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【発明の名称】 遊技機
【発明者】 【氏名】高橋 寛
【住所又は居所】群馬県桐生市広沢町2丁目3014番地の8 株式会社平和内

【要約】 【課題】把持部が滑りにくく手触り感も良好で、且つ、装飾性に優れた発射ハンドルを備える遊技機を得る。

【解決手段】発射ハンドル39の把持部162を構成するフェース158の表面に、合成樹脂からなる装飾シート及び装飾シートの表面に設けられた透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シートを備える多層シート170を設ける。この多層シート170の装飾シートには、印刷等により多彩な色彩で自由なデザインの装飾画を容易に描画して美観及びデザインに優れた装飾を施すことができ、装飾画は装飾シートの表面に設けられた透明な弾性シートを通して視認することができる。遊技時に遊技者が発射ハンドル39を手動操作する際には、把持部162を握った遊技者の手と弾性シートとの間には高い摩擦力が生じて手が滑りにくくされ、さらに、弾性シートの弾力性によって把持部162が手になじみ手触り感も良好になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に向けて遊技球を発射するため遊技者により手動操作される発射ハンドルを備えた遊技機であって、
前記発射ハンドルに設けられ、前記手動操作で遊技者により把持される把持部と、
前記把持部の表面に設けられ、その表面の少なくとも一部を被覆する装飾画が描画された合成樹脂からなる装飾シートと、
前記装飾シートの表面に設けられ、透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シートと、
を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記装飾シートと前記弾性シートとは相互に貼り合わせられた1枚の多層シートで構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に係り、詳細には、遊技領域に向けて遊技球を発射するため遊技者により手動操作される発射ハンドルを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機で遊技を行う場合、遊技者が発射ハンドルを手動操作して遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射する際に、発射ハンドルを握った手が汗などで滑り易くなると、遊技球の発射力を調整する発射レバーの操作位置を微調整したり一定に保つために発射ハンドルを強く握らなければならなくなり、手に負担が掛かって疲れやすくなる。そのため、掌が接触する発射ハンドルの前面部に弾性ウレタン系塗料の塗膜を設けることにより、掌と発射ハンドル前面部の摩擦係数を高めて遊技者の疲労を軽減するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、発射ハンドルのレバーやハンドルカバーの前面に、弾力性のあるウレタンやゴム等で形成したキャップを設けることにより、発射ハンドルを握る手や指に掛かる負担を抑えて遊技者の疲労を軽減するとともに、発射ハンドルを握ったときの感触を良好にするようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平8−52259号公報
【特許文献2】特開2002−191767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1の場合、弾性ウレタン系塗料の塗膜では色彩が単調で見栄えが悪く、さらに塗膜を設ける範囲との兼ね合いでハンドル前面部(把持部)に装飾を施すことができる範囲が制限されるため、発射ハンドルの美観が損なわれてしまう。また、特許文献2の場合も同様に、キャップがウレタンやゴム等であるため多彩な色彩を用いて装飾することは困難であるとともに、やはりハンドル前面部における装飾範囲が狭められるため発射ハンドルの装飾性は低下してしまう。
【0004】
本発明は上記事実を考慮して、遊技で手動操作する際に把持部が滑りにくく手触り感も良好で、且つ、装飾性に優れた発射ハンドルを備える遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、遊技領域に向けて遊技球を発射するため遊技者により手動操作される発射ハンドルを備えた遊技機であって、前記発射ハンドルに設けられ、前記手動操作で遊技者により把持される把持部と、前記把持部の表面に設けられ、その表面の少なくとも一部を被覆する装飾画が描画された合成樹脂からなる装飾シートと、前記装飾シートの表面に設けられ、透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シートと、を有することを特徴としている。
【0006】
請求項1に記載の発明では、遊技者による手動操作で把持される発射ハンドルの把持部は、その表面の少なくとも一部が、合成樹脂からなる装飾シート及び装飾シートの表面に設けられた透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シートによって被覆される。
【0007】
この把持部の表面に設ける合成樹脂からなる装飾シートには、印刷等により、多彩な色彩で自由なデザインの装飾画を容易に描画することができるため、例えば把持部が合成樹脂製や金属製等の場合に、その把持部の表面に直接塗装して装飾を施すよりも、美観及びデザインに優れた装飾を施すことができる。また、装飾シートに描画された装飾画は、装飾シートの表面に設けられた透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シートを通して視認することができる。
【0008】
この遊技機で遊技を行うために、すなわち、遊技球を遊技領域に向けて発射するために、遊技者が発射ハンドルを手動操作すると、把持部を握った遊技者の手(掌)と弾性シートとの間には高い摩擦力が生じて手が滑りにくくされ、さらに、熱可塑性エラストマーからなる弾性シートの弾力性によって把持部が手になじみ手触り感も良好になる。これにより、発射ハンドルを手動操作する際の手に掛かる負担が抑えられ、遊技者の疲労が軽減される。
【0009】
このように、この遊技機における発射ハンドルでは、遊技で手動操作する際に把持部が滑りにくく手触り感も良好で、且つ、装飾性も向上することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の遊技機において、前記装飾シートと前記弾性シートとは相互に貼り合わせられた1枚の多層シートで構成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明では、装飾シートと弾性シートとが相互に貼り合わせた1枚の多層シートであれば、例えば発射ハンドルの把持部が成形品とされる場合に、その多層シートを把持部の成形時にインサート成形して把持部の表面に設けることができる。このように、装飾シート及び弾性シートが一度の工程で把持部の表面に設けられるため、製造コストを低減できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の遊技機における発射ハンドルは上記構成としたので、遊技で手動操作する際に把持部が滑りにくく手触り感も良好で、且つ、装飾性(及び耐久性)も向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係るパチンコ機について図面を参照して説明する。
【0014】
図1には本発明の一実施形態に係るパチンコ機が示され、図2には本実施形態に係るパチンコ機に適用される内枠、ガラス枠、及び遊技盤が示されている。
【0015】
図1に示されるように、パチンコ機10は、パチンコ機10の外郭を構成するとともにパチンコホールの島設備に設置される矩形状の外枠12を備えている。外枠12の前面には矩形額縁状の内枠14が配置されており(図2参照)、内枠14は、外枠12に設けられた一対のヒンジ部16、18に左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。また外枠12の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り20が取り付けられている。
【0016】
内枠14の前面上部には、ガラス板22を装着したガラスフレーム24を窓部25に備えるガラス枠26が配置されており、ガラス枠26は左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられている。また、ガラスフレーム24に装着されたガラス板22は、図1の紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行に配置された一対のガラス板からなる二重構造となっている。このガラス枠26の裏面側となる内枠14の上部には、矩形状の開口部28が設けられている(図2参照)。開口部28には、交換可能とされた遊技盤100がセットされており、遊技盤100は、ガラス枠26を内枠14に閉塞した状態でガラス枠26(ガラス板22)に覆われるようになっている。
【0017】
ガラス枠26の前面には、遊技の進行に応じて点灯又は点滅等し照明による演出効果を生み出す演出用の表示灯142がガラス板22(遊技盤100の遊技領域101)を取り囲むように配置されており、さらに左上隅及び右上隅には、賞球払出エラー及び払出状態エラー等の各種エラーを報知するエラー用の表示灯144が配置されている。また、各エラー用の表示灯144の内側には、遊技の効果音をステレオ出力するスピーカー146L、146Rが配設されている。
【0018】
内枠14の前面下部には、一般的な上皿及び下皿の機能を兼ね備える打球供給皿としての一体皿30が配置されている。一体皿30は、パネル部材32の左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられており、パネル部材32の前面には、上部に遊技球を貯える球皿部34が形成された球皿本体36が突設されている。
【0019】
球皿部34の底面は、正面視にて左側から右側へ下り傾斜しており、その傾斜方向下流側となる左側には、遊技球を1列に整列してパネル部材32の裏面に配置された球送り装置(図示省略)に送り込むための整列通路が設けられている。パネル部材32の前面の右側上部には、パチンコ機10内に設けられた賞球払出装置(図示省略)から払い出された賞球が排出される賞球排出口46が形成されている。この賞球排出口46から排出された賞球は球皿部34に貯留され、球皿部34内を左方向へ流下し整列通路により1列に整列されて球送り装置に送り込まれる。
【0020】
また、パネル部材32の前面における左側下部には灰皿38が設けられ、右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するための発射ハンドル39が取り付けられている。
【0021】
図2に示されるように、内枠14の前面下部における一体皿30の裏面側には、遊技盤100の左下に発射装置40が配置され、球皿本体36の後方に位置して、内枠14に着脱可能に構成された貯球タンク42が2個のプラスチックファスナー43によって取り付けられている。これらの発射装置40及び貯球タンク42は、一体皿30を内枠14に閉塞すると一体皿30に覆われるようになっている。
【0022】
貯球タンク42は、上面が開口した箱型とされ、底面44が正面視にて左側から右側へ下り傾斜している。底面44の傾斜方向上流側となる貯球タンク42の左側面部には図示しないタンク入口が形成され、傾斜方向下流側となる貯球タンク42の前面右側端部には、一体皿30のパネル部材32に設けられた賞球排出口46と対応する位置にタンク出口45が形成されている。したがって、一体皿30を内枠14に閉塞した状態では、貯球タンク42と一体皿30の球皿部34とが、タンク出口45及び賞球排出口46を介して連通される。
【0023】
また、一体皿30のパネル部材32裏面における賞球排出口46の下方位置と、内枠14前面の下部右側におけるタンク出口45の下方位置とには、上下方向に移動可能とされたシャッター板がそれぞれ設けられている(図2では内枠14側のシャッター板50のみを図示している)。これらのシャッター板は、一体皿30が閉塞されると各々下方へ移動して(図2に示したシャッター板50の位置)、タンク出口45と賞球排出口46とを連通させ、一体皿30が開放されると各々上方へ移動して、内枠14側のシャッター板50はタンク出口45の下縁側を、一体皿30側のシャッター板は賞球排出口46の下縁側を塞ぐよう構成されている。このシャッター板により、一体皿30を開放した際は、貯球タンク42及び球皿部34から遊技球(賞球)が流出しないようせき止められる。
【0024】
内枠14裏面の左側端部(正面視右側端部)には、上下方向に延出された施錠装置52が取り付けられている。施錠装置52の下部にはシリンダー錠(錠前)54が設けられており、シリンダー錠54の鍵孔56は、内枠14前面の右下部に設けられた台座55から露出されている。
【0025】
施錠装置52の裏面側における上下端部近傍には、後方へ突出された一対の内枠固定用フック60A、60Bが設けられている。施錠装置52の前面側におけるガラス枠26との対応位置には、一対のガラス枠固定用フック62A、62Bが設けられており、このガラス枠固定用フック62A、62Bは、内枠14前面の右側端部に形成されたスリット64A、64Bを通して前方へ突出されている。また、施錠装置52の前面側における一体皿30との対応位置には、上下方向にスライドする一対の一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bが設けられている。
【0026】
これにより、内枠14を外枠12に閉塞すると、施錠装置52の内枠固定用フック60A、60Bが外枠12の正面視右内側面設けられた一対の鍵受け部(図示省略)に係合し、内枠14は外枠12に保持される。ガラス枠26を内枠14に閉塞すると、ガラス枠26裏面の右側端部に取り付けられているガラス枠補強板68に設けられた一対の鍵受け部70A、70Bが施錠装置52のガラス枠固定用フック62A、62Bに係合し、ガラス枠26は内枠14に保持される。また、一体皿30を内枠14に閉塞すると、一体皿30裏面の右側端部に取り付けられている一対のフック(図示省略)が施錠装置52の一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bに係合し、一体皿30は内枠14に保持される。
【0027】
また、内枠固定用フック60A、60B及びガラス枠固定用フック62A、62Bは、シリンダー錠54の鍵孔56に図示しない鍵を差し込んで所定の方向に回すことにより、それぞれ係合状態が解除され解錠されるようになっている。一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bは、ガラス枠26を開放すると露出される施錠装置52の解除レバー72を押し下げることにより、一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bが下方へスライドして一体皿30の各フックとの係合状態が解除されるようになっている。
【0028】
この施錠装置52により、内枠14は外枠12に、ガラス枠26は内枠14にそれぞれ施錠されるとともに、一体皿30は内枠14にロックされて、それぞれ閉塞状態に固定される。
【0029】
図2に示されるように、遊技盤100は、装飾画(図示省略)を印刷した樹脂製シート状のセルが基板であるベニヤ板に貼着されてそのセルの表面が盤面100Aとなっている。盤面100Aの外周端部付近には、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられており、これらの外レール102、内レール104によって囲まれた円形状の領域は、遊技球が移動可能な遊技領域101とされている。
【0030】
遊技領域101には、液晶ディスプレイを内蔵した特別図柄表示装置や、入賞口、始動口(スタート・チャッカー)、通過入賞口(スルー・チャッカー)、又、大入賞口(アタッカー)を備えた変動入賞装置(特別電動役物)がそれぞれ所定の位置に配置されると共に、遊技領域101内を落下する遊技球を所定の経路に誘導する多数の遊技釘等が設けられており(何れも図示省略)、最下位置にアウト口124が配置されている。
【0031】
次に、本実施形態に係るパチンコ機10における発射ハンドル39について説明する。
【0032】
上述したように、パチンコ機10で遊技を行うために、すなわち、遊技盤100の遊技領域101に向けて遊技球を発射するために、遊技者により手動操作される本実施形態の発射ハンドル39は、一体皿30のパネル部材32前面における右側下部に配置されている。
【0033】
図3及び図4に示されるように、発射ハンドル39は、その本体部を構成する段付き円筒形状のハンドル本体150を備えている。ハンドル本体150は、後側部分が発射ハンドル39をパネル部材32の前面に取り付けるための取付部152とされ、前側部分が取付部152よりも大径の把持部本体154とされている。把持部本体154には、外周部に発射レバー156が挿着され、前面部に開口155を塞ぐフェース158及びフェースキャップ160が取り付けられている。この発射ハンドル39において、発射ハンドル39を手動操作する際に手で握られる把持部(ハンドル部)162は、ハンドル本体150の把持部本体154、及び把持部本体154に設けられた発射レバー156、フェース158及びフェースキャップ160によって構成されている。
【0034】
発射レバー156は、把持部本体154に挿着可能な大きさのリング状とされ、その外周面には、把持部162を握ったときに指を引っ掛けるための3個の突起部164が径方向に突設されている。この発射レバー156は、把持部本体154に軸心Lを中心として図3の矢印A及び矢印B方向へ回動可能に取り付けられるとともに、図示しないバネ部材によって矢印A方向へ付勢され、通常は図1に示す回動位置に停止されている。
【0035】
把持部本体154の前面部に装着されるフェース158は、ABS等の合成樹脂材料による成形品とされ、図4及び図5に示されるように平底の椀状に形成されている。フェース158における内底面の反対側となる前面側には、内側(後側)へ少し凹まされた正面視円形の凹状部166が設けられており、凹状部166の内周縁部には、フェースキャップ160を取り付けるための3個の取付孔168が形成されている。また、凹状部166を含むフェース158の表面158Aには、図5(A)〜(C)に示されるように、装飾シート172と弾性シート174とが相互に貼り合わせられて構成された多層シート170が設けられている。
【0036】
多層シート170の裏面側に配置されてフェース158の表面158Aに接する装飾シート172は、透明で且つフェース158と同系の合成樹脂材料(ABS等)によって形成されており、この装飾シート172の裏面には装飾画176が描画されている。多層シート170の表面側に配置された弾性シート174は、透明な熱可塑性エラストマーによって形成されており、本実施形態では、この熱可塑性エラストマーとして、高い弾性を有し、硬質樹脂との熱融着性、耐油性、耐熱性、耐磨耗性に優れたポリエステル系熱可塑性エラストマー(商品名「プリマロイ(A1700N)」:三菱化学社製)を用いている。多層シート170は、これらの装飾シート172及び弾性シート174が接着又は加熱加圧(熱融着)等により貼り合わせられることで構成されており、素材の状態では長尺帯状とされてロール状に巻かれている。
【0037】
そしてこの多層シート170は、素材の状態で装飾シート172の裏面に、オフセットグラビア印刷やシルクスクリーン印刷等の印刷方法によって装飾画176が描画され、加熱成形によりフェース158の表面158Aを被覆する形状に加工されてから、フェース158の成形時にインサート成形されることにより、図5(B)及び(C)に示されるように、フェース158の表面158Aを被覆するように設けられている。また、本実施形態では、装飾シート172の厚さを0.3〜0.5mm、弾性シート174の厚さを0.3〜0.5mmとして、多層シート170の厚さを0.6〜1mmとしている。
【0038】
フェース158の凹状部166に嵌着されるフェースキャップ160は、ABS等の合成樹脂材料による成形品とされ、図4及び図5に示されるように凹状部166に嵌合可能な大きさの球面状に形成されている。フェースキャップ160の内面(裏面)における縁部には、フェースキャップ160の取付孔168に対応する3個の取付片178が一体的に設けられている(図4では取付片178を2個のみ図示している)。また、各取付片178は弾性変形可能とされ、先端部には外側へ突出されたツメ部180が形成されている。
【0039】
そしてこのフェースキャップ160は、図4に示される向きで、各取付片178がフェース158の各取付孔168に挿入され、取付片178の弾性力によってツメ部180が取付孔168の内縁部に係止することにより、図3及び図5に示されるようにフェース158の凹状部166に嵌め込まれて取り付けられている。
【0040】
本実施形態の発射ハンドル39は以上の構成からなり、上述したように、図3に示される組立状態では、把持部162におけるフェース158のみに多層シート170が設けられた構成とされている。パチンコ機10の遊技では、この発射ハンドル39の把持部162を遊技者が右手で握り、発射レバー156の各突起部164に指を引っ掛け付勢力(バネ力)に抗して発射レバー156を矢印B方向(時計回転方向)へ回動させると、発射装置40が作動して遊技球が発射され、その発射力は発射レバー156の回動角度に応じて調整される。
【0041】
次に、以上説明した本実施形態に係るパチンコ機10における発射ハンドル39を手動操作する際の作用について説明する。
【0042】
上述したように、遊技者による手動操作で把持される発射ハンドル39の把持部162は、その表面の一部を構成するフェース158が、合成樹脂からなる装飾シート172及び装飾シート172の表面に設けられた透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シート174を備える多層シート170によって被覆されている。
【0043】
この把持部162の表面を構成するフェース158の表面158Aに設けられた合成樹脂からなる装飾シート172には、オフセットグラビア印刷やシルクスクリーン印刷等により、多彩な色彩で自由なデザインの装飾画176を容易に描画することができるため、例えば把持部が合成樹脂製や金属製等の場合に、その把持部の表面に直接塗装して装飾を施すよりも、美観及びデザインに優れた装飾を施すことができる。また、装飾シート172に描画された装飾画176は、装飾シート172の表面に設けられた透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シート174を通して視認することができる。
【0044】
さらに、本実施形態では、把持部162の前面部分をフェース158及びフェースキャップ160によって構成するとともに、多層シート170はフェース158のみに設けているため、フェースキャップ160には塗装やクロムメッキ等によって多層シート170とは異なる質感の装飾を施すことができる。これにより、発射ハンドル39の把持部162に更に多彩な装飾を施すことができる。
【0045】
このパチンコ機10で遊技を行うために、すなわち、遊技球を遊技盤100の遊技領域101に向けて発射するために、遊技者が発射ハンドル39を手動操作すると、把持部162を握った遊技者の手(掌)と弾性シート174との間には高い摩擦力が生じて手が滑りにくくされ、さらに、弾性シート174の弾力性によって把持部162が手になじみ手触り感も良好になる。これにより、発射ハンドル39を手動操作する際の手に掛かる負担が抑えられ、遊技者の疲労が軽減される。
【0046】
このように、本実施形態のパチンコ機10における発射ハンドル39では、遊技で手動操作する際に把持部162が滑りにくく手触り感も良好で、且つ、装飾性も向上することができる。
【0047】
また、本実施形態では、装飾シート172と弾性シート174とは相互に貼り合わせられた1枚の多層シート170で構成されていることにより、上述したように把持部162を構成するフェース158が成形品とされる場合に、多層シート170をフェース158の成形時にインサート成形してフェース158の表面158Aに設けることができる。このように、装飾シート172及び弾性シート174が一度の工程でフェース158の表面158Aに設けられるため、製造コストを低減できる。
【0048】
また、多層シート170の装飾シート172をフェース158と同系の合成樹脂材料で形成していることにより、インサート成形による熱融着性が良好となって容易に剥離することなく耐久性が高められる。また、弾性シート174を耐磨耗性にも優れた熱可塑性エラストマーで形成していることにより、発射ハンドル39が長時間の使用される場合でも弾性シート174の磨耗が抑えられ美観が保たれる。
【0049】
以上、本発明を上述した特定の実施形態により詳細に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。
【0050】
例えば、上述した実施形態では発射ハンドル39の把持部162を構成するフェース158のみに多層シート170を設けているが、多層シート170を設ける部位はこれに限らず、例えばフェースキャップ160の表面や発射レバー156の突起部164等にも設けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】図1のパチンコ機における内枠、ガラス枠、及び遊技盤を示す正面側から見た斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る発射ハンドルを示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る発射ハンドルを示す分解斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る発射ハンドルに設けられたフェース及びフェースキャップを示す(A)が側面図、(B)が(A)の5B−5B線断面図、(C)がフェースにおける(B)のC部の拡大図である。
【符号の説明】
【0052】
10 パチンコ機
39 発射ハンドル
101 遊技領域
158 フェース
158A 表面
162 把持部
170 多層シート
172 装飾シート
174 弾性シート
176 装飾画
【出願人】 【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
【住所又は居所】群馬県桐生市広沢町2丁目3014番地の8
【出願日】 平成16年6月15日(2004.6.15)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志

【公開番号】 特開2006−167(P2006−167A)
【公開日】 平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願番号】 特願2004−176754(P2004−176754)