| 【発明の名称】 |
抗白癬菌外用剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷岡 弘章 【住所又は居所】京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内
【氏名】篠田 克巳 【住所又は居所】京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】抗白癬菌作用に優れ、かつ皮膚刺激性が少ない皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対イオンが超強酸である第4級アンモニウム塩(A)を有効成分とする抗白癬菌外用剤。 【請求項2】 (A)が、一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩である請求項1記載の抗白癬菌外用剤。 【化1】
(式中、R1およびR2は同一の又は異なる、炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基、R3は炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基又は炭素数が7〜22のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、R4は炭素数が8〜22の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、X-は超強酸のアニオンを表す。) 【請求項3】 剤型が液剤、エアゾール剤、クリーム剤またはゲル剤である請求項1または2記載の抗白癬菌外用剤。 【請求項4】 液剤またはエアゾール剤が、水性媒体中に(A)が分散した剤型である請求項3記載の抗白癬菌外用剤。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、抗白癬菌外用剤に関する。さらに詳しくは、白癬菌に冒された患部に塗布することにより患部を治癒せしめるための皮膚用外用白癬菌治療薬に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、抗白癬菌外用剤としては、各種のものが提案されており、現在の主流はイミダゾール系抗真菌剤である(特許文献1)。しかしながら、イミダゾール系抗真菌剤は皮膚を刺激し、発赤、発疹などを引き起こすという問題があり、皮膚刺激性が少なくて効果の高い、いわゆる安全性の高い水虫の特効薬が切望されている。また、従来から、抗真菌性の界面活性剤として第4級アンモニウム塩が知られており、これらの第4級アンモニウム塩を他の抗真菌剤と組み合わせた抗白癬菌剤も提案されている(特許文献1)。しかし、塩化ベンザルコニウムに代表される第4級アンモニウム塩型界面活性剤は一定の効果を示すが、副作用として皮膚に長時間使用すると肌荒れ、発疹、そう痒感などの過敏症状が知られている。(特許文献1) 皮膚刺激が少ない抗白癬菌外用剤としては、例えば、天然物由来である木酢を含有する組成物が抗白癬菌外用剤として報告されている(例えば、特許文献2)が、これらは抗白癬菌作用が低いという欠点がある。 【特許文献−1】特開平9−110690公報 【特許文献−2】特開平10−306034公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本発明は、抗白癬菌作用に優れ、かつ皮膚刺激性が少ない皮膚外用剤を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、対イオンが超強酸である第4級アンモニウム塩(A)を有効成分とする抗白癬菌外用剤である。 【発明の効果】 【0005】 本発明の抗白癬菌外用剤は、抗白癬菌作用に優れ、かつ皮膚刺激性が少ない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 本発明の抗白癬菌外用剤は対イオンが超強酸である第4級アンモニウム塩(A)を有効成分とする。 (A)としては、下記一般式(1)で表される第4級アンモニウム超強酸塩(A1);アミド基[アルキル(炭素数10〜24)アミドアルキル(炭素数2〜6)基]または/および炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有する第4級アンモニウム超強酸塩(A2);並びに、環状アミン(ピリジン、モルホリンなど)型第4級アンモニウム超強酸塩(A3)などが挙げられる。 【0007】 【化2】
【0008】 一般式(1)におけるR1およびR2は炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基およびアルケニル基など)を表す。 直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油由来のアルコールから水酸基を除いたアルキル基(以下、ヤシ油アルキル基と略記する。)およびオレイル基などが挙げられ、分岐の炭化水素基としては、イソプロピル基および2−エチルヘキシル基が挙げられる。これらのうち、好ましいのは炭素数が1〜14、さらに炭素数1〜8、特に炭素数1または2のものであり、最も好ましいのはメチル基である。また、R1とR2は同一であっても異なっていてもよいが、同一であるのが好ましい。 【0009】 R3は炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜22のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基を表す。直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基としては、前記で例示したものが挙げられ、アリールアルキル基としてはベンジル基およびフェネチル基など、アリールアルケニル基としてはスチリル基およびシンナミル基などが挙げられる。 R3のうち好ましいのは炭素数が1〜18の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜15のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、さらに好ましいのは炭素数が6〜14の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基である。 【0010】 R4は炭素数8〜22の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基およびアルケニル基など)を表す。 直鎖の脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油アルキル基およびオレイル基などが挙げられ、分岐の脂肪族炭化水素基としては、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。R4のうち好ましいのは炭素数8〜18の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基、さらに好ましいのは炭素数10〜16の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基である。X-は後述の超強酸のアニオンを表す。 【0011】 (A1)を構成する第4級アンモニウム基の具体例としては、R3が脂肪族炭化水素基の場合は、たとえば、1つの長鎖アルキル基を有するもの(トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチルヤシ油アルキルアンモニウム、トリメチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルエチルドデシルアンモニウム、ジメチルエチルテトラデシルアンモニウム、ジメチルエチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルエチルオクタデシルアンモニウム、ジメチルエチルヤシ油アルキルアンモニウム、ジメチルエチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、メチルジエチルドデシルアンモニウム、メチルジエチルテトラデシルアンモニウム、メチルジエチルヘキサデシルアンモニウム、メチルジエチルオクタデシルアンモニウム、メチルジエチルヤシ油アルキルアンモニウムおよびメチルジエチル−2−エチルヘキシルアンモニウム)、2つの長鎖アルキル基(炭素数6〜22)を有するもの(ジメチルジヘキシルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウムおよびジメチルジドデシルアンモニウム)、1つの長鎖アルケニル基(炭素数8〜22)を有するもの(トリメチルオレイルアンモニウム、ジメチルエチルオレイルアンモニウムおよびメチルジエチルオレイルアンモニウム)が挙げられる。 また、R3がアリールアルキル基の場合は、たとえば、ジメチルデシルベンジルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヘキサデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム、ジメチルオレイルベンジルアンモニウムおよびジメチル−2−エチルヘキシルベンジルアンモニウムが挙げられる。 【0012】 これらのうち抗白癬菌効果の観点から好ましいのは、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムである。 【0013】 (A2)を構成する第4級アンモニウム基としては、例えばオレアミドエチルジエチルメチルアンモニウム、ステアラミドエチルジエチルベンジルアンモニウム、およびステアラミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム基などが挙げられる。 【0014】 (A3)を構成する第4級アンモニウム基をしては、アルキロキシ(炭素数8〜24)メチルピリジニウム基(例えばステアリロキシメチルピリジニウム基)、アルキル(炭素数8〜24)オキシメチルピリジニウム基(例えば、ヘキサデシルオキシメチルピリジニウム基)、およびアルキル(炭素数10〜24)ピリジニウム基(例えば、テトラデシルピリジニウム基)などが挙げられる。 【0015】 (A)のうちのアニオンを構成する超強酸は、100%硫酸より強い酸強度を有する酸(「超強酸・超強塩基」田部浩三、野依良治著、講談社サイエンティフィック刊、p1参照)であり、Hammettの酸度関数(H0)が100%硫酸の−11.93未満のものであり、プロトン酸、およびプロトン酸とルイス酸の組み合わせからなる酸が挙げられる。 プロトン酸の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸(H0=−14.10)、ペンタフルオロエタンスルホン酸(H0=−14.00)などが挙げられる。 プロトン酸とルイス酸の組み合わせに用いられるプロトン酸としては、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素など)が挙げられ、ルイス酸としては三フッ化硼素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化砒素、五フッ化タウリンなどが挙げられる。 プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、組み合わせて得られる超強酸の具体例としては、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化砒酸、六フッ化タウリンなどが挙げられる。 上記の超強酸のうち、本発明の一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩(A)の効果持続性の観点から、好ましいのは、Hammettの酸度関数(H0)が−12.00以下のもの、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、四フッ化硼素酸、六フッ化リン、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素、および六フッ化タウリンなど、さらに好ましいのは、トリフルオロメタンスルホン酸、四フッ化硼素酸および六フッ化リン酸、特に好ましいのはトリフルオロメタンスルホン酸と四フッ化硼素酸である。 【0016】 (A)のうち、安全性、少量の添加で抗白癬菌効果を発揮できる点および抗白癬菌効果の持続性の観点から、好ましいのは(A1)であり、特に好ましいのはジメチルジデシルアンモニウム四フッ化硼素酸塩、ジデシルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム四フッ化硼素酸塩、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム四フッ化硼素酸塩およびジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸である。 【0017】 (A)の製造方法としては、例えば下記の[I]および[II]の方法が挙げられる。 種々の不純物が少ないという観点から好ましいのは[II]の方法である。 【0018】 [I] 第4級アンモニウム塩〔例えば、クロルアニオンからなる塩〕の水溶液(20〜70重量%)に前記超強酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩またはカリウム塩など)を加え(第4級アンモニウム塩/超強酸塩の当量比は通常1/1〜1/1.5、好ましくは1/1.05〜1/1.3)、室温で約2時間撹拌混合して得られる水溶液を70〜80℃で約1時間撹拌後、静置して分液した下層(水層)を除去し、上層中の水分を減圧留去して、目的の第4級アンモニウム塩を得る。 【0019】 [II] 第3級アミンと同当量以上(好ましくは1.1〜5.0当量)の炭酸ジアルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜5)を溶媒(例えば、メタノール)の存在下(第3級アミンの重量に基づいて10〜1000%)または非存在下、反応温度80〜200℃、好ましくは100〜150℃で反応させて第4級アンモニウム塩を形成し、さらに前記超強酸を添加(第4級アンモニウムの当量に基づいて1.0〜1.2当量)し、10〜50℃で1時間撹拌して塩交換する。溶媒を80〜120℃で減圧留去して、目的の第4級アンモニウム塩を得る。 【0020】 本発明における(A)は、通常は固体であり、その融点は通常30〜120℃であり、好ましくは40〜110℃である。 【0021】 本発明の抗白癬菌外用剤は、(A)のみからなる抗白癬菌外用剤または他の成分を含有してなる抗白癬菌外用剤である。好ましいのは使いやすさの観点から他の成分を含有してなる抗白癬菌外用剤である。 他の成分を含有してなる抗白癬菌外用剤における他の成分としては、水および添加剤が挙げられる。 【0022】 本発明の抗白癬菌外用剤は、その剤型が、液剤、エアゾール剤、クリーム剤、ゲル剤(ジェリー剤)、粉剤、軟膏剤、パップ剤、リニメント剤または膣坐剤などである。 これらの剤型のうち、使いやすさの観点から好ましいのは液剤、エアゾール剤、クリーム剤またはゲル剤である。 液剤またはエアゾール剤は、(A)が比較的水に溶解しにくいことから、水性媒体中に(A)が分散した剤型であることが好ましい。 【0023】 また、本発明の抗白癬菌外用剤における(A)の含有量は、抗白癬菌外用剤の重量に基づいて0.1重量%以上であれば特に限定されないが、液剤、エアゾール剤、クリーム剤またはゲル剤の場合には好ましくは0.1〜5%(以下において、特に限定しない限り%は重量%を表す)、さらに好ましくは0.3〜3%、特に好ましくは0.5〜1%である。 【0024】 本発明の抗白癬菌外用剤における(A)以外に含有できる他の成分のうち、水以外の成分としては以下の添加剤、例えば、油性成分、親水性成分、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤、紛状無機物質、保存剤、酸化防止剤、PH調整剤および賦香剤などが挙げられる。 【0025】 油性成分としては、ワセリン、流動パラフィン、パラフィンワックス、シリコーンオイル、トリグリセリド、スクアレン、ミツロウ、サラシミツロウ、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、鯨ロウなどワックス、精製ラノリンなどが挙げられる。 親水性成分としては、親水性脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、1価アルコール(エタノール、イソプロパノールなど)、多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−テトラメチレングリコール、グリセリン、ソルビトールなど)、アルカノールアミン(ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど)が挙げられる。 【0026】 界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤(アルキル硫酸ナトリウムなど)、ノニオン性界面活性剤[ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(モノオレイルポリオキシエチレンソルビタンなど)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル(グリセリンモノステアレートおよびソルビタンモノオレートなど)、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノステアレートおよびソルビタンセスキオレートなど)、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル(ポリオキシエチレンセチルエーテルなど)、ポリオキシエチレンアルキルフェノールおよびポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体(プルロニックなど)]、カチオン性界面活性剤(セチルトリメチルアンモニウムクロライドなど)、および両性界面活性剤などが挙げられる。 【0027】 増粘剤およびゲル化剤としては、多糖類(コロイド分散したデンプン、トラガント、アルギン酸塩、アラビアゴム、プルラン、ローカストビンガム、ビンガム、ペクチン、キサンタンガムおよびグアガムなど)、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど)、コロイド性粘土(例えば、ベントナイト、ビーガムなどのケイ酸塩類)、ビニル重合体(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸コポリマーなど)、およびコロイダル微結晶セルロースなどが挙げられる。 紛状無機物質としては、例えば、タルク、無水ケイ酸、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、コロイダルシリカ、ベントナイトなどが挙げられる。 【0028】 保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピルなどのパラオキシ安息香酸エステルなどが挙げられる。 酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、α−トコフェロール、エリソルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。 pH調整剤としてはクエン酸、水酸化ナトリウム、また、ジイソプロパノールアミンなどの有機アミン類などが挙げられる。 【0029】 上記の成分は、本発明の抗白癬菌外用剤の剤型に応じて、油性基剤、疎水性基剤、乳剤型基剤、親水性基剤、水溶性基剤またはゲル基剤として使用される。 【0030】 本発明の抗白癬菌外用剤が液剤である場合には、好ましくは界面活性剤、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、増粘剤、アルコール類、多価アルコールおよび保存剤などを用いる。 【0031】 エアゾール剤である場合には、好ましくは前記液剤の成分とともに噴射剤が使用され、必要に応じて、エタノール、グリセリン、プロピレングリコールなどの溶媒、高級脂肪酸エステル、界面活性剤などを使用できる。 【0032】 噴射剤としては、低沸点のフッ化炭化水素(例えばフロン22など)や脂肪族炭化水素(例えば、プロパン、ブタンなど)などが使用できる。 【0033】 ゲル剤である場合には、ゲル化剤を含んでおり、クリーム剤および軟膏剤の基剤としては、前記油性成分、界面活性剤、親水性成分などが使用できる。 【0034】 本発明の抗白癬菌外用剤は、剤型に応じて、塗布、塗擦又は散布などにより適用できる。抗白菌性外用剤の患部への適用量は、有効成分の含有量などに応じて選択でき、例えば、1日1〜3回程度の複数回適用できる。 【0035】 本発明の抗白癬菌外用剤は、通常、上記の各成分を配合することによって得られる。 本発明の抗白癬菌外用剤が液剤である場合は、たとえば、本発明における4級アンモニウム塩(A)1〜60重量部、好ましくは5〜30重量部を50〜80℃に加熱して溶解し、必要によりエチレングリコールもしくはプロピレングリコールなど1〜60重量部、好ましくは5〜50重量部、およびアニオン界面活性剤、両性界面活性剤もしくは非イオン界面活性剤を1〜60重量部、好ましくは5〜50重量部を添加して均一に混合、溶解した後、必要によりその他の添加剤を加え、充分に攪拌しながら水を加えて水系エマルジョンまたは水系サスペンジョン[(A)の濃度は通常1〜30%、好ましくは5〜20%]を得る方法が挙げられる。 【0036】 本発明の抗白癬菌外用剤は白癬菌による種々の症状(特に皮膚真菌症)、例えば、足白癬、手白癬、体部白癬、股部白癬、爪白癬などの白癬症、指間びらん、間擦疹、爪囲炎、乳児寄生菌性紅斑、皮膚カンジダ症(カンジダ性間擦疹、カンジダ性指間びらん症、カンジダ性爪囲症、口腔カンジダ症状、外陰部カンジダ症、慢性皮膚粘膜カンジダ症など)、外陰炎などのカンジダ症、癜風などの治療に有用である。 【0037】 本発明の抗白癬菌外用剤は、それ自体を、医薬品、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品として使用可能である。さらに、抗白癬菌剤として任意に医薬品、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品などに混合してもよい。 【0038】 医薬品、医薬部外品、化粧品、またはトイレタリー用品の形態としては、化粧水、化粧クリーム、乳液、クリーム、パック、ヘアトニック、ヘアクリーム、シャンプー、ヘアリンス、水性軟膏、油性軟膏などが挙げられる。 【0039】 <実施例> 以下、実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の部は重量部を示す。 実施例1 加熱冷却装置、攪拌機および滴下ロートを備えたガラス製反応容器に、メタノール56部、メチルジn−デシルアミン163部(0.88モル)、および炭酸ジメチル144部(1.6モル)を仕込み、120℃で20時間反応させた後、メタノールと炭酸ジメチルの一部を留去してジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネートの83%メタノール溶液250部(0.52モル)を得た。さらに、30〜60℃に昇温したのち、その温度に保ちながら42%四フッ化硼素酸水溶液114部(0.55モル)を2時間で徐々に加えた。その後、さらに、同温度で1時間攪拌した後、静置分液した上層を分取し、メタノールと水を減圧下、80〜100℃で留去して、さらに減圧乾燥(減圧度950hpa、105℃×3時間)した後、80℃で溶融状態にして、析出した塩を200メッシュ金網で濾過して除き、常温で固状の抗白癬菌外用剤ジメチルジn−デシルアンモニウム四フッ化硼素酸塩(A−1)206部を得た。 【0040】 実施例2 実施例1と同様にして得られたジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネートの83%メタノール溶液250部(0.52モル)に、室温でトリフルオロメタンスルホン酸79.5部(0.53モル)を加え、2時間攪拌した。この反応溶液に粒状苛性カリを添加して中和(pH:6〜8)し、析出する塩を濾過後、濾液のメタノールを留去し、減圧乾燥(前記条件に同じ)して120℃で溶融状態にして取り出し、常温で固状の抗白癬菌外用剤ジメチルジn−デシルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩(A−2)250部を得た。 【0041】 実施例3 水1,100部に四フッ化硼素酸ナトリウム293部(2.67モル)と30%苛性ソーダ水溶液65部(0.49モル)を室温で配合し、さらにジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムクロライド80%メタノール溶液1058部(2.39モル)を加え2時間撹拌した。この反応溶液を50〜60℃でさらに攪拌した後、同温度で1時間静置した。下層(水層)を分液除去し、さらに上層のメタノールと水を留去して、常温で固状の抗白癬菌外用剤ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム四フッ化硼素酸塩(A−3)を得た。 【0042】 比較の抗白癬菌外用剤; 比較の抗白癬菌外用剤として、トルナフテート(X−1)、および塩化ジメチルジn−デシルアンモニウム(X−2)を使用した。 【0043】 上記の抗白癬菌外用剤を用いて、液剤、エアゾール剤、クリーム剤およびゲルクリーム剤の剤型にした抗白癬菌外用剤を調製した。調製処方を以下に示す。 【0044】 まず、液剤およびエアゾール剤に配合されるエマルジョン(A'−1)、(A'−2)、(X'−1)および(X'−2)を調製した。 【0045】 エマルジョンの調製; (A−1)、(A−2)、(X−1)または(X−2)を10部、レボンLD−36(三洋化成工業製、ラウリルジメチルベタイン)10部を加え、50〜60℃に昇温し、攪拌しながら精製水80部を徐々に加えて、(A−1)、(A−2)、(X−1)または(X−2)の10%エマルジョン(A'−1)、(A'−2)、(X'−1)および(X'−2)を調製した。 【0046】 実施例4、5および比較例3、4(液剤処方); エマルジョン(A'−1)、(A'−2)、(X'−1)または(X'−2) 100g マクロゴール400 330g メチルエチルケトン 100mL エタノール 450mL 精製水 全 1000mL (調製方法) 各成分を混合溶解し、精製水を加えて全量が1000mlとなるように調整して液剤を製造した。 【0047】 実施例6、7および比較例5、6(エアゾール剤処方); エマルジョン(A'−1)、(A'−2)、(X'−1)または(X'−2) 30g エタノール 50g 精製水 100mL 噴射剤:ジメチルエーテル 100mL (調製方法) エタノール、精製水を含む基剤にエマルジョンを混合溶解し、容器に充填後、バルブを装着し、噴霧剤を充填し、エアゾール剤を製造した。 【0048】 実施例8、9および比較例7、8(クリーム処方) (A−1)、(A−2)、(X−1)または(X−2) 10g ラウリルジメチルベタイン 10g ステアリルアルコール 100g セバシン酸ジエチル 60g 1,3−ブチレングリコール 100g 中鎖脂肪酸トリグリセリド 80g ポリソルベート60 40g ソルビタンモノステアレート 00g 精製水 を加えて 全1000g (調製方法) 油相成分(精製水以外の成分)を加温混合後、冷却し攪拌しながら精製水を加えクリーム1000g を製造した。 【0049】 実施例10、11および比較例9、10(ゲルクリーム処方) (A−1)、(A−2)、(X−1)または(X−2) 100g ラウリルジメチルベタイン 10g ステアリルアルコール 100g ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 10g プロピレングリコール 100g 流動パラフィン 50g カルボキシビニルポリマー 5g ジイソプロパノールアミン 10g 精製水 全1000g (調製方法) 精製水およびジイソプロパノールアミン以外の成分を混合した混合物と、精製水およびジイソプロパノールアミンの混合物を混合し、ゲルクリーム1000g を製造した。 【0050】 抗白癬菌外用剤の抗白癬菌効果および皮膚刺激性の評価; <抗白癬菌効果> 白癬菌 としては、Trichophyton mentagrophytesを用い、JIS L 1902に準拠して、以下の方法で測定した。 供試菌をサブロー寒天培地で培養し、着生した胞子を生理食塩水で集め、ガーゼをつめたチップでろ過して胞子懸濁液を作成した。この胞子懸濁液を無菌水で20倍に希釈した1/20サブロー液体培地を用いて胞子数約105〜106cells/mlに調整し、これを試験菌液とした。 試験菌液2mlを実施例および比較例のそれぞれの抗白癬菌外用剤2gに植菌し、バイアル瓶中、室内光下37±1℃にて、所定の時間静置培養した。所定時間経過後(0時間の場合は、接種後直ちに)、生理食塩水20mlをバイアル瓶に加え、液1mlを採取し、生理食塩水9mlの入った試験管に混ぜ、よく撹拌した。この試験管から1mlを採取し、別の試験管の生理食塩水9mlに入れて撹拌した。この操作を繰り返して、10倍希釈法による希釈系列(1倍、10倍および100倍稀釈)を作成した。サブロー寒天培地を入れたシャーレに、各希釈系列の試験管から稀釈液0.1mlを採取し、サブロー寒天培地に塗布した後、30℃で48時間培養した。(なお、各稀釈系列につき、2個のシャーレで試験した。) 培養後、それぞれの稀釈倍率の2枚のシャーレのコロニー数の平均値から、各稀釈倍率での生菌数(m)を以下の計算式で求めた。 各稀釈倍率での生菌数(m)=Z×R×20 ここで、Zはコロニー数(2枚のシャーレの平均)、Rは希釈倍率である。 各稀釈倍率におけるmの平均値(3種の稀釈倍率の平均)を生菌数(M)とした。 結果を表1に示した。 【0051】 生菌数(M)が少ないほど、抗白癬菌性が高いことを示している。なお生菌数(M)が1.0×102以下は、コロニーが非常に少なく、非常に高い抗白癬菌性を有していることを示している。 【0052】 <皮膚刺激性> 皮膚刺激性については、試料として実施例および比較例の抗白癬菌外用剤のそれぞれの10重量%水稀釈液を用い、30人(男性15人、女性15人)のモニターによる48時間の背部閉塞貼付試験により評価した。結果を、以下の評価点数の30人の平均点で表1に示した。 判定基準は以下の通りである。 0点:紅班発生を全く認めない。 1点:紅班発生を僅かに認める。 2点:紅班発生を多く認める。 【0053】 【表1】
【0054】 表1から、本発明の抗白癬菌外用剤(実施例4〜11)は、比較例の抗白癬菌外用剤に比べて優れた抗白癬菌効果と低い皮膚刺激性を兼ね備えていることがわかる。 【産業上の利用可能性】 【0055】 本発明の抗白癬菌外用剤は白癬菌による種々の症状の治療に有用である。 従って、本発明の抗白癬菌外用剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品として利用できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002288 【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社 【住所又は居所】京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1
|
| 【出願日】 |
平成17年5月31日(2005.5.31) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2006−335650(P2006−335650A) |
| 【公開日】 |
平成18年12月14日(2006.12.14) |
| 【出願番号】 |
特願2005−158784(P2005−158784) |
|