| 【発明の名称】 |
中空糸型血液浄化器 |
| 【発明者】 |
【氏名】中尾 通治 【住所又は居所】石川県金沢市北陽台3−1 日機装株式会社金沢製作所内
【氏名】林 清秀 【住所又は居所】石川県金沢市北陽台3−1 日機装株式会社金沢製作所内
【氏名】池上 賢治 【住所又は居所】石川県金沢市北陽台3−1 日機装株式会社金沢製作所内
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 半透性の中空糸の中空糸束を筒状ケース内に装填し、中空糸束の両端部分をケース内面にポッティングすることによりケースの内部を、中空糸の内側の血液流路と中空糸の外側の処理液流路とに区画し、ケースの両端にキャップ部材を液密状に取り付け、上記血液流路に連通した血液ポートを上記キャップ部材の略中央に備えると共に、上記処理液流路に連通した処理液ポートを備えた中空糸型血液浄化器において、 上記中空糸束の端面からキャップ部材の内面までの距離が、血液ポートから離れるにしたがって増加する抵抗部を上記キャップ部材の内面に複数箇所形成し、 これら抵抗部が血液ポートを中心とする周方向に非連続状態で配置されていることを特徴とする中空糸型血液浄化器。 【請求項2】 周方向に隣り合う抵抗部の間に、血液ポートからキャップ部材の外周側に向けて溝を形成したことを特徴とする中空糸型血液浄化器。 【請求項3】 上記溝は、血液ポートを中心としてキャップ部材の半径方向に放射状に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の中空糸型血液浄化器。 【請求項4】 上記溝と抵抗部が血液ポートを中心とする螺旋状に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の中空糸型血液浄化器。 【請求項5】 上記抵抗部が略楕円形乃至長円形であって、その長径を血液ポートに向けて放射状に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の中空糸型血液浄化器。 【請求項6】 上記抵抗部が略楕円形乃至長円形であって、血液ポートを中心とする螺旋状に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の中空糸型血液浄化器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、透析治療等の血液浄化療法に用いられる血液浄化器に関し、特に半透性中空糸を用いたものに関する。 【背景技術】 【0002】 中空糸型血液浄化器は、例えば腎臓や肝臓に疾患を持つ患者の血液浄化に使用されるものである。この血液浄化器では、筒型ケースに中空糸束を装填し、ケース内部を中空糸の内側の血液流路と中空糸の外側の処理液流路とに区画する。そして、中空糸を介して血液流路を流れる血液と処理液流路を流れる処理液との間で物質交換を行わせる。即ち、血液中の余剰成分を血液から処理液に移動させる一方、血液中の不足成分を処理液から血液へ補充する。この血液浄化器において、血液ポートと中空糸束の端面との間には、一方に血液供給空間が、他方に血液回収空間形成されている。したがって、入口側の血液ポートから導入された血液は、一旦この血液供給空間を通過した後に中空糸内側の血液流路を流れ、血液流路を流れた血液は血液回収空間に回収され、出口側の血液ポートから排出されて体内に戻される。この血液供給空間および血液回収空間は、ケース端部に装着されるキャップ部材の内側空間として形成され、一般的には浅い漏斗状に形成されたものである。そして、入口側と出口側とは、同じ構造と形状のものが使用されている。 【0003】 上記した漏斗状のキャップ部材においては、血液の流速が中空糸束の中央部のみが速くなり、外周部の流速は相対的に遅くなってしまい、これに起因して滞留が発生する。この滞留があると、血球等が中空糸膜に付着し易くなって血液の凝固を促進することとなり、残血等の原因となり好ましくない。また、各中空糸に均一に血液が流れないと、血液浄化器における血液中の老廃物除去性能が低下する虞がある。 【0004】 この問題を解決するために、中空糸束の端面からキャップ部材の内面までの距離を、血液ポートから離れるにしたがって増加するような抵抗部を設けたものが提案されている(特許文献1)。 【特許文献1】特開平9−108339号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、前記したキャップ部材をケースの両端に備えた中空糸型血液浄化器は、血液の出口側のキャップ部材において、前記抵抗部が血液の流れの抵抗となってしまい、外周部での血液の滞留を発生する。このような滞留が発生すると、血液の出口側キャップ部材での残血の原因となり、また、滞留は血液を体内に戻すまでの時間が長引くことになり好ましいものではない。 【0006】 本発明は、上記した事情に鑑み提案されたものであり、その目的は、血液の入口側と出口側のいずれにおいても血液の滞留が発生し難いキャップ部材を備えた中空糸型血液浄化器を提供しようとするものである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、半透性の中空糸の中空糸束を筒状ケース内に装填し、中空糸束の両端部分をケース内面にポッティングすることによりケースの内部を、中空糸の内側の血液流路と中空糸の外側の処理液流路とに区画し、ケースの両端にキャップ部材を液密状に取り付け、上記血液流路に連通した血液ポートを上記キャップ部材の略中央に備えると共に、上記処理液流路に連通した処理液ポートを備えた中空糸型血液浄化器において、 上記中空糸束の端面からキャップ部材の内面までの距離が、血液ポートから離れるにしたがって増加する抵抗部を上記キャップ部材の内面に複数箇所形成し、 これら抵抗部が血液ポートを中心とする周方向に非連続状態で配置されていることを特徴とする。 【0008】 請求項1の中空糸型血液浄化器において、周方向に隣り合う抵抗部の間に、血液ポートからキャップ部材の外周側に向けて溝を形成することが望ましい。 【0009】 そして、上記溝は、血液ポートを中心としてキャップ部材の半径方向に放射状に配置してもよい。 【0010】 さらに、上記溝と抵抗部を、血液ポートを中心とする螺旋状に配置してもよい。 【0011】 また、上記抵抗部が略楕円形乃至長円形であって、その長径を血液ポートに向けて放射状に配置してもよいし、あるいは、血液ポートを中心とする螺旋状に配置してもよい。 【発明の効果】 【0012】 本発明に係る中空糸型血液浄化器の血液導入側のキャップ部材の内部においては、血液ポートから導入した血液の多くが、抵抗部と中空糸束の端面との間を流れてから外周近傍の空間(外周空間)内に流れ込み、ここで反転し、また、溝内を流れた血液も外周空間内に流れ込む。したがって、外周空間で血液の滞留が発生することを防止することができる。そして、血液ポートから導入された血液は、外周空間に到達するまでの途中で、また、外周空間に到達してから、或いは反転してからも常に滞留することなく流動する。したがって、中空糸束の端面に開口している中空糸の血液流路内に流れ込むこととなり、中空糸束の中央部分に集中しがちであった中空糸の血液流路中への血液の流れ込みの偏りを抑制して、均一化に寄与し得る。また、血液導入側のキャップ部材の内部で血液の滞留が抑制されると、これに起因する残血が軽減される。 【0013】 そして、抵抗部と溝を螺旋状に配置すると、血液ポートから導入された血液のうち、溝内を流れる血液が螺旋形に流れて外周空間に流入するので、外周空間は勿論のこと血液導入空間内に血液ポートを中心とする周方向の旋回流を発生させることができる。したがって、この旋回流が滞留の発生を一層確実に抑制することができ、滞留に起因する残血を一層軽減させることができる。また、旋回流の発生により、中空糸束の中央部分に集中しがちであった中空糸の血液流路中への血液の流れ込みの偏りを確実に抑制して、血液流れ込みの均一化に大きく寄与し得る。 【0014】 一方、血液導出側のキャップ部材の内部においては、中空糸束の端面に開口している中空糸の開口から流出した浄化血液が血液導出空間に回収されると、中空糸束の端面の中央部分乃至その周辺に位置する中空糸から流出した血液はそのまま導出側の血液ポートから流出し、また、中空糸束の端面の外周近傍に位置する中空糸から流出した血液は、外周空間にまず入るが、この外周空間には血液ポート側に通じる溝が開口しているので、抵抗部に邪魔されること無く溝内を通り、或いは抵抗部と中空糸束の端面との間の空間を通って血液導出空間の中央側に円滑に流れることができ、血液ポートから流出する。すなわち、外周空間には溝の端部が開口しているので、血液ポートの開口の周囲に抵抗部が存在していても外周空間内で血液の滞留が発生することを抑制することができる。したがって、血液導出側のキャップ部材での残血を軽減することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明における血液浄化器1の実施形態の一つである透析器を示す部分断面図である。 【0016】 図1に例示した血液浄化器1は、筒型ケース2の内部に中空糸束3を装填し、ケース2の一方の端部に、血液を導入する血液ポート4aを備えた導入側キャップ部材5aを螺合装着し、他方の端部に、処理された血液が流出する血液ポート4bを備えた導出側キャップ部材5bを螺合装着し、ケース2内の両端部に、中空糸束3の端部をポリウレタン樹脂等の樹脂組成物により接着固定するポッティング部6をそれぞれ設けて封止し、ケース2内の空間を血液が通る血液流路(各中空糸膜の内側空間)と処理液が通る処理液流路(各中空糸膜の外側空間)とに区画してある。また、ケース2の外周両端部に浄化処理する処理液(例えば、透析液)の導入ポート10及び導出ポート11を設け、上記血液ポート4aから供給する血液を中空糸膜12を介して、処理液導入ポート10から注入される透析液等の処理液により浄化処理する。なお、処理液導入ポート10および処理液導出ポート11は、それぞれ本発明における処理液ポートに相当する。 【0017】 ケース2は、略円筒体を呈しており、例えば、ポリカーボネート、オレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン)等の合成樹脂材料により上記処理液導入ポート10及び処理液導出ポート11とともに一体成型されており、中空糸束3の状況等が把握し易いように透明の容器として形成されている。 【0018】 中空糸束3は多数の中空糸膜12の束であり、この中空糸膜12としては、セルロースアセテート、銅アンモニアセルロース、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリエステル系ポリマーアロイ等、セルロース系中空繊維や合成高分子中空繊維等、適宜な材質の中空繊維を用いることができる。そして、各中空糸膜12は、中空孔の開口端が封止されることなくポッティング部6の外側の面で開口している。 【0019】 導入側キャップ部材5aおよび導出側キャップ部材5bは、ケース2の両端開口部を閉塞するように螺合装着される蓋状の部材であり、例えば、ポリカーボネート、オレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン)等の合成樹脂材料により同じ形状、構造、大きさに成型されている。また、これらのキャップ部材5a,5bの内周面には雌ネジ部13が形成されている。キャップ部材5の雌ネジ部13は、ケース2の両端のキャップ装着部に形成した雄ネジ部14に螺合して装着するためのものであり、例えば、超音波溶着等により固定される。そして、キャップ部材5の液密性はその内部に装着したOリング15で確保している。このキャップ部材5をケース2の端部に取り付けると、導入側キャップ部材5aの内面と中空糸束3の一方の端面との間には血液供給空間16が、また、導出側キャップ部材5bの中空糸束3の他方の端面との間には上記血液供給空間16と同じ形状と大きさの血液導出空間17がそれぞれ区画形成される。 【0020】 なお、これらのキャップ部材5a,5bは、血液ポート4の機能が違うのみで形状等は同一である。すなわち、導入側キャップ部材5aにおける血液ポート4aは導出側キャップ部材5bにおける血液ポート4bに対応する。このため、導入側キャップ部材5aに関する以下の説明は、導出側キャップ部材5bにも同様にあてはまる。なお、この導入側キャップ部材5aの構造については、後で詳細に説明する。 【0021】 上記した構成を有する血液浄化器1の使用時には、導入側キャップ部材5aを上方に、導出側キャップ部材5bを下方にそれぞれ向けた状態で血液浄化器1を固定する。そして、導入側キャップ部材5aの血液ポート4aには動脈側の血液チューブを、導出側キャップ部材5bの血液ポート4bには静脈側の血液チューブをそれぞれ接続する(何れも図示せず)。また、処理液導出ポート11には回収側の処理液チューブを、処理液導入ポート10には導入側の処理液チューブを接続する(何れも図示せず)。 【0022】 動脈側の血液チューブから患者の血液が血液浄化器1に供給されると、この血液は血液ポート4a内の血液導入路を通って血液供給空間16内に供給される。血液供給空間16に供給された血液は、その後、各中空糸膜12内の血液流路を流下し、導出側キャップ部材5bの血液導出空間17に流出する。血液導出空間17に流出した血液は、血液ポート4bの血液導出路を通じて静脈側の血液チューブに導出され、患者の体内に戻される。一方、導入側の処理液チューブからの処理液が血液浄化器1に供給されると、この処理液は処理液導入ポート10を通って中空糸膜12の外側の処理液流路に供給される。その後、処理液は、処理液導出ポート11から回収側の処理液チューブ内に流入して回収される。 【0023】 このとき、血液流路と処理液流路との間では浸透圧などによって物質交換が行われる。そして、物質交換がなされた処理後の血液が患者の体内に戻される。具体的には、血液中の余剰成分は中空糸膜12を透過して処理液側に移動し、血液中の不足成分は中空糸膜12を透過して血液側に移動する。 【0024】 この場合において、血液の処理効率を高めるためには、中空糸束3を構成する各中空糸膜12に対して均等に血液を供給することが望ましい。この点に鑑み、本実施形態では、キャップ部材5の天井面に、中空糸束3の端面3´側に向けて膨出した抵抗部20を血液ポートを中心とする周方向に非連続状態で複数箇所設ける。以下、この点について詳細に説明する。 【0025】 まず、キャップ部材5の構造について、導入側キャップ部材5aを例にして説明する。ここで、図2は、導入側キャップ部材5aの構造を説明する図である。詳しくは、図2(a)は導入側キャップ部材5aを切断した断面図であって、血液ポート4の一部も断面で示した図、(b)は導入側キャップ部材5aの内部を説明するための底面図である。 【0026】 これらの図に示すように、導入側キャップ部材5aは、略円形キャップ状の本体部21の略中央に血液ポート4aを備え、樹脂によって一体成型されている。本実施形態では、ケース2と同様に、例えばポリカーボネート、オレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン)等の合成樹脂材料によって作製されている。 【0027】 上記の本体部21は、略円形の天井部の中央に血液ポート4を突設し、この天井部の周縁から血液ポート4とは反対側に起立した胴体部22とを備え、この胴体部22の内周面に前記した雌ネジ部13を刻設している。そして、天井面には、そのほぼ中央に血液ポート4が開口し、この開口を中心として複数の抵抗部20を周方向に非連続状態で複数箇所設け、隣り合う抵抗部20の間には溝23が複数本形成され、これらの溝23は、血液ポートからキャップ部材5の外周側(胴体部側)に向けて形成してある。なお、図面に示す抵抗部20は、天井部の一部分の厚さを増大することで内面を中空糸束33の端面側に向けて膨出して作製されているが、これに限らず、均一な板厚の天井部を彎曲成型することにより作製してもよい。 【0028】 図2に示す実施形態では、血液ポート4を中心にして8本の溝23を放射状に配置してあり、各抵抗部20は、図2(b)に示すように、中心角を約45度とした扇形を呈し、中空糸束3の端面3´に対向する扇形の面は、図2(a)に示すように、ケース2に装着した状態で中空糸束3の端面3´からの距離が、血液ポート4から離れるにしたがって増加するように傾斜した状態で形成してある。したがって、抵抗部20を配置した領域の外側においては、中空糸束3の端面3´からの距離が、抵抗部20と中空糸束3の端面との距離に比較して、大きくなっている。この距離(間隔)の大きな空間を、以後、外周空間24と称する。 【0029】 一方、溝23は、上記した抵抗部20を凸部とするとその両側に形成した凹部に相当する部分であり、図2(b)に示すように、血液ポート4を中心にして45度位相を変えて直線放射状に配置され、また、その底部は、図2(a)右半に示すように、ケース2に装着した状態で中空糸束3の端面3´からの距離が、血液ポート4から離れるにしたがって少しずつ減少するように傾斜した状態で形成されている。 【0030】 このような構造のキャップ部材5を使用すると、血液導入側においては、血液ポート4から導入した血液の多くが、抵抗部20と中空糸束3の端面3´との間を流れてから外周空間24内に流れ込み、ここで反転し、また、溝23内を流れた血液も外周空間24内に流れ込む。したがって、外周空間24で血液の滞留が発生することを防止することができる。そして、血液ポート4から導入された血液は、外周空間24に到達するまでの途中で、また、外周空間24に到達してから、或いは反転してからも常に滞留することなく流動する。したがって、中空糸束3の端面3´に開口している中空糸膜12の開口からその内部に流れ込むこととなる。このため、中空糸束3の中央部分に集中しがちであった中空糸膜12の血液流路中への血液の流れ込みの偏りを抑制して、均一化に寄与し得る。また、血液導入側のキャップ部材5の内部で血液の滞留が抑制されると、これに起因する残血が軽減される。そして、血液浄化器1における血液中の老廃物除去性能の低下を抑制することができる。 【0031】 一方、前記した構造のキャップ部材5を血液導出側に使用すると、中空糸束3の端面3´に開口している中空糸膜12の開口から流出した浄化血液が血液導出空間17に回収された際に、中空糸束3の端面3´の中央部分乃至その周辺に位置する中空糸膜12から流出した血液はそのまま導出側の血液ポート4から流出し、また、中空糸束3の端面3´の外周近傍に位置する中空糸膜12から流出した血液は、外周空間24に先ず入るが、この外周空間24には血液ポート4側に通じる溝23が開口しているので、抵抗部20に邪魔されること無く溝23内を通り、或いは抵抗部20と中空糸束3の端面3´との間の空間を通って血液導出空間17の中央側に円滑に流れることができ、血液ポート4から流出する。すなわち、外周空間24には溝23の端部が開口しているので、血液ポート4の開口の周囲に抵抗部20が存在していても外周空間24内で血液の滞留が発生することを抑制することができる。したがって、血液導出側のキャップ部材5での残血を軽減することができる。 【0032】 抵抗部20と溝23の配置は、前記した態様に限定されるものではない。例えば、図3に示す第2の実施形態では、略扇形の抵抗部20が血液ポート4を中心とする螺旋状に配置され、溝23もこれに対応して血液ポート4を中心とする螺旋状に形成され、その幅が血液ポート4側から外周空間24に向かって次第に増加するように形成されている。 【0033】 この様に、抵抗部20と溝23を螺旋状に配置すると、血液導入側のキャップ部材5においては、血液ポート4から導入された血液のうち、溝23内を流れる血液が螺旋形に流れて外周空間24に流入するので、外周空間24は勿論のこと血液導入空間内に血液ポート4を中心とする周方向の旋回流を発生させることができる。したがって、この旋回流が滞留の発生を一層確実に抑制することができ、滞留に起因する残血を一層軽減させることができる。また、旋回流の発生により、中空糸束3の中央部分に集中しがちであった中空糸の血液流路中への血液の流れ込みの偏りを確実に抑制して、血液流れ込みの均一化に大きく寄与し得る。 【0034】 また、抵抗部20の平面形状は、前記した略扇形に限定されるものではなく、例えば、図4及び図5に示すように、略楕円形乃至長円形でもよい。そして、図4に示すように、抵抗部20の長径を血液ポート4を中心とする放射状に配置してもよいし、図5に示すように、血液ポート4を中心とする螺旋状に配置してもよい。この様に、複数の抵抗部20を螺旋状に配置すると、隣り合う抵抗部20の間の溝23も螺旋状になるので、図3の実施形態と同様に、周方向の流れを発生させることができる。 【0035】 ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。例えば、キャップ部材5に関し、上記各実施形態では、キャップ部材5に血液ポート4だけを備えたものを例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、キャップ部材5に血液ポート4および処理液ポートを備えたものであってもよい。 【0036】 そして、上記実施形態では、透析器としての血液浄化器1を例にして説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、処理液導入ポートがない血液浄化器であって、中空糸を透過して血液から抽出される血漿を処理液導出ポートを通じて取り出すもの、すなわち血漿分離用フィルタに応用してもよい。また、中空糸の内側空間(血液流路)に連通する血液ポート4と、中空糸の外側空間(処理液流路)に連通する導出ポート11をそれぞれ1つずつ備えた血液浄化器であって、導入ポート10から流入した血液を半透膜で濾過して導出ポート11から流出させ、血液中の異物を濾し取るもの、すなわち濾過器に応用してもよい。要するに、血液ポート4と、中空糸により処理された血液あるいは血液中の成分等を導出する処理液ポートとを、少なくとも1つずつ備えた血液浄化器であれば、本発明を適用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0037】 【図1】上半を断面とした血液浄化器のの正面図である。 【図2】(a)は溝を放射状に配置したキャップ部材の断面図、(b)はその底面図である。 【図3】(a)は溝を螺旋状に形成したキャップ部材の断面図、(b)はその底面図である。 【図4】(a)は抵抗部を楕円形に形成して溝を放射状に形成したキャップ部材の断面図、(b)はその底面図である。 【図5】(a)は抵抗部を楕円形に形成して螺旋状に配置したキャップ部材の断面図、(b)はその底面図である。 【符号の説明】 【0038】 1 血液浄化器 2 ケース 3 中空糸束 4 血液ポート 4a 血液導入側の血液ポート 4b 血液導出側の血液ポート 5 キャップ部材 6 ポッティング部 10 導入ポート 11 導出ポート 12 中空糸膜 13 雌ネジ部 14 雄ネジ部 15 Oリング 16 血液供給空間 17 血液導出空間 20 抵抗部 21 本体部 22 胴体部 23 溝 24 外周空間
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| 【出願人】 |
【識別番号】000226242 【氏名又は名称】日機装株式会社 【住所又は居所】東京都渋谷区恵比寿3丁目43番2号
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| 【出願日】 |
平成16年8月17日(2004.8.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098073 【弁理士】 【氏名又は名称】津久井 照保
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| 【公開番号】 |
特開2006−55205(P2006−55205A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月2日(2006.3.2) |
| 【出願番号】 |
特願2004−237353(P2004−237353) |
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