| 【発明の名称】 |
し尿用防臭組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】葭原 崇 【住所又は居所】東京都千代田区大手町2丁目2番1号 日本曹達株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】し尿から発生するアンモニア等の含窒素化合物、硫化水素、メチルメルカプタン等の含硫黄化合物などの悪臭に対する防臭能力に優れるとともに、トイレ、し尿処理施設等に使用する鉄系材料に対する腐蝕をも押さえることができるし尿用防臭組成物を提供すること。
【解決手段】活性ハロゲン原子を有する抗菌剤と、有機酸及びその塩、並びにリン酸誘導体及びその塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有することを特徴とするし尿用防臭組成物である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 活性ハロゲン原子を有する抗菌剤と、有機酸及びその塩、並びにリン酸誘導体及びその塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物とを含有することを特徴とするし尿用防臭組成物。 【請求項2】 活性ハロゲン原子を有する抗菌剤が式(I) 【化1】
[式中、R1は、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、R2は、水素原子、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、Xは、塩素原子又は臭素原子を表す。]で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載のし尿用防臭組成物。 【請求項3】 式(I)で表される化合物が、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、ジブロモ−ニトロ−プロパノール、2−ブロモ−2−ニトロ−エタノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−2−ニトロ−エタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−プロパノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−フェニルエタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2,4−ペンタンジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール、2,2−ジクロロ−2−ニトロ−2−エタノール、2−クロロ−1−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−ブタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2−ブタノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−ブタノール、1−クロロ−1−ニトロ−2−ペンタノール、1,1−ジクロロ−1−ニトロ−2−ヘキサノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−プロパノールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項2記載のし尿用防臭組成物。 【請求項4】 式(I)で表される化合物が、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールであることを特徴とする請求項2記載のし尿用防臭組成物。 【請求項5】 有機酸がカルボン酸誘導体であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のし尿用防臭組成物。 【請求項6】 カルボン酸誘導体が安息香酸であることを特徴とする請求項5記載のし尿用防臭組成物。 【請求項7】 カルボン酸誘導体が酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項5記載のし尿用防臭組成物。 【請求項8】 リン酸誘導体が、リン酸、ヘキサメタリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、1−ヒドロキシエチルデン−1,1−ジホスホン酸、アミノメチレンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ポリリン酸からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載のし尿用防臭組成物。 【請求項9】 塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、又はアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載のし尿用防臭組成物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、し尿用防臭組成物に関し、更に詳しくは、トイレ等のし尿から発生するアンモニア等の含窒素化合物、硫化水素、メチルメルカプタン等の含硫黄化合物などの悪臭を効果的に抑制するとともに、鉄等の金属に対する腐蝕防止効果が著しく改善されたし尿用防臭組成物に関する。 【背景技術】 【0002】 し尿から発生する悪臭物質は、硫化水素等の硫黄化合物とアンモニアとを主成分としている。これらは、排せつ時にし尿中に含まれるものと、排せつ後し尿中に含まれる腸内細菌等の微生物によりし尿の腐敗分解により発生するものとがあり、後者が前者に比べて圧倒的に多い。これらの悪臭を効果的に防臭する方法として2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを有効成分とするし尿用防臭剤が知られている(特許文献1、2)。また、腐蝕防止剤としてアゾール化合物を併用することで金属材料を腐蝕しないし尿脱臭処理剤が知られている(特許文献3)。 【0003】 【特許文献1】特許第2579541号公報 【特許文献2】特開平3−258263号公報 【特許文献3】特公平7−51234号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、特許文献1及び2記載のし尿用防臭剤では、トイレ、し尿処理施設等を腐蝕してしまう問題がある。また、特許文献3記載のし尿脱臭処理剤では、ある程度腐蝕防止効果はあるものの未だ満足するものではなかった。 本発明の課題は、し尿から発生するアンモニア等の含窒素化合物、硫化水素、メチルメルカプタン等の含硫黄化合物などの悪臭に対する防臭能力に優れるとともに、トイレ、し尿処理施設等に使用する鉄系材料に対する腐蝕をも押さえることができるし尿用防臭組成物を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明者らは、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール等の活性ハロゲン原子を有する抗菌剤と、安息香酸誘導体等の有機酸及びその塩、又はリン酸誘導体及びその塩を併用することで、し尿から発生する悪臭に対する防臭能力が落ちることなく、鉄系材料に対する腐蝕防止効果も格段に優れることを見い出し、本発明を完成するに至った。 【0006】 すなわち、本発明は、 (1)活性ハロゲン原子を有する抗菌剤と、有機酸及びその塩、並びにリン酸誘導体及びその塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有することを特徴とするし尿用防臭組成物に関し、 (2)活性ハロゲン原子を有する抗菌剤が式(I) 【0007】 【化1】
【0008】 [式中、R1は、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、R2は、水素原子、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、Xは、塩素原子又は臭素原子を表す。]で表される化合物であることを特徴とする(1)記載のし尿用防臭組成物に関し、 (3)式(I)で表される化合物が、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、ジブロモ−ニトロ−プロパノール、2−ブロモ−2−ニトロ−エタノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−2−ニトロ−エタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−プロパノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−フェニルエタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2,4−ペンタンジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール、2,2−ジクロロ−2−ニトロ−2−エタノール、2−クロロ−1−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−ブタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2−ブタノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−ブタノール、1−クロロ−1−ニトロ−2−ペンタノール、1,1−ジクロロ−1−ニトロ−2−ヘキサノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−プロパノールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする(2)記載のし尿用防臭組成物に関し、 (4)式(I)で表される化合物が、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールであることを特徴とする(2)記載のし尿用防臭組成物に関し、 (5)有機酸がカルボン酸誘導体であることを特徴とする(1)〜(4)いずれか記載のし尿用防臭組成物に関し、 (6)カルボン酸誘導体が安息香酸であることを特徴とする(5)記載のし尿用防臭組成物に関し、 (7)カルボン酸誘導体が酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする(5)記載のし尿用防臭組成物に関し、 (8)リン酸誘導体が、リン酸、ヘキサメタリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、1−ヒドロキシエチルデン−1,1−ジホスホン酸、アミノメチレンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ポリリン酸からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする(1)〜(7)いずれか記載のし尿用防臭組成物に関し、 (9)塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、又はアンモニウム塩であることを特徴とする(1)〜(8)いずれか記載のし尿用防臭組成物に関する。 【発明の効果】 【0009】 本発明のし尿用防臭組成物は、し尿から発生する悪臭に対する防臭能力に優れると共に、鉄系の金属に対する腐蝕防止効果も優れるため、トイレ、し尿処理施設等に使用する鉄系材料を長期にわたって使用することができるので、公衆衛生上、産業上の利用価値は極めて大きい。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 本発明のし尿用防臭組成物は、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤と、有機酸及びその塩、並びにリン酸誘導体及びその塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物(以下、「有機酸等」という。)を含有することを特徴とする。 【0011】 本発明のし尿用防臭組成物に用いるハロゲン化抗菌剤としては、例えば、式(I)で表される化合物、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を併用することができ、これらの中でも、式(I)で表される化合物が好ましい。 【0012】 式(I)で表される化合物中、R1は、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基;フェニル基、ナフチル基等の置換基を有していてもよいアリール基を表す。また、C1〜C12アルキル基及びアリール基の置換基としては、ヒドロキシル基、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基等を挙げることができ、これらの置換基は、1つ又は複数個有していてもよい。複数個有する場合は、同一でも相違なっていてもよい。 【0013】 R2は、水素原子、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、置換基を有していてもよいC1〜C18アルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基は、R1と同義である。 【0014】 式(I)で表される化合物のうち、具体的には、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、ジブロモ−ニトロ−プロパノール、2−ブロモ−2−ニトロ−エタノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−2−ニトロ−エタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−プロパノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−フェニルエタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2,4−ペンタンジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール、2,2−ジクロロ−2−ニトロ−2−エタノール、2−クロロ−1−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−ブタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2−ブタノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−ブタノール、1−クロロ−1−ニトロ−2−ペンタノール、1,1−ジクロロ−1−ニトロ−2−ヘキサノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−プロパノール等を例示することができ、これらは1種又は2種以上を併用することができる。これらのなかでも、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを使用すると、その殺菌作用及びその加水分解生成物であるホルムアルデヒド及び臭化水素酸の防臭作用が相乗的に作用することから、し尿に対する防臭に極めて有効である。 【0015】 また、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤をホスト化合物で包接したものを使用することもできる。包接するホスト化合物としては、空孔部で包接する化合物や結晶格子の間に包接する化合物を挙げることができる。空孔部で包接する化合物の具体例としては、シクロデキストリン類、クラウンエーテル類、シクロファン類、シクロフォスファゼン類、カリックスアレーン類、スフェランド類、シクロトリベラトリレン、トリ−o−チモチド等を挙げることができる。また、結晶格子状に包接するホスト化合物の具体例としては、thiachroman誘導体、perhydrotriphenylene類、9,9’−ビアンスリル類、テトラフェニレン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等を挙げることができ、結晶格子状に包接するホスト化合物の場合、空孔部に包接するホスト化合物に比べ包接能が強いため、放出制御や微粉化に際し好適な化合物となる。 【0016】 有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸等の脂肪族モノカルボン酸;酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸;クエン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、サリチル酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、3,5−ジメチル安息香酸、2,4−ジクロロ安息香酸等の芳香族カルボン酸;ベンゼンスルホン酸などを例示することができ、これらは1種又は2種以上を併用することができる。これらのなかでも安息香酸であるのが好ましい。 【0017】 リン酸誘導体としては、リン酸、ヘキサメタリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、1−ヒドロキシエチルデン−1,1−ジホスホン酸、アミノメチレンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ポリリン酸等を例示することができ、これらは1種又は2種以上を併用することができる。 【0018】 前記有機酸及びリン酸誘導体は、塩であってもよく、塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等を例示することができ、これらの塩は1種又は2種以上を併用することができる。これらの中でもナトリウム塩であるのが好ましい。 【0019】 リン酸誘導体の塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、1−ヒドロキシエチルデン−1,1−ジホスホン酸ナトリウム、アミノメチレンホスホン酸ナトリウム、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等を例示することができる。 【0020】 本発明のし尿用防臭組成物に用いられる活性ハロゲン原子を有する抗菌剤と、有機酸等の配合割合は、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤100重量部に対して、有機酸等が、通常10重量部〜3000重量部、好ましくは30重量部〜2500重量部、より好ましくは50重量部〜2300重量部、特に好ましくは70重量部〜2200重量部の範囲である。 【0021】 本発明のし尿用防臭組成物は、その剤形は特に制限なく、錠剤、粉剤、粒剤等の固体状や、ゲル状、溶媒に溶解・分散した液状等であってよい。液状とする場合、使用する溶媒としては活性ハロゲン原子を有する抗菌剤及び有機酸等を分散・溶解できる溶媒であればいずれのものも使用することができ、水;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、エチレングリコールジアセート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、イソプロピルエーテル、塩化メチレン等を使用することができ、これらは1種又は2種以上を併用することができる。これらの中でも安全面から水を使用するのが好ましい。 【0022】 本発明のし尿用防臭組成物を液状とする場合は、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤の濃度は、通常0.0001〜20重量%、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.005〜5重量%である。また、有機酸等の濃度は、通常0.0001〜50重量%、好ましくは0.001〜40重量%、より好ましくは0.005〜30重量%の範囲である。 【0023】 本発明のし尿用防臭組成物を液状とする場合の好ましいpH値は、1.0〜9.0であり、より好ましくは2.0〜8.5であり、特に好ましくは3.0〜8.2の範囲である。の範囲である。 【0024】 また、本発明のし尿用防臭組成物を液状とする場合は、有機酸の塩は、腐食防止効果及び/又はpH調節剤としての効果を有する。特にpH調節剤としては、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸が優れている。 【0025】 また、本発明のし尿用防臭組成物を固形状にする場合は、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤及び有機酸等以外に不活性な賦形剤を添加するのが一般的である。かかる不活性な賦形剤としては、天然物、合成品のいずれでも使用可能であり、例えばクレー、タルク、珪藻土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、食塩、重曹、ブドウ糖、乳糖、でん粉、セルロース等を挙げることができる。 【0026】 本発明のし尿用防臭組成物には、必要に応じて界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤の添加により、トイレの便器等に付着しているし尿成分に薬剤が浸透しやすくなる。かかる界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤又は両性系界面活性剤を問わずいずれのものも使用することができ、具体的には、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールスルホン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、スルホン化脂肪酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸エステルのスルホン酸エステル塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、高級アルコールエーテルのスルホン酸エステル塩等を挙げることができ、これらを1種又は2種以上を組み合わせたものであってもよいが、好ましくは、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー等の非イオン系界面活性剤を挙げることができる。かかる界面活性剤の使用量は、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤100重量部に対して、0.1重量部〜50重量部であるのが好ましく、0.5重量部〜20重量部であるのがより好ましい。 【0027】 また、本発明のし尿用防臭組成物には、必要に応じて香料を含有させることができ、防臭と同時に芳香を奏するものとすることもできる。かかる香料としては、ミント系香料として、1−カルボン、1−メントン、1−メントールや、ハッカオイル、ペパーミントオイル、スペアミントオイル等の天然精油を挙げることができ、柑橘系香料として、リモネン、シトラール、ジハイドロミセノールや、レモンオイル、オレンジオイル、ライムオイル、グレープフルーツオイル、ベルガモットオイル、レモングラスオイル等の天然精油を挙げることができる。またハーブ系香料として、メチルサリシレート、チモール、1,8−シネオール、リナロール、シトネロール、ゲラニオール、テルピネオール、カンファーや、ユーカリプタスオイル、ゼラニウムオイル、シトロネラオイル等の天然精油を挙げることができ、ウッディー系香料として、a,b−ピネンや、ヒノキオイル、セダーオイル、パインオイル、ヒバオイル等の天然精油を挙げることができる。 【0028】 その他、本発明のし尿用防臭組成物に含有させ得る香料としては、例えば、アルコール系香料として、シス−3−ヘキセノール、テトラヒドロリナロール、β−フェニルエチルアルコール、シンナミックアルコール、アニスアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、フェノキシエチルアルコール、サビネンハイドレート、バクダノール、サンダロール等を挙げることができ、エーテル系香料として、ガラクソリド、ローズオキサイド、リナロールオキサイド、セドランバー、ジベンジルエーテル、アンブロキサン、ジフェニールオキサイド、β−ナフトールメチルエーテル、β−ナフトールエチルエーテル等を挙げることができ、アルデヒド系香料として、シス−3−ヘキセナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ペリラアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘリオナール、リリアール、バニリン、トリプラール等を挙げることができ、ケトン系香料として、ヨノン、メチルヨノン、トナリド、ムスコン、シクロペンタデカノン、カシュメラン、ダマスコン、ダマセノン、シスジャスモン等を挙げることができ、エステル系香料として、酢酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸ネリル、酢酸ベンジル、酢酸テルピニル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ボルニル、酢酸メンチル、酢酸−p−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸−o−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸フェニルエチル、酢酸スチラリル等を挙げることができ、炭化水素系香料として、ジフェニールメタン、ミルセン、サビネン等を挙げることができ、ラクトン系香料として、クマリン、γ−ウンデカラクトン、シクロペンタデカノリド、γ−ノナラクトン等を挙げることができる。 【0029】 また、本発明のし尿用防臭組成物は、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤以外の他の抗菌剤を含有させることができる。かかる他の抗菌剤としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニルウレア、メチロール−ジメチル−ヒダントイン、ジメチルジメチロールヒダントイン、ソルビン酸、フェノキシエタノール、ダイクロサン、トリクロサン、ポビドンヨード、2,2,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェノール、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾロン−3,3,4,4’−トリクロロカルバニリド、1,1’−(ヘキサメチレン−ビス−[5−(4−クロロフェニル)−ビグアニド])−ジグルコネート、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジウム、塩化ベンゼトニウム、ビス−(p−クロロフェニルジグアニド)−ヘキサンジヒドロクロライド、ジイソブチルフェノキシエトキシジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンズアンモニウムクロライド、1,2−ベンズイソチアゾロン−3−オン、ビス−ジメチルチオカーバモイル−ジスルフィド、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)ヒドロクロライド、ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム塩、ジンクビス−(2−ピリジルチオ−1−オキサイド)、イソチオシアン酸エステル等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を併用することができる。 【0030】 以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。 【実施例1】 【0031】 (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 1重量部 安息香酸ナトリウム(腐蝕防止剤成分) 1重量部 水 98重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは7.0であり、硫酸を用いてpHを5.6に調整した。 【実施例2】 【0032】 (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 0.1重量部 安息香酸ナトリウム(腐蝕防止剤成分) 0.1重量部 水 99.8重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは5.5であった。 【実施例3】 【0033】 (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 0.01重量部 安息香酸ナトリウム(腐蝕防止剤成分) 0.01重量部 水 99.98重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは5.8であった。 【実施例4】 【0034】 (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 1重量部 安息香酸ナトリウム(腐蝕防止剤成分) 10重量部 ペポールB−184(東邦化学工業(株)製)(界面活性剤) 0.1重量部 水 88.9重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは7.3であり、硫酸を用いてpHを6.2に調整した。 【実施例5】 【0035】 (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 1重量部 安息香酸ナトリウム(腐蝕防止剤成分) 20重量部 ペポールB−184(界面活性剤) 0.1重量部 水 78.9重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは7.7であり、硫酸を用いてpHを6.2に調整した。 【実施例6】 【0036】 (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 0.1重量部 安息香酸ナトリウム(腐蝕防止剤成分) 0.1重量部 ペポールB−184(界面活性剤) 0.01重量部 水 99.79重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは5.7であった。 【実施例7】 【0037】 (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 0.1重量部 安息香酸ナトリウム(腐蝕防止剤成分) 0.3重量部 ペポールB−184(界面活性剤) 0.01重量部 水 99.59重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは5.9であった。 【実施例8】 【0038】 (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 0.1重量部 安息香酸ナトリウム(腐蝕防止剤成分) 1重量部 ペポールB−184(界面活性剤) 0.01重量部 水 98.89重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは5.9であった。 【実施例9】 【0039】 (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 0.1重量部 安息香酸ナトリウム(腐蝕防止剤成分) 2重量部 ペポールB−184(界面活性剤) 0.01重量部 水 97.89重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは5.6であった。 【実施例10】 【0040】 (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 0.01重量部 安息香酸ナトリウム(腐蝕防止剤成分) 0.03重量部 ペポールB−184(界面活性剤) 0.001重量部 水 99.959重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは6.5であった。 【実施例11】 【0041】 (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 0.01重量部 安息香酸ナトリウム(腐蝕防止剤成分) 0.1重量部 ペポールB−184(界面活性剤) 0.001重量部 水 99.889重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは5.8であった。 【実施例12】 【0042】 (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 0.01重量部 安息香酸ナトリウム(腐蝕防止剤成分) 0.2重量部 ペポールB−184(界面活性剤) 0.001重量部 水 99.789重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは5.5であった。 【0043】 [比較例1] (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 1重量部 水 99重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは6.1であった。 【0044】 [比較例2] (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 0.01重量部 水 99.99重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは6.3であった。 【0045】 [比較例3] (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 0.1重量部 ペポールB−184(界面活性剤) 0.1重量部 水 99.8重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは6.3であった。 【0046】 [比較例4] (防臭組成物の調製) 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(抗菌剤成分) 0.01重量部 ペポールB−184(界面活性剤) 0.001重量部 水 99.989重量部 上記割合で調製した防臭組成物のpHは6.6であった。 【0047】 試験例1(腐蝕防止試験) 実施例1〜12及び比較例1〜4で調製した防臭組成物75gをそれぞれ900mlのサンプル瓶に入れ、JISG3101に規定した鉄の試験片SS400(50×50×1.6mm)を用いて液部に約2cm浸漬するように立たせて置き、25℃で14日間保管し、試験前後で試験片の重量を測定し、試験片の重量変化を求めた。結果を表1に示した。 【0048】 なお、試験片の質量変化は、次の計算式から求めた。 試験片の質量変化=(W−W’)/S ここで、Wは試験前の試験片の質量(mg)、W’は試験後の試験片の質量(mg)、Sは試験前の全表面積(cm2) 【0049】 【表1】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004307 【氏名又は名称】日本曹達株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区大手町2丁目2番1号
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| 【出願日】 |
平成17年7月27日(2005.7.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100113860 【弁理士】 【氏名又は名称】松橋 泰典
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| 【公開番号】 |
特開2006−61684(P2006−61684A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月9日(2006.3.9) |
| 【出願番号】 |
特願2005−217378(P2005−217378) |
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