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【発明の名称】 パチンコ機
【発明者】 【氏名】峰野 雅史
【住所又は居所】愛知県春日井市桃山町1丁目127番地 マルホン工業株式会社内

【要約】 【課題】賞球箱の移動や入替えを行うときに下皿が邪魔にならないパチンコ機を実現する。

【解決手段】下皿10は、パチンコ機本体1aの前方へ突出した第1の姿勢と、パチンコ機本体1aの内部へ待避した第2の姿勢とに変化可能になっている。下皿10の下方に置かれた賞球箱を持ち上げるときに下皿10を第2の姿勢に変化させれば下皿10が邪魔にならない。また、下皿10が第2の姿勢に変化しているときに払出された賞球は下皿10に流入し、下皿球抜きレバー16を操作すると下皿10の賞球を排出口51aから賞球箱へ排出することもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を発射する遊技球発射装置と、この遊技球発射装置により発射された遊技球が流下する遊技領域と、この遊技領域に設けられた入賞口と、この入賞口に遊技球が入賞した場合に賞球を払出す賞球払出装置と、この賞球払出装置により払出された前記賞球を貯留する上皿と、この上皿の下方に設けられており、前記上皿に貯留されている遊技球の数が貯留可能な数を超えている場合に前記賞球払出装置により排出された賞球を貯留する下皿とを備えたパチンコ機において、
前記下皿が、パチンコ機本体の前面から突出した第1の姿勢と、前記前面から前記パチンコ機本体の内部に待避した第2の姿勢とに変化可能に備えられていることを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
前記パチンコ機本体の内部に設けられており、前記賞球払出装置により払出された前記賞球を前記下皿へ流下させる流下樋と、
前記下皿が前記第1の姿勢になっている場合は、前記流下樋内部の流下路を前記第1の姿勢になっている前記下皿に連通する流下路に変換するとともに、前記下皿が前記第2の姿勢になっている場合は、前記流下路の流下路を前記第2の姿勢になっている前記下皿に連通する流下路に変換する流下路変換手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
【請求項3】
前記パチンコ機本体の前記前面に開口形成されており、前後方向へ進退する前記下皿が通過可能な開口部と、
この開口部の前面上端に形成された切欠部とを備えており、
前記下皿が前記第2の姿勢になっている場合に、前記切欠部と前記下皿の前部上端との間に隙間が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパチンコ機。
【請求項4】
前記開口部の後方であって、進退する前記下皿の移動経路の両側に設けられており、前記下皿を前後へ案内するとともに、下皿の案内位置を規制する案内手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項5】
前記パチンコ機本体の前面に開口形成された排出口と、
前記下皿の底部に設けられており、前記下皿に貯留されている賞球を前記下皿の外部へ流出させるための流出口と、
この流出口を開閉するための開閉部材と、
前記下皿が前記第1の姿勢または前記第2の姿勢になっている場合に、前記開閉部材を開閉操作するための開閉操作部材と、
前記下皿が前記第2の姿勢になっている状態で前記開閉操作部材が操作されたときに前記流出口から流出した賞球を前記排出口へ流下させるための球抜き流下樋と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、上皿の貯留可能な数を超えて払出された賞球を貯留する下皿を備えたパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は従来のパチンコ機の正面説明図である。
パチンコ機500に備えられた発射レバー501を右回転させると、遊技球発射装置(図示省略)が作動し、上皿507に貯留されている遊技球が遊技領域502へ発射され、その発射された遊技球は遊技領域502を流下する。その遊技球が遊技領域502に設けられた第1種始動口503または普通入賞口504,505に入賞すると、賞球払出装置(図示省略)が作動し、所定個数の遊技球が賞球として上皿507に払出される。また、遊技球が第1種始動口503に入賞すると、特別図柄表示装置509が複数の特別図柄(例えば0〜9の数字を表現した特別図柄)を配列した図柄列を横方向3つの表示領域にて上下方向に変動表示する。そして、変動開始から所定時間経過すると、3つの表示領域にて計3つの停止図柄を表示する。その停止図柄が大当り図柄(例えば図示するような777など)であった場合は大当りが発生し、開閉扉508が開放され、大入賞口506が開口する。大入賞口506の開閉は所定回数実行され、短時間で多くの入賞が発生し、大量の賞球が払出される。上皿507が賞球で満杯になると、賞球は、下皿510に払出される。また、上皿507に設けられている球抜きレバー511を操作すると、上皿507に貯留されている賞球を下皿510へ抜くことができる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−149605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図9は、図8に示したパチンコ機に備えられた下皿を右側面から見た部分説明図である。遊技者は、下皿510の下方に賞球箱600を配置して遊技を行う。下皿510に設けられた球抜きレバー512を操作すると、下皿510の底面に球抜き孔が開口され、その球抜き孔から賞球を賞球箱600へ抜くことができるようになっている。そして、遊技者は、賞球箱600が賞球で満杯になると、賞球箱600を床に置き、新たな賞球箱と入れ替えて遊技を継続する。
しかし、図9に示すように、下皿510の直下に賞球箱600が置かれているため、賞球箱600を持ち上げるときに下皿510が邪魔になるため、賞球箱の移動や入替作業を滑らかに行うことができないという問題がある。
特に、大当りが発生すると、短時間に大量の賞球が払出され、賞球箱の入替えを何回も行う状況になるため、上記の問題が顕著となって現れる。
【0005】
そこでこの発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、賞球箱の移動や入替えを行うときに下皿が邪魔にならないパチンコ機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、遊技球を発射する遊技球発射装置と、この遊技球発射装置により発射された遊技球が流下する遊技領域と、この遊技領域に設けられた入賞口と、この入賞口に遊技球が入賞した場合に賞球を払出す賞球払出装置(70)と、この賞球払出装置(70)により払出された前記賞球を貯留する上皿(6)と、この上皿(6)の下方に設けられており、前記上皿(6)に貯留されている遊技球の数が貯留可能な数を超えている場合に前記賞球払出装置(70)により排出された賞球を貯留する下皿(10)とを備えたパチンコ機において、前記下皿(10)が、パチンコ機本体(1a)の前面(51)から突出した第1の姿勢と、前記前面から前記パチンコ機本体(1a)の内部に待避した第2の姿勢とに変化可能に備えられているという技術的手段を用いる。
なお、第2の姿勢とは、下皿の下方に置かれた賞球箱を移動させたり入れ替えたりするときに邪魔にならなければ、必ずしも下皿の前面が、パチンコ機本体の前面と一致する位置、または、パチンコ機本体の前面よりも奥まった位置になる必要はなく、下皿の前面がパチンコ機本体の前面から前方へ突出した姿勢を含む意味である。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のパチンコ機において、前記パチンコ機本体(1a)の内部に設けられており、前記賞球払出装置(70)により払出された前記賞球を前記下皿(10)へ流下させる流下樋(60)と、前記下皿(10)が前記第1の姿勢になっている場合は、前記流下樋(60)内部の流下路(62a)を前記第1の姿勢になっている前記下皿(10)に連通する流下路に変換するとともに、前記下皿(10)が前記第2の姿勢になっている場合は、前記流下樋(60)内部の流下路(62a)を前記第2の姿勢になっている前記下皿(10)に連通する流下路に変換する流下路変換手段(20、62、64)とを備えたという技術的手段を用いる。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のパチンコ機において、前記パチンコ機本体(1a)の前記前面(51)に開口形成されており、前後方向へ進退する前記下皿(10)が通過可能な開口部(51b)と、この開口部(51b)の前面上端に形成された切欠部(51d)とを備えており、前記下皿(10)が前記第2の姿勢になっている場合に、前記切欠部(51d)と前記下皿(10)の前部上端(11a)との間に隙間(s1)が形成されるという技術的手段を用いる。
【0009】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のパチンコ機において、前記開口部(51b)の後方であって、進退する前記下皿(10)の移動経路の両側に設けられており、前記下皿(10)を前後へ案内するとともに、下皿(10)の案内位置を規制する案内手段(14、40)を備えたという技術的手段を用いる。
【0010】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のパチンコ機において、前記パチンコ機本体(1a)の前面(51)に開口形成された排出口(51a)と、前記下皿(10)の底部に設けられており、前記下皿(10)に貯留されている賞球を前記下皿(10)の外部へ流出させるための流出口(15a)と、この流出口(15a)を開閉するための開閉部材(16a)と、前記下皿(10)が前記第1の姿勢または前記第2の姿勢になっている場合に、前記開閉部材(16a)を開閉操作するための開閉操作部材(16)と、前記下皿(10)が前記第2の姿勢になっている状態で前記開閉操作部材(16)が操作されたときに前記流出口(15a)から流出した賞球を前記排出口(51a)へ流下させるための球抜き流下樋(30)とを備えたという技術的手段を用いる。
なお、上記各段落における括弧内の符号は、後述する実施形態において用いられている符号と対応するものである。
【発明の効果】
【0011】
(請求項1に記載の発明の効果)
下皿をパチンコ機本体の前面から突出した第1の姿勢から、パチンコ機本体の内部に待避した第2の姿勢に変化させることができるため、下皿の下方に置かれた賞球箱を移動したり入れ替えたりするときに下皿が邪魔にならない。
また、下皿を第2の姿勢から第1の姿勢に戻せば、再び下皿を使用することができる。
【0012】
(請求項2に記載の発明の効果)
第2の姿勢、つまりパチンコ機本体の内部に待避した状態になっている下皿へ賞球を流下させることができるため、下皿がパチンコ機本体の内部に待避した状態になっている場合に賞球が払出された場合であっても、その賞球を下皿に貯留させることができる。
【0013】
(請求項3に記載の発明の効果)
下皿が第2の姿勢、つまりパチンコ機本体の内部に待避した状態になっている場合に、下皿が待避するときに通過する開口部の前面上端に形成された切欠部と、下皿の前部上端との間に隙間が形成されるため、その隙間に指を入れて下皿の前部上端に引っ掛け、下皿を前方へ引き出し、第1の姿勢に戻すことができる。
【0014】
(請求項4に記載の発明の効果)
下皿を前後へ案内する案内手段を備えるため、遊技者は、その案内手段に沿って下皿を進退させれば良いので、下皿の進退を容易に行うことができる。また、案内手段により下皿の案内位置を規制することができるため、下皿がパチンコ機本体の前方へ突出し過ぎたり、内部に入り込み過ぎたりするおそれがない。
【0015】
(請求項5に記載の発明の効果)
下皿がパチンコ機本体の内部に待避した状態であっても、開閉操作部材を操作することにより、下皿に貯留されている賞球をパチンコ機本体の前面の排出口から排出させ、それを賞球箱に貯留させることができる。
従って、下皿をパチンコ機本体の内部に待避させた状態でも遊技を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[全体の主要構成]
まず、この実施形態のパチンコ機の主要構成について、パチンコ機の正面説明図である図1を参照して説明する。
パチンコ機1には、外殻を構成する外枠2が設けられており、その外枠2にはガラス枠3が開閉可能に取付けられている。ガラス枠3の内側には遊技盤4が設けられており、外枠2の前面右下方には、遊技盤4の遊技領域へ遊技球を発射する発射装置(図示省略)を操作する発射レバー5aが、発射ハンドル5に回動可能に取付けられている。遊技盤4の下方には上皿6が設けられており、上皿6の下方には、スライド下皿装置8がパネル板50に設けられている。また、上皿6の上端右側には、上皿6に貯留されている遊技球をスライド下皿装置8の下皿10へ抜くための上皿球抜き操作部材6aが設けられている。スライド下皿装置8の左方には灰皿7が設けられている。
なお、図示しないが、遊技盤4には、図8に示した従来のパチンコ機500に備えられているような第1種始動口、普通入賞口、特別図柄表示装置、開閉扉および大入賞口などが備えられており、特別図柄表示装置により大当り図柄が表示されると、大当りが発生するようになっている。
【0017】
[スライド下皿装置8の構造]
次に、この発明の特徴であるスライド下皿装置8の構造について図2ないし図7を参照して説明する。
図2は、スライド下皿装置8の取付状態を示す斜視説明図であり、図3は、スライド下皿装置8の構成部材を分解して示す斜視説明図である。図4は、パチンコ機1の裏面を示す説明図であり、図5は、流下樋および下皿10の接続構成を示す斜視説明図である。図6(A)は下皿10がパチンコ機本体の前面から突出した状態を示す斜視説明図であり、図6(B)は下皿10がパチンコ機本体の内部に待避した状態を示す斜視説明図である。図7(A)は図6(A)の状態を右側面から見た縦断面図であり、図7(B)は図6(B)の状態を右側面から見た縦断面図である。
なお、以下の説明では、パチンコ機1の中央から右方または左方を外方とし、右方または左方から中央を向く方を内方という。
【0018】
図3に示すように、スライド下皿装置8は、下皿10と、1対の支持部材40,40と、球抜き流下樋30と、補助流下樋20とを備える。下皿10は、前方へ円弧状に膨らんだ下皿前部11と、この下皿前部11と対向して後方に配置された下皿後部12と、下皿前部11および下皿後部12の各両端部間に形成された下皿側部13,13と、下皿前部11、下皿後部12および下皿側部13,13の各下端で囲まれて底部に形成された下皿底部15とを備える。下皿底部15には、下皿10に貯留されている賞球を賞球箱へ抜くための球抜き孔15aが開閉可能に貫通形成されている。
下皿前部11の前部上端11cの後端中央部には、薄肉に形成された薄肉部11aが形成されており、下皿前部11の中央部下端には、横長の切欠部11bが切欠き形成されている。その切欠部11bには、下皿球抜きレバー16が左右方向へ移動可能に配置されている。また、図6(B)に示すように、下皿球抜きレバー16は、下皿10がパチンコ機本体1aの内部に収納された状態でも操作できる位置に配置されている。その下皿球抜きレバー16を指で左方へ移動させると、下皿球抜きレバー16と一体形成された開閉板16aが左方へ移動し、その開閉板16aにより閉口されていた球抜き孔15aが開口する。また、下皿球抜きレバー16から指を離すと、バネなどの復元機構(図示省略)により、下皿球抜きレバー16が操作前の位置へ戻り、開閉板16aにより球抜き孔15aが閉口される。
【0019】
下皿10の各下皿側部13には、案内部材14がそれぞれ備えられている。この実施形態では、各案内部材14は、それぞれ板状に形成されている。また、この実施形態では、右側の案内部材14は右側の下皿側部13から右方へ突出しており、左側の案内部材14は左側の下皿側部13から左方へ突出している。
下皿後部12には、払出された賞球を下皿10に流入させるための流入口12aが開口形成されている。
各支持部材40は、支持部材40をパネル板50の背面に取り付けるための取付部41と、下皿10の案内部材14を前後方向へ案内するための案内溝45aとを備える。この実施形態では、各支持部材40は、側面から見て横長の支持部材本体44をそれぞれ備える。両支持部材40は、右側の支持部材本体44の左の側面(45)と、左側の支持部材本体44の右の側面45とを対向させた形態で配置される。各側面45には、案内溝45aが前後方向に形成されており、各案内溝45aは、平行に相対向している。下皿10を目一杯前方へ引き出すと、図6(A)に示すように、パチンコ機本体1aの前方へ突出した第1の姿勢となり、目一杯後方へ押し込むと、図6(B)に示すように、下皿10は、パチンコ機本体1aの内部に収納された第2の姿勢になる。各案内溝45aの前後方向の長さは、下皿10が第1の姿勢および第2の姿勢に変化できるように決定される。
【0020】
下皿10の各案内部材14は、それぞれ対応する案内溝45aに挿入され、下皿10は案内溝45aに沿って前後に移動可能となる(図6)。各案内溝45aの溝幅(図面上では上下方向の幅)は、案内部材14の肉厚よりも大きく形成されており、下皿10の移動を滑らかなものにしている。また、下皿10の各下皿側部13は、対応する支持部材40の側面45と僅かな隙間を隔てて平行になっており、下皿10の移動の際に下皿側部13と側面45とが強く擦れ合わずに、下皿10が滑らかに移動できるようになっている。さらに、各案内溝45aは、側面45を前後方向に貫通しておらず、各案内溝45aの内部の前端および後端は、それぞれ閉塞されている。このため、各案内溝45aに沿って移動する各案内部材14は、案内溝45aの前端よりも前方への移動が阻止され、案内溝45aの後端よりも後方への移動が阻止されるため、下皿10がパチンコ機本体1aよりも前方に突出し過ぎたり、パチンコ機本体1aの内部に入り込み過ぎたりすることがない。
【0021】
各取付部41から前方には、前部42が突出形成されており、取付部41から後方には後部43が形成されている。各取付部41は、外方へ張り出した鍔状に形成されており、取付ボルトやビスなどを挿通するための取付孔41aが前後方向に貫通形成されている。
補助流下樋20は、上方から流下してきた賞球が流入する流入口24aと、この流入口24aから流入した賞球を補助流下樋20から流出させるための流出口21aとを備える。補助流下樋20は、流出口21aと、下皿後部12の流入口12aとが連通するように配置される。この実施形態では、補助流下樋20は、下皿後部12の背面に取り付けられており、流出口21aと流入口12aとが連通している(図7)。補助流下樋20は、下皿後部12の背面に取り付けるための取付部21を前面に備えており、その取付部21に流出口21aが開口形成されている。取付部21の背面には、箱状の箱状部22が形成されており、その箱状部22の上面24に流入口24aが開口形成されている。箱状部22の内部には、流入口24aおよび流出口21aの両方に連通する空間25が形成されており、その空間25の底部には、流出口21aの下端に向けて下り勾配となった下り傾斜面25aが形成されている。つまり、流入口24aから流入した賞球は、下り傾斜面25aを転動して流出口21aから流出し、下皿後部12の流入口12aから下皿10の内部に流入する。
また、この実施形態では、取付部21の両端は、鍔状に外方へ張り出しており、その張り出した部分には、補助流下樋20を下皿後部12の背面に取り付けるためのボルトやビスを挿通する挿通孔21bが前後方向に貫通形成されている。
【0022】
球抜き流下樋30は、賞球を前方斜め下方へ流下させるための流下路33aを備える。流下路33aは、図7(B)に示すように、下皿10がパチンコ機本体1aの内部に待避した第2の姿勢のときに下皿球抜きレバー16が操作された場合に、下皿10の球抜き孔15aから抜かれた賞球をパネル板50に開口形成された排出口51aに向けて流下させるためのものである。
球抜き流下樋30は、パネル板50の背面に、流下路33aの流出口33cが排出口51aと連通するように取付けられる。この実施形態では、球抜き流下樋30は、横長の板状に形成されており、その上面32の中央部には凹部33が形成されており、その凹部33の底部に流下路33aが形成されている。流下路33aは、凹部33の後面33bの下端から前方に向けて下り勾配に形成されている。
球抜き流下樋30の前面31には、球抜き流下樋30をパネル板50の背面に取り付けるためのボルトやビスを挿通する挿通孔31aが前後方向に貫通形成されている。
【0023】
パネル板50には、各支持部材40により両側から支持された下皿10の前部を挿通するための窓51bが開口形成されている。窓51bの上端中央部には、横長の切欠部51dが切欠き形成されている。切欠部51dは、図6(B)に示すように、下皿10がパチンコ機本体1aの内部に待避した第2の姿勢になったときに、下皿10の薄肉部11aとの間で隙間s1を形成する。
パネル板50の前面51であって窓51bの両端上部には、突出部55がそれぞれ前方に突出形成されている。各突出部55の形状は、支持部材40の前部42と相似形になっており、下皿10の前部が窓51bから前方へ突出したときに、図2に示すように、各突出部55および各支持部材40が一体化された感じになる。また、パネル板50には、発射ハンドル5を取付けるための取付部52と、灰皿7を取付けるための取付穴53とが設けられている。
【0024】
[パチンコ機1の裏側の機構]
図4に示すように、パチンコ機1の裏側上部には、島(島とは、店内の通路や壁で区画された複数のパチンコ機のグループである)の上方を流れる遊技球を取り入れて貯留するための球タンク80が備えられている。球タンク80の下部には、球タンク80に貯留されている遊技球を流下させるためのタンクレール81が接続されており、タンクレール81の流下方向端部には、タンクレール81を流下した遊技球を取り込んで賞球として払出すための賞球払出装置70が取付けられている。賞球払出装置70の払出側には、流下樋60が接続されている。流下樋60は、賞球払出装置70により払出された賞球を上皿6へ流下させるための払出流下樋61と、上皿6が貯留超過となったときに賞球払出装置70から払出された賞球を下皿10へ流下させるための余剰流下樋62とを備える。
図5に示すように、払出流下樋61の下部には、流下案内部材63が取付けられており、上皿6が貯留超過になるまでは、払出流下樋61を流下した賞球は、流下案内部材63によって案内され、流下案内部材63に開口形成された流出口63aから上皿6へ流入する。
【0025】
また、余剰流下樋62の流下方向先端部には、流下路変換部材64が取付けられている。図7(A)に示すように、下皿10がパチンコ機本体1aの前面から突出した第1の姿勢になっている状態では、流下路変換部材64の底部に開口形成された流出口64aは、下皿10の背面に取付けられた補助流下樋20の流入口24aと連通した状態になるため、余剰流下樋62を流下した賞球は、流下路変換部材64および補助流下樋20を通って下皿10の流入口12aから下皿10の内部に流入する。
また、図7(B)に示すように、下皿10がパチンコ機本体1aの内部に待避した第2の姿勢になっている状態では、流下路変換部材64の流出口64aは、下皿10の上部開口面と直接連通した状態になるため、余剰流下樋62を流下した賞球は、流下路変換部材64から直接下皿10の内部に流入する。
つまり、下皿10が、パチンコ機本体1aの前面から突出した第1の姿勢およびパチンコ機本体1aの内部に待避した第2の姿勢のいずれの姿勢にあっても、上皿6の貯留超過となった賞球を下皿10へ流下させることができる。
【0026】
また、図7(B)に示すように、下皿10がパチンコ機本体1aの内部に待避した第2の姿勢になると、下皿10の球抜き孔15aは、球抜き流下樋30の上部開口面と連通可能な位置になる。このため、下皿球抜きレバー16を操作すると、下皿10に貯留されている賞球は、球抜き孔15aから球抜き流下樋30へ落下し、球抜き流下樋30の流下路33aを転動して球抜き流下樋30の流出口33cからパネル板50の排出口51aを通って賞球箱90の内部に排出される。
つまり、下皿10がパチンコ機本体1aの内部に待避した第2の姿勢になっている状態であっても、下皿10に貯留されている賞球を賞球箱90に排出することができるため、下皿10を手前に引き出す手間が不要となる。
【0027】
[スライド下皿装置8の作用]
例えば、今、大当りが発生し、賞球払出装置70により払出された賞球で上皿6が満杯になっている状態であるとする。そして、さらに賞球が払出されると、その賞球は、払出流下樋61の流下路61aから余剰流下樋62の流下路62aを流下し、流下路変換部材64から補助流下樋20に流入し、下皿10に流入する。下皿10に賞球が貯留されているときに下皿球抜きレバー16を操作すると、球抜き孔15aが開口し、下皿10に貯留されている賞球が賞球箱90へ排出される。
そして、賞球箱90が賞球で満杯になると、下皿10の下皿前部11を後方へ押して、下皿10をパチンコ機本体1aの内部へ収納する(待避させる)(図6(B)、図7(B))。これにより、賞球箱90を上方へ持ち上げるときに下皿10が邪魔にならないため、賞球箱の入れ替えを容易に行うことができる。
【0028】
また、上皿6の貯留超過となった賞球は、余剰流下樋62から流下路変換部材64を流下し、パチンコ機本体1aの内部に収納(待避)されている下皿10に直接流入するため、賞球が下皿10に流入しないでパチンコ機本体1aの内部にこぼれてしまうことがない。
さらに、下皿10がパチンコ機本体1aの内部に収納(待避)されている状態で、下皿球抜きレバー16を操作すると、下皿10に貯留されている賞球は、球抜き孔15aから排出され、球抜き流下樋30からパネル板50の排出口51aから賞球箱90へ排出される。このため、下皿10をパチンコ機本体1aの内部に待避(収納)した状態で遊技を行うことができる。
また、パネル板50の窓51bの上端中央部に切欠き形成された切欠部51dと、下皿10の薄肉部11aとの間に形成された隙間s1に指を入れ、その指を薄肉部11aの後端に引っ掛け、下皿10を手前に引き出せば、下皿10を収納前の位置に戻すことができる。
【0029】
[最良の形態の効果]
(1)以上のように上記最良の形態のパチンコ機1を使用すれば、下皿10をパチンコ機本体1aの前面から突出した第1の姿勢から、パチンコ機本体1aの内部に待避した第2の姿勢に変化させることができるため、下皿10の下方に置かれた賞球箱90を移動したり入れ替えたりするときに下皿10が邪魔にならない。また、下皿10を第2の姿勢から第1の姿勢に戻せば、再び下皿10を使用することができる。
(2)しかも、第2の姿勢、つまりパチンコ機本体1aの内部に待避した状態になっている下皿10へ賞球を流下させることができるため、下皿10がパチンコ機本体1aの内部に待避した状態になっている場合に賞球が払出された場合であっても、その賞球を下皿10に貯留させることができる。
【0030】
(3)また、下皿10が第2の姿勢、つまりパチンコ機本体1aの内部に待避した状態になっている場合に、パネル板50の窓51bの前面上端に形成された切欠部51dと、下皿10の薄肉部11aとの間に形成される隙間s1に指を入れ、その指を薄肉部11aの後端に引っ掛け、下皿10を前方へ引き出し、第1の姿勢に戻すことができる。
(4)さらに、下皿10を前後へ案内する支持部材40,40を備えるため、遊技者は、その支持部材40,40に沿って下皿10を進退させれば良いので、下皿10の進退を容易に行うことができる。また、各案内溝45aの前端および後端が閉塞されており、下皿10の案内位置を規制することができるため、下皿10がパチンコ機本体1aの内部に入り込み過ぎたり、前方へ突出し過ぎたりするおそれがない。
(5)さらに、下皿10がパチンコ機本体1aの内部に待避した状態であっても、下皿球抜きレバー16を操作することにより、下皿10に貯留されている賞球をパチンコ機本体1aの前面51の排出口51aから排出させ、それを賞球箱90に貯留させることができる。
従って、下皿10をパチンコ機本体1aの内部に待避させた状態でも遊技を行うことができる。
【0031】
[他の実施形態]
(1)下皿前部11の一部または全部を透光性材料(例えば、透明または半透明の合成樹脂)により形成することもできる。この構成を用いれば、下皿10がパチンコ機本体1aの内部に待避した状態でも、下皿前部11を透かして下皿10の内部を見ることができるため、賞球の貯留状態を容易に知ることができる。
(2)下皿10を前方へ引き出して取り外すことができる構造にしても良い。例えば、各支持部材40の各案内溝45aの前端が側面45から前方へ貫通した構造にすれば、下皿10をパネル板50の窓51bを通って前方へ引き抜くことが可能になる。この構成を用いれば、前記実施形態の効果に加えて、下皿を取り外すことができるという効果を奏することができる。また、これにより、下皿の清掃や下皿球抜きレバー16の修理を容易に行うことができる。
(3)前記各実施形態において記載した各部材および機構は一例であり、設計変更できることは勿論である。
【0032】
[各請求項と実施形態との対応関係]
余剰流下樋62、流下路変換部材64および補助流下樋20が、請求項2に記載の流下路変換手段に対応する。窓51bが請求項3に記載の開口部に対応する。支持部材40,40が請求項4に記載の案内手段に対応する。球抜き孔15aが請求項5に記載の流出口に、開閉板16aが開閉部材に、下皿球抜きレバー16が開閉操作部材にそれぞれ対応する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】パチンコ機の外観を正面から見た説明図である。
【図2】スライド下皿装置8の取付状態を示す斜視説明図である。
【図3】スライド下皿装置8の構成部材を分解して示す斜視説明図である。
【図4】パチンコ機1の裏面を示す説明図である。
【図5】流下樋および下皿10の接続構成を示す斜視説明図である。
【図6】図6(A)は下皿10がパチンコ機本体の前面から突出した状態を示す斜視説明図であり、図6(B)は下皿10がパチンコ機本体の内部に待避した状態を示す斜視説明図である。
【図7】図7(A)は図6(A)の状態を右側面から見た縦断面図であり、図7(B)は図6(B)の状態を右側面から見た縦断面図である。
【図8】従来のパチンコ機の正面説明図である。
【図9】図8に示したパチンコ機に備えられた下皿を右側面から見た部分説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1 パチンコ機
6 上皿
8 スライド下皿装置
10 下皿
16 下皿球抜きレバー
20 補助流下樋(流下路変換手段)
40 支持部材(案内手段)
51a 排出口
51b 窓(開口部)
51d 切欠部
60 流下樋
62 余剰流下樋(流下路変換手段)
64 流下路変換部材(流下路変換手段)
s1 隙間
【出願人】 【識別番号】591142909
【氏名又は名称】マルホン工業株式会社
【住所又は居所】愛知県春日井市桃山町1丁目127番地
【出願日】 平成16年6月15日(2004.6.15)
【代理人】 【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人

【公開番号】 特開2006−177(P2006−177A)
【公開日】 平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願番号】 特願2004−176907(P2004−176907)