トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 水頭症シャント
【発明者】 【氏名】クリストフ・モーグ

【氏名】トーマス・ディマウロ

【氏名】モハメッド・アタウィア

【氏名】ハッサン・セルハン

【氏名】ジェフリー・サットン

【氏名】ティモシー・ビアーズリー

【要約】 【課題】閉塞及び感染を防止及び/または治療できるように適合された水頭症シャントを提供する。

【解決手段】光触媒能力を有する水頭症シャント。この水頭症シャントは、表面を有する構成要素を含み、このシャントをヒトの頭蓋内に挿入して水頭症を治療することができる。その構成要素の表面に活性酸素種が生成される。この構成要素はカテーテルとすることができる。このシャントは光源も含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水頭症を治療する方法であって、
(a)表面を有する構成要素を備えた水頭症シャントを人の頭蓋骨内に挿入するステップと、
(b)前記構成要素の表面に活性酸素種を生成するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
光触媒材料を含むカテーテルを有することを特徴とする水頭症シャント。
【請求項3】
前記光触媒材料が半導体酸化物を含むことを特徴とする請求項2に記載のシャント。
【請求項4】
前記半導体酸化物が、アナターゼ、ルチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される二酸化チタンを含むことを特徴とする請求項3に記載のシャント。
【請求項5】
前記光触媒材料がドーパントを含むことを特徴とする請求項2に記載のシャント。
【請求項6】
前記光触媒材料が前記カテーテルの内面に存在することを特徴とする請求項25に記載のシャント。
【請求項7】
前記光触媒材料が前記カテーテルの外面に存在することを特徴とする請求項25に記載のシャント。
【請求項8】
前記カテーテルが、内面、外面、及び前記外面と前記内面とを連通させる入口孔を含み、前記光触媒材料が前記入口孔の内面に存在することを特徴とする請求項2に記載のシャント。
【請求項9】
前記カテーテルが、前記光触媒材料を含む複合材料から形成されていることを特徴とする請求項2に記載のシャント。
【請求項10】
前記複合材料がポリ(ジメチルシロキサン)を含むことを特徴とする請求項9に記載のシャント。
【請求項11】
前記光触媒材料がチタニアを含むことを特徴とする請求項10に記載のシャント。
【請求項12】
前記光触媒材料が0.1vol%〜30vol%の前記複合材料を含むことを特徴とする請求項10に記載のシャント。
【請求項13】
前記カテーテルがポリ(ジメチルシロキサン)を含むことを特徴とする請求項2に記載のシャント。
【請求項14】
導波管を含むカテーテルを有することを特徴とする水頭症シャント。
【請求項15】
前記導波管が少なくとも1つのファイバーを含むことを特徴とする請求項14に記載のシャント。
【請求項16】
前記ファイバーがガラスを含むことを特徴とする請求項15に記載のシャント。
【請求項17】
前記ファイバーがポリマーを含むことを特徴とする請求項15に記載のシャント。
【請求項18】
前記ポリマーが、シリコーン、ウレタン、アクリル、及びポリカーボネートからなる群から選択されることを特徴とする請求項17に記載のシャント。
【請求項19】
前記カテーテルが、移送されるCSFに適合された第1の内腔、及び前記導波管を移送するための適合された第2の内腔を含むことを特徴とする請求項14に記載のシャント。
【請求項20】
前記第2の内腔が、その内部に光ファイバーケーブルを有することを特徴とする請求項19に記載のシャント。
【請求項21】
更に、前記導波管に光を伝送するように適合された光ポートを含むことを特徴とする請求項17に記載のシャント。
【請求項22】
前記導波管が、 nm(UV)の光に対して少なくとも90%の透過率を有することを特徴とする請求項17に記載のシャント。
【請求項23】
前記カテーテルが複合材料からなり、前記導波管が前記複合材料の成分として存在することを特徴とする請求項14に記載のシャント。
【請求項24】
前記複合材料の前記導波管成分が酸化ガラス(glass oxide)を含むことを特徴とする請求項23に記載のシャント。
【請求項25】
前記複合材料の前記導波管成分がポリマーであることを特徴とする請求項23に記載のシャント。
【請求項26】
更に、前記導波管に光を伝送するように適合されたLEDを含むことを特徴とする請求項14に記載のシャント。
【請求項27】
光源を含むことを特徴とする水頭症シャント。
【請求項28】
前記光源がLEDであることを特徴とする請求項27に記載のシャント。
【請求項29】
前記光源がUV光を伝送するように適合されていることを特徴とする請求項27に記載のシャント。
【請求項30】
前記光源がAlGaNを含むことを特徴とする請求項27に記載のシャント。
【請求項31】
前記光源がバッテリーで動作することを特徴とする請求項27に記載のシャント。
【請求項32】
更にアンテナを含み、前記光源が前記アンテナによって電力供給されることを特徴とする請求項27に記載のシャント。
【請求項33】
更にカテーテルを含み、前記光源が前記カテーテルに光を伝送するように適合されていることを特徴とする請求項27に記載のシャント。
【請求項34】
前記カテーテルが更に導波管を含み、前記光源が前記導波管に光を伝送するように適合されていることを特徴とする請求項33に記載のシャント。
【請求項35】
更に、基端カテーテル及び先端カテーテルを含み、前記光源がこれらのカテーテルの間に配置されていることを特徴とする請求項27に記載のシャント。
【請求項36】
更に、弁を有するハウジングを含み、前記ハウジングが前記基端カテーテルと前記先端カテーテルとの間に配置されていることを特徴とする請求項35に記載のシャント。
【請求項37】
前記ハウジングが前記光源を含むことを特徴とする請求項36に記載のシャント。
【請求項38】
前記光源がハウジングの外部にあることを特徴とする請求項36に記載のシャント。
【請求項39】
前記光源が前記ハウジングの基端側に配置されていることを特徴とする請求項38に記載のシャント。
【請求項40】
光触媒材料を有するカテーテル構成要素及び弁構成要素を含む水頭症シャントの製造方法であって、
(a)前記カテーテル構成要素を前記弁構成要素に取り付けるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項41】
前記カテーテル構成要素が表面を有する基材を含み、前記光触媒材料が前記表面にコーティングされていることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記コーティングがゾル・ゲルコーティングであることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記コーティングが超音波処理によって形成されることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項44】
光ポートを含むことを特徴とする水頭症シャント。
【請求項45】
更に、基端カテーテル及び先端カテーテルを含み、前記光ポートがこれらのカテーテルの間に配置されていることを特徴とする請求項44に記載のシャント。
【請求項46】
更に弁を有するハウジングを含み、前記ハウジングが前記基端カテーテルと前記先端カテーテルとの間に配置されていることを特徴とする請求項45に記載のシャント。
【請求項47】
前記ハウジングが前記光ポートを含むことを特徴とする請求項46に記載のシャント。
【請求項48】
前記光ポートが前記ハウジングの外部にあることを特徴とする請求項46に記載のシャント。
【請求項49】
前記光ポートが前記ハウジングの基端側に配置されていることを特徴とする請求項469に記載のシャント。
【請求項50】
銀のコーティングが施された表面を有するカテーテルを含むことを特徴とする水頭症シャント。
【請求項51】
前記銀のコーティングが前記カテーテルの内面に存在することを特徴とする請求項50に記載のシャント。
【請求項52】
前記銀のコーティングが前記カテーテルの外面に存在することを特徴とする請求項50に記載のシャント。
【請求項53】
前記カテーテルが、内面、外面、及び前記内面と前記外面とを連通させる入口孔を含み、前記銀のコーティングが前記入口孔の表面に存在することを特徴とする請求項50に記載のシャント。
【請求項54】
前記カテーテルが銀を含む複合材料から形成されていることを特徴とする請求項50に記載のシャント。
【請求項55】
前記複合材料がポリ(ジメチルシロキサン)を含むことを特徴とする請求項54に記載のシャント。
【請求項56】
形状記憶合金を含むカテーテルを有する水頭症シャント。
【請求項57】
前記形状記憶合金が前記カテーテルの外面に存在することを特徴とする請求項56に記載のシャント。
【請求項58】
前記形状記憶合金がニッケル及びチタンを含むことを特徴とする請求項57に記載のシャント。
【請求項59】
前記形状記憶合金の一部が酸化結晶層であることを特徴とする請求項58に記載のシャント。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
水頭症とは、髄液の体内の流れを制御できなくなった患者の状態を指す。脳室系で生成される髄液(CSF)は、通常は静脈系で吸収される。水頭症の患者では、髄液がこのようには吸収されず、患者の脳室に蓄積される。治療しないで放置すると、髄液の量が増大して患者の頭蓋内圧力が上昇し、硬膜下血腫、脳組織の萎縮、及び血流障害などの重大な症状が起こる恐れがある。
【背景技術】
【0002】
水頭症の治療では、従来より、過剰な髄液を脳室から腹部や静脈系などの患者の体の別の部位に排出する。シャントと一般に呼ばれる排液システムを用いて髄液を移送する場合が多い。シャントを移植する場合は通常、頭皮を切開して頭蓋骨に小さな孔を開ける。基端カテーテルすなわち脳室カテーテルを患者の脳室内に取り付け、先端カテーテルすなわち排液カテーテルを余分な髄液を排出する患者の体の他の部位に取り付ける。髄液の流れの制御及び脳室の適切な圧力の維持のために、ポンプまたは一方向制御弁を基端カテーテルと先端カテーテルとの間に配置することができる。このような弁は、言及することを以ってその開示内容の全てを本明細書の一部とする特許文献1〜特許文献8に開示及び例示されているボール・イン・コーン(ball-in cone)を含むことができる。このような弁が適切に作動しているときは、シャントシステムにより水頭症患者のCSFが効果的に制御される。
【0003】
移植後、期限を超えて使用すると、このようなシャントシステムはシャントの詰まりによって故障しがちである。脳室カテーテル内で、閉塞が頻繁に起こる。このような閉塞の原因には、凝固、血清CSF、CSF中の過剰なタンパク質、炎症細胞及び上衣細胞、脳細屑、感染、または脳室カテーテルの開口部内への脈絡叢または脳実質の内植などがある。考えられる脳室カテーテル閉塞の別の原因には、脳室が潰れて脳室カテーテルの開口が塞がれる細隙脳室症候群として知られる症状がある。治療しないで放置すると、脳室カテーテルの閉塞により流れが遅くなり、シャント弁の補充さえできなくなり、シャントシステムが機能しなくなる。
【0004】
以前は、閉塞した基端カテーテルの修復では、脳組織の損傷や出血のリスクを伴う外科的なカテーテルの交換術が行われてきた。現在では、カテーテルをそのままの位置で修復する低侵襲性法が行われている。これは、シャントまたは脳室カテーテル修復として一般に知られている方法で達成できる。この方法では、移植された状態のまま閉塞したカテーテルをリーミングして閉塞物を除去し、脳室カテーテル内のCSF流路を再び確立する。特許文献9及び特許文献10に開示されているような多くのシャント弁は、ドーム型シリコーン・レザバーを備えており、このレザバーからシャント弁に取り付けられた脳室カテーテルへアクセスして、閉塞物を除去するためにシャントシステムをフラッシュすることができる。このような自己密閉型シリコーンドームに小さな針を刺して、取り付けられたカテーテル内へのアクセスを確保することができる。この針が引き抜かれても、このシリコーンドームの自己密閉する能力は損なわれない。直角アクセスすなわち脳室カテーテルが排液カテーテルに対して90度の角度に延出したある種のドーム型弁では、内視鏡切断器具や内視鏡電極などの硬質の内視鏡器具を弁のドームに刺し、この内視鏡器具を取り付けられたカテーテルまで真直に進めて閉塞したカテーテル内に経皮的にアクセスすることができる。従って、内視鏡器具を用いた切断、焼灼、または凝固によって障害物を除去することができる。
【0005】
加えて、感染症が水頭症シャントに関連した合併症として周知である。水頭症シャントが移植された患者の約5%〜約10%が感染症に罹患することが知られている。このような感染症の殆どが、外科用手袋、患者の皮膚、インプラント、または器具に存在する微生物から伝染すると考えられている。一般的な体の感染症とは異なり、インプラントに関連した感染症(プロテーゼ周辺感染症(periprosthetic infection))は特に厄介である。
【0006】
第1に、ある種の生体材料が質の悪い異常な免疫応答を引き起こすことが報告されている。要するに、免疫応答の一部が、微生物に致命的なヒドロキシルラジカルなどのスーパーオキシドイオンの放出によって引き起こされる。しかしながら、プロテーゼ周辺感染が起こると、ある種の生体物質が好中球の異常な活性化を引き起こし、質の悪い非生産的な免疫応答が起こる(非特許文献1を参照)。
【0007】
第2に、インプラント表面により、微生物が免疫応答及び抗菌処理で生き延びることができると考えられている。具体的には、問題の微生物は、インプラント表面に付着し、その微生物と局所環境との間にポリマー様グレーズ(または、「生物膜」)を形成する。この生物膜が、好中球及び微生物の両方に有効な障壁となる。
【特許文献1】米国特許第3,886,948号明細書
【特許文献2】米国特許第4,332,255号明細書
【特許文献3】米国特許第4,387,715号明細書
【特許文献4】米国特許第4,551,128号明細書
【特許文献5】米国特許第4,595,390号明細書
【特許文献6】米国特許第4,615,691号明細書
【特許文献7】米国特許第4,772,257号明細書
【特許文献8】米国特許第5,928,182号明細書
【特許文献9】米国特許第4,816,016号明細書
【特許文献10】米国特許第5,176,627号明細書
【非特許文献1】シャンハグ(Shanbhag)著、「ジャーナル・オブ・バイオメディカル・マテリアルズ・リサーチ(J. Biomed. Mat. Res.)」、1992年、第26巻、185〜95
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、閉塞及び感染を防止及び/または治療できるように適合された水頭症シャントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発明者は、活性酸素種(ROS)を生成可能な新規の水頭症シャントを開発した。このシャントによって生成される活性酸素種(ROS)は、シャント及びその局所環境を治療的に処置することができる強力な酸化剤である。しかしながら、ROSが強力であるため、ROSは通常、周囲の有機物質と非常に迅速に反応し、極めて局所的な効果しか有していない(例えば5nm〜20nm)。従って、ROS処置は非常に安全である。
【0010】
ある実施形態では、シャントによって生成されたROSが、シャント近傍に存在する微生物を死滅させ、これにより感染を防止または治療する。ある実施形態では、シャントで生成されるROSは、シャントの表面に付着する、微生物によって生成される生物膜を酸化することができる。ある実施形態では、シャントで生成されるROSは、シャント内腔内の障害物を形成する有機物を酸化する。
【0011】
従って、本発明に従って、水頭症を治療する方法を提供する。この方法は、表面を有する構成要素を含む水頭症シャントをヒトの頭蓋内に挿入するステップと、その構成要素の表面に活性酸素種を生成するステップを含む。
【0012】
好適な実施形態では、水頭症シャントは光触媒材料を有する。所定の波長の光で照射され水が存在すると、光触媒材料が所望の活性酸素種を局所的に生成する。ある実施形態では、光触媒材料は、カテーテルの基材の表面に層として形成される。光触媒層は、半導体を含み、好ましくは金属酸化物、より好ましくは酸化チタンである。別の実施形態では、光触媒材料は、カテーテルの基材に混ぜ合わされる。二酸化チタンは、ROSの生成に対して光触媒活性を有することが知られている。
【0013】
ある実施形態では、シャントが外部光源で照射される。ある実施形態では、光ファイバーケーブルが、外部光源に接続され、患者の皮膚を通過して移植されたシャントに接続されている。別法では、この光は、経皮的な光(赤色光)として皮膚を通過することができ、またLEDなどの内部光源とすることができる。
【0014】
ある実施形態では、光触媒層は、光触媒効果を高めるためまたは延長するためにドープされている。このようなドーパントには、限定するものではないが、クロム及び/またはバナジウムの金属合金またはイオンや、リン光性の化合物、リガンド、またはイオンや、過酸化物、スーパーオキシド、酸、エステル、ケトン、アルデヒド、エーテル、エポキシド、及びラクトンなどの有機化合物含有多酸素化学種や、光感作物質や染料などの共役系を含む有機化合物が含まれる。好適な実施形態では、ドーパントにより、光触媒が波長の長い光でROSを生成することができる。
【0015】
ある実施形態では、移植後の全ての外科処置が終わった後でシャントが照射される。このような移植後の照射は、外科的縫合の直前、または一定時間が経過した後に、光ファイバー・デリバリー・ケーブルを用いた経皮的アクセスによって、または光を透過する光源や内部LEDによって行うことができる。
【0016】
ある実施形態では、光ポートがシャントに組み込まれていて、光源のエネルギーを光触媒層に効果的に伝送及び結合することができる。この光ポートは、自己密閉シリコーンドーム型レザバーなどの自己密閉グランドを含み、光学表面の汚染及び閉塞を防止し、これによりエネルギーを効果的に伝送することができる。加えて、光ポートは、外科医が蛍光透視下で所望の部位に光ファイバーを用いて経皮針を効率的に案内できるように、例えばテーパ状のシリンダーまたは他の形状を有する放射線不透過性マーカーを含むことができる。
【0017】
ある実施形態では、光ポートは、光ファイバーを移送する皮下針を受容するのに適した装置に設けられ、これにより、装置の受光「レザバー」に光が経皮的に伝送される。このレザバーは、装置内に配置された導波管、光ファイバー、またはライトパイプによって光を光触媒機能領域に案内するように適合されている。
【0018】
シャント装置は更に、光エネルギーを触媒層に伝送する導波層を含むことができる。この導波層は、カテーテル内に配置された長手方向の要素として設けられるのが好ましい。導波層は、エネルギーを効率的に伝送できるように光触媒層とは異なる物質から形成されるのが望ましいであろう。例えば、バンドギャップエネルギーを有するドープされていない酸化チタン光触媒層は、光触媒効果の誘導に使用するために380nm未満の波長の光が必要である。しかしながら、酸化チタンは、450nm未満の波長を中程度から高度に吸収するため、光を装置の全領域に伝送する導波管としては効率的に機能しない。従って、適切な波長で吸収率が低い酸化シリコーン、酸化アルミニウム、または他の物質などのUV透過性物質を導波層として用いることにより、光を光ポートや入口点から離れた領域に送ることができる。ある実施形態では、導波管は、シリコーン、ウレタン、アクリル、及びポリカーボネートからなる群から選択されるポリマーである。
【0019】
ある実施形態では、少なくとも部分的に反射する層が、光エネルギーがカテーテルに伝送され易いようにカテーテルの外面に設けられている。好適なある実施形態では、金属銀を、所望の光学的反射特性及び抗菌特性を有する反射層として用いる。別の反射材料には、アルミニウムまたは金属金が含まれる。
【0020】
ある実施形態では、上記したようなドーパント、特に金属イオンの使用により、酸化チタン層のバンドギャップエネルギーを変更して、380nmを超える可視光を用いて光触媒活性を効果的に誘導することができる。このシステムでは、光触媒層が、導波層としても機能し、部分的に反射する銀コーティングの使用により、光の内部反射が促進され、光エネルギーが層全体に効率的に広がる。銀を選択することにより、抗菌活性も得ることができる。
【0021】
ある実施形態では、シャントの少なくとも1つのカテーテルが2つ以上の内腔を含み、好ましくは2内腔または3内腔である。このような実施形態では、第2の内腔が、カテーテルの少なくとも一部に光を伝送するように適合された光ファイバーを受容する。好ましくは、光ファイバーは、製造中にシャントデザインの中に組み込まれる。カテーテルの先端部をシャントの弁部分に挿入して切断した後、その光ファイバーケーブルの切断した端部を、そこから光を受け取るために嵌め合い結合によって光ポート及び光レザバーに整合させる。別の実施形態では、このような嵌め合い結合は、チューブの断面の中(すなわち、光ファイバーケーブルの端部だけではなく)に向かって光を360度の方向に伝送できるように適合されている。また、内腔の軸に垂直に一部の光を伝送できるように変更された端部を備えた、第2の内腔内を移送される経皮光ファイバーを用いることができる。
【発明の効果】
【0022】
閉塞及び感染を防止及び/または治療できるように適合された水頭症シャントが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明では、「二酸化チタン」はチタニア及びTiO2とも呼ぶ。「UV光源」には、約0.1nm〜約380nmの最大エネルギー波長を有する光を放射するあらゆる光源が含まれる。「UVC光源」には、約0.1nm〜290nm未満の最大エネルギー波長を有する光を放射するあらゆる光源が含まれる。「UVB光源」には、290nm〜320nm未満の最大エネルギー波長を有する光を放射するあらゆる光源が含まれる。「UVA光源」には、320nm〜380nm未満の最大エネルギー波長を有する光を放射するあらゆる光源が含まれる。「可視光源」には、380nm〜780nm未満の最大エネルギー波長を有する光を放射するあらゆる光源が含まれる。「赤外線光源」には、780nm〜1,000,000nm未満の最大エネルギー波長を有する光を放射する任意の光源が含まれる。「活性酸素種」には、過酸化水素、ヒドロキシルラジカル、超酸化物イオン、及び一重項酸素が含まれ、「ROS」とも呼ばれる。本発明では、「シルコン(silcone)」は、ポリ(ジメチルシロキサン)材料またはPDSを指し、「脳室カテーテル」は「基端カテーテル」とも呼び、「排液カテーテル」は「先端カテーテル」とも呼ぶ。
【0024】
2004年2月6日出願の米国特許出願第10/774,105号(名称:「光触媒ユニットを有するインプラント(Implant Having a Photocatalytic Unit)」)及び2003年6月11日出願の米国特許出願第10/459,406号(名称:「内在プローブ案内構造を有する針ガード(Needle Guard Having Inherent Probe Directing Features)」に言及することをもってその開示内容の全てを本明細書の一部とする。
【0025】
ここで図1A及び図1Bを参照すると、患者の体液を排出するための水頭症シャント710が示されている。この水頭症シャント710は、(a)シャント装置に対して出入りする体液を制御するために、ハウジング712内に配置された弁機構714、脳室カテーテル721を受容するように構成された入口ポート716、及び排液カテーテル741を受容するように構成された出口ポート718を有するハウジング712、(b)入口ポートに取り付けられた脳室カテーテル721、(c)出口ポートに取り付けられた排液カテーテル741を含む。
【0026】
脳室カテーテル721は、基端部分723、先端部分725、外面727、内面731を画定する、ハウジングに連通した長手方向の内腔729を含む。複数の入口孔733が脳室カテーテルの先端部分に設けられており、これによりカテーテルの外面とカテーテルの内腔が連通している。これらの孔は、脳内の過剰なCSFをシャントに排出できるように適合されている。光触媒材料の層735が脳室カテーテルの内面及び外面に設けられている(図1Bを参照)。
【0027】
排液カテーテル741は、基端部分743、先端部分745、外面747、及び内面751を画定する、ハウジングに連通した長手方向の内腔749を含む。複数の出口孔746が排液カテーテルの先端部分に設けられており、これにより排液カテーテルの外面と排液カテーテルの内腔が連通している。これらの孔は、シャント内のCSFを心臓や腹膜などの患者の体の別の部分に排出できるように適合されている。光触媒材料の層が排液カテーテルの外面及び内面に形成されている(不図示)。
【0028】
弁機構714には、それぞれ言及することを以って本明細書の一部とする上記した特許文献1〜特許文献8に例示及び開示されているボール・イン・コーンなどのあらゆる一般的な弁機構が含まれ得る。もちろん、弁機構14が、当分野で知られているようなシャント装置への流体の流れを制御するプログラム可能な弁を含む他の任意の好適な弁を含むこともできることを理解されたい。
【0029】
入口ポート716は、水頭症患者の脳室に移植される脳室カテーテルの取付け部として設けられている。
【0030】
出口ポート718は、過剰な脳髄液が排出される腹膜腔などの患者の体内に配置される排液カテーテルの取付け部として設けられている。
【0031】
シャント装置710はまた、通路722によって入口ポート716に連通したドーム型レザバー720を含む。ドーム型レザバー720は、当分野で良く知られている自己密閉型シリコーンから形成することができる。従って、シリコーンドームに針を刺入してシャント装置710にアクセスすることができ、針を抜くとレザバー720が再び自己密閉する。シャント装置710は、インライン構造すなわち入口ポート716と出口ポート718が互いに約180度の角度で延在する構造を有する。ドーム型レザバーの好適な実施形態には、2003年6月11日出願の米国特許出願第10/459,406号に開示されているドーム型レザバーが含まれる。
【0032】
ここで図2を参照されたい。図1Aのシャントの入口孔が閉塞すると、医師が、光ファイバーケーブル760を有する針750をドーム型レザバーに刺入し、閉塞したカテーテルにアクセスする。次いで、医師は、光ファイバーケーブルをカテーテル内を前進させて、UV光放射先端部761を閉塞した入口孔の近傍に配置する。次いで、光ファイバーに接続されている光源(不図示)を作動させ、カテーテルの先端部を照明する。この具体例では、基端カテーテルはシリコーンから形成され、光触媒層はチタニアから形成されている。シリコーンカテーテル及びチタニアの両方がUV光に対して比較的透過性であるため、カテーテルの先端部の照明が光触媒層を効果的に背面照射し、これによりチタニアにホール及び電子が生成される。これらのホール及び電子の両方が、水を酸化還元してROSを生成する。次いで、これらのROSが閉塞を起こしている有機物質を酸化し、これにより閉塞したカテーテルが治療的に修復される。
【0033】
本発明の光触媒反応によって生成されるROSは、シャント内の障害物を形成するタンパク質物質の質量を減少させるのに十分な量、生成されると考えられる。
【0034】
ウシ血清アルブミンを酸化する光触媒の酸化能力についての試験のレポートで、光触媒表面に存在するウシ血清アルブミンの質量の約80%が約36時間以内に酸化されたことが報告されている。
【0035】
脳室カテーテルの最も基端側の入口孔が最も閉塞し易く、ある実施形態では、最も基端側の孔を取り囲む少なくとも1つのカテーテル表面を光触媒層でコーティングする。ある実施形態では、少なくとも最も基端側の入口孔によって画定された環状面が光触媒層でコーティングされている。
【0036】
本発明の光触媒反応で生成されるROSが、シャントの移植に対する免疫反応の一部として動員された近接マクロファージを死滅させるのに十分な量、生成されると考えられる。上記したように、発明者は、炎症産物がシャント内の閉塞を引き起こすタンパク質物質の主な原因であると考えられると報告している。
【0037】
理論に拘束するものではないが、PCOによって生成されるROSが、シャントの周囲部分に存在するマクロファージに対して細胞毒効果を有すると考えられる。しかしながら、ROSの反応性が高いため、細胞毒効果は、シャントの周りの5nm〜20nmの領域内の炎症を起こした組織のみに局在するであろう。
【0038】
炎症を仲介するROSの有用な使用方法が次の文献に報告されている。ケレイアクス(Kereiakes)著、サーキュレーション(Circulation)、2003年、108:1310〜5に、心血管ステントの近傍のROS(この場合は一重項酸素)の生成によりマクロファージのアポトーシスが仲介される、すなわち「単核細胞炎症性浸潤物及び単球コロニー刺激因子が、血管平滑筋細胞のアポトーシス、減少、及びそれに続く粥腫崩壊を沈殿させるプラークの構造的一体性の弱体化の要因に関係している」と報告されている。同様に、チョー(Chou)著、「カテーテライゼイション・アンド・カーディオバスキュラー・インターベンションズ(Catheterization and Cardiovasucular Interventions)」、2002年、57:387〜394によれば、アテローム内膜及び中膜に対する細胞損傷を露光により形成することができるが、弾性膜及び外膜の正常なコラーゲンが温存されると報告されており、深い血管構造が無傷で維持されることが示唆されている。広範な細胞死にもかかわらず、壁部に炎症が存在しないことは、アポトーシスによるアテローム斑の退行に一致する。
【0039】
理論に拘束するものではないが、本発明の光触媒ユニットが次の要領でプロテーゼ周辺感染(PPI)と効果的に戦うように作用すると考えられる。
【0040】
好中球が体内での感染との戦いに極めて重要な役割を果たすことが知られている。体がインプラントなどの異物を認識すると、免疫系細胞である好中球から信号がインプラント位置に伝達されると考えられている。次いで、好中球が、超酸化物イオンなどの活性酸素種(ROS)を含め、多数の感染と戦う分子を放出する。理論に拘束するものではないが、ROS、特に超酸化物イオンは、細菌の細胞壁内に進入して病因細菌を死滅させると考えられている。
【0041】
ケプラン(Kaplan)ら著、「ジャーナル・オブ・バイオメディカル・マテリアルズ・リサーチ(J. Biomed. Mat. Res.)」、1992年、第26巻、1039〜1051によれば、プロテーゼ周辺感染(PPI)で好中球が果たす役割の研究から、好中球が感染と戦う化合物を早期に放出し、感染が持続すると、好中球の感染と戦う化合物の生成能力が消耗することが分かった。従って、PPIに対する体の反応として、明らかに強力な化合物が一定量放出されるが、これが持続しないと考えられる。放出期間が終わると、体はPPIに対して適切に反応しない。
【0042】
要するに、感染に対する体の一般的な免疫反応では、局所細菌にとって致死量の超酸化物イオンが局所好中球によって放出されるが、この自然の作用をインプラントが妨害してプロテーゼ周辺感染が起こる場合が多い。
【0043】
本発明のPCOの半導体要素がUV光源によって適切に照射されると、活性酸素種(ROS)が半導体表面で生成され、光触媒表面に近接した体液に進入すると考えられる。このようなROSの例として、ヒドロキシルラジカル(OH)、過酸化水素(H22)、超酸化物イオン(O2-)、及び一重項酸素(O)を挙げることができ、PPIに対する自然の免疫反応で好中球によって自然に生成されるROSと同じである。しかしながら、好中球反応は規模と持続時間に制限があるが、本発明のPCOユニットは、医師によって診断された感染の程度に適した規模及び持続時間でROSを放出するように調節することができる。
【0044】
本発明のプロテーゼ装置の光触媒表面に有効量の光が照射されると、これに反応した表面が、水の酸化(ヒドロキシルラジカル(OH)の生成)及び酸素の還元(スーパーオキシドラジカル(O2-)の生成)の両方を効果的に触媒することができる。理論に拘束するものではないが、PCOが、相当量の過酸化水素も生成するであろうと考えられる。
【0045】
従って、インプラントに設けられたPCOユニットの活性化により、患者の完全な免疫系によって自然に放出される同じ分子単位が効果的に生成され放出される。従って、少なくともPCOユニットによって生成されるスーパーオキシドラジカル(O2-)が、少なくとも生物膜によって保護されていない浮遊性細菌を効果的に死滅させる。
【0046】
上記したように、本発明のPCOユニットが半導体表面またはその近傍に過酸化水素の生成を引き起こすと考えられている。過酸化水素が細菌にとって致命的であることが良く知られている。ある実施形態では、PCOユニットが、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermis)を死滅させるのに十分であると考えられる濃度の過酸化水素を局所的に生成する。ある実施形態では、PCOユニットが、感染に応答して自然の好中球によって一般に生成される範囲の局所濃度の過酸化水素を生成する。ある実施形態では、PCOユニットは、生物膜を酸化するのに十分と考えられる局所濃度の過酸化水素を生成する。
【0047】
上記したように、本発明のPCOユニットは半導体表面に超酸化物イオンの生成を引き起こす。超酸化物イオンは細菌にとって致死的であることが良く知られている。ある実施形態では、PCOユニットが、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermis)を死滅させるのに十分と考えられる局所濃度の超酸化物イオンを生成する。ある実施形態では、PCOユニットは、感染に応答して自然の好中球によって一般に生成される範囲の局所濃度の超酸化物イオンを生成する。ある実施形態では、PCOユニットは、生物膜を酸化するのに十分であると考えられる局所濃度の超酸化物イオンを生成する。
【0048】
上記したように、本発明のPCOユニットは半導体表面にヒドロキシルラジカルの生成を引き起こす。ヒドロキシルラジカルが細菌にとって特に致命的であることが良く知られている。ある実施形態では、PCOユニットは、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermis)を死滅させるのに十分と考えられる局所濃度のヒドロキシルラジカルを生成する。ある実施形態では、PCOユニットは、感染に応答して自然の好中球によって一般に生成される範囲の局所濃度のヒドロキシルラジカルを生成する。ある実施形態では、PCOユニットは、生物膜を酸化するのに十分であると考えられる局所濃度のヒドロキシルラジカルを生成する。
【0049】
上記したように、本発明のPCOユニットは、半導体表面に過酸化水素の生成を引き起こし得ると考えられている。理論に拘束するものではないが、インプラント表面にPCOを設けることにより、後述する機序により一重項酸素(12)が生成されると考えられる。
【0050】
アレン(Allen)によれば、十分なハロゲン化物の存在下で、H22がハロペルオキシダーゼ(haloperoxidase)殺菌作用に対する律速物質である。殺菌活性は、次亜ハロゲン酸のハロペルオキシダーゼ生成に関連する。
-+H22 → OX+H2O (1)
細菌活性はまた一重項酸素分子(12)の二次生成にも関係する。
HOX+H2212+H2O (2)
HOX及び12は共に抗菌反応物質である。
【0051】
本発明の発明者は、PCOが超酸化物イオン及び過酸化水素の両方を生成するのみならず、一般的なヒトの間質液が、相当量の塩、従って相当量のハロゲン化物イオンであるCl-を含むことを認識している。従って、インプラントの近傍に存在する自然のハロゲン化物イオンとPCOによって生成された過酸化水素が反応してHOXが生成され、このHOXが更に別のH22分子と反応して一重項酸素を生成すると結論することが妥当である。
【0052】
一重項酸素が細菌にとって致命的であることは良く知られている。ある実施形態では、PCOユニットは、浮遊性微生物を死滅させるのに十分と考えられる局所濃度の一重項酸素を生成する。ある実施形態では、PCOユニットは、感染に応答して自然の好中球によって一般に生成される範囲の局所濃度の一重項酸素を生成する。ある実施形態では、PCOユニットは、生物膜を酸化するのに十分と考えられる局所濃度の一重項酸素を生成する。
【0053】
一重項酸素は非常に強力な抗生物質であるように思えるが、その極端な反応性により影響の範囲が限定される。具体的には、一重項酸素は、平均寿命がミリ秒のオーダーであり、その作用範囲はわずか0.2μmであると考えられている。従って、一重項酸素の産物は、包括的な殺菌反応をするが、インプラントの表面のごく近傍に限られ、近傍の組織は実質的に影響を受けない。
【0054】
更に、本発明の発明者は、ROS化学反応での連鎖反応によって果たされる役割と、このような反応が自己制限されるべきであることを認識している。理論に拘束するものではないが、一重項酸素の生成には2つの過酸化水素分子が必要であるため、過酸化水素の最終的な枯渇によって上記した反応が十分に制御されると考えられている。
【0055】
加えて、近年、ウォルフラム(Wolfrum)著、「ES&T」、2002年、第36巻、3412〜3419に、光触媒による酸化が生物膜を効果的に破壊することが報告された。また、PCOユニットによって生成される活性酸素種が、リン脂質、タンパク質、及び多糖の膜をそれぞれ、効果的に酸化することが報告されている。更に、これらの物質がポリマー様生物膜のモデルに選択されると記載されているため、PCOは外来微生物を保護する生物膜を破壊するだけではなく、そうすることで、これまで保護されていた細菌が致死量のヒドロキシルラジカル(OH)及びスーパーオキシドラジカルO2-の両方の曝露されると結論するのが妥当である。
【0056】
脳室カテーテルの内面が最も感染し易いと知られているため、ある実施形態では、脳室カテーテルの内面の少なくとも一部に光触媒層が形成されている。ある実施形態では、カテーテルの内面の少なくとも半分に光触媒層が形成されている。
【0057】
ここで図3を参照されたい。本発明のシャントの脳室カテーテル構成要素の端部の断面が示されている。この実施形態では、シリコーンチューブ401の内面403及び外面405の両方に、光触媒材料(好ましくはチタニア)の層407が形成されている。
【0058】
この実施形態は、全体的なコーティングの覆いにより、感染と闘うPCOが実質的にカテーテル全体に生成されるため有利である。加えて、この全体的な覆いにより、実質的にシリコーン表面の全てがシャントの挿入に対する炎症反応またはPCO反応の有害な酸化の影響から保護され、これによりシリコーン材料の耐用年数が延びる。
【0059】
ここで図4を参照すると、本発明のシャントの脳室カテーテル構成要素の端部の断面が示されている。この実施形態では、入口孔411によって画定されたシリコーンチューブ401の環状面409のそれぞれが、光触媒材料(好ましくはチタニア)の層407でコーティングされている。
【0060】
この実施形態は、製造が比較的容易であり、かつ入口孔の近傍にPCOを配置できるため有利である。従って、この実施形態は、入口孔が閉塞した場合に有用である。
【0061】
ここで図5を参照すると、本発明のシャントの脳室カテーテル構成要素の端部の断面が示されている。この実施形態では、チューブは、基材413と光触媒材料415の複合材料を含む。好適な実施形態では、基材がシリコーン(好ましくはPDS)を含み、光触媒材料がチタニアを含む。ある実施形態では、光触媒材料は、0.10vol%〜30vol%の複合材料を含む。
【0062】
この実施形態は、複合材料が単一構造であるため、その製造が容易であり、これによりコーティングステップが必要なく有利である。この単一構造により、コーティングが層間剥離することがない。最後に、PCOが、実質的にチューブの全面で効力を発揮することができる。
【0063】
ここで図6を参照すると、本発明のシャントが模式図が示されている。この実施形態では、無線周波受信アンテナ451及び発光ダイオード(LED)453がシャント弁構成要素714と脳室カテーテル入口ポート716との間に配置されている。好適な実施形態では、発光ダイオード(LED)は、AlGaN系であるため最大波長が380nm未満のUV光を放射し、シャント弁構成要素は図26に示されているものであり、脳室カテーテルはPDSとチタニアの複合材料からなる。
【0064】
使用する場合、外部無線周波送信機がアンテナにエネルギーを伝送する。次いで、アンテナが、光を生成するのに必要な量のエネルギーをLEDに供給する。次いで、光が光ファイバーケーブル760によって脳室カテーテル内に伝送され、そこで光が複合材料のチタニアを励起し、カテーテル表面でPCOが生成される。バッテリーまたはコンデンサ、タイマー/制御器、例えばアンテナなどのバッテリーやコンデンサを充填するための装置、及び機械運動/エネルギーを電気エネルギーに変換する圧電素子を用いてLEDに電力を供給することができる。
【0065】
この実施形態は、遠隔的にPCO反応を引き起こすことができるため、閉塞または感染による侵襲性処置を行わなくても良く有利である。
【0066】
ここで図7を参照すると、本発明のシャントの脳室カテーテル構成要素の端部の断面が示されている。この実施形態では、シリコーンチューブ401の外面405が、光触媒材料(好ましくはチタニア)の層407でコーティングされ、複数の長手方向の導波管461がシリコーンチューブ内に配置されている。
【0067】
この実施形態は、導波管により光を容易にカテーテルの端部まで伝送することができ、かつシリコーンチューブに沿って導波管を単純に共押出しで製造できるため有利である。
【0068】
ここで図8を参照すると、本発明のシャントの脳室カテーテル構成要素の端部の断面が示されている。この実施形態では、シリコーンチューブ401の外面405が導波管材料461でコーティングされ、導波管が光触媒材料(好ましくはチタニア)の層407でコーティングされている。
【0069】
この実施形態は、導波管により光を容易にカテーテルの端部まで伝送することができ、かつこのデザインが単純な浸漬被覆法によって容易に製造されるため有利である。
【0070】
ここで図9を参照すると、本発明のシャントの脳室カテーテル構成要素の端部の断面が示されている。この実施形態では、チューブ464が、CSF移送内腔465及び光ファイバー移送内腔467を含む。加えて、CSF移送内腔の外面及び内面のそれぞれが光触媒材料(好ましくはチタニア)の層407でコーティングされている。好ましくは、このチューブはシリコーンから形成される。ある実施形態では、光ファイバーケーブル469は、製造中にシャントデザインに組み込まれる。または、光ファイバーケーブルを治療中に挿入することもできる。
【0071】
この実施形態は、シャントが内腔467を介してCSFを弁及び排液カテーテルに移送することができ、かつ光ファイバーケーブル469を第2の内腔に挿入してPCOが必要なカテーテルの部分に局所UV光を供給できるため有利である。
【0072】
ここで図10を参照すると、本発明のシャントの脳室カテーテル構成要素の端部の断面が示されている。この実施形態は、図9の2内腔デザインに実質的に類似しているが、チューブ材料471がシリコーンとチタニアの複合材料を含む点が異なる。
【0073】
この実施形態は、チューブを製造した後に内腔をコーティングする必要がないため有利である。
【0074】
ここで図11を参照すると、本発明のシャントの脳室カテーテル構成要素の端部の断面が示されている。この実施形態では、シリコーンチューブ401の外面405が光触媒材料(好ましくはチタニア)の層407でコーティングされ、長手方向の導波管475が内部に配置された複数の長手方向の通路473を含む。
【0075】
この実施形態は、チューブの製造中またはチューブの製造後にチューブの表面に通路を容易に形成することができ、かつ導波管をその通路の中に容易に配置できるため有利である。ある実施形態では、通路が少なくとも半球面を形成して止まりばめを提供する。ある実施形態では、光の配分を改善するために通路を長手方向の螺旋パターンに形成することができる。
【0076】
ここで図12を参照すると、本発明のシャントの脳室カテーテル構成要素の端部の断面が示されている。この実施形態では、シリコーンチューブ401の内面403が光触媒材料(好ましくはチタニア)の層407でコーティングされ、外面405が反射材料(好ましくは銀)の層477でコーティングされている。
【0077】
この実施形態は、外面反射コーティングにより光がカテーテル内を伝送されこのカテーテル内に維持されるため有利である。この構造は重要である。なぜなら、脳室カテーテルは急角度に曲げられる場合が多いが、反射コーティングにより光が曲がってカテーテルの端部に光が伝送されるためである。加えて、銀のコーティングは、抗菌効果を付与することもできる。
【0078】
ある実施形態(不図示)では、反射層が部分的に反射するようにデザインされ、別の光触媒層がそこに配置され、これによりカテーテルの外面でPCOが行われる。
【0079】
ここで図13を参照すると、本発明のシャントの脳室カテーテル構成要素の断面内への光の供給が模式的に示されている。この実施形態では、カテーテルに近接してその外部に配置された光源が、シリコーンチューブ401の端部402内に向けて光を放射する。好ましくは、カテーテルのデザインは、PCOに効果のある量の光がカテーテル内を通って、入口孔411の周囲の光触媒層407部分に至るようにデザインされる。
【0080】
この実施形態は、光源(例えば、LED)をシャントの弁の近傍に便利に配置することができ、かつ経皮針を介して光をその弁領域の既知の部位に伝送することができるため有利である。
【0081】
ここで図14を参照すると、本発明のシャントの脳室カテーテル構成要素の断面内への光の供給が模式的に示されている。この実施形態では、光ファイバーケーブル469がシリコーンチューブの内腔内に挿入され、チューブの長さに亘って放射状に発光する。好ましくは、発光の強度は、チューブを介して有効な量の光がチューブの内面及び外面の両方に設けられた光触媒層407に伝送される強度にする。
【0082】
この実施形態は、光ファイバーケーブルによってPCOの活性化を経皮的に行うことができ、これによりシャントデザイン内に複雑な光源または光のポートを製造する必要がなく有利である。
【0083】
ここで図15A〜図15Eを参照すると、本発明のシャントの脳室カテーテル構成要素の断面内への光の供給が模式的に示されている。この実施形態では、光ファイバーケーブルがシリコーンチューブの内腔内に挿入され、入口孔411の周囲部分が局所的に照射される。図15B〜図15Eは、様々な所望の方向に光を供給するための光ファイバーケーブルの端部の様々な形状を例示している。
【0084】
本発明の光触媒ユニットは、(i)光源、及び(ii)光源によって照射される半導体材料を有する光触媒表面を含む。理論に拘束するものではないが、有効量のUV光が照射されると、光触媒表面の半導体材料がホールと電子を生成すると考えられている。このホールが水の酸化を触媒し、これによりヒドロキシルラジカルOHが生成される。電子が酸素の還元を触媒し、これによりスーパーオキシドラジカルO2-が生成される。
【0085】
半導体材料は、好ましくは遷移元素を含む固体触媒を含み、より好ましくは酸化チタン及び酸化第2鉄から成る群から選択される。より好ましくは、半導体材料は二酸化チタンを含む。ある実施形態では、半導体はDegussa P25(デグサ(Degussa)が販売)である。
【0086】
ある実施形態では、光触媒表面は、半導体材料を含む粉末を光源で照射できる表面に層化して形成される。ある実施形態では、カテーテルの外面は光触媒材料で層化される。
【0087】
ある実施形態では、UV光がチタニアを少なくとも部分的に伝送するため、酸化層の厚みを導波管としても機能する十分な厚みにすることができる。従って、ある実施形態では、光触媒表面は、約0.2μm〜約10.0μmの厚み、より好ましくは約2.0μm〜4.0μmの厚みを有する。
【0088】
ある実施形態では、光触媒表面は、シャント表面に焼結TiO2ビーズを設けて形成される。ある実施形態では、このTiO2ビーズで多孔性の足場を形成することができる。この場合、半導体酸化物を含む多孔性の足場が、殺菌能力(その光触媒の特性による)及び光触媒プロセスに便利な反応ゾーンの2つの所望の特性を付与する。従って、PCOユニットは、ROSが反応ゾーン以外に拡散しないように反応ゾーン全体にROSが生成されるように調整することができる。
【0089】
ある実施形態では、光触媒表面は、ゾル・ゲル法を用いてシャント面にチタニアを堆積させて形成される。
【0090】
ある実施形態では、光触媒表面は、蒸着法を用いて生成する。好ましくは、蒸着法でシャント面(好ましくはカテーテル面)にチタニアを堆積させる。ある実施形態では、イオンビーム・スパッタリング法を用いて光触媒表面が形成される。
【0091】
光触媒が表面現象であるため、触媒面の厚みはそれほど重要ではない。更に、オーコ(Ohko)著、「ジャーナル・オブ・バイオメディカル・マテリアルズ・リサーチ(J. Biomed. Mat. Res.)(Appl Biomat)」、2001年、第58巻、97〜101で報告されているように、熱処理によって形成されるTiO2の薄膜が約2μmを超えると、その層が基板から剥がれ始める。従って、ある実施形態では、光触媒表面は、約0.2μm〜約10.0μm、より好ましくは2.0μm〜4.0μmの厚みを有する。
【0092】
しかしながら、上記したように、ある実施形態では、光触媒層の厚みは導波管として機能するように厚くすることもできる。
【0093】
好ましくは、光触媒表面は半導体材料を含む。より好ましくは、半導体材料は、周期表の遷移元素から選択される。より好ましくは、半導体は、二酸化チタン及び酸化第2鉄から成る群から選択される。より好ましくは、半導体はチタニアである。ある実施形態では、半導体はDegussa P25である。
【0094】
ある実施形態では、光触媒表面は実質的に半導体材料から成る。これらの実施形態は、製造を単純化するのに有利である。別の実施形態では、光触媒表面は、少なくとも半導体材料を含む複合材料を含むことができる。エイキン(Akin)著、「ジャーナル・オブ・バイオメディカル・マテリアルズ・リサーチ(J. Biomed. Mat. Res.)」2001年、第57巻、588‐596に、チタン表面へのマクロ多孔性チタニア膜の形成が開示されている。この膜は、約0.1mm〜約1mmの厚みであると報告されている。孔の大きさは、0.5μm、16μm、及び50μmであると報告されている。
【0095】
ある実施形態では、光触媒表面は、半導体材料と光透過材料の複合材料を含む。光透過材料は、好ましくはUV透過材料であり、より好ましくはアルミナ、サファイア、及びシリカから成る群から選択される。これは、この層も光を伝送できるという点で有利である。
【0096】
更に、この複合材料で多孔性の足場を形成すると、この足場が、その全体に分散したTiO2のアイランドを含む。UV光は、この材料のUV透過部分によっては吸収されず、足場全体に分散されたチタニアだけに吸収される。次いで、内部の足場表面に近接したチタニアが光活性化され、足場全体にROSが生成される。
【0097】
ある実施形態では、光触媒材料をカテーテルの基材に混ぜ合わせて複合材カテーテルを形成することができる。この実施形態の単一構造により、積層装置で一般的である剥離の問題が解消される。ある複合材カテーテルの実施形態では、カテーテルの基材はPDSであり、光触媒はチタニアを含む。チタニアがPDSに適合性であることは良く知られている。この場合、PDSは、チタニアの担体として作用し、UV透過性である。従って、医師は、単に内腔を照明して、カテーテル複合材料の内面及び外面の両方のチタニアを照射すれば良い。
【0098】
別の実施形態では、このような複合材料は、カテーテル基材(シリコーンなど)及び光触媒層(チタニア)などでコーティングされた金属粒子(チタンなど)を含む。
【0099】
ここで図16を参照されたい。ある実施形態では、カテーテルは、基材3(シリコーンなど)及びその上に堆積された光触媒層7(チタニアなど)を含む。この場合、光触媒層7は、光触媒のバンドギャップを緩和するドーパント9でドープされた半導体材料8の複合材料を含み、これにより光触媒層によって吸収される光の最大波長が増大する。ある好適な実施形態では、ドーパントは、バナジウム及びクロムから成る群から選択される。アンポ(Anpo)著、「ピュア・アンド・アプライド・ケミストリー(Pure Appl. Chem.)」、2000年、第72巻(7)、1265‐70に報告されているように、この群から選択されるドーパントが二酸化チタン表面にイオン注入されると、得られる表面が白色光で照射された場合に実質的に光触媒活性を有する。
【0100】
別のある好適な実施形態では、ドーパントは窒素である。リン(Lin)著、「ジャーナル・オブ・バイオメディカル・マテリアルズ・リサーチ(J. Biomed. Mat. Res.)」、2003年、第13巻(12)、2996〜3001に報告されているように、窒素がドーパントとして選択されると、得られる表面が400nmまたは550nmの波長を有する光で照射される場合に実質的に光触媒活性を有する。
【0101】
他のある好適な実施形態では、ドーパントは、Nd+3、Pd+2、Pt+4、及びFe+3から成る群から選択される。シャ(Shah)著、PNAS、2002年4月30日、第99巻(S.2)、6482〜6486によって報告されているように、このようなドーパントの1つがドーパントとして選択されると、得られる表面が450nm〜460nmの光で照射された場合に実質的に光触媒活性を有することができる。従って、ある実施形態では、光触媒表面は、光触媒のバンドギャップを緩和するドーパントでドープされた半導体材料の複合材料を含み、これにより光触媒層によって吸収される光の波長が増大し、UV光よりも大きい波長を含む。
【0102】
ドーパントを用いる好適なある実施形態では、シャントのチタン成分が酸化してチタニア表面層を形成し、このチタニア層がドーパントでイオン照射される。
【0103】
プロテーゼ周辺感染が、シャントカテーテルの実質的な部分を覆う生物膜を形成する場合が多く、本発明の発明者は、感染したカテーテルの内面及び外面の両方を実質的に光照射するのが極めて望ましいことを認識している。しかしながら、シャントカテーテルは、通常はかなり長く、近紫外光をある程度吸収できる材料から形成されるため伝導性ではなく、一点の光源から完全に照射することができないことを認識している。更に、光触媒表面に近接した光を吸収する脳組織の存在により、カテーテル表面の包括的な照射が複雑である。
【0104】
ここで図17を参照されたい。ある実施形態では、シャントのカテーテル部分は、基材3、光触媒層23、及び基材に堆積された導波管21を含む。この導波管は、光源から離れたカテーテルの表面部分まで光を伝送するように適合されている。好ましくは、導波管は、UV光または白色光を少なくとも部分的に透過する材料を含む。このような導波管が基材内部に設けられた場合(例えば、長手方向のファイバーとして)、導波管に照射された光は、その導波管を通って光触媒層の表面まで到達することができる。この利点は、光透過材料が導波管として機能するため、光源で生成されたUV光がインプラントの表面全体に横方向に広がり、これにより後面から光触媒層を照射できることである。
【0105】
ある実施形態では、カテーテルチューブは実質的に透明なシリコーンから形成される。透明なシリコーンチューブを用いることにより、チューブも光を伝送する導波管として機能することができる。しかしながら、シリコーンはUV光の一部を吸収すると考えられているため、透明なシリコーンを用いるある実施形態では、光触媒層は、ドープされた二酸化チタンを含むのが好ましく、所望の光触媒が、透明なシリコーンでの伝送が容易な可視光の波長で活性化される。
【0106】
ある実施形態では、導波管21は、カテーテルの基材3の外面20と光触媒層23の内面22との間に別の層として設けることができる(図17を参照)。このような場合、この導波管の層は、化学蒸着法によって容易に堆積させることができる。
【0107】
ここで図18を参照されたい。他の実施形態では、導波管は、半導体材料29及び光透過(好ましくはUV透過性)材料25を含む複合材料層27の一部として形成することができる。この場合、複合材料層は、導波管及び光触媒表面の両方として機能する。好適な実施形態では、この複合材料は、約0.10vol%〜20vol%の半導体材料及び約80vol%〜90vol%の導波管材料を含む。複合導波管の好適なある実施形態では、複合材料は、実質的に高密度(例えば、10vol%未満の多孔性)で強度が高い。
【0108】
ある実施形態では、光透過材料は、セラミック及びポリマーから成る群から選択される。好適なUV透過セラミックには、アルミナ、シリカ、CaF2、チタニア、及び単結晶サファイアが含まれる。好適な光透過ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、シリコーン、及びアクリルから成る群から選択されるのが好ましい。本発明のカテーテルは高い可撓性を有するべきであるため、構造材の導波管としてポリマーを用いるのが好ましい。
【0109】
ある実施形態では、チタンワイヤが、少なくとも1つのカテーテル内に長手方向に埋め込まれる。このような場合、ワイヤがカテーテルの長手方向に延在し、ピニオン上のストリップのように作用する。この実施形態では、このチタンワイヤを用いて、カテーテルの曲がり具合の制御並びに治療用器具の送達を行うことができる。
【0110】
導波管の任意の表面を単純に照射するだけで、導波管がカテーテル全体に光を伝送し、触媒表面近傍の後面に拡散し、光触媒層全体にROSを生成することができる。外科手術の際には(外科医がインプラントを見ることができる場合)包括的な照射が容易であるが、手術後にROSを用いた治療が望ましい場合は、光の伝送に低侵襲性光ファイバーが必要となるため、カテーテル表面全体の照射がより困難になるであろう。
【0111】
従って、図19及び図20に示されているように、外部光源と共に導波管が用いられ、光が光ファイバーケーブルを介して導波管に伝送される場合、光ファイバーと導波管を容易に接続できるように導波管の内側部分に光ポートを設けるのが望ましい。
【0112】
図19に、光ファイバーを導波管に送達するように適合された送達針41の先端部分が開示されている。針41は、小さな内腔43及び先端開口45を画定しているバレル42を含む。バレルの先端部分は、垂直に位置するシール及び/または組織(不図示)を刺入するのに適した針先端部47を成している。ある実施形態では、送達針は、導波管49、内側光触媒表面51、及び外側光触媒表面53を全て含むように適合し、これにより針自体が光滅菌され、移植部位への細菌の進入や移植部位からの細菌の流出を防止することができる。
【0113】
図19に示されているように、針は、光源101に接続された光ファイバーケーブル103を受容するように適合されている。光は、光源で生成され、光ファイバーケーブル内を伝送され、光ファイバーケーブルの先端部105で放射される。
【0114】
ここで図20を参照すると、水頭症シャントが示されている。この水頭症シャントは、(a)カテーテル基材3、(b)カテーテル基材内に形成された導波管21、(c)カテーテル基材の上に形成された光触媒層23、及び(d)導波管に連通した光ポート61を含む。この光ポートは、送達針を受容して固定するように適合された貫通孔65を含む基端受容部分63、貫通孔を密閉する中間シール67、及び先端バレル部分69を含む。
【0115】
図20では、光ポートの基端受容部分は、先端側に向かって先細になった外周部71を有する内部孔65を含む。この基端受容部分は、蛍光透視下で外科医がその位置を確認し易い放射線不透過性部分(不図示)を有することもできる。基端受容部分の先端側に向かって先細の内周部は、針がその基端受容部分に挿入される際のガイドとなる。基端受容部分はまた、針を光ポート内に固定するためにルアーロック部分(不図示)などの固定手段を有することもできる。別のある実施形態では、このような固定手段は、送達針または光ファイバーの雄ねじ先端部分と螺合するように適合された雌ねじを含む。
【0116】
中間シール67の役割は、光伝送導波管の光伝送面に組織が内植するのを防止することである。
【0117】
先端孔部分69の役割は、針の過剰挿入を可能にする空間を形成してインプラントの導波管部分の物理的な損傷を最小限にすることである。
【0118】
導波管がカテーテルの基材の中に単純に形成される場合(またはカテーテルの基材と半導体表面との間の中間層として)、導波管内を移動する光が単純に導波管の遠端から出て近接する組織に進入する可能性がある。このような事態を防止して光源の効率を上げるために、本発明のある実施形態では、図21に示されているように、カテーテルが導波管21の縁に近接した反射面31を含む。導波管の縁に反射面を設けることにより、横方向に移動する光が導波管の横縁から出射するのが防止され、この光が導波管内に反射され、最終的に光触媒層7に到達する。
【0119】
別の実施形態では、光触媒層から逃げる光が光触媒層に向かって反射するように反射コーティングが多孔性光触媒層の外面28に設けられている。
【0120】
その好適な実施形態では、この反射面は、好ましくは導波管または光触媒表面の一部にコーティングされた金属含有層を含む。金属含有層は、純粋金属、金属合金、または光触媒層よりも屈折率の低い金属酸化物とすることができる。ある実施形態では、このような金属コーティングは、銀及びチタンから成る群から選択される。より好ましくは、抗菌効果を生かすために銀を用いる。
【0121】
ある実施形態では、このような屈折面は、反射するようにデザインされた多層構造を含む。例えば、図22に示されているように、可視光を利用する多層構造、すなわち導波管としてチタニア、そして光触媒表面としてバナジウムがドープされたチタニアの外層を用いるのが望ましいであろう。具体的には、図22に、(a)カテーテル基材3、(b)カテーテル基材の上に設けられた導波層21(ここでは純粋チタニアから形成される)、(c)純粋チタニア層の上に設けられた部分反射層32(ここでは、Ti、Ag、V、またはCrから形成される)、及び(d)白色光吸収触媒外層7(例えば、バナジウムがドープされたチタニア層)を含むインプラントが開示されている。
【0122】
白色光が照射された場合、導波層は有意なROSを生成しないが(純粋チタニアのバンドギャップが、380nmを超える波長の光に対しては高過ぎるため)、バナジウムがドープされたチタニアの外層が、白色光に応答して装置の表面またはその近傍で光触媒効果を生成し、これによりROSが感染部位に生成される。
【0123】
ある実施形態(不図示)では、反射層に孔または窓を形成して、光ファイバーが光ポートにアクセスして導波管に対する光のスループットを増大させるのが望ましい。このスループットの増大により、より厚くてより反射する層(例えば、80%〜90%の反射率)をより効率的に用いることができる。
【0124】
光を操作して装置の遠隔の表面に光を到達させることができるようにデザインされた蛍光またはリン光化学伝達物質や二股に分かれた光ファイバーバンドルなどの他の光関連部品も本発明に包含される。
【0125】
上記したように、図1のシャントは、光ファイバーケーブルを障害のあるカテーテルの内腔内に挿入して処置するのが好ましい。しかしながら、場合によっては、内腔の障害物は規模が大き過ぎて、光ファイバーケーブルを先端にアクセスさせることができない場合がある。従って、ある実施形態では、カテーテル構成要素として2内腔カテーテルが選択され、導波管が効果的に設けられる。2内腔カテーテルは、先端の入口孔に連通した第1の内腔と、閉じた先端部を有する第2の内腔を含む。使用する場合、医師が、第2の内腔の開口した端部から光ファイバーケーブルを前進させる。この内腔は、先端部が閉じているため、障害物から保護されており、光ファイバーをカテーテルの先端部まで送ることができる。
【0126】
ある実施形態では、光源はUV光源である。UV光源は、治療効果のある量のROSを生成するのに有効な量のUV光をUV感受性光触媒表面に照射できるように適合されている。好ましくは、UV光の波長は、UVA光であり、320nm〜380nm未満の範囲の波長の光を放射する。この範囲では、UVA光は、効果的に従来のTiO2を照射し、UVC光のようにはDNAを損傷しない。
【0127】
ある実施形態では、UV光源は、太陽光スペクトルのUV成分及び近紫外成分の範囲の最大スペクトルを有する。この光源は、好ましくは、太陽光スペクトルの近紫外成分の範囲の最大スペクトルを有する。この光源は、好ましくは約380nm未満、より好ましくは300nm〜380nmの範囲の最大スペクトルを有する。ある実施形態では、この光源は、約365nmの最大スペクトルを有する。
【0128】
好ましくは、UV光源または近紫外光源が選択される場合、これらの光源は、UV光または近紫外光で照射された時に光触媒活性を呈する半導体材料と共に使用される。UV光との使用に適した好適な半導体の1つにチタニアがある。
【0129】
別の実施形態では、光源は白色光源である。白色光源は、微生物の局所濃度を低下させるのに有効な量の白色光を光触媒表面に供給できるように適合されている。好ましくは、白色光の波長は、380nm〜780nmの範囲である。白色光は、バナジウムがドープされたTiO2または窒素がドープされたTiO2を効果的に照射して光触媒反応を引き起こし、DNAに損傷を与えないため特に好ましい。
【0130】
ある実施形態では、光触媒表面としてドープされたチタニアを用い、最大吸収波長が400nm〜650nmの範囲の可視光を用いる。ある実施形態では、光触媒表面としてドープされたチタニアを用い、最大吸収波長が450nm〜600nmの範囲の可視光を用いる。ある実施形態では、光触媒表面としてドープされたチタニアを用い、最大吸収波長が450nm〜500nmの範囲の可視光を用いる。
【0131】
本発明の発明者は、場合によっては、光触媒層を有する移植されたシャントを経皮的に効果的に照射することが可能であることを認識している。文献に記載されているように、皮膚を通過する光の有効刺入深さは波長に依存し、概ね次の通りである。
波長 刺入深さ
380nm 1mm
600nm 4mm
780nm 10mm
【0132】
従って、例えば600nmの波長の光で照射された時に活性化するように光触媒層が選択された場合、光触媒層または光触媒に関連した導波管を約4mm未満の深さに移植して、経皮的に照射して所望の光触媒反応を効果的に生成することができる。
【0133】
ある実施形態では、窒素がドープされたチタニア層及び関連する導波管を有するシャントが、導波管の皮膚に近い端部が約3mmの深さとなるように皮膚下に移植される。この導波管の近い端部が600nmの光で経皮的に照射される。次いで、この光が導波管によって光触媒に伝送され、シャント内で光触媒反応が引き起こされ、治療用ROSが生成される。
【0134】
赤色光は皮膚から数ミリの深さまで容易に透過するため、ダイオードレーザーや低出力HeNeレーザーなどの好適な光源によって経皮的に照射できる光収集面を弁本体の上部に設けるのが望ましいであろう。光の経皮的伝送は、所望の治療のために患者の皮膚に傷害を与える侵襲性でないため極めて有利である。
【0135】
この経皮的に伝送される赤色光を光収集面で90度曲げてシャントの所望の部位に向かって伝送するために、多数の曲がった形状を光収集面に設けるのが有効である。ある実施形態では、このような曲がった形状には、入射光をほぼ直角に曲げるように適合された傾斜面を備えたピラミッド、小石、または他の隆起した形状を含むことができる(やや回折格子に類似)。これらの形状は、ハウジング内に一体成形する、または2つの部品として形成することができ、銀などの高反射層でコーティングして屈折効果を上げることができる。赤色光を使用する場合は、PCOの活性化のために銀または他の金属がドープされたチタニアを使用する必要がある。
【0136】
ある実施形態では、光源が患者の外部に配置される。外部に光源を設けると、光触媒シャントのデザインが単純になる。手術前のシャントが患者の外部にある時に照射を行う場合は(感染防止のため)、光源はライトボックスとすることができる。手術中の患者の切開部が開かれている時に照射を行う場合は、光源は、フラッドライトまたは手術室の光などの従来の光源とすることができる。手術後の患者が縫合された後に照射すなわち光ファイバーワンドでUV光を手動で操作して光を伝送する場合、光源は、その光源に接続された基端部と患者内へ挿入してシャントに接続するように適合された先端部を有する光ファイバーケーブルを介して光を伝送するのが好ましい。
【0137】
好ましくは、外部光源と共に用いる光ファイバーケーブルは、シャントのカテーテル構成要素内及び患者の組織内を案内できるように十分な強度及び可撓性を有するように適合されている。従って、光ファイバーケーブルは、通常は小さい直径を有するべきである。光ファイバーケーブルは、その基端部が外部光源に接続するように適合され、その先端部がシャントに配置された光ポートまたは導波管に接続するように適合されている。光源の作動により、その光源から光ファイバーケーブルを介してインプラント(好ましくは、インプラントの導波管構成要素)に光が伝送される。
【0138】
好適な光ファイバーケーブル材料には、水晶、プラスチック、シリカが含まれ、これらは一般に入手可能である。
【0139】
図19に示されているように、保護デリバリー針41すなわちカテーテルを光ファイバーケーブル103と共に用いるのが好ましい。このカテーテルは、光ファイバーを受容するように適合された細長い孔を有し、シャントの部位に送られる際に遭遇する不所望の応力から比較的細い光ファイバーを保護するのに役立つ。カテーテルはまた、光ファイバーを介して伝送される光によって起こる不所望の影響から周囲組織を保護する保護シールドとしても役立つ。
【0140】
カテーテル及び/または光ファイバーケーブルによって感染が広がらないようにするには、これらの構成要素をそれぞれ、チタニアなどの光触媒材料の薄い層51及び53でコーティングするのが好ましい。光源によってこれらの薄い層を照射して、これらの構成要素を効果的に滅菌することができる。更に、このようなシステムについては、前記したオーコ(Ohko)に詳述されている。
【0141】
ある実施形態では、光源が、シャント自体に設けられており、患者に永久的に移植できるように適合されている。内部光源の利点は、手術後に閉塞またはプロテーゼ周辺感染が起きた場合、患者を経皮的に侵襲しなくても良いことである。むしろ、内部に配置された光源は、シャントに設けられたバッテリーまたは遠隔作動によってROSを生成することができる。内部光源を用いる本発明のある実施形態では、光源がbioMEMs構成要素によって形成される。その一実施形態では、内部光源は、UV光源を含み、好ましくはAlGan基板を含む。スタッツマン(Stutzmann)著、「ダイアモンド・アンド・リレーティッド・マテリアルズ(Diamond and Related Materials)」、2002年、第11巻、886〜891に報告されているように、AlGaNをバイオセンサとして用いることもできる。スタッツマン(Stutzmann)は更に、Gan、AlGaN、及びAlNの生体適合性についての試験を行い、生細胞組織とは殆ど相互作用しないことを見出した。つまり、これらの材料が生体適合性であることを示唆している。
【0142】
ある実施形態では、光源は、0.1w〜100wのエネルギーを生成するように配置されている。理論に拘束するものではないが、このエネルギー範囲の光伝送は、殆どのシャントカテーテルの光触媒表面を活性化させるのに十分である。ある実施形態では、光源は、光触媒表面で0.1w/cm2〜10w/cm2のエネルギー強度を生成するように配置されている。ある実施形態では、光源は、約1mW/cm2のエネルギーを生成するように配置されている。オーコ(Ohko)ら著、JBMR(Appl BioMat)、2001年、第58巻、97〜101に報告されているように、この後者の値は、光触媒効果を生成するのに十分な量でTiO2表面を効果的に照射する。
【0143】
光触媒による酸化が通常、相対的に周囲温度でのプロセスであると考えられるため、光源の伝送及び所望の酸化反応によって生じる熱は無視できると考えられる。すなわち、インプラントの周囲組織の温度はPCOユニットの活性化の際に通常は著しく上昇するものではなく、この周囲組織がここに開示する治療によって熱分解されるものではない。
【0144】
ある実施形態では、外部光源を有する第1の例示的なPCOユニットが設けられている。外部制御装置は、シャント内で光を生成するために光源を有する。この光源によって生成される光は、患者の皮膚内の光ファイバーケーブルを介してシャントに設けられた内部導波管光ポートに伝送される。この光ポートは、シャントの外面に設けられた導波管に光を伝送するように適合されている。導波管の近傍に設けられた光触媒要素が、この光を受け取り光触媒反応を開始する。
【0145】
図23を参照すると、内部光源を有する第2の例示的なPCOシャントが示されている。外部制御装置222が、無線周波エネルギー源224、及びシャントに設けられた内部アンテナ451に信号を送信するためのアンテナ230を有する。これらのアンテナは、互いに電磁結合することができる。内部アンテナ451が、外部アンテナ230によって送信された信号に応答して、絶縁層を覆っている導体を介してインプラント内に配置された発光ダイオード(LED)453に電力を伝送する。LEDによって生成された光が導波管を通って光触媒層に送られる。
【0146】
ある実施形態では、シャントが更に、内部受信機によって制御されるバッテリーやコンデンサ(不図示)などの内部電源を含む。この内部電源は、所望の光触媒効果を引き起こすのに十分な電力をPCOユニットの光源に供給できるように十分なエネルギーを蓄積することができる。
【0147】
ある実施形態では、内部PCOユニットによって生成される光は、プロテーゼまたはインプラント自体に一体化された無線テレメトリによって電力が供給される。図23に示されている実施形態では、受信機が無線周波数/DC変換器及びモジュレータを含むことができ、外部アンテナが無線周波数信号を送信し、その信号を内部アンテナが受信する。次いで、このような信号が、受信機(不図示)によって電流に変換され、PCOユニットの光源が作動する。
【0148】
ある実施形態では、シャントのテレメトリ部分は、従来の市販されている部品である。例えば、外部電力制御装置は、任意の従来の送信機とすることができ、好ましくは少なくとも約40mWのエネルギーを外部アンテナに送信できる。このような市販の送信機の例として、Microstrain(バーモント州、バーリントン)を挙げることができる。同様に、内部電力アンテナも、外部で生成された無線周波信号との結合に応答して少なくとも40mWのエネルギーを生成できる任意の従来のアンテナとすることができる。このような市販のアンテナの例として、Microstrain Strinlink(登録商標)装置に使用されているものを挙げることができる。従来の送受信機テレメトリは、最大で約500mWのエネルギーを内部アンテナに伝送することができる。
【0149】
ある実施形態では、図24に示されているように、シャントは、そのベース部分3に形成された発光ダイオード(LED)234、及び装置の経皮的な作動及び電力供給に必要な構成要素を含む。このような構成要素には、限定するものではないが、無線周波数コイル301、制御回路303、バッテリー305、及びコンデンサを含むことができる。このような装置は、皮膚に刺入しなくても断続的または持続的に作動させることができ、これにより患者に対する外傷及び/または皮膚媒介による細菌感染のリスクを回避できる。
【0150】
上記したように、LEDの電力供給及び制御に必要な補助部品をシャント内に埋め込むことができる。しかしながら、これらの部品は、シャントの表面、シャントに隣接した部位、またはシャントに近接した部位に配置し、シャントに接続することができる。
【0151】
ある実施形態では、シャントのテレメトリ部分は、チタンベースプレートなどの好適な絶縁基板上に金属材料を蒸着させて形成される。例えば、内部アンテナは、まずベースプレートの表面に好適な絶縁基板を形成し、次いで、その絶縁表面の上にコイルの形態で金属層をCVD蒸着させて適切に製造することができる。
【0152】
ある実施形態では、本発明のシャントの治療ROS能力は、障害物(カテーテルまたは弁)、プロテーゼ周辺感染、及び炎症の少なくとも1つを治療するための補助システムで補完することができる。
【0153】
ある実施形態では、薬剤デリバリーシステムが薬剤を含むコーティングであり、このコーティングがカテーテルの表面に堆積されている。このコーティングは、周囲組織にその薬剤を絶えず供給する薬剤徐放装置として機能する。
【0154】
ある実施形態では、薬剤デリバリーシステムは、薬剤を含む薬物ポンプを含む。この薬物ポンプは、手術の最後または手術の後に作動して、周囲組織に薬剤を絶えず供給することができる。
【0155】
ある実施形態では薬剤デリバリーシステムは、カテーテル表面の周りの複数の位置に薬剤を送達するためにカテーテル内またはその上に形成された少なくとも1つの通路を含む。好ましくは、この通路は、シャントの第1の表面に位置する入口ポート(好ましくは針を受容するように適合されている)及びカテーテルの表面の少なくとも1つの出口ポート開口を画定している。
【0156】
好適な実施形態では、この薬剤は、抗生物質、成長因子、及び抗炎症剤からなる群から選択される。
【0157】
好ましくは、この抗生物質は、プロテーゼ周辺感染を防止するのに有効な量、近接組織に送達される。好適な抗生物質が、従来の予防濃度で所望に送達される。
【0158】
好ましくは、抗炎症剤が、炎症性サイトカインを中和して炎症を防止するのに有効な量、近接組織に送達される。炎症の防止は、炎症(シャントの移植による)が障害物の最大の原因であると考えられているため、特に望ましい。好適な抗炎症剤には、抗TNF−α化合物及び抗インターロイキン−1β化合物が含まれる。特に好適な化合物はRemicade(商標)である。
【0159】
好適な一実施形態では、薬剤送達システムは、ハロゲン化銀コーティングを含む。理論に拘束するものではないが、このコーティングの銀成分は溶解した後にイオン化すると考えられている。イオン化すると、近接細胞の細胞膜内に進入し、一重項酸素を生成する細胞内反応を促進する。このように生成された一重項酸素は侵入された細胞にとって致命的であると考えられる。
【0160】
ある実施形態では、過酸化水素が、流体デリバリー機構を介して送達され、光触媒層の近傍に存在する。米国特許第4,861,484号に開示されているように、過酸化水素は、チタニアを用いた光触媒反応に著しい相乗効果を有する。例えば、この特許文献によれば、ある種の有機化合物の破壊が、過酸化水素の存在下でチタニアが照射された場合は約5倍〜10倍の速さで進行する(チタニアが過酸化水素なしで照射された場合に比べ)。従って、本発明に過酸化水素を用いることにより、所望の光触媒活性の効果を高めることができると考えられる。
【0161】
ある実施形態では、光感作物質が、流体デリバリー機構を介して送達され、光触媒層の近傍に存在する。ウエインライト(WAINRIGHT)著、「ジャーナル・オブ・アンティマイクロバイアル・ケモセラピー(J. Antimicrobial Chemotherapy)」、1998年、第42巻、13〜28で報告されているように、光感作物質(メチレンブルーなど)の局所照射は、一重項酸素の生成能力による局所感染の治療手段として考えるべきである。従って、本発明に光感作物質を用いることにより、所望の光触媒活性の効果を高めることができると考えられる。
【0162】
ある実施形態では、光感作物質は、フェノチアジニウム(phenothiazinium)型、フェナジン型、アクリジン型、シアニン型、ポルフィリン型、フタロシアニン型、ソラレン型、及びペリレンキノノイド(perylenequinonoid)型からなる群から選択される。
【0163】
他の実施形態では、光感作物質は、シャント構成要素(好ましくはカテーテル表面)にコーティングとして設けられる。
【0164】
ある実施形態では、カテーテルは複数の内腔を含み、第2の内腔の1つが、先端出口を有し、酵素またはペルオキシドなどのタンパク質溶解化合物をカテーテルの先端部の入口孔に送達できるように適合されている。ある実施形態では、流体を経皮的に送達することができ、別の実施形態では、好ましくは吸引またはポンピング機構と共に内部レザバーに流体を保存し、この流体が血管遊走するのを軽減する。このような流体の送達は手動で行うことができる。例えば、ある実施形態では、流体デリバリーシステムは、カテーテルの先端部に治療薬を送達し、かつシャント内で溶解した物質を吸引するためのサクションを提供するように適合されたバルブを含むことができる。ある実施形態では、流体デリバリーシステムは、完全に内蔵型であって、センサに基づいて自動的に流体を送達するMEMS型システムである。このようなセンサは、先端部における流速、所定の化学物質すなわちタンパク質、質量、または電気抵抗を検出し、適宜治療薬を送達するように適合することができる。別法では、流体の送達はタイマーを用いて行うことができ、少量の治療流体の予防的な送達を、定期的にカテーテルの先端部に対して実施し、開通性を維持して蓄積を防止する。
【0165】
ある実施形態では、シャントは、治療を提供する機械手段も含む。その実施形態では、この手段は、シャントのカテーテル内腔に配置された成形ワイヤすなわちArchimedes Screwを含むことができる。使用する場合、この手段が作動させて(例えば、回動、振動、または直線運動によって)物質をシャントを介してポンピングし、カテーテルの先端部に付着したタンパク質または微生物を除去/分離することができる。機械手段の作動は、経皮的作動(例えば、バルブ型装置を用いて患者によって)、MEMSを用いた作動、モーターを用いた作動(好ましくは充電バッテリーを含む)、及び経皮的エネルギー伝送からなる群から選択することができる。ある実施形態では、機械手段に用いる金属部品は、銀とするまたは銀でコーティングして抗菌性を高めることができる。別の実施形態では、機械手段に用いる金属部品は、チタンとするまたはチタニアでコーティングしてPCO活性を高めることができる。別の実施形態では、機械手段に用いられるプラスチック部品は、PCO治療のために光をカテーテルの先端部に透過できるように適合された光透過性プラスチックとすることができる。
【0166】
シロキサンコーティングはタンパク質付着に強いことが知られている。従って、ある実施形態では、入口孔の少なくとも1つの環状面がシロキサンコーティングされている(例えば、トリメチルクロロメチルシラン)。
【0167】
場合によっては、シャントは、移植する前に治療用光触媒処置を行うことができる。移植前の処置は、シャントが体内に導入される時にシャントが滅菌状態であることを外科医が確認できる予防措置である。
【0168】
移植前の光触媒反応によっても、狂牛病やエイズなどの伝染性の疾患が問題となるリスクを軽減することができる。
【0169】
この移植前の処置のある実施形態では、シャントをチタニア粒子の水溶性スラリーに入れ、そのスラリーに光エネルギーを加えて必要な光触媒反応を引き起こすことができる。光触媒反応によって生成されるROSは、インプラントに付着した細菌だけではなく問題の胞子も酸化する。ウォルフラム(Wolfrum)著、「エンバイロメンタル・サイエンス・テクノロジー(Environ. Sci. Tech.)」、2002年、第36巻、3412〜3419に報告されているように、約10mW/cm2の365nmの光に曝露されたチタン系の反応器で、黒かび(A. niger)胞子を十分に死滅させることができる。
【0170】
光触媒は、手術中にインプラントに設けることもできる。例えば、患者を縫合する直前に、外科医が、光ファイバーを用いてインプラントの光触媒反応が可能な表面を照射して、手術中にインプラントに付着した全ての細菌を死滅させることができる。理論に拘束するものではないが、問題のPPIがかなりの割合が、患者の骨とインプラントとの境界面で起こる感染から生じると考えられている。
【0171】
更に、縫合直前の手術中の照射は、手術中に起きた炎症の範囲を縮小するのに有効である。
【0172】
従って、ある実施形態では、本発明のインプラントが患者の体内に移植され、PCOユニットが手術中に作動される。ある実施形態では、患者を縫合する直前にPCOユニットが作動される。
【0173】
ある実施形態では、患者を縫合した直後にPCOユニットが作動される。例えば、光ファイバーが導波管ポートに取り付けられたまたまの状態で患者を縫合する。次いで、外科医が光ファイバーでインプラントの光触媒反応可能な表面を照射し、手術中にインプラントに付着した全ての細菌を死滅させることができる。照射後に光ファイバーを患者から引き抜く。
【0174】
本発明では、手術中及び手術後の光触媒反応のそれぞれは予防処置と考えることができる。
【0175】
シャントの弁構成要素も閉塞またはり感染し易いことが知られているため、弁構成要素にもPCO処置を行うのが好ましいであろう。従って、ある実施形態では、弁構成要素の少なくとも一部を光触媒層でコーティングする。ある実施形態では、コーティングする弁構成要素は、ベースプレート、ボール、弁座、ばね、及びステップモーターからなる群から選択される。
【0176】
ボールまたは弁座が光触媒層でコーティングされる一実施形態では、ボールまたは弁座はシリカやサファイアなどのUV透明材料から形成される。ある実施形態では、弁座は光ポートを有するように構成されている。
【0177】
ある実施形態では、ばねはチタニアでコーティングされたチタンから形成される。
【0178】
ここで図25を参照すると、チューブ445内に受容された構造要素443を含むシャントの一部が示されている。このチューブ445は、(a)外壁449及び内壁452を有する外側シリコーンチューブ447、(b)シリコーンチューブの内壁に取り付けられた内側光触媒層454、及び(c)光ポート455を含む。構造要素443は、(a)内面を有するベースプレート457(この場合は、チタン合金から形成されている)、(b)そのベースプレートの内面の第1の部分に堆積されたチタニア層459、及び(c)ベースプレートの内面の第2の部分に堆積された弁構成要素448を含む。
【0179】
実際には、シャントの弁部分が閉塞したら(例えば、弁部分内に生物膜を形成した微生物またはタンパク質の堆積によって)、内部に光ファイバーケーブル(不図示)を有するカニューレを皮膚を介して光ポート内に前進させることができる。好ましくは、光ファイバーケーブルの先端部を、チューブの内側チタニア層と構造要素内に形成されたチタニア層との間のほぼ中間位置まで前進させる。UV光源が作動すると、UV光がチューブのチタニア層及び構造要素のチタニア層の両方を効果的に照射し、これによりROSが生成される。次いで、これらのROSが、弁部分内の生物膜、細菌、またはタンパク質様物質を酸化し、シャントの障害物が効果的に取り除かれる。
【0180】
水頭症シャントが皮膚の表面から約4mmの深さDに位置し、光触媒層が窒素がドープされたチタニアから形成されている(従って、600nmまでの光で作動し得る)ことが分かっている場合、600nmの光で光触媒層を照射して装置を経皮的に処置できることを留意されたい。この実施形態では、光収集面を用いて、この600nmの光を皮膚の表面のすぐ下側で受光し、シャント内にこの光を分散させる。上記したように、この600nmの波長の光は、約4mmの刺入深さを有すると考えられている。従って、ある実施形態では、シャントを取り出したり患者の皮膚を傷つけたりしないでシャントを治療処置することができる。
【0181】
ある実施形態では、過酸化水素を、光ポートまたは上流の流体ポートを介してシャントの閉塞部分に供給する。上記したように、H22は光触媒酸化反応を促進するのに役立つと考えられている。
【0182】
ここで図26を参照すると、従来の水頭症シャントのチタンベースプレート上に設けられた光触媒層634が示されている。
【0183】
ある実施形態では、PCO法が標的細菌コロニーに効果的に作用して、コロニーの少なくとも50%、より好ましくは少なくとも90%、更に好ましくは少なくとも99%が除去される。
【0184】
ある実施形態では、PCO法により、標的細菌が、効果的、本質的、そして完全に二酸化酸素と水に酸化される。
【0185】
ある実施形態では、PCOユニットによって生成されるROSが、反応ゾーンを殺菌するのに十分な量、その反応ゾーンに存在する。一般に、光触媒反応する傾向にある細菌には、限定するものではないが、上皮ブドウ球菌が含まれる。狂牛病及びエイズに関与する微生物も本発明の範囲内である。上皮ブドウ球菌は、正常な皮膚フローラから患者の体内に侵入する。このようなタイプの細菌は、インプラントの表面に生物膜を形成する傾向にある。
【0186】
ある実施形態では、PCOユニットによって生成されるROSが、反応ゾーンを滅菌するのに十分な量、その反応ゾーンに存在する。反応ゾーンの滅菌は、細菌に加えて胞子も死滅させることを意味する。
【0187】
ここで図27を参照されたい。ある実施形態では、本発明のシャント1が設けられている。このシャントでは、触媒層5は、チタンを含む基材3を酸化して少なくとも0.2μmの厚みTHを有する光触媒チタニア層を形成して得られる。
【0188】
本発明の実施態様は以下の通りである。
(1)水頭症を治療する方法であって、(a)表面を有する構成要素を備えた水頭症シャントを人の頭蓋骨内に挿入するステップと、(b)前記構成要素の表面に活性酸素種を生成するステップとを含むことを特徴とする方法。
(2)前記構成要素表面が光触媒材料を含むことを特徴とする実施態様(1)に記載の方法。
(3)前記構成要素表面が光触媒層を含むことを特徴とする実施態様(2)に記載の方法。
(4)活性酸素種を生成する前記ステップが、光ファイバーケーブルからの光で前記光触媒層の表面を照射するステップを含むことを特徴とする実施態様(2)に記載の方法。
(5)活性酸素種を生成する前記ステップが、光ファイバーケーブルからの光で前記光触媒層の表面を遠隔的に照射するステップを含むことを特徴とする実施態様(2)に記載の方法。
【0189】
(6)前記構成要素表面が基端カテーテルの表面であることを特徴とする実施態様(1)に記載の方法。
(7)前記構成要素表面が先端カテーテルの表面であることを特徴とする実施態様(1)に記載の方法。
(8)前記構成要素表面が弁の構成要素の表面であることを特徴とする実施態様(1)に記載の方法。
(9)前記活性酸素種(ROS)が、シャントの近傍に存在する微生物を死滅させるのに十分な量、生成されることを特徴とする実施態様(1)に記載の方法。
(10)前記ROSが、前記シャントの内腔内に存在する有機物を酸化するのに十分な量、生成されることを特徴とする実施態様(1)に記載の方法。
【0190】
(11)前記ROSが、前記シャントの近傍の炎症を軽減するのに十分な量、生成されることを特徴とする実施態様(1)に記載の方法。
(12)前記構成要素表面が銀のコーティングを含むことを特徴とする実施態様(1)に記載の方法。
(13)前記構成要素表面が光触媒コーティングを含むことを特徴とする実施態様(1)に記載の方法。
(14)ROSを生成する前記ステップが、前記構成要素表面を介して電圧を加えるステップを含むことを特徴とする実施態様(1)に記載の方法。
(15)光触媒材料を含むカテーテルを有することを特徴とする水頭症シャント。
【0191】
(16)前記光触媒材料が半導体酸化物を含むことを特徴とする実施態様(15)に記載のシャント。
(17)前記半導体酸化物が、アナターゼ、ルチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される二酸化チタンを含むことを特徴とする実施態様(16)に記載のシャント。
(18)前記光触媒材料がドーパントを含むことを特徴とする実施態様(15)に記載のシャント。
(19)前記光触媒材料が前記カテーテルの内面に存在することを特徴とする実施態様(15)に記載のシャント。
(20)前記光触媒材料が前記カテーテルの外面に存在することを特徴とする実施態様(15)に記載のシャント。
【0192】
(21)前記カテーテルが、内面、外面、及び前記外面と前記内面とを連通させる入口孔を含み、前記光触媒材料が前記入口孔の内面に存在することを特徴とする実施態様(15)に記載のシャント。
(22)前記カテーテルが、前記光触媒材料を含む複合材料から形成されていることを特徴とする実施態様(15)に記載のシャント。
(23)前記複合材料がポリ(ジメチルシロキサン)を含むことを特徴とする実施態様(22)に記載のシャント。
(24)前記光触媒材料がチタニアを含むことを特徴とする実施態様(23)に記載のシャント。
(25)前記光触媒材料が0.1vol%〜30vol%の前記複合材料を含むことを特徴とする実施態様(23)に記載のシャント。
【0193】
(26)前記カテーテルがポリ(ジメチルシロキサン)を含むことを特徴とする実施態様(15)に記載のシャント。
(27)導波管を含むカテーテルを有することを特徴とする水頭症シャント。
(28)前記導波管が少なくとも1つのファイバーを含むことを特徴とする実施態様(27)に記載のシャント。
(29)前記ファイバーがガラスを含むことを特徴とする実施態様(28)に記載のシャント。
(30)前記ファイバーがポリマーを含むことを特徴とする実施態様(28)に記載のシャント。
【0194】
(31)前記ポリマーが、シリコーン、ウレタン、アクリル、及びポリカーボネートからなる群から選択されることを特徴とする実施態様(30)に記載のシャント。
(32)前記カテーテルが、移送されるCSFに適合された第1の内腔、及び前記導波管を移送するための適合された第2の内腔を含むことを特徴とする実施態様(27)に記載のシャント。
(33)前記第2の内腔が、その内部に光ファイバーケーブルを有することを特徴とする実施態様(32)に記載のシャント。
(34)更に、前記導波管に光を伝送するように適合された光ポートを含むことを特徴とする実施態様(30)に記載のシャント。
(35)前記導波管が、 nm(UV)の光に対して少なくとも90%の透過率を有することを特徴とする実施態様(30)に記載のシャント。
【0195】
(36)前記カテーテルが複合材料からなり、前記導波管が前記複合材料の成分として存在することを特徴とする実施態様(27)に記載のシャント。
(37)前記複合材料の前記導波管成分が酸化ガラス(glass oxide)を含むことを特徴とする実施態様(36)に記載のシャント。
(38)前記複合材料の前記導波管成分がポリマーであることを特徴とする実施態様(36)に記載のシャント。
(39)更に、前記導波管に光を伝送するように適合されたLEDを含むことを特徴とする実施態様(27)に記載のシャント。
(40)光源を含むことを特徴とする水頭症シャント。
【0196】
(41)前記光源がLEDであることを特徴とする実施態様(40)に記載のシャント。
(42)前記光源がUV光を伝送するように適合されていることを特徴とする実施態様(40)に記載のシャント。
(43)前記光源がAlGaNを含むことを特徴とする実施態様(40)に記載のシャント。
(44)前記光源がバッテリーで動作することを特徴とする実施態様(40)に記載のシャント。
(45)更にアンテナを含み、前記光源が前記アンテナによって電力供給されることを特徴とする実施態様(40)に記載のシャント。
【0197】
(46)更にカテーテルを含み、前記光源が前記カテーテルに光を伝送するように適合されていることを特徴とする実施態様(40)に記載のシャント。
(47)前記カテーテルが更に導波管を含み、前記光源が前記導波管に光を伝送するように適合されていることを特徴とする実施態様(46)に記載のシャント。
(48)更に、基端カテーテル及び先端カテーテルを含み、前記光源がこれらのカテーテルの間に配置されていることを特徴とする実施態様(40)に記載のシャント。
(49)更に、弁を有するハウジングを含み、前記ハウジングが前記基端カテーテルと前記先端カテーテルとの間に配置されていることを特徴とする実施態様(48)に記載のシャント。
(50)前記ハウジングが前記光源を含むことを特徴とする実施態様(49)に記載のシャント。
【0198】
(51)前記光源がハウジングの外部にあることを特徴とする実施態様(49)に記載のシャント。
(52)前記光源が前記ハウジングの基端側に配置されていることを特徴とする実施態様(51)に記載のシャント。
(53)光触媒材料を有するカテーテル構成要素及び弁構成要素を含む水頭症シャントの製造方法であって、(a)前記カテーテル構成要素を前記弁構成要素に取り付けるステップを含むことを特徴とする方法。
(54)前記カテーテル構成要素が表面を有する基材を含み、前記光触媒材料が前記表面にコーティングされていることを特徴とする実施態様(53)に記載の方法。
(55)前記コーティングがゾル・ゲルコーティングであることを特徴とする実施態様(54)に記載の方法。
【0199】
(56)前記コーティングが超音波処理によって形成されることを特徴とする実施態様(54)に記載の方法。
(57)光ポートを含むことを特徴とする水頭症シャント。
(58)更に、基端カテーテル及び先端カテーテルを含み、前記光ポートがこれらのカテーテルの間に配置されていることを特徴とする実施態様(57)に記載のシャント。
(59)更に弁を有するハウジングを含み、前記ハウジングが前記基端カテーテルと前記先端カテーテルとの間に配置されていることを特徴とする実施態様(58)に記載のシャント。
(60)前記ハウジングが前記光ポートを含むことを特徴とする実施態様(59)に記載のシャント。
【0200】
(61)前記光ポートが前記ハウジングの外部にあることを特徴とする実施態様(59)に記載のシャント。
(62)前記光ポートが前記ハウジングの基端側に配置されていることを特徴とする実施態様(59)に記載のシャント。
(63)銀のコーティングが施された表面を有するカテーテルを含むことを特徴とする水頭症シャント。
(64)前記銀のコーティングが前記カテーテルの内面に存在することを特徴とする実施態様(63)に記載のシャント。
(65)前記銀のコーティングが前記カテーテルの外面に存在することを特徴とする実施態様(63)に記載のシャント。
【0201】
(66)前記カテーテルが、内面、外面、及び前記内面と前記外面とを連通させる入口孔を含み、前記銀のコーティングが前記入口孔の表面に存在することを特徴とする実施態様(63)に記載のシャント。
(67)前記カテーテルが銀を含む複合材料から形成されていることを特徴とする実施態様(63)に記載のシャント。
(68)前記複合材料がポリ(ジメチルシロキサン)を含むことを特徴とする実施態様(67)に記載のシャント。
(69)形状記憶合金を含むカテーテルを有する水頭症シャント。
(70)前記形状記憶合金が前記カテーテルの外面に存在することを特徴とする実施態様(69)に記載のシャント。
【0202】
(71)前記形状記憶合金がニッケル及びチタンを含むことを特徴とする実施態様(70)に記載のシャント。
(72)前記形状記憶合金の一部が酸化結晶層であることを特徴とする実施態様(71)に記載のシャント。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1A】本発明の水頭症シャントの組立分解図である。
【図1B】図1Aの脳室カテーテルの断面図である。
【図2】Aは閉塞したカテーテルの処置を示す図である。Bは図2Aの線B−Bに沿って見た脳室カテーテルの断面図である。
【図3】光触媒材料を含む脳室カテーテルの断面図である。
【図4】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図5】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図6】LED及び内部アンテナを有する本発明のシャントの模式図である。
【図7】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図8】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図9】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図10】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図11】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図12】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図13】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図14】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図15A】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図15B】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図15C】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図15D】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図15E】光触媒材料を含む別の脳室カテーテルの断面図である。
【図16】ドーパントが注入された酸化表面を有するチタンインプラントの表面部分の断面図である。
【図17】中間導波層及び上部光触媒層を有するインプラントの一部の断面図である。
【図18A】導波管及び光触媒材料を含む複合材料コーティングを有するインプラントの一部の断面図である。
【図18B】インプラントの基材内に分散された光触媒材料及び導波管を含む複合材料を有するインプラントの一部の断面図である。
【図19】光ファイバーケーブルを含む針の断面図である。
【図20】光ファイバーを結合するためのポートを有するインプラントの一部の断面図である。
【図21】導波層、光触媒層、及び外側反射層を有するインプラントの一部の断面図である。
【図22】下部導波層、中間反射層、及び外側多孔性光触媒層を有する本発明の好適なインプラントを示す図である。
【図23】テレメトリによって電力供給される移植された光触媒シャントを示す斜視図である。
【図24】本発明のシャントの模式図である。
【図25】皮膚下に埋め込まれた本発明の弁付きシャントの一実施形態を示す図である。
【図26】皮膚下に埋め込まれた本発明の好適な水頭症シャントの実施形態を示す模式図である。
【図27】シャントのチタン構成要素の、厚いチタニア層を生成するために酸化された、表面の一部の断面図である。
【符号の説明】
【0204】
3 基材
7 光触媒層
8 半導体材料
9 ドーパント
21 導波管
23 光触媒層
25 光透過材料
27 複合材料
31 反射面
32 反射層
41 針
42 バレル
43 内腔
45 先端開口
47 針先端部
49 導波管
51 内側光触媒表面
53 外側光触媒表面
61 光ポート
63 基端受容部分
65 貫通孔
67 中間シール
69 先端バレル部分
71 先細外周部
101 光源
103 光ファイバーケーブル
222 外部制御装置
224 無線周波エネルギー源
230 アンテナ
234 LED
301 無線周波数コイル
305 バッテリー
303 制御回路
401 シリコーンチューブ
403 シリコーンチューブ内面
405 シリコーンチューブ外面
407 光触媒材料層
409 環状面
411 入口孔
413 基材
415 光触媒材料
443 構造要素
445 チューブ
447 外側チューブ
448 弁構成要素
451 アンテナ
453 LED
454 内側光触媒層
455 光ポート
459 アンテナ
464 チューブ
465 CSF移送内腔
467 光ファイバー移送内腔
469 光ファイバーケーブル
471 チューブ材料
475 導波管
477 反射材料層
634 光触媒層
710 水頭症シャント
712 ハウジング
714 弁機構
716 入口ポート
718 出口ポート
720 ドーム型レザバー
721 脳室カテーテル
722 通路
729 内腔
733 入口孔
735 光触媒材料層
741 排液カテーテル
746 出口孔
750 針
【出願人】 【識別番号】500140415
【氏名又は名称】コドマン・アンド・シャートレフ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Codman & Shurtleff, Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham, Massachusetts 02767−0350, U.S.A.
【出願日】 平成17年6月29日(2005.6.29)
【代理人】 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭

【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延

【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭

【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音

【公開番号】 特開2006−15152(P2006−15152A)
【公開日】 平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願番号】 特願2005−190404(P2005−190404)