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【発明の名称】 空気清浄機及びその運転方法
【発明者】 【氏名】中尾 勇志
【住所又は居所】東京都渋谷区広尾5丁目4番3号 ミドリ安全株式会社内

【氏名】深田 草平
【住所又は居所】東京都渋谷区広尾5丁目4番3号 ミドリ安全株式会社内

【要約】 【課題】空気清浄機に備えた吸着手段の脱離処理を行うとき、脱離したガスが周囲に漏洩するようなことなく、また吸着手段の脱離処理及び空気清浄機の運転を効率よく行うことのできる空気清浄機及びその運転方法を提供する。

【解決手段】筐体5に備えた吸込口15から吸入した空気中のVOCを吸着除去するための吸着手段23を前記筐体5内に備えた空気清浄機であって、前記吸着手段23を、前記吸込口15から空気を吸入して前記筐体5外へ排出する捕集流路と、前記吸着手段23に吸着したVOCを脱離するための脱離流路とへ移動可能に備え、前記脱離流路には、前記吸着手段23を収容し加熱するための加熱室25を備えており、前記加熱室25には、前記吸着手段23から脱離したVOCを分解するためのガス分解除去装置37又は加熱室25内のVOCを吸引し屋外に排出するための吸引排出手段75が接続してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に備えた吸込口から吸入した空気中のVOCを吸着除去するための吸着手段を前記筐体内に備えた空気清浄機であって、前記吸着手段を、前記吸込口から空気を吸入して前記筐体外へ排出する捕集流路と、前記吸着手段に吸着したVOCを脱離するための脱離流路とへ移動可能に備えていることを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気清浄機において、前記脱離流路には、前記吸着手段を収容し加熱するための加熱室を備えていることを特徴とする空気清浄機。
【請求項3】
筐体に備えた吸込口から吸入した空気中のVOCを吸着除去するための吸着手段を前記筐体内に備えた空気清浄機であって、前記吸込口から空気を吸入して前記筐体外へ排出する捕集流路と、前記吸着手段に吸着したVOCを脱離するための脱離流路側に備えた加熱室とへ移動可能なスライダに前記吸着手段を備え、前記スライダに、前記加熱室の開口部を閉鎖するための断熱蓋を備えていることを特徴とする空気清浄機。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の空気清浄機において、前記加熱室には、前記吸着手段から脱離したVOCを分解するためのガス分解除去装置又は加熱室内のVOCを吸引し屋外に排出するための吸引排出手段が接続してあることを特徴とする空気清浄機。
【請求項5】
請求項1,2,3又は4に記載の空気清浄機において、前記捕集流路の空気流量よりも前記脱離流路の空気流量を小量にしてあることを特徴とする空気清浄機。
【請求項6】
請求項2,3,4又は5に記載の空気清浄機において、前記加熱室に備えたヒータの加熱速度を制御するための制御手段を備えていることを特徴とする空気清浄機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の空気清浄機において、前記捕集流路において前記吸着手段の上流側に、粒子捕集部を備えていることを特徴とする空気清浄機。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の空気清浄機において、前記捕集流路において前記吸着手段の下流側に化学吸着活性炭を備えていることを特徴とする空気清浄機。
【請求項9】
筐体に備えた吸込口から吸入した空気中のVOCを吸着除去するための吸着手段を前記筐体内に備え、この吸着手段を、前記吸込口から空気を吸入して前記筐体外へ排出する捕集流路と、前記吸着手段に吸着したVOCを脱離するための脱離流路とへ移動可能に備え、前記脱離流路側に前記吸着手段を収容して加熱する加熱室を備えた空気清浄機であって、当該空気清浄機に人が近接したことを検知する人体検知センサと、この人体検知センサが人体を検知したときに吸引手段のモータを制御するモータ制御手段と、前記吸着手段を前記捕集流路と前記加熱室との間を往復動するための往復動作手段と、前記加熱室に備えたヒータの加熱速度又は加熱パターンを制御するためのヒータ加熱制御手段とを備えていることを特徴とする空気清浄機。
【請求項10】
請求項9に記載の空気清浄装置において、前記吸着手段を前記加熱室へ移動して吸着したVOCを脱離するための脱離指示手段を備えていることを特徴とする空気清浄機。
【請求項11】
筐体に備えた吸込口から吸入した空気中のVOCを吸着除去するための吸着手段を前記筐体内に備え、この吸着手段を、前記吸込口から空気を吸入して前記筐体外へ排出する捕集流路と、前記吸着手段に吸着したVOCを脱離するための脱離流路とへ移動可能に備え、前記脱離流路側に前記吸着手段を収容して加熱する加熱室を備えた空気清浄機の運転方法であって、当該空気清浄機に人が近接したことを検知したときに吸引動作を行い、脱離操作があったとき又は設定時刻になったとき或は当該空気清浄機の使用時間が設定時間になったとき又は当該空気清浄機の周囲が所定暗さになったとき、前記吸着手段を前記加熱室内に収容して加熱を行い、前記吸着手段からVOCの脱離を行った後、前記捕集流路側の初期位置へ前記吸着手段を戻して、再びVOCの吸着除去を行うことを特徴とする空気清浄機の運転方法。
【請求項12】
請求項11に記載の空気清浄機の運転方法において、前記加熱室内の加熱は、予め設定された加熱速度又は加熱パターンで行うことを特徴とする空気清浄機の運転方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建材、家具、塗料、タバコ煙又は接着剤などにより発生する空気中に含まれるVOC(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物)を吸着除去するためのハニカム活性炭などの吸着手段を備えた空気清浄機に係り、さらに詳細には、前記吸着手段に吸着したVOCを脱離する脱離処理(再生処理)を行って、前記吸着手段を再使用することのできる空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気清浄機において、例えば空気中に含まれるVOCを吸着除去するための活性炭フィルタなどの吸着手段を備え、この吸着手段を加熱することにより、吸着手段に吸着したVOCを脱離して前記吸着手段を再使用することが行われている(例えば特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2000−15038号公報
【特許文献2】特開2004−329499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1に記載されている発明のごとく、吸着手段の上流側に分解手段を備え、前記吸着手段の下流側に加熱手段を備えた構成においては、前記吸着手段に吸着したVOCを脱離するとき、前記加熱手段によって前記吸着手段を加熱し、脱離した汚染ガスを上方向へ移動して前記分解手段によって熱分解する構成である。
【0004】
上記構成においては、前記吸着手段に汚染ガスを吸着する際の空気流路と前記吸着手段から汚染ガスを離脱する際の汚染ガスの流路は共通であり、その流れ方向が逆方向であるから、前記吸着手段から脱離された汚染ガスの一部が熱分解されることなく、空気の吸込口から戻されることがある。
【0005】
前記特許文献2に記載の発明においては、例えばタバコの煙等を含む汚染された空気を流す第1の流路と比較的清浄な空気を流す第2の流路との交差部に、例えば活性炭フィルタ等の被処理ガス吸着濃縮部を備えた構成である。そして、前記第1の流路に空気を一方向に通過することにより被処理ガスを前記被処理ガス吸着濃縮部に吸着して除去し、この被処理ガス吸着濃縮部から被処理ガスを脱離するときには、前記第2の流路に空気を流すと共に前記被処理ガス吸着濃縮部を加熱装置によって加熱する構成である。
【0006】
すなわち、特許文献2に記載の発明においては、第1の通路と第2の通路との交差部に被処理ガス吸着濃縮部を配置した構成であるから、第1の流路を通過する空気を前記被処理ガス吸着濃縮部に導いて処理ガスの吸着を効率よく行うには第2の流路の影響を受けないようにする必要があり、また前記被処理ガス吸着濃縮部を加熱して被処理ガスの脱離処理を行う場合には、脱離した被処理ガスが第1の流路内に入り込まないようにする必要があり、流路の構成が複雑になり易いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、筐体に備えた吸込口から吸入した空気中のVOCを吸着除去するための吸着手段を前記筐体内に備えた空気清浄機であって、前記吸着手段を、前記吸込口から空気を吸入して前記筐体外へ排出する捕集流路と、前記吸着手段に吸着したVOCを脱離するための脱離流路とへ移動可能に備えていることを特徴とするものである。
【0008】
また、筐体に備えた吸込口から吸入した空気中のVOCを吸着除去するための吸着手段を前記筐体内に備えた空気清浄機であって、前記吸込口から空気を吸入して前記筐体外へ排出する捕集流路と、前記吸着手段に吸着したVOCを脱離するための脱離流路側に備えた加熱室とへ移動可能なスライダに前記吸着手段を備え、前記スライダに前記加熱室の開口部を閉鎖するための断熱蓋を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
また、筐体に備えた吸込口から吸入した空気中のVOCを吸着除去するための吸着手段を前記筐体内に備え、この吸着手段を、前記吸込口から空気を吸入して前記筐体外へ排出する捕集流路と、前記吸着手段に吸着したVOCを脱離するための脱離流路とへ移動可能に備え、前記脱離流路側に前記吸着手段を収容して加熱する加熱室を備えた空気清浄機の運転方法であって、当該空気清浄機に人が近接したことを検知したときに吸引動作を行い、脱離操作があったとき又は設定時刻になったとき或は当該空気清浄機の使用時間が設定時間になったとき又は当該空気清浄機の周囲が所定暗さになったとき、前記吸着手段を前記加熱室内に収容して加熱を行い、前記吸着手段からVOCの脱離を行った後、前記捕集流路側の初期位置へ前記吸着手段を戻して、再びVOCの吸着除去を行うことを特徴とするものである。
【0010】
また、筐体に備えた吸込口から吸入した空気中のVOCを吸着除去するための吸着手段を前記筐体内に備え、この吸着手段を、前記吸込口から空気を吸入して前記筐体外へ排出する捕集流路と、前記吸着手段に吸着したVOCを脱離するための脱離流路とへ移動可能に備え、前記脱離流路側に前記吸着手段を収容して加熱する加熱室を備えた空気清浄機であって、当該空気清浄機に人が近接したことを検知する人体検知センサと、この人体検知センサが人体を検知したときに吸引手段のモータを制御するモータ制御手段と、前記吸着手段を前記捕集流路と前記加熱室との間を往復動するための往復動作手段と、前記加熱室に備えたヒータの加熱速度又は加熱パターンを制御するためのヒータ加熱制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、吸着手段に吸着したVOCを脱離するとき、脱離したVOCが捕集流路側へ流出するようなことがなく、前記吸着手段の再生を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る空気清浄機について詳細に説明する。概念的,概略的に示した図1を参照するに、本実施形態に係る空気清浄機1は、複数のキャスタ3を備えた移動可能な筐体5を備えており、この筐体5の内部は画壁7によって空気流路室9と機器格納室11とに区画してある。前記筐体5の上部に備えた天井板13において前記空気流路室9に対応した位置には空気を吸入する吸込口15が設けてあると共に、当該空気清浄機1に人が近接したことを検知する人体検知センサ17が設けられている。
【0013】
そして、前記空気流路室9内の下部には、前記吸込口15から周囲のタバコ煙を含めて大量の空気を吸引するための吸引手段19が備えられている。この吸引手段19は、例えばブロワ等よりなるものであって、前記吸込口15と吸引手段19との間は、前記吸込口15から空気を筐体5内へ吸入して筐体5の外部へ排出する捕集流路に形成してある。そして、この捕集流路の上流側で前記吸込口15に近接した位置には、前記吸込口15から吸入した例えば空気中の粒子成分を除去する粒子捕集部21が備えられている。この粒子捕集部21は、空気中の微粒子を帯電させて静電気により捕集する電気集塵器よりなるものである。なお、この種の電気集塵器は公知であるから、電気集塵器についての詳細な説明は省略する。なお、粒子捕集部はHEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)やULPAフィルター(Ultra Low Penetration Air Filter)などの濾過式や衝突粘着式などを使用することも可能である。
【0014】
前記捕集流路内において前記粒子捕集部21の下流側には、空気中のガス成分、例えばタバコの喫煙時に空気中に放出される、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニコチンなどの揮発性有機化合物(VOC)を吸着除去するための吸着手段23が備えられている。この吸着手段23は、例えばハニカム型活性炭又はゼオライト,二酸化チタン等を備えたフィルタよりなるものである。この吸着手段23の配置位置に対応して前記機器格納室11内には、前記吸着手段23を収容して加熱するための加熱室25が備えられている。
【0015】
この加熱室25は、前記吸着手段23に吸着したVOCを脱離して外部へ排出するための脱離流路の一部を構成するものであって、前記空気流路室9側に開口部27を備えており、この開口部27以外の上下,前後、左右の一側面の5面は断熱部材によって囲繞されている。そして、前記加熱室25内の上下両面には面発熱体としてのヒータ29が備えられている。なお、ヒータ29は、前記加熱室25の全内面に設けることも可能である。
【0016】
前記ヒータ29の加熱時に、前記加熱室25内に上昇気流が生じ易いように、前記加熱室25の下部側(底部)の適数箇所には空気流入孔31が形成してあり、対向する上部側には排気孔33が形成してある。そして、上記排気孔33にはパイプ等のごとき接続路35を介してガス分解除去装置37が接続してある。このガス分解除去装置37は、前記捕集流路を流れる空気量に比較して極めて小量の空気を流して、前記吸着手段23から脱離されたVOCを分解除去する作用をなすものであって、例えば光触媒等の適宜の触媒を備えた構成である。なお、この種のガス分解除去装置37は公知であるから、ガス分解除去装置37の詳細な説明は省略する。なお、熱膨張による流入孔31からのVOCを含む空気の逆流を防ぐために、排気孔33側でポンプなどにより吸引を行なう方がよい。また、流入孔31に逆止弁などを設けてもよい。
【0017】
前記粒子捕集部21の下流側に位置する前記吸着手段23を前記加熱室25内へ移動し収容するために、前記捕集流路と加熱室25との間を往復動可能なスライダ39を備えている。そして、このスライダ39上に前記吸着手段23が着脱可能に載置してある。前記スライダ39は枠体構成であって、このスライダ39の一端側には、前記加熱室25内へ前記吸着手段23を収容(格納)したときに、加熱室25の開口部27を密閉閉鎖するための断熱蓋41が備えられている。
【0018】
前記スライダ39は、前記空気流路室9及び前記加熱室25に亘って設けたガイド部材(図示省略)に移動自在に支持されれているものであって、このスライダ39を移動するために、前記断熱蓋41又はスライダ39に備えたナット部材(図示省略)には、前記筐体5内に回転自在に支持されたボールスクリュー43が螺合してある。そして、このボールスクリュー43の一端部は、筐体5内に備えられたサーボモータのごときモータ45に連結してある。
【0019】
したがって、前記モータ45によってボールスクリュー43を正回転することによりスライダ39,吸着手段23を前記加熱室25内へ移動し格納することができ(図2参照)、逆に前記ボールスクリュー43を逆回転することにより、スライダ39,吸着手段23を加熱室25内から外側へ移動することができる。前述のごとくスライダ39,吸着手段23を加熱室25内へ収容したときには、加熱室25の開口部27は断熱蓋41によって密閉されるものである。
【0020】
なお、前記スライダ39を往復移動するための往復移動機構の構成としては、前述したごときボールネジ機構に限ることなく、例えばロッドレスシリンダ、エアーシリンダ等のごとき流体圧シリンダを採用することも可能である。
【0021】
前記捕集流路内で前記吸着手段23の下流側には、例えばアルデヒド類吸着に特化した化学添着活性炭繊維フィルタよりなる化学吸着活性炭47が配置してある。この化学吸着活性炭47は、前記吸着手段23の補助フィルタをなすものであり、場合によっては省略することも可能である。
【0022】
前述のごとき構成の空気清浄機1の運転を制御するために、空気清浄機1には制御装置49(図3参照)が備えられている。この制御装置49には、例えば操作スイッチ等のごとき入力手段51が接続してあると共に前記人体検知センサ17が接続してある。そして、前記制御装置49には、前記吸引手段19に備えたモータや前記ガス分解除去装置37に備えたモータを制御するためのモータ制御手段53が備えられていると共に、前記粒子捕集部21へ印加する電圧を制御するための印加電圧制御手段55が備えられている。
【0023】
さらに、前記制御装置49には、前記加熱室25内のヒータ29の加熱速度又は加熱パターンを制御するためのヒータ加熱制御手段57が備えられていると共に、このヒータ加熱制御手段57によって加熱パターンを制御する場合の加熱パターンを予め格納したパターンメモリ59A又は加熱速度を制御する場合に、熱電対などのごとき熱センサ61によってフィードバックされる加熱室25の検出温度に基いて、ヒータ29加熱速度を演算する演算手段59Bを格納したメモリ59を備えている。
【0024】
前記パターンメモリ59Aに予め格納された加熱パターンは、例えば図4に示すように、前記吸着手段23を約260℃位まで加熱する昇温モードパターンP1と約260℃位に保持する保温モードパターンP2と所定時間内に冷却する冷却モードパターンP3の各領域の制御パターンが格納されている。この昇温モードパターンP1は、前記ガス分解除去装置37に備えたモータによって加熱室25内の空気を吸引して脱離処理するとき、ヒータ29によって加熱室25内を加熱する際、加熱室25内の空気の熱膨張によって前記ガス分解除去装置へ流入する空気流量が過剰にならないように加熱パターンを適正に制御するパターンであり、前記保温モードパターンP2は、吸着手段23の脱離処理が効果的に行われ得るように、前記吸着手段23を高温のほぼ一定温度に保持するパターンである。そして、冷却モードパターンP3は、吸着手段23を冷却する場合、冷却速度を制御するパターンである。
【0025】
なお、前述のごとくパターン制御した場合の、ガス分解除去装置37の入口及び出口におけるTVOC(総揮発性有機化合物質)の濃度は、予め試験した結果と同様に維持されるものであり、前記吸着手段23に吸着されているVOCは約7時間後にはほぼ零になるものである。前記演算手段59Bによる演算は、熱センサ61により所定時間毎に検出する検出温度に基づいて温度勾配を演算して、前記昇温モードパターンP1,保温モードパターンP2及び冷却モードパターンP3にほぼ倣うようにヒータ29の加熱を演算し制御するものである。
【0026】
さらに、前記制御装置49には、例えば時計手段63又は計時手段65を備えた脱離指示手段67を備えている。前記時計手段63は、例えば22時或は24時など、予め設定された人がいなくなった時刻になると、前記吸着手段23を前記加熱室25内へ移動して吸着したVOCの脱離処理を行うための指示信号を判別手段69へ出力するものである。
【0027】
前記計時手段65は、前回の脱離処理からの経過時間又は空気清浄機1の総使用時間を計時して、予め設定した計時時間になったときに脱離処理を行うための指示信号を判別手段69へ出力するもので、前記時計手段63に代えて使用するもので、必ずしも必要ではなく省略することができる。
【0028】
前記判別手段69は、前記入力手段51の例えばスイッチの操作によって指示信号が入力されたとき、又は前記脱離指示手段67から脱離処理を行うための指示信号が入力されたときに、前記粒子捕集部21の印加を停止すると共に前記吸引手段19による吸引動作を停止し、前記吸引手段23に吸着したVOCの脱離処理を行うべく、前記モータ制御手段53、印加電圧制御手段55及びヒータ加熱制御手段57へ脱離処理開始信号を出力するものである。
【0029】
さて、以上のごとき構成において前記空気清浄機1の運転が開始されると、空気清浄機1に近接した位置に人がいるか否かが判別され(ステップS1)、人体検知センサ17によって近接した人が検知されると、モータ制御手段53によって前記吸引手段19に備えたモータが駆動され、吸引動作が行われる(ステップS2)。この際、印加電圧制御手段55の制御の下に前記粒子捕集部21においては捕集が行われる。
【0030】
前述のごとく吸引手段19が駆動されて吸込口15から周囲のVOCを含んだ大量の空気が吸入されると、空気中の粒子成分は粒子捕集部21において捕集除去される。そして、前記吸着手段23を空気が通過するとき、空気中の多くの揮発性有機化合物(VOC)が吸着手段23に吸着されて除去され、その後に化学吸着活性炭47を空気が通過するときにさらに残ったアルデヒド類などのVOCの除去が行われる。そして浄化された空気が空気清浄機1から外部に排出されることになる。
【0031】
前述のごとく吸引動作が開始された後、前記人体検知センサ17によって人がいるか否かが検知され(ステップS3)、人がいなくなると吸引動作が停止される(ステップS4)。その後、制御装置49に備えた判別手段69において、例えば入力手段51における脱離処理用のスイッチが操作されたかが監視され(ステップS5)、NOの場合にはステップS6において脱離指示手段67から脱離指示信号が出力されたか否かが監視される。
【0032】
前記入力手段51におけるスイッチの操作によって手動的に脱離処理用の指示信号が制御装置49に入力されたこと、又は前記脱離指示手段67における時計手段63(又は計時手段65)から離脱指示信号が出力されたことが判別手段69によって判別されると、モータ制御手段53の制御の下に吸引手段19のモータが停止されると共に印加電圧制御手段55の制御の下に粒子捕集部21の捕集が停止されて吸引動作が停止される。その後、新たにモータ制御手段53の制御の下にモータ45が作動されて吸着手段23が加熱室25内へ移動し収容される(ステップS7)と共に、ガス分解除去装置37に備えたモータが駆動されて加熱室25内の空気の吸引が行われる(ステップS8)。またヒータ加熱制御手段57の制御の下にヒータ29の加熱制御が行われる(ステップS9)。この場合、パターンメモリ59Aに格納された加熱パターンに倣うように加熱制御が行われる。
【0033】
その後、所定の加熱パターンでもって加熱制御が行われたか否か、すなわち脱離処理が終了したか否かが判別手段69によって判別され(ステップS10)、脱離処理が終了すると、前記モータ45が逆回転されて、前記吸着手段23が元の位置へ戻されて(ステップS11)、吸着手段23が再使用可能な状態となる。
【0034】
ところで、脱離処理の指示信号を、入力手段51から手動的に入力する場合、あるいは時計手段63の制御の下に予め設定した時刻になったときに出力する旨説明したが、脱離処理の指示信号は、光センサ71によって制御装置49に入力することも可能である。すなわち、空気清浄機1の周囲の明かりが消灯されて所定以上の暗さになったとき(例えば夜に誰もいなくなって室内の明りが消灯されたとき)に脱離処理の指示信号を出力して脱離処理を開始することも可能である。
【0035】
また、前記説明においては、所定の加熱パターンによるヒータ29の制御が終了したときに脱離処理を終了する旨説明したが、脱離処理時に加熱室25から排出される空気中のVOCをガス検知センサ73によって検知し、このガス検知センサ73の検出値が所定値以下になったときに吸着手段23の脱離処理を終了する構成とすることも可能である。
【0036】
図6は第2の実施形態を示すものである。この第2の実施形態においては、前記ガス分解除去装置37に代えて、ポンプのごとき吸引排出手段75を備えて、加熱室25内のVOCを吸引し屋外に排出する構成としたものである。この構成においても前記実施形態と同様の効果を奏し得るものである。
【0037】
以上のごとき説明より理解されるように、吸着手段23を加熱室25内へ移動し、密閉閉鎖した断熱空間に格納して加熱することにより脱離処理を行うものであるから、加熱室25の熱漏洩が少なく、吸着手段23を効率よく均等的に加温することができ、吸着手段23からの脱離効率、すなわち、再生効率を向上することができる。この際、吸着手段23から脱離したVOCを外部へ漏洩するようなことがなく、周囲環境を良好に維持することができると共に、脱離処理時間を短縮させる効果をもたらすこともできる。
【0038】
また、吸着手段23の脱離処理は、例えば夜中など喫煙者が不在のときに行うことができ、吸着手段23の長寿命化を図ることと空気清浄機の運転とを効果的に行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る空気清浄機の全体的構成を概念的,概略的に示した断面説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る空気清浄機の全体的構成を概念的,概略的に示した断面説明図で、吸着手段を加熱室へ収容した状態が示してある。
【図3】空気清浄機の動作を制御する制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】空気清浄機における加熱室内での吸着手段の加熱パターンを示すパターン説明図である。
【図5】空気清浄機の動作を説明するフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係る空気清浄機を概略的,概念的に示した断面説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 空気清浄機
5 筐体
9 空気流路室
11 機器格納室
15 吸込口
17 人体検知センサ
19 吸引手段(ブロワ)
21 粒子捕集部
23 吸着手段
25 加熱室
29 ヒータ
37 ガス分解除去装置
39 スライダ
41 断熱蓋
47 化学吸着活性炭
49 制御装置
51 入力手段
53 モータ制御手段
57 ヒータ加熱制御手段
59A パターンメモリ
63 時計手段
67 脱離指示手段
69 判別手段
75 吸引排出手段
【出願人】 【識別番号】391009372
【氏名又は名称】ミドリ安全株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区広尾5丁目4番3号
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
【住所又は居所】東京都港区虎ノ門二丁目2番1号
【識別番号】592032430
【氏名又は名称】HOYA CANDEO OPTRONICS株式会社
【住所又は居所】埼玉県戸田市氷川町三丁目5番24号
【出願日】 平成16年12月28日(2004.12.28)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和

【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦

【識別番号】100087365
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 彰

【識別番号】100100929
【弁理士】
【氏名又は名称】川又 澄雄

【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和

【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一

【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄

【公開番号】 特開2006−181262(P2006−181262A)
【公開日】 平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願番号】 特願2004−380748(P2004−380748)