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【発明の名称】 空気供給装置とそれを設けた閉塞空間室および音響機器
【発明者】 【氏名】野村 幸生
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】佐野 光宏
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】雰囲気音により自動的に高濃度酸素を得てリラックス効果と、疲労低減の効果が期待できる空気供給装置を提供することを目的とする。

【解決手段】酸素濃度が可変できる空気供給部2と、雰囲気音を解析する解析部3と、その解析部3の解析結果により、空気供給部2から供給する酸素濃度を指令する制御部4とを有するものである。これにより、音の刺激を受けると、自ら高濃度酸素を供給する操作をすることなく、その音に対する刺激を和らげるような酸素濃度の空気が供給され、リラックス効果と、疲労低減の効果が期待できるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素濃度が可変できる空気供給部と、雰囲気音を解析する解析部と、その解析部の解析結果により、空気供給部から供給する酸素濃度を指令する制御部を有する空気供給装置。
【請求項2】
解析部による雰囲気音の解析は、音量およびそのパターン解析である請求項1に記載の空気供給装置。
【請求項3】
解析部による雰囲気音の解析は、周波数およびそのパターン解析である請求項1に記載の空気供給装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気供給装置が設置され、少なくともその供給された空気により換気される閉塞空間室。
【請求項5】
閉塞空間がコンサートホールまたはスタジアムである請求項4に記載の閉塞空間室。
【請求項6】
閉塞空間が車内である請求項4に記載の閉塞空間室。
【請求項7】
閉塞空間が音響機器を有する車内である請求項4に記載の閉塞空間室。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気供給装置を内蔵した音響機器。
【請求項9】
ヘッドホン部に空気供給装置から供給された空気吐出口を有する請求項8に記載の音響機器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素濃度を可変できる空気供給部を有する空気供給装置とそれを設けた閉塞空間室および音響機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、リラックス効果や体の疲労回復などに人間のいる閉塞空間や、あるいは人間の口もしくは鼻に高濃度酸素を供給する方法がいくつか提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−155860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、使用者自らが操作することにより高濃度酸素を得てリラックス効果や体の疲労回復などをはかっているものであり、使用性に課題があった。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、雰囲気音により自動的に高濃度酸素を得てリラックス効果と、疲労低減の効果が期待できる空気供給装置とそれを設けた閉塞空間室および音響機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の空気供給装置とそれを設けた閉塞空間室および音響機器は、酸素濃度が可変できる空気供給部と、雰囲気音を解析する解析部と、その解析部の解析結果により、空気供給部から供給する酸素濃度を指令する制御部を有するものである。
【0006】
これにより、音の刺激を受けると、自ら高濃度酸素を供給する操作をすることなく、その音に対する刺激を和らげるような酸素濃度の空気が供給され、リラックス効果と、疲労低減の効果が期待できるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の空気供給装置とそれを設けた閉塞空間室および音響機器は、音の刺激に対するリラックス効果と、疲労低減の効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、酸素濃度が可変できる空気供給部と、雰囲気音を解析する解析部と、その解析部の解析結果により、空気供給部から供給する酸素濃度を指令する制御部を有する空気供給装置とすることにより、音の刺激を受けると、自ら高濃度酸素を供給する操作をすることなく、その音に対する刺激を和らげるような酸素濃度の空気が供給され、リラックス効果と、疲労低減の効果が期待できる。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明において、解析部による雰囲気音の解析は、音量およびそのパターン解析であることにより、きめ細かい音の刺激に対するリラックス効果と、疲労低減の効果が期待できる。
【0010】
第3の発明は、特に、第1の発明において、解析部による雰囲気音の解析は、周波数およびそのパターン解析であることにより、第2の発明と同様、きめ細かい音の刺激に対するリラックス効果と、疲労低減の効果が期待できる。
【0011】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明における空気供給装置が設置され、少なくともその供給された空気により換気される閉塞空間室とすることにより、供給される高濃度酸素が外部に逃げることがないので、より瞬時に音の刺激に対するリラックス効果と、疲労低減の効果が期待できる。
【0012】
第5の発明は、特に、第4の発明において、閉塞空間がコンサートホールまたはスタジアムであることにより、コンサートホールでは、各種音楽の刺激に応じた酸素濃度に制御し供給するため、リラックス効果と、疲労低減の効果が期待でき、また、スタジアムではスポーツの興奮度合いによる酸素濃度によるリラックス効果と、疲労低減の効果が期待できる。
【0013】
第6の発明は、特に、第4の発明において、閉塞空間が車内であることにより、例えば、列車の場合、混雑具合や走行音によるストレスに応じた酸素濃度の空気が供給されるため、リラックス効果と、疲労低減の効果が期待でき、また、自動車内でも走行音により、車速や走行音ストレスに応じた酸素濃度の空気が供給されるため、リラックス効果と、疲労低減の効果が期待でき、自動車の安全運転につながる。
【0014】
第7の発明は、特に、第4の発明において、閉塞空間が音響機器を有する車内であることにより、自動車内に流れる各種音楽の刺激に応じた酸素濃度に制御し供給するため、リラックス効果と、疲労低減の効果が期待でき、自動車の安全運転につながる。
【0015】
第8の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明における空気供給装置を内蔵した音響機器とすることにより、音響機器自体から各種音楽の刺激に応じた酸素濃度に制御し供給するため、リラックス効果と、疲労低減の効果が期待できる。
【0016】
第9の発明は、特に、第8の発明において、ヘッドホン部に空気供給装置から供給された空気吐出口を有することにより、空気吐出口からの酸素供給が使用者の顔面に近いので、より大きなリラックス効果と、疲労低減の効果が期待できる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における空気供給装置を示しているものである。
【0019】
図に示すように、本実施の形態における空気供給装置1は、酸素濃度が可変できる空気供給部2と、雰囲気音を解析する解析部3と、その解析部3の解析結果により、空気供給部2から供給する酸素濃度を指令する制御部4とを有するものである。
【0020】
前記解析部3による雰囲気音の解析は、音量およびそのパターン解析であり、または周波数およびそのパターン解析である。これにより、きめ細かい音の刺激に対し供給される空気の酸素濃度を可変できるようにしている。
【0021】
本実施の形態では、空気供給装置1の空気供給部2からの発生空気を、ホース5を介して使用者が装着するヘッドホン部6に設けた空気吐出口7から使用者の顔面近くに供給するようにしている。また、図では、空気供給装置1を内蔵した音響機器9の例を示しており、ヘッドホン部6はこの音響機器9のヘッドホンそのものである。なお、空気供給装置1の空気供給部2からの発生空気は、ヘッドホン部6によらず、空気供給装置1を設置した略密閉の閉塞空間室8に空気供給部2から直接供給するようにしてもよい。閉塞空間室8は少なくともその供給された空気により換気されるが、供給される高濃度酸素が外部に逃げることがないので、高濃度酸素による効果が期待できる。
【0022】
ここで、本実施の形態における実験結果について説明する。
【0023】
(実験結果1)
閉塞空間室8として、面積1000m、高さ8mのコンサートホールを使用し、そこに空気供給装置1を設置した。空気供給装置1からの発生空気は直接コンサートホールに供給するようにした。そして、制御部4のプログラミングとしては、音量0で酸素濃度21%、音量最大で酸素濃度30%とし、その間は音量に対してリニアに酸素濃度を変化させて供給するようにした。
【0024】
次に、このコンサートホールにおいて被験者5名を音響機器から2m離れた椅子に座らせ、楽団によるベートーベン「交響曲第5番」を2回聞かせた。この2回のうち、ランダムに1回、空気供給装置1を働かせた。そして、2回聞かせた後どちらがリラックスして聞けたかを答えてもらった。これを10サイクル繰り返して、結果を(表1)にまとめた。
【0025】
【表1】


【0026】
この結果より、本発明の実施の形態では、音の刺激を受けると、自ら高濃度酸素を供給する操作をすることなく、その音に対する刺激を和らげるような酸素濃度の空気が供給され、リラックス効果と、疲労低減の効果が得られた。
【0027】
(実験結果2)
閉塞空間室8として、面積10畳、高さ2.4mの閉塞空間を使用し、そこに空気供給装置1と音響機器とを設置した。空気供給装置1からの発生空気は直接閉塞空間に供給するようにした。そして、制御部4のプログラミングとして、パターン1:クラッシック音楽の場合は酸素濃度25%、ロック系音楽の場合は酸素濃度35%となるように空気を供給するようにした。また、パターン2:クラッシック音楽の場合は酸素濃度35%、ロック系音楽の場合は酸素濃度25%となるように空気を供給するようにした。また、パターン3:空気供給装置を働かせなかった。
【0028】
次に、この閉塞空間室8に被験者3名を音響機器から2m離れた椅子に座らせ、ベートーベン「交響曲第5番」の第1楽章と、引き続いてX−JAPANの「くれない」の繰り返しを3回聞かせた。このとき、この3回で空気供給装置1の上記パターン1〜3の空気供給が各1回ランダムに行われるように設定した。そして、3回聞かせた後最もリラックスして聞けたかを答えてもらった。そして、これを12サイクル繰り返して、結果を(表2)にまとめた。
【0029】
【表2】


【0030】
この結果より、本発明の実施の形態では、音の刺激を受けると、自ら高濃度酸素を供給する操作をすることなく、その音に対する刺激を和らげるような酸素濃度の空気が供給され、リラックス効果と、疲労低減の効果が得られた。
【0031】
(実験結果3)
空気供給装置1を内蔵したヘッドホンタイプの音響機器において、そのヘッドホン部6に空気吐出口7を有し、空気供給装置1から供給された空気を空気吐出口7から顔面近くに吐出するようにした。そして、制御部4のプログラミングとして、音量0で酸素濃度21%、音量最大で酸素濃度30%とし、その間は音量に対してリニアに酸素濃度を変化させて供給するようにした。
【0032】
次に、音響機器のヘッドホン部6を実験結果1と同じ被験者5名に装着させて椅子に座らせ、ベートーベンの「交響曲第5番」を2回聞かせた。この2回のうち、ランダムに1回、空気供給装置1を働かせた。そして、2回聞かせた後どちらがリラックスして聞けたかを答えてもらった。これを10サイクル繰り返して、結果を(表3)にまとめた。
【0033】
【表3】


【0034】
この結果より、本発明の実施の形態では、空気吐出口7からの酸素供給が使用者の顔面に近いので、実験結果1よりも大きなリラックス効果と、疲労低減の効果が得られた。
【0035】
以上のとおり、実験結果1〜3が得られたが、その他、閉塞空間がスタジアムでは、スポーツの興奮度合いによる酸素濃度によるリラックス効果と、疲労低減の効果が期待できる。また、閉塞空間が車内であることにより、例えば、列車の場合、混雑具合や走行音によるストレスに応じた酸素濃度の空気が供給されるため、リラックス効果と、疲労低減の効果が期待でき、また、自動車内でも走行音により、車速や走行音ストレスに応じた酸素濃度の空気が供給されるため、リラックス効果と、疲労低減の効果が期待でき、自動車の安全運転につながる。特に、閉塞空間が音響機器を有する車内であれば、自動車内に流れる各種音楽の刺激に応じた酸素濃度に制御し供給するため、リラックス効果と、疲労低減の効果が期待でき、自動車の安全運転につながる。さらに、空気供給装置1を音響機器9に内蔵、すなわち、スピーカなど音響装置に内蔵することにより、音響装置自体から各種音楽の刺激に応じた酸素濃度に制御し供給するため、リラックス効果と、疲労低減の効果がより一層効果的に得られる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の空気供給装置とそれを設けた閉塞空間室および音響機器は、音の刺激に対するリラックス効果と、疲労低減の効果が期待できるので、一般家庭、コンサートホール、スタジアム、列車や車などに適当できる。また、携帯電話と空気供給装置の組み合わせにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態における空気供給装置とその設置状態を示す構成図
【符号の説明】
【0038】
1 空気供給装置
2 空気供給部
3 解析部
4 制御部
5 ホース
6 ヘッドホン部
7 空気吐出口
8 閉塞空間室
9 音響機器
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成16年8月20日(2004.8.20)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2006−55380(P2006−55380A)
【公開日】 平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願番号】 特願2004−240465(P2004−240465)