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【発明の名称】 遊技機
【発明者】 【氏名】岡井 啓祐
【住所又は居所】大阪府吹田市豊津町14番12号 株式会社SNKプレイモア内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に遊技球が放出されることに関連して行われる抽選結果に基づいて、遊技者に有利な遊技状態を付与する遊技機であって、
前記有利な遊技状態のときに遊技球が入球可能な入賞領域を備えた入賞装置と、
遊技内容と関連した情報を表示する表示装置とを有し、
前記表示装置は、前期入賞領域を遮蔽する閉状態又は閉位置と、これを遮蔽しない開状態又は開位置との間で状態変化可能又は移動可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記表示装置は、遊技に関連する所定条件の成立によって前記状態変化又は移動を行う開閉部材の前面側に対して、前記情報が表示される表示部を取り付けることにより構成されている請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記表示装置は、前記抽選結果に関連して図柄変動表示及び図柄停止表示を行う画像表示部からなり、前記画像表示部が特定の図柄停止表示態様となることを条件に前記有利な遊技状態を付与する請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記表示装置は、前記入賞装置の前方に配置され、前記閉状態又は閉位置から前記開状態又は開位置に変化又は移動したとき、前記入賞装置への遊技球の入球が可能となる球導入口を形成する請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記表示装置は、前記閉状態又は閉位置をとるとき、前記入賞装置の少なくとも一部が視認可能にする光透過型表示装置からなる請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明はパチンコ機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ遊技機では、始動口に遊技球が入ることにより抽選が行われ、下記特許文献1の特開2003−325864号公報などに開示されているように、液晶やCRT(Cathode Ray Tube)などの映像表示装置からなる特別図柄変動表示装置において、例えば3つの図柄が変動表示される。抽選結果に応じて、例えば「777」といったゾロ目の図柄の組み合わせの表示態様が成立することによって、遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行可能となる。大当たり遊技状態では大入賞口が所定時間、開放され、それに遊技球が入賞することにより、遊技者は、多量の賞球を獲得することができる。
【0003】
従来のパチンコ機では、一組の特別図柄変動表示装置及び大入賞口の縦配置構成にあるため、大当たり表示から大入賞口への入賞遊技に移行するといった遊技態様がワンパターン化し、パチンコ遊技が画一的で変化に乏しいものとなる傾向にある。
【0004】
そこで、これを解消するために、例えば、下記特許文献2の特開平9−24138号公報に開示されているように、複数の図柄変動表示装置を遊技盤面外の空きスペースに分散配置したものがある。しかし、上記始動口やメインの図柄変動表示装置などが配置された遊技盤中央を見ながら打球遊技しているときに遊技盤面外も視野に入れるのは遊技者にとって集中力がそがれ、また疲労しやすくなるため、継続遊技の点で好ましくなかった。
【0005】
また、例えば、下記特許文献2の特開2001−62080号公報などに開示されているように、複数の大入賞口を設けて複数の大当たり遊技態様を出現させ遊技態様にバリエーションをもたせたものもある。しかし、各大入賞口に対応する図柄変動表示装置を用いる必要があり、二組の特別図柄変動表示装置及び大入賞口を、大きさが制限された遊技盤内に設置するため、遊技球の有効流通領域が狭くなり、遊技球の落下パターンに制約を受け、始動口への入賞率等の出玉率設計が難しくなる問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開2003−325864
【特許文献2】特開平9−24138
【特許文献3】特開2001−62080
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上記の課題に鑑み、表示装置を遊技盤上で分散配置したりすることなく、設置スペースを有効活用して配設し、特別図柄変動表示装置及び大入賞口の縦配置構成によるワンパターン化を解消し、興趣の向上に寄与する遊技態様の多様化を実現でき、また良好な出玉率設計の実行を妨げない遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、遊技領域に遊技球が放出されることに関連して行われる抽選結果に基づいて、遊技者に有利な遊技状態を付与する遊技機であって、前記有利な遊技状態のときに遊技球が入球可能な入賞領域を備えた入賞装置と、遊技内容と関連した情報を表示する表示装置とを有し、前記表示装置は、前期入賞領域を遮蔽する閉状態又は閉位置と、これを遮蔽しない開状態又は開位置との間で状態変化可能又は移動可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機である。
【0009】
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、前記表示装置を、遊技に関連する所定条件の成立によって前記状態変化又は移動を行う開閉部材の前面側に対して、前記情報が表示される表示部を取り付けることにより構成する遊技機である。
【0010】
本発明の第3の形態は、前記第1又は第2の形態において、前記表示装置を、前記抽選結果に関連して図柄変動表示及び図柄停止表示を行う画像表示部とし、前記画像表示部が特定の図柄停止表示態様となることを条件に前記有利な遊技状態を付与する遊技機である。
【0011】
本発明の第4の形態は、前記第1〜第3のいずれかの形態において、前記表示装置を、前記入賞装置の前方に配置し、前記閉状態又は閉位置から前記開状態又は開位置に変化又は移動したとき、前記入賞装置への遊技球の入球が可能となる球導入口を形成する遊技機である。
【0012】
本発明の第5の形態は、前記第1〜第4のいずれかの形態において、前記表示装置を、前記閉状態又は閉位置をとるときに前記入賞装置の少なくとも一部が視認可能にする光透過型表示装置とする遊技機である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の形態によれば、前記表示装置を、前記入賞領域を遮蔽する閉状態又は閉位置と、これを遮蔽しない開状態又は開位置との間で状態変化可能又は移動可能に構成しているので、換言すれば、前記表示装置を前記入賞領域を遮蔽する遮蔽位置と、遮蔽しない非遮蔽位置とに移動自在に設けたので、例えば前記遮蔽位置(閉状態又は閉位置)における通常遊技状態から前記非遮蔽位置(開状態又は開位置)における特別遊技状態に移行させるといった遊技形態を実現でき、パチンコ遊技のマンネリ化を解消して遊技態様の多様化に寄与し、遊技の興趣を一層高める効果を奏する。また、本形態によれば、例えば大入賞口などの入賞装置と図柄変動表示装置などの表示装置との集約的な配置が可能となり、大入賞口と別に図柄変動表示装置を遊技盤内に設ける場合に比較して、設置スペースを効率的に活用できるため、遊技球の落下パターンに制約を与えず、始動口への入賞率等の出玉率設計を良好に行うことができる。
【0014】
本発明にかかる入賞装置は例えば、大当たり時に所定回数、開閉蓋が繰り返し開放される、いわゆるアタッカー又は大入賞口と呼ばれる可変入賞装置、入賞領域の位置が機械的変動機構によって変動する、いわゆる役物構造の変動入賞装置、あるいはいわゆる電チューと呼ばれる電動式開閉入賞装置などである。また、本発明にかかる表示装置は特別図柄変動表示装置や、始動口用電チューの開閉を決定する普通図柄抽選表示を行う、いわゆるミニデジタル表示用普通図柄変動表示装置として使用できる他に、上記アッタカの開閉回数表示や遊技補助表示などの遊技演出補助表示装置として用いることができる。この表示装置には、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、7セグメントLED表示器、LEDドットマトリクス表示器等の表示手段を使用でき、また、小型のリール装置やベルト駆動式装置などの機構手段を含むものを使用してもよい。さらに、本発明にかかる有利な遊技状態としては、大当たり遊技や、大当たり遊技より獲得賞球数の少ない中当り遊技や小当り遊技などである。
【0015】
本発明の第2の形態によれば、前記第1の形態において、前記表示装置を、遊技に関連する所定条件の成立によって前記状態変化又は移動を行う開閉部材の前面側に対して、前記情報が表示される表示部を取り付けることにより構成するようにしたので、換言すれば、前記入賞装置は大当たり状態成立などの所定条件の成立により前記入賞領域を開閉する開閉部材を有し、前記表示装置を前記開閉部材の前面側に取り付けたので、例えば、前記開閉部材としての上記アタッカーの開閉蓋に、前記表示装置を装着するなどして、通常遊技時には、該開閉蓋を閉成することによって前記表示装置は前記入賞領域の遮蔽位置に位置し、遊技内容に関連した遊技情報を表示可能な状態となる。一方、大当たり遊技状態時には該開閉蓋を開成することによって前記表示装置は前記入賞領域の非遮蔽位置に移行し、再び閉成することにより遮蔽状態にすることを繰り返す状態とできる。このように前記表示装置を前記開閉部材の前面側に取り付けることにより、意外性に富んだ遊技態様を実現でき、パチンコ遊技の興趣の増大に寄与する。
【0016】
本発明の第3の形態によれば、前記第1又は第2の形態において、前記表示装置を、前記抽選結果に関連して図柄変動表示及び図柄停止表示を行う画像表示部とし、前記画像表示部が特定の図柄停止表示態様となることを条件に前記有利な遊技状態を付与するので、前記画像表示部によって特別図柄変動表示や普通図柄変動表示などの変動表示を行うことができ、入賞装置と図柄変動表示装置とを遊技盤内に集約的にかつ効率的に配設することが可能となる。
【0017】
本発明の第4の形態によれば、前記第1〜第3のいずれかの形態において、前記表示装置を、前記入賞装置の前方に配置し、前記閉状態又は閉位置から前記開状態又は開位置に変化又は移動したとき、前記入賞装置への遊技球の入球が可能となる球導入口を形成するので、前記表示装置が前記遮蔽位置から前記非遮蔽位置に移動することによって形成される前記球導入口を介して前記入賞装置による入球遊技を行うことができ、別途、入球案内経路を設ける必要もなく、簡素に構成することができ、設置スペースの削減に寄与する。
【0018】
本発明の第5の形態によれば、前記第1〜第4のいずれかの形態において、前記表示装置を、前記閉状態又は閉位置をとるときに前記入賞装置の少なくとも一部が視認可能にする光透過型表示装置とするので、例えば遮蔽状態においては見えていない前記入賞装置の内部を遊技者に一瞬ないし所定時間透視可能とするといった、大当たり予告等の演出態様が可能となり、大当たり獲得の期待感を高め、興趣の増大を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を適用したパチンコ機の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機1の概略正面図である。パチンコ遊技機1は、開閉可能な前面枠2の前面側に、ガラス板等の透明枠7で覆われた遊技盤3が設けられている。遊技盤3下方には、後述する入賞口等に遊技球が入球することにより獲得した賞球、及び遊技者が借りた遊技球を貯留しておくための上皿4と、遊技盤3内に発射された遊技球が遊技に供されずに戻ってきたファウル球や上皿4の貯留球満杯によりオーバーフローした遊技球等を貯めておくための下皿5と、遊技者の操作により上皿4から供給された遊技球を遊技盤3内に打球発射させるための操作ハンドル6等が設けられている。遊技盤3には、打球発射された遊技球を遊技盤3内に案内する発射レールである外レール13及び内レール12が設けられ、これらによって区画された遊技領域8が形成されている。遊技領域8外の遊技盤3には賞球等の払出用予備球タンク(図示せず)の補給を知らせる報知ランプ14などが設置されている。
【0021】
遊技領域8中央には、液晶表示ディスプレイからなる可動式図柄変動表示装置9が配設されている。図柄変動表示装置9の下方には、可変翼を備えた始動入賞口15、表示装置付き大入賞口10が順に設けられている。図柄変動表示装置9の周囲には、遊技球が入賞することにより所定数の遊技球の払い出しを可能とする複数の一般入賞口16が設けられている。図示しないが、複数の障害釘が遊技領域8に植設され、さらに風車や、発光することによりパチンコ遊技演出を行う電飾用LED44(図7参照)なども配置されている。遊技領域8の最下辺には入賞に至らなかったアウト球を回収するためのアウト口11が設けられている。大入賞口10は図柄変動表示装置9の変動表示図柄が停止表示されたときに大当たり遊技状態に移行可能な組み合わせとなった場合に、大入賞口開放ソレノイド46(図7参照)により開放され、遊技球が入球することにより多くの遊技球が獲得可能となる。また、本実施形態では、可動式図柄変動表示装置9の内部に、第2の大入賞口17(図3及び図4参照)も設けられている。大入賞口17は通常遊技状態では図柄変動表示装置9によって遮蔽されており、大当たり遊技状態になると、図柄変動表示装置9が非遮蔽位置に移動することによって、遊技球の受け入れが可能となる。
【0022】
図2は遊技領域8の中央配置構成を示す。図柄変動表示装置9は対称に設けた2つの表示部9aと9bからなる。右の表示部9aには液晶表示装置18が、左の表示部9bには液晶表示装置19が装着されている。各表示部の上部には、2つの変動図柄が停止表示して揃った状態のリーチ時や大当たり発生時などに発光する演出補助用LEDからなる発光部21が設けられている。これらの表示部9a、9bは後述の駆動機構(図5参照)によって水平方向にスライド移動自在に保持されている。表示部9aと9bが通常遊技時等で、全体として5角形形状に合体した状態となり、その状態で上方に突出した頂部が遊技領域8上部に植設された、いわゆる天釘と称される障害釘20の真下に位置する。図3に示すように、表示部9a、9bが合体状態のとき、打球発射された遊技球が障害釘20間を通過してほぼ真下に落下しても、その突出した頂部付近に当って左右の傾斜面22、23に沿って、停留することなく図柄変動表示装置9の側部に円滑に流下していく。
【0023】
表示部9a、9bの各背面側には図5に示すように、水平方向に配設されたラック部材26が取り付けられている。遊技盤3の内部には、ラック部材26と係合して水平移動力を伝達するピニオンギア25及びピニオンギア駆動用小型モータ24が表示部9a、9bのそれぞれに対して配設されている。また、遊技盤3内には表示部9a、9bのそれぞれの水平移動を支持するための水平ガイドレール27が敷設されている。一方、表示部9a、9bの各背面側にも水平ガイドレール27に載置されるガイドローラ28が水平移動方向に回転自在に取り付けられている。ラック部材26、ピニオンギア25、ピニオンギア駆動用小型モータ24、水平ガイドレール27、ガイドローラ28によって各表示部を水平にスライド自在にする駆動機構を構成している。この駆動機構によって、図柄変動表示装置9の左右の表示部9a、9bは5角形形状の合体状態(図3参照)から、大当たり遊技状態のとき、図2の一点鎖線で示すように、また図4に示すように、左右にそれぞれ移動することができる。
【0024】
図柄変動表示装置9の中央背面側に、本発明にかかる入賞領域を形成する第2の大入賞口17が設けられている。通常遊技状態ときなどにおいては、左右の表示部9a、9bが閉じた合体状態(図3参照)にあり、大入賞口17を遮蔽している。大当たり遊技状態になると、図4に示すように、上記遮蔽位置から左右の表示部9a、9bが左右に広がって非遮蔽位置に移行し開状態になる。この開状態のとき表示部9a、9b間に球導入口となる空間が形成されるため、大入賞口17に遊技球が受け入れ可能な状態になる。大入賞口17の遊技盤3側の前方に球受入部17aが突出形成されており、大入賞口17内部に遊技球を案内する傾斜部17bが設けられている。上記球導入口は天釘の障害釘21の真下に位置するため、障害釘21を通過した遊技球が下方の落下して該球導入口に受け入れやすい状態となる。したがって、遊技者は大当たり遊技状態となっても、通常遊技状態と同様に天釘付近を狙って打球発射する遊技形態のままで該球導入口を通じて大入賞口17に容易く入球することができ、大当たり遊技を入球コントロール操作に煩わされることなく楽しむことができる。表示部9a、9bは大当たり遊技状態の間、所定回数、例えば15回開閉移動を行う。すなわち、1回の大入賞口17のラウンド開成により遊技球が所定個数以上入球するかあるいは30秒経過すると閉成され(閉塞され)、次ぎのラウンドに移り、これが15回繰り返される。なお、大入賞口17内に、普通入賞口と別に、いわゆるV入賞口を設け、V入賞口に入球しない限り次ぎのラウンド開成(開放)を行わないようにしてもよい。このように表示部9a、9bは大入賞口17の開閉蓋材の役目を担うため、閉成時に落下中の遊技球を挟み込んでしまうおそれがある。本実施形態においては、それを防ぐための球噛み防止片9cを遊技盤3面より垂直方向でかつ前後方向に進退自在に設けている。球噛み防止片9cは大入賞口17の幅より少し大きい板片からなり、図示しないソレノイド機構によって前後に進退自在に設けられ、通常遊技状態では遊技盤3面内に面一に格納されている。表示部9a、9bを図4の開成状態から図3の閉成状態に移行するとき、球噛み防止片9cを格納状態から繰り出して、遊技球が表示部9a、9b間の空間に入らないように塞き止め、球噛みの発生を防止する。表示部9a、9bの閉成が済むと、球噛み防止片9cは速やかに後退し、球噛み防止片9c上面に一時的に乗り上げて塞き止められた遊技球などは開放され、落下していく。球噛み防止片9cを突出させたとき、その平坦表面に遊技球が載り、一時的に停留するおそれを生じるが、図8の(8A)に示すように断面カマボコ状にして湾曲表面にしたり、図8の(8B)に示すように断面屋根型状の傾斜表面にしたりすれば、そのような停留を十分に解消できる。また、表示部9a、9b間の球の挟み込みに関しての別の防止対策例を図8の(8C)に示す。表示部90、91はそれぞれ表示部9a、9bに対応し、液晶表示装置18a、19aを備える。表示部90、91の各頂部92、93は遊技球の球径より小さい幅で接触するように内側側面が凸設されている。これによって、表示部90、91が互いに接触する閉成状態において、頂部92、93が当接しても遊技球を挟み込むことがない。さらに、その凸設によって表示部90、91相互に内側に遊技球の球径より広い間隔Dの空間94が形成されるため、閉成動作の途中に遊技球が入り込んでも挟み込むことなく大入賞口17内部に取り入れてしまうことができる。この場合、閉成状態において大入賞口17内部が露出するので開閉蓋を設けるのが好ましい。
【0025】
大入賞口17内部の奥には、入賞球をカウントするためのセンサ(図示せず)を設けた入賞球通路17dと連通した貫通孔17cが形成されている。上記球導入口を通じて落下してきた遊技球は傾斜部17bを転動して貫通孔17cに入り、入賞球通路17dに搬入されていく。
【0026】
大入賞口10は本発明にかかる入賞領域を形成し、図6に示すように、回動軸10cを中心に前方に前倒し状に回動自在に保持され、該入賞領域を開閉するための蓋体10aを有する。蓋体10aの開閉機構(図示せず)は、例えば特開2001−37989号公報などに開示されている、ソレノイド(後述の大入賞口開放ソレノイド46)によって駆動されるリンク駆動機構である。蓋体10aの前面側には、遊技内容に関する遊技情報を表示する液晶表示装置29が装着されている。蓋体10aは正面視略5角形形状をなし、上部外周縁部には凸部10bが突出形成されている。蓋体10aの閉成状態では遊技盤3面とほぼ面一状態になるため、一部の落下球が液晶表示装置29の画面に衝突するおそれが生じるが、凸部10bを蓋体10外周に沿って設けているため、落下球が液晶表示装置29側に飛び込むのを防止している。大当たりの発生によって、図6の一点鎖線に示すように、蓋体10aが前傾して大入賞口10内部への遊技球の入球可能な状態に移行し、落下球は蓋体10aの背面に沿って大入賞口10内に入り、さらに内部の入賞球通路30aに搬入されていく。大入賞口10も、大入賞口17と同様に、大当たり遊技状態の間、所定回数、例えば15回開閉移動を行う。もちろん、大入賞口10の場合も、普通入賞口と別に、いわゆるV入賞口を設け、V入賞口に入球しない限り次ぎのラウンド開成を行わないようにしてもよい。大入賞口10及び大入賞口17を用いた遊技態様については後述する。
【0027】
図7は、パチンコ遊技機1のブロック構成図である。パチンコ遊技機1は、CPU30、ROM31、RAM32からなる主制御基板部PCを備え、主制御基板部PCのインターフェース回路33,34を介して、各種入力部及び出力部と接続されている。
【0028】
入力部には、入賞口の入賞球検出用スイッチ35、大入賞口10、17の入賞球検出用スイッチ36、始動入賞口の入賞球検出用スイッチ56、タッチセンサ37、確率設定装置38、アウト口スイッチ55が含まれ、これらのスイッチおよびセンサはインターフェース回路33を介してCPU30と接続されている。一般入賞口スイッチ35は各一般入賞口16への入球を検出するためのものであり、また大入賞口入賞球スイッチ36は大入賞口10及び17に入球した入賞球を検知して大入賞口開放時の入球数をカウントするためのものであり、これらのスイッチによる検知信号はCPU30に供給される。タッチセンサ37は操作ハンドル6に設置され、遊技者が操作ハンドルを握ったかあるいは触れたことを検知し、その検知信号をCPU30に供給する。確率設定装置38は、大当りを発生させる確率を段階的に設定変更するためのものである。アウト口スイッチ55はアウト口11近傍に設けられ、アウト口11を通過して外部に排出されるアウト球を検知するためのものである。
【0029】
出力部には、遊技盤3などに配設された各種の発光ランプ42の点灯駆動を制御する発光ランプ制御回路41、大入賞口10の液晶表示装置29の表示制御を行う液晶表示装置制御回路39、液晶図柄変動表示装置18及び19の表示制御を行う液晶表示装置制御回路43、大入賞口10の開閉駆動用大入賞口開放ソレノイド46の駆動制御回路45、各種電飾用LED44のLED表示制御装置47、効果音等の音声を出力するスピーカ50の音声駆動制御回路49、操作ハンドル6による打球操作可能な遊技球発射装置52の発射制御回路51、入賞口への球入賞時や大入賞口開放時の球入賞に伴い所定個数の賞球を上皿4または下皿5に排出する球排出装置54の遊技球排出制御回路53、及び表示部9a及び9bの水平移動を行うピニオンギア25駆動用モータ24のモータ駆動制御回路40が含まれ、これらはインターフェース回路34を介してCPU30と接続されている。なお、これらの制御回路39、40、41、43、45、47、51、53はそれぞれサブCPUからなるサブ制御基板部で構成され、各サブ制御基板部にCPU30からの制御信号が供給される。また、各制御回路を全てあるいは複数個をまとめて一つのサブ制御基板部で構成してもよい。
【0030】
CPU30は、ROM31に格納されている遊技プログラムに基づいて動作し、インターフェース回路33を介して入力される上記入力部からの検出信号等に応じて出力信号を生成して、インターフェース回路34を介して各種の表示装置やソレノイド駆動回路等に供給する。
【0031】
RAM32は、CPU30にワークエリアを提供し、各種の変数データが一時的に記憶される。また、RAM32には、抽選処理において大当たりか否かを決定するために発生する乱数値が一時的に記憶される。なお、大当たり抽選は始動入賞口15への入球、つまり始動入賞を契機として行われる。
【0032】
装飾ランプ44は、多数の発光ダイオード(図示せず)からなり、CPU30により制御されて点灯および消灯し、発光演出を行う。遊技球発射装置52は、CPU30により制御され、遊技者が操作ハンドル6を回動操作することに基づいて遊技球を遊技領域8内に発射させるものである。球排出装置54は、CPU30により制御され、始動入賞口15、一般入賞口16や大入賞口10又は17に遊技球が入ることにより、上皿4または下皿5に複数個の賞球を払い出す。なお、球排出装置54は、パチンコ機がカード球貸し機等と接続される仕様の場合には、当該球貸し機からの球貸し信号入力によって駆動され、所定個数の貸し出し球を上皿4に排出することにも利用できる。
【0033】
液晶図柄変動表示装置18、19からなる可動式図柄変動表示装置9の表示部9a及び9bは、始動入賞口15への始動入賞時に行われる抽選の結果に基づき、図柄変動表示を行う。各表示部を用いて、3図柄変動を分担して表示し、時には片側でのみ図柄変動表示を行い、他方ではキャラクタを用いた演出表示を行う。種々の変動表示パターンは各抽選の際に決定される。各図柄変動表示装置は、CPU30からの制御コマンドに応じて液晶表示制御駆動回路43によって制御され、液晶ディスプレイ装置の画像表示上で複数の図柄を変動表示した後に停止表示する。遊技者にとって出球獲得上有利と成る大当たり遊技状態への移行は、該抽選結果が当選であり、表示部9a及び9bにおいて所定の大当たり図柄の組み合わせが停止表示されたときである。なお、本発明においては図柄変動表示装置として7セグLED表示器、LEDドットマトリクス表示器、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、CRTディスプレイ、リールなどを使用できる。大入賞口10に設けた液晶表示装置29は遊技演出の補助的表示を行う。例えば、大入賞口10の大当たり遊技状態でのラウンド回数表示、表示部9a及び9bにおけるリーチ演出を盛り上げるための補助表示、大当たり予告表示などである。
【0034】
特に、液晶図柄変動表示装置18、19を、例えばPDLC(Polymer Display Crystal)型液晶などの透過型液晶と散乱型液晶の積層構成とすれば、電気的制御により透視状態の演出形態を出現させることができる。例えば、図3の表示部9a及び9bの閉成状態で、透過型液晶をオン状態にし、かつ散乱型液晶をオフ状態にすると、外部からの入射光が透過型液晶を透過した後、散乱型液晶表面で反射するため、画像表示可能な状態となり、この状態では外部から大入賞口17が見えない遮蔽状態となる。一方、透過型液晶をオフ状態にし、かつ散乱型液晶をオン状態にすると、外部からの入射光が透過型液晶を透過した後、散乱型液晶をさらに透過するため、大入賞口17が視認可能な状態となる。したがって、このような透過型液晶と散乱型液晶の積層構成の液晶図柄変動表示装置18、19を用いることにより、図3の破線で示すように、通常遊技状態において大入賞口17に対応する液晶画面の一部を透視状態にする演出形態を出現させることができる。遊技者が大入賞口17の存在に気付いていない場合など、図柄変動の際、例えばリーチ演出中に透視状態が現れることにより期待感が一層高まり、パチンコ遊技の興趣を増大させることができる。
【0035】
次に、上記パチンコ遊技機1における大当たり遊技処理を図10のフローチャートを参照して説明する。まず、大当たり抽選に基づきRAM32に一時記憶した乱数値データがあるか否か確認し、記憶データ、つまりいわゆる保留球データがあるときはそのデータを読み取るとともに、表示部9a、9bによる図柄変動表示を開始させる(ステップS1〜S2)。このとき、読み取った乱数値に基づき、確率を用いた周知の方法により大当りか否かが決定される。読み取った乱数値とROM21に格納されている当り判定テーブル(図示せず)の内容とを比較して、大当たりの場合は大当たり変動表示を所定時間実行し(ステップS3〜S5)、ハズレの場合はハズレ変動表示を実行する(ステップS3〜S5、S13)。なお、通常遊技状態においては表示部9a、9bは図3の閉成状態にあり、大入賞口17はそれらによって入球不能に遮蔽されている。
【0036】
大当たりまたはハズレ変動表示においては、変動表示される3つの図柄の組み合わせが揃うか否かで大当たりもしくはハズレを表示する。このときの演出パターンは液晶表示装置制御回路43によって、予め記憶されている演出パターンテーブル(図示せず)から抽選によって選択され、表示部9a、9bに表示される。変動表示態様として、例えば、リーチ状態などのときに、アニメーションのキャラクタ等が登場する各種多彩な演出が含まれている。このとき、大入賞口10に設けた液晶表示装置29においても固有のキャラクタが出現したりしてリーチ演出を盛り上げる補助表示を行う。表示部9a、9bに使用する変動表示図柄は、例えば「0」〜「9」などの数値図柄とキャラクタ図柄から構成されており、奇数図柄及びキャラクタ図柄での大当たりは確率変動(確変)モードの特典を伴うものになる。確率変動モードは大当たり遊技終了後に次ぎの大当たりが得られる確率が高くなる遊技状態をいい、偶数図柄の普通当りのときは大当たり確率の変動は生じない。
【0037】
確変図柄による確変当りが発生すると、大入賞口駆動制御回路45を介して大入賞口開放ソレノイド46を制御し、蓋体10aを開成し大入賞口10を開放する。さらに、モータ駆動制御回路40によりピニオンギア駆動用モータ24を駆動して表示部9a、9bを開成動作させ、図4に示したように、大入賞口17を開放する(ステップS6〜S7)。大当たり発生時では表示部9a、9b及び液晶表示装置29において祝福表示が行われる。遊技球が各大入賞口に入球すると、大入賞口入賞球検知スイッチ36の球検知により球排出装置54が駆動され、例えば球1個の入賞により15個の遊技球が上皿4あるいは下皿5に払い出される。CPU30のタイマ機能により各大入賞口の開放時点から30秒が計時されるか、あるいは各大入賞口に入球した遊技球数が合計10個に達すると、大入賞口10の場合、大入賞口開放ソレノイド46の駆動によって閉鎖される。大入賞口17の場合、ピニオンギア駆動用モータ24の駆動により表示部9a、9bを閉成動作させ、図3に示したように、大入賞口17は閉鎖される。大入賞口10の開成回数、入球数は液晶表示装置29において表示され、大入賞口17においては表示部9a、9bにて行われる。各大入賞口の開閉を繰り返すことによって、遊技者は、大量の遊技球を獲得できる。各大入賞口の開成が所定回数(15回)繰り返されると、大当たり遊技終了条件を満たすことになり、大入賞口10、17の閉鎖状態となり、確変モードの遊技状態に移行する(ステップS8〜S9)。一方、普通当りのときは大入賞口10のみ開放する大当たり遊技状態となる(ステップS10〜S12)。確変当りの場合、大入賞口10と大入賞口17への入球数の合計上限を10個としたが、それぞれに上限、例えば6個と4個を割り付けてもよい。
【0038】
本実施形態では、大入賞口10より上方に位置する大入賞口17を備えており、確変当りになると、大入賞口10と大入賞口17を用いた大当たり遊技状態となるので、普通当りの大入賞口10のみの場合と比べて、入球効率が大幅にアップするため、大当たり遊技消化のスピードアップとなり、大当たり遊技終了後の確変モードへの移行を速やかに行うことができ、遊技者の興趣を一層高めることができる。もちろん、大入賞口17の開放により確変モード当選のアピール効果も高める。また、大入賞口10にも液晶表示装置29を搭載して、設置スペースを余分に必要とすることなく、表示部9a、9bとは別の表示手段を配設でき、演出効果の向上に寄与する。しかも、大入賞口17を遮蔽・非遮蔽状態にする可動式の表示部9a、9bを用いているため、第2の大入賞口17を余分のスペースを割くことなく遊技盤3内に設けることができる。なお、特に、表示部9a、9bの移動形態を演出要素として使用することもできる。例えば、少しずつ開成し始めたり、半分開成して戻ったりといった移動形態を演出態様に組み入れて、多様な演出パターンを実現することもでき、図柄変動のみの遊技演出の単調さを解消し、興趣の増大する遊技演出機能をパチンコ遊技機1に具備させることができる。また、液晶表示装置29を特別図柄変動表示装置に用い、表示部9a、9bを演出補助表示部としてもよい。
【0039】
上記実施形態においては、本発明にかかる表示装置を2つの大入賞口10と大入賞口17に適用したが、それぞれ単独で構成する実施形態にも適用できる。例えば、図9の(9A)に示すように、遊技盤中央に配置された特別図柄変動表示用液晶100及び始動入賞口101の下方の大入賞口104の開閉蓋102に補助演出表示用液晶103を搭載してもよい。特別図柄変動表示用液晶100に替えて、可変翼を備えた、いわゆる羽根モノの入賞装置を使用してもよい。また、図9の(9B)に示すように、表示部9a、9bと同様に、左右スライド移動可能な特別図柄変動表示用液晶部201及び202からなる可動式表示部200のみを用いてもよい。液晶部201及び202を開成状態にすることによってそれらの背後の大入賞口210が出現するのは上記実施形態と同様であり、異なるのは各液晶部201及び202がそれぞれ単独の特別図柄変動表示装置の機能を持つ点である。各液晶部201及び202はそれぞれの下方にある始動入賞口207、208への始動入賞を契機として作動する。また、それぞれに始動入賞口への入球数、つまり保留球数の表示器205、206が各液晶部に設けられている。図柄変動は原則として、各液晶部201、202の順又は交互に実施される。大入賞口は単一であり、各液晶部201、202のいずれかで大当たり表示が出現することによって開放される大入賞口209が下方に設けられている。図9に示した構成においても、大入賞口104又は210を遮蔽する位置に液晶表示装置を設けているので、興趣の増大に寄与する、複数の演出表示手段を設置スペースを多く必要とすることなく集約的に配設することができ、しかも大入賞口などの入賞装置と付帯的に設けることによって、遮蔽・非遮蔽による動的な遊技態様をも出現させ、この点でも興趣の高揚に寄与する。さらに、上記実施形態も含めて、入賞装置と表示装置との集約的省スペース構成により、設置スペースの効率的活用が可能となり、遊技球の落下パターンの制約を受けずに、始動口への入賞率等の出玉率設計を良好に行うことができる。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上から明らかなように、本発明によれば、表示装置を入賞領域を遮蔽する遮蔽位置から非遮蔽位置に移行させるといった遊技形態を実現できるため、遊技態様の多様化に寄与し、遊技の興趣を一層高める効果を奏する。また、本発明によれば、例えば大入賞口などの入賞装置と図柄変動表示装置などの表示装置との集約的な配置が可能となるため、設置スペースの効率的活用によって遊技球の落下パターンに制約されることなく良好な出玉率設計の実行を妨げない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態におけるパチンコ遊技機1の概略正面図である。
【図2】パチンコ遊技機1の遊技盤3中央の配置構成を示す正面図である。
【図3】パチンコ遊技機1の表示部9aと9bの閉成状態を示す外観図である。
【図4】表示部9aと9bの開成状態を示す外観図である。
【図5】表示部9aと9b周辺の構成を示す部分断面図である。
【図6】図2の大入賞口10のA−A断面図である。
【図7】パチンコ遊技機1の主要制御部の概略ブロック図である。
【図8】球噛み防止片9c及び表示部9a、9bの変形例を示す図である。
【図9】本発明の別の実施形態における遊技盤中央の配置構成を示す図である。
【図10】パチンコ遊技機1における大当たり遊技処理を示す処理フロー図である。
【符号の説明】
【0043】
3 ・・・ 遊技盤
6 ・・・ 操作ハンドル
8 ・・・ 遊技領域
9 ・・・ 図柄変動表示装置
9a ・・・ 表示部
9b ・・・ 表示部
10 ・・・ 大入賞口
10a ・・ 蓋体
17 ・・・ 大入賞口
24 ・・・ モータ
25 ・・・ ピニオンギア
29 ・・・ 液晶表示装置
30 ・・・ CPU
46 ・・・ 大入賞口開放ソレノイド
【出願人】 【識別番号】301073598
【氏名又は名称】株式会社SNKプレイモア
【住所又は居所】大阪府吹田市豊津町14番12号
【出願日】 平成16年6月16日(2004.6.16)
【代理人】 【識別番号】100123205
【弁理士】
【氏名又は名称】須知 雄造

【公開番号】 特開2006−249(P2006−249A)
【公開日】 平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願番号】 特願2004−177768(P2004−177768)