| 【発明の名称】 |
消毒用容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】三上 新太郎 【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジョン株式会社内
【氏名】佐藤 良太郎 【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジョン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ひとつの容器で電子レンジによる消毒と薬液消毒をそれぞれ行うことができる消毒用容器を提供すること。
【解決手段】収容空間を有するケース体11でなり、載置状態と起立状態とを選択して使用するようにした消毒用容器10であって、前記ケース体が、前記載置状態において、扉部20の幅方向Xが、奥行き方向Yに対して僅かに長く仮想の水平断面がほぼ正方形でなり、左右側壁部に露出した把持部40を有し、奥行き方向Yに移動されるトレー体30と、前記ケース体の前記載置状態においては、前記トレー体よりも上の位置で、前記起立状態においてほぼ下向きとなる箇所に、開閉部材50によって開閉されるように設けられた水抜き孔70とを有しており、前記収容空間の前記扉部側の投影面積が、前記起立状態における前記収容空間の底面側の投影面積よりも大きくなるようにされている消毒用容器。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に消毒対象物を収容する収容空間を有するケース体でなり、このケース体を開閉する扉部が前面に位置する載置状態と、前記扉部により開閉される開口部を上方に向けた起立状態とを選択して使用するようにした消毒用容器であって、 前記ケース体が、 前記載置状態において、前記扉部を手前とした場合の扉部の幅方向が、奥行き方向に対して僅かに長く、仮想の水平断面がほぼ正方形でなり、左右側壁部に露出した把持部を有しており、 前記扉部を手前とした場合に、奥行き方向に移動されて前記収容空間に挿脱されるトレー体と、 前記ケース体の前記載置状態においては、前記トレー体よりも上の位置で、前記起立状態においてほぼ下向きとなる箇所に、開閉部材によって開閉されるように設けられた水抜き孔と を有しており、 前記収容空間の前記扉部側の投影面積が、前記起立状態における前記収容空間の底面側の投影面積よりも大きくなるようにされている ことを特徴とする消毒用容器。 【請求項2】 前記ケース体は、少なくとも前記起立状態における底面と側面との突き合わせ角部が曲面状に形成されていて、前記水切り孔が、前記曲面の一部を平坦状とした箇所に設けられており、この水切り孔に取り付けられる前記開閉部材自体、および/または開閉部材と前記水切り孔の周縁近傍との間に弾性体が配置されて、前記水切り孔を密閉するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の消毒用容器。 【請求項3】 前記開閉部材が、前記ケース体の内側から前記水切り孔に緊密に挿入される密閉部と、前記ケース体のガイド部に対して、前記ケース体の外側から、前記水切り孔を完全に塞がない状態で嵌合される嵌合部とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の消毒用容器。 【請求項4】 前記ケース体には、前記開閉部材を前記ケース体の外側から前記嵌合部を用いて嵌合させた状態において、前記開閉部材の前記嵌合部とは異なる領域を仮固定する固定手段が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の消毒用容器。 【請求項5】 前記開閉部材の前記密閉部が前記水切り孔に挿入された結合力は、前記開閉部材の前記嵌合部が前記ガイド部に嵌合された結合力よりも強くなるように設定されていることを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載の消毒用容器。 【請求項6】 前記開閉部材の前記密閉部が、この開閉部材の一面に形成され、前記嵌合部が前記一面と異なる他の面に形成されていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の消毒用容器。 【請求項7】 前記嵌合部が前記ガイド部に結合された状態で、この嵌合部及びガイド部が前記ケース体の内部と外部とを連通する小開口を形成する構成としたことを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の消毒用容器。 【請求項8】 前記ガイド部が、前記水切り孔の周縁に沿って設けられた複数のリブを有することを特徴とする請求項7に記載の消毒用容器。 【請求項9】 前記開閉部材が、前記ケース体の内側から前記水切り孔に緊密に挿入される前記水切り孔の内径よりも僅かに大きな外径を有し、前記水切り孔の中心に向かって変形する変形部を備える密閉突起部と、前記ケース体の外側から前記水切り孔に挿入される前記密閉突起部よりも僅かに小さな外径を有し、前記水切り孔の中心に向かって、前記密閉突起部の変形部よりも変形度合いの大きな変形部を備える嵌合突起部とを有していることを特徴とする請求項2に記載の消毒用容器。 【請求項10】 前記開閉部材が、前記水切り孔の孔深さの方向に沿って進退される構成であり、さらに、進退位置に応じて、前記水切り孔を密閉し、あるいは別の進退位置で、前記ケース体と外部とを前記水切り孔を部分的に開放して連通させる構成としたことを特徴とする請求項2に記載の消毒用容器。 【請求項11】 前記ケース体の前記左右側壁部に露出した把持部が、水平な面を備える第1の把持部と、垂直な面を備える第2の把持部とを備えており、前記左右側壁部の少なくとも、第1及び第2の把持部に隣接した領域に、側壁突起部が露出して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の消毒用容器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、主として哺乳瓶等を収容して消毒するための消毒用容器に係り、特に、電子レンジ等を用いて簡単に消毒することができる消毒用容器の改良に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、新生児や乳幼児に使用する哺乳瓶や乳首等の付属品を清潔に用いるために、使用に先立ってこれらを消毒する場合、沸騰した湯の中でこれらを加熱消毒したり、蒸し器を利用して湯から生じる蒸気を利用して行うようにしている。 しかし、このような消毒方法は、特に、一般家庭で行う場合には手間がかかり、高温の湯を用いることで、取り扱いに伴う危険もある。 【0003】 このため、電子レンジに挿入できるケース体に、哺乳瓶等を収容して、電子レンジのマイクロ波を用いて消毒できる簡便な消毒用容器も提案されている(特許文献1参照)。 このような従来の消毒用容器では、扉部のついた矩形のケース体に哺乳瓶や付属品を収容して、消毒用容器無いに水を入れ、電子レンジの庫内に挿入して消毒される。この消毒においては、電子レンジのマイクロ波による消毒効果と、さらに、ケース体の中の水が加熱されて、蒸気となり、これによる蒸気消毒及び洗浄を合わせて行うことができるようになっている。 【0004】 【特許文献1】特開平8−187274号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところで、上述の消毒用容器は、電子レンジを使用する簡便なものであるが、例えば、使用者が産院から退院したばかりで、以前に出産経験がない人等である場合には、入院中によく行われている消毒液を用いた哺乳瓶消毒を希望する場合もある。また、使用毎に薬液消毒を必要と感じなくても、何回かの使用により、そのたびに電子レンジ消毒を行う間に、薬液による念入りな消毒をしたい場合もある。 【0006】 このような場合、従来では、電子レンジ消毒に用いる消毒用容器とは別に、薬液消毒用の容器を用意しなければならない。すなわち、電子レンジによる消毒と薬液消毒では手法が異なることから、ケース体等の容器を兼用するための工夫を必要とするもので、そのような工夫がある容器は未だ知られていない。 このため、消毒方法によって、別々の容器を用意することから、費用が嵩み、また、それぞれの収納場所を必要とする等の問題がある。 【0007】 本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、ひとつの容器で電子レンジによる消毒と薬液消毒をそれぞれ行うことができる消毒用容器を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記目的は、請求項1の発明にあっては、内部に消毒対象物を収容する収容空間を有するケース体でなり、このケース体を開閉する扉部が前面に位置する載置状態と、前記扉部により開閉される開口部を上方に向けた起立状態とを選択して使用するようにした消毒用容器であって、前記ケース体が、前記載置状態において、前記扉部を手前とした場合の扉部の幅方向が、奥行き方向に対して僅かに長く仮想の水平断面がほぼ正方形でなり、左右側壁部に露出した把持部を有しており、前記扉部を手前とした場合に、奥行き方向に移動されて前記収容空間に挿脱されるトレー体と、前記ケース体の前記載置状態においては、前記トレー体よりも上の位置で、前記起立状態においてほぼ下向きとなる箇所に、開閉部材によって開閉されるように設けられた水抜き孔とを有しており、前記収容空間の前記扉部側の投影面積が、前記起立状態における前記収容空間の底面側の投影面積よりも大きくなるようにされている消毒用容器により、達成される。 【0009】 請求項1の構成によれば、本発明の消毒用容器は、ケース体を開閉する扉部が前面に位置する載置状態で電子レンジの庫内に収容して電子レンジによる消毒を行い、前記扉部により開閉される開口部を上方に向けた起立状態において、ケース体の中に薬液を収容して薬液消毒を行うものである。 この場合、前記ケース体が、前記載置状態において、前記扉部を手前とした場合の扉部の幅方向が、奥行き方向に対して僅かに長く仮想の水平断面がほぼ正方形としたので、収容物となる哺乳瓶等の出し入れを行い易い。しかも、例えば、円形のターンテーブルを備えた電子レンジの庫内に収容した場合においても、ターンテーブルの円周に対して、ケース体の外形がほぼ内接する形態であり、可能な限り大きな容積を確保しつつ、電子レンジの庫内の壁に接触せず、支障なくターンテーブルを回転させることができる。 【0010】 また、ケース体の左右側壁部に露出した把持部を有していることから、電子レンジの庫内に出し入れする場合にも把手が邪魔にならず、この把手を使用して出し入れの作業がしやすい。 さらに、ケース体の前記扉部を手前とした場合に、奥行き方向に移動されて前記収容空間に挿脱されるトレー体と、前記ケース体の前記載置状態においては、前記トレー体よりも上の位置で、前記起立状態においてほぼ下向きとなる箇所に、開閉部材によって開閉されるように設けられた水抜き孔を有しているので、トレー体に電子レンジ加熱用の水を収容して、トレー体をケース体に収容することができ、加熱消毒後は、前記水抜き孔から不要な湯を捨てることができる。 また、前記収容空間の前記扉部側の投影面積が、前記起立状態における前記収容空間の底面側の投影面積よりも大きくなるようにされている。このため、ケース体を前記起立状態として、内部に薬液を所定量収容した後で、哺乳瓶やその付属品等を薬液内にいれても、液面の急激な上昇が防止されるので、薬液の外部への溢れを防止して、適切に薬液消毒を行うことができる。 【0011】 請求項2の発明は請求項1の構成において、前記ケース体は、少なくとも前記起立状態における底面と側面との突き合わせ角部が曲面状に形成されていて、前記水切り孔が、前記曲面の一部を平坦状とした箇所に設けられており、この水切り孔に取り付けられる前記開閉部材自体、および/または開閉部材と前記水切り孔の周縁近傍との間に弾性体が配置されて、前記水切り孔を密閉するようにしたことを特徴とする。 請求項2の構成によれば、ケース体の前記角部に水切り孔を位置させることで、この角部を目安として下に向けて水切り作業を行うことができ、作業がしやすい。しかもこの角部の曲面の一部を平坦にして水切り孔を設けることで、この平坦領域に前記開閉部材を配置し、それ自体もしくは付属の弾性体を平坦面に密着させることで、水切り孔を閉止する密閉性能を向上させることができる。 【0012】 請求項3の発明は請求項2の構成において、前記開閉部材が、前記ケース体の内側から前記水切り孔に緊密に挿入される密閉部と、前記ケース体のガイド部に対して、前記ケース体の外側から、前記水切り孔を完全に塞がない状態で嵌合される嵌合部とを備えていることを特徴とする。 請求項3の構成によれば、薬液消毒の際には、前記開閉部材の密閉部を、前記ケース体の内側から前記水切り孔に緊密に挿入することで、薬液が外に漏れないように完全に密閉できる。また、電子レンジ消毒の際には、前記ケース体の外側から、前記開閉部材の嵌合部が水切り孔を完全に塞がない状態で嵌合されるので、加熱によるケース体内の圧力を抜くことができるし、消毒後の水切りを行うこともできる。 【0013】 請求項4の発明は請求項3の構成において、前記ケース体には、前記開閉部材を前記ケース体の外側がら前記嵌合部を用いて嵌合させた状態において、前記開閉部材の前記嵌合部とは異なる領域を仮固定する固定手段が形成されていることを特徴とする。 請求項4の構成によれば、電子レンジ消毒に場合において、水抜き孔に前記開閉部材を前記ケース体の外側から前記嵌合部を用いて嵌合させた状態で、さらに開閉部材を仮固定することで、嵌合部による嵌合を解除して、水抜き孔を露出させ水抜きを一度に行った際等に、不用意に、比較的ゆるい嵌合状態が外れて、開閉部材が落ちたり、紛失したりすることが有効に防止される。 【0014】 請求項5の発明は請求項3または4のいずれかの構成において、前記開閉部材の前記密閉部が前記水切り孔に挿入された結合力は、前記開閉部材の前記嵌合部が前記ガイド部に嵌合された結合力よりも強くなるように設定されていることを特徴とする。 請求項5の構成によれば、前記開閉部材は、その密閉部が前記水切り孔に挿入された結合力が強いため、外れにくく、薬液消毒の際に消毒液が漏れることが確実に防止される。また、前記嵌合部が前記ガイド部に嵌合された結合力が、密閉部と比べると弱いために、電子レンジ消毒に際して、着脱が容易で、水切り孔を全部開放して、効率よく水切りを行おうとする場合には、作業が容易となる。 【0015】 請求項6の発明は請求項3ないし5のいずれかの構成において、前記開閉部材の前記密閉部が、この開閉部材の一面に形成され、前記嵌合部が前記一面と異なる他の面に形成されていることを特徴とする。 請求項6の構成によれば、同じ水切り孔やガイド部に挿入される二種類の部材としての密閉部と嵌合部を区別して形成する上で、形成箇所を異ならせるため、形成が容易となり、しかも使用者もこれらを区別しやすくなり、誤装着を有効に防止できる。 【0016】 請求項7の発明は請求項3ないし6のいずれかの構成において、前記嵌合部が前記ガイド部に結合された状態で、この嵌合部及びガイド部が前記ケース体の内部と外部とを連通する小開口を形成する構成としたことを特徴とする。 請求項7の構成によれば、薬液消毒の場合に、誤ってケース体の外側から嵌合部を水切り孔のガイド部に嵌合させた場合には、小開口から直ちに薬液が漏れるので、誤使用を未然に防ぐことができる。また、電子レンジ消毒の際には、加熱によるケース体内の圧力を前記小開口からを抜くことができ、さらに、嵌合部を装着した状態のまま少しづつ水切りする上でも便利である。 【0017】 請求項8の発明は請求項7の構成において、前記ガイド部が、前記水切り孔の周縁に沿って設けられた複数のリブを有することを特徴とする。 請求項8の構成によれば、前記水切り孔の周縁に沿って複数のリブを設けることで、嵌合部を装着するためのガイド部を容易に形成することができる。 【0018】 請求項9の発明は請求項2の構成において、前記開閉部材が、前記ケース体の内側から前記水切り孔に緊密に挿入される前記水切り孔の内径よりも僅かに大きな外径を有し、前記水切り孔の中心に向かって変形する変形部を備える密閉突起部と、前記ケース体の外側から前記水切り孔に挿入される前記密閉突起部よりも僅かに小さな外径を有し、前記水切り孔の中心に向かって、前記密閉突起部の変形部よりも変形度合いの大きな変形部を備える嵌合突起部とを有していることを特徴とする。 請求項9の構成によれば、開閉部材の密閉突起部は前記水切り孔に緊密に挿入されるよう前記水切り孔の内径よりも僅かに大きな外径を有しているので、薬液消毒の際には、薬液が漏れることなく密閉できる。しかも、密閉突起部の変形部が適切に変形することで、大きな外形の密閉突起部が水切り孔に挿入可能とされ、その変形部は嵌合突起部よりも変形度合いが小さいので、密閉状態を強く確実に保持できる。これに対して、開閉部材の嵌合突起部は前記密閉突起部よりも僅かに小さな外径を有しているので、より前記水切り孔への着脱を行い易く、その変形部は前記密閉突起部の変形部よりも変形度合いが大きいので、この点においても、電子レンジ消毒の際に着脱しやすい。そして、密閉突起部と嵌合突起部を開閉部材の互いに異なる面に形成すれば、誤使用が起こりにくい。 【0019】 請求項10の発明は請求項2の構成において、前記開閉部材が、前記水切り孔の孔深さの方向に沿って進退される構成であり、さらに、進退位置に応じて、前記水切り孔を密閉し、あるいは別の進退位置で、前記ケース体と外部とを前記水切り孔を部分的に開放して連通させる構成としたことを特徴とする。 請求項10の構成によれば、開閉部材が進退位置に応じて、ケース体の密閉と開放を選択できるので、操作が簡単で確実である。 【0020】 請求項11の発明は請求項1の構成において、前記ケース体の前記左右側壁部に露出した把持部が、水平な面を備える第1の把持部と、垂直な面を備える第2の把持部とを備えており、前記左右側壁部の少なくとも、第1及び第2の把持部に隣接した領域に、側壁突起部が露出して設けられていることを特徴とする。 【0021】 請求項11の構成によれば、この構成は特に、消毒用容器を電子レンジ消毒と、薬液消毒の別々の用途に共通して使用する上で、さらに便宜となる構成である。すなわち、電子レンジ消毒を行う場合には、例えば、レンジの庫内にあるケース体を引き出す際には、第2の把持部に両手の適当な指をかけることで、手前に引き出すことが容易となる。また、ケース体を持ち上げる際には、第1の把持部の下に両手の適当な指をかけることで、垂直に持ち上げることが容易となる。さらに、薬液消毒の際には、ケース体を起立状態とした時、第2の把持部の下に両手の適当な指をかけることで、垂直に持ち上げることが可能となる。しかも、第1及び第2の把持部に隣接した領域に、側壁突起部が露出して設けられていることから、例えば、電子レンジ消毒の際にケース体外面が熱を持った状態においては、指がかりとなる第1及び第2の把持部を使用する際に、ケース体外面に誤って手が触れても、側壁突起部に接触することで、火傷や熱による不快感を避けることができる。 【発明の効果】 【0022】 以上述べたように、本発明によれば、ひとつの容器で電子レンジによる消毒と薬液消毒をそれぞれ行うことができる消毒用容器を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 以下、この発明の好適な実施形態を添付図面を参照しながら、詳細に説明する
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。 【0024】 図1および図2は、本発明の第1の実施形態による消毒用容器10を示しており、それぞれ扉部を手前にした載置状態において、図1は右側から示す概略斜視図、図2は左側から示す概略斜視図である。 これらの図において、消毒用容器10は、内部に後述する哺乳瓶やその付属品である乳首等の消毒対象物を収容する収容空間を有する箱状の本体であるケース体11を有している。 この消毒用容器10は、図示するような載置状態において、電子レンジ消毒に使用され、後述する起立状態、すなわち、図において背後の面を底面として起立させた状態において、薬液消毒に使用されるようになっている。 【0025】 ケース体11は、図3に示す前面に開口部12があり、この開口部12は、図1及び図2においては、扉部20によって閉止されている。このケース体11は、図1及び図2に示すように、載置状態において、扉部20を手前として、幅方向Xの寸法が、奥行き方向Yに対して僅かに長い直方体形状でなり、左右側壁部14,15にそれぞれ露出した把持部40,40を有している。 【0026】 さらに、この扉部20の下側において、図3に示すように、奥行き方向Yに移動されてケース体11の収容空間である内部空間S内に挿脱されるトレー体30を有しており、このトレー体30上には、消毒対象である例えば哺乳瓶のボトルBが載せられることでセットされるようになっている。具体的には、トレー体30の上面には、2つの凸条を設けることで、例えば3本のボトルが等間隔に配置できるようにされている。 また、図2に示すように、ケース体11の載置状態においては、トレー体30よりも上の位置で、ケース体11の上述した起立状態においてほぼ下向きとなる箇所に、開閉部材50によって開閉されるように設けられた水抜き孔が形成されている。この水抜き孔については、後で詳しく説明する。 【0027】 図3において、ケース体11の内部空間Sにおいて、トレー体30よりも上方の空間には、図4に示す小ケース60が収容される。この小ケース60をケース体11に収容する途中の状態を示したのが図5である。 図4に示されているように、小ケース60は、全体が通気可能な貫通した細かな編み目を備えたバスケット状に形成されており、開閉できるようになっている。小ケース60の内部には、哺乳瓶のボトルBに固定される乳首(人工乳首)Nと、乳首Nを固定するためのキャップK、これに被せるフードF等の付属品が収容されるようになっている。 【0028】 尚、好ましくは、図3のようにトレー体30が3本のボトルBを載置する場合に、乳首Nと、キャップK、フードFは、ボトルBの数に合わせて、3セット分の付属品が小ケース60に収容できるようになっている。この場合、小ケース60の乳首N等を載置する側の面は図22に示すように、編み目が同心の円形をなすように、放射状に連続していることから、乳首Nの内面に確実に蒸気を導くことができる。 このような状態で、消毒用容器10は、電子レンジ(図示せず)の庫内に収容されて消毒が行われるようになっている。 そして、これらの構成、すなわち、ケース体11、扉部20、トレー体30、小ケース60は、電子レンジによる加熱に耐え、消毒に用いる薬液に耐える性質を有し、成形性に優れた丈夫な材質で形成され、例えば、開閉部材50を除き、全て合成樹脂、例えば、PP(ポリプロピレン)で形成することができる。 【0029】 図6は、消毒用容器10の概略平面図であり、トレー体30や小ケース60が挿入された状態が視認できるようにされており、あわせて、電子レンジ(図示せず)のターンテーブルの周縁部Cとの関係が示されている。ここで、図示の円周Cは消毒容器10の外形がほぼ内接する仮想の円周に相当する。図7は、図6のA−A線概略断面図であり、トレー体30と小ケース60が挿入された状態で、それぞれボトルBと付属品であるフードF及び乳首N、キャップKを収容した状態が示されている。図8はケース体11の右側面図である。 【0030】 図6において、消毒用容器10の平面視の形態は、奥行き方向Yよりも幅方向Xが僅かに大きい長方形であるが、むしろ正方形に近い形態である。これにより、円形のターンテーブルCの内側に対して、消毒用容器10の外形、特に、隅部がほぼ内接する形態とされているので、ターンテーブルCの回転を阻害しない範囲で、可能な限りの容積を得るようにされている。すなわち、図6に示される外形と一致する消毒用容器10の仮想の水平断面を実際の設計が許す限り正方形と同等としたものである。 【0031】 また、消毒対象の収容空間である内部空間Sの扉部20側の投影面積が、図において上側の投影面積よりも大きくなるようにされている。つまり、図示の幅W1の寸法が、W2の寸法よりも大きくなるようにされている。このため、ケース体11を後述するように起立状態として、内部空間Sに薬液を所定量収容した後で、哺乳瓶Bやその付属品等を薬液内にいれても、液面の急激な上昇が防止されるので、薬液の外部への溢れを防止して、適切に薬液消毒を行うことができるようになっている。 【0032】 図7に示されているように、ケース体11の内側には、その内部空間Sの上部において、両側壁14,15に、奥行き方向Yに延びるレール状もしくは突条でなる小ケースガイド部13aが形成されている。この小ケースガイド部13a上に、小ケース60の両側面に形成された載置部が載せられて、Y方向に移動可能に載置されるようになっている。同様に、ケース体11の内側には、その内部空間Sの下部において両側壁14,15に、奥行きY方向に延びるレールもしくは突条等でなるトレー体ガイド部13bが形成されている。このトレー体ガイド部13bの下にトレー体30の両側壁上縁が位置することで、トレー体30は奥行きY方向にのみ移動されるようになっている。また、図6ないし図8を参照して理解されるように、ケース体11を構成する各面の突き合わせ箇所は、陵線にそって曲面状に面取りされている。 【0033】 図8には側壁把持部40が示されている。側壁把持部40は、図1及び図2を参照して理解されるように、左右の側壁部14,15に、同じ形態でそれぞれ露出して形成されている。 この側壁把持部40は、図8に示されているように、水平な面を備える第1の把持部41と、垂直な面を備える第2の把持部42とが、それぞれ端部を一体にして、全体としてL字を横にしたような形態を備えている。この第1及び第2の把持部に隣接して、この実施形態では、第1の把持部41と第2の把持部42の内側に側壁突起部43が露出して設けられている。この側壁突起部43は、水平に平行して延びる複数の突条43a,43b,43c,43dを備えている。 【0034】 このような側壁把持部40を備えることにより、消毒用容器10を電子レンジ消毒と、薬液消毒の別々の用途に共通して使用する上で、以下の点で便利である。すなわち、電子レンジ消毒を行う場合には、例えば、レンジの庫内にあるケース体11を引き出す際には、図1及び図2を参照して理解されるように、第2の把持部42に両手の適当な指をかけることで、電子レンジの開口から手前に引き出すことが容易となる。また、ケース体11を持ち上げる際には、第1の把持部41の下に両手の適当な指をかけることで、垂直に持ち上げることが容易となる。さらに、後述する薬液消毒の際には、ケース体11を起立状態とした時、第2の把持部42の下に両手の適当な指をかけることで、垂直に持ち上げることが可能となる。 【0035】 しかも、電子レンジ消毒の際にケース体外面が熱を持った状態においては、指がかりとなる第1及び第2の把持部41,42を使用する際に、ケース体11外面に誤って手が触れても、側壁突起部43に接触することで、火傷や熱による不快感を避けることができる。 そして、側壁突起部43が、前記水平面と平行な方向に延びる複数の突条43a,43b,43c,43dで形成されているので、火傷等の防止のほか、ケース体を持ち上げる際等に指をそえれば、滑り止めとなって、取り落としにくくなる。尚、把持部40は、左右の側壁部14,15を膨らませ、そこに窪みを形成する等により形成してもよく、その場合には、当該窪みに突条等の滑り止めを形成すると好ましい。 【0036】 図9はトレー体30の概略平面図であり、図10は図9のB−B線概略断面図である。トレー体30は、電子レンジによる消毒作業の際に、消毒対象としての主として哺乳瓶Bを載置するもので、好ましくは複数本の哺乳瓶Bを載置可能な凹状の皿のような形態を備えている。これにより、トレー体30は、電子レンジ加熱に必要とされる少量の水を貯留できる容器を兼ねている。 このため、図10に示すように、トレー体30の凹面形状は、扉部20側に配置される先端側が、奥側(図10における右側)よりも僅かに高くされており、手前側に高温の湯がこぼれないようにされている。その底面は、哺乳瓶Bの形態に適合するように、奥側に向かって僅かに傾斜するように形成されている。 【0037】 トレー体30の先端、すなわち、図9の下端、図10の左端位置には、外方に曲面状に突出した手掛かり部31が設けられ、手掛かり部31の周縁31aは下方にリブ状にされることで、その内側に下向きに開放された空間を形成している。 また、トレー体30の内面には、支持手段33が形成されており、後述するように薬液消毒の際に使用される。支持手段33は、小さな2枚の板を底面部から一体に起立させて、これらの間に狭いスリット状の空間を形成したものである。そして、トレー体30の手掛かり部31側が低くされており、後述する薬液消毒時に、薬液の液面に接触することなく支持手段33への着脱ができる。この実施形態では、図9に示すように支持手段33,33として二箇所に形成されており、トレー体30に複数の哺乳瓶Bを載置した際には、隣り合う哺乳瓶Bの間に位置して、哺乳瓶Bを載置する上で邪魔にならない位置に設けられている。そして、この支持手段33,33は、トレー体30の手掛かり部31寄りに設けられ、具体的には、後述する薬液消毒の際の消毒液の液面付近に位置するようにされている。尚、トレー体30の手掛かり部31は、その周縁31aが下方にリブ状となる構成とは異なり、扉部20側に把持部40と同様な突出部を設けることで形成してもよい。 【0038】 さらに、トレー体30の奥側には、幅方向に並んだ複数の支持手段32,32,32が設けられている。この支持手段32,32,32は電子レンジ消毒の際に使用される。 支持手段32は、垂直方向に延びるスリット32aもしくは深い溝を備えており、図11及び図12に示す保持体35を支持するものである。 これらの図において、保持体35は、一方向に長い板体でなるベース38の一面に等間隔な長さ方向に並ぶ円筒状の保持部36,36,36を備えている。この保持部36,36,36は、電子レンジ消毒の対象となる哺乳瓶B等の瓶体の開口部内径よりも小さな外形を備えており、所定の長さを有している。 また、ベース38には、その長手方向の一辺に、それぞれ外方に延びる舌片状の支持片37,37,37が、等間隔に並んで形成されている。 【0039】 以上の構成でなる保持体35は、トレー体30の支持手段32のスリット32aに対して、各支持片37を挿入することで仮固定される。この際、支持片37,37,37の間に位置するベース38も支持手段32,32,32の間に設けられたスリットでなる32b,32bのそれぞれのスリットに入り込むことで、保持体35を確実に保持する。この状態で、トレー体30の上に哺乳銀Bを、その開口部が奥側に向くように載置すると、図7に示されているように、保持部36が各哺乳瓶Bの開口部内に差し入れられるので、トレー体30上で、各哺乳瓶Bが位置ずれをせず、また、水切りのために、起立状態とした際に哺乳瓶Bが倒れないように保持することができるとともに、保持部36が中空の円筒状とされていることに伴い、哺乳瓶B中に蒸気が導かれることになる。このため、保持体35には、消毒可能な数の哺乳瓶Bに対応した数の保持部36が形成されている。 【0040】 図13は、扉部20の概略平面図、図14は扉部20の概略水平断面図、図15は、扉部20の概略右側面図である。 扉部20は、片開き式の扉でなっている。扉部20は、図3で説明したように、ケース体11の開口部12のトレー体30が占める領域を除く開口部面積を開閉する大きさに形成されている。この扉部20は、電子レンジ消毒の場合、トレー体30を移動させて、消毒対象物を出し入れしたり、消毒用の水を投入するとともに、図5で説明した小ケース60を挿脱するためのものであり、後述する薬液消毒の場合には、消毒対象の哺乳瓶Bその他や消毒液を出し入れするためのものである。 【0041】 扉部20の前面には、前方に向かって曲面状に突出する手掛かり部21が形成されている。図15に示されているように、手掛かり部21の周縁21aは下方にリブ状にされることで、その内側に下向きに開放された空間を形成している。そして、図7を参照して理解されるように、この手掛かり部21は、扉部20を閉止した状態において、トレー体30の手掛かり部31の外側に位置するように突出寸法を設定されることによって、トレー体30の飛び出しを防止する係止手段とされている。これにより、ケース体11に収容されたトレー体30の手掛かり部31の外側に、閉止した扉部20の手掛かり部21の周縁21aが当接して、トレー体30が外側にスライドしてしまうことを防止している。 ここで、周縁21aは、扉部20の下縁に沿って、下縁全体に設けられ、トレー体30の先端側(図7の左側)上縁全体を覆い、スライドを防止するとともに密閉性を高めている。また、扉部20の内面には、リブ22が設けられている。このリブ22は、図7に示すように、収容空間S内で、トレー体30の先端側よりも内側に端部が位置しており、扉部20に付着した蒸気によるしずくが、外部に漏れでないようになっている。 【0042】 図13において、扉部20の左端位置には、扉部20を開閉するためのヒンジ部23が設けられ、扉部20の右端位置には、扉部20の掛止手段24が形成されている。 図16(a)は、ヒンジ部23を拡大した断面で示す図であり、図においてヒンジ部23は、支軸23aと、後述する軸受を逃げる空間23bを介して支軸23aと一体に形成されたアーム部23cを備えている。アーム部23cの支軸23a側とは反対の端部は扉部20と一体である。アーム部23aはこの断面において外方に凸となるような曲線状とされている。 【0043】 図6に示すように、扉部20のヒンジ部23を設けた隅部は、消毒容器10の外形がほぼ内接する仮想の円周に対応するターンテーブルCの周縁に近接している。この場合、アーム部23aが曲線状に扉部20の隅部を回り込んで、距離y1だけ奥側にとなる左側壁部14側にオフセットした位置に回動軸が設けられており、ケース体11の側壁14に軸受26が設けられて、この軸受26に支軸23aが装着されている。これにより、ヒンジ部23は外方に突出してターンテーブルCの周縁から外に出た領域に位置しないようにされている。 【0044】 図17は、ヒンジ部23の支軸23aを支持する軸受26の構成例を示している。図示されているように軸受26は、スリット26aを有する複数の割り筒状に形成されている。これにより、使用者が扉部20を開いて、その開き角度が180を超えて大きくなった際には、曲線状のアーム部23cの突出した外面がケース体11の側壁14に当接して、支軸23aが弾性により開いた軸受26のスリット26aから外れるようにされている。これにより、ヒンジ部23の極端に大きな力がかかってヒンジ部23の支軸23aや軸受26が破壊されることを有効に防止できる。 【0045】 図16(b)は、扉部20の掛止手段24を拡大した断面で示す図であり、図において掛止手段24は、内方に向かってほぼ「く」の字状に曲折された掛止片で、その先端部24aは僅かに外側に折れている。掛止手段24の途中には、ケース体11側の右壁部に設けた掛止凸部25が入り込む窓状の孔24bが形成されている。ケース体11の右壁部15に設けられた掛止凸部25は図1に示されており、この掛止凸部25が設けられている位置は、図6で説明した軸受26と同様に、消毒容器10の外形がほぼ内接する仮想の円周よりも内側であるため、掛止手段24は、そのほとんどが右壁部15に位置して、この結果ターンテーブルCの内側に収まり、軸受26とほぼ対称の箇所である。 【0046】 掛止手段24は、その弾性に基づくバネ性により、図16(b)にて矢印に示すように外側に変形することで、掛止凸部25を乗り越えて、さらに掛止凸部25を窓状の孔24bにはめ込まれることで、掛止手段24が内方に向かう矢印に示すように復帰し、扉部20が閉止状態で掛止される。また、扉部20の掛止状態を解除する場合は、掛止手段24の先端部24aに指をかけて、図16(b)の矢印に示す外側に力をかけることで、掛止状態を簡単に解除できる。このトレー体30の移動方向に対する扉部20の閉止状態をたもつための閉止手段である掛止手段24によって、扉部20が不用意に開くことを防ぐとともに、トレー体30が不用意に移動してしまうことを防いでいる。 【0047】 図18および図19は、小ケース60の構成例を示しており、図18は小ケース60の概略斜視図、図19は図18のC−C線概略断面図である。 小ケース30は、消毒対象の付属品等を主に収容する手段であり、図18及び図19に示されているように、浅い箱状のバスケットのような形態である。すなわち、小ケース60は、所定の深さの本体61と、この本体61に対してヒンジを介して開閉される蓋体62を有しており、蓋体62を閉じた状態で形成される内部空間は、図7に示されているように、乳首NやフードF、キャップK等が完全に収容できる大きさとなるようにされている。 【0048】 本体61の上端周縁部は、フランジ状の載置部67とされており、図7で説明したケース本体11の内面に設けられたガイド部13に載置されるようになっている。蓋体62の主面には、多数のスリット62aが形成されており、電子レンジ消毒の際の加熱された水から出る蒸気が通過できるようになっている。 本体61の底面は、固定底面部63と、着脱底面部64とを備えている。固定底面部63と、着脱底面部64には、ともに同様の同心円状のスリット61aが、図示の場合合計6組形成されている。これは一度の消毒対象の個数に対応しており、より多い数でも、少ない数でもよい。ひとつひとつの同心円状のスリットには、それぞれ、乳首NやフードF、キャップKが開口部を伏せた状態で置かれることで、乳首NやフードF、キャップKの内面を含めた表面がスリットを通過する蒸気に好適にさらされるようになっている。 【0049】 図20及び図21は、着脱底面部64を示しており、図20はその概略側面図、図21はその概略平面図である。 着脱底面部64は、後述するように、固定底面部63と同一面となる位置に掛止され、あるいは掛止状態を解除することで取り外すことができるようにされている。 着脱底面部64には、そのひとつの長辺の中央付近に、着脱底面部64の主面と直交する方向に延びるつまみ部65を有しており、着脱作業に利用できるようになっている。着脱底面部64の他の長辺には、この着脱底面部64の主面と同じ方向に延びる一対の支持片66,66が形成されている。後述する薬液消毒の際には、この着脱底面部64を取り外して、その一対の支持片66,66を図6や図10で説明した支持手段33,33の隙間に差し入れることにより、図7に示すように起立状態で薬液消毒する際に取り付けることができる。 【0050】 図22は、ケース体11に設けられる水切り孔の周辺を示す部分概略斜視図である。水切り孔70は、消毒用容器10を載置状態とした場合に、図7に示されているように、実質的にトレー体30よりも高い位置、すなわち、トレー体30に収容される電子レンジ消毒に使用される水が溢れない位置に設定される。また、水切り孔70は、後述する起立状態においては、図22の奥側壁部16が底面となるため、孔がほぼ下向き(斜め下向き)となる箇所に、図2で示した開閉部材50によって開閉されるように設けられている。 これにより、電子レンジ消毒の際には、トレー体30に収容した水が水切り孔70からこぼれることがなく、消毒後には、水切り孔から不要となった湯を排出することができる。また、薬液消毒時には、後述する開閉部材を使用して密閉することで薬液が水切り孔から漏れ出ることがない。 ケース体11を起立させた状態では水切り孔70が底面である奥側壁部16に近接し、下を向くので、湯または水を捨てる際には、完全に残さず捨てる作業が容易である。 【0051】 このような水切り孔70周辺の構造について先ず説明する。 図6ないし図8で説明したように、ケース体11を構成する各面の突き合わせ箇所は、陵線にそって曲面状に面取りされている。図22に示された奥側壁部16と他の面との突き合わせ箇所の少なくとも水切り孔70が形成された突き合わせ箇所もこのような曲面16aとされている。この曲面16aの中央部には、奥側壁部16を底面として、起立状態とした際に、ケース体11の起立状態を支持する支持脚16aが奥側壁部16の四隅に形成されている。 【0052】 また、水切り孔70周辺を保護するために一対のリブ71,71が、ケース体11の載置状態における水切り孔70の上下の箇所に設けられている。 一対のリブ71,71は間に所定の間隔が設けられており、このリブ71とリブ71の間の領域は、曲面16aと異なり平坦面72とされている。この平坦面72に後述する開閉部材50が装着されることで、隙間をつくりにくく、密閉性能をより確実にすることができる。また、平坦面72に後述するガイド部74の構造を形成する上において、曲面にガイド部や孔を形成する場合と比べて、型を用いた成形が容易となる。 【0053】 図23は水切り孔70の周辺を示す拡大して示す平面図、図24は図23のD−D線切断端面図である。 これらの図において、水切り孔70は貫通孔である。水切り孔70の外面側には、その周縁に沿ってガイド部74が形成されている。ガイド部74はその内側と外側を一部連通する壁で形成さる。この実施形態では、ガイド部74は、例えば、水切り孔70の周縁に沿って、例えば、4箇所配置されたリブである。このガイド部74のリブの間には、流路74aが複数箇所形成されている。ガイド部74の高さGTは、少なくとも外側のリブ71,71の高さを超えない高さとされている。ガイド部74の内側には、水切り孔70との間に段部75を形成することで、ガイド部74の内径GL1は、水切り孔70の内径HLよりも大きく形成されている。 さらに、平坦面72のガイド部74及び水切り孔70とずれた位置に固定用ボス73が形成されている。固定用ボス73の高さはガイド部74と同じであることが好ましい。 図23に示されているように、固定用ボス73は外径の縦横比は僅かに相違しており方向性が付与されており、長径側の上面(図24における上端)側には、後述する開閉部材の一部を着脱可能な範囲で係止可能とするためのリブとされている。 【0054】 図25ないし図28は、水切り孔70に装着される水切り孔70の開閉部材50の構成例を示している。 図25は開閉部材50の概略平面図、図26は開閉部材50の概略側面図、図27は開閉部材50の概略底面図、図28は図25のE−E線切断端面図である。開閉部材50は、弾力性のある比較的柔軟で丈夫な材料で形成されており、例えば、シリコン等の成形品で形成されている。 開閉部材50は、一方向に長い板状のベース51と、ベース51の中央付近で、その一面に一体に起立した低い有底の円筒状の中空の密閉部52と、密閉部52と異なる面に一体に起立させて設けた低い有底の円筒状の中空の嵌合部53とを備えている。そして、密閉部52及び嵌合部53の各仮想の中心線C1は一致するようにされている。 【0055】 図26において、密閉部52の外径L1は、図24の水切り孔70の内径HLよりも僅かに大きく、変形することで水切り孔70に緊密に受容されるようになっている。嵌合部53の内径L2は、図24のガイド部74の外径GL2よりも僅かに小さく、変形することでガイド部74に嵌合されるようになっている。また嵌合部53の内側に設けられた凸部53cの外径L3は、図24のガイド部74の内径GL1よりもわずかに小さく、凸部53cがガイド部74の内側に入り込むようになっている。 また、密閉部52の高さTL1は、図24のガイド部74の高さGTとほぼ一致するか僅かに小さい。これに対して、嵌合部53の高さ、すなわち嵌合部53の基部から先端部53aまでの距離TL2は、ガイド部74の高さGTよりも小さく形成することで、嵌合部53をガイド部74にセットした状態において、ガイド部74及び流路74aの一部が、開閉部材50から露出するようにされ、また、ガイド部74への結合力が密閉部52よりも弱くなるようにされている。 ベース51の一端よりには、図26において、段部54bを介して嵌合部53の上記先端部53aよりも低い位置に、固定用孔54が形成されている。この固定用孔54は、図23及び図24で説明した固定用ボス73が着脱可能に係止されて、開閉部材50を仮固定するためのものである。 【0056】 図29及び図30は、このような開閉部材50を水切り孔70のガイド部74に装着する様子を示しており、図29は開閉部材50を水切り孔70のガイド部74に装着した状態を示す概略平面図、図30は図29のF−F線切断端面図である。 図30に示されているように、電子レンジ消毒の場合には、ケース体の外側から開閉部材50−1として示されたように装着する(あわせて図2参照)。薬液消毒の場合ケース体の内側から、50−2として示されたように装着する。 【0057】 (電子レンジ消毒の場合) 開閉部材50−1は、図30(a)の状態とされる。すなわち、開閉部材50−1は、消毒用容器10の外側から、嵌合部53を空間部53bを中心にむかって変形させるようにして、ガイド部74の外側に装着されている。すなわち、ガイド部74は嵌合部53の内側で凸部53cの外側に受容される。この状態においては、嵌合部53の高さは、ガイド部74の高さよりも低いことから、浅く結合しており、結合力は比較的弱い。したがって、開閉部材50−1をガイド部74に装着するのは容易で、取り外しもしやすい。 この状態においては、嵌合部53の先端部53aと平坦面72との間に、隙間が生じる。この隙間は小開口M1となって、ガイド部54を構成する各リブどうしの間でなる流路74aが、隙間である小開口M1の分だけ露出し、水切り孔70と連通している。 このため、電子レンジ消毒に際して、レンジ加熱の熱で、ケース体の内側の圧力が高まった場合には、流路74a及び小開口M1から空気や蒸気が抜けるので、ケース体内部の圧力が高い圧力となった場合の危険を回避できる。また、流路74aが開口とされているため、電子レンジ消毒後に流路74aから湯を捨てることで水切りすることができる。 【0058】 ここで、この状態においては、開閉部材50−1とガイド部74との結合力は比較的弱いので、なんらかの原因で外れるおそれもある。そこで、固定用孔54に、ケース体側の固定用ボス73を緊密に挿入することで、このような脱落を防止できるように仮止めできるようになっている。また、固定用孔54を固定用ボスに固定することで、湯を捨てて水切りする際に、嵌合部53のガイド部74に対する固定を解除して、水切り孔70を完全に露出させて、短時間で一度に湯を排出してもよい。この時、ベース51の固定用孔54と逆側の端部は、図30(a)に示すように、平坦面72と離間しており、つまみやすくされている。 このため、作業途中において、開閉部材50−1が脱落して紛失する等の心配がないようにされている。 【0059】 (薬液消毒の場合) 開閉部材50−1は、図30(b)の状態とされる。すなわち、開閉部材50−1は、消毒用容器10の内側から、その密閉部52を空間部52aを中心にむかって変形させるようにして、水切り孔70の内側に強制的に挿入されることで、装着されている。つまり、密閉部52は水切り孔70の内側に受容される。この場合密閉部52の外径は水切り孔70の内径より僅かに大きい状態から変形させて、深く挿入されることで結合している。このため結合力は電子レンジ消毒の場合よりもはるかに強い。したがって、開閉部材50−2を水切り孔70から外れにくく、しかも水切り孔70は、密閉部52の筒状の壁で遮蔽されるので、水抜き孔70は完全に密閉される。さらに、ベース51も平坦面72に接触するように形成されているため、確実に密閉することができる。 【0060】 これにより、後述するようにしてケース体を起立状態とし、内部に消毒用の薬液を収容しても、密閉状態は完全であり、外に漏れることがない。しかも、開閉部材50−2は水切り孔70と強固に結合しており、外れにくいので、開閉部材50−2が容易に外れて薬液が外に漏れる心配もない。尚、電離レンジ消毒のために開閉部材を外側セットした図30(a)の状態で、誤って薬液消毒のための消毒液をケース体11内に充填しようとした場合、上述したように、流路74a及び小開口M1から消毒液が漏れるため、ケース体11内に消毒液を保持できないようになっている。 【0061】 図31は、開閉部材の誤った使用を防止するための工夫について説明するための図である。 そもそも、開閉部材50では、図25ないし図31で説明したように、ベース52の異なる面に密閉部52と嵌合部53とを別々に設けたことから、これらを択一的にしか使用できないようにされている。このため、密閉部52と嵌合部53とを区別しさえすれば、誤使用が生じないようにされている。 【0062】 さらに、図31に示されているように、ケース体の外側から開閉部材50−3の密閉部52を挿入しても、密閉部の高さTL1は、ガイド部74の高さGTよりも小さく、また、ガイド部74の内径は密閉部52の外径よりもはるかに大きいので、結合することができない。 あるいは、ケース体の内側から開閉部材50−4の嵌合部53に対応すべきガイド部がケース体11の内面には存在しないため結合することができない。 このようにして、誤使用を防止することができる。 【0063】 本実施形態の消毒用容器10は以上のように構成されており、電子レンジ消毒と薬液消毒の両方に使用することができる。 電子レンジ消毒を行う場合には、消毒用容器10を図1及び図2に示すように載置状態とする。事前の準備として、開閉部材50は、図2及び、詳しくは図30(a)の符号50−1で説明したように装着する。さらに、小ケース60に図4で説明したように、予め洗浄を済ませた付属品として例えば、乳首NとフードF、キャップKを配置しておく。 【0064】 次に、図3に示すように、使用者は、扉部20に対面した状態で、扉部20を開き、トレー体30を手前に引出して、トレー体30に少量の水、例えば50ミリリットル程度を入れ、哺乳瓶のボトルBを配置する。この場合、ボトルB等は予め洗剤等で洗浄しておく。トレー体30には、図11、図12等で説明した保持体35がセットされている。この保持体35を利用してボトルBを位置ずれしないように配置する。特に太いタイプのボトルBでは、3本セットできない場合もある。この場合、特に、一本のボトルBを消毒する場合等では、保持体35によりボトルBを位置決めすると、作業中に位置ずれを生じないので好ましい。 【0065】 次いで、トレー体30を図3のY方向奥側に移動させた後で、図5に示すように、予め付属品を収容した小ケース60を内部空間Sのトレー体30の上にスライドさせて収容する(図7参照)。 扉部20を閉めて、掛止手段24により扉部20を固定して、図示しない電子レンジの庫内を収容する。次いで、電子レンジにより、所定時間、例えば5分程度加熱する。内部空間Sに収容された哺乳瓶Bや付属品は、電子レンジのマイクロ波により加熱消毒されるとともに、トレー体30に入れた水が加熱されて蒸気となり、その蒸気が収容物の内外に接触することで、蒸気消毒されるとともに、付着した微細なゴミ等も除去される。加熱終了後、消毒用容器10を、側壁把持部40,40をそれぞれの手で保持して取り出す。 【0066】 消毒用容器10は熱くなっているので、できるだけ側壁把持部40,40を持つようにして、排水できる場所へ運び、図22の奥側壁部16を下に向けて、図30で説明した流路74a及び小開口M1から湯を捨てる。 最後に、図1の状態、もしくは、後述する起立状態として、清潔な哺乳瓶及び付属品をそのまま保管する。これにより、消毒後の哺乳瓶及び付属品をケース体11内で清潔に保管することができる。 また、図1や図2の状態で保管している場合には、使用のため扉部20を開くと、扉部20の内面に付着していた蒸気による水滴は、重力で下降して図3のリブ22で受けられるので、外にたれて周囲を濡らすおそれがない。 【0067】 次に、消毒用容器10を薬液消毒に使用する場合について、図32ないし図38を参照しながら説明する。 消毒用容器10は、図1や図2のような配置ではなく、図32に概略的に示すように、奥側壁部16を底面として起立した状態の容器として使用する。 先ず、消毒用容器10について扉部20を開いて、トレー体30を取り出し、小ケース60や保持体35を取り外すとともに、開閉部材50を内部空間Sの内側から、図30(b)で説明した符号50−2に示すようにセットする。これにより、ケース体11の内部空間Sは密閉される。この場合、ケース体11の内側に、装着する開閉部材50の外形を縁取りした線等による案内手段を設けておけば、これに従って開閉部材50を装着することができ、装着が容易となる。 こうして、ケース体11の密閉状態を確保した後に、ケース体11の内部空間S内に所定量の水を入れる。この実施形態では、ケース体11内には、例えば、水を3.4リットル入れた場合の液面に対応して目盛りを設けている。さらに、消毒液42ミリリットルを計量し、水に溶かして消毒薬液が準備された状態とすることができる。 【0068】 次に、図32に示すように、哺乳瓶のボトルBをその瓶底をトレー体30に向けるようにして、開口部を上に向けた状態で傾斜させてケース体11に収容する。ボトルBを傾斜させた分、内部空間Sの上部が空くので、その空間に図33に示すように、付属品、例えば、乳首NやフードFを収容する。そして、図35の矢印に示すように、小ケース60の着脱底面部64をつまみ部65を持って取り外し、図9及び図10で説明した支持手段33に、着脱底面部64の支持片37(図12参照)を保持させることで取り付ける。この際、開口部12側の支持手段33が短くされていることで、つまみ部65を持った手を薬液に必要以上に近づけることなく、着脱底面部64をやや傾斜させて保持し、薬液の液面L3に手を触れることなく中蓋として装着することができる。 【0069】 これにより、図36の状態となり、液面L3は、取り付けた着脱底面部64付近位置となる。消毒用の薬液は、次亜塩素酸ナトリウム溶液等の市販のものが使用できる。 これにより、図33に示すように、哺乳瓶のボトルBだけでなく、取り付けた着脱底面部64が押さえ蓋となって、付属品、例えば、乳首NやフードF、キャップKが液面L3より上に浮かないように押さえられて、これらが薬液ML中に完全に浸漬される。 この状態で扉部20を閉めて、例えば1時間程度で薬液の消毒が終了するので、扉部20を開けて、市販のハサミ状の治具等で、哺乳瓶のボトルBや付属品を取り出し、ケース体11内の薬液は、ケース体11を逆さにして、図3の開口部12から流し等に廃棄する。 以上により薬液消毒を完了する。 【0070】 尚、哺乳瓶のボトルBの太さや長さ等のサイズの相違によっては、図36のような使用ができない場合、あるいはより多くのボトルBを消毒する目的等に応じて、図34のように使用してもよい。 図34は、着脱底面部64使用しないで、各ボトルBを横向きにして収容した状態を示しており、ボトルBを横向きにして互い違いに積み、本数を多く消毒する場合を示している。 かくして、消毒用容器10によれば、ひとつの容器で電子レンジによる消毒と薬液消毒をそれぞれ行うことができる消毒用容器を提供することができる。 【0071】 図37は、開閉部材の第1の変形例を示している。 図37ないし図39において、すでに説明した箇所と共通する構成には同じ符号を付して重複する説明は省略する。 図37において、開閉部材80は、上述の開閉部材50と同様の性質をもつ材料で形成されている。 ベース81の一面には、有底の筒状に形成され空隙を有する嵌合突起部82が形成されている。嵌合突起部82は、筒体を構成する材料が内方に変形できる変形部82aとされている。 ベース81の他の面には、嵌合突起部82の仮想の中心線C3とは水平にずれた箇所に仮想の中心線C4を持つ密閉突起部83が形成されている。密閉突起部83は、有底の筒状に形成され空隙を有する形態で、筒体を構成する材料が内方に変形できる変形部83aとされている。 【0072】 開閉部材50と異なるのは、嵌合突起部82も密閉突起部83もともに水抜き孔70に挿入される点である。すなわち、図38に示すようにケース体側の平坦面72には、ガイド部が形成されていない。 そして、密閉突起部83はケース体の内側から水切り孔70に緊密に挿入され、その外径L4は、水切り孔70の内径よりも僅かに大きな外径を有している。 これに対して、嵌合突起部82は、ケース体の外側から水切り孔70に挿入されるようになっており、水切り孔70の内径よりも僅かに大きく、かつ密閉突起部83の外径L4よりも僅かに小さな外径L3を有している。 また、嵌合突起部82の変形部82aは、密閉突起部83の変形部83aよりも、その肉厚を小さくすることによって変形度合いが大きく設定されている。 【0073】 これにより、開閉部材80の密閉突起部83は、水切り孔70に緊密に挿入されるので、薬液消毒の際には、薬液が漏れることなく密閉できる。しかも、密閉突起部83の変形部83aが適切に変形することで、大きな外径の密閉突起部83が水切り孔70に挿入可能とされ、その変形部83aは嵌合突起部82よりも変形度合いが小さいので、密閉状態を適切に保持できる。 これに対して、開閉部材80の嵌合突起部82は密閉突起部83よりも僅かに小さな外径を有しているので、より水切り孔70に挿入しやすく、その変形部82aは密閉突起部83の変形部83aよりも変形度合いが大きいので、この点においても、図38に示す電子レンジ消毒の際に着脱しやすい。尚、この変形例においては、電子レンジ消毒後には、開閉部材80の嵌合突起部82を水切り孔70から外して水切りを行うこととなる。 【0074】 これに加えて、図37に示すように、嵌合突起部82の周囲には、平坦面72の外面と対応した位置決め手段が設けられており、この場合、位置決め手段は嵌合突起部82の周囲に設けたリング状の溝で構成した位置決め溝85である。 一方、図38に示すように、平坦面の外面には、水切り孔70の周囲に、ケース体側の位置決め手段が形成されており、この場合には位置決め手段は水切り孔70の周囲に設けたリング状の凸部77で構成している。 【0075】 これにより、図38に示すように、嵌合突起部82が水抜き孔70に正しく嵌合された際には、水切り孔70の周囲に設けたリング状の凸部77が開閉部材80側の位置決め溝85に受容される。 これに対して、図39に示すように、誤ってケース体の外側から、密閉突起部83を水抜き孔70に挿入しようとすると、水切り孔70の周囲に設けたリング状の凸部77がベース81の表面に当接して、ベース81が平坦面72に密着できなくなる。これにより誤使用を防止することができる。 【0076】 図40及び図41は、ケース体の内側の構造を工夫して誤使用を防止する例を示している。 第2の変形例の開閉部材80を使用する場合に、ケース体の内面に、平坦面72の領域を、制限しておく。すなわち、水切り孔70の中心から半径D1の距離に段部もしくは傾斜段部72aを形成しておく。 これにより、図41に示すように、ケース体の内側から、水切り孔70に対して、誤って嵌合突起部82を挿入しようとすると、開閉部材80が図37で説明したように、嵌合突起部82と密閉突起部83とを水平方向にずらした箇所に形成されているので、ベース81の固定用孔84側端部が、傾斜段部72aと当接してしまう。このため、平坦面72に開閉部材80が密着できないので、ユーザに誤使用を気づかせることができる。 【0077】 図42ないし図44は、開閉部材の第2の変形例を示している。 図42ないし図44において、すでに説明した箇所と共通する構成には同じ符号を付して重複する説明は省略する。 図42において、開閉部材90は、水切り孔の孔深さの方向に沿って進退される構成であり、さらに、進退位置に応じて、水切り孔を密閉し、あるいは別の進退位置で、ケース体と外部とを水切り孔を部分的に開放して連通させる構成としている特徴がある。 【0078】 具体的には、図42に示すように、開閉部材90は、拡径した頭部91と、頭部91から延びるネジ部92と、ネジ部92に長さ方向に形成され、先端まで達するスリット93とを有し、リング状のパッキン94を使用するようにしている。 図43及び図44に示されているように、この場合、水切り孔70は、開閉部材90のねじ部92と螺合する貫通したネジ孔とされている。 また、図43及び図44に示されているように、頭部91の下面のネジ部92基端周縁には段部91aが形成されている。この段部91aの周囲にはリング状のパッキン94が装着されている。水切り孔70の周縁には、段部91aを受容する凹部70aが形成されている。 【0079】 第2の変形例は以上のように構成されており、開閉部材90を閉める方向に回転させると、図43に示すように、ネジ部92は水切り孔70と螺合して深く入り込み、段部91aはケース体側の凹部70aに受容されるとともに、リング状のパッキン94は平坦面72に押し付けられる。これにより、ケース体は完全に密閉されるので、薬液消毒を行うことができる。 これに対して、開閉部材90を開く方向に逆回転させると、図44に示すように、ネジ部92は水切り孔70から後退して外部に移動し、段部91aはケース体側の凹部70aから出て、リング状のパッキン94も平坦面72から離れる。この状態では、ネジ部92のスリット93の一部が小開口M2を形成するので、ケース体の内部空間Sと外部が連通する。これにより電子レンジ消毒を行うことができる。 かくして、開閉部材90が進退位置に応じて、ケース体を密閉できるので、構造が単純でありながら、操作が簡単で確実である。 【0080】 本発明は上述の実施形態に限定されない。 開閉部材は、本発明の原理を利用して、さらに他の構成とすることができる。上述の実施形態における種々の構成は必ずしも全て実施されなくてもよく、一部を省略したり、説明しない他の構成と適宜組み合わせることができる。 本発明の消毒用容器により消毒される対象は哺乳瓶やその付属品に限るものではなく、形態上ケース体に収容できれば、消毒対象の種類はなんでもよい。 【図面の簡単な説明】 【0081】 【図1】本発明の実施形態による消毒用容器を載置した状態における概略斜視図。 【図2】本発明の実施形態による消毒用容器を載置した状態における概略斜視図。 【図3】図1の消毒用容器の扉部を開いてトレー体を引出した状態における概略斜視図。 【図4】図1の消毒用容器に用いる小ケースを開いて付属品を配置した状態を示す概略斜視図。 【図5】図1の消毒用容器の扉部を開いて小ケースを差し入れる、あるいは引出す状態における概略斜視図。 【図6】図1の消毒用容器の概略平面図。 【図7】図6のA−A線概略断面図。 【図8】図1の消毒用容器のケース体の右側面。 【図9】図1の消毒用容器のトレイ体の概略平面図。 【図10】図9のB−B線切断端面図。 【図11】図1の消毒用容器のトレイ体に装着する保持体の概略側面図。 【図12】図1の消毒用容器のトレイ体に装着する保持体の概略平面図。 【図13】図1の消毒用容器の扉部の概略平面図。 【図14】図1の消毒用容器の扉部の概略水平断面図。 【図15】図1の消毒用容器の扉部の概略側面図。 【図16】図1の消毒用容器の扉部のヒンジ部と掛止手段の図であり、(a)はヒンジ部の拡大断面図、(b)は掛止手段の拡大断面図。 【図17】図1の消毒用容器のヒンジ部の支軸を支持する軸受の構成例を示す概略斜視図。 【図18】図1の消毒用容器の小ケースを示す概略斜視図。 【図19】図18のC−C線切断端面図。 【図20】図1の消毒用容器の小ケースの着脱底面部の概略側面図。 【図21】図1の消毒用容器の小ケースの着脱底面部の概略平面図。 【図22】図1の消毒用容器のケース体の水切り孔周辺を示す概略斜視図。 【図23】図22の水切り孔周辺の領域を拡大して示す概略平面図。 【図24】図23のD−D線切断端面図。 【図25】図1の消毒用容器の開閉部材の概略平面図。 【図26】図1の消毒用容器の開閉部材の概略正面図。 【図27】図1の消毒用容器の開閉部材の概略底面図。 【図28】図25のE−E線概略断面図。 【図29】図25の開閉部材を水切り孔周辺に装着した状態を示す概略平面図。 【図30】図29のF−F線概略断面図。 【図31】図25の開閉部材の誤使用の状態を説明する図。 【図32】図1の消毒用容器のケース体に薬液消毒のためにボトルをいれた状態を示す図。 【図33】図1の消毒用容器のケース体に薬液消毒のためにボトルをいれ着脱底面図を装着した状態を示す図。 【図34】図1の消毒用容器のケース体に薬液消毒のためにボトルをいれた他の例を示す図。 【図35】図1の消毒用容器の小ケースの着脱底面部を取り外す状態を示す図。 【図36】図1の消毒用容器のケース体に薬液消毒のためにボトルをいれ着脱底面図を装着した状態を示す概略斜視図。 【図37】図1の消毒用容器の開閉部材の第1の変形例を示す概略断面図。 【図38】図37の開閉部材の正しい使用状態を示す概略断面図。 【図39】図37の開閉部材の誤った使用状態を示す概略断面図。 【図40】図37の開閉部材の正しい使用状態を示す概略断面図。 【図41】図37の開閉部材の誤った使用状態を示す概略断面図。 【図42】図1の消毒用容器の開閉部材の第1の変形例を示す概略分解斜視図。 【図43】図42の開閉部材によりケース体を密閉した状態(薬液消毒)を示す部分断面図。 【図44】図42の開閉部材によりケース体の内部空間を一部外部と連通させた状態(電子レンジ消毒)を示す部分断面図。 【符号の説明】 【0082】 10・・・消毒用容器、11・・・ケース体、20・・・扉部、30・・・トレー体、40・・・側壁把持部、50・・・開閉部材、51・・・ベース、52・・・密閉部、53・・・嵌合部、60・・・小ケース、70・・・水抜き孔
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| 【出願人】 |
【識別番号】000112288 【氏名又は名称】ピジョン株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1
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| 【出願日】 |
平成17年12月5日(2005.12.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096806 【弁理士】 【氏名又は名称】岡▲崎▼ 信太郎
【識別番号】100098796 【弁理士】 【氏名又は名称】新井 全
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| 【公開番号】 |
特開2006−110366(P2006−110366A) |
| 【公開日】 |
平成18年4月27日(2006.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願2005−350731(P2005−350731) |
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