| 【発明の名称】 |
コロイド系印象材用組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】植田 正彦
【氏名】藤井 英樹
【氏名】豊永 正博
【氏名】中川 和雄
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)アルカリ金属ケイ酸塩と(B)非キレート性の酸のアルカリ金属塩を含有するコロイド系印象材用組成物。 【請求項2】 (A)のアルカリ金属ケイ酸塩がナトリウムおよび/又はカリウム塩である請求項1に記載の組成物。 【請求項3】 (B)非キレート性の酸のアルカリ金属塩が塩酸塩、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、次亜塩素酸塩の中から選ばれた1種又は2種以上のものである請求項1又は請求項2に記載の組成物。 【請求項4】 さらに消毒剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、コロイド系印象材を固定する組成物に関する。 【背景技術】 【0002】 歯科分野における歯型等の印象を写しとるため、コロイド系印象材、ことにアルギン酸塩印象材が繁用されている。印象採取は印象材の主成分であるアルギン酸ナトリウム(またはカリウム)と硫酸カルシウムとに水を加えて練和されることにより不溶性のアルギン酸カルシウムを生成しゲル化して固化することによりなされる。印象材に水を加えて混和すると初期には流動状態であり、この間に歯等に混和物を押しつけ鋳型が形成される。鋳型は固化後、歯等から外される。このようにして得られた印象材に石膏を流し込んで、石膏模型が作成されるのであるが、印象材は固化後、院内感染等の防止などのため、水洗いや消毒液で処理された後、石膏を流し込むことが通常行われている。 しかしながら、コロイド系印象材を水洗したり、消毒処理を行うと、石膏表面が荒れたり、寸法変化が生じ、精密な石膏模型を作成することができなかった。 このような、表面荒れや寸法変化を抑えるものとして硫酸カリウムなどが知られているが、硫酸カリウムを消毒剤に配合しようとしても溶解性が低く、所定の効果を得ることができなかった。また、特開平4−283506には多価金属塩を用いた印象材固定液が開示されているが、多価金属塩はアルカリ性での溶解性が低く、アルカリ性の消毒剤へ配合することができなかった。 【0003】 この出願の発明に関する先行技術文献情報としては次のものがある。 【特許文献1】特開平4−283506 【特許文献2】特開平7−196432 【特許文献3】特開平7−33620 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 表面荒れや寸法変化の少ない、精密な石膏模型を得るためのコロイド系印象材用組成物を提供すること。 【課題を解決するための手段】 【0005】 上記課題を解決するために、本発明のコロイド系印象材用組成物は、A)アルカリ金属ケイ酸塩と(B)非キレート性の酸のアルカリ金属塩を含有する組成物である。 【0006】 本発明のアルカリ金属ケイ酸塩のアルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムが好ましく、特にナトリウム、カリウムが好ましい。これらの塩はナトリウム、カリウム単独でも、あるいは組み合わせて用いてもよい。 アルカリ金属ケイ酸塩のアルカリ金属とケイ酸とのモル比は特に限定されないが、M2O:SiO2=1:1〜5(Mはアルカリ金属)の塩が好ましい。 アルカリ金属ケイ酸塩は組成物中に0.01〜50質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%含有させることができる。 【0007】 本発明の(B)非キレート性の酸のアルカリ金属塩の非キレート性の酸としては塩酸、硝酸、硫酸、過塩素酸、次亜塩素酸などの無機酸類、酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、デカン酸、オクタデカン酸などの炭素数C1−20のカルボン酸類、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、メタンスルホン酸などのスルホン酸類、グリシン、アラニンなどのアミノ酸類、石炭酸、クレゾールなどのフェノール類などを挙げることができる。このうち塩酸、硝酸、硫酸、次亜塩素酸、酢酸、キシレンスルホン酸などが安全性等から好ましく、特に塩酸、酢酸、キシレンスルホン酸が溶解性が優れており好ましい。 非キレート性の酸のアルカリ金属塩のアルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムが好ましく、特にナトリウム、カリウムが好ましい。これらの塩はナトリウム、カリウム単独でも、あるいは組み合わせて用いてもよい。 本発明の(B)非キレート性の酸のアルカリ金属塩としては塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウムが最も好ましい。 非キレート性の酸のアルカリ金属塩は組成物中に0.01〜50質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%含有させることができる。 【0008】 本発明の消毒剤としては次亜塩素酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、トリクロサン、ポビドンヨード、グルタールアルデヒドなどを挙げることができる。本発明の組成物中の消毒剤の含有量はグルタールアルデヒドは2重量%以上、次亜塩素酸ナトリウムは0.5重量%以上必要であるとされるが、消毒剤の使用濃度はそれぞれの成分によって有効性が異なるため、限定はしない。 【0009】 本発明は上述以外に、コロイド系印象材用組成物として一般に使用されるものを配合することができる。たとえば、水、界面活性剤、防錆剤、着色料、噴射剤を挙げることができる。 【発明の効果】 【0010】 (A)アルカリ金属ケイ酸塩と(B)非キレート性の酸のアルカリ金属塩を含有するコロイド系印象材用組成物を用いて、表面荒れや寸法変化の少ない、精密な石膏模型を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 本発明のコロイド系印象材用組成物の形態としては、溶液のものと、粉体、打錠成型のものがある。溶液のものは、水に(A)アルカリ金属ケイ酸塩と(B)非キレート性の酸のアルカリ金属塩を添加し、攪拌混合することで得ることができる。粉体、打錠成型のものは、(A)アルカリ金属ケイ酸塩と(B)非キレート性の酸のアルカリ金属塩の粉体を混合することで得られる。これらの組成物には消毒剤、界面活性剤、防錆剤、着色料、噴射剤を含有させてもよい。 【0012】 このようにして得られたコロイド系印象材用組成物は通常、使用時に水で5〜100倍くらいに希釈して印象材を処理する。処理された印象材は、水洗してよく水を切ってから石膏を流し込む。 【実施例】 【0013】 以下に代表的な実施例を示すが、これらのみに制限されるものではない。 【0014】 本発明のコロイド系印象材用組成物の評価は下記のごとく行った。 評価法1.石膏表面粗さ アルギン酸塩印象材(トクソーA1α:株式会社トクヤマデンタル製)9.85gに水25mLを加えて混和し、混和開始から1.5分後に50mm×25mm×2mmのアクリル平板に5分間圧着した。固化したアルギン酸塩印象材をアクリル平板から剥がし、コロイド系印象材用組成物を水道水で20倍に希釈した液に23℃で3分間浸漬した。浸漬後、水洗して良く水を切ってから硬石膏(ニュープラストーン:株式会社ジーシー社製)20gに水4.8mLを加えて1分間混和した石膏泥を注入し、50分後に硬化した硬石膏の表面を目視にて観察した後、表面粗さ測定機(サーフテストSJ−201P:株式会社ミツトヨ社製)で粗さを測定した。 【0015】 評価法2.印象材の寸法変化 アルギン酸塩印象材(トクソーA1α:株式会社トクヤマデンタル製)6.7gに水17mLを加えて混和し、混和開始から1.5分後に直径10×高さ20mmのアクリル製の型に流し込み、3分間固化させた後に取り出したものを寸法変化試料とした。マイクロメーターを使用して、無負荷にてこの寸法変化試料の高さをを計測し、これを初期値H0とした。コロイド系印象材用組成物を水道水で20倍に希釈した液25mLに寸法変化試料を1時間浸漬し、少量の水で洗浄後に、再度マイクロメーターを使用して、無負荷にてこの寸法変化試料の高さをを計測し、これを変形値H1とした。寸法変化率は以下の式により計算した。 寸法変化率=100×(H1−H0)/H0 【0016】 実施例1〜3および比較例1、2のコロイド系印象材用組成物を表1の組成にしたがって調製した。 各試料を上記評価法にて評価した結果を表1に示す。 表1から、実施例1〜3のものは、比較例1、2と比較して表面は滑沢であり、印象材の寸法変化率も小さいものであった。 【0017】 【表1】
【産業上の利用可能性】 【0018】 本発明に係わるコロイド系印象材用組成物は、コロイド系印象材を処理するときの寸法変化を抑え、処理後に石膏を流して得られる石膏模型の表面荒れを抑える効果が優れているため、精密な石膏模型を得ることができ、かつ配合自由度が高い。例えばアルカリ性の消毒剤に配合することで精密な石膏模型を得ることが可能となるのを初め、様々な消毒剤などの製剤に、精密な石膏模型を得る効果を付与することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591225132 【氏名又は名称】株式会社アルボース 【識別番号】591040557 【氏名又は名称】太平化学産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年6月3日(2005.6.3) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−335697(P2006−335697A) |
| 【公開日】 |
平成18年12月14日(2006.12.14) |
| 【出願番号】 |
特願2005−163370(P2005−163370) |
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