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【発明の名称】 乳化組成物
【発明者】 【氏名】岩井 秀隆
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【氏名】佐野 友彦
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【氏名】中島 淳
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【要約】 【課題】室温で固体の両親媒性物質を高濃度で安定に含有することができ、皮膚への浸透性が高く、スキンケア効果に優れた乳化組成物の提供。

【解決手段】(A)HLB9以上の非イオン界面活性剤又はイオン性界面活性剤、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)HLB9以上の非イオン界面活性剤又はイオン性界面活性剤、
(B)25℃で固体の両親媒性物質、
(C)25℃で液状の油性成分、
(D)水
を含有し、成分(A)及び(B)の質量割合が、(A):(B)=1:11〜1:20であり、50MPa以上の処理圧で乳化して得られ、示差熱量測定において、室温以上で吸熱ピークを有さない乳化組成物。
【請求項2】
次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)HLB9以上の非イオン界面活性剤又はイオン性界面活性剤、
(B)25℃で固体の両親媒性物質、
(C)25℃で液状の油性成分、
(D)水
を含有し、成分(A)及び(B)の質量割合が、(A):(B)=1:11〜1:20であり、50MPa以上の処理圧で乳化して得られ、示差熱量測定において、室温以上で吸熱ピークを有さない乳化組成物からなる、皮膚に塗布することにより、(B)25℃で固体の両親媒性物質を皮膚に浸透させるための乳化組成物。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、室温で固体の両親媒性物質を高濃度で安定に含有することができ、皮膚への浸透性が高く、スキンケア効果に優れた乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミド、脂肪酸、コレステロール等の室温で固体の両親媒性物質は、細胞間脂質の主要な成分であり、皮膚を健常に保つために重要な役割を果たしている。従って、これらを皮膚化粧料に配合すれば、高いスキンケア効果が期待できることから、種々の皮膚外用剤が検討されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
しかしながら、これらの両親媒性物質は、結晶性が高く、融点が高い物質であるため、化粧料中に多量に配合すると結晶が析出しやすく、安定に配合することは困難であった。
【0003】
両親媒性物質を化粧料中に安定に配合するため、界面活性剤を選択したり、多量に用いたりすることも検討されている。しかしながら、界面活性剤を多量に用いると、べたつきが生じるなどの問題があった。
【特許文献1】特開平7−33633号公報
【特許文献2】特開昭63−192703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、両親媒性物質を高濃度で安定に含有することができ、スキンケア効果に優れた乳化組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、室温で固体の両親媒性物質を含有する組成物であって、示差熱量測定において、室温以上で吸熱ピークを有さない乳化組成物が、両親媒性物質の皮膚への浸透性が高く、優れたスキンケア効果が得られることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)HLB9以上の非イオン界面活性剤又はイオン性界面活性剤、
(B)25℃で固体の両親媒性物質、
(C)25℃で液状の油性成分、
(D)水
を含有し、成分(A)及び(B)の質量割合が、(A):(B)=1:11〜1:20であり、50MPa以上の処理圧で乳化して得られ、示差熱量測定において、室温以上で吸熱ピークを有さない乳化組成物を提供するものである。
また、本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)HLB9以上の非イオン界面活性剤又はイオン性界面活性剤、
(B)25℃で固体の両親媒性物質、
(C)25℃で液状の油性成分、
(D)水
を含有し、成分(A)及び(B)の質量割合が、(A):(B)=1:11〜1:20であり、50MPa以上の処理圧で乳化して得られ、示差熱量測定において、室温以上で吸熱ピークを有さない乳化組成物からなる、皮膚に塗布することにより、(B)25℃で固体の両親媒性物質を皮膚に浸透させるための乳化組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の乳化組成物は、室温で固体の両親媒性物質を高濃度で安定に含有することができ、両親媒性物質の皮膚への浸透性が高く、スキンケア効果に優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明で用いる成分(A)のうち、非イオン界面活性剤は、HLB9以上、好ましくはHLB10〜17、特に好ましくはHLB12〜17のものである。ここで、HLBとは親水性−親油性のバランス(Hydrophile-Lipophile Balance)を示す指標であり、小田・寺村らによる次式により定義される。
【0009】
【数1】


【0010】
このような非イオン界面活性剤としては、疎水基として炭素数10〜24、特に炭素数12〜18のアルキル基、アルケニル基又はアシル基を有するものが好ましい。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、アルキルグルコシド系界面活性剤等が挙げられる。
【0011】
また、成分(A)のうち、イオン性界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。これらは、疎水基として炭素数10〜24、特に炭素数12〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましい。
【0012】
アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレン(6)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩;N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩;N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩などが挙げられる。
【0013】
カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ジアルキルジメチルアンモニウム塩、トリアルキルメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。
【0014】
両性界面活性剤としては、例えば、2−ウンデシル−N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤;2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系両性界面活性剤;N−ラウリルグリシン、N−ラウリルβ−アラニン、N−ステアリルβ−アラニン等のアミノ酸型両性界面活性剤などが挙げられる。
【0015】
これらのうち、イオン性界面活性剤が好ましく、アルキル硫酸エステル塩、長鎖N−アシルグルタミン酸塩、脂肪酸アミドスルホン酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましい。より具体的には、ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、N−ステアロイルアルギニンモノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(6)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウムが好ましい。
【0016】
成分(A)の界面活性剤は、1種以上を用いることができ、非イオン界面活性剤とイオン性界面活性剤を組み合わせて用いることもできる。成分(A)は、全組成中に0.01〜7質量%、特に0.05〜5質量%、更に0.05〜4質量%含有されるのが好ましい。
【0017】
本発明で用いる成分(B)の両親媒性物質は、25℃で固体のものであり、例えば、高級脂肪酸、高級アルコール、コレステロール、コレステロールエステル、脂肪族アミド誘導体、脂肪族アミン誘導体等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、炭素数12〜24の飽和脂肪酸が好ましく、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられる。高級アルコールとしては、炭素数12〜24の飽和脂肪族アルコールが好ましく、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
また、コレステロールエステルとしては、炭素数12以上の、特に12〜24の高級脂肪酸残基を有するものが好ましく、パルミチン酸コレステロール、イソステアリン酸コレステロール、N−ラウロイル−L−グルタミン酸(コレステロール、2−オクチルドデシル)、ラノリン脂肪酸コレステロール、マカデミアンナッツ油脂肪酸コレステロール等が挙げられる。
【0018】
脂肪族アミド誘導体としては、一般式(1)で表わされるセラミド類、一般式(2)で表わされる合成セラミド類等が挙げられる。
【0019】
【化1】


【0020】
(式中、R1は炭素数12〜32の炭化水素基を示し、R2は炭素数10〜26の炭化水素基を示し、Xは単結合、−CH(OR3)−、−CH=CH−又は−OCH2−を示し(R3は水素原子又は−COCH(OH)−R1を示す)、nは0又は1を示す)
【0021】
【化2】


【0022】
(式中、R4は炭素数10〜26の炭化水素基を示し、R5は炭素数9〜25の炭化水素基を示し、Yは−(CH2m−(mは2〜6の整数を示す)を示す)
【0023】
例えば、一般式(1)の化合物として、タイプII、タイプIII、タイプVI、タイプV、タイプVI等の天然セラミドが挙げられる。また、一般式(2)の化合物としては、N−(2−ヒドロキシ−3−ヘキサデシロキシプロピル)−N−2−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド(融点69〜77℃)、N−(2−ヒドロキシ−3−ヘキサデシロキシプロピル)−N−2−ヒドロキシエチルデカナミド(融点51.5〜53℃)等が挙げられる。
更に、以下の天然セラミド、合成セラミドを用いることができる。
【0024】
【化3】


【0025】
これらは天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社製)、Ceramide TIC-001(高砂香料社製)、CERAMIDE II(Quest International社製)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社製)、CERAMIDE2(セダーマ社製)が挙げられる。
【0026】
【化4】


【0027】
脂肪族アミン誘導体としては、スフィンゴシン類、特開平6−271446号公報に記載のスフィンゴシン類縁体、特開平6−271447号公報、特開平6−271448号公報、特開平5−194185号公報等に記載のアミン誘導体などが挙げられる。中でも、スフィンゴシン類及び特開平5−194185号公報に記載されている一般式(3)で表わされるアミン化合物もしくはそれらの酸付加塩等が好ましい。
【0028】
【化5】


【0029】
(式中、R11は炭素数4〜40の炭化水素基を示し、R12、R13、R14、R15及びR16はそれぞれ水素原子、又は水酸基が置換していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を示す)
【0030】
スフィンゴシン類としては、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、デヒドロスフィンゴシン、デヒドロフィトスフィンゴシン、スフィンガジエニン及びこれらのN−メチル体又はN,N−ジメチル体等が挙げられる。
また、一般式(3)で表される化合物としては、1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ−2−プロパノール(淡黄色ペースト状)等が挙げられる。
【0031】
成分(B)の両親媒性物質としては、脂肪族アミド誘導体、脂肪族アミン誘導体が好ましい。
【0032】
成分(B)の両親媒性物質は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.11〜77質量%、更に0.55〜55質量%、特に0.55〜44質量%含有されるのが好ましい。
また、本発明において、成分(A)及び(B)の質量割合が、(A):(B)=1:11〜1:20、好ましくは1:12〜1:15である。
【0033】
本発明で用いる成分(C)の油性物質は、25℃で液状のものであり、通常化粧料に配合されるものを好適に用いることができる。例えば、炭化水素油、エステル油、エーテル油、シリコーン油、フッ素油等が含まれる。
より具体的には、ホホバ油、オリーブ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油;流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素油;リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等の脂肪酸エステル;ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等の脂肪酸と多価アルコールとからなるエステル油;グリセリン誘導体、アミノ酸誘導体等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油などが挙げられる。
【0034】
成分(C)の油性成分は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜40質量%、特に0.05〜20質量%、更に1〜15質量%含有するのが好ましい。
【0035】
本発明において、成分(D)の水は、全組成中に16〜99質量%、更に45〜98質量%含有するのが好ましい。
また、その他の水性基剤、例えばエタノール、プロパノール等の炭素数1〜4の低級アルコール;グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールなどを含有することもできる。
【0036】
また、本発明の乳化組成物は、通常の化粧料に用いられる有効成分や添加剤、例えば、アスコルビン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸等の水溶性ビタミン類;オウバクエキス、カンゾウエキス、アロエエキス、スギナエキス、茶エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、ハマメリス抽出液、プラセンタエキス、海藻エキス、マロニエエキス、ユズエキス、ユーカリエキス、アスナロ抽出液等の動・植物抽出液;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等の塩基;クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩等のpH調整剤;カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルキトサン、ヒアルロン酸ナトリウム等の増粘剤などを含有することもできる。
【0037】
本発明の乳化組成物は、配合成分を混合し、50MPa以上、好ましくは70〜280MPa、より好ましくは100〜280MPaの処理圧で乳化することにより製造することができる。
このような高圧乳化を行なう装置としては、一般的な高圧乳化装置を用いることができ、使用可能な高圧乳化機としては、例えば液−液衝突型の高圧乳化機(例えば、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社)、DeBEE2000(ビー・イー・イー社)、ナノマイザー(ナノマイザー社)、アルティマイザー(タウテクノロジー社)等)、マントン−ガウリン型の高圧ホモジナイザー等が挙げられる。
【0038】
このようにして得られる本発明の乳化組成物は、示差熱量測定(DSC)において、室温以上で吸熱ピークを有さないものである。吸熱ピーク(転移温度)は、相転移に基づくものであり、相転移温度以下ではゲル状態又は結晶状態を意味するが、本発明の乳化組成物は室温以上で吸熱ピークを有しないことから、室温以上では両親媒性物質の疎水部が流動性を有する状態にあることを意味する。従って、両親媒性物質は、乳化組成物中で結晶化せず、安定に含有されるものである。
【0039】
本発明の乳化組成物は、そのまま乳化化粧料等として、好適に使用することができる。
また、高圧乳化により得られた乳化組成物を、水等の水性成分、またはそれらに水溶性の有効成分や添加剤を加えたもので希釈して、例えば化粧水や美容液等の化粧料として用いることができる。本発明においては、油滴の平均粒子径が、0.02〜2μmの水中油型乳化組成物とすることができる。特に、スキンケア効果の点から、0.02〜0.4μm、更には0.02〜0.3μmにあることがより好ましい。
【実施例】
【0040】
実施例1及び比較例1
表1に示す組成の乳化組成物を製造し、DSCにおける吸熱ピークの有無、油滴の平均粒子径を測定し、スキンケア効果を評価した。結果を表1に併せて示す。
【0041】
(製造方法)
(1)高圧乳化:
成分(A)、(B)及び(C)を80℃に加温し、溶解後、プロペラ攪拌下で、成分(D)及びその他成分を80℃にて添加し、乳化後、25℃まで冷却して予備乳化物を調製した。これをマイクロフルイダイザーにて所定の処理圧にて乳化し(3回処理)、25℃まで冷却して、乳化組成物を得た。
【0042】
(2)通常乳化:
成分(A)、(B)及び(C)を80℃に加温し、溶解後、ディスパー攪拌下(3000rpm)で、成分(D)及びその他成分を80℃にて添加し、乳化後、25℃まで冷却して、乳化組成物を得た。
【0043】
(評価方法)
(1)吸熱ピークの確認:
示差走査熱量計(セイコー電子社製、DSC6100)を用い、昇温速度0.5℃/分で測定し、吸熱ピークの有無を観測した。試料は乳化組成物をそのまま用いた。また、その結果を図1に示す。
【0044】
(2)平均粒子径の測定:
粒子径分布測定装置(堀場製作所社製、LB−500)を用い、油滴の平均粒子径を測定した。試料は乳化組成物をそのまま用いた。
【0045】
(3)スキンケア効果:
被験者5名の上腕内側をアセトン/エーテル(1:1)で30分間処理し、モデル荒れ肌とした。このモデル荒れ肌部分(塗布面積26mmφ、塗布量20μL)に、各乳化組成物を1週間、1日2回塗布した。モデル荒れ肌を1、健常肌を5とし、一週間後の改善度を5段階評価し、5名の平均評点を算出した。
【0046】
【表1】


【0047】
実施例2〜3及び比較例2
実施例1と同様にして、表2に示す組成の乳化組成物を製造した。なお、エタノールは、予備乳化時に40℃以下に冷却後、添加した。DSCにおける吸熱ピークの有無、油滴の平均粒子径を測定し、スキンケア効果を評価した。結果を表2に併せて示す。
【0048】
【表2】


【0049】
実施例4〜5
実施例1と同様にして、表3に示す組成の乳化組成物を製造し、DSCにおける吸熱ピークの有無、油滴の平均粒子径を測定し、スキンケア効果を評価した。結果を表3に併せて示す。
【0050】
【表3】


【0051】
実施例6及び比較例3
実施例1及び比較例2と同様にして、表4に示す組成の乳化組成物を製造し、DSCにおける吸熱ピークの有無、油滴の平均粒子径を測定し、スキンケア効果を評価した。また、べたつき感についても評価した。結果を表4に併せて示す。
【0052】
(評価方法)
べたつき感:
30歳代女性20名により、各乳化組成物を使用し(各10名)、べたつかない場合を1、べたつく場合を5として、5段階評価した。結果を、10名の平均点を算出して示した。
【0053】
【表4】


【0054】
実施例7〜10
実施例1又は2と同様にして、表5に示す組成の乳化組成物を製造し、DSCにおける吸熱ピークの有無を測定し、スキンケア効果を評価した。結果を表5に併せて示す。
【0055】
【表5】


【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施例1及び比較例1の示差熱量測定の結果を示す図である。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
【出願日】 平成17年6月2日(2005.6.2)
【代理人】 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所

【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸

【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄

【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫

【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹

【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人

【識別番号】100101317
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 ひろみ

【識別番号】100121153
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 嘉高

【識別番号】100134935
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 詩木

【識別番号】100130683
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 政広

【公開番号】 特開2006−335693(P2006−335693A)
【公開日】 平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願番号】 特願2005−162940(P2005−162940)