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【発明の名称】 ペトロラタムを基にした鼻用軟膏
【発明者】 【氏名】ペーター テイス

【要約】 【課題】更に改良された鼻用軟膏の提供。

【解決手段】少なくとも1つの飽和炭化水素混合物が、DIN 51 562法で6mm2/秒(100℃)超の粘度を有することを特徴とする、少なくとも1つの飽和炭化水素混合物を含んで成る、吸入アレルギー性反応の予防のための鼻用軟膏。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DIN51 562法による6mm2/秒(100℃)超の粘度を有することを特徴とする少なくとも1つの飽和炭化水素混合物を含んで成る、吸入アレルギー性反応の予防のための鼻用軟膏。
【請求項2】
前記の少なくとも1つの飽和炭化水素混合物が、25重量%未満の直鎖飽和炭化水素(n−パラフィン)を有する、請求項1に記載の鼻用軟膏。
【請求項3】
前記の少なくとも1つの飽和炭化水素混合物が、以下の特性:
(a)凝固点(ISO 2207)47〜56℃
(b)DIN 51 580法による円錐貫入試験値155〜185;
(c)25±2以下の鎖長を有する、最大5重量%の前記炭化水素;
(d)それぞれの場合において±2の、C19〜C52を含んで成る、前記の飽和炭化水素のCの数の範囲(ガスクロマトグラフィー定量法);及び
(e)数平均分子量:400g/mol超、好ましくは480g/mol超、特に500g/mol超、
のうちの少なくとも1つを示す、請求項1又は2に記載の鼻用軟膏。
【請求項4】
任意に少なくとも1つの処置用添加剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鼻用軟膏。
【請求項5】
前記処置用添加剤がシリコン、パンテノール、ラノリン、レシチン、デキスパンテノール、プロビタミンB5、パントテン酸、パンテニルエチルエーテル、酢酸パンテニルエチルエーテル、パンテニルトリ酢酸、アラントイン、扁桃油、小麦麦芽油、アボガド油、パラフィン、及びカモミール、サーチ(sea buckthorn)又はキンセンカ(calendula)のCO2抽出物、並びに2又はそれ以上のそれらの混合物から選択される、請求項4に記載の鼻用軟膏。
【請求項6】
吸入アレルギー性反応の予防のための鼻用軟膏における又は鼻用軟膏としての、医薬/化粧品としてペトロラタムと定義される請求項1〜5のいずれか1項において定義される飽和炭化水素の、少なくとも1つの混合物の使用。
【請求項7】
前記の吸入アレルギー性反応が「枯草熱」型のアトピー性鼻炎である、請求項6に記載の使用。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、室温でゲル様であり、主に飽和炭化水素を含んで成る鼻用軟膏、及び吸入アレルギー性反応、特に「枯草熱」型のアトピー性鼻炎の予防のためのその使用に関する。好ましい態様において、本発明の鼻用軟膏はまた、軟膏に適した少なくとも1つの処置用添加剤を含んで成る。
【背景技術】
【0002】
西側の工業文明国において吸入アレルギーは現在広範囲に及んでおり、絶えず増大する傾向がある。これらは、特にアトピー性鼻炎の形態であり、これは花粉、菌類の胞子、様々なちり(例えば木、粉又はハウスダスト)、及び化学的又は動物(羽、毛)の刺激物によって誘発され、そしてそれらの付随的な徴候により、働くことができなくなるまで患者の健康が損われることがある。
【0003】
鼻、咽頭、のどの裏側及び目のわずらわしいかゆみ、その後の、涙目、くしゃみ及び鼻からの液性の排泄は、しばしば頭痛、過敏症、食欲減退、鬱及び不眠症を伴う。続いて、咳発作及び喘息による喘鳴が起こることがある。
【0004】
樹木、低木、草及び野生又は観用の植物由来の花粉によって誘発される季節周期的な反応としての、いわゆる「枯草熱」はアトピー性鼻炎の主要な形態である。
【0005】
吸入アレルギー性反応を調節し、又は排除するために、現在まで使用されている治療的及び予防的方法の多くは、経費、効果、健康への副作用、及び使用の利便性に関する、多かれ少なかれ深刻な不都合を示す。
【0006】
従って、治療を必要としている患者を、曝露領域から花粉の少ない領域、例えば高い標高又は植生の少ない島へと花粉の季節の間の数週間移動させる治療法、さもなければ住居若しくは仕事を変えて曝露を回避することは、困難を伴ってのみ多くの患者にとって可能な場合がある。
【0007】
この曝露からの回避は、前記の疾患を誘発する前記アレルゲンを出来る限り患者の環境から除こうとする試みを伴う。
【0008】
吸入アレルゲンの完全な除去は不可能である。アレルゲンの接触している面、すなわち反応の部位としての粘膜を排除するという可能性があるにすぎない。これは、曝露の部分的な回避として説明される。
【0009】
住居、仕事場及び車の換気及び空調系におけるアレルゲンフィルターの設置は、これらの特別に保護された領域においてのみ、曝露を避けることが可能であり、そして同様に無視できない経費を伴う。
【0010】
口及び鼻を覆う呼吸器の装着は、経費及び効果において合理的であるが不便である。
【0011】
脱感作(除感作、免疫化)は、効果のある抗原抽出物を選択するための入念な試験を必要とする。それにもかかわらず、このような処置が臨床改善をもたらすかどうかを確実に予想することはできない。更にこの方法は、健康に有害である付随的な徴候の危険性を免れず、例えば喘息様の症状及び蕁麻疹の症状などである。更に、脱感作治療は比較的多くの時間及びお金の消費を必要とする。
【0012】
粘膜の腫脹を減少させるための、経口の抗ヒスタミン薬による前記のアレルギー性反応の症状の対症療法は、鎮静作用の危険性を伴う多数の製品を用い、当該鎮静作用は、患者の健康及び反応速度に対し悪影響をもたらす。更に、副作用は珍しいことではなく、例えば頭痛、口のかわき及び濃度障害などがある。
【0013】
更に、同じく使用される、交感神経興奮剤、クロモグリク酸及び糖質コルチコイドを基にした製品もまた、多くの副作用及び/又は高い経費という不都合を伴う。
【0014】
従来技術の詳細な記載のための、参考文献はドイツ特許第C 41 17 887号に記載されている。これは、吸入性アレルギー性反応、特に「枯草熱」型の予防のための鼻用軟膏として、医薬/化粧品としてペトロラタムと定義される飽和炭化水素の使用に関し、そこで使用される前記ペトロラタムは以下の様な特性を有する:
−DIN 51 556法による凝固点:49〜52℃;
−DIN 51 562法による粘度:6mm2 /秒(100℃)
−DIN 51 580法による円錐貫入試験値:150〜170;
−前記ペトロラタムにおける炭化水素の平均鎖長:26±1C原子;
−前記炭化水素のCの数の範囲:C15〜C60
【0015】
従来技術を考慮すると、本発明の基となった目的は、更に改良されたペトロラタムに基づいた吸入アレルギー性反応に対する信頼できる予防効果のための更に改良された鼻用軟膏の提供することにある。この鼻用軟膏は、言い換えると、患者への健康的な危険性を伴わないこと、吸い込んだ空気の様々なアレルゲンに対する幅広い作用を持つこと、使用することが快適であること、最終的に、ほとんど治療費がかからないことを目的とする。
【0016】
これらの目的は、請求項1に記載の鼻用軟膏によって、すなわち少なくとも1つの飽和炭化水素混合物を含んで成る、吸入アレルギー性反応の予防のための鼻用軟膏によって達成される。
【0017】
ドイツ特許第C 41 17 887号に記載のペトロラタムと対照的に、本発明で今回使用するペトロラタムは、より高い比率の長鎖の飽和炭化水素を有する。
【0018】
DABの純度規定に従い医薬/化粧品として使用することができる品質の純度要件を満たし、且つ、通常の特性に関しての、本発明で必要とされるパラメーターを有する限り、本発明に従い使用できるペトロラタムへの制限は無い。
【0019】
従って、本発明に従い使用されるペトロラタムは100℃で、DIN 51 562法による6mm2/秒超の粘度を有し、好ましくは8mm2/秒超、特に、8.5〜15mm2/秒の粘度を有する。
【0020】
更に好ましい態様において、以下の特性(a)〜(e)の、少なくとも1つを有するペトロラタムが使用される:
(a)凝固点(DIN 51 556)47〜56℃
(b)DIN 51 580法による円錐貫入試験値155〜185;
(c)25±2以下の鎖長を有する、最大5重量%の前記炭化水素;
(d)それぞれの場合において±2の、C19〜C52を含んで成る、前記の飽和炭化水素のCの数の範囲(ガスクロマトグラフィー定量法);及び
(e)400g/mol超、好ましくは480g/mol超、特に500g/mol超の数平均分子量。
【0021】
適用することができる軟膏用の処置用添加剤は、この目的のために知られている全ての添加剤であり、好ましくはシリコン、パンテノール、ラノリン、レシチン、デキスパンテノール、プロビタミンB5、パントテン酸、パンテニルエチルエーテル、酢酸パンテニルエチルエーテル、パンテニルトリ酢酸、アラントイン、植物(藻類、地衣類)油、例えば扁桃油、小麦麦芽油、アボカド油などであり、ロウ、例えばパラフィンなどであり、抽出物、好ましくはCO2 抽出物、例えばカモミール、サーチ(sea buckthorn)及びキンセンカなどである。
【0022】
本発明の鼻用軟膏は指又は塗布具で適用することができる。しかしながら、鼻における適用部位は吸入アレルギー性反応に対する保護的な作用にとって必須である。信用のある予防を達成するために、鼻の内壁は、2つの鼻弁の辺りを前記の鼻用軟膏で確実に覆うようにしなければならない。
【0023】
本発明の鼻用軟膏を、外鼻孔の辺りの鼻前庭の下端にだけ適用している場合、吸入アレルギー性反応を妨げることは不可能である。しかしながら、正確に使用する場合、本発明にの鼻用軟膏の助力により、吸入アレルゲンへの曝露を部分的に回避することができる。本発明の鼻用軟膏は、その特定の物理的特性のために、鼻粘膜に浸透することができず、且つ吸収されない。しかし、保護膜として同じ場所に残り、呼吸流によって拾われ、そして運ばれるアレルゲン担体に対しての機械的なバリアが生じる。このようにして、前記のアレルギー性反応を極めて実質的に予防することができる。
【0024】
ドイツ特許第C 41 17 887号に既に記載されている様に、本発明の本質的な利点は、全身性の活性成分に対して患者の代謝を曝露する必要なくアレルギー性反応を生じさせないことである。前記の鼻用軟膏の主成分である上述の飽和炭化水素は不活性な作用を示し、そして吸収されない。これは、本発明の鼻用軟膏を危険性無しに適用することができることを意味する。更に、患者の身体が慣れることによる効果の減少もない。香り及び、それと対になる味を知覚する能力は損なわれないままである。
【0025】
更に、言及可能な発明の鼻用軟膏の利点は:
−経費が比較的低いこと;
−患者が自分自身で予防治療を行うことができること;
−本発明の鼻用軟膏と添加物の適用が同時の保護作用を有すること、
である。
【0026】
更に、本発明の鼻用軟膏はアレルゲンへの曝露による鼻の内部における腫脹、分泌及び掻痒を予防することだけでなく、目及び喉の領域における炎症反応を除くことが可能である。
【0027】
従って、本発明はまた、医薬/化粧品としてペトロラタムと定義される、請求項1〜5のいずれかにおいて定義される様な少なくとも1つの飽和炭化水素混合物の、吸入アレルギー性反応のための鼻用軟膏における又は鼻用軟膏としての使用に関するものであり、これは特に「枯草熱」型のアトピー性鼻炎に対して有益な効果を及ぼすことができる。
【0028】
結論として、本発明の鼻用軟膏の及び本発明の使用のすばらしい効力により、長い持続性、信頼性のある保護作用を達成することができ、その一方で、この作用は非常に少量を導入することで十分である、とも言える。鼻弁の前で広げられる数ミリグラムの量で、数時間症候から免れることができ、これは花粉数が大量であっても同様であり、また、本発明の鼻用軟膏を再適用する必要もない。
【出願人】 【識別番号】500404096
【氏名又は名称】フィット−イムン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【出願日】 平成18年5月29日(2006.5.29)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬

【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積

【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次

【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一

【公開番号】 特開2006−316063(P2006−316063A)
【公開日】 平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願番号】 特願2006−148823(P2006−148823)