| 【発明の名称】 |
経口摂取用製剤 |
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【氏名】八木田 旭邦
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 酵母由来成分と、椎茸菌糸体加工物及び万年茸菌糸体加工物のうちの少なくともいずれか1とを配合することを特徴とする経口摂取用製剤。 【請求項2】 酵母由来成分と、椎茸菌糸体加工物と、万年茸菌糸体加工物とを配合することを特徴とする請求項1に記載の経口摂取用製剤。 【請求項3】 酵母由来成分を30〜50重量部、椎茸菌糸体加工物を30〜50重量部、万年茸菌糸体加工物を10〜30重量部で配合することを特徴とする請求項2に記載の経口摂取用製剤。 【請求項4】 抗腫瘍効果を期待して摂取されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の経口摂取用製剤。 【請求項5】 経口摂取用製剤が健康補助食品である請求項1〜4のいずれか一に記載の経口摂取用製剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、新規な経口摂取用製剤に関する。さらに詳しくは、椎茸菌糸体加工物及び万年茸菌糸体加工物のうちの少なくともいずれか1とを配合してなる経口摂取用製剤に関する。本発明の新規な経口摂取用製剤は、摂取の結果として抗腫瘍効果を期待することができるという有用性に基づく。 【背景技術】 【0002】 従来、癌(malignant neoplasms)(cancer)の予防又は治療に有用な物質の選別は癌細胞への直接的な作用が重要視されていた。免疫賦活剤が癌治療に有用であることは認められていたが、免疫賦活剤として得られた化合物はいずれも抗癌効果が微弱であり、免疫療法単独によっても、又は化学療法との併用治療によっても癌の十分な治療効果は達成されていない。 【0003】 本発明者の医学博士 八木田は、先に、癌治療における画期的な手法としてインターロイキン12(IL-12)を生体内で誘発する物質の有用性に着目した。そして、椎茸菌糸体加工物であるAHCC(商品名)が、該誘発機能を有することを発見して、新免疫療法(Novel Immunotherapy for cancer)(NITC)ともいうべき癌治療法を確立した。従来より、IL-12自体には抗癌効果があるものの、IL-12自体を生体内に直接投与した場合には副作用を生じてしまい、患者が治療に耐えられないという事実があった。そのためIL-12自体を抗癌剤として使用することはできなかった。これに対して、八木田が報告したAHCCを含む製剤は、癌の治療において著しい治癒・延命効果を達成した。つまり八木田は、IL-12を生体内で誘発できる有効量のAHCCを投与することにより、癌を治療することに成功した(特許文献1)。 【0004】 IL-12は、TNFα→IFNγ(インターフェロンγ)→IL-12→CTL(キラーT細胞)活性化というルートでキラーT細胞の活性化効果と増強効果をもつ。つまりIL-12の産生増強は、キラーT細胞の活性化と増強を介して抗癌効果を発揮することが期待される。 【0005】 八木田は、IL-12の産生増強の系とは別にNKT細胞の活性化が抗癌効果に有用であることを報告している。谷口等は、NKT細胞が有するVα24Vβ11という特異的なT細胞抗原受容体(TCR)が認識する特異的な糖脂質抗原を発見し、この抗原が、αガラクトシルセラミドであることを報告している。更に、αガラクトシルセラミドを投与した担癌マウスでは、NKT細胞が活性化され、癌の消失はみられないものの転移が抑制されることを証明した。 【0006】 NKT細胞には、もう一つの受容体としてNK細胞抗原受容体(NKR-P1;ナチュラルキラー受容体P1)があることは報告されている(非特許文献1)。NKR-P1もNKT細胞の活性化に関与しており、この活性化が抗癌効果により優位であることを八木田は見出している。 【0007】 NK細胞についても生体の抗癌作用に係わるという報告がなされているが、これまでNK細胞の活性と臨床的な抗癌効果とが相関せず、IL-12の産生誘発量とNK細胞の活性とが完全な逆相関を示すことが八木田により証明されており、ヒトにおける抗癌作用についてのNK細胞の関与は疑問視されていた。 【0008】 医学博士 八木田は、種々のIL-12の生体内での誘発剤の検討を進め、癌周期との関係を考慮した、しま万年茸菌糸体由来の新規なIL-12産生誘導剤を見出した(ILY(登録商標)(商品名):株式会社オリエントキャンサーセラピー)。医学博士 八木田は、β1,3/1,6グルカンを含有するキノコ菌糸体に抗腫瘍効果があり、その抗腫瘍性がTh1系免疫を総合的に活性化するサイトカイン(IL-12)に起因するものであることを見出し、商品名ILX、ILY、クレスチン、SPG等の製品の新用途に関する特許出願をしてきた。 【0009】 スエヒロ茸菌糸体加工物又はスエヒロ茸菌糸体培養ロ液由来多糖体と、椎茸菌糸体加工物と、万年茸菌糸体加工物との3種を配合した組成物が、抗癌効果を期待することができることが開示されている(特許文献2)。本発明者は、癌免疫を担う2つのカスケード、すなわち誘発産生されたIL-12が関与するカスケードと、活性化されたNKT細胞が関与するカスケードに着目し、BCGの生ワクチン、茸菌糸体由来物が癌患者の生体内においてNKT細胞を活性化することを見出した。 【0010】 また、β1,3グルカン構造を有する海洋性酵母由来成分、並びにイミュトール、NBGの酵母由来成分を含有する組成物が、有用なIL-12誘発剤、特に癌の進行度の重篤(進行性癌、末期癌)な場合にも、より効果的なIL-12誘発剤であることが見出された。該組成物は、経口投与により、NK細胞活性化能、NKT細胞活性化能を期待しうる抗癌組成物であった(特許文献3,4)。 【0011】 しかしながら、茸菌糸体加工物と、酵母由来成分を組み合わせた製剤が、有効な抗腫瘍作用を有することはいまだ開示されていない。 【特許文献1】特開平10-139670号公開公報 【特許文献2】国際出願WO 01/54724号公開公報 【特許文献3】国際出願WO 03/39567号公開公報 【特許文献4】国際出願WO 03/39568号公開公報 【非特許文献1】「特集 NKT細胞の基礎と臨床」最新医学55巻4号2000年818〜823ページ 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0012】 本発明の課題は、新規な経口摂取用製剤を提供することであり、より詳細には抗腫瘍作用を発揮することのできる製剤を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0013】 本発明者は、上記課題解決のために、経口摂取用製剤の有効成分の組合せについて鋭意検討した結果、酵母由来成分と、椎茸菌糸体加工物及び万年茸菌糸体加工物のうちの少なくとも1とを配合してなる製剤が顕著な抗腫瘍作用を有し得ること、この抗腫瘍作用がそれら単独での使用よりも高いものであることを見出し本発明を完成した。 【0014】 すなわち本発明は、以下に記載の発明からなる。 1.酵母由来成分と、椎茸菌糸体加工物及び万年茸菌糸体加工物のうちの少なくともいずれか1とを配合することを特徴とする経口摂取用製剤。 2.酵母由来成分と、椎茸菌糸体加工物と、万年茸菌糸体加工物とを配合することを特徴とする前項1に記載の経口摂取用製剤。 3.酵母由来成分を30〜50重量部、椎茸菌糸体加工物を30〜50重量部、万年茸菌糸体加工物を10〜30重量部で配合することを特徴とする前項2に記載の経口摂取用製剤。 4.抗腫瘍効果を期待して摂取されることを特徴とする前項1〜3のいずれか一に記載の経口摂取用製剤。 5.経口摂取用製剤が健康補助食品である前項1〜4のいずれか一に記載の経口摂取用製剤。 【発明の効果】 【0015】 本発明の経口摂取用製剤を経口投与することにより抗腫瘍効果を期待することができる。また、当該製剤によれば、既知の製剤より有利な抗腫瘍効果も期待し得る。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 以下、本発明を詳しく説明するが、本明細書中で使用されている技術的及び科学的用語は、別途定義されていない限り、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者により普通に理解される意味を持つ。 【0017】 本発明の経口摂取用製剤は、酵母由来成分と、椎茸菌糸体加工物及び万年茸菌糸体加工物のうち少なくともいずれか1、より好ましくは両方を配合することによる。本発明の経口摂取用製剤は、投与することにより抗腫瘍効果を奏することが期待されるものである。 【0018】 (酵母由来成分) 酵母由来成分とは、ビール酵母を除く酵母、例えばパン酵母等から抽出される、β1,3グルカン構造を含有する成分である。該成分は、例えば次のようにして得ることができる。単離された酵母菌体、若しくは既存の菌体を用いて、150mlのYPD培地(酵母エキス 10g、ポリペプトン 20g、グルコース 20g、蒸留水 1000ml、pH5.0)を入れた容坂口フラスコで27℃、24時間、振とう培養する。5.0L用ジャーファーメンターに上述の培養液3.0Lを入れて殺菌(121℃、40分)した後、上記振とう培養菌体を接種菌として接種し、25℃、48時間で本培養する。培養した菌体を遠心分離機(8,000rpm、10分)にかけ、上清と沈殿に分ける。得られた菌体を0.85%生理食塩水で2回洗い、70℃で24時間乾燥後、乳鉢ですりつぶして菌体粉末を得、該粉末を酵母由来成分とする。 【0019】 また、酵母由来成分として市販品を用いることもでき、例えばイミュトール(商品名)、NBG(商品名)、及びY-1095(商品名)等が挙げられる。これらの少なくとも1若しくは混合したものを酵母由来成分として用いることができるが、これらに限定されるものではない。NBGとは、Norwegian Beta GlucanTMであり、イミュトールとは製造元がImmunoCorpである商品であり、いずれもβ1,3/1,6グルカン構造を有している酵母であるパン酵母(Saccharomyces cerevisiae)由来である。Y-1095(商品名)(三共イースト・M)とは、三共フーヅ株式会社より販売されており、β1,3グルカン構造を有する海洋性酵母由来のものである。 【0020】 (椎茸菌糸体加工物) 椎茸菌糸体加工物は、椎茸菌糸体を加工することにより得られた成分であり、β1,3グルカン構造を含有する成分を含む加工物である。該加工物は例えば次のようにして製造されることができる。バガス(砂糖黍の搾汁残査)に米糠を加え、良く配合し、水分調整した後、一定の容器につめて個体培養基を作り、高圧蒸気滅菌を行う。予め培養した、各菌の菌糸を培養基に接種し、23℃の培養室で4ヶ月間菌糸を培養する。菌糸の蔓延した培養基を破砕し、自己消化処理をおこなった後、温水で15時間抽出する。抽出液をメンブランフィルターで除菌後、濾液を濃縮し、乾燥して粉末を得ることができる(特公平7-1435号公報、特開平1-312980号公報、特公昭51-19013号公報、特公昭53-18591号公報)。 椎茸菌糸体加工物として、市販品を用いることもでき、例えばAHCC(商品名)、LEM(商品名)、BAP等が挙げれらる。AHCCは株式会社アミノアップ化学より販売されており、LEM及びBAPは野田食菌工業株式会社より販売されている。これらの少なくとも1若しくは混合したものを、該加工物として用いることができるが、これらに限定されるものではない。 【0021】 (万年茸菌糸体加工物) 万年茸(霊芝)菌糸体加工物は、万年茸菌糸体を加工することにより得られる、β1,3グルカン構造を含有する成分を含む加工物であり、上記椎茸菌糸体加工物と同様の方法にて得ることができる。また、該加工物として市販品を用いることもでき、例えばMAK(霊芝)(商品名)やSM(シマ万年茸)(商品名)が挙げられる。MAK及びSMはいずれも野田食菌工業株式会社より販売されている。これらの少なくとも1若しくは混合したものを、該加工物として用いることができるが、これらに限定されるものではない。 【0022】 本発明の経口摂取製剤において、酵母由来成分は20〜60重量部、好ましくは30〜50重量部、並びに、椎茸菌糸体加工物及び万年茸菌糸体加工物の少なくとも1の成分は40〜80重量部、好ましくは50〜70重量部、配合される。 本発明の経口摂取用製剤における好ましい組合せは、酵母由来成分と、椎茸菌糸体加工物と、万年茸菌糸体加工物の3種の配合である。より具体的には、酵母由来成分を20〜60重量部、好ましくは30〜50重量部、椎茸菌糸体加工物を20〜60重量部、好ましくは30〜50重量部、万年茸菌糸体加工物を5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部を配合してなる経口摂取用製剤が好ましい。 【0023】 (製剤化) 本発明の経口摂取用製剤は、治療剤又は食品として用いることができるが、経口製剤は、摂取するにあたって継続的な自己管理が可能となる点で有利である。 本発明の製剤は周知慣用の技術手段を用いて、錠剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤、トローチ、シロップ剤等の、経口摂取に好適な固形、半固形、若しくは液状の形態で製剤化される。製剤は、無論、既知の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等必要な添加物を配合しして、常套手段を使用して製剤化することもできる。さらに必要に応じて、補助剤、矯味剤、着色料、香料、安定剤、湿潤剤、増粘剤、乳化剤、緩衝剤、殺菌剤、防腐剤等の添加も可能である。 また、本発明の製剤は、例えば保健機能食品、および、サプリメント等のいわゆる健康食品や健康補助食品を含む一般食品等の食品として、好ましくは健康補助食品として用いることができる。粉末状、顆粒状、錠剤、カプセル、液状、ゲル状の食品に適した形態に当該分野の通常の製法によって製造することができる。 【0024】 (投与方法) 本発明の経口摂取用製剤は、摂取した結果として抗腫瘍効果が期待できるものである。該製剤は、肺癌、肺腺腫、胸腺腫、甲状腺癌、膀胱癌、結腸癌、直腸癌、盲腸癌、尿管癌、乳癌、子宮頸癌、脳腫瘍、舌癌、咽頭癌、鼻腔癌、喉頭癌、胃癌、肝癌、胆管癌、精巣癌、卵巣癌、子宮体癌、悪性黒色腫、脂肪肉腫等の癌治療に有効であることを期待して投与することができるが、これらの種類の癌に限定されない。特に、AHCC等のIL-12産生誘発剤を投与してもIL-12量が低値(例えば7.8pg/ml以下)の者、又は、高値であっても癌の治療において改善のみられない者に、好適に投与され得る。また、IFNγ量が低値を示す者に適用しても、高い治療効果が期待できる。初期癌の患者のみならず、進行性の癌又は末期癌の患者にも効果を期待できる。 【0025】 本発明に係る製剤の抗腫瘍作用は、腫瘍の大きさの検査等の従来公知の種々の手法を用いて確認することができ、例えば免疫測定法による結果を指標として、抗腫瘍作用を誘導又は増強し、そしてその作用を維持できる処方にて、該製剤を用いることができる。すなわち、該指標をもとに、その抗腫瘍作用を誘導又は増強し、さらに抗腫瘍作用を維持できる投与量、ならびに投与期間を選択して用いられる。 具体的には、本発明の製剤の経口摂取量は、通常成人に対して、1日あたり、1〜2,000mg/kg体重程度である。用法用量は、前述の通り、種々の指標を用いて調整され得る。投与期間及び投与頻度はそれぞれ、例えば10日〜1ヶ年及び1〜数回/月である。 本発明の経口摂取用製剤は癌患者の治療中、特に新免疫療法中に、治療剤として投与されてもよいが、これに限定されるわけではない。 【0026】 投与に際し、以下の指標を測定及び検討することができるが、これらに限定されるものではない。通常臨床検査に用られるマーカーを利用することができ、該値は市販品を利用して各推奨の方法により得てもよい。 (1)IL-12産生能力 CTL活性はCD8(+)パーフォリン産生能力で判定が可能であるが、このCD8(+)パーフォリン値には細胞障害性T細胞(CTL)と免疫抑制性T細胞(STC;Suppressor T cell)とがある。前者は癌細胞を障害し、後者の活性化は結果的に癌の増殖につながる。従って、その絶対値では評価はできないが、IFNγが10 IU/ml以上若しくはIL-12値が7.8 pg/ml以上であればCTLであり、IFNγとIL-12が低値であればSTCと判定される。よって、CTL活性はIFNγ産生能力(IFNγ値)若しくはIL-12産生能力(IL-12値)で評価が可能である。 (2)NK細胞活性化能、NKT細胞活性化能 NKとNKT細胞は、NKR-P1〔NK細胞受容体CD161(+)〕を共有している。前者については、細胞数はCD3(-)CD161(+)の表面マーカーにより測定可能であり、活性化はCD3(-)CD161(+)パーフォリン産生能力で判定が可能である。一方後者については、細胞数はCD3(+)CD161(+)により測定が可能となり、活性化はそのパーフォリン産生能力で測定可能である。 【0027】 従って、癌治療においては、新免疫療法(NITC)であっても一般的な免疫療法であっても、以下の測定項目でそれぞれのeffector細胞を評価することが可能である。すなわち、CTL活性はIFNγあるいはIL-12の誘導産生能力で評価可能であり、NK細胞の活性化はCD3(-)CD161(+)若しくはCD3(-)CD161(+)パーフォリン値で評価可能である。NKT細胞の活性化はCD3(+)CD161(+)若しくはCD3(+)CD161(+)パーフォリン値で評価可能である。いずれも、特にパーフォリン値の意義が重要である。 【0028】 具体的な測定方法を以下に例示する。 (i) NKT細胞の測定、NK細胞の測定、CD8の測定 NKR-P1を有するNKT細胞の測定は、NKT細胞の細胞表面に特異的に存在する細胞表面抗原(CD3及びCD161)の測定により行うことができる。具体的には、末梢血中のリンパ球について、CD3が陽性でかつCD161が陽性〔CD3(+)CD161(+)〕である細胞を検定する。具体的には、NKT細胞の細胞表面抗原であるCD3及びCD161を、モノクローナル抗体を用いて、フローサイトメトリーを使用するTwo Color検査により測定する。ここで「NKT細胞が活性化されている」とは、リンパ球の中でNKT細胞〔CD3(+)CD161(+)〕の割合が10%以上、好ましくは16%以上であることを示す。すなわち、「NKT細胞活性化能」とは、NKT細胞の割合を10%以上、好ましくは16%以上に増加せしめる機能、あるいは、ある物質を投与する前のNKT細胞の割合より更に増強せしめる機能を意味する。 同様に、NK細胞の測定は、CD3(-)CD161(+)、つまりCD3が陰性でかつCD161が陽性である細胞を検定する方法により行うことができる。 さらに、CTL活性の測定は、CD8(+)、つまりCD8が陽性の細胞を検定する方法により行うことができる。 CD3、CD161、CD8に対するモノクローナル抗体は、それぞれコールター社製又はベクトンディッキンソン社製ものを使用することができる。 【0029】 (ii) パーフォリン産生細胞の測定 パーフォリン産生細胞の測定は、末梢血中のリンパ球について、細胞表面抗原であるCD3、CD8、CD161のうち2者とパーフォリンについてフローサイトメトリーを用いたThree Color検査により常法通り測定することにより行うことができる。例えば、採取した血液に固定液を加えて細胞を固定し、膜透過液を添加後、抗パーフォリン抗体(Pharmingen社製)を添加して反応させ、さらにPRE-Cy5標識二次抗体(DAKO社製)を添加して反応させ、ついで抗CD3-PE(Coulter 6604627)抗体及び抗CD161-FITC(B-D)抗体を添加して反応させ、その後フローサイトメトリーで測定すればよい。 【0030】 (iii) サイトカイン測定のための試料調製 まず、血液より単核球画分を分離調製する。ヘパリン加末梢血をリン酸緩衝生理食塩水(Phosphate Buffered Saline)(PBS)で2倍に希釈して混和した後、Ficoll-Conray液(比重1.077)上に重層し、400Gで20分間遠沈後、単核球画分を採取する。洗浄後、10%牛胎児血清(FBS)を添加したRPMI-1640培地を加え、細胞数を1×106個となるように調製する。得られた細胞浮遊液200μlにフィトヘマグルチニン(Phytohemagglutinin)(PHA)(DIFCO社製)を20μg/mlの濃度となるように加え、96穴マイクロプレートにて5%CO2存在下、37℃で24時間培養した。該培養した細胞溶液中のサイトカインを以下のようにして測定する。 なお、細胞を刺激する物質は、従来使用されているマイトージェンであるPHAを、終濃度0.1〜100μg/ml、好ましくは1〜20μg/mlとなるように加えて培養すればよいが、PHAに限定されるものではなく、細胞を刺激して免疫生理活性物質を産生させることができる物質であれば良い。該物質としては、PMA(ホルボール12-ミリステート-13-アセテート(Phorbol 12-Myristate-13-Acetate))、PMA+イオノマイシン(Ionomycin)、LPS(リポ多糖(Lipopolysaccharide))、PMW(ポークウィードマイトジェン(Poke Weed Mitogen))などが例示される。 【0031】 (iv) IL-12量の測定 IL-12量の測定は自体公知の臨床、生化学的検査を利用できるが、R&D SYSTEM社やMBL社より入手できる酵素免疫測定法(ELISA)による測定キットを使用することができる。例えば、96穴マイクロプレートの各穴に測定用希釈液Assay Diluent RD1Fを50μl、標準液(standard)または上記調製した測定用試料を200μlずつ分注し、HRP(西洋わさびパーオキシダーゼ)標識抗IL-12抗体を200μlずつ分注し、更に振盪しながら2時間室温で反応させる。各穴の反応液を除去し、3回洗浄後、発色基質溶液を200μlずつ分注し、振盪しながら20分間室温で反応させ、酵素反応停止溶液を50μlずつ分注する。550nmを対照として450nmにおける各穴の吸光度をEmax(和光純薬株式会社製)にて測定することができる。IL-12量は、pg/mlとして表わすことができる。 なお、IL-12産生誘発能とは、末梢血単核球が刺激により産生するIL-12量を、7.8pg/ml以上に増強せしめる機能、又はある物質を投与する前のIL-12産生量より増強せしめる機能を意味する。 【0032】 (v) IFNγの測定 IFNγの測定は、BioSource Europe S.社のIFNγ EASIAキットを用いて、酵素免疫測定法(EIA法)で測定することができる。例えば、96穴マイクロプレートの各穴に標準液(standard)または上記調製した試料を2倍に希釈したものを50μlずつ分注し、HRP標識抗IFN-γ抗体を50μlずつ分注し、更に振盪しながら2時間室温で反応させる。各穴の反応液を除去し、3回洗浄後、発色基質溶液を200μlずつ分注し、振盪しながら15分間室温で反応させ、酵素反応停止溶液を50μlずつ分注する。630nmを対照として450nmおよび490nmにおける各穴の吸光度をEmax(和光純薬株式会社製)にて測定することができる。IFNγ量は、IU/mlとして表わすことができる。 【0033】 (vi) Th2の測定 Th2とは、細胞表面抗原CD4を有するヘルパーT細胞(100%)の中で、INFγ陰性かつIL-4陽性細胞の割合値を示すものである。 癌患者血液をブレフェルジンA(Brefeldin A:BFA)存在下で、ホルボール12-ミリステート-13-アセテート(PMA)及びイオノマイシンを加え、37℃で4時間刺激する。PMA、イオノマイシンで血液中の細胞を刺激してサイトカインを算出させ、BFAで細胞内タンパク質の細胞外への輸送を阻害する。このようにして調製された活性化検体にCD4-PC5(Beckman Coulter社)を加えて、細胞表面のCD4を染色した。次に、FACS Lysing Solution(Becton Dickinson)で溶血及び固定処理した後、更にFACS Permeabilizing Sloution(Becton Dickinson)で細胞膜透過処理を行う。その後、IFN-γ FITC/IL-4 PE(Becton Dickinson)を用いて細胞内サイトカインを染色し、フローサイトメーター(FACS Calibur、Becton Dickinson)で測定、解析すればよい。 【0034】 (vii) Th1/Th2(細胞)比の測定 Th1/Th2細胞比とは、フローサイトメトリーによるヘルパーT(Th)細胞系統Three color解析検査によって常法により検定すればよい。Th1/Th2とは、細胞表面抗原CD4を有するヘルパーT細胞の中で、IFNγを産生する細胞(Th1)とIL-4を産生する細胞(Th2)の比率を表すもので、CD4(+)IFNγ(+)/CD4(+)IL-4(+)と記す。 上述と同様に血液を処理し、解析を行えばよい。Th1/Th2細胞比は、フローサイトメトリーによるヘルパーT(Th)細胞系統Three Color解析検査によって当業者には公知である常法を用いて、具体的には国際公開公報WO 02/04944号に記載の方法を用いて検定することができる。 【0035】 (viii) TNFαの測定 予め抗ヒトTNFαが固相化されている抗体プレートに標準液又は検体を加えて、反応させる。次に、プレートを洗浄し、POD標識抗ヒトTNFαモノクローナル抗体(酵素標識抗体)を加えて酵素反応を行い、活性を波長492nmにおける吸光度として読み取ることにより測定できる。 【実施例】 【0036】 以下に本発明の実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。 【0037】 (実施例1 経口摂取用製剤の製造) 酵母由来成分(イミュトール:オリエンタル酵母工業株式会社)を40重量部、椎茸菌糸体加工物(BAP:野田食菌工業株式会社)を40重量部、霊芝(万年茸)菌糸体加工物(MAK:野田食菌工業株式会社)を20重量部からなる配合組成物を計1kgになるように均一に配合した。 【0038】 (実験例1−1 腫瘍増殖抑制率) マウスの左腋下部皮下にS-180(Sacroma-180)細胞を移植し、翌日より実施例1の製剤を精留水に懸濁させ、20日間連日、強制経口投与した。移植後25日目に腫瘍を摘出し、平均腫瘍重量により増殖抑制率を算出した。対照群に対して、製剤を投与したときの腫瘍増殖抑制率(IR)を%で表した。 癌腫:Sacroma-180、1×106個、SC、ICRマウス、雌、n=10匹 【0039】 その結果を表1に示す。 【表1】
対照群に対する本発明の製剤を投与した群での増殖抑制率は、58.8%であり、有意(p<0.05)な抑制率を示した。よって本発明の製剤は、高い腫瘍増殖抑制作用を有することが確認された。 【0040】 (比較例1 酵母由来成分を含有しない製剤の製造) スエヒロ茸菌糸体加工物(SCP:有限会社 東西医薬研究所)を40重量部、椎茸菌糸体加工物(LEM(登録商標):野田食菌工業株式会社)を40重量部、霊芝(万年茸)菌糸体加工物(MAK:野田食菌工業株式会社)を20重量部からなる製剤を計1kgになるように均一に配合して、製剤を得た。 【0041】 (実験例1−2 比較例1の製剤による腫瘍増殖抑制率) 実験例1−1と同様に、比較例1で得られた製剤をマウスに投与して腫瘍増殖抑制率を確認した。 【表2】
対照群に対する上記製剤を投与した群での増殖抑制率は37.3%であり、本発明の製剤による抑制率より低かった。 【0042】 (実験例1−3 比較例1の製剤による腫瘍増殖抑制率) 実験例1−2と同様にして行った結果を以下に示す。 【0043】 【表3】
対照群に対する上記配合組成物を投与した群での増殖抑制率は31.4%であり、実験例1−2と同様に、本発明の製剤による抑制率より低かった。 【0044】 (実施例2 経口摂取用製剤の製造) 酵母由来成分(NBG:オリエンタル酵母工業株式会社(販売元))を40重量部、椎茸菌糸体加工物(BAP:野田食菌工業株式会社)を40重量部、霊芝(万年茸)菌糸体加工物(MAK:野田食菌工業株式会社)を20重量部からなる配合組成物を計1kgになるように均一に配合した。 【0045】 (比較例2〜5 酵母由来成分を含有しない製剤) 市販の椎茸菌糸体加工物であるAHCC(株式会社アミノアップ化学)のみの製剤を比較例2、BAP(椎茸菌糸体加工物)のみの製剤を比較例3とした。比較例1と同様にして、BAP(椎茸菌糸体加工物)65重量部とLEM(椎茸菌糸体加工物)35重量部とから比較例4の製剤を得、BAP(椎茸菌糸体加工物)80重量部とMAK(万年茸菌糸体加工物)20重量部から比較例5の製剤を得た。 【0046】 (実験例2) 癌種としてルイス肺癌(LLC Ca)を2×106個、B10マウス(雄)の皮下に移植後、比較例2〜5、実施例2の製剤を1,000mg/kg用量で20日間経口投与し、7日、10日、14日、17日、20日目の腫瘍体積を測定し、対照群に対する抗腫瘍効果を比較検討した。なお、対照群には上記製剤の代わりに生理食塩水を与えた。 また、血清中のIL-12濃度を、7日、10日、14日目のそれぞれで、正常マウス及び各群のマウスについて採血を行い、ELISA法により測定した。正常マウスとは、腫瘍が移植されていないマウスである。各群のマウスの生存日数についても観察を行った。 本実験は各群10匹のマウスを用いて行った。 【0047】 (1)腫瘍体積(mm3)の比較についての結果を表4に示す。 実施例2の群では、14日目(p<0.05)、17日目(p<0.02)、20日目(p<0.01)で、対照群に比較して有意な腫瘍体積増加の抑制効果が認められ、7日目と10日目の時点では腫瘍体積増加の抑制の傾向(p<0.1)が認められた。 比較例5の群では20日目(p<0.01)でのみ有意な効果が認められた。比較例3の群では14日目(p<0.05)でのみ有意な効果があり、17日目では傾向(p<0.1)が認められるにすぎなかった。比較例2の群と比較例4の群は17日目に傾向(p<0.1)が認められたのみであった。 また、実施例2の群では、椎茸菌糸体加工物である比較例2〜4の群、及び椎茸菌糸体加工物と万年茸菌糸体加工物の組み合わせからなる比較例5の群よりも腫瘍体積増加の抑制効果が良好であった。 【表4】
【0048】 (2)IL-12産生能及び生存日数についての結果を、それぞれ表5および表6に示す。 実施例2の群(14日目)と比較例3の群(14日目)では、対照群に対してIL-12産生能の増強効果が良好であった。 また、実施例2の群では、椎茸菌糸体加工物である比較例2、4の群よりもIL-12産生能の増強効果が良好であった。 【表5】
【0049】 実施例2の群では対照群に対して延命効果が良好であった。また、実施例2の群では、椎茸菌糸体加工物である比較例2〜4の群、椎茸菌糸体加工物と万年茸菌糸体加工物の組み合わせからなる比較例5の群よりも延命効果が良好であった。 【表6】
【0050】 (実験例3) 癌種としてcolon-26腫瘍を2×106個、免疫抑制が認められるBALB/cマウス(雄)の皮下に移植後、比較例2〜5、実施例2の製剤を1,000mg/kgの用量で経口投与し、7日、10日、14日、17日、20日目の腫瘍体積を測定し、対照群に対する抗腫瘍効果を比較検討した。なお、対照群には上記製剤の代わりに生理食塩水を与えた。 また、血清中のIL-12の濃度を、7日、10日、14日目のそれぞれで、各群について採血を行い、ELISA法により測定した。各群のマウスの生存日数についても観察を行った。 本実験は各群10匹のマウスを用いて行った。 【0051】 (1)腫瘍体積(mm3)の比較の結果を表7に示す。 対照群に対し、有意差をもって腫瘍体積の増加抑制効果が認められたのは、実施例2の群の10日目(p<0.05)と比較例4の群の10日目(p<0.05)であった。 また、実施例2の群では、椎茸菌糸体加工物である比較例2〜4の群よりも腫瘍体積増加の抑制効果が良好であり、椎茸菌糸体加工物と万年茸菌糸体加工物の組み合わせからなる比較例5よりも、7日目、10日目、14日目で効果が良好であった。 【表7】
【0052】 (2)IL-12産生能及び生存日数についての結果を、それぞれ表8及び表9に示す。 実施例2の群では、対照群に対して、IL-12産生能の増強効果が14日目で良好であった。 また、実施例2の群では、椎茸菌糸体加工物である比較例2の群に対して14日目でIL-12産生能の増強効果が良好であり、椎茸菌糸体加工物である比較例3、4の群よりもIL-12産生能の増強効果が良好であり、椎茸菌糸体加工物と万年茸菌糸体加工物の組み合わせからなる比較例5の群に対して10日目、14日目で効果が良好であった。 【表8】
【0053】 実施例2の群では対照群に対して延命効果が良好であった。また、実施例2の群では、椎茸菌糸体加工物である比較例2の群よりも延命効果が良好であった。 【表9】
【産業上の利用可能性】 【0054】 本発明は、腫瘍増殖抑制に対して有効な経口摂取用製剤を提供することができる。進行癌、末期癌の治療には、現状では、手術、抗癌剤投与、放射線治療、ホルモン療法などの現代医療を駆使しても効果が認められないこともある。本発明の経口摂取用製剤の投与は、これらの進行癌若しくは末期癌の治療又はQOL(生活の質)の改善に有効である可能性が高く、かつ経口という投与形態のため患者の負担が軽減されるため、極めて実用性の高いものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】300040380 【氏名又は名称】株式会社オリエントキャンサーセラピー
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| 【出願日】 |
平成17年7月29日(2005.7.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088904 【弁理士】 【氏名又は名称】庄司 隆
【識別番号】100124453 【弁理士】 【氏名又は名称】資延 由利子
【識別番号】100129160 【弁理士】 【氏名又は名称】古館 久丹子
【識別番号】100135208 【弁理士】 【氏名又は名称】大杉 卓也
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| 【公開番号】 |
特開2006−321779(P2006−321779A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月30日(2006.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2005−221350(P2005−221350) |
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