| 【発明の名称】 |
抗老化剤及び表皮角化細胞増殖促進剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】木曽 昭典 【住所又は居所】広島県福山市新市町相方1089−8 丸善製薬株式会社総合研究所内
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| 【要約】 |
【課題】天然抽出物を含有した抗老化剤又は表皮角化細胞増殖促進剤を提供する。
【解決手段】抗老化剤又は表皮角化細胞増殖促進剤に、タイソウ抽出物を有効成分として含有せしめる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 タイソウ抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗老化剤。 【請求項2】 タイソウ抽出物を有効成分として含有することを特徴とする表皮角化細胞増殖促進剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、抗老化剤及び表皮角化細胞増殖促進剤に関するものである。 【背景技術】 【0002】 表皮は、最下層である基底層から始まって、有棘層、顆粒層、角質層へと連なる4層構造からなるが、角質層に存在する大部分の細胞は、基底層から産まれた角化細胞である。通常、角化細胞は、基底層で産まれ、徐々に分化しながら上層に移動して角質細胞となって角質層を構成し、最終的に垢として角質層から脱落していく。 【0003】 角質層は皮膚の最外殻に存在しており、絶えずターンオーバーを繰り返して一定の厚さと水分量を保持して、外界からの刺激に対するバリアーとしての役割を果たしている。皮膚では、このバリアー機能を維持させるため、角化細胞が基底層で産まれてから垢となって剥がれ落ちるまでのサイクル(角化)を通常4週間の周期で繰り返し、表皮の新陳代謝を行っている。しかしながら、この角質層は加齢等によって新陳代謝機能が衰えるため、こじわ、くすみ、色素沈着、肌荒れ等の皮膚の老化症状を呈することになる。そのため、角化細胞の増殖を促進し、皮膚の新陳代謝機能を回復させることにより、こじわ、くすみ、色素沈着、肌荒れ等の皮膚の老化症状を予防・改善できるものと考えられる。 【0004】 従来、表皮角化細胞増殖促進作用を有する種々の生薬が知られており(非特許文献1参照)、表皮角化細胞増殖促進作用を有するものとして、ハス胚芽抽出物(特許文献1参照)等が知られている。 【特許文献1】特開2002−68993号公報 【非特許文献1】「和漢医薬学雑誌」,1998年,第15巻,p.426−427 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明は、安全性の高い天然物の中から表皮角化細胞増殖促進作用を有する物質を見出し、それを有効成分とする抗老化剤又は表皮角化細胞増殖促進剤を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記課題を解決するために、本発明の抗老化剤又は表皮角化細胞増殖促進剤は、タイソウ抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。 【発明の効果】 【0007】 本発明によれば、タイソウ抽出物を有効成分として含有し、安全性に優れた抗老化剤又は表皮角化細胞増殖促進剤を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 以下、本発明について説明する。 本発明の抗老化剤又は表皮角化細胞増殖促進剤は、タイソウ抽出物を有効成分として含有する。 本発明において「抽出物」には、タイソウを抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。 【0009】 本発明において使用する抽出原料は、タイソウである。 タイソウ(体棗)は、クロウメモドキ(Rhamnaceae)科ナツメ(学名:Zizyphus jujuba Miller var.inermis Rehder)の成熟した果実部である。ナツメは、南ヨーロッパ、中国等の東アジアに自生する落葉小高木であり、タイソウは、これらの地域から容易に入手することができる。タイソウは、緩和、強壮、利尿等の効用を有していることが知られており、食欲不振、下痢、動悸等に用いられている。 【0010】 タイソウ抽出物に含有される表皮角化細胞増殖促進作用を有する物質の詳細は不明であるが、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、タイソウから表皮角化細胞増殖促進作用を有する抽出物を得ることができる。 【0011】 例えば、タイソウを乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより、表皮角化細胞増殖促進作用を有する抽出物を得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、タイソウの極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。 【0012】 抽出溶媒としては、極性溶媒を用いるのが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。 【0013】 抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。 【0014】 抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。 【0015】 2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族アルコール1〜90質量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40質量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して多価アルコール10〜90質量部を混合することが好ましい。 【0016】 抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。 【0017】 精製は、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等により行うことができる。得られた抽出液はそのままでも表皮角化細胞増殖促進剤の有効成分として使用することができるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が使用しやすい。 【0018】 タイソウ抽出物は、特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、化粧料、機能性飲食品等に配合する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。 【0019】 以上のようにして得られるタイソウ抽出物は、表皮角化細胞増殖促進作用を有しているため、その作用を利用して抗老化剤又は表皮角化細胞増殖促進剤の有効成分として用いることができる。 【0020】 本発明の抗老化剤又は表皮角化細胞増殖促進剤は、タイソウ抽出物のみからなるものであってもよいし、タイソウ抽出物を製剤化したものであってもよい。 【0021】 タイソウ抽出物は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、安定剤、矯臭剤等を用いることができる。タイソウ抽出物は、他の組成物(例えば、化粧料、機能性飲食品等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。 【0022】 なお、本発明の抗老化剤又は表皮角化細胞増殖促進剤は、必要に応じて、表皮角化細胞増殖促進作用を有する他の天然抽出物を配合して有効成分として用いることができる。 【0023】 本発明の抗老化剤は、タイソウ抽出物が有する表皮角化細胞増殖促進作用を通じて、こじわ、くすみ、色素沈着、肌荒れ等の皮膚の老化症状を予防・改善することができる。ただし、本発明の抗老化剤は、これらの用途以外にも表皮角化細胞増殖促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。 【0024】 本発明の表皮角化細胞増殖促進剤は、タイソウ抽出物が有する表皮角化細胞増殖促進作用を通じて、表皮角化細胞の増殖を促進し、皮膚の新陳代謝機能を回復することができる。この結果、本発明の表皮角化細胞増殖促進剤は、こじわ、くすみ、色素沈着、肌荒れ等の皮膚の老化症状を予防・改善することができる。ただし、本発明の表皮角化細胞増殖促進剤は、これらの用途以外にも表皮角化細胞増殖促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。 【0025】 なお、本発明の表皮角化細胞増殖促進剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。 【実施例】 【0026】 以下、製造例及び試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。 【0027】 〔製造例1〕タイソウ50質量%エタノール抽出物の製造 細切りにしたタイソウの乾燥物100gに対し50質量%エタノール(水とエタノールとの質量比1:1)250mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに4回、同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥してタイソウ50質量%エタノール抽出物17.5gを得た(試料1)。 【0028】 〔製造例2〕タイソウ水抽出物の製造 細切りにしたタイソウの乾燥物100gに対し水250mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに4回、同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥してタイソウ水抽出物24.5gを得た(試料2)。 【0029】 〔試験例1〕表皮角化細胞増殖促進作用試験 製造例1及び2により得られたタイソウ抽出物(試料1,2)について、以下のようにして表皮角化細胞増殖促進作用を試験した。 【0030】 正常ヒト皮膚表皮角化細胞(NHEK)を25cm2のフラスコにて正常ヒト表皮角化細胞培地(KGM)を用いて、37℃、5%CO2−95%airの条件下で培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.5×104個/mLの細胞密度となるようにKGMで希釈した後、48ウェルプレートに1ウェルあたり200μLずつ播種し、37℃、5%CO2−95%airの条件下で一夜培養した。培養終了後、所定濃度でDMSOに試料(試料1,2)を溶解した試料溶液を2μLずつ添加し、37℃、5%CO2−95%airの条件下で5日間培養した。対照としてDMSOのみを2μLずつ添加し、37℃、5%CO2−95%airの条件下で5日間培養した。 【0031】 表皮角化細胞増殖促進作用は、MTTアッセイ法を用いて測定した。培養終了後、培地を抜き、終濃度0.4mg/mLでPBS(−)に溶解したMTTを各穴に200μLずつ添加した。2時間培養した後、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール400μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。測定された各吸光度から、下記式に基づき表皮角化細胞増殖促進率(%)を算出した。 【0032】 表皮角化細胞増殖促進率(%)=St/Ct×100 式中、Stは「試料溶液添加時の吸光度」を表し、Ctは「試料溶液無添加時の吸光度」を表す。 上記試験の結果を、表1に示す。 【0033】 [表1]表皮角化細胞増殖促進率(%) 表皮角化細胞増殖促進率(%) 試 料 1.56μg/mL 0.39μg/mL 試料1 111.2±2.8 126.8±5.5 試料2 105.2±3.8 110.8±4.6 【0034】 表1に示すように、タイソウ抽出物は、優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有することが確認された。 【産業上の利用可能性】 【0035】 本発明の抗老化剤又は表皮角化細胞増殖促進剤は、こじわ、くすみ、色素沈着、肌荒れ等の皮膚の老化症状等の予防・改善に大きく貢献できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591082421 【氏名又は名称】丸善製薬株式会社 【住所又は居所】広島県尾道市向東町14703番地の10
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| 【出願日】 |
平成17年5月16日(2005.5.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100108833 【弁理士】 【氏名又は名称】早川 裕司
【識別番号】100112830 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 啓靖
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| 【公開番号】 |
特開2006−316028(P2006−316028A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月24日(2006.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2005−142972(P2005−142972) |
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