報等により公知であるので詳細な説明は省略する。
【0039】
次に、印字系の構成について、図9を参照して説明する。上流側ガイド13は、その長手方向(すなわち、媒体の進行方向と直角の方向)の両端部において、フレーム23に設けられた支軸13bにより回動可能に軸支されている。この支軸13bにはコイルスプリング40が嵌め込まれており、上流側ガイド13を常時、水平に保持するように図示しない掛止部が設けてある。更に、上流側ガイド13の先端部は、外方に折り曲げた形状の傾斜部13aとなっている。この傾斜部13aにより、開口部12を通過する媒体を安全に搬送できる。
【0040】
上流側ガイド13と下流側ガイド14の傾斜部13aと14aは、ヘッドキャリア10の移動に伴って補助ガイド11cが移動すると、下方(プラテンに向かう方向)に押し下げられる。よって、少なくとも傾斜部13aと14aの先端を補助ガイド11cの一部が摺接しつつ印字動作が行われる。また、先のプラテン8も、ヘッドキャリア10の移動により上昇するので、プラテン8と補助ガイド11cとで媒体2を挟持しつつ印字動作が行われることになる。
【0041】
下流側ガイド14も上流側ガイド13と同様な構成であって、支軸14bに嵌め込まれたコイルスプリング41により常時水平に保持されるようになっている。上流側ガイド13および下流側ガイド14の長手方向の一方の端部付近には、前述した傾斜部13aと14aの高さを低くした逃げ部13cと14cがある。図9に示すように逃げ部13cは上流側ガイド13では、媒体の進入方向の左方に設けてあり、下流側ガイド14では媒体の進入方向の右方に設けてある。
【0042】
図9に示すように、ヘッドキャリア10が、媒体の進入方向に対して右端側の待機位置にあるときは、下流側ガイド14の逃げ部14cに補助ガイド11cが位置するので、下流側ガイド14は押し下げられない。逆に上流側ガイド13の逃げ部13cは、図示する左端側に位置しているので、上流側ガイド13はプラテン8側に押し下げられていることになる。
【0043】
プリンタ1への媒体2の挿入から、媒体2の斜行を修正するまでの処理動作を、図10に示すフローチャートにより説明する。図10において、S1からS23は、動作ステップを示す。ヘッドキャリア10を移動させ、媒体2を安全に搬送させることができるヘッドキャリア10の停止位置を「待機位置」と称することにする。
【0044】
制御部30は、ホームセンサHPSのON/OFF状態を確認することにより、プレッシャローラ5−1がホームポジションHPにあるか否かを判定する。プレッシャローラ5−1がホームポジションHPに停止していない場合は、板カム駆動モータ20を回転させて、プレッシャローラ5−1のホームポジションHPを検出する動作を実行する。プレッシャローラ5−1がホームポジションHPにあることが確認できたら、処理可能な状態とする。プレッシャローラ5−1がホームポジションにあるか否かの検出動作は、前の印字動作における媒体2の排出が終了した直後に実行しておくこともできる。
【0045】
媒体2が図5に示す矢印A方向から挿入され、媒体検出センサSE1からSE3のうち少なくとも1個がON信号を検出すると、プリンタ1の動作が開始される(S1)。なお、プレッシャローラ5−1がホームポジションにあるときは、図3に示す位置関係からも理解できるように、ストッパ21の突起部21aが図2に示すように媒体搬送路4に突出しているので、媒体2はこの突起部21aより先へ挿入されない。制御部30は、LFモータ7に、所定量だけ正回転するように指示する(S2)。この回転量は予め実験的に求めて設定したものであって、媒体検出センサSE1から突起部21aまでの距離の5から10倍程度に相当する。
【0046】
LFモータ7を所定量だけ正回転させ、搬送ローラ3−1とプレッシャローラ5−1が圧接しないまま空転する間に、媒体検出センサSE1からSE3の状態検出を行う(S3)。本実施の形態では、媒体搬送路4の中央に配した媒体検出センサSE1以外に、SE1の左右に配した媒体検出センサSE2又はSE3の少なくともいずれかがONであることを確認することになる。複数の媒体検出センサがON状態になったらLFモータ7の正回転を一定量だけ停止する(S4)。
【0047】
所定量の正回転が行われても複数の媒体検出センサがON状態とならない場合にはタイムアウトとして(S5)、LFモータ7の正回転駆動を終了する(S6)。ステップS4に続いて、制御部30は、板カム駆動モータ20を回転させて、カム軸27を矢印C方向に回転させる(S7)。この際の回転量は、図3に示すホームポジションHP位置から位置Aを経て位置Bまでに相当し、位置Aではプレッシャローラ5−1が搬送ローラ3−1に圧接し、更に位置Bまでの回転動作により突起部21aが下側ガイド4bより下側に退避する。
【0048】
次にLFモータ7を逆回転させて、排出(BLF)方向に、媒体2の搬送を開始する(S8)。この搬送中に、ステップS3でONした媒体検出センサSE1と、媒体検出センサSE2またはSE3がOFFに変化する(S9)。まず、制御部30はいずれか一方の媒体検出センサ(例えば、SE1として説明する)がOFFしたら、カウント回路32をリセットして「0(ゼロ)」をセットする(S10)。続いて、LFモータ7が回転するステップ数のカウントアップを開始する。(S11)。
【0049】
他方の媒体検出センサ(SE2として説明する)がOFFしたら(S12)、カウントを終了する(S13)。このとき、媒体2の横幅によっては媒体検出センサSE3がONからOFFに変化している場合もあるが、無視してLFモータ7の逆回転を終了させる(S14)。言うまでもなくLFモータ7はステッピングモータであるため、立ち上げ動作として数ステップの回転が行われることになる。制御部30は次の処理に移行するためカウント値の確認に入る。このカウント値により媒体2の斜行量が算出できる。例えばカウント値が「3」であれば、3×1/180(インチ)=0.423mmのずれ(傾き)が媒体検出センサSE1とSE2間の距離で生じていることになる。
【0050】
この「ずれ」が生じたまま印字されると、印字結果として印字行が斜めに傾くことになる。許容される斜行量を予め取り決めしておくことにより許容されるカウント値も決定されている。例えば、許容値「5未満」に設定しておけば、カウント値「3」のときは許容範囲内として次のステップへ移行する。また、カウント値「5」のときには許容範囲外として、斜行の修正動作に移行することになる(S15)。
【0051】
ステップS15にて、「許容範囲内」として判定されたときには、LFモータ7を正回転させて、媒体の挿入(LF)方向に、プラテン8に向かって媒体2の搬送を開始する(S16)。搬送されると間もなく媒体検出センサSE1がONするので(S17)、制御部30は媒体の前方端アドレスを0(ゼロ)にセットする(S18)。媒体2をプラテン8まで搬送する際には、図8に示したように、ヘッドキャリア10を右側の退避位置に移動させるか、またはその位置にあることをヘッドキャリア位置アドレスの値から確認する(S19)。媒体2の前方端201から、最初に印字する行までの距離をステップ数に変換(演算)して、その演算値が印字ヘッド9の中心と一致する位置まで搬送する(S20)。以後の印字動作については後述する。
【0052】
ステップS15にて、「許容範囲外」と判定されたときには、板カム駆動モータ20を制御してホームポジションまでカム軸27を回動させる(S21)。このときの回転方向は正逆どちらの方向でもかまわない。即ち、図3において位置BからホームポジションHPに戻ればよいので、位置Aを経る方向と位置Cを通過して戻るものでもよい。プレッシャローラ5が、ホームポジションHPに到ったら、再実行の回数をセットする。ここでは最初の再実行であるので「1」がセットされる(S22)。制御部30は板カム駆動モータ20に対して位置Xまでの回転を指示する(S23)。図3に示すように、位置X(例えば、カム軸27の回転角度が40度程度)ではプレッシャローラ5−1の媒体搬送路4への突出量が増加することになる。この状態の概念を図11に示す。
【0053】
ステップS23にて、プレッシャローラ5−1が下側ガイド4bより更に突出した状態を維持し、ステップS2へ戻り、ステップS15までの動作を再度実行する。2度目のステップS15における判定にて再度、「許容範囲外」となったときには再実行回数「2」をセットする。そして制御部30は、3度目のステップS23にて、板カム駆動モータ20に対してホームポジション位置から位置Yまでの回転を指示する。図3のカム曲線からも理解できるように位置Y(例えば、角度60度程度)ではプレッシャローラ5の媒体搬送路4への突出量が更に増加することになる。このように再実行動作を繰り返し、再実行回数「3」がセットされたときには「斜行の修正不可能」と判断され、制御部30は再セット要求を送出し、当該処理を終了させる。
【0054】
以上説明したように、プレッシャローラ5−1の表面と媒体2の裏面との間に生じる摩擦力と、プレッシャローラ5−1の回転回数によって媒体2を突起部21aに当接させ、突起部21aに到達後も更に動作を続けることにより媒体の斜行を修正している。よって、プレッシャローラ5−1の材質や幅、表面の粗さ、更には、媒体2の重さ(連量)、サイズ等により修正能力に影響が生じることになる。このような場合を想定して再実行動作時にはプレッシャローラ5−1の上昇量を変化させている。
【0055】
なお、挿入される媒体2を、予め印字内容の種別の指定入力等から特定できれば、その媒体2に最適なプレッシャローラ5−1の上昇量を初回の動作から実行させることもできる。更に、本実施の形態では、3個の媒体検出センサを設けたが、これに限定されるものではなく、斜行量を測定するためには最低2個を配設すればよい。媒体検出センサの数は、取り扱う媒体2の最小サイズから最大サイズに応じて増減することが可能であることは言うまでもない。なお、媒体のサイズが分かっていれば、1個とすることもできる。すなわち、図10に示すステップS8によるBLF動作時に媒体検出センサONからOFFまでのLFモータ7のステップ数が媒体検出センサとストッパとの間の距離に相当すれば、「斜行なし」となり、所定の値以下であれば、「斜行の可能性あり」として考えることができる。
【0056】
実施の形態1における印字処理動作を図12に示すフローチャートにより説明する。
【0057】
印字動作に先立って、ヘッドキャリア10が、図8の右側に示す待機位置(位置Pとする)にあることをキャリアヘッド位置アドレスの値から確認する(S31)。媒体2が、最初に印字をする行の位置まで搬送されたら印字ヘッド走行手段11が動作を開始する。まず、SPモータ15を正方向に回転させると、フィードスクリュー11aが回転し、ヘッドキャリア10が図8に示す矢印D方向に移動を始める(S32)。移動を開始すると、まずヘッドキャリア10の下面10bに当接しているローラ8bが傾斜部10aを経て、ヘッドキャリア10との係合が解除される。係合が外れるとスプリング39の押し上げ力により、プラテン8が矢印E方向(図8)に押し上げられる。
【0058】
ほぼ時期を同じにして、下流側ガイド14は補助ガイド11cにより、下方に押し下げられる。この状態が図13に示したものであり、下流側ガイド14と上流側ガイド13の両方が押し下げられるとともに、プラテン8も上昇していることになる。
【0059】
ヘッドキャリア10が更に移動して、補助ガイド11cの端部が媒体2の側端部202に到達し、更に、側端部202に乗り上げる。補助ガイド11cの端部の形状が斜面となっているので、媒体2を下方に押し付けられることになる。すなわち、上昇したプラテン8と補助ガイド11cにより媒体2を挟持する。ヘッドキャリア10が更に移動して、側端部202の位置までセンサSELが到達すると、センサSELの出力が変化(ON)する(S33)。この出力変化をA/D変換し、媒体の右側端の位置アドレスとして記憶部33に格納する(S34)。
【0060】
ヘッドキャリア10を所定量だけ移動させてもセンサSELからON信号が検出されない場合がある。例えば、SPモータ15が脱調している場合、媒体2の表面色とプラテン表面色が酷似した色(例えば、黒色)である場合、媒体2の搬送量不足であった場合などがある。これらの場合には、タイムアウトとする(S35)。このタイムアウトの判断は時間を監視する方式でもよいが、一般的には、SPモータ15に与えた駆動ステップ数により判定し、ヘッドキャリア10の最大移動可能ステップ数等から予め定める。なお、媒体2のジャム等の要因も考えられるので、媒体検出センサSE2がONしているか否か等によりタイムアウトを判断することもできる。
【0061】
タイムアウトになったら、SPモータ15の正回転を終了させ、ヘッドキャリア10の移動を停止させる(S36)。この時点で制御部30は処理不可能と判断してエラー情報を係員に報知する。また、媒体2を補助ガイド11cとプラテン8で挟持している場合を想定し、SPモータ15に逆回転を行わせ、ヘッドキャリア10を右方向に移動するように制御する。この動作を行うとヘッドキャリア10のヘッドキャリア位置アドレスの値に誤差を生じるので、印字ヘッド走行手段11の初期化が必要となるが説明は省略する。
【0062】
ステップS34において、媒体の右端面位置が特定できたら、印字ヘッド9を駆動させる位置を演算し(S37)、図示しない上位装置等より文字フォント情報を受信して印字動作を開始する(S38)。なお、印字ヘッド9による印字動作の詳細な説明は省略する。この印字動作中においては、先に説明したように、図13に示す状態で印字される。
【0063】
最初の行(n=1)の印字が終了すると、制御部30は図示せぬ上位装置に対して第1行目の印字終了信号を送信する。上位装置は、次行の印字データの有無を確認する。次行の印字データが存在すれば、プリンタ1に、印字データを送信することになる。制御部30は次行の印字を受信したかどうかを判断し(S39)、次行の印字データが存在しない場合には、次のステップS42へ進む。次行の印字データが存在する場合には、ヘッドキャリア10を媒体2と係合しない位置、具体的には、媒体2を次行の印字位置まで改行させるために、補助ガイド11cが媒体2と当接していない待機位置(位置P又はQ)に退避させる(S40)。位置P又はQのいずれに移動するかは、ヘッドキャリア10の現在位置に基づいて判断され、移動量の少ない方とする。
【0064】
媒体2の横幅が不明の場合は、ヘッドキャリア10を、左右いずれかの待機位置まで退避させればよい。プリンタが、センサSELまたはSERによって媒体横幅を測定できるような制御機能を備えていれば、必ずしも待機位置(位置P又はQ)まで退避しなくてもよい。媒体2を改行(搬送)させるときに、補助ガイド11cとプラテン8により媒体2を挟持していなければよい。
【0065】
ヘッドキャリア10が待機位置まで移動したら、LFモータ7を、所定の改行量に相当する回転数だけ回転させる(S41)。改行動作が終了したら、次行の印字を行う。この印字動作では、ヘッドキャリア10を、先の印字方向と逆方向へ移動させる制御をおこなって印字するようにしてもよい。ステップS38からステップS41までの動作を、印字データが無くなるまで実行する。印字データの出力が終了したら、媒体2を排出する。印字最終行でヘッドキャリア10が停止したら、媒体検出センサSE1のON/OFF状態を確認する(S42)。
【0066】
媒体検出センサSE1がOFF状態であるということは、媒体2の後方端203が、媒体検出センサSE1を既に通過しているということである。媒体2の後方端203が媒体検出センサSE1の位置を通過したことを確認するのに、媒体検出センサSE1のON/OFF状態で検出しなくてもよい。例えば、媒体検出センサSE1がOFFしたタイミングで、媒体2の後方端の位置を表す後方端アドレスを予め付与しておく。この後方端アドレスの値を改行動作が行われる毎にインクリメント又はデクリメントして、所定の値に到達したら、媒体2の後方端203が媒体検出センサSE1の位置を通過したものと判断すればよい。
【0067】
媒体検出センサSE1がOFFであるときの媒体2の排出動作を説明する。これは媒体2の後方端203の位置がプラテン8のすぐ近くまできているために、上流側ガイド13との係合が不確実である場合の排出動作である。
【0068】
印字を終了したときのヘッドキャリア10の位置がどこであっても、ヘッドキャリア10を左側の待機位置(位置Q)に移動させる(S43)。この動作により、プラテン8はローラ8aにより下方に押し下げられ、かつ、ヘッドキャリア10は逃げ部13cに向き合うので上流側ガイド13は傾斜部13a起き上がった状態に復旧する。
【0069】
次に媒体検出センサSE1がONであるときの媒体の排出動作を説明する。これは、媒体2の後方端203がプラテン8のすぐ近くにないため、開口部12を通過する媒体2に対して特に考慮する必要なしとした排出動作である。この場合は、先の改行動作にて説明したとおり、ヘッドキャリア10を、媒体2上から退避した待機位置(位置P又はQ)に移動させる(S44)。このような状態にて、LFモータ7に逆回転命令を与えると、搬送ローラ3−1とプレッシャローラ5−1が回転して、挟持している媒体2を挿入口に向かって搬送を開始する。
【0070】
LFモータ7の逆回転中において、媒体の前方端アドレスの値を、LFモータ7の回転ステップ数に合わせて更新し、所定の位置のアドレス値Kになるまで排出動作を実行させる(S46)。ここで、アドレス値Kは、前方端201が、突起部21aと媒体検出センサSE1との間で、かつ媒体検出センサSE1をONにする位置にあることを示す。前方端アドレスの値がKになったら、LFモータ7の逆回転を終了する(S47)。続いて、板カム駆動モータ20を回転させてプレッシャローラ5−1をホームポジションに戻す(S48)。制御部30は媒体検出センサSE1のOFFを監視する。係員が印字処理された媒体2を引き抜くと、媒体センサSE1がONからOFFに変化するので、ここで印字完了となる(S49)。
【0071】
媒体2の進行方向の寸法が大きいときには、板カム駆動モータ20を回転させて位置C(図3)まで戻せば、突起部21aが媒体搬送路4に突出しないので、印字終了後の媒体2の排出量を制御して媒体2がプリンタ1外に落下しないように制御することもできる。したがって、長尺の媒体でも、プリンタの外へ落下しない。また、フレッシャローラとストッパは退避しているので、媒体は速やかに抜き取れる。スプリング26の張力設定により、突起部21aと上側ガイド4aとで媒体2を抑えることも可能であり、同様に落下防止を行うこともできる。これは、媒体をクランプして、ユーザが媒体を抜き取るのを待つためであり、連続した用紙を使用している場合等に有効である。
【0072】
実施の形態2
図14は、印字部の近くにおける搬送系の構成を示す。実施の形態1と異なる部分は上流側ガイドと下流側ガイドの形状と、それらを上下動させるための部材(レバー類)が設けられたことである。
【0073】
シャフト3aに嵌合された摩擦クラッチ41は、同じくシャフト3aに嵌合されたプッシュレバー42との間に摩擦負荷を生じさせる機能を有する。例えば、搬送ローラ3−1が矢印H方向に回転すると、摩擦クラッチ41によりプッシュレバー42にも矢印I方向の回転力を発生させる。なお、このプッシュレバー42の回転角度範囲は図示しない規制部材により制限される。よって、規制部材まで回転したプッシュレバー42はそれ以上回転することなく、シャフト3aとの間では滑りを発生する。
【0074】
プッシュレバー43は、摩擦クラッチ41により搬送ローラ3−2が矢印M方向に回転したとき、矢印L方向に回転力を受ける構造になっている。このプッシュレバー43も図示しない規制部材により回転角度範囲が制限されている。よって、規制部材まで回転したプッシュレバー43はそれ以上回転することなく、シャフト3bとの間で滑りを発生する。
【0075】
上流側ガイド44は、実施の形態1で説明した上流側ガイド13と似た形状をしており、その異なる点は概ね2点である。第1点目は、上流側ガイド44は支軸44aを中心に回動可能に軸支されるが、図示せぬスプリングにより、傾斜部44bを媒体搬送路4側に、常時、付勢されていることである。第2点目は、傾斜部44bと反対側にプッシュレバー42に固着したポスト42aとの係止部44cを有することである。この係止部44cからポスト42aが離脱すると、上流側ガイド44は先の図示せぬスプリングにより矢印J方向に回動し、図14に示すような状態になる。
【0076】
下流側ガイド46も、実施の形態1で説明した下流側ガイド14と似た形状をしており、その異なる点は、概ね、上流側ガイド44と同様である。下流側ガイド46は、支軸46aを中心に回動可能に軸支され、図示せぬスプリングにより傾斜部46bを媒体搬送路4側に、常時、付勢している。更に傾斜部46bと反対側にはポスト46cが固設され、プッシュレバー43と係合する。この掛止部43aがポスト46cを押し下げると、先の図示せぬスプリングに抗して傾斜部46bを上方(矢印R方向)に押し上げ、図14に示すような状態になる。
【0077】
以上の構成において、媒体2が矢印A方向に搬送される場合は、搬送ローラ3−1と3−2が矢印H、M方向に回転して、上流側ガイド44の傾斜部44bが媒体搬送路4側に下がり、下流側ガイド46の傾斜部46bは上方に向くので、媒体2はプラテン8部を安全に通過する。また、媒体2が矢印B方向に搬送される場合は、搬送ローラ3−1と3が矢印H、M方向とは逆方向に回転され、上流側ガイド44の傾斜部44bは上方に向き、逆に下流側ガイド46の傾斜部46bは媒体搬送路4側に垂れ込むので、媒体2はプラテン8部を安全に通過する。
【0078】
実施の形態3
ヘッドキャリア10に搭載したセンサSER(又はSEL)が、媒体に記録された情報の光学的な読取を行う動作を説明する。図15は、図16に示すバーコード(縦バー)2bを読み取り、その読み取り結果を解析することにより印字処理すべき媒体の頁を識別するときの動作フローチャートである。図16は、金融機関で使用される通帳2aを示す平面図であり、通帳2aの上端から所定寸法Tの位置に、通帳2aの頁を表すバーコード2bが予め印刷されている。なお、通帳のプリンタへの挿入から印字位置までの搬送は、図10に示した動作と同様に行われる。
【0079】
SPモータ15の正回転が行われると、ヘッドキャリア10は、図8の右側の待機位置(位置P)から矢印D方向に移動が開始される(S51)。ヘッドキャリア10が図8中の距離Nだけ移動すると、センサSELがONする。即ち、通帳2aの右側端面を検出する(S52)。このときのセンサSELの検出信号を受けて、制御部30はカウント回路32によりカウントしたそれまでの移動量を記憶する。この移動量は、右側の待機位置(位置P)におけるヘッドキャリア位置アドレスの値を0(ゼロ)とすれば、センサSELがONするまでのSPモータ15の回転ステップ数(=移動量)に該当するアドレス値である(S53)。
【0080】
制御部30は、センサSELがONしたときのヘッドキャリア位置アドレスの値に対して、バーコード2bを読み出すためのリードゲートの位置Gまでのステップ数を加算する(S54)。なお、このときの加算ステップ数は、予めバーコード2bの印刷位置から求められているものである。ステップS54にて加算されたヘッドキャリア位置アドレスの値に相当する位置までSPモータ15が回転されたら、制御部30は、センサSELの出力を監視するリードゲートを開く(S55)。
【0081】
センサSELはバーコード2b上を走査することにより、バーコード2bに対応するアナログデータを出力する。このアナログデータは、バーコード2bの黒線の幅およびその間隔として白領域の幅を表現していて、A/D変換回路31によりデジタルデータに変換される(S56)。ヘッドキャリア位置アドレスの値が、予め定めた値に達するまでSPモータ15の回転を続け(S57)、所定位置までの操作が終了したらリードゲートを閉じる(S58)。
【0082】
上述のように、ヘッドキャリア10に搭載したセンサSELにより、通帳2aに付された頁情報を読み取ることができるので、係員や利用者が誤まった頁を開いて挿入した場合でも、印字処理前に、開いたページの適否の判断ができる。よって、係員や利用者は、通帳の正しいページを開いたかどうかを心配しなくてもよい。更に、プリンタ内に特別な頁読取機構を備える必要がないので小型、軽量化も可能となるという効果がある。
【0083】
上記の説明では、プレッシャローラ5−1がホームポジションHPにある場合にも媒体搬送路4に突出しているものとした。挿入時に摩擦負荷があると不具合が発生する場合、例えば、通帳などの冊子状の媒体を扱うプリンタの場合には、下側ガイド4bから退避した位置をプレッシャローラ5−1のホームポジションとして設定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明のプリンタの外観図である。
【図2】本発明の印字部近傍の要部構成を示す側面図である。
【図3】本発明の要部の動作を示す図である。
【図4】本発明のプリンタ全体の構成を示す説明図である。
【図5】本発明のプリンタ全体の構成を示す説明図である。
【図6】搬送系の構成を示す説明図である。
【図7】本発明の要部制御ブロック図である。
【図8】印字系の構成を示す正面図である。
【図9】印字系の構成を示す平面図である。
【図10】搬送系の動作フローチャートである。
【図11】実施の形態1における搬送系の構成を示す説明図である。
【図12】実施の形態1における印字処理動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明のプリンタにおける印字部の詳細の説明図である。
【図14】実施の形態2における搬送系の構成を示す説明図である。
【図15】実施の形態3における印字系の動作を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態3における通帳の平面図である。
【符号の説明】
【0085】
2 媒体、 4 媒体搬送路、 21a ストッパ、 5−1、5−2 プレッシャローラ、 SE1、SE2、SE3 媒体検出センサ、 9 印字ヘッド、 10 ヘッドキャリア、 11 印字ヘッド走行手段、 12 開口部、 11c 補助ガイド、 SEL、SER センサ。

【出願人】 【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門1丁目7番12号
【出願日】 平成18年8月18日(2006.8.18)
【代理人】 【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実

【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一

【公開番号】 特開2006−312323(P2006−312323A)
【公開日】 平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願番号】 特願2006−223142(P2006−223142)