トップ :: A 生活必需品 :: A63 スポ−ツ;ゲ−ム;娯楽

【発明の名称】 遊技機
【発明者】 【氏名】高橋 寛
【住所又は居所】群馬県桐生市広沢町2丁目3014番地の8 株式会社平和内

【要約】 【課題】異物の衝突等による傷付きや破損を防止でき、装飾性に優れた装飾部材を備える遊技機を得る。

【解決手段】外枠の前面下部に設けられる下飾り20の表面20Aに、合成樹脂からなる装飾シート132及び透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シート134を備える多層シート130を設ける。この多層シート130の装飾シート132には、印刷等により多彩な色彩で自由なデザインの装飾画136を容易に描画して美観及びデザインに優れた装飾を施すことができ、装飾画136は装飾シート132の表面に設けられた透明な弾性シート134を通して視認することができる。下飾り20に球箱がぶつかった場合等には、装飾シート132は弾性シート134により保護されて傷付くことが防止される。また、球箱衝突時の衝撃力は弾性シート134の弾性力によって吸収されるため下飾り20の耐破損性が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の外郭を構成する矩形状の外枠と、前記外枠の前面下部に設けられた装飾部材と、を備えた遊技機であって、
前記装飾部材の表面に設けられ、その表面を被覆する装飾画が描画された合成樹脂からなる装飾シートと、
前記装飾シートの表面に設けられ、透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シートと、
を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記装飾シートと前記弾性シートとは相互に貼り合わせられた1枚の多層シートで構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
遊技機の外郭を構成する矩形状の外枠と、前記外枠の前面下部に設けられた装飾部材と、を備えた遊技機であって、
前記装飾部材の表面に、その表面に接する裏面に装飾画が描画され透明な合成樹脂からなる厚さが1mm以上とされた単層の装飾シートを設けたことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に係り、詳細には、遊技機の外郭を構成する外枠の前面下部に装飾部材が設けられた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機では、遊技機の外郭を構成する外枠の前面下部に、通称「下飾り」等と呼ばれる装飾部材が設けられている。この装飾部材は、一般には合成樹脂製の成形品とされ、樹脂を着色したり成形後に塗装するなどして装飾を施している。また、遊技機部品の装飾に関する技術としては、印刷等で装飾画を描画した合成樹脂製のフィルムをインサート成形によって遊技機部品の表面に設けることにより、上記の樹脂着色や塗装に比べて高い装飾性を得るようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−360809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した合成樹脂製のフィルムによる装飾を外枠の装飾部材に用いる場合、装飾部材の装飾性は高められるが、この装飾部材に、遊技機から払い出された賞球を貯留して重量物となった球箱がぶつかった場合等には、フィルム表面が傷付いて美観が低下し、さらに球箱衝突時の衝撃力が装飾部材に直接的に及ぶため、最悪は破損する恐れがある。この点では、特許文献1の場合でも、上記のような異物の衝突に対する考慮がなされていないことからフィルムは薄くされており、異物衝突時の衝撃力がフィルムによって緩衝されず装飾部材に直接的に作用するため、装飾部材の耐破損性は低い。さらに、フィルムが複数の層で構成されているため製造コストが高くなる問題もある。
【0004】
本発明は上記事実を考慮して、異物の衝突等による傷付きや破損を防止でき、且つ、装飾性に優れた装飾部材を備える遊技機を提供することを課題とする。また、異物の衝突等による破損を防止でき、且つ、低コストで装飾性に優れた装飾部材を備える遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、遊技機の外郭を構成する矩形状の外枠と、前記外枠の前面下部に設けられた装飾部材と、を備えた遊技機であって、前記装飾部材の表面に設けられ、その表面を被覆する装飾画が描画された合成樹脂からなる装飾シートと、前記装飾シートの表面に設けられ、透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シートと、を有することを特徴としている。
【0006】
請求項1に記載の発明では、外枠の前面下部に設けられた装飾部材は、その表面が、合成樹脂からなる装飾シート及び装飾シートの表面に設けられた透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シートによって被覆される。
【0007】
この装飾部材の表面に設ける合成樹脂からなる装飾シートには、印刷等により、多彩な色彩で自由なデザインの装飾画を容易に描画することができるため、例えば装飾部材が合成樹脂製や金属製等の場合に、その装飾部材の表面に直接塗装して装飾を施すよりも、美観及びデザインに優れた装飾を施すことができる。また、装飾シートに描画された装飾画は、装飾シートの表面に設けられた透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シートを通して視認することができる。
【0008】
また、この装飾部材に、賞球を貯留して重量物となった球箱がぶつかった場合等には、装飾シートは弾性シートにより保護されて傷付くことが防止される。また、この異物衝突時の衝撃力は弾性シートの弾性力によって吸収されるため、装飾部材に及ぶ衝撃力は低減され装飾部材の耐破損性が向上する。
【0009】
このように、この遊技機における外枠の装飾部材では、異物の衝突等による傷付きや破損を防止でき、且つ、装飾性も向上することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の遊技機において、前記装飾シートと前記弾性シートとは相互に貼り合わせられた1枚の多層シートで構成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明では、装飾シートと弾性シートとが相互に貼り合わせた1枚の多層シートであれば、例えば装飾部材が成形品とされる場合に、その多層シートを装飾部材の成形時にインサート成形して装飾部材の表面に設けることができる。このように、装飾シート及び弾性シートが一度の工程で装飾部材の表面に設けられるため、製造コストを低減できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、遊技機の外郭を構成する矩形状の外枠と、前記外枠の前面下部に設けられた装飾部材と、を備えた遊技機であって、前記装飾部材の表面に、その表面に接する裏面に装飾画が描画され透明な合成樹脂からなる厚さが1mm以上とされた単層の装飾シートを設けたことを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明では、透明な合成樹脂からなる厚さが1mm以上とされた単層の装飾シートの裏面に装飾画を描画し、この装飾シートの裏面が装飾部材の表面に接するようにして装飾シートを装飾部材の表面に設け、装飾部材の表面を装飾シートによって被覆する。
【0014】
この装飾部材の裏面に描画する装飾画は、印刷等により、多彩な色彩で自由なデザインの装飾画にできるため、例えば装飾部材の表面に直接塗装して装飾を施すよりも、美観及びデザインに優れた装飾を施すことができる。また、装飾シートの裏面に描画された装飾画は、装飾シートよって保護されるとともに、装飾シートが透明であることにより装飾シートを通して視認することができる。
【0015】
また、この装飾シートは厚さが1mm以上とされて高い弾性力を有する。そのため、賞球を貯留して重量物となった球箱が装飾部材にぶつかった場合等には、装飾シートの弾性力によって衝撃力が緩和され、装飾部材の耐破損性が向上する。また、この装飾シートは単層であるため、例えば複数層で構成されるシートやフィルム等に比べて容易に製造することができ、製造コストを抑えることができる。
【0016】
このように、この遊技機における外枠の装飾部材では、異物の衝突等による破損を防止でき、且つ、低コストにできて装飾性も向上することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の遊技機における装飾部材は上記構成としたので、異物の衝突等による傷付きや破損を防止でき、且つ、装飾性も向上することができる。また、異物の衝突等による破損を防止でき、且つ、低コストにできて装飾性も向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係るパチンコ機について図面を参照して説明する。
【0019】
図1には本発明の一実施形態に係るパチンコ機が示され、図2には本実施形態に係るパチンコ機に適用される内枠、ガラス枠、及び遊技盤が示されている。
【0020】
図1に示されるように、パチンコ機10は、パチンコ機10の外郭を構成するとともにパチンコホールの島設備に設置される矩形状の外枠12を備えている。外枠12の前面には矩形額縁状の内枠14が配置されており(図2参照)、内枠14は、外枠12に設けられた一対のヒンジ部16、18に左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。また外枠12の前面下部には、装飾部材としての下飾り20が取り付けられている。
【0021】
内枠14の前面上部には、ガラス板22を装着したガラスフレーム24を窓部25に備えるガラス枠26が配置されており、ガラス枠26は左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられている。また、ガラスフレーム24に装着されたガラス板22は、図1の紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行に配置された一対のガラス板からなる二重構造となっている。このガラス枠26の裏面側となる内枠14の上部には、矩形状の開口部28が設けられている(図2参照)。開口部28には、交換可能とされた遊技盤100がセットされており、遊技盤100は、ガラス枠26を内枠14に閉塞した状態でガラス枠26(ガラス板22)に覆われるようになっている。
【0022】
ガラス枠26の前面には、遊技の進行に応じて点灯又は点滅等し照明による演出効果を生み出す演出用の表示灯142がガラス板22(遊技盤100の遊技領域101)を取り囲むように配置されており、さらに左上隅及び右上隅には、賞球払出エラー及び払出状態エラー等の各種エラーを報知するエラー用の表示灯144が配置されている。また、各エラー用の表示灯144の内側には、遊技の効果音をステレオ出力するスピーカー146L、146Rが配設されている。
【0023】
内枠14の前面下部には、一般的な上皿及び下皿の機能を兼ね備える打球供給皿としての一体皿30が配置されている。一体皿30は、パネル部材32の左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられており、パネル部材32の前面には、上部に遊技球を貯える球皿部34が形成された球皿本体36が突設されている。
【0024】
球皿部34の底面は、正面視にて左側から右側へ下り傾斜しており、その傾斜方向下流側となる左側には、遊技球を1列に整列してパネル部材32の裏面に配置された球送り装置(図示省略)に送り込むための整列通路が設けられている。パネル部材32の前面の右側上部には、パチンコ機10内に設けられた賞球払出装置(図示省略)から払い出された賞球が排出される賞球排出口46が形成されている。この賞球排出口46から排出された賞球は球皿部34に貯留され、球皿部34内を左方向へ流下し整列通路により1列に整列されて球送り装置に送り込まれる。
【0025】
また、パネル部材32の前面における左側下部には灰皿38が設けられ、右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するための発射ハンドル39が取り付けられている。
【0026】
図2に示されるように、内枠14の前面下部における一体皿30の裏面側には、遊技盤100の左下に発射装置40が配置され、球皿本体36の後方に位置して、内枠14に着脱可能に構成された貯球タンク42が2個のプラスチックファスナー43によって取り付けられている。これらの発射装置40及び貯球タンク42は、一体皿30を内枠14に閉塞すると一体皿30に覆われるようになっている。
【0027】
貯球タンク42は、上面が開口した箱型とされ、底面44が正面視にて左側から右側へ下り傾斜している。底面44の傾斜方向上流側となる貯球タンク42の左側面部には図示しないタンク入口が形成され、傾斜方向下流側となる貯球タンク42の前面右側端部には、一体皿30のパネル部材32に設けられた賞球排出口46と対応する位置にタンク出口45が形成されている。したがって、一体皿30を内枠14に閉塞した状態では、貯球タンク42と一体皿30の球皿部34とが、タンク出口45及び賞球排出口46を介して連通される。
【0028】
また、一体皿30のパネル部材32裏面における賞球排出口46の下方位置と、内枠14前面の下部右側におけるタンク出口45の下方位置とには、上下方向に移動可能とされたシャッター板がそれぞれ設けられている(図2では内枠14側のシャッター板50のみを図示している)。これらのシャッター板は、一体皿30が閉塞されると各々下方へ移動して(図2に示したシャッター板50の位置)、タンク出口45と賞球排出口46とを連通させ、一体皿30が開放されると各々上方へ移動して、内枠14側のシャッター板50はタンク出口45の下縁側を、一体皿30側のシャッター板は賞球排出口46の下縁側を塞ぐよう構成されている。このシャッター板により、一体皿30を開放した際は、貯球タンク42及び球皿部34から遊技球(賞球)が流出しないようせき止められる。
【0029】
内枠14裏面の左側端部(正面視右側端部)には、上下方向に延出された施錠装置52が取り付けられている。施錠装置52の下部にはシリンダー錠(錠前)54が設けられており、シリンダー錠54の鍵孔56は、内枠14前面の右下部に設けられた台座55から露出されている。
【0030】
施錠装置52の裏面側における上下端部近傍には、後方へ突出された一対の内枠固定用フック60A、60Bが設けられている。施錠装置52の前面側におけるガラス枠26との対応位置には、一対のガラス枠固定用フック62A、62Bが設けられており、このガラス枠固定用フック62A、62Bは、内枠14前面の右側端部に形成されたスリット64A、64Bを通して前方へ突出されている。また、施錠装置52の前面側における一体皿30との対応位置には、上下方向にスライドする一対の一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bが設けられている。
【0031】
これにより、内枠14を外枠12に閉塞すると、施錠装置52の内枠固定用フック60A、60Bが外枠12の正面視右内側面設けられた一対の鍵受け部(図示省略)に係合し、内枠14は外枠12に保持される。ガラス枠26を内枠14に閉塞すると、ガラス枠26裏面の右側端部に取り付けられているガラス枠補強板68に設けられた一対の鍵受け部70A、70Bが施錠装置52のガラス枠固定用フック62A、62Bに係合し、ガラス枠26は内枠14に保持される。また、一体皿30を内枠14に閉塞すると、一体皿30裏面の右側端部に取り付けられている一対のフック(図示省略)が施錠装置52の一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bに係合し、一体皿30は内枠14に保持される。
【0032】
また、内枠固定用フック60A、60B及びガラス枠固定用フック62A、62Bは、シリンダー錠54の鍵孔56に図示しない鍵を差し込んで所定の方向に回すことにより、それぞれ係合状態が解除され解錠されるようになっている。一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bは、ガラス枠26を開放すると露出される施錠装置52の解除レバー72を押し下げることにより、一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bが下方へスライドして一体皿30の各フックとの係合状態が解除されるようになっている。
【0033】
この施錠装置52により、内枠14は外枠12に、ガラス枠26は内枠14にそれぞれ施錠されるとともに、一体皿30は内枠14にロックされて、それぞれ閉塞状態に固定される。
【0034】
図2に示されるように、遊技盤100は、装飾画(図示省略)を印刷した樹脂製シート状のセルが基板であるベニヤ板に貼着されてそのセルの表面が盤面100Aとなっている。盤面100Aの外周端部付近には、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられており、これらの外レール102、内レール104によって囲まれた円形状の領域は、遊技球が移動可能な遊技領域101とされている。
【0035】
遊技領域101には、液晶ディスプレイを内蔵した特別図柄表示装置や、入賞口、始動口(スタート・チャッカー)、通過入賞口(スルー・チャッカー)、又、大入賞口(アタッカー)を備えた変動入賞装置(特別電動役物)がそれぞれ所定の位置に配置されると共に、遊技領域101内を落下する遊技球を所定の経路に誘導する多数の遊技釘等が設けられており(何れも図示省略)、最下位置にアウト口124が配置されている。
【0036】
次に、本実施形態に係るパチンコ機10における下飾り20について説明する。
【0037】
本実施形態のパチンコ機10は、外枠12がアルミダイキャスト製で、下飾り20がABS等の合成樹脂材料による成形品であり、この下飾り20は、上述したように外枠12の前面下部に配置され(図1参照)、図3及び図4に示されるように、外枠12に着脱可能とされている。
【0038】
図5に示されるように、下飾り20は正面視が矩形状とされ、前面の中央部には、後側へ少し凹まされた正面視逆台形状の凹状部126が設けられている。この下飾り20の表面20Aには、図5(B)及び(C)に示されるように、装飾シート132と弾性シート134とが相互に貼り合わせられて構成された多層シート130が設けられている。
【0039】
多層シート130の裏面側に配置されて下飾り20の表面20Aに接する装飾シート132は、透明で且つ下飾り20と同系の合成樹脂材料(ABS等)によって形成されており、この装飾シート132の裏面には装飾画136が描画されている。多層シート130の表面側に配置された弾性シート134は、透明な熱可塑性エラストマーによって形成されており、この熱可塑性エラストマーとしては、高い弾性を有し、硬質樹脂との熱融着性、耐油性、耐熱性、耐磨耗性に優れたポリエステル系熱可塑性エラストマー(例えば、商品名「プリマロイ(A1700N)」:三菱化学社製)等を用いることができる。多層シート130は、これらの装飾シート132及び弾性シート134が接着又は加熱加圧(熱融着)等により貼り合わせられることで構成されており、素材の状態では長尺帯状とされてロール状に巻かれている。
【0040】
そしてこの多層シート130は、素材の状態で装飾シート132の裏面に、オフセットグラビア印刷やシルクスクリーン印刷等の印刷方法によって装飾画136が描画され、加熱成形により下飾り20の表面20Aを被覆する形状に加工されてから、下飾り20の成形時にインサート成形されることにより、図5(B)及び(C)に示されるように、下飾り20の表面20Aを被覆するように設けられている。
【0041】
次に、以上説明した本実施形態の作用について説明する。
【0042】
上述したように、外枠12の前面下部に設けられた下飾り20は、その表面20Aが、合成樹脂からなる装飾シート132及び装飾シート132の表面に設けられた透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シート134を備える多層シート130によって被覆されている。
【0043】
この下飾り20の表面20Aに設けられた合成樹脂からなる装飾シート132には、オフセットグラビア印刷やシルクスクリーン印刷等により、多彩な色彩で自由なデザインの装飾画136を容易に描画することができるため、例えば下飾りが合成樹脂製や金属製等の場合に、その下飾りの表面に直接塗装して装飾を施すよりも、美観及びデザインに優れた装飾を施すことができる。また、装飾シート132に描画された装飾画136は、装飾シート132の表面に設けられた透明な熱可塑性エラストマーからなる弾性シート134を通して視認することができる。
【0044】
この下飾り20に、パチンコ機10から払い出された賞球を貯留して重量物となった球箱がぶつかった場合等には、装飾シート132は弾性シート134により保護されて傷付くことが防止される。また、この異物衝突時の衝撃力は弾性シート134の弾性力によって吸収されるため、下飾り20に及ぶ衝撃力は低減され下飾り20の耐破損性が向上する。
【0045】
このように、本実施形態のパチンコ機10における外枠12の下飾り20では、異物の衝突等による傷付きや破損を防止でき、且つ、装飾性も向上することができる。
【0046】
また、本実施形態では、装飾シート132と弾性シート134とは相互に貼り合わせられた1枚の多層シート130で構成されていることにより、上述したように下飾り20が成形品とされる場合に、多層シート130を下飾り20の成形時にインサート成形して下飾り20の表面20Aに設けることができる。このように、装飾シート132及び弾性シート134が一度の工程で下飾り20の表面20Aに設けられるため、製造コストを低減できる。
【0047】
また、多層シート130の装飾シート132を下飾り20と同系の合成樹脂材料で形成していることにより、インサート成形による熱融着性が良好となって容易に剥離することなく耐久性が高められる。また、弾性シート134を耐磨耗性に優れた熱可塑性エラストマーで形成していることにより、球箱が接触して擦れる場合等の弾性シート134の磨耗が抑えられ美観が保たれる。特に、本実施形態の下飾り20では、前面の中央部に凹状部126を設けていることで、球箱が下飾り20の前面に接触する場合、凹状部126には当たりにくくされる。これにより、下飾り20の前面中央部における傷付きが防止され美観が良好に保たれる。
【0048】
次に、下飾り20に設ける装飾シートの変形例について説明する。
【0049】
この変形例では、図6(A)及び(B)に示されるように、下飾り20の表面20Aに、透明で且つ下飾り20と同系の合成樹脂材料(ABS等)によって形成された単層の装飾シート140が設けられている。
【0050】
ここでの装飾シート140は、厚さtが1mmとされ、下飾り20の表面20Aに接する裏面には装飾画142が描画されている。また、この装飾シート140も上述した多層シート130と同様に、素材の状態で装飾シート140の裏面に、オフセットグラビア印刷やシルクスクリーン印刷等によって装飾画142が描画され、加熱成形により下飾り20の表面20Aを被覆する形状に加工されてから、下飾り20の成形時にインサート成形されることにより、図6(A)及び(B)に示されるように、下飾り20の表面20Aを被覆するように設けられている。なお、装飾シート140の厚さについては、後述する弾力性を考慮して1mmよりも大きくすることが可能である。ただし、加熱成形による加工性を含めて考慮すると、材料の種類や形状にもよるが、装飾シート140の厚さは1mm〜3mmとすることが好ましく、より好ましくは1mm〜1.5mmである。
【0051】
以上の構成により、この変形例の場合も、装飾シート140の裏面に描画する装飾画142は、印刷等により、多彩な色彩で自由なデザインの装飾画にできるため、美観及びデザインに優れた装飾を施すことができる。また、装飾シート140の裏面に描画された装飾画142は、装飾シート140よって保護されるとともに、装飾シート140が透明であることにより装飾シート140を通して視認することができる。
【0052】
また、この装飾シート140は厚さが1mmとされて高い弾性力を有する。そのため、賞球を貯留して重量物となった球箱が下飾り20にぶつかった場合等には、装飾シート140の弾性力によって衝撃力が緩和され、下飾り20の耐破損性が向上する。また、この装飾シート140は単層であるため、例えば複数層で構成されるシートやフィルム等に比べて容易に製造することができ、製造コストを抑えることができる。
【0053】
このように、この変形例における外枠12の下飾り20では、異物の衝突等による破損を防止でき、且つ、低コストにできて装飾性も向上することができる。
【0054】
以上、本発明を上述した特定の実施形態により詳細に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】図1のパチンコ機における内枠、ガラス枠、及び遊技盤を示す正面側から見た斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る外枠及び下飾りの組立状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る外枠及び下飾りの分解状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る下飾りを示す(A)が正面図、(B)が(A)の5B−5B線断面図、(C)が(B)のC部の拡大図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る下飾りを示す(A)が側断面図、(B)が(A)のB部の拡大図である。
【符号の説明】
【0056】
10 パチンコ機
12 外枠
20 下飾り(装飾部材)
130 多層シート
132 装飾シート
134 弾性シート
136 装飾画
140 装飾シート
142 装飾画
【出願人】 【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
【住所又は居所】群馬県桐生市広沢町2丁目3014番地の8
【出願日】 平成16年6月15日(2004.6.15)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志

【公開番号】 特開2006−166(P2006−166A)
【公開日】 平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願番号】 特願2004−176753(P2004−176753)