| 【発明の名称】 |
水溶性切削油の処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】横田 眞 【住所又は居所】愛知県名古屋市北区八代町2丁目106番地 株式会社アイネット内
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| 【要約】 |
【課題】腐敗などに起因する悪臭の発生を防止するときでも、多大な費用やスペースを必要としない水溶性切削油の処理方法を提供すること。
【解決手段】工作機械において、水溶性切削油が貯留されている切削油タンクに対して、微量の二酸化チタンを定期的に投入する。二酸化チタンは、紫外線を受けて、硫酸還元菌などを殺菌し、腐敗を防止し、悪臭の発生を防止する。また、二酸化チタンとしては、可視光を受けて触媒作用を発揮するものを用いることが好ましい。なお、水溶性切削油の表面上に浮いた浮上油は黒曜石の粉体などで除去すればよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 使用済みの水溶性切削油と光触媒とを接触させることを特徴とする水溶性切削油の処理方法。 【請求項2】 請求項1において、前記水溶性切削油と前記光触媒とを接触させるにあたって、工作機械で使用されている前記水溶性切削油に対して光触媒を投入することを特徴とする水溶性切削油の処理方法。 【請求項3】 請求項1または2において、前記光触媒は、酸化チタンであることを特徴とする水溶性切削油の処理方法。 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記光触媒は、可視光で光触媒作用を発揮することを特徴とする水溶性切削油の処理方法。 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記水溶性切削油の液面上に浮上している浮上油を黒曜石で吸着することを特徴とする水溶性切削油の処理方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、水溶性切削油の腐敗などを防止するための水溶性切削油の処理方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 旋盤、フライス盤、研磨盤等の工作機械では、切削工具の冷却や切削性、被切削物、機械の温度の上昇防止などの目的で切削油が使用されている。しかしながら、水溶性切削油の場合には、バクテリア等の細菌が発生して悪臭が生じやすい。かといって、数ヶ月単位で新しい切削油に交換すると、多大なコストがかかる。また、防腐剤を添加する方法もあるが、防腐剤は手が荒れやすく、かつ、高価であるがその効果は短期間しか維持できない。 【0003】 そこで、蒸留回収装置を用いて切削油を再生するなどの方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2001−219337号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、特許文献1に記載の方法では、設備の導入に多大な費用がかかるとともに、工作機械の周りに蒸留回収装置を設置するためのスペースを必要とするという問題点がある。 【0005】 以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、腐敗などに起因する悪臭の発生を防止するときでも、多大な費用やスペースを必要としない水溶性切削油の処理方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記課題を解決するために、本発明に係る水溶性切削油の処理方法では、使用済みの水溶性切削油と光触媒とを接触させることを特徴とする。本発明において、使用済みの水溶性切削油と光触媒とを接触させるとは、使用済みの水溶性切削油を光触媒に接触させる形態の他、新規の水溶性切削油に光触媒を添加しておく形態も含む意味である。また、本発明において、「水溶性切削油」とは、「鉱油や脂肪油などの水に溶けない成分と界面活性剤とを含むもの」「界面活性剤などの水に溶ける成分のみからなるもの」の双方を含む意味であり、鉱油や脂肪油などが配合されていないものも含む意味である。 【0007】 本発明では、酸化チタンなど光触媒を利用して水溶性切削油を処理するため、水溶性切削油の腐敗などを防止でき、水溶性切削油からの悪臭成分の発生を防止することができる。 【0008】 本発明において、前記水溶性切削油と前記光触媒とを接触させるにあたっては、例えば、工作機械で使用されている前記水溶性切削油に対して光触媒を投入すればよい。 【0009】 本発明において、前記光触媒は、例えば、酸化チタンである。ここで、前記光触媒は、可視光、あるいは紫外光および可視光の双方により光触媒作用を発揮することが好ましい。 【0010】 本発明において、前記水溶性切削油の液面上に浮上している浮上油については、黒曜石で吸着することが好ましい。 【発明の効果】 【0011】 本発明では、光触媒作用を利用して水溶性切削油を処理するため、例えば、工作機械の切削油タンクなどに酸化チタンなどの光触媒を添加するだけで、水溶性切削油の腐敗などを防止でき、水溶性切削油からの悪臭成分の発生を防止することができる。また、酸化チタンなどの光触媒は、防腐剤と違って、手を荒らすことがなく、かつ、その効果は長期間にわたって維持する。さらに、蒸留回収装置と違って、多大な設備費用や設置スペースを必要としない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 本発明の処理対象となる水溶性切削油は、鉱油や脂肪油などの水に溶けない成分と界面活性剤とを含むもの、あるいは界面活性剤などの水に溶ける成分のみからなる切削油であり、かかる切削油は、工作機械において、工具の潤滑を向上させ、摩擦による過熱などの防止に使用される。 【0013】 このような水溶性切削油は、例えば、工作機械において切削油タンクに貯留されており、切削油タンクに貯留されていた水溶性切削油は、ワークへの工具の加工点に向けて吐出される。また、噴射された水溶性切削油は、回収されて切削油タンクに戻され、再び、ワークへの工具の加工点に向けて吐出される。 【0014】 このような工作機械において、水溶性切削油は、水分を含んでいるため、その初期から鉱油や脂肪油などが配合されている場合、あるいはその使用途中において油などの汚れが混入した場合のいずれの場合においても、使用していくうちにバクテリアなどが発生して腐敗し、悪臭が発生する。 【0015】 そこで、本形態では、切削油タンクに対して、光触媒として酸化チタンを投入し、使用済みの水溶性切削油を酸化チタンに接触させる。その際、酸化チタンは、粉体のまま、あるいは通液性を備えた袋や容器に収納された状態で切削油タンクに投入される。酸化チタンを粉体のまま投入した場合でも、酸化チタンはタンク底に沈むので、水溶性切削油の吐出などに支障はない。 【0016】 ここで、酸化チタン(二酸化チタン)は、紫外光を受けて有機物の分解や酸化作用を発揮して、水溶性潤滑油の腐敗を防止する。従って、この場合、UVランプにより、酸化チタンに紫外線を照射することが好ましい。 【0017】 また、酸化チタンのうち、二酸化チタンと過酸化物との複合材料や、過酸化物などで表面を処理した酸化チタンは、紫外光だけでなく可視光によっても光触媒作用を発揮して有機物を分解し、水溶性潤滑油の腐敗を防止する。従って、この場合、可視光を受ける条件が整っておればUVランプなどを用いる必要はない。ここで、可視光によっても光触媒作用を発揮する光触媒は、以下の方法でも製造できる。すなわち、酸化チタンの粉体を処理液と接触させて酸化チタンの粉体の表面を多孔性リン酸カルシウムで被覆して光触媒を製造する際、処理液中に、絹からセリシンを除去して得たフィブロインなどの繊維状蛋白質を含ませておく。このような光触媒では、酸化チタンが多孔性リン酸カルシウムで被覆されているとともに、酸化チタンが一部露出した状態にある。ここで、酸化チタンの結晶化度を高めておけば、紫外光だけでなく可視光によっても光触媒作用を発揮して有機物を分解し、水溶性潤滑油の腐敗を防止する。 【0018】 このような酸化チタンによる腐敗の防止は、例えば、一般細菌や嫌気性細菌などの微生物を殺菌することによる効果と考えられる。また、嫌気性細菌のうち、悪臭原因物質の発生を促進する硫酸還元菌に対して特に優れた殺菌効果を発揮するためと考えられる。さらに、悪臭の原因となる硫化水素を酸化させてその発生を防止しているとも考えられる。 【0019】 このように本形態では、水溶性切削油に微量の酸化チタンを投入するだけで水溶性切削油の腐敗、およびそれに起因する悪臭の発生などを確実に防止できる。このため、本形態によれば、工作機械の切削油タンク内に酸化チタンを定期的に混入するだけで、水溶性切削油を長期間にわたって使用でき、水溶性切削油を定期的に交換する必要がないので、コストダウンを図ることができる。また、酸化チタンなどの光触媒は、防腐剤と違って、手を荒らすことがなく、かつ、その効果は長期間にわたって維持する。 【0020】 さらに、本形態によれば、水溶性切削油を再生するための蒸留回収設備などが不要であるため、多大な設備投資が不要であり、かつ、工作機械の周りに蒸留回収装置などを配置するスペースを確保する必要もない。 【0021】 なお、水溶性切削油を使用していくと、工作機械の摺動面に用いられていた潤滑油や、ワークに付着していた油が水溶性切削油の表面上に浮上油として浮いてくる。このような場合には、切削油タンクに吸着材を投入する。このような吸着材としては、黒曜石の粉体が好ましい。その場合、黒曜石は、粉体のまま、あるいは通液性を備えた袋や容器に収納された状態で切削油タンクに投入される。黒曜石を粉体のまま投入した場合でも、黒曜石の粉体はタンク底に沈むので、水溶性切削油の吐出などに支障はない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】505167989 【氏名又は名称】株式会社アイネット 【住所又は居所】愛知県名古屋市北区八代町2丁目106番地
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| 【出願日】 |
平成17年5月9日(2005.5.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090170 【弁理士】 【氏名又は名称】横沢 志郎
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| 【公開番号】 |
特開2006−312219(P2006−312219A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月16日(2006.11.16) |
| 【出願番号】 |
特願2005−136132(P2005−136132) |
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