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【発明の名称】 毛髪用化粧料組成物
【発明者】 【氏名】森 俊樹

【要約】 【課題】系の安定性を損なわずにセット保持力を改善することができる毛髪用化粧料組成物を提供する。

【解決手段】a)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体およびビニルピロリドン・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩共重合体から選択される一種以上の皮膜形成剤、b)水溶性デキストリン、c)アニオン性増粘剤を含む液状毛髪用化粧料組成物において、d)グリシンベタイン及び三価以上の多価アルコールから選択される一種以上を配合する。さらには、重量平均分子量が20万以下のカチオン性重合体を配合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体およびビニルピロリドン・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩共重合体からなる群から選択される少なくとも一種の皮膜形成剤、
b)水溶性デキストリン、
c)アニオン性増粘剤、並びに、
d)グリシンベタインおよび三価以上の多価アルコールからなる群より選択される少なくとも一種、
を含有する毛髪用化粧料組成物。
【請求項2】
前記a成分が、ポリビニルピロリドン及び/又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体であり、該組成物は、更に、
e)重量平均分子量が20万以下のカチオン性重合体を含有する請求項1記載の毛髪用化粧料組成物。
【請求項3】
前記水溶性デキストリンがクラスターデキストリンである請求項1又は2記載の毛髪用化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は液状またはジェル状の毛髪用化粧料組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、毛髪用化粧料組成物としては、例えば、液状のスプレー、ジェル状のものなどが挙げられる。ジェル状のものとしては、透明なゲルを形成するためゲル化剤としてカルボキシビニルポリマーが主に使用されている。このカルボキシビニルポリマーは良好なゲル形成能を示すものの、イオン性物質により粘度低下を起こすため、皮膜形成剤としてポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体などが用いられている(非特許文献1)。
【0003】
かかるポリビニルピロリドンやビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体は、セット剤として良好な皮膜形成能を有する反面、耐湿性が低く、セット保持能に劣るという欠点がある。そのため、カルボキシビニルポリマーとともにカルボキシメチルセルロースを併用してセット保持性を改善する試みがなされている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平5−246830号公報
【非特許文献1】内山雄二朗、「新規カチオン性増粘剤」、FRAGRANCE JOURNAL、1999年、No.1、p.101−108
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術のようにカルボキシビニルポリマーとともにカルボキシメチルセルロースを併用した場合、カルボキシメチルセルロースの配合量が十分でないとセット保持力の改善効果が弱く、逆に大量に配合した場合にはカルボキシビニルポリマーのゲル化能を阻害するという問題がある。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、系の安定性を損なうことなくセット保持力を改善することができる液状ないしジェル状の毛髪用化粧料組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明に係る毛髪用化粧料組成物は、a)ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体およびビニルピロリドン・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩共重合体からなる群から選択される少なくとも一種の皮膜形成剤、b)水溶性デキストリン、c)アニオン性増粘剤、並びに、d)グリシンベタインおよび三価以上の多価アルコールからなる群より選択される少なくとも一種、を含有するものである。
【0007】
本発明の毛髪用化粧料組成物において、前記a成分がポリビニルピロリドン及び/又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体である場合、更に、e)重量平均分子量が20万以下のカチオン性重合体が配合されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上記a成分のビニルピロリドン系皮膜形成剤と、水溶性デキストリンと、アニオン性増粘剤を含む毛髪用化粧料において、グリシンベタインや三価以上の多価アルコールを配合したことにより、粘度低下などの問題を伴うことなくセット保持力を改善することができる。また、水溶性デキストリンとアニオン性増粘剤の相溶性が改善されることで、白濁が抑えられる。そのため、本発明によれば、系の安定性を損なわずにセット保持力を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
【0010】
a成分
本発明の組成物において、a成分として用いられる皮膜形成剤は、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩共重合体であり、これらはそれぞれ単独で用いても、併用してもよい。
【0011】
これらa成分のポリマーの分子量は、皮膜形成能を有するものであれば得に限定はされないが、好ましくは重量平均分子量が1万〜120万、より好ましくは10万〜100万である。なお、分子量の異なる2種以上のものを組み合わせて用いることもできる。
【0012】
また、a成分の配合量は、特に限定されないが、使用性、機能性の点から、好ましくは全組成物中0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。
【0013】
上記ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体におけるビニルピロリドンと酢酸ビニルの重合比は、当該共重合体が水溶性の範囲内であれば特に限定されない。
【0014】
上記ビニルピロリドン・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩共重合体については、ビニルピロリドン:(ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸+ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩)=95:5〜10:90(モル比)であることが好ましく、より好ましくは90:10〜30:70、更に好ましくは70:30〜50:50である。ビニルピロリドン比が10:90より小さくなると、セット力の点で問題があり、95:5を超えると毛髪に対する親和性、滑らかさが得られない。また、ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸:ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩=10:90〜90:10(モル比)であることが好ましく、より好ましくは20:80〜80:20である。ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸が10:90より少ないとアニオン性増粘剤との相溶性が悪くなり、90:10より多いとカチオン性皮膜形成剤としての滑らかさが得られない。
【0015】
なお、ビニルピロリドン・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩共重合体は、N−ビニル−2−ピロリドンとN,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸とを共重合した後、酸性物質で部分中和してカチオン化したものであってもよく、あるいはまた、N−ビニル−2−ピロリドンとN,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸とN,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩を共重合して得られたものであってもよい。ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸と塩を形成するための酸性物質としては、ジエチル硫酸、ジメチル硫酸、酢酸、クエン酸、乳酸、硫酸、塩酸、グルタミン酸などが挙げられる。
【0016】
ビニルピロリドン・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩共重合体としては、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸・ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩共重合体が特に好ましく用いられる。
【0017】
b成分
本発明の組成物において、b成分として用いられる水溶性デキストリンは、水溶性のものであれば特に限定されず、例えば、α−デキストリン、β−デキストリン、γ−デキストリン、ヒドロキシプロピル−β−デキストリン、クラスターデキストリンなどが挙げられ、特にクラスターデキストリンが好ましい。
【0018】
クラスターデキストリン は、枝作り酵素(糖転移酵素)をアミロぺクチンに作用させて生産した環状構造をもつ高度分岐環状デキストリンであり、例えば特開平8−134104号公報に開示されており、また日本食品化工株式会社などから市販されている。
【0019】
水溶性デキストリンの配合量は全組成物中0.1〜15重量%であることが好ましく、より好ましくは2〜5重量部である。
【0020】
c成分
本発明の組成物において、c成分として用いられるアニオン性増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーなどが挙げられ、このうち、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーが好ましいものと挙げられ、特にはカルボキシビニルポリマーが増粘性の点から好ましい。
【0021】
カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸を主としてこれに少量のアリルショ糖で架橋した共重合体であり、アルカリ中和によって増粘性が増大する性質を有する。カルボキシビニルポリマーとしては、「カーボポール」シリーズ(米国、ノベオン(Noveon)社製)、「ハイビスワコー」(和光純薬(株)製)等として市販されており、商業的に入手可能である。なお、中和のためのアルカリ剤としては、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アンモニア、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
【0022】
c成分であるアニオン性増粘剤の配合量は全組成物中0.1〜2重量%程度であることが好ましい。
【0023】
d成分
本発明の組成物には、d成分として、グリシンベタイン、三価以上の多価アルコールの一種以上が配合される。かかるグリシンベタインと多価アルコールはそれぞれ単独でも効果は見られるが、両者を併用することにより、配合成分の偏りを防ぐことができ、好ましい。
【0024】
グリシンベタインは、「アミノコート(旭化成製)」等として市販されており、それらを用いることができる。グリシンベタインの配合量は全組成物中10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%である。10重量%を超えて配合すると、アニオン性増粘剤の増粘効果を阻害する場合がある。
【0025】
三価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、マルトース、グルコース、スクロース、トレハロースなどが挙げられる。多価アルコールの配合量は全組成物中30重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%である。30重量%を超えて配合すると、べたついた使用感となり好ましくない。
【0026】
e成分
本発明の組成物には、更に、e成分として重量平均分子量20万以下のカチオン性重合体を配合することが好ましい。該e成分は、a成分としてポリビニルピロリドン及び/又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体を使用した場合に配合することが好ましい。更には、上記d成分としてグリシンベタインと三価以上の多価アルコールを併用した上で、該カチオン性重合体を配合することが好ましく、かかるカチオン性重合体を配合することにより、配合成分の偏りを一層効果的に防ぐことができる。
【0027】
かかるカチオン性重合体としては、ビニルピロリドン・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩共重合体、ビニルピロリドン・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩共重合体、ビニルピロリドン・ジアルキルアミノアルキルアクリル酸塩共重合体、ビニルピロリドン・ジアルキルアミノアルキルアクリル酸・ジアルキルアミノアルキルアクリル酸塩共重合体、ポリジメチルジアリルアンモニウムハライド(例えばクロリド)、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムハライド(例えばクロリド)共重合体、ポリメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムハライド(例えばクロリド)、アクリルアミド・メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムハライド(例えばクロリド)共重合体、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾリニウムメチルハライド(例えばクロリド)共重合体、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・アルキルメタクリレート共重合体、カチオン化加水分解コラーゲン、カチオン化加水分解ケラチンなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上併用してもよい。
【0028】
これらのカチオン性重合体は、擬似カチオンであるa成分のポリビニルピロリドンやビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体よりもカチオン性が強く、そのため、c成分であるアニオン性増粘剤と優先的にコンプレックスを形成する。そして、このカチオン性重合体は上記のように分子量が小さいため、溶解性を損なうことがない。従って、e成分の添加により、疑似カチオンとして作用するa成分とc成分とのコンプレックス形成を抑制して、透明性を向上することができる。かかる作用を発揮させるため、e成分のカチオン性重合体は、重量平均分子量が20万以下である必要があり、より好ましくは15万以下である。該重量平均分子量が20万を超えると生成したコンプレックスが不溶化して、透明性を損なうことになる。重量平均分子量の下限は特に限定されないが、1000以上であることが好ましい。
【0029】
e成分であるカチオン性重合体の配合量については、c成分であるアニオン性増粘剤との配合比が、アニオン性増粘剤/カチオン性重合体=10/1〜1/10(重量比)であることが好ましい。この比が10/1より大きいと、カチオン性重合体の配合量が少なすぎて、透明性向上の効果が無く、逆に、上記比が1/10より小さいと、系中のイオン性成分が多くなり、アニオン性増粘剤の増粘効果を低下させることになる。
【0030】
e成分のカチオン性重合体としては、上記例示の中でも、(e−1)ビニルピロリドン・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩共重合体、(e−2)ビニルピロリドン・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸・ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩共重合体が相溶性の点から好ましい。これらの共重合体は、N−ビニル−2−ピロリドンとN,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸とを共重合した後、酸性物質で中和してカチオン化したものであってもよく、あるいはまた、N−ビニル−2−ピロリドンとN,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩、又はN−ビニル−2−ピロリドンとN,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸とN,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩を共重合して得られたものであってもよい。前者の場合、完全に中和すれば上記e−1となり、部分中和であれば上記e−2となる。なお、ジアルキルアミノアルキルメタクリル酸と塩を形成するための酸性物質としては、ジエチル硫酸、ジメチル硫酸、酢酸、クエン酸、乳酸、硫酸、塩酸、グルタミン酸などが挙げられる。
【0031】
上記e−1の場合、ビニルピロリドン(α)とジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩(β)との重合比(モル比)は、特に限定されないが、αが20〜90%、βが10〜80%であることが好ましい。また、上記e−2の場合、ビニルピロリドン(α)とジアルキルアミノアルキルメタクリル酸(γ)とジアルキルアミノアルキルメタクリル酸塩(β)との重合比(モル比)は、特に限定されないが、αが10〜95%、γが0.5〜80%、βが0.5〜80%であることが好ましい。
【0032】
e成分の特に好ましい例としては、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩共重合体、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸・ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩共重合体が挙げられる。
【0033】
本発明の毛髪用化粧料組成物には、上記成分に加え、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて、例えば両性、アニオン性、カチオン性、ノニオン性等の高分子化合物、エタノールなどのアルコールやソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート等のグリセリン脂肪酸エステル類、POE(5)硬化ヒマシ油、POE(7.5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、ジメチコンポリオールなどの界面活性剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、染料、顔料、色素、防腐剤、ビタミン剤、ホルモン剤、消臭剤、pH調整剤、固着剤等の、一般に毛髪化粧料に用いられる成分を配合してもよい。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0035】
下記表1に示す配合および下記製法にてヘアジェルを調製し、下記評価方法によりセット保持力、透明性、増粘性を評価した。
【0036】
製法:A.成分g)の一部に成分c)を分散する。
B.成分g)の一部に成分a)、b)、d)を溶解する。
C.成分g)の一部に成分e)を溶解する。
D.Aに成分f)を加え、均一に撹拌混合する。
E.DにB及びCを加え均一に撹拌混合し、ヘアジェルを得た。
【0037】
セット保持力:長さ15cm、重さ1gの毛束に各試料0.5gを均一に塗布し、直径2cmのガラス管に巻き、40℃の恒温室内に6時間放置して完全に乾燥させた。乾燥後、ロッドを取り外し、毛束の見かけの長さを(L)を測定し、次いで、温度25℃、湿度90%の恒温高湿室に毛束を吊るし、2時間後に取り出し、再び毛束の見かけの長さ(L)を測定した。セット保持力を次式にて求めた。
セット保持力(%)=〔(15−L)÷(15−L)〕×100
この値が100に近いほどセット保持力が強いことを示し、◎:80% 以上(非常に良い)、○:50%以上80%未満(良い)、△:30%以上50%未満(やや悪い)、×:30%未満(悪い)として評価した。
【0038】
透明性:精製水を標準として厚さ1cmのガラスセルを用いてHAZEメーターで測定した。◎(優):HAZE値10未満、○(良):HAZE値10以上30未満、△(可):30以上50未満、×(不可):50以上。
【0039】
増粘性:各実施例及び比較例においてカチオン性重合体を水に置き換えたものをブランクとし、実施例(または比較例)の粘度(V)とブランクの粘度(V)を用いて評価した。粘度測定は25℃においてB型粘度計(ローター:No.4、60rpm)を用いて行った。評価は、○(良好):V/Vが0.8以上、△(やや不良):V/Vが0.5より大きく0.8未満、×(不良):V/Vが0.5以下、とした。
【表1】


【0040】
表1中の各成分については次の通り、
ポリビニルピロリドン:ビニルピロリドン60重量部、水240重量部、亜硫酸ナトリウム0.21重量部およびtert−ブチルハイドロパーオキサイド0.15重量部を用いて合成した、重量平均分子量=100万のポリビニルピロリドン。
【0041】
ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体:特公平4−43925号公報に記載の方法に準拠して合成した、重量平均分子量=6万、ビニルピロリドン:酢酸ビニル=7:3(モル比)の共重合体。
【0042】
カチオン性皮膜形成剤:重量平均分子量=30万のビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸・ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩共重合体(ビニルピロリドン:ジメチルアミノエチルメタクリル酸:ジメチルアミノエチルメタクリル酸塩=70:15:15(モル比))。合成方法は、モノマーとして、ビニルピロリドン、ジメチルアミノエチルメタクリル酸及びジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩を上記モル比で用い、上記分子量となるように開始剤である2,2’−アゾビス(アミノジプロパン)ジヒドロクロライドの量と反応温度および反応時間を変更した以外は、下記カチオン性重合体と同じ。
【0043】
クラスターデキストリン:日本食品化工株式会社製「クラスターデキストリン」
カルボキシビニルポリマー:ノベオン製「カーボポール Ultrez10」
グリセリン:ナカライテスク製特級試薬
ソルビトール:ナカライテスク製特級試薬
マンニトール:ナカライテスク製特級試薬
グリシンベタイン:和光純薬製試薬一級。
【0044】
カチオン性重合体:重量平均分子量=5万のビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩共重合体であり、次の方法により合成したもの。ビニルピロリドン(α)及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩(β)を、α:β=50:50(モル比)で、かつ合計量250gになるように、500gの水に均一に溶解して750gの混合モノマー水溶液(第1液)を得た。1.25gの2,2’−アゾビス(アミノジプロパン)ジヒドロクロライドを、100mLの水に加えて均一に溶解させて第2液を得た。撹拌器、加熱器、還流冷却器及び計量器を具備した容量2リットルの反応容器を用い、反応容器に、水150mL、第1液185g、及び第2液30gを導入し、撹拌下に加熱して60℃まで昇温させた。そして、この温度に保ったまま、第1液の残り(565g)を4時間かけて加えるとともに、第2液の残り(約70mL)を6時間かけて添加した。添加の完了後、60℃の温度に保ったまま、さらに2時間撹拌を続けた。撹拌終了後、反応容器の内容物を冷却することで、透明で無色の共重合体水溶液を得た。得られた共重合体の分子量の測定は、酢酸緩衝液(0.5M CHCOOH + 0.1M NaNO)を溶媒とするGPC装置(カラム:昭和電工(株)のShodex OHpak SB−806MHQ、本体:東ソー(株)のHLC−8020)により行い、ポリエチレングリコール換算値としての重量平均分子量を求めた。
【0045】
表1に示すように、水溶性デキストリンを添加した実施例1〜8であると、増粘性を阻害することなく、また、ある程度の透明性を確保しながら、セット保持力を向上させることができた。特に、実施例4〜7のように三価以上の多価アルコールとグリシンベタインと分子量20万以下のカチオン性重合体を配合することで透明性が改善されていた。これに対し、水溶性デキストリンを配合していない比較例1では、セット保持力に劣り、また、d成分の多価アルコールやグリシンベタインを配合していない比較例2では、セット保持力は向上しているものの、透明性が大幅に損なわれていた。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の毛髪用化粧料組成物は、例えば、ヘアジェル、スタイリングローション、ヘアミストなどの種々の毛髪用化粧料として利用できる。
【出願人】 【識別番号】000003506
【氏名又は名称】第一工業製薬株式会社
【出願日】 平成17年5月17日(2005.5.17)
【代理人】 【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子

【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人

【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士

【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸

【識別番号】100124707
【弁理士】
【氏名又は名称】夫 世進

【公開番号】 特開2006−321729(P2006−321729A)
【公開日】 平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願番号】 特願2005−144450(P2005−144450)