| 【発明の名称】 |
油性外用基剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】小澤 洋介 【住所又は居所】滋賀県彦根市高宮町2763 マルホ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油脂とゴムエラストマーを含んでなる油性外用基剤 【請求項2】 油脂が半固形状油脂である請求項1に記載の油性外用基剤 【請求項3】 半固形状油脂が白色ワセリンである請求項2に記載の油性外用基剤 【請求項4】 ゴムエラストマーがスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ポリイソプレンから選ばれる請求項1に記載の油性外用基剤 【請求項5】 請求項1の親油性外用組成物に薬剤を加えてなる油性外用基剤 【請求項6】 薬剤が親油性薬剤である請求項5に記載の油性外用基剤
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は油性軟膏基剤およびこの基剤を用いた外用剤に関する。さらに詳しくは、油脂性基剤に特徴的な経時的に液状成分がにじみ出る現象(ブリーディング)の少ない油性軟膏基剤およびこの基剤を用いた外用剤に関する。 【背景技術】 【0002】 白色ワセリンは油性軟膏基剤として、医療用軟膏剤等に汎用されている。しかし、白色ワセリンを基剤とした医療用軟膏剤は、一般に製造後の保存状態によって液体成分が分離することがある。そのため、このような液体成分が少ないかまたは分離しない油性軟膏基剤の開発が期待されている。その結果、半固形状油脂または液状油脂をゲル化する等して、液状成分の滲み出しを抑制する研究がなされている。 【0003】 流動パラフィンとポリエチレンとからなるゲル状物にモノ脂肪酸グリセライドまたはジ脂肪酸グリセライドを配合した親水ゲル化炭化水素に(ポリ)アルキレングリコールを配合することにより、液状成分の滲み出しが少ない外用基剤が提案されている(特許文献1参照)。親水ゲル化炭化水素(親水プラスチベース)は白色ワセリンと比較すると塗布後べたつきにくいため、使用感がよいというメリットがある。しかし、薬剤の多くは親油性であり親水ゲル化炭化水素には溶解しないため分散型となる。薬剤の特性によっては分散剤が望ましい場合があるが、一般的に分散型の製剤は薬剤が基剤に溶解していないため、薬剤の皮膚への移行が非常に悪く、ステロイドや免疫抑制剤などの効力の強い薬物に限られるというデメリットがある。 【0004】 また、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコンと常温で液状油からなるペースト状オイル組成物と、常温(25℃)で半固状の油脂を含んでなる疎水性軟膏組成物が提案されている(特許文献2参照)。白色ワセリン等の半固形状の油脂に液状油を架橋型アルキルポリエーテル変性シリコンでゲル化したペースト状オイル組成物を混合することにより、液状成分の分離を抑制するとともに、低温時の軟膏基剤の硬度の上昇を抑制している点で優れている。しかし、夏場などの高温時には軟膏基剤の融点が低いために、物性が変化しやすい。すなわち、硬度等が低下しすぎるため、患者が軟膏剤を塗布しすぎるなどのデメリットがある。 【0005】 今日でも、白色ワセリンをベースとした油性軟膏基剤が医療用軟膏剤の主流であることを鑑みると、医療用軟膏剤として汎用され安全性が確立されている白色ワセリンをベースとした油性軟膏基剤が望まれていることが分かる。それにもかかわらず、油性軟膏基剤の滲み出しを抑制する方法については未だ見いだされていないのが現状である。 【特許文献1】特開平10-147539号公報 【特許文献2】特開2005-15407号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明は、常温で半固形状油脂に少量のゴムエラストマーを混合することによって、保存中にブリーディングが抑制される油性軟膏基剤を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者は、油性軟膏基剤のブリーディングを抑制する方法を鋭意研究した結果、油性軟膏基剤に適量のゴムエラストマーを配合することによりブリーディングが有意に抑制できることを見いだした。 【0008】 すなわち、本発明は、 (1) 油脂とゴムエラストマーを含んでなる油性外用基剤 (2) 油脂が半固形状油脂である(1)に記載の油性外用基剤 (3) 半固形状油脂が白色ワセリンである(2)に記載の油性外用基剤 (4) ゴムエラストマーがスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ポリイソプレンから選ばれる(1)に記載の油性外用基剤 (5) (1)の油性外用基剤に薬剤を加えてなる油性外用基剤 (6) 薬剤が親油性薬剤である請求項5に記載の油性外用基剤 を提供するものである。 【0009】 本発明に用いる油脂としては、通常医療用外用剤の基剤として用いられ、ゴムエラストマーを溶解または膨潤することができれば特に限定されないが、白色ワセリン、流動パラフィン、パラフィン、スクワラン、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリイソオクタン酸グリセリン、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、イソステアリン酸、クロタミトン、中鎖脂肪酸トリグリセリト、サリチル酸エチレングリコールなどが好ましく、これらを1種または2種以上の組み合わせで用いることができる。実際の医薬品外用剤の設計を考慮すれば、半固形状油脂である白色ワセリンが特に好ましい。また、ゴムエラストマーを溶解または膨潤することができる油脂とゴムエラストマーを溶解または膨潤することができない油脂の組み合わせでも本発明の目的を達成できる組み合わせであれば用いることができる。特に、常温(25℃)で液状である液状油脂をゴムエラストマーの溶解または膨潤剤として用いる場合は半固形状油脂と組み合わせて用いることになる。 【0010】 本発明に用いるゴムエラストマーとしては、油脂に溶解または膨潤すれば特に限定されないが、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ポリイソプレンが好ましい。これらの添加割合は、0.1重量%〜5重量%が好ましく、0.1重量%〜3重量%がより好ましい。ゴムエラストマーの添加量が少なすぎるとブリーディングの抑制効果が弱くなる。一方、ゴムエラストマーの添加量を増大することにより、ブリーディングの抑制効果は強くなるが、性状がゴム状態に近くなり使用感の悪い製剤になる。 【0011】 また必要に応じて、色素、香料、顔料、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など通常の基剤に配合される成分を含有していてもよい。本発明の油性外用基剤は医療用外用剤の基剤としての有用性が最も高いが、化粧品、衛生製品などの基剤として使用することも可能である。 【0012】 本発明の油性外用基剤に配合することができる薬剤は親油性の薬剤であれば特に限定されないが、例えば、ステロイド類、消炎鎮痛剤、抗生物質、抗菌剤、免疫調節剤、抗腫瘍剤、ビタミン類等が挙げられる。これらの薬効成分の含有率は、既に軟膏剤として承認されている薬剤では、承認された濃度が基本となるが、0.001〜50重量%、好ましくは0.001〜10%である。ここで配合される薬効成分は、経皮適用製剤であれば、局所作用薬でも全身性作用薬でも使用することができるが、局所作用薬、局所適用製剤が好ましい。 【0013】 本発明の油性外用基剤の製造方法は特に制限されるものではないが、ゴムエラストマーを油脂に加熱溶融させる方法(加温法)、ゴムエラストマーを有機溶媒で膨潤させた後に油脂と混和する方法(溶媒法)で目的とする油性外用基剤を調製することができる。 【0014】 加温法では、油脂(白色ワセリン)、ゴムエラストマー及びその他必要な各成分を80〜135℃で加温・溶融する。これを乳化機に投入した後、パドルミキサーで毎分8〜40回転で撹拌を行い、この後、冷却して、油性外用基剤を得る。これらの製造過程で、加温条件に注意を必要とするのは、温度が低いとゴムエラストマーが油脂に溶融せず、高すぎると油脂またはその他の成分が変性する恐れがあるからである。 【0015】 溶媒法では、ゴムエラストマーをトルエン中で膨潤させる。これに、予め80〜135℃で加温・溶融させた所定量の油脂(白色ワセリン)を加えて撹拌する。これを乳化機に投入した後、更に加温・溶融させた所定量の油脂(白色ワセリン)を加え、パドルミキサーで毎分8〜40回転で撹拌を行う。この後、冷却して油性外用基剤を得る。 【発明の効果】 【0016】 本発明によれば、白色ワセリンをベースとした油性外用基剤でありながら、ブリーディングの少ない油性外用基剤である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下に実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。 【実施例】 【0018】 表1及び表2に、本発明の実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例2の処方及び40℃・24時間後の液状成分の分離率(%)を示した。 【表1】
【表2】
【0019】 [実施例1〜実施例5](加温法) 容器にスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)及び白色ワセリンを表1に示す重量割合で秤量し、80〜135℃に設定したミニジェットオーブンにて加温溶融した。ミニジェットオーブンより取り出した後、撹拌棒にて撹拌を行い、目的とする油性外用基剤を得た。 【0020】 [比較例1] 実施例1のSISを除外した以外は、実施例1と同様にして油性外用基剤を得た。 【0021】 [実施例6〜実施例7、比較例2](溶媒法) 容器にゴムエラストマーを表2に示す重量割合で秤量し、トルエンを適量加え、ゴムエラストマーをトルエン中で膨潤させた。これに予め80℃に設定したミニジェットオーブン中で溶融させた白色ワセリンを加えた。これを80℃に設定したミニジェットオーブン中で加温した。ミニジェットオーブンより取り出した後、撹拌棒にて撹拌を行い、目的とする油性外用基剤を得た。 【0022】 [試験例1] 油性外用基剤の分離の評価 ブリーディング用コーンに実施例1〜7及び比較例1〜2で得られた油性外用基剤を約10g充填し、これを30mL容量の空ガラスビーカーの上にのせた後、気温40℃、相対湿度75%環境下に保管した。24時間後に液状成分が貯留したガラスビーカーの質量を測定し、次式より液状成分の分離率を算出した. 【数1】
【0023】 表1及び表2から明らかなように、実施例1〜6の油性外用基剤は比較例1、2の油性外用基剤に比べて液状成分の分離を抑制している。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000113908 【氏名又は名称】マルホ株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区中津一丁目5番22号
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| 【出願日】 |
平成17年6月3日(2005.6.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100127580 【弁理士】 【氏名又は名称】市岡 剛宏
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| 【公開番号】 |
特開2006−335734(P2006−335734A) |
| 【公開日】 |
平成18年12月14日(2006.12.14) |
| 【出願番号】 |
特願2005−164795(P2005−164795) |
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