| 【発明の名称】 |
バルーンカテーテル |
| 【発明者】 |
【氏名】為則 洋一 【住所又は居所】山口県周南市開成町4560 積水化学工業株式会社内
【氏名】丹生谷 雅敏 【住所又は居所】山口県周南市開成町4560 積水化学工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、体内への挿入を容易に行うことができ患者への負担を軽減することができると共に製造も簡単に行えることができるバルーンカテーテルを提供する。
【解決手段】本発明のバルーンカテーテルは、カテーテルとこのカテーテルの一端部に一体的に設けられたバルーンとからなるバルーンカテーテルであって、カテーテル及びバルーンは共に熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる一方、上記バルーンを非加圧状態から0.98×104 Pa加圧した状態における上記バルーンの膨張率が5%以上であると共に、上記カテーテルは、その曲げ弾性率が0.50N/mm以上であることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カテーテルとこのカテーテルの一端部に一体的に設けられたバルーンとからなるバルーンカテーテルであって、カテーテル及びバルーンは共に熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる一方、上記バルーンを非加圧状態から0.98×104 Pa加圧した状態における上記バルーンの膨張率が5%以上であると共に、上記カテーテルは、その曲げ弾性率が0.50N/mm以上であることを特徴とするバルーンカテーテル。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、体内への挿入を容易に行うことができ患者への負担を軽減することができるバルーンカテーテルに関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、体内の狭窄部を拡張したり或いはカテーテルを固定するためにカテーテルの一端部に膨張、収縮可能なバルーンを一体的に設けたバルーンカテーテルが用いられている。このバルーンカテーテルは、そのカテーテルをバルーンが収縮した状態にして体内の目的とする部位に挿入した後、バルーンを膨張させて体内の狭窄部を拡張させ或いはカテーテルの固定を行って患部の治療を行うものである。 【0003】 そして、このようなバルーンカテーテルとしては、特許文献1に、バルーンをフッ素原子を分子の構成元素に含む高分子材料からなる筒状フィルムで形成されたものが提案されているものの、バルーンをフッ素原子を分子の構成元素に含む高分子材料を用いており、カテーテルを構成している高分子材料と異なることから、バルーンとカテーテルとの接続部分の一体化が難しいといった問題点があった。 【0004】 【特許文献1】特開平9−19500号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明は、体内への挿入を容易に行うことができ患者への負担を軽減することができると共に製造も簡単に行えることができるバルーンカテーテルを提供する。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明のバルーンカテーテルは、カテーテルとこのカテーテルの一端部に一体的に設けられたバルーンとからなるバルーンカテーテルであって、カテーテル及びバルーンは共に熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる一方、上記バルーンを非加圧状態から0.98×10 4Pa加圧した状態における上記バルーンの膨張率が5%以上であると共に、上記カテーテルは、その曲げ弾性率が0.50N/mm以上であることを特徴とする。 【発明の効果】 【0007】 本発明のバルーンカテーテルは、カテーテルとこのカテーテルの一端部に一体的に取り付けたバルーンの双方を熱可塑性ポリウレタン樹脂から形成し、同種類の高分子材料を用いていることから、バルーンをカテーテルの一端部に容易に取り付けることができ、バルーンとカテーテルとの接続部分を完全なものとすることができる。 【0008】 そして、本発明のバルーンカテーテルは、そのカテーテルの曲げ弾性率及びバルーンの膨張率を所定範囲内に限定していることから、カテーテルは、体内へ挿入するのに適した腰の強さと体内管壁を傷付けないための柔軟性を有している一方、バルーンは、膨張、収縮の調整が容易であると共に体内粘膜に対する負担を軽減させることができ、よって、本発明のバルーンカテーテルによれば、体内の所望部位に患者の負担を軽減させつつ円滑に挿入することができると共に体内所望部位においてバルーンを精度良く膨張、収縮させて円滑な治療を行うことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 本発明のバルーンカテーテルの一例を図面を参照しつつ説明する。このバルーンカテー テルAは、図1に示したように、熱可塑性ポリウレタン樹脂から形成され且つ内部に一個又は複数個のルーメンが形成された所定長さを有するカテーテル1の一端部に、熱可塑性ポリウレタン樹脂から形成されたバルーン2をその内部にカテーテル1が貫通した状態に一体的に設けられてなり、カテーテル1とバルーン2との接続部分を気密的に一体化してなる。 【0010】 なお、バルーン2内に位置するカテーテル1部分にはその内外方向に貫通する流体流通孔11が貫設されており、この流体流通孔11を通じてバルーン2内に空気を圧入してバルーン2を膨張させる一方、上記流体流通穴11を通じてバルーン2内の空気を抜くことによってバルーン2を収縮させることができるように構成されている。 【0011】 そして、上記バルーンカテーテルAのカテーテル1及びバルーン2を構成している熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ポリイソシアネートとポリオールとの反応による直鎖構造型のポリウレタン樹脂が挙げられ、熱可塑性ポリウレタンエラストマーが好ましい。 【0012】 上記ポリイソシアネートとしてはジイソシアネートが挙げられ、このようなジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。又、上記ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ブタンジエン系ポリマーポリオールなどが挙げられる。 【0013】 このように、バルーンカテーテルAのカテーテル1及びバルーン2の双方を同種類の樹脂、即ち、熱可塑性ポリウレタン樹脂から構成していることから、カテーテル1とバルーン2との接続部分を汎用の手段によって気密的に容易に且つ確実に一体化させることができ、カテーテル1を通じて、バルーン2内に空気を圧入し或いはバルーン2内から空気を抜くことによって、バルーン2を円滑に且つ精度良く膨張、収縮させることができる。 【0014】 なお、カテーテル1及びバルーン2を構成している熱可塑性ポリウレタン樹脂には、カテーテル1及びバルーン2の物性、並びに、カテーテル1及びバルーン2の接合部分の接合に支障をきたさない範囲内において、他の合成樹脂を混合させてもよい。 【0015】 上記カテーテル1とバルーン2との接続部分を気密的に一体化させる手段としては、公知の方法を用いることができ、カテーテル1とバルーン2とを接着一体化することができる接着剤を介してカテーテル1とバルーン2との接続部分を一体化する方法、カテーテル1とバルーン2との接続部分を高周波により溶着一体化する方法などが挙げられる。 【0016】 又、バルーン2を非加圧状態から0.98×104 Pa加圧した状態におけるバルーン2の膨張率は、小さいと、バルーン2の膨張に要する圧力が大きくなり、バルーン2を所望大きさに膨張させる際のバルーン2内圧の微妙な調整が難しくなって、バルーン2を精度良く膨張、収縮させることができなくなるので、5%以上に限定される。 【0017】 なお、バルーン2を非加圧状態から0.98×104 Pa加圧した状態におけるバルーン2の膨張率は下記の要領で測定されたものをいう。先ず、バルーン2を構成している熱可塑性ポリウレタン樹脂材料が伸長しない範囲内において、バルーン2内に空気を送り込み、バルーン2を最大限、膨らませた状態とし、この状態をバルーン2の非加圧状態とする。そして、非加圧状態のバルーン2におけるカテーテル2の径方向の最大外径D1 を測定する。 【0018】 次に、バルーン2内に、その内圧が非加圧状態より0.98×104 Paだけ高くなる ように空気を圧入してバルーン2を膨張させ、この膨張状態のバルーン2におけるカテーテル2の径方向の最大外径D2 を測定する。そして、下記式に基づいて、バルーン2を非加圧状態から0.98×104 Pa加圧した状態におけるバルーンの膨張率を算出する。 バルーン2の膨張率(%)=100×(D2 −D1 )/D1 【0019】 又、バルーン2の厚みは、薄いと、バルーンの耐圧性が低下することがある一方、厚いと、バルーンの柔軟性が低下し、バルーンを膨張させるための圧力が大きくなり、患者への負担が大きくなることがあるので、0.05〜0.15mmが好ましい。 【0020】 一方、バルーンカテーテルAのカテーテル1の曲げ弾性率は、小さいと、カテーテルの腰が弱くなって所望体内部位への挿入が円滑に行えなくなって操作性が低下するので、0.50N/mm以上に限定され、大きすぎると、腰が強くなり過ぎてバルーンカテーテルを体内に挿入する際に患者への負担が大きくなる虞れがあるので、0.50〜1.50N/mmが好ましい。 【0021】 なお、バルーンカテーテルAのカテーテル1の曲げ弾性率は、下記の要領で測定されたものをいう。先ず、カテーテル1をその長さ方向に50mmの間隔でもって一対の支持体により架設状態に支持する。次に、一対の支持体間にあるカテーテルの長さ方向の中央(押圧点)を垂直下方に向かって20mm/分の押圧速度でもって8mmだけ押圧し、この時点における押圧力F(N)を測定する。そして、測定された押圧力F(N)を変位量8mmで除することによってカテーテル1の曲げ弾性率を算出することができる。 【0022】 このように、バルーンカテーテルAのカテーテル1の曲げ弾性率を上述の範囲内に限定していることから、カテーテル1は体内に挿入するのに必要な適度な腰及び柔軟性を兼ね備えており、従来のバルーンカテーテルのように、カテーテルのルーメン内にガイドワイヤを挿入する必要がなく、よって、本発明のバルーンカテーテルAは、使用後の廃棄処分も簡単に行うことができる。 【実施例】 【0023】 (実施例1〜3、比較例1,2) 熱可塑性ポリウレタンエラストマー(日本ミラクトン社製 商品名「ミラクトラン E−574PNAT」)を押出機に供給し溶融混練して、外径が3mm、内径が表1に示した寸法の円筒状の中空チューブを押出成形した。この中空チューブを長さ700mmに切断し、一端開口部を閉塞すると共に、一端部に内外面間に亘って貫通する、空気が流通可能な流体流通孔11を形成して、内部にルーメンを有するカテーテル1を製造した。 【0024】 一方、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(大日精化社製 商品名「レザミン PS22465」)を用いてブロー成形によってバルーン材料を得た。このバルーン材料は、図1に示したように、円筒状体の両側開口端部をそれぞれ徐々に縮径させた形状であった。バルーン材料は、その両側縮径部を除いた残余部分が略同一外径であって、最大外径が14mm、両側縮径部分の開口端部の内径が3mm、全長が30mm、表1に示した厚みを全体的に有していた。 【0025】 次に、上記カテーテル1の一端部を上記バルーン材料内に挿通させた後、バルーン材料の両側開口端部(両側縮径部分の開口端部)の夫々をカテーテル1の外周面にシアノアクリレート系接着剤を用いて気密的に接着一体化して、カテーテル1の一端部にバルーン2を一体的に設けてバルーンカテーテルAを作製した。なお、バルーンカテーテルAのカテーテル1は、その一端部がバルーン2から外方に突出していると共に、カテーテル1の流体流通孔11はバルーン2内に存した状態となっていた。 【0026】 (実施例4) カテーテル1の外周面にバルーン材料の両側開口端部を気密的に接続一体化するに際して、接着剤を用いる代わりに、高周波により熱溶着一体化したこと以外は、実施例1と同様の要領でバルーンカテーテルAを作製した。 【0027】 上記の如くして得られたバルーンカテーテルAのバルーン2の膨張率及びカテーテル1の曲げ弾性率を測定し、更に、バルーンカテーテルAの水密性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。なお、カテーテルの曲げ弾性率は、バルーンを装着していない部分を測定対象とした。又、比較例1のバルーンカテーテルAにおけるバルーン2の膨張率を測定しようとしたところ、バルーン2が破裂してしまい、バルーン2の膨張率を測定することができなかった。 【0028】 (水密性) 内径が12mmの有底円筒状の透明な容器を用意し、この容器内にバルーンカテーテルAのバルーン2を全面的に挿入、収納した上で、カテーテル1を通じてバルーン2内に空気を圧入してバルーン2を膨張させて、バルーン2を容器の内周面に圧着させ、バルーン2の挿入先端部とこれに対向する容器の内周面とによって密閉空間部を形成した。 【0029】 しかる後、容器全体を10秒間に亘って水中に浸漬し、密閉空間部内に水が進入しているか否かを容器の外側から目視観察した。そして、バルーン2の膨張時の内圧を変化させた上で上記作業を繰り返して行い、密閉空間部内に水が進入しなくなったバルーンの最小の内圧を測定し、この内圧を水密性として評価した。 【0030】 【表1】
【図面の簡単な説明】 【0031】 【図1】本発明のバルーンカテーテルを示した模式図である。 【符号の説明】 【0032】 1 カテーテル 2 バルーン A バルーンカテーテル
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区西天満2丁目4番4号
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| 【出願日】 |
平成16年8月20日(2004.8.20) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−55438(P2006−55438A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月2日(2006.3.2) |
| 【出願番号】 |
特願2004−241573(P2004−241573) |
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