| 【発明の名称】 |
HERCEPTIN(登録商標)補助療法 |
| 【発明者】 |
【氏名】ジョン エル. ブライアント
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| 【要約】 |
【課題】非転移性の高リスクの乳癌を有するヒト被験体におけるHERCEPTIN(登録商標)の補助療法の方法を提供する。
【解決手段】HERCEPTINの臨床研究において得られる結果における補助療法の方法であって、該方法は、非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体に対して、根治手術の後に、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2のドメインIVに結合する有効量の抗体と少なくとも1種の化学療法剤とを投与して、該被験体における無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を伸長させる工程、を包含し、該DFSまたは該OSを、処置開始の約2年間後〜5年間後に評価する、方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 補助療法の方法であって、該方法は、 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体に対して、根治手術の後に、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2のドメインIVに結合する有効量の抗体と少なくとも1種の化学療法剤とを投与して、該被験体における無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を伸長させる工程 を包含し、該DFSまたは該OSを、処置開始の約2年間後〜5年間後に評価する、方法。 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、前記抗体は、HER2に対するトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))の結合をブロックする、方法。 【請求項3】 請求項1に記載の方法であって、前記抗体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を含む、方法。 【請求項4】 請求項1に記載の方法であって、前記化学療法剤は、タキソイド、ビンカ、白金化合物、アロマターゼインヒビター、抗エストロゲン、エトポシド、チオテパ、シクロホスファミド、メトトレキサート、リポソームドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、カペシタビン、およびゲンシタビンからなる群より選択される、方法。 【請求項5】 請求項4に記載の方法であって、前記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 【請求項6】 請求項5に記載の方法であって、前記タキソイドは、パクリタキセルまたはドセタキセルである、方法。 【請求項7】 請求項6に記載の方法であって、前記パクリタキセルと前記抗体とを、アントラサイクリンおよびシクロホスファミドの投与後に投与する、方法。 【請求項8】 請求項7に記載の方法であって、前記抗体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を含む、方法。 【請求項9】 請求項1に記載の方法であって、前記抗体と化学療法との投与は、被験体集団において3年目の疾患再発を、化学療法単独で処置した被験体と比較して約50%減少させる、方法。 【請求項10】 請求項7に記載の方法であって、前記パクリタキセルと前記抗体との投与は、被験体集団において3年目の疾患再発を、該抗体を用いずにパクリタキセルで処置した被験体と比較して約50%減少させる、方法。 【請求項11】 請求項1に記載の方法であって、前記被験体は、高い癌再発リスクを有する、方法。 【請求項12】 請求項11に記載の方法であって、前記被験体は、約50歳未満である、方法。 【請求項13】 請求項11に記載の方法であって、前記被験体は、直径2cmを超える腫瘍を有する、方法。 【請求項14】 請求項11に記載の方法であって、前記癌は、リンパ節陽性癌である、方法。 【請求項15】 請求項14に記載の方法であって、前記被験体は、4〜9個の浸潤されたリンパ節を有する、方法。 【請求項16】 請求項15に記載の方法であって、前記被験体は、10個以上の浸潤されたリンパ節を有する、方法。 【請求項17】 請求項11に記載の方法であって、前記被験体は、エストロゲンレセプター(ER)陰性である、方法。 【請求項18】 請求項11に記載の方法であって、前記被験体は、プロゲステロンレセプター(PG)陰性である、方法。 【請求項19】 請求項1に記載の方法であって、前記抗体は、インタクトな裸の抗体である、方法。 【請求項20】 請求項1に記載の方法であって、前記DFSまたは前記OSを、処置開始の4年後に評価する、方法。 【請求項21】 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体の集団において非転移性乳癌を治癒する方法であって、該方法は、 根治手術の後の該被験体集団に対して、有効量のトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))およびタキソイドを投与する工程;ならびに 約4年間後に該被験体集団を評価して、疾患再発が該集団のうちの少なくとも約80%において生じていないことを確認する工程; を包含する、方法。 【請求項22】 請求項21に記載の方法であって、前記集団は、3000人以上のヒト被験体を含む、方法。 【請求項23】 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体集団において疾患の再発を減少する方法であって、該方法は、 有効量のトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))およびタキソイドを該被験体に対して、根治手術の後に投与する工程、 を包含し、約3年目における疾患再発は、タキソイド単独で処置した被験体と比較して少なくとも約50%減少される、方法。 【請求項24】 補助療法の方法であって、該方法は、 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体に対して、根治手術の後に、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2のドメインIVに結合する抗体と少なくとも1種の化学療法剤とを、治療標準である化学療法と比較して無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を伸長させるに有効な量で投与する工程 を包含し、該DFSまたは該OSを、処置開始の少なくとも約3年間、1年間当たり少なくとも1回評価し、該DFSは、該患者が生存したままであり少なくとも1年間癌の再発がない場合に伸長し、該OSは、処置開始から少なくとも1年間生存したままである場合に伸長する、方法。 【請求項25】 請求項24に記載の方法であって、該抗体は、HER2に対するトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))の結合をブロックする、方法。 【請求項26】 請求項24に記載の方法であって、前記抗体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を含む、方法。 【請求項27】 請求項24に記載の方法であって、前記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 【請求項28】 請求項27に記載の方法であって、前記タキソイドは、パクリタキセルまたはドセタキセルである、方法。 【請求項29】 請求項24に記載の方法であって、前記抗体および化学療法剤の投与は、被験体集団において3年目における疾患再発を、該化学療法剤単独で処置した被験体と比較して約50%減少させる、方法。 【請求項30】 根治手術の後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性を有すると同定された非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体を指示する方法であって、該ヒト被験体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と少なくとも1種の化学療法剤とでの処置を受容する治療標準である化学療法によってのみ処置されている、方法。 【請求項31】 請求項30に記載の方法であって、前記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 【請求項32】 請求項30に記載の方法であって、前記被験体を、指示される通りに処置する、方法。 【請求項33】 請求項32に記載の方法であって、前記処置は、少なくとも6ヶ月間継続する、方法。 【請求項34】 根治手術後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性であると同定されるヒト被験体においてHER2陽性非転移性乳癌を処置するための宣伝方法であって、該方法は、 (a)トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と組み合わせた化学療法剤;または (b)化学療法剤と組み合わせた、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体; を宣伝する工程; を包含する、方法。 【請求項35】 請求項34に記載の方法であって、前記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 【請求項36】 請求項34に記載の方法であって、前記宣伝は、前記化学療法剤または前記抗体の商業的処方物が付随する包装挿入物による、方法。 【請求項37】 請求項34に記載の方法であって、前記宣伝は、医師または健康管理供給者への文書による伝達または口頭での伝達による、方法。 【請求項38】 請求項34に記載の方法であって、前記宣伝の後に、前記化学療法剤と前記抗体との組み合わせを用いて前記被験体を処置することを行う、方法。 【請求項39】 ビジネス方法であって、該方法は、 トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と組み合わせた根治手術の後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性であると同定されるヒト被験体においてHER2陽性非転移性乳癌を処置するための化学療法剤を販売して、該被験体の癌再発可能性を減少するかまたは該被験体の生存可能性を増加する工程; を包含する、方法。 【請求項40】 請求項39に記載の方法であって、前記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 【請求項41】 請求項39に記載の方法であって、前記販売の後に、前記化学療法剤と前記抗体との組み合わせを用いて前記被験体を処置することを行う、方法。 【請求項42】 ビジネス方法であって、該方法は、 化学療法剤と組み合わせた根治手術の後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性であると同定されるヒト被験体においてHER2陽性非転移性乳癌を処置するためのトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体を販売して、該被験体の癌再発可能性を減少するかまたは該被験体の生存可能性を増加する工程; を包含する、方法。 【請求項43】 請求項42に記載の方法であって、前記販売の後に、前記化学療法剤と前記抗体との組み合わせを用いて前記被験体を処置することを行う、方法。 【請求項44】 補助療法の方法であって、該方法は、 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体に対して、根治手術の後に、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2のドメインIVに結合する抗体を、単一薬剤として、無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を伸長させるに有効な量で投与する工程; を包含し、該DFSまたは該OSを、該抗体の初期投与後の少なくとも約1年目に確認する、方法。 【請求項45】 補助療法のための組成物であって、該組成物は、 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体において、根治手術の後に、無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を伸長させるに有効な量の、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2のドメインIVに結合する抗体と、少なくとも1種の化学療法剤とを、含み、該DFSまたは該OSは、該処置開始の約2年後〜約5年後に評価される、組成物。 【請求項46】 請求項45に記載の組成物であって、前記抗体は、HER2に対するトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))の結合をブロックする、組成物。 【請求項47】 請求項45に記載の組成物であって、前記抗体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を含む、組成物。 【請求項48】 請求項45に記載の組成物であって、前記化学療法剤は、タキソイド、ビンカ、白金化合物、アロマターゼインヒビター、抗エストロゲン、エトポシド、チオテパ、シクロホスファミド、メトトレキサート、リポソームドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、カペシタビン、およびゲンシタビンからなる群より選択される、組成物。 【請求項49】 請求項48に記載の組成物であって、前記化学療法剤は、タキソイドである、組成物。 【請求項50】 請求項49に記載の組成物であって、前記タキソイドは、パクリタキセルまたはドセタキセルである、組成物。 【請求項51】 請求項50に記載の組成物であって、前記パクリタキセルと前記抗体とは、アントラサイクリンおよびシクロホスファミドの投与後に投与されるように処方されている、組成物。 【請求項52】 請求項51に記載の組成物であって、前記抗体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を含む、組成物。 【請求項53】 請求項45に記載の組成物であって、前記抗体と化学療法との投与は、被験体集団において3年目の疾患再発を、化学療法単独で処置した被験体と比較して約50%減少させる、組成物。 【請求項54】 請求項51に記載の組成物であって、前記パクリタキセルと前記抗体との投与は、被験体集団において3年目の疾患再発を、該抗体を用いずにパクリタキセルで処置した被験体と比較して約50%減少させる、組成物。 【請求項55】 請求項45に記載の組成物であって、前記被験体は、高い癌再発リスクを有する、組成物。 【請求項56】 請求項55に記載の組成物であって、前記被験体は、約50歳未満である、組成物。 【請求項57】 請求項55に記載の組成物であって、前記被験体は、直径2cmを超える腫瘍を有する、組成物。 【請求項58】 請求項55に記載の組成物であって、前記癌は、リンパ節陽性癌である、組成物。 【請求項59】 請求項58に記載の組成物であって、前記被験体は、4〜9個の浸潤されたリンパ節を有する、組成物。 【請求項60】 請求項59に記載の組成物であって、前記被験体は、10個以上の浸潤されたリンパ節を有する、組成物。 【請求項61】 請求項55に記載の組成物であって、前記被験体は、エストロゲンレセプター(ER)陰性である、組成物。 【請求項62】 請求項55に記載の組成物であって、前記被験体は、プロゲステロンレセプター(PG)陰性である、組成物。 【請求項63】 請求項45に記載の組成物であって、前記抗体は、インタクトな裸の抗体である、組成物。 【請求項64】 請求項45に記載の組成物であって、前記DFSまたは前記OSを、処置開始の4年後に評価する、組成物。 【請求項65】 根治手術を行った、非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体の集団において非転移性乳癌を治癒するための組成物であって、該組成物は、 有効量のトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))およびタキソイド を含む、組成物。 【請求項66】 請求項65に記載の組成物であって、前記集団は、3000人以上のヒト被験体を含む、組成物。 【請求項67】 根治手術を行った、非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体集団において疾患の再発を減少するための組成物であって、該組成物は、 有効量のトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))およびタキソイド を含む、組成物。 【請求項68】 補助療法のための組成物であって、該組成物は、 根治手術の後の、非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体の治療標準である化学療法と比較して無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を伸長させるに有効な量で、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2のドメインIVに結合する抗体と少なくとも1種の化学療法剤とを含み、 該DFSまたは該OSは、処置開始の少なくとも約3年間、1年間当たり少なくとも1回評価され、該DFSは、該患者が生存したままであり少なくとも1年間癌の再発がない場合に伸長し、該OSは、処置開始から少なくとも1年間生存したままである場合に伸長する、組成物。 【請求項69】 請求項68に記載の組成物であって、該抗体は、HER2に対するトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))の結合をブロックする、組成物。 【請求項70】 請求項68に記載の組成物であって、前記抗体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を含む、組成物。 【請求項71】 請求項68に記載の組成物であって、前記化学療法剤は、タキソイドである、組成物。 【請求項72】 請求項71に記載の組成物であって、前記タキソイドは、パクリタキセルまたはドセタキセルである、組成物。 【請求項73】 請求項68に記載の組成物であって、前記抗体および化学療法剤の投与は、被験体集団において3年目における疾患再発を、該化学療法剤単独で処置した被験体と比較して約50%減少させる、組成物。 【請求項74】 根治手術の後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性を有すると同定されかつ治療標準である化学療法によってのみ処置されている非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体を指示するための、コンピュータにより実施される方法であって、該ヒト被験体に、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と少なくとも1種の化学療法剤とでの処置を受容するように、指示手段によって指示する工程、を包含する、方法。 【請求項75】 請求項74に記載の方法であって、前記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 【請求項76】 請求項74に記載の方法であって、前記被験体を、指示される通りに処置する、方法。 【請求項77】 請求項76に記載の方法であって、前記処置は、少なくとも6ヶ月間継続する、方法。 【請求項78】 化学療法剤を宣伝するための、コンピュータにより実施される方法であって、該方法は、 根治手術後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性であると同定されるヒト被験体におけるHER2陽性非転移性乳癌の処置を、宣伝手段によって宣伝する工程、 を包含し、該処置は、 (a)トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と組み合わせた化学療法剤;または (b)化学療法剤と組み合わせた、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体; を包含する、方法。 【請求項79】 請求項78に記載の方法であって、前記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 【請求項80】 請求項78に記載の方法であって、前記宣伝は、前記化学療法剤または前記抗体の商業的処方物が付随する包装挿入物による、方法。 【請求項81】 請求項78に記載の方法であって、前記宣伝は、医師または健康管理供給者への文書による伝達または口頭での伝達による、方法。 【請求項82】 請求項78に記載の方法であって、前記宣伝の後に、前記化学療法剤と前記抗体との組み合わせを用いて前記被験体を処置することを行う、方法。 【請求項83】 化学療法剤を開発するための、コンピュータにより実施される方法であって、該方法は、 トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と組み合わせた根治手術の後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性であると同定されるヒト被験体においてHER2陽性非転移性乳癌を処置するための化学療法剤を、販売手段によって販売して、該被験体の癌再発可能性を減少するかまたは該被験体の生存可能性を増加する工程; を包含する、方法。 【請求項84】 請求項83に記載の方法であって、前記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 【請求項85】 請求項83に記載の方法であって、前記販売する工程の後に、前記化学療法剤と前記抗体との組み合わせを用いて前記被験体を処置することを行う、方法。 【請求項86】 化学療法剤を開発するための、コンピュータにより実施される方法であって、該方法は、 化学療法剤と組み合わせた根治手術の後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性であると同定されるヒト被験体においてHER2陽性非転移性乳癌を処置するためのトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体を、販売手段によって販売して、該被験体の癌再発可能性を減少するかまたは該被験体の生存可能性を増加する工程; を包含する、方法。 【請求項87】 請求項86に記載の方法であって、前記販売する工程の後に、前記化学療法剤と前記抗体との組み合わせを用いて前記被験体を処置することを行う、方法。 【請求項88】 補助療法のための組成物であって、該組成物は、 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体において、根治手術の後に、無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を伸長させるに有効な量の、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2のドメインIVに結合する抗体を、単一薬剤中に含み、該DFSまたは該OSは、該抗体の投与開始の少なくとも約1年間後に評価される、組成物。 【請求項89】 請求項74〜87のうちのいずれか1項に記載の方法を、コンピュータにおいて実施するためのコンピュータプログラム。 【請求項90】 コンピュータ読出し可能な記憶媒体であって、該媒体は、該媒体中に記録されたプログラムを有し、該プログラムは、請求項74〜87に記載の方法をコンピュータに実施させる、媒体。 【請求項91】 請求項74〜87のうちのいずれか1項に記載の方法をコンピュータにおいて実施するためのコンピュータプログラムを含む、通信媒体。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、HERCEPTIN(登録商標)を使用する非転移性乳癌の補助療法に関する。 【背景技術】 【0002】 (HERレセプターおよびHERレセプターに対する抗体) レセプターチロシンキナーゼのHERファミリーは、細胞の増殖、分化および生存の重要なメディエーターである。これらのレセプターファミリーは、上皮増殖因子レセプター(EGFR、ErbB1、またはHER1)、HER2(ErbB2またはp185neu)、HER3(ErbB3)およびHER4(ErbB4またはtyro2)を含む、4つの異なるメンバーを包含する。 【0003】 EGFR(これは、erbB1遺伝子によってコードされる)は、ヒト悪性疾患(malignancy)において原因として影響を与えている。特に、EGFRの増大した発現が、乳癌、膀胱癌、肺癌、頭部の癌、頸部の癌および胃癌、ならびに多形膠芽腫において観察された。増大したEGFRレセプター発現は、しばしば、EGFRリガンドの増大した生成、オートクライン刺激経路によるレセプター活性化を生じる同じ腫瘍細胞によるトランスホーミング増殖因子α(TGF−α)と関連する。BaselgaおよびMendelsohn Pharmac.Ther.64:127−154(1994)。EGFRまたはそのリガンド、TGF−αおよびEGFに対するモノクローナル抗体は、このような悪性疾患の処置における治療剤として評価されてきた。例えば、BaselgaおよびMendelsohn.,前出;Masuiら.Cancer Research 44:1002−1007(1984);ならびにWuら.J.Clin.Invest.95:1897−1905(1995)を参照のこと。 【0004】 HERファミリーの第2のメンバーであるp185neuは、もともと、化学的に処置したラットの神経芽腫からの形質転換遺伝子(transforming gene)の生成物として同定された。neu原癌遺伝子の活性化された形態は、コードされたタンパク質の膜貫通領域における点変異(バリンからグルタミン酸へ)から生じる。neuのヒトホモログの増幅は、乳癌および卵巣癌において観察され、乏しい予後と相関する(Slamonら,Science,235:177−182(1987);Slamonら.,Science,244:707−712(1989);ならびに米国特許第4,968,603号)。現在まで、neu原癌遺伝子における点変異に類似の点変異は、ヒト腫瘍において報告されたことはない。HER2の過剰発現(遺伝子増幅に起因して、頻繁ではあるものの、一様ではない)もまた、他の癌腫(胃、子宮内膜、唾液腺、肺、腎臓、結腸、甲状腺、膵臓および膀胱の癌腫を含む)において観察された。とりわけ、Kingら,Science,229:974(1985);Yokotaら,Lancet:1:765−767(1986);Fukushigeら,Mol Cell Biol.,6:955−958(1986);Guerinら,Oncogene Res.,3:21−31(1988);Cohenら,Oncogene,4:81−88(1989);Yonemuraら,Cancer Res.,51:1034(1991);Borstら,Gynecol.Oncol.,38:364(1990);Weinerら,Cancer Res.,50:421−425(1990);Kernら,Cancer Res.,50:5184(1990);Parkら,Cancer Res.,49:6605(1989);Zhauら,Mol.Carcinog.,3:254−257(1990);Aaslandら.Br.J.Cancer 57:358−363(1988);Williamsら.Pathobiology 59:46−52(1991);ならびにMcCannら,Cancer,65:88−92(1990)を参照のこと。HER2は、前立腺癌において過剰発現され得る(Guら.Cancer Lett.99:185−9(1996);Rossら.Hum.Pathol.28:827−33(1997);Rossら.Cancer 79:2162−70(1997);ならびにSadasivanら.J.Urol.150:126−31(1993))。 【0005】 HER2増幅/過剰発現は、侵襲性疾患(aggressive disease)および乏しい予後と関連する、乳癌における初期の事象である。HER2遺伝子増幅は、原発性乳房腫瘍の20〜25%において見いだされる(Slamonら.Science 244:707-12(1989);Owensら.Breast Cancer Res Treat 76:S68 要旨 236(2002))。HER2陽性疾患は、減少した再発なしの全体的生存(Slamonら.Science 235:177-82(1987);Paulettiら.J Clin Oncol 18:3651-64(2000))と関連している。HER2遺伝子の増幅は、結節陽性疾患における再発および乏しい生存(Slamonら(1987);Paulettiら(2000))および結節陰性疾患における乏しい結果(Pressら.J Clin Oncol 1997;15:2894-904(1997);Paulettiら(2000))に対する有意に減少した時間と関連する。 【0006】 ラットp185neuおよびヒトHER2タンパク質生成物に対する抗体が、記載されてきた。 【0007】 Drebinおよび共同研究者は、ラットneu遺伝子生成物であるp185neuに対する抗体を惹起した。例えば、Drebinら,Cell 41:695−706(1985);Myersら,Meth.Enzym.198:277−290(1991);およびWO94/22478を参照のこと。Drebinら.Oncogene 2:273−277(1988)は、p185neuの2つの異なる領域と反応性の抗体の混合物が、ヌードマウスに移植したneu形質転換NIH−3T3細胞に対する相乗的な抗腫瘍効果を生じることを報告する。米国特許第5,824,311号(1998年10月20日発行)もまた参照のこと。 【0008】 Hudziakら,Mol.Cell.Biol.9(3):1165−1172(1989)は、ヒト乳房腫瘍細胞株SK−BR−3を使用して特徴づけられたHER2抗体のパネルの生成を記載する。これらの抗体に曝露した後のSK−BR−3細胞の相対的細胞増殖を、72時間後の単層のクリスタルバイオレット染色によって決定した。このアッセイを用いて、最大阻害を、4D5といわれる抗体を用いて得、この抗体は、細胞増殖を56%阻害した。そのパネルにおける他の抗体は、このアッセイにおいてより低い程度まで細胞増殖を減少させた。抗体4D5は、TNF−αの細胞傷害性効果に対して、HER2を過剰発現している乳房腫瘍細胞株を感作させることをさらに見いだした。米国特許第5,677,171号(1997年10月14日発行)もまた参照のこと。Hudziakらにおいて議論されたHER2抗体は、Fendlyら.Cancer Research 50:1550−1558(1990);Kottsら.In Vitro 26(3):59A(1990);Sarupら.Growth Regulation 1:72−82(1991);Shepardら.J.Clin.Immunol.11(3):117−127(1991);Kumarら.Mol.Cell.Biol.11(2):979−986(1991);Lewisら.Cancer Immunol.Immunother.37:255−263(1993);Pietrasら.Oncogene 9:1829−1838(1994);Vitettaら.Cancer Research 54:5301−5309(1994);Sliwkowskiら.J.Biol.Chem.269(20):14661−14665(1994);Scottら.J.Biol.Chem.266:14300−5(1991);D’souzaら.Proc.Natl.Acad.Sci.91:7202−7206(1994);Lewisら.Cancer Research 56:1457−1465(1996);ならびにSchaeferら.Oncogene 15:1385−1394(1997)においてさらに特徴づけられている。 【0009】 マウスHER2抗体4D5の組換えヒト化バージョン(huMAb4D5−8、rhuMAb HER2、トラスツズマブ(trastuzumab)またはHERCEPTIN(登録商標);米国特許第5,821,337号)は、徹底的な以前の抗癌治療を受けた、HER2過剰発現転移性乳癌を有する患者において臨床的に活性である(Baselgaら,J.Clin.Oncol.14:737−744(1996))。トラスツズマブは、転移性乳癌を有する患者の処置に、1998年9月25日に食品医薬品局から販売の認可を受けた。彼らの腫瘍は、HER2タンパク質を過剰発現する。トラスツズマブは、パクリタキセルと組み合わせた第1選択肢(first−line)の治療、ならびに第2選択肢および第3選択肢の治療における単一薬剤の両方として、患者の1週間に1回の処置について示される。 【0010】 臨床試験において、HERCEPTIN(登録商標)は、転移性乳癌患者における化学療法と組み合わせて使用した場合、生存の利益を示した。2001年12月において、Genentechは、FDAの認可を受けて、化学療法単独と比較して、HERCEPTIN(登録商標)および化学療法で最初に処置したHER2陽性転移性乳癌を有する女性のメジアン完全生存において、24%の増加を示したデータを含めた(メジアンは、20.3ヶ月と比較して、25.1ヶ月)。 【0011】 HERCEPTIN(登録商標)は、種々の化学療法剤と組み合わせて使用されてきており、これらの化学療法剤としては、タキソイド(例えば、パクリタキセル(Slamonら.,N.Engl.J.of Med 344:783−792(2001);Leyland−Jonesら.,J.Clin.Oncol.21(21):3965−3971(2003))、およびドセタキセル(Estevaら.,J.Clin.Oncol.20(7):1800−1808(2002);(Extraら.Breast Cancer Res Treat 82(補遺 1):217(2003));タキソイドおよび白金化合物(Pegramら.,J.Natl.Cancer Inst.96(10):759−69(2004);Yardleyら.Breast Cancer Res Treat 76:S113 要約 439(2002));白金化合物(例えば、シスプラチンまたはカルボプラチン)(Robertら.,Ann.Oncol.,15(補遺 3):39(要約 144P);(2004);Pegramら.J Clin Oncol 16:2659-71(1998));ビンカ(例えば、ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標))(Bursteinら.J.Clin.Oncol.19(10);2722−2730(2001));アロマターゼインヒビター(例えば、レトロゾールおよびアナストラゾール(Jones,A.,Annals of Oncology 14:1697−1794(2003);Wongら.Breast Cancer Res Treat 82(補遺 1):444(2003));抗エストロゲン(例えば、フルベストラント(FASLODEX(登録商標))(Jones,A.,前出);ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標))(Millerら.Oncology 15(2):38−40(2001);O’Shaughnessyら.Breast Cancer Res Treat 69:302 要約 523(2001));リポソーム性ドキソルビシン(Theodoulouら.Proc Am Soc Clin Oncol 21:216 要約 216(2002));ドセタキセル/ビノレルビン(G−CSFおよびキノロンの予防とともに) Limentaniら.Breast Cancer Res Treat 76:要約 162(2002));エピルビシンおよびシクロホスファミド(Untchら.Eur.J.Cancer 40:988−97(2004b)を含む)が挙げられる。トラスツズマブを含む種々の組み合わせ療法については、Pegramら,J.Natl.Cancer.Inst.96(10):739−49(2004)もまた参照のこと。 【0012】 トラスツズマブ臨床試験を記載する他の参考文献としては、Bendellら、Cancer 97:2972−7(2003);Claytonら.Brit.J.Cancer.91:639−43(2004);Seidmanら.J.Clin.Oncol.20:1215−21(2002);およびEwerら.Proc.Am.Soc.Clin.Oncol.(abstr.489)(2002)が挙げられる。 【0013】 種々の特性を有する他のHER2抗体は、Tagliabueら.Int.J.Cancer 47:933−937(1991);McKenzieら.Oncogene 4:543−548(1989);Maierら.Cancer Res.51:5361−5369(1991);Bacusら.Molecular Carcinogenesis 3:350−362(1990);Stancovskiら.PNAS(USA)88:8691−8695(1991);Bacusら.Cancer Research 52:2580−2589(1992);Xuら.Int.J.Cancer 53:401−408(1993);WO94/00136;Kasprzykら.Cancer Research 52:2771−2776(1992);Hancockら.Cancer Res.51:4575−4580(1991);Shawverら.Cancer Res.54:1367−1373(1994);Arteagaら.Cancer Res.54:3758−3765(1994);Harwerthら.J.Biol.Chem.267:15160−15167(1992);米国特許第5,783,186号;ならびにKlapperら.Oncogene 14:2099−2109(1997)において記載されてきた。 【0014】 ホモロジースクリーニングは、2つの他のHERレセプターファミリーメンバー;HER3(米国特許第5,183,884号および同第5,480,968号ならびにKrausら.PNAS(USA)86:9193−9197(1989))およびHER4(EP特許出願番号599,274;Plowmanら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:1746−1750(1993);ならびにPlowmanら,Nature,366:473−475(1993))の同定を生じた。これらのレセプターはともに、少なくともいくつかの乳癌細胞株上で増大した発現を示す。 【0015】 そのHERレセプターは、一般に、細胞において種々の組み合わせで見いだされ、ヘテロダイマー化は、種々のHERリガンドに対する細胞応答の多様性を増大させると考えられる(Earpら.Breast Cancer Research and Treatment 35:115−132(1995))。EGFRは、6つの異なるリガンド;上皮増殖因子(EGF)、トランスホーミング増殖因子α(TGF−α)、アンフィレグリン(amphiregulin)、ヘパリン結合上皮増殖因子(HB−EGF)、ベータセルリンおよびエピレグリン(Groenenら.Growth Factors 11:235−257(1994))、によって結合される。単一の遺伝子の選択的スプライシングから生じるヒレグリンタンパク質のファミリーは、HER3およびHER4についてのリガンドである。このヒレグリンファミリーは、αヒレグリン、βヒレグリンおよびγヒレグリン(Holmesら,Science,256:1205−1210(1992);米国特許第5,641,869号;およびSchaeferら.Oncogene 15:1385−1394(1997));neu分化因子(NDF)、グリア増殖因子(GGF);アセチルコリンレセプター誘導活性(ARIA);および感覚ニューロンおよび運動ニューロン由来因子(SMDF)を含む。総説については、Groenenら.Growth Factors 11:235−257(1994);Lemke,G.Molec.&Cell.Neurosci.7:247−262(1996)およびLeeら.Pharm.Rev.47:51−85(1995)を参照のこと。最近、3つのさらなるHERリガンドが同定された;HER3またはHER4のいずれかを結合することが報告されているニューレグリン−2(NRG−2)(Changら.Nature 387 509−512(1997);およびCarrawayら Nature 387:512−516(1997));HER4を結合するニューレグリン−3(Zhangら.PNAS(USA)94(18):9562−7(1997));およびHER4を結合するニューレグリン−4(Harariら.Oncogene 18:2681−89(1999))、HB−EGF、ベタセルリンおよびエピレグリンもまたHER4に結合する。 【0016】 EGFおよびTGFαは、HER2に結合しないが、EGFは、EGFRおよびHER2を刺激して、ヘテロダイマーを形成し、このヘテロダイマーはEGFRを活性化し、このヘテロダイマーにおけるHER2のトランスリン酸化を生じる。ダイマー化および/またはトランスリン酸化は、HER2チロシンキナーゼを活性化するようである。Earpら,前出を参照のこと。同様に、HER3がHER2と同時発現される場合、活性なシグナル伝達複合体が形成され、HER2に対する抗体は、この複合体を破壊し得る(Sliwkowskiら,J.Biol.Chem.,269(20):14661−14665(1994))。さらに、ヒレグリン(HRG)に対するHER3の親和性は、HER2と同時発現される場合に、より高い親和性状態に増大される。HER2−HER3タンパク質複合体に関しては、Leviら,Journal of Neuroscience 15:1329−1340(1995);Morrisseyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:1431−1435(1995);およびLewisら,Cancer Res.,56:1457−1465(1996)もまた参照のこと。HER4は、HER3と同様に、HER2との活性なシグナル伝達複合体を形成する(CarrawayおよびCantley,Cell 78:5−8(1994))。 【0017】 HER抗体に関する特許公報としては、以下が挙げられる: 【0018】 【数1】
HER2抗体トラスツズマブで処置した患者は、HER2過剰発現/増幅に基づく治療のために選択され得る。例えば、WO99/31140(Patonら)、US2003/0170234A1(Hellmann,S.)、およびUS2003/0147884(Patonら);ならびにWO01/89566、US2002/0064785、およびUS2003/0134344(Massら)を参照のこと。HER2過剰発現および増幅を検出するための免疫組織化学(IHC)および蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)に関して、US2003/0152987、Cohenらもまた参照のこと。 【0019】 WO2004/053497およびUS2004/024815A1(Bacusら)、ならびにUS2003/0190689(CrosbyおよびSmith)は、トラスツズマブ治療に対する応答を決定することまたは推定することに言及する。US2004/013297A1(Bacusら)は、ABX0303 EGFR抗体治療に対する応答を決定することまたは推定することに関する。WO2004/000094(Bacusら)は、GW572016、低分子、EGFR−HER2チロシンキナーゼインヒビターに対する応答を決定することに関する。WO2004/063709(Amlerら)は、EGFRインヒビター、エルロチニブHClに対する感受性を決定するための生体マーカーおよび方法に言及する。US2004/0209290(Cobleighら)は、乳癌予後についての遺伝子発現マーカーに関する。 【0020】 ペルツズマブ(pertuzumab)で処置される患者は、HER活性化またはダイマー化に基づいて、治療について選択され得る。ペルツズマブおよびこれを用いた治療のための患者の選択に関する特許公報としては、以下が挙げられる:WO01/00245(Adamsら);US2003/0086924(Sliwkowski,M.);US2004/0013667A1(Sliwkowski,M.);ならびにWO2004/008099A2、およびUS2004/0106161(Bossenmaierら)。 【0021】 Croninら.Am.J.Path.164(1):35−42(2004)は、保存用(archival)パラフィン包埋組織において遺伝子発現の測定を記載する。Maら.Cancer Cell 5:607−616(2004)は、保存された原発性生検から採取された腫瘍組織切片から単離されたRNAを用いる、遺伝子オリゴヌクレオチドマイクロアレイによる遺伝子プロファイリングを記載する。 【0022】 (補助療法) 補助療法は、その最も広い意味において、たとえ、その拡大が放射線医学試験または実験的試験によって検出することができないとしても、拡大している可能性がある任意の癌細胞を殺傷する一次治療(primary therapy)に加えて与えられる処置である。同時の臨床試験により、乳癌補助療法のための化学療法剤の効力を評価した(すなわち、BCIRG 001(パクリタキセル、ドキソルビシン、およびシクロホスファミド(TAC)を、フルオロウラシル、ドキソルビシン、およびシクロホスファミド(FAC)と比較する);CALGB 9741(用量密度治験);およびCALGC 9344(アントラサイクリン+シクロホスファミド(AC)を、AC+パクリタキセル(AC/T)と比較した)。 【0023】 BCRIG 001治験において、無疾患生存(DFS)危険比は、0.72(p=0.0010)であり、TACについての5年DFSは75%であり、FACについては、68%であった。全体的生存(OS)危険比は、0.70(p=0.0080)であり、TACについての5年OSは、87%であり、FACについては、81%であった。この治験において、HER2陽性(HER2+)被験体(n=328)について、DFS危険比は、0.60(p=0.0088)であった。 【0024】 CALGB 9741は、AC×4とT×4;逐次的A×4とT×4とC×4;用量密度逐次的A×4とT×4とC×4;および用量密度AC×4とT×4(A=アントラサイクリン;C=シクロホスファミド;T=パクリタキセル)を比較する用量密度治験であった。DFS危険比(用量密度 対 標準)は、0.74(p=0.010)であった;4年DFSは、82% 対 75%であった。OS危険比(用量密度 対 標準)は、0.69(p=0.013)であった。 【0025】 CALGB 9344は、ACの効力とAC/Tとの効力を比較した。DFS危険比は、0.83(p=0.002)であり、5年DFSは、ACについて65%であり、AC/Tについて70%であった。OS危険比は、0.82(p=0.0064)であり、5年OSは、ACについて77%であり、AC/Tについて80%であった。 【0026】 アメリカ癌学会によれば、推定211,000名の女性が、乳癌を有すると診断されており、約40,000名の女性が、米国において2005年にこの疾患で死亡すると思われる。乳癌は、米国の女性の中で癌の最も一般的な原因であり、3分に1名、米国において女性が乳癌と診断される。乳癌と診断された女性の約30%が、リンパ節陽性乳癌を有する。 【0027】 補助療法に関連した刊行物またはセミナーとしては、以下が挙げられる:Paikら.J.Natl.Cancer Inst.92(24):1991−1998(2000);Paikら.J.Natl.Cancer Inst.94:852−854(2002);Paikら:Successful quality assurance program for HER2 testing in the NSABP Trial for Herceptin.San Antonio Breast Cancer Symposium,2002;Roche PCら.J.Natl.Cancer Inst.94(11):855−7(2002);Albainら.Proceedings of the American Society of Clinical Oncology Thirty−Eighth Annual Meeting,2002年5月18日〜21日,Orlando,FL,要約 143;The ATAC(Arimidex,Tamoxifen Alone or in Combination)Trialists’ Group.Lancet 359:2131−39(2002);Geyerら,26th Annual San Antonio Breast Cancer Symposium(SABCS),2003年12月,要約 12;Perezら.Proc.ASCO 2005,要約 556。 【発明の開示】 【課題を解決するための手段】 【0028】 本発明は、以下を提供する。 (項目1) 補助療法の方法であって、上記方法は、 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体に対して、根治手術の後に、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2のドメインIVに結合する有効量の抗体と少なくとも1種の化学療法剤とを投与して、上記被験体における無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を伸長させる工程 を包含し、上記DFSまたは上記OSを、処置開始の約2年間後〜5年間後に評価する、方法。 (項目2) 項目1に記載の方法であって、上記抗体は、HER2に対するトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))の結合をブロックする、方法。 (項目3) 項目1に記載の方法であって、上記抗体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を含む、方法。 (項目4) 項目1に記載の方法であって、上記化学療法剤は、タキソイド、ビンカ、白金化合物、アロマターゼインヒビター、抗エストロゲン、エトポシド、チオテパ、シクロホスファミド、メトトレキサート、リポソームドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、カペシタビン、およびゲンシタビンからなる群より選択される、方法。 (項目5) 項目4に記載の方法であって、上記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 (項目6) 項目5に記載の方法であって、上記タキソイドは、パクリタキセルまたはドセタキセルである、方法。 (項目7) 項目6に記載の方法であって、上記パクリタキセルと上記抗体とを、アントラサイクリンおよびシクロホスファミドの投与後に投与する、方法。 (項目8) 項目7に記載の方法であって、上記抗体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を含む、方法。 (項目9) 項目1に記載の方法であって、上記抗体と化学療法との投与は、被験体集団において3年目の疾患再発を、化学療法単独で処置した被験体と比較して約50%減少させる、方法。 (項目10) 項目7に記載の方法であって、上記パクリタキセルと上記抗体との投与は、被験体集団において3年目の疾患再発を、上記抗体を用いずにパクリタキセルで処置した被験体と比較して約50%減少させる、方法。 (項目11) 項目1に記載の方法であって、上記被験体は、高い癌再発リスクを有する、方法。 (項目12) 項目11に記載の方法であって、上記被験体は、約50歳未満である、方法。 (項目13) 項目11に記載の方法であって、上記被験体は、直径2cmを超える腫瘍を有する、方法。 (項目14) 項目11に記載の方法であって、上記癌は、リンパ節陽性癌である、方法。 (項目15) 項目14に記載の方法であって、上記被験体は、4〜9個の浸潤されたリンパ節を有する、方法。 (項目16) 項目15に記載の方法であって、上記被験体は、10個以上の浸潤されたリンパ節を有する、方法。 (項目17) 項目11に記載の方法であって、上記被験体は、エストロゲンレセプター(ER)陰性である、方法。 (項目18) 項目11に記載の方法であって、上記被験体は、プロゲステロンレセプター(PG)陰性である、方法。 (項目19) 項目1に記載の方法であって、上記抗体は、インタクトな裸の抗体である、方法。 (項目20) 項目1に記載の方法であって、上記DFSまたは上記OSを、処置開始の4年後に評価する、方法。 (項目21) 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体の集団において非転移性乳癌を治癒する方法であって、上記方法は、 根治手術の後の上記被験体集団に対して、有効量のトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))およびタキソイドを投与する工程;ならびに 約4年間後に上記被験体集団を評価して、疾患再発が上記集団のうちの少なくとも約80%において生じていないことを確認する工程; を包含する、方法。 (項目22) 項目21に記載の方法であって、上記集団は、3000人以上のヒト被験体を含む、方法。 (項目23) 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体集団において疾患の再発を減少する方法であって、上記方法は、 有効量のトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))およびタキソイドを上記被験体に対して、根治手術の後に投与する工程、 を包含し、約3年目における疾患再発は、タキソイド単独で処置した被験体と比較して少なくとも約50%減少される、方法。 (項目24) 補助療法の方法であって、上記方法は、 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体に対して、根治手術の後に、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2のドメインIVに結合する抗体と少なくとも1種の化学療法剤とを、治療標準である化学療法と比較して無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を伸長させるに有効な量で投与する工程 を包含し、上記DFSまたは上記OSを、処置開始の少なくとも約3年間、1年間当たり少なくとも1回評価し、上記DFSは、上記患者が生存したままであり少なくとも1年間癌の再発がない場合に伸長し、上記OSは、処置開始から少なくとも1年間生存したままである場合に伸長する、方法。 (項目25) 項目24に記載の方法であって、上記抗体は、HER2に対するトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))の結合をブロックする、方法。 (項目26) 項目24に記載の方法であって、上記抗体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を含む、方法。 (項目27) 項目24に記載の方法であって、上記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 (項目28) 項目27に記載の方法であって、上記タキソイドは、パクリタキセルまたはドセタキセルである、方法。 (項目29) 項目24に記載の方法であって、上記抗体および化学療法剤の投与は、被験体集団において3年目における疾患再発を、上記化学療法剤単独で処置した被験体と比較して約50%減少させる、方法。 (項目30) 根治手術の後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性を有すると同定された非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体を指示する方法であって、上記ヒト被験体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と少なくとも1種の化学療法剤とでの処置を受容する治療標準である化学療法によってのみ処置されている、方法。 (項目31) 項目30に記載の方法であって、上記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 (項目32) 項目30に記載の方法であって、上記被験体を、指示される通りに処置する、方法。 (項目33) 項目32に記載の方法であって、上記処置は、少なくとも6ヶ月間継続する、方法。 (項目34) 根治手術後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性であると同定されるヒト被験体においてHER2陽性非転移性乳癌を処置するための宣伝方法であって、上記方法は、 (a)トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と組み合わせた化学療法剤;または (b)化学療法剤と組み合わせた、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体; を宣伝する工程; を包含する、方法。 (項目35) 項目34に記載の方法であって、上記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 (項目36) 項目34に記載の方法であって、上記宣伝は、上記化学療法剤または上記抗体の商業的処方物が付随する包装挿入物による、方法。 (項目37) 項目34に記載の方法であって、上記宣伝は、医師または健康管理供給者への文書による伝達または口頭での伝達による、方法。 (項目38) 項目34に記載の方法であって、上記宣伝の後に、上記化学療法剤と上記抗体との組み合わせを用いて上記被験体を処置することを行う、方法。 (項目39) ビジネス方法であって、上記方法は、 トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と組み合わせた根治手術の後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性であると同定されるヒト被験体においてHER2陽性非転移性乳癌を処置するための化学療法剤を販売して、上記被験体の癌再発可能性を減少するかまたは上記被験体の生存可能性を増加する工程; を包含する、方法。 (項目40) 項目39に記載の方法であって、上記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 (項目41) 項目39に記載の方法であって、上記販売の後に、上記化学療法剤と上記抗体との組み合わせを用いて上記被験体を処置することを行う、方法。 (項目42) ビジネス方法であって、上記方法は、 化学療法剤と組み合わせた根治手術の後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性であると同定されるヒト被験体においてHER2陽性非転移性乳癌を処置するためのトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体を販売して、上記被験体の癌再発可能性を減少するかまたは上記被験体の生存可能性を増加する工程; を包含する、方法。 (項目43) 項目42に記載の方法であって、上記販売の後に、上記化学療法剤と上記抗体との組み合わせを用いて上記被験体を処置することを行う、方法。 (項目44) 補助療法の方法であって、上記方法は、 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体に対して、根治手術の後に、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2のドメインIVに結合する抗体を、単一薬剤として、無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を伸長させるに有効な量で投与する工程; を包含し、上記DFSまたは上記OSを、上記抗体の初期投与後の少なくとも約1年目に確認する、方法。 (項目45) 補助療法のための組成物であって、上記組成物は、 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体において、根治手術の後に、無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を伸長させるに有効な量の、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2のドメインIVに結合する抗体と、少なくとも1種の化学療法剤とを、含み、上記DFSまたは上記OSは、上記処置開始の約2年後〜約5年後に評価される、組成物。 (項目46) 項目45に記載の組成物であって、上記抗体は、HER2に対するトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))の結合をブロックする、組成物。 (項目47) 項目45に記載の組成物であって、上記抗体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を含む、組成物。 (項目48) 項目45に記載の組成物であって、上記化学療法剤は、タキソイド、ビンカ、白金化合物、アロマターゼインヒビター、抗エストロゲン、エトポシド、チオテパ、シクロホスファミド、メトトレキサート、リポソームドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、カペシタビン、およびゲンシタビンからなる群より選択される、組成物。 (項目49) 項目48に記載の組成物であって、上記化学療法剤は、タキソイドである、組成物。 (項目50) 項目49に記載の組成物であって、上記タキソイドは、パクリタキセルまたはドセタキセルである、組成物。 (項目51) 項目50に記載の組成物であって、上記パクリタキセルと上記抗体とは、アントラサイクリンおよびシクロホスファミドの投与後に投与されるように処方されている、組成物。 (項目52) 項目51に記載の組成物であって、上記抗体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を含む、組成物。 (項目53) 項目45に記載の組成物であって、上記抗体と化学療法との投与は、被験体集団において3年目の疾患再発を、化学療法単独で処置した被験体と比較して約50%減少させる、組成物。 (項目54) 項目51に記載の組成物であって、上記パクリタキセルと上記抗体との投与は、被験体集団において3年目の疾患再発を、上記抗体を用いずにパクリタキセルで処置した被験体と比較して約50%減少させる、組成物。 (項目55) 項目45に記載の組成物であって、上記被験体は、高い癌再発リスクを有する、組成物。 (項目56) 項目55に記載の組成物であって、上記被験体は、約50歳未満である、組成物。 (項目57) 項目55に記載の組成物であって、上記被験体は、直径2cmを超える腫瘍を有する、組成物。 (項目58) 項目55に記載の組成物であって、上記癌は、リンパ節陽性癌である、組成物。 (項目59) 項目58に記載の組成物であって、上記被験体は、4〜9個の浸潤されたリンパ節を有する、組成物。 (項目60) 項目59に記載の組成物であって、上記被験体は、10個以上の浸潤されたリンパ節を有する、組成物。 (項目61) 項目55に記載の組成物であって、上記被験体は、エストロゲンレセプター(ER)陰性である、組成物。 (項目62) 項目55に記載の組成物であって、上記被験体は、プロゲステロンレセプター(PG)陰性である、組成物。 (項目63) 項目45に記載の組成物であって、上記抗体は、インタクトな裸の抗体である、組成物。 (項目64) 項目45に記載の組成物であって、上記DFSまたは上記OSを、処置開始の4年後に評価する、組成物。 (項目65) 根治手術を行った、非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体の集団において非転移性乳癌を治癒するための組成物であって、上記組成物は、 有効量のトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))およびタキソイド を含む、組成物。 (項目66) 項目65に記載の組成物であって、上記集団は、3000人以上のヒト被験体を含む、組成物。 (項目67) 根治手術を行った、非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体集団において疾患の再発を減少するための組成物であって、上記組成物は、 有効量のトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))およびタキソイド を含む、組成物。 (項目68) 補助療法のための組成物であって、上記組成物は、 根治手術の後の、非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体の治療標準である化学療法と比較して無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を伸長させるに有効な量で、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2のドメインIVに結合する抗体と少なくとも1種の化学療法剤とを含み、 上記DFSまたは上記OSは、処置開始の少なくとも約3年間、1年間当たり少なくとも1回評価され、上記DFSは、上記患者が生存したままであり少なくとも1年間癌の再発がない場合に伸長し、上記OSは、処置開始から少なくとも1年間生存したままである場合に伸長する、組成物。 (項目69) 項目68に記載の組成物であって、上記抗体は、HER2に対するトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))の結合をブロックする、組成物。 (項目70) 項目68に記載の組成物であって、上記抗体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を含む、組成物。 (項目71) 項目68に記載の組成物であって、上記化学療法剤は、タキソイドである、組成物。 (項目72) 項目71に記載の組成物であって、上記タキソイドは、パクリタキセルまたはドセタキセルである、組成物。 (項目73) 項目68に記載の組成物であって、上記抗体および化学療法剤の投与は、被験体集団において3年目における疾患再発を、上記化学療法剤単独で処置した被験体と比較して約50%減少させる、組成物。 (項目74) 根治手術の後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性を有すると同定されかつ治療標準である化学療法によってのみ処置されている非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体を指示するための、コンピュータにより実施される方法であって、上記ヒト被験体に、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と少なくとも1種の化学療法剤とでの処置を受容するように、指示手段によって指示する工程、を包含する、方法。 (項目75) 項目74に記載の方法であって、上記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 (項目76) 項目74に記載の方法であって、上記被験体を、指示される通りに処置する、方法。 (項目77) 項目76に記載の方法であって、上記処置は、少なくとも6ヶ月間継続する、方法。 (項目78) 化学療法剤を宣伝するための、コンピュータにより実施される方法であって、上記方法は、 根治手術後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性であると同定されるヒト被験体におけるHER2陽性非転移性乳癌の処置を、宣伝手段によって宣伝する工程、 を包含し、上記処置は、 (a)トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と組み合わせた化学療法剤;または (b)化学療法剤と組み合わせた、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体; を包含する、方法。 (項目79) 項目78に記載の方法であって、上記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 (項目80) 項目78に記載の方法であって、上記宣伝は、上記化学療法剤または上記抗体の商業的処方物が付随する包装挿入物による、方法。 (項目81) 項目78に記載の方法であって、上記宣伝は、医師または健康管理供給者への文書による伝達または口頭での伝達による、方法。 (項目82) 項目78に記載の方法であって、上記宣伝の後に、上記化学療法剤と上記抗体との組み合わせを用いて上記被験体を処置することを行う、方法。 (項目83) 化学療法剤を開発するための、コンピュータにより実施される方法であって、上記方法は、 トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と組み合わせた根治手術の後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性であると同定されるヒト被験体においてHER2陽性非転移性乳癌を処置するための化学療法剤を、販売手段によって販売して、上記被験体の癌再発可能性を減少するかまたは上記被験体の生存可能性を増加する工程; を包含する、方法。 (項目84) 項目83に記載の方法であって、上記化学療法剤は、タキソイドである、方法。 (項目85) 項目83に記載の方法であって、上記販売する工程の後に、上記化学療法剤と上記抗体との組み合わせを用いて上記被験体を処置することを行う、方法。 (項目86) 化学療法剤を開発するための、コンピュータにより実施される方法であって、上記方法は、 化学療法剤と組み合わせた根治手術の後に高い癌再発リスクまたは低い生存可能性であると同定されるヒト被験体においてHER2陽性非転移性乳癌を処置するためのトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体を、販売手段によって販売して、上記被験体の癌再発可能性を減少するかまたは上記被験体の生存可能性を増加する工程; を包含する、方法。 (項目87) 項目86に記載の方法であって、上記販売する工程の後に、上記化学療法剤と上記抗体との組み合わせを用いて上記被験体を処置することを行う、方法。 (項目88) 補助療法のための組成物であって、上記組成物は、 非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体において、根治手術の後に、無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を伸長させるに有効な量の、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2のドメインIVに結合する抗体を、単一薬剤中に含み、上記DFSまたは上記OSは、上記抗体の投与開始の少なくとも約1年間後に評価される、組成物。 (項目89) 項目74〜87のうちのいずれか1項に記載の方法を、コンピュータにおいて実施するためのコンピュータプログラム。 (項目90) コンピュータ読出し可能な記憶媒体であって、上記媒体は、上記媒体中に記録されたプログラムを有し、上記プログラムは、項目74〜87に記載の方法をコンピュータに実施させる、媒体。 (項目91) 項目74〜87のうちのいずれか1項に記載の方法をコンピュータにおいて実施するためのコンピュータプログラムを含む、通信媒体。 【0029】 本発明は、本明細書において、非転移性の危険性が高い乳癌を有するヒト被験体におけるHERCEPTIN(登録商標)の補助的使用の臨床試験において得られた結果に関する。無疾患生存(DFS)および全体的生存(OS)により評価される効力は、特に、補助的設定において使用するために、臨床試験において最近試験された化学療法剤についてのDFSデータおよびOSデータに比較した場合、顕著であった。驚くべきことに、アントラサイクリン(ドキソルビシン)/シクロホスファミド(AC)化学療法の後に、HERCEPTIN(登録商標)をパクリタキセルと組み合わせて受けている臨床試験中の被験体は、ACに続いて、パクリタキセル単独で処置した被験体と比較して、3年目に、疾患再発(第1の乳癌事象)において52%減少を有した。この差は、非常に有意であった。 【0030】 結果は、特に印象的であり、被験体がHER2陽性であり、従って再発の危険性が高いことを考慮すれば、驚くべきことであった。なぜなら、HER2増幅または過剰発現は、より侵襲性の疾患およびより高い再発の危険性と関連しているからである。さらに、彼らのHER2陽性は別にすると、治験に含められた被験体は、彼らの再発の危険性のさらなる増大(浸潤されたリンパ節の数、原発性腫瘍の大きさなどが挙げられる)という基準によって選択された。化学療法単独を超える有意な改善は、特に、このような被験体においては予測外である。 【0031】 本発明は、非転移性乳癌の被験体のより有効な医療を提供する、大きな医療的前進を構成する。 【0032】 一局面において、本発明は、補助療法の方法に関し、この方法は、根治手術(definitive surgery)後に非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体に、この被験体における無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を延ばすように、有効量の、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))によって結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体および少なくとも1種の化学療法剤を投与する工程を包含する。ここでこのDFSまたはOSは、処置の開始から約2〜5年後に評価される。 【0033】 別の局面において、本発明は、非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体の集団において非転移性乳癌を治癒する方法に関し、この方法は、有効量のトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))およびタキソイドを、根治手術後の被験体の集団に投与する工程、および約4年後にこの被験体の集団を評価して、この集団の少なくとも約80%において疾患再発が起こらなかったことを確認する工程を包含する。 【0034】 なお別の局面において、本発明は、非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体の集団における疾患再発を減少させる方法に関し、この方法は、有効量のトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))およびタキソイドを、根治手術後の被験体に投与する工程を包含し、ここで約3年目の疾患再発は、タキソイド単独で処置した被験体に比較して、少なくとも約50%減少している。 【0035】 これらの方法の特定の実施形態において、この抗体および化学療法剤の投与は、化学療法で処置した被験体(例えば、アントラサイクリン/シクロホスファミドに続いて、パクリタキセル単独で)に比較して、被験体の集団において疾患癌再発を約50%減少させる。別の実施形態において、この被験体は、高い癌再発の危険性を有する。別の実施形態において、この集団は、3000名以上のヒト被験体を含む。 【0036】 さらなる局面において、本発明は、補助療法の方法に関し、この方法は、根治手術後に、非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体に、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体および少なくとも1種の化学療法剤を、医療の標準である化学療法に対して無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を延ばすに有効な量で投与する工程を包含する。ここでこのDFSまたはこのOSは、処置の開始後少なくとも約3年にわたって、少なくとも1年に1回評価される。ここでDFSは、少なくとも1年にわたって患者が癌を再発することなく生存し続けている場合に延びており、OSは、処置の開始から少なくとも1年にわたって患者が生存し続けている場合に延びている。 【0037】 なおさらなる局面において、本発明は、根治手術後に高い癌再発の危険性(癌再発する危険性が高い)または低い生存可能性(生存する可能性が低い)を有すると同定され、かつ治療標準である化学療法単独で処置されている、非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体に、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体および少なくとも1種の化学療法剤での処置を受けるように指示する方法に関する。 【0038】 異なる局面において、本発明は、宣伝方法に関し、この方法は、根治手術後に癌再発の危険性が高いかまたは生存の可能性が低いと同定されたヒト被験体におけるHER2陽性非転移性乳癌の処置のために:(a)化学療法剤を、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と組み合わせて;または(b)トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体を、化学療法剤と組み合わせて、宣伝する工程を包含する。 【0039】 なお別の局面において、本発明は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と組み合わせた根治手術後に癌再発の危険性が高いかまたは生存の可能性が低いと同定されたヒト被験体においてHER2陽性非転移性乳癌を処置するために、被験体の癌再発の可能性を減少するかまたは被験体の生存の可能性を増大させるように、化学療法剤を販売する工程を包含する、ビジネスメソッドに関する。 【0040】 さらなる局面において、本発明は、化学療法剤と組み合わせた根治手術後に癌再発の危険性が高いかまたは生存の危険性が低いと同定されたヒト被験体においてHER2陽性非転移性乳癌を処置するために、被験体の癌再発の可能性を減少するかまたは被験体の生存の可能性を増大させるように、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体を販売する工程を包含する、ビジネスメソッドに関する。 【0041】 本発明はまた、補助療法の方法に関し、この方法は、根治手術後に、非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体に、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体を、単一薬剤として、無疾患生存(DFS)または全体的生存(OS)を延ばすに有効な量で投与する工程を包含する。ここでこのDFSまたはOSは、この抗体の最初の投与の少なくとも約1年後に確認される。 【0042】 全ての局面において、好ましい抗体は、HER2に対するトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))の結合をブロックする。より好ましくは、この抗体は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を包む。この化学療法剤は、タキソイド、ビンカ、白金化合物、アロマターゼインヒビター、抗エストロゲン、エトポシド、チオテパ、シクロホスファミド、メトトレキセート、リポソーム性ドキソルビシン、ペグ化リポソーム性ドキソルビシン、カペシタビン、およびゲムシタビンからなる群より選択され得るが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、この化学療法剤はタキソイド(例えば、パクリタキセルまたはドセタキセル)であり、最も好ましくは、パクリタキセルである。 【0043】 全ての局面において、好ましくは、この化学療法剤(例えば、タキソイド)および抗体は、同時に投与される。 【0044】 全ての局面において、この化学療法剤(例えば、タキソイド)および抗体は、好ましくは、手術後に施される他の標準的な化学療法の後に投与される。好ましい実施形態において、この標準的な化学療法は、アントラサイクリン(ドキソルビシン)およびシクロホスファミドの投与である。 【0045】 全ての局面において、この被験体は、好ましくは、比較的若く、例えば、約50歳未満であるか、または約45歳未満であるか、または約40歳未満である。 【0046】 全ての局面において、この方法は、直径2cmを超える腫瘍を有する被験体および/またはリンパ節陽性癌を有する被験体(4〜9個、または10個以上の浸潤されたリンパ節を有する)、ならびに/あるいはエストロゲンレセプター(ER)陰性被験体、および/またはプロゲステロンレセプター(PG)陰性被験体の処置を包含する。 【0047】 全ての局面において、この抗体は、例えば、インタクトな裸の抗体であり得る。 【0048】 特定の実施形態において、DFSまたはOSは、処置の開始の5年後に評価される。 【0049】 さらなる実施形態において、この抗体および化学療法剤の投与は、抗体なしで、化学療法剤で処置された被験体に比較して、被験体の集団における疾患再発を約50%減少させる。 【0050】 本出願は、HERCEPTIN(登録商標)を使用する非転移性乳癌の補助療法を記載する。 【0051】 本発明のさらなる局面において、本発明は、根治手術後に癌再発の危険性が高いかまたは生存の可能性が低いと同定され、かつ治療標準である化学療法でのみ処置されている、非転移性HER2陽性乳癌を有するヒト被験体を指示するためのコンピューター実行方法を提供し、この方法は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体および少なくとも1種の化学療法剤での処置を受けるように、この被験体に、指示手段により指示する工程を包含する。この局面において、この化学療法剤は、タキソイドであり得る。さらに、この局面において、この被験体は、指示されるように処置され得る。ここでこの処置は、好ましくは、少なくとも6ヶ月間継続される。さらに、この局面において、本発明はまた、コンピューターで、上記の方法を実行するためのコンピュータープログラム;記録されたプログラムを有するコンピューター読み取り可能な記憶媒体(ここでこのプログラムは、コンピューターに上記の方法を実行させる);およびコンピューターで上記の方法を実行するためのコンピュータープログラムを含む伝送媒体に関する。 【0052】 本発明のさらなる局面において、本発明は、化学療法剤を宣伝するためのコンピューター実行方法を提供し、この方法は、根治手術後に癌再発の危険性が高いかまたは生存の可能性が低いと同定されたヒト被験体におけるHER2陽性非転移性乳癌の処置を、宣伝手段により、宣伝する工程を包含し、この処置は、(a)トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と組み合わせた、化学療法剤;または(b)化学療法剤と組み合わせた、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体を包含する。この局面において、この化学療法剤はタキソイドであり得る。さらに、この局面において、この宣伝は、化学療法剤または抗体の市販用処方物に付随した包装挿入物によって、あるいは医師または医療介護機関に対する書面による伝達または口頭による伝達によって、であり得る。この局面において、この宣伝の後に、化学療法剤および抗体の組み合わせでの被験体の処置が行われ得る。さらに、この局面において、本発明はまた、コンピューターで上記の方法を実行するためのコンピュータープログラム;記録されたプログラムを有するコンピューター読み取り可能な記憶媒体(ここでこのプログラムは、上記の方法をコンピュータに実行させる);およびコンピューターにおいて上記の方法を実行するためのコンピュータープログラムを含む伝送媒体に関する。 【0053】 本発明のなお別の局面において、本発明は、化学療法剤を開発するためのコンピューター実行方法を提供し、この方法は、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体と組み合わせた根治手術後に癌再発の危険性が高いかまたは生存の可能性が低いと同定されたヒト被験体において、被験体の癌再発の可能性を減少させるかまたは被験体の生存の可能性を増大させるように、HER2陽性非転移性乳癌を処置するために、化学療法剤を販売手段によって販売する工程を包含する。この局面において、この化学療法剤は、タキソイドであり得る。この局面において、この販売に続いて、化学療法剤および抗体の組み合わせでの被験体の処置が行われ得る。さらにこの局面において、本発明はまた、コンピューターで、上記の方法を実行するためのコンピュータープログラム;記録されたプログラムを有するコンピューター読み取り可能な記憶媒体(ここでこのプログラムは、上記の方法をコンピュータに実行させる);およびコンピューターにおいて上記の方法を実行するためのコンピュータープログラムを含む伝送媒体に関する。 【0054】 本発明のなおさらなる局面において、本発明は、化学療法剤を開発するためのコンピューター実行方法を提供し、この方法は、化学療法剤と組み合わせた根治手術後に癌再発の危険性が高いかまたは生存の可能性が低いと同定されたヒト被験体において、被験体の癌再発の可能性を減少させるかまたは被験体の生存の可能性を増大させるように、HER2陽性非転移性乳癌を処置するために、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する抗体を販売手段によって販売する工程を包含する。この局面において、この販売に続いて、化学療法剤および抗体の組み合わせでの被験体の処置が行われ得る。さらにこの局面において、本発明はまた、コンピューターで、上記の方法を実行するためのコンピュータープログラム;記録されたプログラムを有するコンピューター読み取り可能な記憶媒体(ここでこのプログラムは、上記の方法をコンピュータに実行させる);およびコンピューターにおいて上記の方法を実行するためのコンピュータープログラムを含む伝送媒体に関する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0055】 (好ましい実施形態の詳細な説明) (I.定義) 本明細書において「補助療法」とは、疾患再発の危険性を減少するように、根治手術後に与えられる治療をいい、ここで、疾患が残っている証拠は何ら検出することはできない。補助療法の目的は、癌の再発を防止し、従って、癌に関連する死亡の可能性を減少させることである。本明細書において補助療法とは、新補助療法(例えば、被験体が、根治手術前に化学療法剤および/またはHERCEPTIN(登録商標)で処置されている場合)を特に除外する。 【0056】 「根治手術」とは、腫瘍および周辺組織、ならびに全ての浸潤されたリンパ節の完全な除去をいう。このような手術としては、ランペクトミー、乳房切除術(例えば、単純乳房切除術と腋窩切除、両側乳房切除術(double mastectomy)など)が挙げられる。 【0057】 「乳癌」とは、本明細書において、乳房細胞または組織に浸潤している癌をいう。 【0058】 「転移性」乳癌とは、乳房および局所リンパ節以外の身体の一部に拡がった癌をいう。 【0059】 「非転移性」乳癌は、乳房および/または局所リンパ節に限られている癌である。 【0060】 「生存」とは、患者が生き続けていることをいい、無疾患生存(DFS)および全体的生存(OS)を包含する。 【0061】 「無疾患生存(DFS)」とは、処置の開始からまたは最初の診断から、規定された期間(例えば、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年、約10年など)の間、癌が再発することなく患者が生き続けていることをいう。本発明の基礎になった研究において、DFSを、処置目的の本質に従って分析した(すなわち、患者を彼らの割り当てられた治療に基づいて評価した)。DFSの分析に使用した事象には、これまでの事象(乳癌再発または二次的な原発性癌)なしに、癌の局部的、局所的および離れた場所での再発、続発性の癌の発生、患者における何らかの原因による死亡を含めた。 【0062】 「全体的生存」とは、処置の開始からまたは最初の診断から、規定された期間(例えば、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年、約10年など)の間、患者が生き続けていることをいう。本発明の基礎になった研究において、生存分析のために使用した事象は、何らかの原因による死亡であった。 【0063】 用語「有効量」とは、患者における癌を処置するために有効な薬物または薬物の組み合わせの量をいう。その薬物の有効量は、癌細胞数を減少させ得る;腫瘍の大きさを縮小させ得る;周辺器官への癌細胞浸潤を阻害し得る(すなわち、ある程度遅らせる、そして好ましくは停止させる);腫瘍転移を阻害し得る(すなわち、ある程度遅らせ得る、そして好ましくは停止させ得る);腫瘍増殖をある程度阻害し得る;ならびに/あるいは癌と関連した症状のうちの1つ以上をある程度軽減し得る。薬物が存在する癌細胞の増殖を阻害し得、そして/または殺傷し得る程度に、その有効量は、細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性であり得る。その有効量は、無疾患生存(DFS)を改善し得るか、全体的生存(OS)を改善し得るか、再発の可能性を低下させ得るか、再発までの時間を延ばし得るか、離れた場所で再発(すなわち、乳房以外の場所での再発)するまでの時間を延ばし得るか、癌を治癒し得るか、乳癌の症状を改善し得るか(例えば、乳癌特異的調査を用いて判断される)、対側性乳癌を縮小させ得るか、二次的な原発性癌の出現を減少させ得るなどである。 【0064】 「生存が延びる(生存を延ばす、伸長する)」とは、処置していない患者に対して(すなわち、HER2抗体、HERCEPTIN(登録商標)で処置されていない患者に対して)、あるいはコントロール処置プロトコル(例えば、パクリタキセルのような化学療法剤のみを用いる処置)に対して、処置された患者におけるDFSおよび/またはOSを増すことを意味する。生存は、処置の開始後または最初の診断後、少なくとも約6ヶ月、または少なくとも約1年、または少なくとも約2年、または少なくとも約3年、または少なくとも約4年、または少なくとも約5年、または少なくとも約10年などにわたってモニターされる。 【0065】 生存分析における「危険比」は、追跡間にわたって、コントロールと比較して、処置に対する死亡の危険性の減少を示す、2つの生存曲線の間の差異の概略(summary)である。危険比は、事象の比率についての統計学的定義である。本発明の目的のために、危険比は、任意の特定の時点での、(実験集団(experimental arm)における事象の可能性)/(コントロール集団(control arm)における事象の可能性)を表すとして規定される。 【0066】 用語「同時に」とは、2種以上の治療剤の投与であって、投与の少なくとも一部分が、時間的に重なっている投与に言及するために本明細書で使用される。従って、同時の投与は、1種以上の薬剤の投与が1種以上の他の薬剤の投与を中断した後に継続する場合の投薬レジメンを包含する。 【0067】 本発明の方法に関して、用語被験体に「指示する」とは、何らかの手段によって、しかし好ましくは、書面において(例えば、包装挿入物または他の書面の宣伝用の資料の形態において)、適用可能な治療、薬物療法(medication)、処置、処置レジメンなどのための指示を提供することを意味する。 【0068】 本発明の方法に関して、用語「宣伝する」とは、何らかの手段(書面(例えば、包装挿入物の形態で)を含む)によって、特定の薬物、薬物の組み合わせ、または処置様式を提案する、広告する、販売する、または記載することを意味する。本明細書において、宣伝とは、適応症(例えば、乳癌)のための補助的治療剤(例えば、HER2抗体または化学療法剤)の宣伝をいい、ここでこのような宣伝は、被験体の集団において統計学的に有意な治療効力および許容できる安全性と関連していると実証されているとして、食品医薬品局(FDA)によって認可されている。 【0069】 用語「販売」は、製品(例えば、薬物)の宣伝、売り込みまたは流通を記載するために本明細書において使用される。販売は、具体的には、製品を商品化する目的での、包装、広告および任意のビジネス活動を包含する。 【0070】 「被験体」とは、本明細書において、ヒト被験体である。 【0071】 被験体の「集団」とは、臨床試験におけるような、または特定の適応症(例えば、乳癌補助療法)についてのFDA認可の後に腫瘍遺伝学者によって調べられるような、乳癌を有する被験体の群をいう。一実施形態において、その集団は、少なくとも3000名の被験体を含む。 【0072】 「節陽性乳癌」とは、局所リンパ節(通常は、腕の下にあるリンパ節)に拡がった乳癌である。本明細書において、節陽性乳癌を有する被験体は、1〜3個の浸潤された節;4〜9個の浸潤された節;および10個以上の浸潤された節を有する被験体を含めた。4個以上の浸潤された節を有する被験体は、浸潤された節がより少ないまたは全くない被験体よりも再発の危険性が高い。 【0073】 「癌再発」とは、本明細書において、処置の後に癌が再発することをいい、乳房における癌の再発、および離れた場所での再発(この場合、癌は、乳房以外の場所で再発する)を包含する。 【0074】 「癌再発の危険性が高い(高い癌再発リスクにある)」被験体とは、癌の再発を経験する可能性がより高い被験体(例えば、比較的若い被験体(例えば、約50歳未満))、陽性リンパ節(特に、4個以上の浸潤されたリンパ節(4〜9個の浸潤されたリンパ節、および10個以上の浸潤されたリンパ節を含む))を有する被験体、直径2cmを超える腫瘍を有する被験体、HER2陽性乳癌を有する被験体、およびホルモンレセプター陰性乳癌(すなわち、エストロゲンレセプター(ER)陰性およびプロゲステロンレセプター(PR)陰性)を有する被験体である。被験体の危険性レベルは、熟練した医師によって決定され得る。一般に、このような高危険性の被験体は、リンパ節浸潤を有する(例えば、4個以上の浸潤されたリンパ節を有する);しかし、リンパ節浸潤がない被験体もまた、例えば、彼らの腫瘍が、2cm以上である場合は、危険性が高い。 【0075】 「エストロゲンレセプター(ER)陽性」癌は、ERの発現について試験陽性である癌である。逆に言えば、「ER陰性」癌は、このような発現について陰性であると判断される。ER状態の分析は、当該分野で公知の任意の方法によって行われ得る。本明細書において研究の目的で、ER陽性腫瘍は、デキストランコーティング炭またはスクロース密度勾配法により、≧10fmol/mg サイトゾルタンパク質として、あるいは酵素イムノアッセイ(EIA)方法により、または免疫組織化学アッセイにより(個々の実験基準を使用して)陽性であると規定される。 【0076】 「プロゲステロンレセプター(PR)陽性」癌は、PRの発現について試験陽性である癌である。逆にいうと、「PR陰性」癌は、このような発現について陰性であると判断される。PR状態の分析は、当該分野で公知の任意の方法によって行われ得る。本明細書において研究の目的で、受け入れられている方法としては、デキストランコーティング炭またはスクロース密度勾配法、酵素イムノアッセイ(EIA)技術、および免疫組織化学アッセイが挙げられる。 【0077】 本明細書において、「処置の開始」とは、腫瘍の外科的除去の後の処置レジメンの開始をいう。一実施形態において、このようなことは、手術後のACの投与に言及し得る。あるいは、このことは、HER2抗体および/または化学療法剤の最初の投与に言及し得る。 【0078】 HER2抗体および化学療法剤の「最初の投与」とは、処置スケジュールの一部としてのHER2抗体または化学療法剤の最初の投薬を意味する。 【0079】 本明細書において癌の「治癒」とは、補助療法を開始して約4年後または約5年後に癌再発がないことを意味する。 【0080】 「HERレセプター」は、HERレセプターファミリーに属するレセプタープロテインチロシンキナーゼであり、EGFRレセプター、HER2レセプター、HER3レセプターおよびHER4レセプターを含む。このHERレセプターは、一般に、細胞外ドメインを含み、この細胞外ドメインは、HERリガンドを結合し得、そして/または別のHERレセプター分子;親油性膜貫通ドメイン;保存された細胞内チロシンキナーゼドメイン;およびリン酸化され得るいくつかのチロシン残基を含むカルボキシ末端シグナル伝達ドメインと二量体化し得る。このHERレセプターは、HERレセプターにおけるネイティブな配列またはそのアミノ酸配列改変体であり得る。好ましくは、このHERレセプターは、ネイティブ配列のヒトHERレセプターである。 【0081】 「HER活性化」は、いずれか1以上のHERレセプターの活性化、またはリン酸化をいう。一般に、HER活性化は、シグナル伝達(例えば、HERレセプターまたは基質ポリペプチドにおけるHERレセプターリン酸化チロシン残基の細胞内キナーゼドメインにより引き起こされる)を生じる。HER活性化は、目的のHERレセプターを含むHER二量体に結合するHERリガンドによって媒介され得る。HER二量体に結合するHERリガンドは、二量体におけるHERレセプターの1つ以上のキナーゼドメインを活性化し得、それにより、HERレセプターの1つ以上におけるチロシン残基のリン酸化および/またはさらなる基質ポリペプチド(例えば、AktまたはMAPK細胞内キナーゼ)におけるチロシン残基のリン酸化を生じる。 【0082】 「ErbB2」および「HER2」の発現は、本明細書において交換可能に使用され、例えば、Sembaら,PNAS(USA)82:6497−6501(1985)およびYamamotoら.Nature 319:230−234(1986)(Genebank登録番号X03363)に記載されるヒトHER2タンパク質をいう。この用語「erbB2」とは、ヒトErbB2をコードする遺伝子をいい、およびneuとは、ラットp185neuをコードする遺伝子をいう。好ましいHER2は、ネイティブ配列のヒトHER2である。 【0083】 本明細書において、「HER2細胞外ドメイン」または「HER2 ECD」とは、細胞膜に固定されているかまたは循環中にあるかのいずれかである、細胞の外部に存在するHER2のドメイン(そのフラグメントを包含する)をいう。一実施形態において、HER2の細胞外ドメインは、以下の4つのドメインを含み得る:ドメインI(およそ1〜195のアミノ酸残基;配列番号1)、ドメインII(およそ196〜319のアミノ酸;配列番号2)、ドメインIII(およそ320〜488のアミノ酸残基;配列番号3)、およびドメインIV(およそ489〜630のアミノ酸残基;配列番号4)(残基の番号付けは、シグナルペプチドを含まない)。Garrettら、Mol.Cell.11:495〜505(2003)、Choら、Nature 421:756〜760(2003)、Franklinら、Cancer Cell 5:317〜328(2004)、およびPlowmanら、Proc.Natl.Acad.Sci.90:1746〜1750(1993)ならびに本明細書中の図1を参照のこと。 【0084】 「トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2ドメインIVに結合する」抗体は、HER2 ECDのおよそ489〜630の残基(配列番号4)を含むエピトープに結合する。好ましいそのような抗体は、トラスツズマブまたはその親和性成熟改変体であり、かつ/または改変体Fc領域(例えば、改善したエフェクター機能を有する)を含む。 【0085】 「HER2に対するトラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))の結合をブロックする」抗体とは、HER2に対するトラスツズマブの結合をブロックするかまたはHER2に対する結合についてトラスツズマブと競合することが示され得る、抗体である。そのような抗体は、例えば、Antibodies、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、HarlowおよびDavid Lane 編(1988)、またはFendlyら、Cancer Research 50:1550−1558(1990)に記載されるような交差ブロックアッセイを使用して同定され得る。 【0086】 本明細書における「トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))エピトープ」とは、抗体4D5(ATCC CRL 10463)またはトラスツズマブが結合する、HER2の細胞外ドメイン中の領域である。そのエピトープは、HER2の膜貫通ドメインに近く、かつHER2のドメインIV内にある。このエピトープに結合する抗体をスクリーニングするために、Antibodies、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、HarlowおよびDavid Lane編(1988)、またはFendlyら、Cancer Research 50:1550−1558(1990)に記載されるような交差ブロックアッセイが、実施され得る。あるいは、エピトープマッピングが、その抗体がHER2のトラスツズマブエピトープ(例えば、HER2 ECDを含むおよそ残基529〜およそ残基625の領域中の任意の1つ以上の残基(残基番号付けはシグナルペプチドを含む))に結合するか否かを評価するために実施され得る。HER2のどのエピトープがこの抗体により結合されるかを知るために、抗体−HER2構造がまた、研究され得る(Franklinら、Cancer Cell 5:317−328(2004))。 【0087】 本明細書における目的のため、「トラスツズマブ」、「HERCEPTIN(登録商標)」および「huMAb4D5−8」とは、それぞれ、配列番号5および6における軽鎖アミノ酸配列および重鎖アミノ酸配列を含む抗体をいう。 【0088】 本明細書における目的のため、「HER2陽性」癌または「HER2陽性」腫瘍は、正常な乳房細胞または乳房組織に見出されるレベルを超えるレベルでHER2を発現する、癌または腫瘍である。このようなHER2陽性は、HER2遺伝子増幅、ならびに/または増加した転写および/もしくは翻訳によって、引き起こされ得る。HER2陽性腫瘍は、種々の方法によって、例えば、(例えば、DAKO HERCEPTEST(登録商標)を使用して)タンパク質の発現/過剰発現免疫組織化学アッセイを評価することにより;(例えば、Vysis PATHVISION(登録商標)FISHアッセイを含む蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)(1998年10月に公開されたWO98/45479を参照のこと)を介してか;サザンブロッティングを介してか;またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術(定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)を含む)を介して)細胞中のHER2核酸を評価することにより;血清のような生物学的流体におけるshed抗原(例えば、HER細胞外ドメイン)を測定することにより(例えば、1990年6月12日に登録された米国特許第4,933,294号;1991年4月18日に公開されたWO91/05264;1995年3月28日に登録された米国特許第5,401,638号;およびSiasらJ.Immunol.Methods 132:73−80(1990)を参照のこと);あるいは、検出可能な標識(例えは、放射性同位体)を用いて必要に応じて標識された抗体に患者の体内の細胞を曝すことにより;同定され得る。そして患者中の細胞に対する抗体の結合が、例えば、放射能について外部スキャンすることによってか、または予めその抗体に曝した患者から採取した生検材料を分析することによって、評価され得る。さらに、HER2陽性の癌サンプルまたはHER2陽性腫瘍サンプルは、例えば、HER2レセプターを介して媒介される下流のシグナル伝達、遺伝子発現プロフィールなどを評価することによって、間接的に同定され得る。 【0089】 用語「ErbB1」、「HER1」、「上皮増殖因子レセプター」および「EGFR」は、本明細書において互換可能に使用され、そして例えば、Carpenterら、Ann.Rev.Biochem.56:881−914(1987)において開示されるようなEGFR(天然に存在するその改変体形態(例えば、Humphreyら、PNAS(USA) 87:4207−4211(1990)における欠失改変体EGFR)を含む)をいう。 【0090】 「ErbB3」および「HER3」とは、例えば、米国特許第5,183,884号および同第5,480,968号、ならびにKrausら、PNAS(USA) 86:9193−9197(1989)において開示される、レセプターポリペプチドをいう。 【0091】 本明細書において用語「ErbB4」および「HER4」とは、例えば、欧州特許出願第599,274号;Plowman ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:1746−1750(1993);およびPlowmanら、Nature、366:473−475(1993)において開示されるレセプターポリペプチドをいい、例えば1999年4月22日に公開されたWO99/19488において開示されるような、そのアイソフォームを含む。 【0092】 「HERリガンド」によって、HERレセプターに結合し、そして/またはHERレセプターを活性化するポリペプチドが、意味される。本明細書における特に目的とされるHERリガンドは、以下のもののような、ネイティブ配列のヒトHERリガンドである:上皮増殖因子(EGF)(Savageら、J.Biol.Chem.247:7612−7621(1972));トランスフォーミング増殖因子α(TGF−α)(Marquardtら、Science 223:1079−1082(1984));シュワノーマオートクライン増殖因子またはケラチノサイトオートクライン増殖因子としても公知である、アンフィレグリン(Shoyabら、Science 243:1074−1076(1989);Kimuraら、Nature 348:257−260(1990);およびCookら、Mol.Cell.Biol.11:2547−2557(1991));βセルリン(Shingら、Science 259:1604−1607(1993);およびSasadaら、Biochem.Biophys.Res.Commun.190:1173(1993));ヘパリン結合性上皮増殖因子(HB−EGF)(Higashiyamaら、Science 251:936−939(1991));エピレグリン(Toyodaら、J.Biol.Chem.270:7495−7500(1995);およびKomurasakiら、Oncogene 15:2841−2848(1997));ヒレグリン(以下を参照のこと);ニューレグリン−2(NRG−2)(Carrawayら、Nature 387:512−516(1997));ニューレグリン−3(NRG−3)(Zhangら、Proc.Natl.Acad.Sci.94:9562−9567(1997));ニューレグリン−4(NRG−4)(Harariら、Oncogene 18:2681−89(1999));ならびにクリプト(CR−1)(Kannanら、J.Biol.Chem.272(6):3330−3335(1997))。EGFRを結合するHERリガンドとしては、EGF、TGF−α、アンフィレグリン、βセルリン、HB−EGFおよびエピレグリンが挙げられる。HER3を結合するHERリガンドとしては、ヒレグリンが挙げられる。HER4を結合し得るHERリガンドとしては、βセルリン、エピレグリン、HB−EGF、NRG−2、NRG−3、NRG−4およびヒレグリンが挙げられる。 【0093】 本明細書において使用される「ヒレグリン」(HRG)とは、米国特許第5,641,869号またはMarchionniら、Nature、362:312−318(1993)において開示される、ヒレグリン遺伝子産物によってコードされるポリペプチドをいう。ヒレグリンの例としては、以下が挙げられる:ヒレグリン−α、ヒレグリン−β1、ヒレグリン−β2およびヒレグリン−β3(Holmesら、Science、256:1205−1210(1992);および米国特許第5,641,869号);neu分化因子(NDF)(Pelesら、Cell 69:205−216(1992));アセチルコリンレセプター誘導活性(ARIA)(Fallsら、Cell 72:801−815(1993));グリア細胞増殖因子(GGF)(Marchionniら、Nature、362:312−318(1993));感覚および運動ニューロン由来因子(sensory and motor neuron derived factor)(SMDF)(Hoら、J.Biol.Chem.270:14523−14532(1995));γ−ヒレグリン(Schaeferら、Oncogene、15:1385−1394(1997))。 【0094】 本明細書において、「HER二量体」は、少なくとも2つのHERレセプターを含む、非共有結合した二量体である。このような複合体は、2つ以上のHERレセプターを発現する細胞がHERリガンドに曝される場合に形成され得、そして免疫沈降法により単離され得、そして例えば、Sliwkowskiら、J.Biol.Chem.269(20):14661−14665(1994)に記載されるSDS−PAGEによって、分析され得る。他のタンパク質(例えば、サイトカインレセプターサブユニット(例えば、gp130))は、この二量体と会合し得る。好ましくは、HER二量体は、HER2を含む。 【0095】 本明細書において、「HERヘテロ二量体」は、非共有結合的に会合したヘテロ二量体であり、少なくとも2つの異なるHERレセプター(例えば、EGFR−HER2ヘテロ二量体、HER2−HER3ヘテロ二量体またはHER2−HER4ヘテロ二量体)を含む。 【0096】 「HERインヒビター」は、HERの活性化またはHERの機能を妨げる薬剤である。HERインヒビターの例としては、以下が挙げられる;HER抗体(例えば、EGFR抗体、HER2抗体、HER3抗体またはHER4抗体);EGFR標的化薬物;低分子HERアンタゴニスト;HERチロシンキナーゼインヒビター;HER2およびEGFRの二重チロシンキナーゼインヒビター(例えば、ラパチニブ(lapatinib)/GW572016);アンチセンス分子(例えば、WO2004/87207を参照のこと);ならびに/または、下流シグナル伝達分子(例えば、MAPKまたはAkt)に結合するかまたはその機能を妨げる、薬剤。好ましくは、HERインヒビターは、HERレセプターに結合する、抗体または低分子である。 【0097】 「HER2ヘテロ二量体化インヒビター」は、HER2を含むヘテロ二量体の形成を阻害する薬剤である。好ましくは、HER2ヘテロ二量体化インヒビターは抗体であり、例えば、そのヘテロ二量体の結合部位に結合する抗体である。本明細書において最も好ましいHER2ヘテロ二量体化インヒビターは、ペルツズマブ(pertuzumab)またはMAb 2C4である。HER2ヘテロ二量体化インヒビターの他の例としては、EGFRに結合しそしてこれとHER2との二量体化を阻害する抗体(例えば、活性化EGFRもしくは非連結EGFRに結合するEGFRモノクローナル抗体806(MAb806);Johnsら、J.Biol.Chem.279(29):30375−30384(2004)を参照のこと);HER3に結合しそしてこれとHER2との二量体化を阻害する抗体;HER4に結合しそしてこれとHER2との二量体化を阻害する抗体;ペプチド二量体化インヒビター(米国特許第6,417,168号);アンチセンス二量体化インヒビター;など。 【0098】 HER2のヘテロ二量体結合部位に結合するHER2抗体は、ドメインII中の残基に結合し(そして必要に応じて、HER2の細胞外ドメインのうちの他のドメイン(例えば、ドメインIまたはIII)中の残基にも結合する)、そして少なくともある程度まで、HER2−EGFRヘテロ二量体、HER2−HER3へテロ二量体またはHER2−HER4ヘテロ二量体の形成を立体的に妨げ得る。Franklinら、Cancer Cell 5:317−328(2004)は、HER2−ペルツズマブの結晶構造を特徴付け、RCSBタンパク質データバンクに登録した(IDコード IS78)。これは、HER2のヘテロ二量体結合部位に結合する例示的な抗体を示す。 【0099】 タンパク質「発現」とは、遺伝子中にコードされる情報がメッセンジャーRNAへと変換され、次いでタンパク質へと変換されることをいう。 【0100】 本明細書において、目的のタンパク質(例えばHER2)を「発現する」サンプルまたは細胞とは、このタンパク質をコードするmRNAもしくはこのタンパク質(そのフラグメントを含む)が、そのサンプルもしくはその細胞中に存在することが決定される、サンプルまたは細胞である。 【0101】 「ネイティブ配列」ポリペプチドは、天然に由来するポリペプチド(例えば、HERレセプターまたはHERリガンド)と同じアミノ酸配列を有するポリペプチドであり、天然に存在する改変体または対立遺伝子改変体を含む。このようなネイティブ配列ポリペプチドは、天然から単離され得るか、または組換え手段もしくは合成手段により生成され得る。従って、ネイティブ配列ポリペプチドは、天然に存在するヒトポリペプチドのアミノ酸配列、マウスポリペプチドのアミノ酸配列、または任意の他の哺乳動物種由来のポリペプチドのアミノ酸配列を有し得る。 【0102】 本明細書中の用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、そして具体的には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)および抗体フラグメントを、それが所望の生物学的活性を示す限り包含する。 【0103】 本明細書中で使用される場合、用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団由来の抗体をいう。すなわち、その集団を含む個々の抗体は同一であり、そして/または同じエピトープを結合するが、モノクローナル抗体の生成の間に発生し得る可能性ある改変体(このような改変体は一般に少量で存在し得る)を除く。このようなモノクローナル抗体としては、代表的に、標的を結合するポリペプチド配列を含む抗体が挙げられる。ここで、標的結合性ポリペプチド配列は、複数のポリペプチド配列からの、単一の標的結合性ポリペプチド配列の選択を含むプロセスによって、取得された。例えば、この選択プロセスは、複数のクローン(例えば、ハイブリドーマクローンのプール、ファージクローンのプール、または組換えDNAクローンのプール)からの、独特のクローンの選択であり得る。選択された標的結合性配列は、例えば、標的に対する親和性を向上させるため、標的結合性配列をヒト化させるため、細胞培養物におけるこの配列の生成を向上させるため、インビボでのその免疫原性を低減させるため、多重特異的尾抗体を作出するためなどのため、さらに改変され得ること、そしてその変更された標的結合性配列を含む抗体もまた本発明のモノクローナル抗体であることが、理解されるべきである。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を代表的に含むポリクローナル抗体調製物と対照的に、モノクローナル抗体調製物のうちの各々のモノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して指向される。これらの特異性に加え、モノクローナル抗体調製物は、これらが代表的には他の免疫グロブリンに混入されていないという点において、有利である。修飾句「モノクローナル」は、実質的に均一の抗体集団から取得される場合の抗体の特徴を示し、そして何らかの特定の方法による抗体の生成を必要とするものとして解釈されるべきでない。例えば、本発明に従って使用されるためのモノクローナル抗体は、以下を含めた、種々の技術によって作製され得る:例えば、ハイブリドーマ法(例えば、Kohlerら、Nature、256:495(1975);Harlowら、Antibodies:A Laboratory Manual、(Cold Spring Harbor Laboratory Press、第2版、1988);Hammerlingら、Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas 563−681、(Elsevier、N.Y.、1981))、組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照のこと)、ファージディスプレイ技術(例えば、Clacksonら、Nature、352:624−628(1991);Marksら、J.Mol.Biol.、222:581−597(1991);Sidhuら、J.Mol.Biol.338(2):299−310(2004);Leeら、J.Mol.Biol.340(5):1073−1093(2004);Fellouse、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 101(34):12467−12472(2004);およびLeeら、J.Immunol.Methods 284(1−2):119−132(2004)を参照のこと)、ならびにヒト免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリンの遺伝子座または遺伝子のうちの一部または全てを有する動物においてヒト抗体またはヒト様抗体を生成するための技術(例えば、以下を参照のこと:WO 1998/24893;WO 1996/34096;WO 1996/33735;WO 1991/10741;Jakobovitsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:2551(1993);Jakobovitsら、Nature、362:255−258(1993);Bruggemannら、Year in Immuno.、7:33(1993);米国特許第5,545,806;同第5,569,825号;同第5,591,669号(all of GenPharmの全て);米国特許第5,545,807号;WO 1997/17852;米国特許第5,545,807;同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;および同第5,661,016号;Marksら、Bio/Technology、10:779−783(1992);Lonbergら、Nature、368:856−859(1994);Morrison、Nature、368:812−813(1994);Fishwildら、Nature Biotechnology、14:845−851(1996);Neuberger、Nature Biotechnology、14:826(1996);ならびにLonbergおよびHuszar、Intern.Rev.Immunol.、13:65−93(1995))。 【0104】 本明細書中のモノクローナル抗体は、特に「キメラ」抗体ならびにそのような抗体のフラグメント(これらが、所望の生物学的活性を示す限り)を含み、ここでは、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来する抗体または特定の抗体のクラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるかまたは相同であり、一方、その鎖の残りが、別の種に由来する抗体または別の抗体のクラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるかまたは相同である(米国特許第4,816,567号およびMorrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855(1984))。本明細書中で目的とするキメラ抗体は、非ヒト霊長類(例えば、旧世界サル、サルなど)由来の可変ドメイン抗原結合配列とヒト定常領域配列とを含む霊長類化抗体、ならびに「ヒト化」抗体を含む。 【0105】 非ヒト(例えば、げっ歯類)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小限の配列を含むキメラ抗体である。たいていは、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域由来の残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する非ヒト種(例えば、マウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類)(ドナー抗体)の超可変領域由来の残基により置換されている、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ある場合では、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)の残基は、対応する非ヒト残基により置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体中にもドナー抗体中にも見出されない残基を含み得る。これらの改変は、抗体の性能をさらに改良するためになされる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つそして代表的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応する超可変ループのうちの全てまたは実質的に全てと、FRの全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体はまた、必要に応じて免疫グロブリン定常領域(Fc)(代表的にはヒト免疫グロブリンの定常領域)の少なくとも一部を含む。さらなる詳細については、Jonesら、Nature,321:522−525(1986);Riechmannら、Nature,332:323−329(1988);およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.,2:593−596(1992)を参照のこと。 【0106】 ヒト化HER2抗体としては、以下が挙げられる:huMAb4D5−1抗体、huMAb4D5−2抗体、huMAb4D5−3抗体、huMAb4D5−4抗体、huMAb4D5−5抗体、huMAb4D5−6抗体、huMAb4D5−7抗体およびhuMAb4D5−8抗体またはトラスツズマブ(HERCEPTIN7)(特に本明細書において参考として援用される、米国特許第5,821,337号の表3において記載される通り);ヒト化520C9抗体(WO93/21319);ならびにヒト化2C4抗体(例えば、本明細書中に記載されるペルツズマブ(pertuzumab))。 【0107】 本明細書において、「ペルツズマブ(pertuzumab)」および「OMNITARG」とは、それぞれ、配列番号7および8における軽鎖アミノ酸配列および重鎖アミノ酸配列を含む抗体をいう。 【0108】 本明細書において、「インタクトな」抗体とは、2つの抗原結合領域とFc領域とを含む抗体をいう。好ましくは、インタクトな抗体は、機能性Fc領域を有する。 【0109】 「抗体フラグメント」は、インタクトな抗体の一部を含み、好ましくは、この抗体の抗原結合領域を含む。抗体フラグメントの例としては、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、およびFvフラグメント;二重特異的抗体(diabody);直鎖状抗体;単鎖抗体分子;ならびに抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が挙げられる。 【0110】 「ネイティブ抗体」は、通常、約150,000ダルトンのヘテロ4量体糖タンパク質であり、2つの同一の軽(L)鎖および2つの同一の重(H)鎖からなる。各々の軽鎖は、共有結合性のジスルフィド結合によって重鎖に結合されるが、ジスルフィド結合の数は、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖の間で変動する。各々の重鎖および軽鎖はまた、規則性に間隔をあけた鎖内ジスルフィド架橋を有する。各々の重鎖は、一方の末端に可変ドメイン(VH)、続いて多くの定常ドメインを有する。各々の軽鎖は、一方の末端に可変ドメイン(VL)、そして他方の末端に定常ドメインを有する。軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第一の定常ドメインと整列され、そして軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと整列される。特定のアミノ酸残基は、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間の境界面を形成すると考えられる。 【0111】 用語「可変」とは、可変ドメインの特定の部分が、抗体間で広範にわたって配列が異なり、そして特定の抗体各々のその特定の抗原に対する結合および特異性において使用されるという事実をいう。しかし、可変性は、抗体の可変ドメイン全体にわたり均等には分布しない。可変性は、軽鎖および重鎖の可変ドメインの両方における超可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中する。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。ネイティブ重鎖および軽鎖の可変ドメインの各々は、4つのFRを含み、それらのFRは、大部分がβシート構造をとり、3つの超可変領域により連結され、これらの超可変領域は、βシート構造に連結するループを形成し、そして場合によっては、このβシート構造の一部を形成する。各鎖中の超可変領域は、FRによって互いに近位に保持され、そして、他の鎖からの超可変領域と共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest,第5版,Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991)を参照のこと)。定常ドメインは、抗体の抗原への結合に直接には関与しないが、種々のエフェクター機能(例えば、抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)における抗体の関与)を示す。 【0112】 本明細書中で使用される場合、用語「超可変領域」は、抗原結合を担う抗体のアミノ酸残基をいう。超可変領域は、一般に、「相補性決定領域」または「CDR」からのアミノ酸残基(例えば、軽鎖可変ドメイン中の残基24〜34(L1)、残基50〜56(L2)および残基89〜97(L3)、ならびに重鎖可変ドメイン中の残基31〜35(Hl)、残基50〜65(H2)および残基95〜102(H3);Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest,第5版,Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991))ならびに/または「超可変ループ」からのアミノ酸残基(例えば、軽鎖可変ドメイン中の残基26〜32(Ll)、残基50〜52(L2)および残基91〜96(L3)、ならびに重鎖可変ドメイン中の残基26〜32(H1)、残基53〜55(H2)および残基96〜101(H3);ChothiaおよびLesk,J.Mol.Biol.,196:901−917(1987))を含む。「フレームワーク領域」または「FR」残基は、本明細書中で規定するような超可変領域の残基以外の、可変ドメイン残基である。 【0113】 抗体のパパイン消化は、「Fab」フラグメントと呼ばれる2つの同一の抗原結合フラグメント(各々、単一の抗原結合部位を有する)および残りの「Fc」フラグメント(この名前は、その容易に結晶化する能力を反映する)を生成する。ペプシン処理は、2つの抗原結合部位を有するF(ab’)2フラグメントを生じ、そしてこれは、依然として抗原を架橋し得る。 【0114】 「Fv」は、完全な抗原認識部位および抗原結合部位を含む、最小限の抗体フラグメントである。この領域は、密接に非共有結合した、1つの重鎖可変ドメインと1つの軽鎖可変ドメインとの二量体からなる。この立体配置において、各可変ドメインの3つの超可変領域は、VH−VL二量体の表面上の抗原結合部位を規定するために相互作用する。集団的に、この6つの可変領域は、抗体に抗原結合特異性を与える。しかし、1つの可変ドメイン(または抗原に対して特異的な3つの超可変領域のみを含むFvの半分)でさえも、結合部位全体よりも低い親和性ではあるが、抗原を認識および結合する能力を有する。 【0115】 Fabフラグメントもまた、軽鎖の定常ドメインと、重鎖の第一定常ドメイン(CH1)とを含む。Fab’フラグメントは、抗体のヒンジ領域由来の1つ以上のシステインを含む、重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端における数残基の付加によって、Fabフラグメントと異なる。Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基が少なくとも1つの遊離したチオール基を有するFab’についての、本明細書における名称である。F(ab’)2抗体フラグメントは、元々、間にヒンジシステインを有する一対のFab’フラグメントとして生成された。抗体フラグメントの他の化学的カップリングもまた、公知である。 【0116】 任意の脊椎動物種由来の抗体の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、2つの明確に区別される型(カッパ(κ)およびラムダ(λ)と呼ばれる)のうちの1つに割り当てられ得る。 【0117】 本明細書において「Fc領域」は、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を規定するために使用され、ネイティブ配列のFc領域および改変体Fc領域を含む。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変動し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、Cys226位またはPro230位のアミノ酸残基からそのC末端までに広がるように規定される。Fc領域のC末端リジン(EU番号付けシステムに従った残基447)は、例えば、抗体の産生もしくは精製の間に、または抗体の重鎖コード核酸を組換え操作することによって、取り除かれ得る。従って、インタクトな抗体の組成物は、全てK447残基が除かれた抗体集団、K447が除かれていない抗体集団、およびK447残基を有する抗体とK447残基を有しない抗体との混合物を有する抗体集団を含み得る。 【0118】 他に示されない場合、免疫グロブリン重鎖における残基の番号付けは、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD(1991)(これは、本明細書中で参考として大いに援用される)におけるEU指数の番号付けである。この「KabatにおけるEU指数」とは、ヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けをいう。 【0119】 「機能性Fc領域」は、ネイティブ配列のFc領域の「エフェクター機能」を有する。例示的な「エフェクター機能」としては、以下が挙げられる:C1q結合;補体依存性細胞傷害性;Fcレセプター結合;抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC);食作用;細胞表面レセプター(例えば、B細胞レセプター;BCR)の下方制御、など。このようなエフェクター機能は、一般的に、結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)とFc領域とが結合されることを必要とし、そして例えば、本明細書において開示される種々のアッセイを使用して評価され得る。 【0120】 「ネイティブ配列のFc領域」は、天然に見出されるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。ネイティブ配列のヒトFc領域としては、ネイティブ配列のヒトIgG1 Fc領域(非AアロタイプおよびAアロタイプ);ネイティブ配列のヒトIgG2 Fc領域;ネイティブ配列のヒトIgG3 Fc領域;およびネイティブ配列のヒトIgG4 Fc領域、ならびに天然に存在するこれらの改変体が、挙げられる。 【0121】 「改変体Fc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸改変(好ましくは、1つ以上のアミノ酸置換)によってネイティブ配列のFc領域のアミノ酸配列とは異なる、アミノ酸配列を含む。好ましくは、改変体Fc領域は、ネイティブ配列のFc領域または親ポリペプチドのFc領域に対して比較すると、少なくとも1つのアミノ酸置換(例えば、ネイティブ配列のFc領域または親ポリペプチドのFc領域において、約1〜約10個のアミノ酸置換、そして好ましくは、約1〜約5個のアミノ酸置換)を有する。本明細書において、改変体Fc領域は、好ましくは、ネイティブ配列のFc領域および/または親ポリペプチドのFc領域と、少なくとも約80%の相同性を有し、そして最も好ましくはそれらと少なくとも約90%の相同性を有し、より好ましくはそれらと少なくとも約95%の相同性を有する。 【0122】 それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に依存して、インタクトな抗体は、異なる「クラス」に分類され得る。5つの主なクラスのインタクトな抗体(IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM)が存在し、そしてそれらのいくつかは、さらに「サブクラス」(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgAおよびIgA2)に分類され得る。それらの異なるクラスの抗体に対応する重鎖定常ドメインは、各々、α、δ、ε、γおよびμと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および三次元立体配置は、周知である。 【0123】 「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」および「ADCC」は、Fcレセプター(FcR)を発現する非特異的細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、およびマクロファージ)が、標的細胞上の結合抗体を認識しそして引き続きその標的細胞の溶解を引き起こす、細胞媒介性反応をいう。ADCCを媒介するための主要な細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、単球は、FcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIを発現する。造血細胞上でのFcR発現は、RavetchおよびKinet,Annu.Rev.Immunol.,9:457−92(1991)の464頁の表3に要約される。目的の分子のADCC活性を評価するために、米国特許第5,500,362号および同第5,821,337号に記載されるようなインビトロADCCアッセイが実施され得る。このようなアッセイのための有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。あるいは、またはさらに、目的の分子のADCC活性は、インビボ(例えば、Clynesら、PNAS(USA),95:652−656(1998)において開示されるような動物モデルにおいて)で評価され得る 「ヒトエフェクター細胞」は、1つ以上のFcRを発現しそしてエフェクター機能を果たす白血球である。好ましくは、この細胞は、少なくともFcγRIIIを発現し、そしてADCCエフェクター機能を果たす。ADCCを媒介するヒト白血球の例としては、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞傷害性T細胞および好中球が挙げられ;PBMCおよびNK細胞が好ましい。エフェクター細胞は、そのネイティブな供給源から(例えば、本明細書中に記載されるように血液またはPBMCから)単離され得る。 【0124】 用語「Fcレセプター」または「FcR」は、抗体のFc領域に結合するレセプターを記載するために使用される。好ましいFcRは、ネイティブ配列ヒトFcRである。さらに、好ましいFcRは、IgG抗体(γレセプター)を結合するFcRであり、そしてこれらとしては、FcγRIサブクラスのレセプター、FcγRIIサブクラスのレセプターおよびFcγRIIIサブクラスのレセプター(これらのレセプターの対立遺伝子改変体および選択的スプライシングされた形態を含む)が挙げられる。FcγRIIレセプターとしては、FcγRIIA(「活性化レセプター」)およびFcγRIIB(「阻害レセプター」)が挙げられ、これらは、そのレセプターの細胞質ドメイン中で主に異なる、類似するアミノ酸配列を有する。活性化レセプター(FcγRIIA)は、その細胞質ドメイン中に免疫レセプターチロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を含む。阻害レセプター(FcγRIIB)は、その細胞質ドメイン中に免疫レセプターチロシンベースの阻害モチーフ(ITIM)を含む。(Daeron,Annu.Rev.Immunol.,15:203−234(1997)中の総説M.を参照のこと)。FcRは、RavetchおよびKinet,Annu.Rev.Immunol.,9:457−92(1991);Capelら、Immunomethods 4:25−34(1994);ならびにde Haasら、J.Lab.Clin.Med.,126:330−41(1995)に概説される。他のFcR(将来同定されるFcRを含む)が、本明細書中の用語「FcR」により包含される。この用語はまた、胎児への母性IgGの移行を担い、免疫グロブリンのホメオスタシスを調節する、新生児レセプター(FcRn)を含む(Guyerら、J.Immunol.,117:587(1976)およびKimら、J.Immunol.,24:249(1994))。 【0125】 「補体依存性細胞傷害性」または「CDC」は、補体の存在下で標的を溶解する分子の能力をいう。補体活性化経路は、同族抗原と複合体化された分子(例えば、抗体)への、補体系の第1の成分(Clq)の結合により開始される。補体活性化を評価するために、例えば、Gazzano−Santoroら、J.Immunol.Methods,202:163(1996)に記載されるようなCDCアッセイが行われ得る。 【0126】 「単鎖Fv」抗体フラグメントまたは「scFv」抗体フラグメントは、抗体のVHドメインおよびVLドメインを含み、ここでこれらのドメインは、一本のポリペプチド鎖中に存在する。好ましくは、このFvポリペプチドは、このscFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする、VHドメインとVLドメインとの間のポリペプチドリンカーをさらに含む。scFvの総説については、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,第113巻,RosenburgおよびMoore編,Springer−Verlag,New York,269−315頁(1994)中のPlueckthunを参照のこと。HER2抗体のscFvフラグメントは、WO93/16185;米国特許第5,571,894号;および米国特許第5,587,458号に記載される。 【0127】 用語「二重特異性抗体(diabody)」は、2つの抗原結合部位を有する小さな抗体フラグメントをいい、このフラグメントは、同じポリペプチド鎖(VH−VL)中に可変軽鎖ドメイン(VL)に連結されている可変重鎖ドメイン(VH)を含む。同じ鎖上のこの2つのドメイン間で対形成させるには短すぎるリンカーを使用して、これらのドメインを別の鎖の相補ドメインと対形成させ、そして2つの抗原結合部位を作製する。二重特異性抗体(diabody)は、例えば、EP404,097;WO93/11161;およびHollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993)に、より完全に記載される。 【0128】 本明細書において、裸の抗体は、細胞傷害性部分とも放射性標識とも結合体化されていない、抗体である。 【0129】 「単離(された)」抗体は、その天然の環境の成分から同定されそして分離および/または回収された抗体である。その天然の環境の混入物成分は、その抗体についての診断的用途または治療的用途を妨害する物質であり、そしてこれらとしては、酵素、ホルモン、および他のタンパク質様の溶質または非タンパク質様の溶質が挙げられ得る。好ましい実施形態において、抗体は、(1)ローリー法によって測定した場合に、95重量%を超える抗体にまで、そして最も好ましくは、99重量%を超えるまでに精製されるか、(2)スピニングカップ(spinning cup)配列決定装置の使用により、少なくとも15残基のN末端アミノ酸配列または内部アミノ酸配列を得るに十分な程度に精製されるか、または(3)クーマシーブルー染色または好ましくは銀染色を使用する、還元条件下または非還元条件下でのSDS−PAGEによって均一なまでに精製される。単離された抗体は、組換え細胞内においてインサイチュであるその抗体を含む。なぜなら、その抗体の天然環境の少なくとも1つの成分は存在していないからである。しかし、通常には、単離された抗体は、少なくとも1回の精製工程によって調製される。 【0130】 「親和性成熟した」抗体とは、その1つ以上の超可変領域中に1つ以上の変異を有する抗体であって、このことが、これら変異を有しない親抗体と比較して抗原に対する抗体の親和性の改善をもたらしている。好ましい親和性成熟した抗体は、標的抗原に対してナノモル濃度またはピコモル濃度の親和性を有する。親和性成熟した抗体は、当該分野で公知である手順によって生成される。Marksら、Bio/Technology 10:779−783(1992)は、VHドメインおよびVLドメインのシャッフリングによる親和性成熟を記載する。CDR残基および/またはフレームワーク残基のランダム変異誘発が、以下によって記載される:Barbasら、Proc Nat.Acad.Sci、USA 91:3809−3813(1994);Schierら、Gene 169:147−155(1995);Yeltonら、J.Immunol.155:1994−2004(1995);Jacksonら、J.Immunol.154(7):3310−9(1995);およびHawkinsら、J.Mol.Biol.226:889−896(1992)。 【0131】 本明細書において用語「主要種の抗体」とは、組成物中で量的に優勢な抗体分子である、組成物中の抗体構造をいう。一実施形態において、主要種の抗体はHER2抗体(例えば、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))により結合されるHER2 ECDのドメインIVを結合する抗体)である。本明細書における、主要種の抗体の好ましい実施形態は、配列番号5および配列番号6(トラスツズマブ)の軽鎖アミノ酸配列および重鎖アミノ酸配列を含むものである。 【0132】 本明細書において、「アミノ酸配列改変体」抗体は、主要種の抗体とは異なるアミノ酸配列を有する抗体である。通常、アミノ酸配列改変体は、少なくとも約70%の相同性を主要種の抗体と有し、そして好ましくは、これらは主要種との抗体と、約80%の相同性、より好ましくは少なくとも約90%の相同性を有する。アミノ酸配列改変体は、主要種の抗体のアミノ酸配列内の特定の位置またはそのアミノ酸配列に近接する特定の位置に、置換、欠失、および/または付加を有する。本明細書におけるアミノ酸配列改変体の例としては、酸性改変体(例えば、脱アミノ化抗体改変体)、塩基性改変体、その抗体の1つまたは2つの重鎖においてC末端リジン残基を有する抗体、などが挙げられ、そして重鎖および/または軽鎖のアミノ酸配列に対する改変の組み合わせが挙げられる。 【0133】 本明細書における「グリコシル化改変体」抗体は、主要種の抗体に対して結合された1つ以上の炭水化物部分と異なる、この抗体に対して結合された1つ以上の炭水化物部分を有する抗体である。本明細書におけるグリコシル化改変体の例としては、この抗体のFc領域に結合されたG0オリゴ糖構造の代わりにG1オリゴ糖構造またはG2オリゴ糖構造を有する抗体、抗体の1つまたは2つの軽鎖に結合された1つまたは2つの炭水化物部分を有する抗体、抗体の1つまたは2つの重鎖に結合される炭水化物を有さない抗体、など、ならびにグリコシル化改変の組み合わせが、挙げられる。 【0134】 抗体がFc領域を有する場合、オリゴ糖構造が、その抗体の1つまたは2つの重鎖に(例えば、残基299(残基のEu番号付けで298)において)結合され得る。 【0135】 「脱アミノ化」抗体は、その抗体の1つ以上のアスパラギン残基が、例えば、アスパラギン酸、スクシンイミド、またはイソアスパラギン酸になるように誘導体化されているものである。 【0136】 本明細書における「腫瘍サンプル」は、患者の腫瘍に由来するサンプルまたは患者の腫瘍由来の細胞を含むサンプルである。本明細書における腫瘍サンプルの例としては、腫瘍生検、循環中の腫瘍細胞、循環中の血漿タンパク質、腹水、腫瘍由来であるかまたは腫瘍様特性を提示する初代細胞培養物または細胞株、ならびに保存された腫瘍サンプル(例えば、ホルマリン固定化腫瘍サンプル、パラフィン包埋腫瘍サンプルまたは凍結腫瘍サンプル)が挙げられるが、これらに限定されない。 【0137】 「固定(された)」腫瘍サンプルは、固定化剤を使用して組織学的に保存されたものである。 【0138】 「ホルマリン固定(された)」腫瘍サンプルは、固定化剤としてホルマリンを使用して保存されたものである。 【0139】 「包埋(された)」腫瘍サンプルは、フィルム(firm)または一般的に硬い媒体(例えば、パラフィン、蝋、セロイジンまたは樹脂)によって囲まれたものである。包埋は、顕微鏡検査のためまたは組織マイクロアレイ(TAM)の調製のための薄い切片の切削を可能にする。 【0140】 「パラフィン包埋(された)」腫瘍サンプルは、石油由来の固体炭化水素の精製混合物によって囲まれたものである。 【0141】 本明細書において、「凍結(された)」腫瘍サンプルとは、凍結されるかまたは凍結されている腫瘍サンプルをいう。 【0142】 本明細書における「遺伝子発現プロフィール」とは、HER2レセプター発現を直接的に決定するための代用としての、1つ以上の遺伝子の発現の評価をいう。 【0143】 本明細書における「リン−ELISAアッセイ」は、1つ以上のHERレセプター(特にHER2)のリン酸化が、試薬(通常は、抗体)を使用して酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)において評価され、リン酸化HERレセプター、基質、または下流シグナル伝達分子が検出されるアッセイである。好ましくは、リン酸化HER2を検出する抗体が使用される。このアッセイは、好ましくは新鮮な生物学的サンプルまたは凍結された生物学的サンプル由来の細胞溶解物において、実施され得る。 【0144】 本明細書中で使用される場合、「増殖阻害薬剤」とは、インビトロまたはインビボのいずれかで、細胞(特に、HER発現癌細胞)の増殖を阻害する化合物または組成物をいう。従って、増殖阻害薬剤は、S期にあるHER発現細胞の割合を有意に減少させる薬剤であり得る。増殖阻害薬剤の例としては、(S期以外で)細胞周期進行をブロックする薬剤(例えば、G1阻止およびM期阻止を誘導する薬剤)が挙げられる。古典的なM期ブロッカーとしては、ビンカ(ビンクリスチンおよびビンブラスチン)、タキソイド、およびトポIIインヒビター(例えば、ドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、エトポシドおよびブレオマイシン)が挙げられる。G1を阻止する薬剤はまた、S期阻止をももたらし、例えば、DNAアルキル化剤(例えば、タモキシフェン、プレドニゾン、ダカルバジン、メクロレタミン、シスプラチン、メトトレキサート、5−フルオロウラシルおよびara−C)が挙げられる。さらなる情報は、The Molecular Basis of Cancer、MendelsohnおよびIsrael編、第1章、Murakamiらによる表題「Cell cycle regulation、oncogenes、and antineoplastic drugs」(WB Saunders:Philadelphia,1995)(特に、13頁)に見出され得る。 【0145】 「増殖阻害」抗体の例は、HER2に結合してHER2を過剰発現する癌細胞の増殖を阻害する抗体である。好ましい増殖阻害抗HER2抗体は、細胞培養物中のSK−BR−3乳癌細胞の増殖を、約0.5〜30μg/mlの抗体濃度で、20%よりも高く、好ましくは、50%よりも高く(例えば、約50%〜約100%)阻害する。ここでは、この増殖阻害を、SK−BR−3細胞の抗体への曝露の6日間後に測定する(米国特許第5,677,171号(1997年10月14日発行)を参照のこと)。このSK−BR−3細胞増殖阻害アッセイは、この特許および本明細書以下により詳細に記載される。好ましい増殖阻害抗体は、モノクローナル抗体4D5のヒト化改変体(例えば、トラスツズマブ)である。 【0146】 「アポトーシスを誘導する」抗体は、アネキシンVの結合、DNAのフラグメント化、細胞収縮、小胞体の拡大、細胞のフラグメント化および/または膜小胞(アポトーシス小体と呼ばれる)の形成によって決定されるような、プログラムされた細胞死を誘導する抗体である。この細胞は、通常、HER2レセプターを過剰発現する細胞である。好ましくは、この細胞は、腫瘍細胞(例えば、乳房腫瘍細胞、卵巣腫瘍細胞、胃腫瘍細胞、子宮内膜腫瘍細胞、唾液腺腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、腎臓腫瘍細胞、結腸腫瘍細胞、甲状腺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞または膀胱腫瘍細胞)である。インビトロでは、この細胞は、SK−BR−3細胞、BT474細胞、Calu3細胞、MDA−MB−453細胞、MDA−MB−361細胞またはSKOV3細胞であり得る。種々の方法が、アポトーシスに関連する細胞事象を評価するために利用可能である。例えば、ホスファチジルセリン(PS)トランスロケーションが、アネキシン結合によって測定され得;DNAのフラグメント化が、DNAのラダー形成によって評価され得;そしてDNAのフラグメント化に伴う核/クロマチンの圧縮が、低二倍体細胞の何らかの増加によって評価され得る。好ましくは、アポトーシスを誘導する抗体は、BT474細胞を使用するアネキシン結合アッセイにおいて、非処理細胞と比較して、約2〜50倍、好ましくは、約5〜50倍、そして最も好ましくは、約10〜50倍のアネキシン結合の誘導を生じる抗体である(以下を参照のこと)。アポトーシスを誘導するHER2抗体の例は、7C2および7F3である。特に、WO98/17797を参照のこと。 【0147】 「処置」とは、治療的処置および予防的(prophylactic)手段または予防的(preventative)手段の両方をいう。処置を必要とする患者は、すでに癌を患う患者、ならびに癌が予防されるべき患者が挙げられる。従って、本明細書において処置されるべき患者は、癌を患っていると診断され得たか、または癌に対する素因があり得るかまたは癌に対する感受性があり得る。 【0148】 本明細書中で使用される場合、用語「細胞傷害性薬剤」とは、細胞の機能を阻害するかもしくは防止し、そして/または細胞の崩壊を引き起こす、物質をいう。この用語は、放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32およびLuの放射性同位体)、化学療法剤、および毒素(例えば、細菌起源、真菌起源、植物起源または動物起源の低分子毒素または酵素活性な毒素(それらのフラグメントおよび/または改変体を含む))を包含することが、意図される。 【0149】 「化学療法剤」は、癌の処置に有用な化学化合物である。化学療法剤の例としては、以下が挙げられる:アルキル化剤(例えば、チオテパおよびシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標));アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン、イムプロスルファンおよびピポスルファン);アジリジン(例えば、ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)およびウレドーパ(uredopa));エチレンイミンおよびメチルメラミン(methylamelamine)(アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド(triethiylenethiophosphoramide)およびトリメチロールメラミン(trimethylolomelamine)を含む);アセトゲニン(acetogenin)(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);δ−9−テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール、MARINOL(登録商標));δ−ラパコン;ラパコール;コルヒチン;ベツリン酸;カンプトセシン(合成アナログトポテカン(HYCAMTIN(登録商標))、CPT−11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標))、アセチルカンプトセシン、スコポレクチン、および9−アミノカンプトセシンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成アナログを含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸;テニポシド;クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;ズオカルミシン(duocarmycin)(合成アナログ、KW−2189およびCB1−TM1を含む);エレウテロビン;パンクラティスタチン;サルコディクチン;スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード(例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミ | |