| 【発明の名称】 |
コラーゲンペプチド含有化粧料組成物とその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小泉 聖子 【住所又は居所】大阪府八尾市二俣2丁目22番地 新田ゼラチン株式会社大阪工場内
【氏名】谷坂 圭造 【住所又は居所】大阪府八尾市二俣2丁目22番地 新田ゼラチン株式会社大阪工場内
【氏名】山東 正治 【住所又は居所】大阪府八尾市二俣2丁目22番地 新田ゼラチン株式会社大阪工場内
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| 【要約】 |
【課題】化粧料組成物として必要な各種活性機能が非常に優れたコラーゲンペプチドを短い時間で効率的に得る。
【解決手段】コラーゲン成分含有原料の水溶液14が収容された耐圧容器12を、容器12の外部から加熱して、容器12内を、処理温度30〜120分、処理圧力10〜24MPaで処理時間30〜120分維持するなどの亜臨界水処理により得られ、平均分子量200〜1500のコラーゲンペプチドを化粧有効成分として含有するコラーゲンペプチド含有化粧料組成物である。チロシナーゼ阻害活性、メラニン合成阻害活性、・OH消去能活性、SOD様活性、コラーゲン合成促進活性が格段に優れた値を示す。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コラーゲン成分含有原料を亜臨界水処理して得られた平均分子量200〜1500のコラーゲンペプチドを化粧有効成分として含有する コラーゲンペプチド含有化粧料組成物。 【請求項2】 前記コラーゲンペプチドが、分子量200以上、1500未満のペプチドを70〜100重量%と、分子量200未満のペプチドを30重量%未満と、分子量1500以上のペプチドを30重量%未満とからなる 請求項1に記載のコラーゲンペプチド含有化粧料組成物。 【請求項3】 チロシナーゼ阻害活性が固形分換算で0.001〜10〔IC50(mg/ml)〕であり、 メラニン合成阻害活性が固形分換算で0.001〜0.20〔IC50(mg/ml)〕であり、 ・OH消去能活性が固形分換算で0.001〜2.0〔IC50(mg/ml)〕であり、 SOD様活性が固形分換算で1500〜10000〔SODunits/g〕であり、 コラーゲン合成促進活性が2〜4倍(終濃度50μg/ml添加、対ブランク)である 請求項1または2に記載のコラーゲンペプチド含有化粧料組成物。 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載のコラーゲンペプチド含有化粧料組成物を製造する方法であって、 コラーゲン成分含有原料に、処理温度180〜220℃、処理圧力10〜24MPa、処理時間30〜120分の亜臨界水処理を行なって、コラーゲンペプチド含有化粧料組成物を抽出する コラーゲンペプチド含有化粧料組成物の製造方法。 【請求項5】 前記処理温度が200±10℃であり、 前記処理時間が60±30分であり、 前記処理圧力が16±4MPaである 請求項4に記載のコラーゲンペプチド含有化粧料組成物の製造方法。 【請求項6】 前記亜臨界水処理として、前記コラーゲン成分含有原料が収容された耐圧容器を、容器の外部から加熱して、容器内を前記処理温度、前記処理圧力に前記処理時間維持する 請求項4または5に記載のコラーゲンペプチド含有化粧料組成物の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、コラーゲンペプチド含有化粧料組成物とその製造方法とに関し、詳しくは、コラーゲンペプチドを含有することで各種の生理的な活性機能が付与された化粧料組成物と、このような化粧料組成物を製造する方法とを対象にしている。 【背景技術】 【0002】 コラーゲンペプチドが化粧料組成物の機能向上に有用であることは既に知られている。 例えば、特許文献1には、コラーゲン成分をシステインプロテアーゼにより分解してペプチド組成物を得る技術が示され、化粧品などに有用であるとされている。 本願の特許出願人は先に、特願2004−342644号(以下、先行出願1と呼ぶ)を特許出願し、特定の分子量分布を有するコラーゲンペプチド組成物が、化粧料としての種々の機能に優れていることを明らかにしている。このような化粧料組成物に適したコラーゲンペプチド組成物が、特定のコラーゲン成分含有原料にアルカリ処理や酵素処理を行うことで得られることを明らかにしている。 【0003】 特許文献2には、不溶性コラーゲンを亜臨界処理して、数万付近に分子量分布を持ったコラーゲンポリペプチドを得る技術が示されている。加水分解を促進するための触媒として酢酸を添加する技術も示されている。 【特許文献1】特開2004−244369号公報 【特許文献2】特開2005−34808号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 コラーゲンペプチド組成物は、その製造方法、製造条件、得られたコラーゲンペプチドの組成配合などによって、その活性機能に大きな違いが生じる。また、生産性や製造コストにも大きな違いが生じる。 特許文献1に示されたコラーゲンを酵素分解する技術は、処理時間が非常に長くかかるという問題がある。通常、数時間〜数日間をかけないと目的のコラーゲンペプチドが得られない。また、酵素処理のみでは、化粧料組成物としての各種活性機能に優れたコラーゲンペプチドが得られ難い。 前記先行出願1は、コラーゲン原料をアルカリ処理したあとで酵素処理を行なうことで、分子量400〜3000程度のコラーゲンペプチドが効率的に得られ、化粧料組成物としての各種活性機能にも優れたものとなる。しかし、アルカリ処理および酵素処理に時間がかかるという問題が残っている。 【0005】 特許文献2に示された不溶性コラーゲンを亜臨界処理する技術は、処理温度が200℃程度では、分子量10万程度のゼラチンに近い高分子量のコラーゲンペプチドが得られ、化粧料組成物としての活性機能が発揮できる比較的に低分子量のコラーゲンペプチドは得られ難い。処理温度を285℃に上げたり、酢酸触媒を使用したりして、分子量1万程度に分布するコラーゲンペプチドを得た具体例も示されているが、それでも、化粧料組成物としての活性機能に劣るものしか得られ難い。しかも、処理温度を上げたり触媒を使用したりするので、製造作業が難しくなり、製造コストも高くつく。 本発明の課題は、前記した従来におけるコラーゲンペプチド含有化粧料組成物の製造技術が有する問題点を解消し、化粧料組成物としての各種活性機能が非常に高いコラーゲンペプチドを短い時間で効率的に得ることである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明にかかるコラーゲンペプチド含有化粧料組成物は、コラーゲン成分含有原料を亜臨界処理して得られた平均分子量200〜1500のコラーゲンペプチドを化粧有効成分として含有する。 〔コラーゲン成分含有原料〕 通常のコラーゲンペプチド製造に利用され、十分な量のコラーゲン成分を含有する天然材料あるいは天然材料からの抽出材料が使用できる。 コラーゲン成分は、動物の骨、皮などの結合組織に豊富に含まれる。コラーゲン成分を抽出する動物原料としては、特に限定されず、牛や豚、羊などの哺乳類、鶏やダチョウなどの鳥類、サメやエイ、鯛、アコヤ貝などの魚介類、カエル、イモリなどの両性類、ワニ、カメなどの爬虫類が挙げられる。これらの原料から、通常の抽出技術を適用して抽出されたコラーゲンが使用できる。市販のコラーゲン製品を使用することもできる。コラーゲン成分含有原料あるいはコラーゲンを分解して得られるゼラチンやコラーゲン分解物にもコラーゲンペプチドとなるコラーゲン成分が含まれている。市販のゼラチン製品やコラーゲン分解物製品を使用することもできる。 【0007】 コラーゲンには、水に溶けない不溶性コラーゲンと、水に溶ける水溶性コラーゲンとが知られている。何れのコラーゲンも使用できる。水溶性コラーゲンのほうが、亜臨界水処理が行ない易く、高品質のコラーゲンペプチドが得られ易い。水溶性コラーゲンは、通常、分子量30万程度である。 コラーゲン成分含有原料は、不溶性コラーゲンあるいは水溶性コラーゲンなどを粉体などの固体状態で含有するものであってもよし、水溶性コラーゲンなどを水に溶解させた水溶液の状態であってもよいし、水以外の溶媒にコラーゲンなどを溶解させたものであってもよい。固体で供給されたコラーゲン成分含有原料が、亜臨界水処理によって亜臨界水に溶解する場合もある。 【0008】 コラーゲン成分含有原料には、コラーゲン成分以外にも、化粧料組成物の各種機能にとって有用な成分が含まれていてもよい。これらの有用成分もコラーゲンペプチドとともに、亜臨界水処理によってコラーゲンペプチド含有化粧料組成物に含まれた状態で取り出すことができる。 〔コラーゲンペプチド〕 コラーゲンペプチド含有化粧料組成物における主要な有効成分である。 コラーゲンペプチドは、通常、コラーゲンを構成するアミノ酸がペプチド結合で複数個つながった構造を有する。ペプチド結合の数によって、ジペプチド、トリペプチド、ポリペプチドなどと呼ばれる。 【0009】 コラーゲンペプチド含有化粧料組成物に含まれるコラーゲンペプチドは、平均分子量200〜1500である。ゼラチンのような高分子量成分は実質的に含まれない。ジペプチドのような低分子量成分は一部に含まれていても構わない。より好ましくは、平均分子量200〜1000である。分子量が大き過ぎると、目的とする各種機能が劣るとともに、化粧品に使用したときに、伸びが悪くなったりする。分子量が小さ過ぎても、目的の機能が劣るものになる。 コラーゲンペプチドの分子量分布によって、化粧料組成物の各種活性機能が変わる。分子量200〜1500の範囲のコラーゲンペプチドが多く含まれることが望ましい。具体的には、分子量200以上、1500未満のペプチドを70〜100重量%と、分子量200未満のペプチドを30重量%未満と、分子量1500以上のペプチドを30重量%未満とからなるものが好ましい。より好ましくは、分子量200以上、1500未満のペプチドを85〜100重量%と、分子量200未満のペプチドを15重量%未満と、分子量1500以上のペプチドを15重量%未満とからなるものである。 【0010】 ペプチド組成物の分子量分布は、常法により測定できる。例えば、HPLC法(High Performance Liquid Chromatography)が採用される。 〔コラーゲンペプチド含有化粧料組成物の活性機能〕 コラーゲンペプチド含有化粧料組成物は、化粧料組成物に要求される各種の活性機能に優れたものが望ましい。具体的な活性機能として、チロシナーゼ阻害活性、メラニン合成阻害活性、OH消去能活性、SOD様活性、コラーゲン合成促進活性などが挙げられる。 <チロシナーゼ阻害活性> 体内において、肌の美白に有害なメラニンは、アミノ酸の1種であるチロシンを基質としてチロシナーゼによってDOPA、DOPAキノンへと代謝されて合成される。この最初の反応がメラニン合成の律速段階となる。このように、チロシナーゼは、チロシンが酸化されメラニンへと合成される過程で作用する。チロシナーゼが活性化すると、肌にシミや色素沈着などの問題を引き起こす。チロシナーゼの活性作用を阻害できれば、肌の美白などに有効である。 【0011】 チロシナーゼ阻害活性は、酵素活性を50%阻害するのに必要な濃度の値:IC50(mg/ml)で評価できる。この値が小さいほど、チロシナーゼ阻害活性が優れ、チロシナーゼを原因とするメラニン色素の合成が抑制され、美白効果が優れていると評価される。 具体的には、チロシナーゼ阻害活性が、固形分換算で10〔IC50(mg/ml)〕以下であれば有効である。0.001〜10〔IC50(mg/ml)〕が望ましい。6〔IC50(mg/ml)〕以下がより望ましい。 <メラニン合成阻害活性> メラニン色素合成は、複数の要素が複合的に合わさって発生する。その要素として、前記したチロシナーゼのほか、メラニン色素細胞を刺激する活性酸素などがある。メラニン色素の合成に関わる全ての要素を総合的に評価することが有効である。 【0012】 したがって、メラニン合成阻害活性は、前項のチロシナーゼ阻害活性とも関連するが、チロシナーゼ以外の原因によるメラニン色素の合成も含めて評価される。 メラニン合成阻害活性も、活性を50%阻害するのに必要な濃度の値:IC50(mg/ml)で評価できる。この値が小さいほど、メラニン合成阻害活性が高く、肌の美白効果に優れていると評価される。 具体的には、メラニン合成阻害活性が、固形分換算で0.20〔IC50(mg/ml)〕以下であれば有効である。0.001〜0.20〔IC50(mg/ml)〕が望ましい。0.15〔IC50(mg/ml)〕以下がより望ましい。 【0013】 <・OH消去能活性> 体内あるいは体表では、活性酸素と呼ばれる老化、発ガン作用のある物質が常に発生している。・OH(ヒドロキシラジカル)は、体内で発生する活性酸素のうち、肌にとって非常に有害であることが知られている活性酸素である。・OHを消去できれば、体内酸化が防止できる。肌の老化を抑制することができる。 ・OH消去能活性も、・OHの活性を50%阻害するのに必要な濃度の値:IC50(mg/ml)で評価できる。この値が小さいほど、・OHが消去されることになり、・OH消去能活性が高く、肌の老化防止や保護改善に有効であることを示す。 【0014】 具体的には、・OH消去能活性が、固形分換算で2.0〔IC50(mg/ml)〕以下であれば有効である。0.001〜2.0〔IC50(mg/ml)〕が望ましい。 <SOD様活性> 活性酸素の一つにスーパーオキシドがある。このスーパーオキシドは、さらに強力な活性酸素である前記・OHを発生させる原因になる。SOD(スーパーオキシドディスムダーゼ)は、スーパーオキシドを消去する機能を有する酵素である。 但し、SODそのものを人工的に生産するのは難しい。熱的に不安定で失活し易く精製が困難であり、高価である。SOD様活性試験は、各種の物質に対して、同等の活性機能を示すSOD単位の量〔SODunits/g〕で評価する。この値が大きいほど、SOD様活性が高く、活性酸素を無害化して、肌の酸化による老化などを抑制できる。 【0015】 具体的には、SOD様活性が、固形分換算で1000〔SODunits/g〕以上であれば有効である。1500〜10000〔SODunits/g〕が望ましい。3000〔SODunits/g〕以上がより望ましい。 <コラーゲン合成促進活性> コラーゲンの合成は、皮膚の再生機能にとって重要である。 コラーゲン合成促進活性は、コラーゲンの合成を、試験組成物を添加した培地と非添加の培地(ブランク)とで行ない、非添加培地に対する添加培地におけるコラーゲン合成量の促進程度で評価することができる。具体的には、コラーゲン合成量を測定し、非添加培地を1.0としたときの倍率を算出する。この倍率が高いほど、コラーゲン合成促進活性が高く、皮膚の再生効果に優れていると評価される 具体的には、コラーゲン合成促進活性が、後述する試験において終濃度50μg/ml添加時に、ブランクに対する倍率として1.5倍以上あれば有効である。本発明では、2〜4倍が達成できる。 【0016】 〔コラーゲンペプチドの製造〕 コラーゲン成分含有原料に亜臨界水処理を行なうことで、コラーゲン成分含有原料のコラーゲンが加水分解され、コラーゲンペプチドが生成する。 <亜臨界水> 亜臨界水とは、通常の環境における水蒸気や液体の水とは大きく異なる性状を示す状態の水である。具体的には、気体と液体とが共存できる限界の温度および圧力の状態を臨界点と呼び、この臨界点を超えた温度および圧力の状態を超臨界と呼ぶ。亜臨界水は、水の沸騰点よりも高い温度、圧力であるが、臨界点を超えずに液体の状態である水を意味する。亜臨界水も、通常の水蒸気や液体の水とは大きく異なる性状を示す。加水分解の機能が非常に高く、強い反応溶媒として作用したり、強い抽出、精製作用を発揮したりする。 【0017】 <コラーゲン成分含有原料の亜臨界水処理> このような亜臨界水でコラーゲン成分含有原料を処理することによって、コラーゲン成分含有原料に亜臨界水が有する前記加水分解などの作用が加えられ、コラーゲンペプチドが生成する。 コラーゲンに対する亜臨界水の作用は理論的に明確に解明されているわけではない。コラーゲン分子が加水分解により切断されて、少ない数のペプチド結合からなるコラーゲンペプチドが生成されるものと思われる。コラーゲン分子の分解あるいは切断の位置や、生成されたコラーゲンペプチドの末端構造などで、コラーゲンペプチドの性状や機能が変わる。亜臨界水に特有の作用によって、化粧料組成物として有用なペプチド構造を有するコラーゲンペプチドが効率的に生成されるものと推測できる。 【0018】 亜臨界水処理の処理条件によって、生成するコラーゲンペプチドの分子量とその分布、コラーゲンペプチドの特性、機能が変わる。 コラーゲンペプチド含有化粧料組成物として有用なコラーゲンペプチドを効率的に得るには、亜臨界水処理の処理条件を、処理温度180〜220℃、処理圧力10〜24MPa、処理時間30〜120分に設定できる。好ましい処理条件は、亜臨界水処理の具体的方法によっても異なり、使用するコラーゲン成分含有原料の種類や状態によっても異なる。例えば、コラーゲン成分含有原料として水溶性コラーゲンを用いた場合、処理温度を200±10℃、処理時間を60±30分、処理圧力を16±4MPaに設定するのが、好ましい条件となる。 【0019】 <亜臨界水処理の装置および方法> 基本的には、通常の亜臨界水処理において利用されている処理装置および処理技術が適用できる。亜臨界水を生成する高温および高圧状態が作り出せ、コラーゲン成分含有原料に亜臨界水を作用させて所定の時間を維持できればよい。 例えば、コラーゲン成分含有原料と水とを収容し高圧環境で高温に加熱する装置や方法が採用できる。容器にコラーゲン成分含有原料と水を密閉封入して高温に加熱すれば加熱に伴って容器内に加圧状態を作り出すことができる。水溶性コラーゲンの水溶液が収容された耐圧容器を、容器の外部から加熱すれば、容器内を、所定の温度、圧力に維持することができる。加熱炉などで水を加熱して高温高圧の亜臨界状態の水を生成させ、生成した亜臨界水を、別の処理室や処理容器に収容されたコラーゲン成分含有原料と接触させる装置あるいは方法も採用できる。これらの処理方法は、バッチ処理で行なえる。亜臨界水と液状のコラーゲン成分含有原料とを反応管や反応室に連続的に供給して接触させれば、亜臨界水処理を連続的に行なう連続処理も可能である。 【0020】 〔コラーゲンペプチド含有化粧料組成物〕 コラーゲン成分含有原料に亜臨界水処理を行なって得られたコラーゲンペプチド含有化粧料組成物は、通常のコラーゲンペプチドと同様にして、各種化粧品の製造に供給することができる。 化粧品の製造に供給する前に、通常のコラーゲンペプチド含有化粧料組成物の製造技術において採用されている各種の処理を施すこともできる。具体的には、濾過処理、濃縮処理、活性炭などによる脱臭処理や脱色処理を含む精製処理などが挙げられる。 コラーゲンペプチド含有化粧料組成物は、水溶液の状態で供給することもできるし、乾燥処理を行って粉体などの固体の形態で供給することもできる。 【0021】 〔化粧品〕 コラーゲンペプチド含有化粧料組成物は、その活性機能や化粧料としての機能が発揮できる各種の化粧品に配合して使用することができる。 特に、皮膚用の化粧品に有効である。例えば、美容液、コールドクリームや乳液、化粧水などの肌に付ける基礎化粧品のほか、口紅などの皮膚用化粧品、整髪料などの髪用化粧品、洗顔料、アフターシェーブローション、その他、皮膚と接触する形態で使用される化粧品に有効である。 コラーゲンペプチド含有化粧料組成物とともに化粧品に配合する成分は、特に限定されず、通常の化粧品と同様の成分を組み合わせることができる。例えば、ペプチドよりも分子量が大きな水溶性コラーゲンやゼラチン、コラーゲンなどを組み合わせることができる。複数のコラーゲン成分を組み合わせることで、コラーゲンペプチドだけでは得られない機能や特性を発揮できる場合がある。 【0022】 その他の配合成分としては、使用目的や要求機能によって任意に設計することができる。例えば、ヒアルロン酸などのムコ多糖類やその塩などを配合することで、コラーゲンペプチド組成物による保湿機能などをより高めることができる。その他、一般的な化粧料の添加材料として、各種油脂類やアルコール類、植物生薬類、動物性成分、顔料、紫外線吸収/遮断剤、香料、安定剤などが挙げられる。 化粧品の具体的処方は、通常のコラーゲン利用化粧品と共通する技術が適用できる。各種文献に記載された化粧品処方において、そこで使用されているコラーゲンあるいはコラーゲンペプチドの代わりに、本発明のコラーゲンペプチド含有化粧料組成物を使用することができる。具体例として、特開2003−327599号公報に開示された化粧品処方を適用することができる。 【0023】 狭義の化粧品には含まれないが、皮膚用軟膏やクリーム、皮膚創傷回復塗剤などの医薬部外品あるいは医薬品において、皮膚の保護や再生、回復を図る有効成分として、コラーゲンペプチド含有化粧料組成物を配合しておくことができる。 【発明の効果】 【0024】 本発明にかかるコラーゲンペプチド含有化粧料組成物は、コラーゲン成分含有原料を亜臨界水処理して得られた特定の分子量条件を有するコラーゲンペプチドを化粧有効成分として含有することで、コラーゲンペプチドの優れた活性機能を有効に発揮させることができる。 特に、チロシナーゼ阻害活性、メラニン合成阻害活性、・OH消去能活性、SOD様活性、コラーゲン合成促進活性などの何れに対しても高い機能を発揮する。皮膚用の化粧品に配合したときに、肌の美白効果、保湿効果、抗老化効果などを大幅に向上させることができる。 【0025】 亜臨界水処理は、酵素処理などに比べて、簡単に短時間で効率的に目的のコラーゲンペプチド含有化粧料組成物が得られるので、生産能率を向上させ、製造コストを削減することが可能になる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0026】 〔亜臨界水処理装置〕 図1〜3は、それぞれ構造の異なる亜臨界水処理装置を示している。何れの処理装置も、コラーゲンペプチド含有化粧料組成物の製造に利用できる。 <原料液の間接加熱> 図1に示すように、処理室10の内部に、バイアルとも呼ばれる比較的に小さな耐圧容器12に収容された原料液14を配置する。原料液14は、コラーゲン成分含有原料の水溶液または水分散液である。 処理室10には、高温蒸気などの加熱媒体16が導入される。加熱媒体16は、耐圧容器12を介して、内部の原料液14を加熱する。原料液14に含まれる水が沸騰し膨張することによって内部の圧力が上昇する。その結果、水は亜臨界状態になって原料液14に含まれるコラーゲン成分含有原料に分解作用を及ぼし、コラーゲンペプチドが生成する。 【0027】 耐圧容器12の内部圧力および内部温度が所定の亜臨界条件を満足するように、処理室10への加熱媒体の供給を調整する。耐圧容器12の内部が亜臨界状態で所定の時間を経過すれば、処理室10への加熱媒体の供給を停止し、必要に応じて冷却したあと、処理室10から耐圧容器12を取りだし、耐圧容器12から、コラーゲンペプチドが生成した原料液14を取り出す。この段階では、原料液14に含まれる水は、亜臨界状態ではなく通常の液体状の水に戻っている。 原料液14から、必要に応じて、目的のコラーゲンペプチドだけを分離したり、原料に含まれていた不要物を除去したり、色や臭いを除去したりすることで、コラーゲンペプチド含有化粧料組成物が得られる。 【0028】 <原料液と亜臨界水との接触> 図2に示すように、処理室20に、別の装置で所定の温度および圧力条件を加えて生成された亜臨界水22と、別に用意された原料液24とを、別々に供給する。処理室20は、耐圧性のある管材などからなる反応管が使用され、亜臨界水22の供給配管と原料液24の供給配管とが配管接続されていればよい。スタティックミキサーなどの、亜臨界水22と原料液24との混合および均一化を促進する機構を備えていてもよい。 処理室20の内部で、亜臨界水22と原料液24とが混合され、原料液24に含まれるコラーゲン成分含有原料が亜臨界水22と接触して分解処理され、処理室20の末端からコラーゲンペプチド含有液26が取り出される。 【0029】 処理室20は一定の長さを有するので、亜臨界水22と原料液24が混合され末端から取り出されるまでの移動時間が、処理時間となる。亜臨界水22および原料液24の供給量や処理室20の長さを調整することで、処理時間を変更することができる。 <固体原料と亜臨界水との接触> 図3に示すように、密閉状態の処理室30に、粒塊状など固体のコラーゲン成分含有原料32を収容しておく。この処理室30に、前記同様に別の装置で生成された亜臨界水34を供給する。処理室30の内部で、亜臨界水34と原料32とが接触して、コラーゲンが分解され、コラーゲンペプチドが生成する。原料32のコラーゲンが分解されたコラーゲンペプチドと亜臨界水34との混合液であるコラーゲンペプチド含有液36が取り出される。 【実施例】 【0030】 具体的に、コラーゲン成分含有原料を亜臨界水処理してコラーゲンペプチド含有化粧料組成物を製造し、その特性や性能を評価した。 〔実施例1〕 <コラーゲン成分含有原料の製造> 製造原料として、湿重量10kgの新鮮な鯛の鱗を用いた。鯛鱗10kgを常法により脱脂および脱灰した。脱脂・脱灰処理を終えた乾燥重量2kgの原料を、pH2.2の塩酸溶液100Lに3時間浸漬し、膨潤させた。膨潤した原料を、高速ホモジナイザーを用いて、7000rpm×60分間の処理条件で破砕したあと、酵素ペプシン(天野エンザイム社製)20gを加え、撹拌機で撹拌しながら、24時間、酵素反応を行なわせて、第1段階の酵素処理を終えた。この酵素処理で得られた溶液に、6000rpm×2L/分の処理条件で連続遠心処理を行なった。遠心処理のあと、可溶性コラーゲンが含まれる上澄液を回収した。回収された上澄液に水酸化ナトリウムを加えてpH7.4に調整した。さらに、6000rpm×2L/分の処理条件による遠心処理操作を3回繰り返した。その結果、精製コラーゲン繊維1.38kgが得られた。収率69.0%であった。 【0031】 得られた精製コラーゲン繊維を用いて濃度0.6%の水溶液を調製した。 <亜臨界水処理> 亜臨界水処理装置として、図1に示す構造を備えた高温高圧処理装置(日阪製作所社製、高熱湿熱処理装置)を用いた。 耐圧性のあるバイアル容器に、前項で得られた水溶液状のコラーゲン成分含有原料を収容して蓋を閉め、密封状態にした。このバイアル容器を、高温高圧処理装置の処理室に配置し、処理室に加熱蒸気を供給することで、バイアル容器の内部を間接的に加熱し、温度180℃、圧力10MPaの亜臨界状態に60分間維持した。なお、亜臨界状態にするまでの予備加熱に30分かけた。バイアル容器の内部においては、生成された亜臨界水がコラーゲン成分含有原料と接触することで、亜臨界水処理が行なわれ、コラーゲンペプチドが生成した。 【0032】 処理室の加熱を停止し、バイアル容器を冷却し、内部で生成したコラーゲンペプチドを含む水溶液を回収した。この段階では、亜臨界水は通常の液体状の水に戻っている。 〔実施例2〕 実施例1において、亜臨界水処理の処理条件を、温度200℃、圧力15.9MPaに変更した以外は、実施例1と同様の処理工程を経て、コラーゲンペプチドの水溶液を得た。 〔実施例3〕 実施例1において、亜臨界水処理の処理条件を、温度220℃、圧力23.7MPaに変更した以外は、実施例1と同様の処理工程を経て、コラーゲンペプチドの水溶液を得た。 【0033】 〔実施例4〕 実施例2において、亜臨界水処理の処理条件を、処理時間120分に変更した以外は、実施例2と同様の処理工程を経て、コラーゲンペプチドの水溶液を得た。 〔実施例5〕 実施例2において、亜臨界水処理の処理条件を、処理時間10分に変更した以外は、実施例2と同様の処理工程を経て、コラーゲンペプチドの水溶液を得た。 〔比較例1〕 従来、美白効果や保湿効果に優れる化粧料組成物として知られている豚プラセンタを製造した。 【0034】 具体的には、豚の胎盤40gを常法により脱脂・脱灰した。包丁などを用いて予備的に細断したあと、等量の水を加えて、細断装置により更に細かく細断した。得られた細断原料の分散液に酢酸を加えて、pH5.0に調整した。pH調整された原料分散液に対し、80℃で2時間かけて加熱抽出処理を行った。処理後に得られた抽出液を、水酸化ナトリウムを加えてpH6.9に調整した。pH調整された抽出液を、段階濾過した。最終的に濾過寸法0.45μmで濾過して、濾過液に含まれる胎盤抽出組成物45ml(固形分2.5%)を得た。 豚プラセンタは、豚の出産時に排出されるプラセンタ(胎盤)からの抽出物であり、様々な成分が複合されているものと推測される。コラーゲンペプチドも含まれている可能性があるが、主要な成分ではない。 【0035】 〔比較例2〕 実施例1と同じ鯛鱗を製造原料にし、アルカリ処理および酵素処理によって、コラーゲンペプチド組成物を得た。亜臨界水処理は行なわない。 実施例1と同じ脱脂・脱灰処理で得られた乾燥重量3.2kgの原料を、20%硫酸ナトリウムを含む1N水酸化ナトリウム溶液20Lに浸漬し、20℃で10日間保持して、アルカリ処理を行った。アルカリ処理を終えた原料を精製水約100Lで水洗して、アルカリ分を除去した。 アルカリ処理済の原料を、裁断機で1cm以下に粉砕したあと、湿重量の2倍の精製水を加えた。さらに、酵素パパイン(天野エンザイム社製)20gを加え、50℃に保温し、撹拌機で撹拌しながら、24時間かけて酵素反応を行なわせ、コラーゲンを分解させてコラーゲンペプチドを得た。酵素反応が十分に行なわれたあと、80℃で60分間維持して、酵素を失活させた。 【0036】 得られたコラーゲンペプチドを含む水溶液を、活性炭処理したあと、濾紙による濾過処理を行って、活性炭を除去した。その結果、コラーゲンペプチド溶液40L(濃度7.1%)が得られた。 〔比較例3〕 実施例1で得られた濃度0.6%の精製コラーゲン繊維を含む水溶性コラーゲン溶液に、さらに酵素プロテアーゼによる酵素処理を行って、コラーゲンペプチド組成物を得た。 具体的には、水溶性コラーゲン溶液にプロテアーゼ20gを加え、50℃で3時間かけて酵素反応を行なわせて、コラーゲンペプチド含有溶液を得た。 【0037】 得られたコラーゲンペプチド含有溶液には、コラーゲンペプチドとして、平均分子量900のペプチドが60%以上含まれていた。 〔評価試験〕 基本的には、当該技術分野において一般的に知られている測定装置や測定方法、手順を採用した。以下に説明する試験方法とは異なっていても、同等の評価ができる試験技術であれば採用することが可能である。 <分子量分布> 各実施例で得られたコラーゲンペプチド含有液に対して、HPLCによる分子量分布および平均分子量の測定を行った。 【0038】 HPLCの測定条件は、カラム:トーソー社製TskGEL、G2500PWXL(カラム温度25℃)、溶離液:45%アセトニトリル(0.1%TFA)、流速0.5mL/min、検出器:UV218nmであった。 平均分子量の測定は、トーソー社製、GPC−8020を用いた。 <活性機能評価試験> (チロシナーゼ阻害活性) メラニン合成過程に関与するチロシナーゼの活性に対する阻害機能を評価する。 測定試料1mlを試験管にとり、3mML−DOPA(0.2Mリン酸バッファー:pH6.5にて溶解)1mlと0.2Mリン酸バッファー0.5mlとを加え、撹拌したあと、37℃で20分間、加温する。 【0039】 これとは別に、チロシナーゼ(マッシュルーム由来)を0.2Mリン酸バッファーにて300units/mlに混合して、37℃で20分間、加温する。このチロシナーゼ溶液0.5mlを、前記測定試料溶液に添加し、撹拌したあと、カイネティックソフトを使用して、吸光値を直ちに測定する。測定条件は、測定波長475nm、計算区間0〜15秒である。コントロールとして、測定試料の代わりに0.2Mリン酸バッファーを加えて、同様の測定を行なう。 チロシナーゼ阻害活性率を、下式で算出する。 チロシナーゼ阻害活性率(%)= 〔1−測定試料の初速度(OD/min)/コントロールの初速度(OD/min)〕×100 その結果から、測定試料の固形分換算で、チロシナーゼの活性を50%阻害するのに必要な濃度〔IC50(mg/ml)〕を算出する。 【0040】 (メラニン合成阻害活性) 6ウェルプレートに、メラニン産生を行なうマウス由来のB16melanoma細胞を、1×105cells/mlの濃度で3ml撒き、37℃、5%CO2の条件下で1日培養した。培地を除去したあと、0.2μmフィルターで濾過滅菌した測定試料を終濃度6、24、50μg/mlで含む培地を加えて、37℃、5%CO2の条件下で3日培養する。培地を除去したあと、EGTA−トリプシン溶液(PBS)で細胞を剥がし、1.5mlマイクロテストチューブに細胞を集め、12000rpmで2〜5分間、遠心分離処理を行なう。上清を除去し、1N水酸化ナトリウムを1ml加え、100℃で2〜3時間加熱処理して、メラニン色素を抽出する。分光光度計でメラニン色素の測定を行なう(405nm)。コントロールとして、測定試料を含まない培地だけで同様の培養を行なう。細胞のタンパク濃度を、〔DC-Protein Assay(BIO−RAD社製)〕で測定する。 【0041】 メラニン合成阻害率を、総タンパク量当たりのメラニン量から、下式で算出する。 メラニン合成阻害率(%)= 〔1−メラニン量(測定試料)/メラニン量(コントロール)〕×100 このメラニン合成阻害率から、測定試料の固形分換算で、メラニンの合成を50%阻害するのに必要な濃度〔IC50(mg/ml)〕を算出する。 (・OH消去能活性) 150mM−NaClを0.5ml、および、5mMデオキシリボースを0.2mlに、測定試料0.15mlを加えて撹拌する。ここに、2mM硫酸アンモニウム鉄(II)を加え、続いて、0.03%H2O2を0.05ml加える。さらに、1%チオバルビツール酸を0.5ml加え、2.8%トリクロロ酢酸を0.5ml加えて撹拌する。ついで、水浴にて100℃で15分間加熱したあと、直後に氷冷し、分光光度計(535nm)で測定する。コントロールとして、測定試料の代わりに蒸留水を加えて、同様の測定を行なう。 【0042】 下式で、・OH消去率(%)を算出する。 ・OH消去率(%)= 〔1−OD535nm(測定試料)/OD535nm(コントロール)〕×100 この・OH消去率から、測定試料の固形分換算で、・OHの活性を50%阻害するのに必要な濃度〔IC50(mg/ml)〕を算出する。 (SOD様活性) 同仁化学研究所社製〔SOD Assay Kit-WST〕を用い、96ウェルプレートにて測定する。試薬は、キット付属のものを用いる。各ウェルに、試料液を20μlずつ加えたあと、〔WST working solution〕を200μlずつ加え、プレートミキサーでよく撹拌する。ブランクのウェルには、〔Dilution buffer〕を20μlずつ加える。試料液を入れたウェルとブランクのウェルとにそれぞれ、〔Enzyme working solution〕を20μlずつ加える。その後、37℃で20分間インキュベートし、プレートリーダーで450nmにおける吸光値を測定する。 【0043】 下式により、スーパーオキシドの阻害率を算出する。 スーパーオキシド阻害率(%) =〔{(E[BL]−E[BL-BL])−(E[S]−E[S-BL])} /(E[BL]−E[BL-BL])〕×100 上式の各記号は、以下の測定条件で測定された吸光値である。 【0044】 【表1】
測定試料のスーパーオキシド阻害率(%)と、あらかじめ求められたSOD(unit)のスーパーオキシド阻害率(%)による検量線とから、測定試料の固形分換算で、測定試料と同等の活性機能を示すSOD単位の量すなわちSOD様活性値〔SODunits/g〕を算出する。 (コラーゲン合成促進活性) 測定試料の調製: (1) 6ウェルプレートにヒト正常皮膚繊維芽細胞NB1RGBを5×104cells/wellの濃度でまき、37℃、5%CO2条件下で1日培養を行なう。 【0045】 (2) 培地を捨て、50μg/mlの測定試料を含むMEM培地を加えて試験検体を得る。対照検体として、1μMのアスコルビン酸を含むものを用意する。 (3) 試験検体および対照検体を、37℃、5%CO2条件下で3日培養する。 (4) 各検体の上清を測定試料とする。 (5) TaKaRa社製の〔Cell CountingKit〕を用いて、デッシュ内の細胞数をカウントする。 測定: 測定装置〔Procollagen type I C-peptide(PIP)E1A Kit(TaKaRa社製)〕を用いる。 【0046】 (1) それぞれの測定試料を適宜に希釈する。 (2) 標準抗体液を、付属の96ウェルプレートにそれぞれ100μlずつ分注する。 (3) PIP標準液をとり、試料を20μlずつ添加する。 (4) 37℃で3時間反応させる。 (5) 反応液を捨て、PBSで4回洗浄したあと、基質液(TMBZ)を100μlずつ添加し、室温で15分間反応させる。 (6) 停止液を100μlずつ、基質液を加えた順に添加し、反応を停止させる。 (7) マイクロプレートリーダーで450nmにおける吸光値を測定する。 【0047】 (8) PIP濃度と吸光値とから検量線を作成する。 計算: 細胞当たりのPIP量を、下式で算出する。 PIP(ng/cells)=PIP(ng/ml)/細胞数(cells/ml) 測定試料のPIP値を、測定試料を添加しないブランクのPIP値で割って、ブランクに対するコラーゲン合成促進活性の倍率を算出する。この値は、測定試料を終濃度50μg/mlで添加したときのコラーゲン合成促進活性を、ブランクに対する倍率で表したものである。 【0048】 <色および臭い> コラーゲンペプチド溶液を、目視観察して、色と臭いを以下の基準で評価した。 色〔透明:○、少し黄色に着色:△、黄色が目立つ:×〕 臭い〔無臭:○、少し臭う:△、臭いが強い:×〕 〔試験結果〕 試験結果を下表に示す。 【0049】 【表2】
【0050】 【表3】
【0051】 【表4】
<評価> (1) 活性機能試験: 亜臨界水処理で得られた実施例1〜5のペプチドコラーゲン組成物は何れも、従来技術で得られた比較例1〜3に対して、チロシナーゼ阻害活性は明らかに向上しており、メラニン合成阻害活性は同等であるかかなり向上している。・OH消去能活性は、少し劣るもの(実施例5)から顕著に優れているもの(実施例3)まである。SOD様活性は、格段に向上している。コラーゲン合成促進活性は、少し劣るもの(実施例5)から同等程度のもの(実施例3)まである。色および臭いは、ほぼ同等である。 【0052】 総合的に評価すれば、各実施例の技術は、比較例の技術に比べて、化粧料組成物として、同等以上の優れた活性機能を発揮できることが裏付けられた。 しかも、比較例では、胎盤など非常に高価で入手が難しい原料を使用しなければならなかったり、酵素処理などに長い時間がかかったりするのに対し、実施例では特別な原料を使用しなくても比較的に短い時間で十分に性能の高い化粧料組成物が得られる。工業的生産性あるいは商品価値の上では、はるかに優れたものとなる。 (2) 色および臭い: 既に化粧料組成物として知られている各比較例と同様に、各実施例のペプチドコラーゲン組成物も、化粧料組成物として十分に実用的に使用できる特性を有することが判る。 【0053】 なお、化粧品の用途や他の成分との組み合わせによっては、わずかな色や臭いは問題なく使用できる場合がある。 (3) 亜臨界水処理の処理条件: 実施例1〜5における処理条件の違いと性能とを対比すると、以下の評価ができる。 実施例2(温度200℃、圧力15.9MPa、時間60分)が、総合的に最も活性機能が高くなっている。各比較例と比べても、明確に優れた性能を発揮できる。その他の実施例と比べると、実施例2の処理条件を中心にして一定の範囲内であれば、十分に良好な性能が発揮できることが判る。 【0054】 実施例1は、実施例2よりも少し活性機能が劣る項目もあるが、温度および圧力が低く設定できるので、作業性や経済性の点では優れている。工業的生産や商品性の点では、実施例1の処理条件のほうが好適な場合もある。 処理時間の短い実施例5でも、比較例に比べて優れた性能が発揮できる項目がかなりある。比較例に対して、実施例5は格段に生産性が向上することから、十分に産業上の利点がある。 化粧品の種類や用途によって、何れの活性機能が特に必要とされるのかが判れば、それに合わせて、亜臨界水処理の処理条件を適切に設定することで、商品価値の高い化粧料組成物を経済的に提供することが可能になる。 【0055】 〔化粧品の実証試験〕 前記実施例および比較例のコラーゲンペプチド含有液を用いて、具体的な化粧品を製造し、その性能を実証した。 <化粧品の製造> 以下の配合で化粧品(美容液)を製造した。 グリセリン10容量%、ショ糖脂肪酸エステル1.3容量%、カルボキシビルニポリマー水溶液(濃度1重量%)17.5容量%、アルギン酸ナトリウム水溶液(濃度1重量%)15.0容量%、モノラウリン酸ポリグルセリル1.0容量%、マカダミアンナッツ油脂肪酸フィトステリル3.0容量%、N−ラウロイル−L−グルタミン酸2.0容量%、硬化パーム油2.0容量%、スクワラン1.0容量%、ベヘニルアルコール0.8容量%、ミツロウ1.0容量%、ホホバ油1.0容量%、1,3−ブチレングリコール10.0容量%、L−アルギニン水溶液(濃度10重量%)2.0容量%、コラーゲンペプチド含有液(濃度1重量%)20容量%、精製水:残部。 【0056】 コラーゲンペプチド含有液は、各実施例および比較例で得られたものを用いた。無添加区として、コラーゲンペプチド含有液を配合しないものも製造した。 <化粧品の官能試験> 製造された化粧品(美容液)の官能試験を、モニター(年齢20〜50代の女性各10名)によって実施し、美白効果、保湿効果、抗老化効果について評価した。抗老化効果の指標として、シワ、ハリ、タルミの改善を評価した。モニターは、2ヶ月間にわたって、毎日、朝と夜との2回、洗顔後に美容液を適量で顔に塗り、以下の基準で判定した。 有効 :使用前に比べて改善効果が認められた。 【0057】 やや有効:使用前に比べて改善効果がやや認められた。 無効 :使用前に比べて変化なし。 試験の結果を、下表に示す。 【0058】 【表5】
<評価> (1) 各実施例の化粧料組成物が配合された化粧品は、各比較例に比べて、何れの項目においても優れた評価を得ている。 なお、実施例2は比較例1(豚プラセンタ)に比べて、美白効果や保湿機能の点では少し劣るが、シワ、ハリ、タルミの防止機能の点では、格段に優れた評価を得ている。総合的にみれば、はるかに優れた機能を発揮している。この結果は、前記した各活性機能の測定結果とも良く整合している。実施例2の化粧料組成物に、保湿機能などに優れた別の配合成分(例えば、コラーゲン)を組み合わせれば、総合的に極めて高い性能の化粧料組成物が容易に得られることになる。 【0059】 (2) 実施例2、4以外の実施例については試験を省略したが、前記活性機能試験の結果を参酌すれば、実施例2、4と同等か少し劣る程度の性能が発揮できることは、容易に予測できる。 【産業上の利用可能性】 【0060】 本発明で得られたコラーゲンペプチド含有化粧料組成物は、例えば、皮膚用の化粧品に配合することで、皮膚に対する種々の活性機能を有効に発揮させることができ、美白効果、抗老化効果、保湿効果、シミなどの改善効果などの点で総合的に優れた性能を有する化粧品を経済的に提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【0061】 【図1】本発明の実施形態を表す亜臨界水処理装置の概略構造図 【図2】別の亜臨界水処理装置の概略構造図 【図3】別の亜臨界水処理装置の概略構造図 【符号の説明】 【0062】 10、20、30 処理室 12 耐圧容器 14、22 原料液 16 加熱媒体 24、34 亜臨界水 26、36 コラーゲンペプチド含有液 32 原料(固体)
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| 【出願人】 |
【識別番号】000190943 【氏名又は名称】新田ゼラチン株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区桜川4丁目4番26号
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| 【出願日】 |
平成17年6月9日(2005.6.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073461 【弁理士】 【氏名又は名称】松本 武彦
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| 【公開番号】 |
特開2006−342107(P2006−342107A) |
| 【公開日】 |
平成18年12月21日(2006.12.21) |
| 【出願番号】 |
特願2005−169833(P2005−169833) |
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