| 【発明の名称】 |
ビタミンの劣化抑制方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】栄村 和浩 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内
【氏名】奥山 秀二 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内
【氏名】田中 久志 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ビタミンC、D、B2、B6及び葉酸の劣化、とくに光や紫外線照射による劣化を抑制する方法を提供する。
【解決手段】ビタミンCまたはDには、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン及びクロロゲン酸よりなる群から選択される少なくとも1つ、ビタミンB6には、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、及びヘスペリジンよりなる群から選択される少なくとも1つ、葉酸またはビタミンB2には、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン及びエピカテキンよりなる群から選択される少なくとも1つを共存させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ビタミンCまたはDを、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン及びクロロゲン酸よりなる群から選択される少なくとも1種との共存状態におくことを特徴とする、ビタミンCまたはDの劣化抑制方法。 【請求項2】 ビタミンCまたはDの光照射による劣化を抑制する方法である請求項1記載の方法。 【請求項3】 葉酸またはビタミンB2を、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン及びエピカテキンよりなる群から選択される少なくとも1種との共存状態におくことを特徴とする、葉酸の劣化防止方法。 【請求項4】 葉酸またはビタミンB2の光照射による劣化を抑制する方法である請求項3記載の方法。 【請求項5】 ビタミンB6を、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、及びヘスペリジンよりなる群から選択される少なくとも1種との共存状態におくことを特徴とする、ビタミンB6の劣化抑制方法。 【請求項6】 ビタミンB6の光照射による劣化を抑制する方法である請求項5記載の方法。 【請求項7】 ビタミンCまたはDに加えて、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン及びクロロゲン酸よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する、水含有組成物。 【請求項8】 葉酸またはビタミンB2に加えて、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン及びエピカテキンよりなる群から選択される少なくとも1種を含有する水含有組成物。 【請求項9】 ビタミンB6に加えて、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、及びヘスペリジンよりなる群から選択される少なくとも1種を含有する水含有組成物。 【請求項10】 飲料である、請求項7乃至9のいずれかに記載する水含有組成物。 【請求項11】 非遮光性容器に充填してなる請求項7乃至10のいずれかに記載の水含有組成物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ビタミンC、D、B2、B6及び葉酸といったビタミンの劣化を抑制する方法に関する。より詳細には、本発明は、上記ビタミンの光照射による劣化を抑制するための方法に関する。さらに、本発明は、ビタミンC、D、B2、B6または葉酸を安定に含有する水含有組成物、特に飲料に関する。 【背景技術】 【0002】 ビタミンC(アスコルビン酸)は、抗壊血病因子として1930年頃に単離されて以来、医薬品分野で広く使われているビタミンである。ビタミンCには抗壊血病作用だけでなく、ホルモンや酵素の活性を高めたり、有害物質の作用を抑制したり、また身体の抵抗性を向上させるといった各種の生理作用があることが知られている。また、食品分野でも、その優れた抗酸化作用を利用して、酸化防止剤、褐変防止剤、肉の発色助剤、退色防止剤など、食品の保存や品質保持向上のために広く使用されている。 【0003】 ビタミンDは、1932年に単離された脂溶性ビタミンであり、生体内では、小腸粘膜上皮細胞に作用してカルシウムやリン酸の吸収を促し、腎臓で尿細管上皮細胞に作用してカルシウムやリン酸の再吸収を促進する等によって、カルシウムやリンの代謝平衡の維持を行っていることが知られている。また、ビタミンDの欠乏は幼児期ではくる病、成人では骨軟化症を引き起こす。 【0004】 葉酸は、ビタミンMやビタミンBcとも呼ばれる一種のビタミンである。哺乳動物の抗貧血因子として知られており、これが欠乏すると大赤血球性の貧血となり、骨髄では巨赤芽球の出現をみる。 【0005】 ビタミンB2は、目、皮膚、口内の発育や機能を助ける成長促進作用があり、また糖質、蛋白質及び脂肪を体内でエネルギー源として燃やすのに不可欠なビタミンである。欠乏すると、舌炎、目症状(角膜充血、白内障)、皮膚炎、皮脂の増加が発生し、貧血と神経疾患が続発することが知られている。またビタミンB6は蛋白質や脂肪の代謝、及び細胞の新陳代謝に不可欠な栄養素である。通常は腸内細菌により合成されるため欠乏は稀であるが、摂取が十分であっても、例えば妊娠時、腸内細菌叢が変化する抗生物質の投与、発熱時、甲状腺機能障害、放射線照射、慢性アルコール中毒によって不足しやすいビタミンであることが知られている。 【0006】 このように、これらのビタミンはいずれも生理学的且つ栄養学的に生体にとって重要なものであるが、一方で光、熱または酸素に対して不安定であるという欠点を有している。光や熱または酸素に対するこれらビタミンの安定性を改善する化合物として、アスコルビン酸の安定化剤としてのグルタチオン(例えば、非特許文献1参照)、リボフラビンの安定化剤としてのDisodium ethylenediamine(EDTA)、ThioureaやMethylparabene(例えば、特許文献2参照)等が報告されている。しかし、これらの化合物は食品への使用が認められていなかったり、化学的合成品であるため、消費者から敬遠されやすいという問題があった。また、これらの化合物は決して満足できる効果を有するものではなかった。 【非特許文献1】International Journal of Pharmaceutics 133(1996)85-88 【非特許文献2】Development and industrial Pharmacy,16(1),149-156(1990) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、ビタミンC、D、B2、B6及び葉酸に関する上記の問題を解消するための方法を提供することを目的とする。特に本発明は、これらビタミンの光に対する劣化を抑制するための方法を提供することを目的とする。さらに、本発明はこうした問題を解消することによって、これらのビタミンを安定に有する水含有組成物、特に飲料を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者らは、上記問題点を鑑みて、日夜検討を重ねていたところ、これらのビタミンに特定のポリフェノールを共存させておくと、特に光耐性が向上し、劣化が抑制できることを見いだした。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであり、下記の態様を含む: 項1.ビタミンCまたはDを、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン及びクロロゲン酸よりなる群から選択される少なくとも1種との共存状態におくことを特徴とする、ビタミンCまたはDの劣化抑制方法。 【0009】 項2.ビタミンCまたはDの光照射による劣化を抑制する方法である項1記載の方法。 【0010】 項3.葉酸またはビタミンB2を、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン及びエピカテキンよりなる群から選択される少なくとも1種との共存状態におくことを特徴とする、葉酸の劣化防止方法。 【0011】 項4.葉酸またはビタミンB2の光照射による劣化を抑制する方法である項3記載の方法。 【0012】 項5.ビタミンB6を、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、及びヘスペリジンよりなる群から選択される少なくとも1種との共存状態におくことを特徴とする、ビタミンB6の劣化抑制方法。 【0013】 項6.ビタミンB6の光照射による劣化を抑制する方法である項5記載の方法。 【0014】 項7.ビタミンCまたはDに加えて、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン及びクロロゲン酸よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する、水含有組成物。 【0015】 項8.葉酸またはビタミンB2に加えて、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン及びエピカテキンよりなる群から選択される少なくとも1種を含有する水含有組成物。 【0016】 項9.ビタミンB6に加えて、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、及びヘスペリジンよりなる群から選択される少なくとも1種を含有する水含有組成物。 【0017】 項10.飲料である項7乃至9のいずれかに記載する水含有組成物。 【0018】 項11.非遮光性容器に充填してなる項7乃至10のいずれかに記載の水含有組成物。 【0019】 なお、本発明においてビタミンの劣化とは、ビタミン(ビタミンC、D、B2、B6及び葉酸)が分解もしくは変性し、ビタミンとしての機能が損なわれたりすることを言う。 【0020】 以下、本発明について詳細を説明する。 (1)ビタミンCまたはDの劣化抑制方法 本発明が対象とするビタミンCには、アスコルビン酸の他、ナトリウム、カリウムやカルシウムとの塩、脂肪酸とのエステル体、糖等とのエーテル体といったアスコルビン酸の誘導体も含まれる。ビタミンDとしては、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)、D3(コレカルシフェロール)、D4、D5、D6及びD7が知られているが、好ましくはビタミンD2及びD3である。また本発明が対象とするビタミンDには硫酸エステル等のビタミンDの誘導体も含まれる。 【0021】 これのビタミンの劣化、特に光照射による劣化を抑制する作用を有するものとして、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン及びクロロゲン酸を挙げることができる。かかる劣化抑制作用は、後述する実験例で示すように上記ポリフェノールに特有に顕著に認められるものであり、へスペリジンやエピカテキンといった他のフラボノイドには認めることができない。なお、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン及びクロロゲン酸は、ビタミンCまたはDに対して、1種単独で使用してもよいし、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。 【0022】 ビタミンCに対するこれらのポリフェノールの使用割合としては、酵素処理イソクエルシトリンについては、ビタミンC 1重量部に対して0.0005〜5重量部、好ましくは0.001〜4重量部、より好ましくは0.002〜3重量部;ミリシトリンについては、ビタミンC 1重量部に対して0.0001〜5重量部、好ましくは0.0002〜4重量部、より好ましくは0.0005〜3重量部;及びクロロゲン酸については、ビタミンC 1重量部に対して0.0001〜5重量部、好ましくは0.0002〜4重量部、より好ましくは0.0005〜3重量部を挙げることができる。 【0023】 またビタミンDに対するこれらのポリフェノールの使用割合としては、酵素処理イソクエルシトリンについては、ビタミンD 1重量部に対して10〜100000重量部、好ましくは25〜75000重量部、より好ましくは50〜50000重量部;ミリシトリンについては、ビタミンD 1重量部に対して1〜50000重量部、好ましくは2〜40000重量部、より好ましくは5〜30000重量部;及びクロロゲン酸については、ビタミンD 1重量部に対して5〜50000重量部、好ましくは10〜40000重量部、より好ましくは25〜30000重量部を挙げることができる。 【0024】 本発明の方法は、ビタミンCまたはDを、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン及びクロロゲン酸よりなる群から選択される少なくとも1つとの共存状態に置くことによって達成することができる。特に本発明の方法は、水存在下にあるビタミンCまたはD、または溶媒に溶解若しくは分散状態で存在するビタミンCまたはDに対して有効に用いることができる。この場合のビタミンCまたはDと上記ポリフェノールとの共存系(組成物)の液性(pH)は、特に制限されないが、酸性であることが望ましい。ここで、酸性pHとしては、pH2〜6.5、好ましくはpH2.2〜6、より好ましくはpH2.5〜5.5を挙げることができる。 【0025】 かかる酸性への調整は、特に制限されないが、通常食品添加物として使用される無機酸(例えば塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、炭酸、フィチン酸等)、有機酸(例えばクエン酸、フマル酸、DL−リンゴ酸等)またはこれらの塩を使用して行うことができる。好ましくは有機酸である。 【0026】 (2)葉酸の劣化抑制方法 本発明が対象とする葉酸には、葉酸のほか、テトラヒドロ葉酸等の葉酸誘導体も含まれる。葉酸の劣化、特に紫外線照射による劣化を抑制する作用を有するものとして、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン、及びエピカテキンを挙げることができる。これらのポリフェノールの劣化抑制作用は、後述する実験例で示すように上記ポリフェノールに特有に顕著に認められるものである。 【0027】 なお、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン、及びエピカテキンは、葉酸に対して、1種単独で使用してもよいし、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。 【0028】 葉酸に対するこれらのポリフェノールの使用割合としては、酵素処理イソクエルシトリンについては、葉酸1重量部に対して0.2〜1000重量部、好ましくは0.5〜750 重量部、より好ましくは1〜500重量部;ミリシトリンについては、葉酸1重量部に対して0.1〜1000重量部、好ましくは0.2〜750重量部、より好ましくは0.5〜500重量部;クロロゲン酸については、葉酸1重量部に対して0.1〜500重量部、好ましくは0.2〜400重量部、より好ましくは0.5〜300重量部;ヘスペリジンについては、葉酸1重量部に対して0.1〜1000重量部、好ましくは0.2〜750重量部、より好ましくは0.5〜500重量部;及びエピカテキンについては、葉酸1重量部に対して0.1〜500重量部、好ましくは0.2〜400重量部、より好ましくは0.5〜300重量部を挙げることができる。 【0029】 本発明の方法は、葉酸を、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン及びエピカテキンよりなる群から選択される少なくとも1つと共存状態に置くことによって達成することができる。特に本発明の方法は、水存在下にある葉酸、または溶媒に溶解若しくは分散状態で存在する葉酸に対して有効に用いることができる。この場合の葉酸と上記ポリフェノールとの共存系(組成物)の液性(pH)は、特に制限されないが、酸性であることが望ましい。ここで、酸性pHとしては、pH2〜6.5、好ましくはpH2.2〜6、より好ましくはpH2.5〜5.5を挙げることができる。かかる酸性への調整は、特に制限されないが、通常食品添加物として使用される無機酸(例えば塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、炭酸、フィチン酸等)、有機酸(例えばクエン酸、フマル酸、DL−リンゴ酸等)またはこれらの塩を使用して行うことができる。好ましくは有機酸である。 【0030】 (3)ビタミンB2の劣化抑制方法 本発明が対象とするビタミンB2には、リボフラビンのほか、リボフラビン酪酸エステルやリボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム等のビタミンB2誘導体も含まれる。ビタミンB2の劣化、特に光照射による劣化を抑制する作用を有するものとして、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン、及びエピカテキンを挙げることができる。かかる劣化抑制作用は、後述する実験例で示すように上記ポリフェノールに特有に顕著に認められるものである。 【0031】 なお、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン、及びエピカテキンは、ビタミンB2に対して、1種単独で使用してもよいし、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。 【0032】 ビタミンB2に対するこれらのポリフェノールの使用割合としては、酵素処理イソクエルシトリンについては、ビタミンB2 1重量部に対して0.01〜200重量部、好ましくは0.02〜150重量部、より好ましくは0.05〜100重量部;ミリシトリンについては、ビタミンB2 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75量部、より好ましくは0.05〜50重量部;クロロゲン酸については、ビタミンB2 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75重量部、より好ましくは0.05〜50重量部;ヘスペリジンについては、ビタミンB2 1重量部に対して0.01〜200重量部、好ましくは0.02〜150重量部、より好ましくは0.05〜100重量部;及びエピカテキンについては、ビタミンB2 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75重量部、より好ましくは0.05〜50重量部を挙げることができる。 【0033】 本発明の方法は、ビタミンB2を、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン及びエピカテキンよりなる群から選択される少なくとも1つと共存状態に置くことによって達成することができる。特に本発明の方法は、水存在下にあるビタミンB2、または溶媒に溶解若しくは分散状態で存在するビタミンB2に対して有効に用いることができる。この場合のビタミンB2と上記ポリフェノールとの共存系(組成物)の液性(pH)は、特に制限されないが、酸性であることが望ましい。ここで、酸性pHとしては、pH2〜6.5、好ましくはpH2.2〜6、より好ましくはpH2.5〜5.5を挙げることができる。かかる酸性への調整は、特に制限されないが、通常食品添加物として使用される無機酸(例えば塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、炭酸、フィチン酸等)、有機酸(例えばクエン酸、フマル酸、DL−リンゴ酸等)またはこれらの塩を使用して行うことができる。好ましくは有機酸である。 【0034】 (4)ビタミンB6の劣化抑制方法 本発明が対象とするビタミンB6には、塩酸ピリドキシンのほか、リン酸ピリドキサールやリン酸ピリドキサミン、リン酸ピリドキサールカルシウム等のビタミンB6誘導体も含まれる。ビタミンB6の劣化、特に光照射による劣化を抑制する作用を有するものとして、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、及びヘスペリジンを挙げることができる。かかる劣化抑制作用は、後述する実験例で示すように上記ポリフェノールに特有に顕著に認められるものであり、エピカテキンといった他のポリフェノールに認めることができない。 【0035】 なお、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、及びヘスペリジンは、ビタミンB6に対して、1種単独で使用してもよいし、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。 【0036】 ビタミンB6に対するこれらのポリフェノールの使用割合としては、酵素処理イソクエルシトリンについては、ビタミンB6 1重量部に対して0.01〜200重量部、好ましくは0.02〜150重量部、より好ましくは0.05〜100重量部;ミリシトリンについては、ビタミンB6 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75量部、より好ましくは0.05〜50重量部;クロロゲン酸については、ビタミンB6 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75重量部、より好ましくは0.05〜50重量部;ヘスペリジンについては、ビタミンB6 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75重量部、より好ましくは0.05〜50重量部;及びエピカテキンについては、ビタミンB6 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75重量部、より好ましくは0.05〜50重量部を挙げることができる。 【0037】 本発明の方法は、ビタミンB6を、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、及びヘスペリジンよりなる群から選択される少なくとも1つと共存状態に置くことによって達成することができる。特に本発明の方法は、水存在下にあるビタミンB6、または溶媒に溶解若しくは分散状態で存在するビタミンB6に対して有効に用いることができる。この場合のビタミンB6と上記ポリフェノールとの共存系(組成物)の液性(pH)は、特に制限されないが、酸性であることが望ましい。ここで、酸性pHとしては、pH2〜6.5、好ましくはpH2.2〜6、より好ましくはpH2.5〜5.5を挙げることができる。かかる酸性への調整は、特に制限されないが、通常食品添加物として使用される無機酸(例えば塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、炭酸、フィチン酸等)、有機酸(例えばクエン酸、フマル酸、DL−リンゴ酸等)またはこれらの塩を使用して行うことができる。好ましくは有機酸である。 【0038】 (5)水含有組成物 本発明は、上記ビタミンC、D、B2、B6または葉酸を含みながらも、光や紫外線照射に対して耐性を有する水含有組成物を提供する。なお、ここで水含有組成物には、水または水と他の任意の溶媒(例えば、エタノールなどのアルコール)を含有しており、液体(溶液)、乳液、懸濁液、並びにゼリー状やゲル状といった半流動体または半固形体の形態を有する組成物が広く含まれる。好ましくは、水を含有する液体(溶液)、乳液、懸濁液などの水含有組成物である。水含有組成物として、組成物の用途は特に制限されないものの、具体的には、液状飲食物、液状医薬品、液状医薬部外品、及び液状香粧品などを挙げることができる。 【0039】 例えば、液状飲食物としては、乳飲料、乳酸菌飲料、清涼飲料(果汁入りを含む)、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、野菜・果実飲料、スポーツ飲料、粉末飲料、豆乳飲料等の飲料類;リキュールなどのアルコール飲料;コーヒー飲料、紅茶飲料等の茶飲料類;コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ類;カスタードプリン、ミルクプリン、果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア及びヨーグルト等のデザート類;セパレートドレッシング、ノンオイルドレッシング、ケチャップ、たれ、ソースなどのソース類;ストロベリージャム、ブルーベリージャム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ等のジャム類;赤ワイン等の果実酒;その他、各種の加工食品を挙げることができる。 【0040】 また、液状医薬品としては、ドリンクやシロップ等の経口投与剤、注射や点滴等の非経口投与剤、ローションやゲル等の外用剤を挙げることができる。好ましくは液状の経口投与剤である。さらに液状医薬部外品としては、口内洗浄剤や口内消臭剤のように口腔内で用いられるものを挙げることができる。 【0041】 前述するように本発明の方法は、酸性条件下でのビタミンの劣化の抑制に有効に利用することができる。このため、制限されないが、上記本発明が対象とする水含有組成物は酸性(例えば、pH2〜6.5、好ましくはpH2.2〜6、より好ましくはpH2.5〜5.5)であることが好ましい。例えば、水含有組成物としては、例えばシャーベット、氷菓等の冷菓類;いちご牛乳、フルーツ牛乳等の酸性乳飲料;乳酸菌飲料、清涼飲料(果汁入りを含む)、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、野菜・果実飲料、スポーツ飲料、粉末飲料等の飲料類;ゼリー等のデザート類;ハードキャンディー(ボンボン、バターボール、マーブル等を含む)やドロップ等のキャラメル類;浅漬け、醤油漬け、塩漬け、味噌漬け、粕漬け、麹漬け、糠漬け、酢漬け、芥子漬、もろみ漬け、梅漬け、福神漬、しば漬、生姜漬、朝鮮漬、梅酢漬け等の漬物類;セパレートドレッシング、ノンオイルドレッシング、たれなどのソース類;ストロベリージャム、ブルーベリージャム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ等のジャム類;赤ワイン等の果実酒;チーズ等の酪農製品類を挙げることができる。より好ましくは、酸性乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、野菜・果実飲料、アルコール飲料、粉末飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、茶飲料などの飲料である。 【0042】 本発明の水含有組成物は、ビタミンCまたはDのいずれか少なくとも1種を含むものである場合は、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン及びクロロゲン酸よりなる群から選択される少なくとも1種を含有するものであり、ビタミンB6を含むものである場合は、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、及びヘスペリジンよりなる群から選択される少なくとも1種を含有するものであり、また葉酸またはビタミンB2のいずれか少なくとも1種を含むものである場合は、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン及びエピカテキンよりなる群から選択される少なくとも1種を含有するものである。 【0043】 ビタミンCを含有する水含有組成物の場合、含有するポリフェノールの割合として、酵素処理イソクエルシトリンについては、ビタミンC 1重量部に対して0.0005〜5重量部、好ましくは0.001〜4重量部、より好ましくは0.002〜3重量部;ミリシトリンについては、ビタミンC 1重量部に対して0.0001〜5重量部、好ましくは0.0002〜4重量部、より好ましくは0.0005〜3重量部;及びクロロゲン酸については、ビタミンC 1重量部に対して0.0001〜5重量部、好ましくは0.0002〜4重量部、より好ましくは0.0005〜3重量部を挙げることができる。 【0044】 またビタミンDを含有する水含有組成物の場合、含有するポリフェノールの割合としては、酵素処理イソクエルシトリンについては、ビタミンD 1重量部に対して10〜100000重量部、好ましくは25〜75000重量部、より好ましくは50〜50000重量部;ミリシトリンについては、ビタミンD 1重量部に対して1〜50000重量部、好ましくは2〜40000重量部、より好ましくは5〜30000重量部;及びクロロゲン酸については、ビタミンD 1重量部に対して5〜50000重量部、好ましくは10〜40000重量部、より好ましくは25〜30000重量部を挙げることができる。 【0045】 ビタミンB2を含有する水含有組成物の場合、含有するポリフェノールの割合としては、酵素処理イソクエルシトリンについては、ビタミンB2 1重量部に対して0.01〜200重量部、好ましくは0.02〜150重量部、より好ましくは0.05〜100重量部;ミリシトリンについては、ビタミンB2 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75量部、より好ましくは0.05〜50重量部;クロロゲン酸については、ビタミンB2 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75重量部、より好ましくは0.05〜50重量部;ヘスペリジンについては、ビタミンB2 1重量部に対して0.01〜200重量部、好ましくは0.02〜150重量部、より好ましくは0.05〜100重量部;及びエピカテキンについては、ビタミンB2 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75重量部、より好ましくは0.05〜50重量部を挙げることができる。 【0046】 ビタミンB6を含有する水含有組成物の場合、含有するポリフェノールの割合としては、酵素処理イソクエルシトリンについては、ビタミンB6 1重量部に対して0.01〜200重量部、好ましくは0.02〜150重量部、より好ましくは0.05〜100重量部;ミリシトリンについては、ビタミンB6 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75量部、より好ましくは0.05〜50重量部;クロロゲン酸については、ビタミンB6 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75重量部、より好ましくは0.05〜50重量部;ヘスペリジンについては、ビタミンB6 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75重量部、より好ましくは0.05〜50重量部;及びエピカテキンについては、ビタミンB6 1重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは0.02〜75重量部、より好ましくは0.05〜50重量部を挙げることができる。 【0047】 葉酸を含有する水含有組成物の場合、含有するポリフェノールの割合としては、酵素処理イソクエルシトリンについては、葉酸1重量部に対して0.2〜1000重量部、好ましくは0.5〜750 重量部、より好ましくは1〜500重量部;ミリシトリンについては、葉酸1重量部に対して0.1〜1000重量部、好ましくは0.2〜750重量部、より好ましくは0.5〜500 重量部;クロロゲン酸については、葉酸1重量部に対して0.1〜500重量部、好ましくは0.2〜400重量部、より好ましくは0.5〜300重量部;ヘスペリジンについては、葉酸1重量部に対して0.1〜1000重量部、好ましくは0.2〜750重量部、より好ましくは0.5〜500重量部;及びエピカテキンについては、葉酸1重量部に対して0.1〜500重量部、好ましくは0.2〜400重量部、より好ましくは0.5〜300重量部を挙げることができる。 【0048】 なお、本発明に使用されるポリフェノール成分は何れも試薬若しくは市販品として入手可能であるほか、茶などの天然物原料から抽出して得ることもできる。これらは精製品でも未精製品であっても良く、また、これらの成分を含有する抽出物をそのまま使用することもできる。 【0049】 本発明の水含有組成物は、各ビタミン及び上記の特定のポリフェノールに加えて、他の任意成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、本発明の効果を妨げないものであれば特に制限されないが、例えば水含有組成物が液状飲食物である場合を例とすれば、シュクロース、グルコース、デキストリン、サイクロデキストリン、液糖などの糖類;ソルビトール、マンニトール等の糖アルコール類;アラビアガム等の多糖類;クエン酸,酒石酸等の有機酸,メタリン酸Na等のキレート剤;甘味料、酸化防止剤、香料、香辛料抽出物、防腐剤,保存料,着色料など挙げることができる。 【0050】 上記で説明するように、本発明の水含有組成物は、含有するビタミンの種類に応じて、それらに耐光性を付与するポリフェノールを含有している。このため、特に光照射を受けても、これらのビタミンを安定して保有することができる。このため、本発明の水含有組成物は、非遮光性容器または低遮光性容器に充填して商品として提供することができる。すなわち、本発明の水含有組成物は、非遮光性容器または低遮光性容器に収容された状態で、ビタミンの劣化が有意に抑制されて安定した品質を有する水含有組成物、好ましくは飲料として提供することができる。 【0051】 なお、非遮光性容器または低遮光性容器とは、内部に収容した水含有組成物が光の影響を受ける状態にある容器である。具体的にはアルミ箔やフィルム包装等による遮光処理が全体に施されていないか、一部にしか施されていないことによって、内部に収容した水含有組成物が光の影響を受ける状態の容器である。かかる容器としては、例えばガラス容器(褐色、緑色等に着色したガラス容器を含む)、樹脂容器(ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート等の透明、半透明の樹脂製容器を含む)、紙容器(内外装をポリエチレンやポリエチレンテレフタレートなどで加工した複合素材容器を含む)等を挙げることができる。 【発明の効果】 【0052】 本発明の第1の方法によれば、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリンまたはクロロゲン酸との共存状態におくことによってビタミンCまたはDの劣化、特に光照射による劣化を抑制することができる。本発明の第2の方法によれば、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジンまたはエピカテキンとの共存状態におくことによって葉酸またはビタミンB2の劣化、特に光照射による劣化を抑制することができる。本発明の第4の方法によれば、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸またはヘスペリジンとの共存状態におくことによってビタミンB6の劣化、特に光照射による劣化を抑制することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0053】 以下、本発明を実施するための最良の形態として調製例、実験例、及び実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例などに限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」を意味するものとする。また、文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の製品を表し、文中の「※」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。 【調製例】 【0054】 (1)イソクエルシトリンの調製 マメ科植物であるエンジュのつぼみ500gを5kgの熱水(95℃以上)に2時間浸漬した後、濾別した濾液を「第一抽出液」として取得した。一方、濾別した残渣を更に熱水に浸漬して抽出し、「第二抽出液」を得た。これらの第一および第二抽出液を合わせ、30℃以下に冷却して沈殿した成分を濾別し、沈殿部を水洗、再結晶、乾燥することにより、純度95%以上のルチン45.6gを得た。 【0055】 このルチン40gを水800mLに分散し、pH調整剤を用いてpH4.9に調整した。これにナリンギナーゼ(天野エンザイム(株)、商品名ナリンギナーゼ"アマノ"、3、000U/g)を0.24g添加して反応を開始し、これを72℃で24時間保持した。その後、反応液を20℃に冷却し、冷却によって生じた沈殿物を濾別した。得られた沈殿物(固形分)を水洗した後、乾燥し、イソクエルシトリン26.8gを得た。 【0056】 (2)酵素処理イソクエルシトリンの調製 上記で得られたイソクエルシトリン20gに、500mLの水を加えコーンスターチ100gを添加し分散させた。これにシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase:天野エンザイム(株)、商品名コンチザイム、600U/mL)20gを添加して反応を開始し、これをpH 7.25、60℃の条件下、24時間保持した。得られた反応液を冷却した後、ダイヤイオンHP−20(三菱化成工業(株)製)のカラム(Φ3.0×40cm)に付加し、1Lの水で洗浄した。次いでカラムに600mLの50%エタノール水溶液を供し、得られた溶出液を減圧濃縮した後、凍結乾燥して、イソクエルシトリンとα-グリコシルイソクエルシトリンとの混合物である酵素処理イソクエルシトリン25.1gを得た。 【0057】 得られた酵素処理イソクエルシトリンを、下記条件のHPLC分析に供して、酵素処理イソクエルシトリンに含まれる各種のα−グリコシルイソクエルシトリンのモル比(%)を算出した。 【0058】 <HPLC条件> カラム:Inertsil ODS-2 Φ4.6×250mm(GLサイエンス製) 溶離液:水/アセトニトリル/TFA=850/15/2 検出:波長351nmにおける吸光度測定 流速:0.8/ml/min。 【0059】 下記に酵素処理イソクエルシトリンのモル組成比(%)を示す。当該モル組成比は、イソクエルシトリン(以下IQCとする)、及びIQCにグルコースがα-1,4結合で1個結合したIQC+Glc1からIQCにグルコースがα-1,4結合で7個結合したIQC+Glc7までの8成分の合計を100%として換算した組成比である。なお、酵素処理イソクエルシトリンは、これらの成分以外に、IQCにグルコースが8個以上結合したもの(IQC+Glc8以上)を微量含んでいる。 【0060】 【表1】
【0061】 (3)ミリシトリンの調製 ヤマモモ樹皮乾燥物の粉砕物1kgにメタノール10kgを加え、約60℃で5時間抽出したのちろ過し、残渣を更にメタノール3kgで洗浄したのちろ液を合わせ、メタノール抽出液約10kgを得た。この抽出液を真空度666Pa、浴温60℃で濃縮乾固して黄色の固形物約0.25kgを得た。得られた固形物を粉砕後、室温で水5Lと懸濁したのちろ過し、残った固形物を95℃の熱水5Lで洗浄した。次いで固形物を真空度666Pa、浴温80℃で減圧乾燥して黄色の固形物からなるミリシトリン0.1kgを得た。 【実験例1】 【0062】 下記処方の酸糖液(pH3.5)を調製し、この酸糖液に対して各ポリフェノール〔酵素処理イソクエルシトリン(酵素処理IQC)、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン、エピカテキン〕を各々75μMの濃度となるように添加した。また、酸糖液を配合しない試料を比較試料(ブランク)として調製した。なお、酵素処理イソクエルシトリン及びミリシトリンは上記の調製例の(2)及び(3)で調製したものを使用した。また、クロロゲン酸、ヘスペリジン及びエピカテキンは東京化成工業(株)製の試薬を使用した。 【0063】 <酸糖液> 果糖ブドウ糖液糖 10.1g クエン酸(結晶)* 0.1g クエン酸3ナトリウム* 適量(pH調整量) L−アスコルビン酸(結晶)* 0.005g 水 残 部 全 量 100.0mL(pH3.5)。 【0064】 これを、50mL容量の蓋付きの透明ガラス容器に93℃達温でホットパック充填した後、20,000Lxの光を4日間照射した。光照射後2日目、3日目及び4日目に各々酸糖液中のビタミンCの量をHPLCにて測定し、最初に配合した量(100%)に対する残存率(%)を求めた。結果を表2に示す。なお、結果はn=2の平均値である。ブランクの残存率(%)と比べて、ビタミンC残存率が高い場合を↑、ほぼ同じ場合を→、及び低い場合を↓として記載する。 【0065】 【表2】
【0066】 この結果から、ビタミンCの光照射による劣化に対して、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、及びクロロゲン酸が抑制効果を有していることがわかった。 【実験例2】 【0067】 下記処方の酸糖液(pH3.5)を調製し、この酸糖液に対して各ポリフェノール(酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン、エピカテキン)を各々75μMの濃度となるように添加した。また、酸糖液を配合しない試料を比較試料(ブランク)として調製した。なお、「VD」はビタミンDを意味する。 【0068】 <酸糖液> 果糖ブドウ糖液糖 10.0g クエン酸(結晶)* 0.1g クエン酸3ナトリウム* 適量(pH調整量) VDミックス2(0.25% V.D3含有製剤)* 0.1g 水 残 部 全量 100.0mL(pH3.5)。 【0069】 これを、50mL容量の蓋付きの透明ガラス容器に93℃達温でホットパック充填した後、20,000Lxの光を7日間照射した。光照射後3日目、5日目及び7日目に各々酸糖液中のビタミンD3の量をHPLCにて測定し、最初に配合した量(100%)に対する残存率(%)を求めた。結果を表3に示す。なお、結果はn=2の平均値である。ブランクの残存率(%)と比べて、ビタミンD3残存率が高い場合を↑、ほぼ同じ場合を→、及び低い場合を↓として記載する。 【0070】 【表3】
【0071】 この結果から、ビタミンD3の光照射による劣化に対して、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、及びクロロゲン酸が抑制効果を有していることがわかった。 【実験例3】 【0072】 下記処方の酸糖液(pH3.5)を調製し、この酸糖液に対して各ポリフェノール(酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン、エピカテキン)を各々75μMの濃度となるように添加した。また、酸糖液を配合しない試料を比較試料(ブランク)として調製した。 【0073】 <酸糖液> 果糖ブドウ糖液糖 10.0g クエン酸(結晶)* 0.1g クエン酸3ナトリウム* 適量(pH調整量) ビタミンB2(ナカライテスク(株)社製) 0.01g 水 残 部 全量 100.0mL(pH3.5)。 【0074】 これを、50mL容量の蓋付きの透明ガラス容器に93℃達温でホットパック充填した後、20,000Lxの光を60分間照射した。光照射後20分、40分及び60分に各々酸糖液中のビタミンB2の量をHPLCにて測定し、最初に配合した量(100%)に対する残存率(%)を求めた。結果を表4に示す。なお、結果はn=3の平均値である。ブランクの残存率(%)と比べて、ビタミンB2残存率が高い場合を↑、ほぼ同じ場合を→、及び低い場合を↓として記載する。 【0075】 【表4】
【0076】 この結果から、ビタミンB2の光照射による劣化に対して、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン及びエピカテキンが抑制効果を有していることがわかった。 【実験例4】 【0077】 下記処方の酸糖液(pH3.5)を調製し、この酸糖液に対して各ポリフェノール(酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン、エピカテキン)を各々75μMの濃度となるように添加した。また、酸糖液を配合しない試料を比較試料(ブランク)として調製した。 <酸糖液> 果糖ブドウ糖液糖 10.0 g クエン酸(結晶)* 0.1 g クエン酸3ナトリウム* 適量(pH調整量) ビタミンB6(ナカライテスク(株)社製) 0.002g 水 残 部 全 量 100.0mL(pH3.5)。 【0078】 これを、50mL容量の蓋付きの透明ガラス容器に93℃達温でホットパック充填した後、20,000Lxの光を26日間照射した。光照射後6日目、15日目及び26日目に各々酸糖液中のビタミンB6の量をHPLCにて測定し、最初に配合した量(100%)に対する残存率(%)を求めた。結果を表5に示す。なお、結果はn=3の平均値である。ブランクの残存率(%)と比べて、ビタミンB6残存率が高い場合を↑、ほぼ同じ場合を→、及び低い場合を↓として記載する。 【0079】 【表5】
【0080】 この結果から、ビタミンB6の光照射による劣化に対して、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、及びヘスペリジンが抑制効果を有していることがわかった。 【実験例5】 【0081】 下記処方の酸糖液(pH3.5)を調製し、この酸糖液に対して各ポリフェノール(酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン、エピカテキン)を各々75μMの濃度となるように添加した。また、酸糖液を配合しない試料を比較試料として調製した。 【0082】 <酸糖液> 果糖ブドウ糖液糖 10.0g クエン酸(結晶)* 0.1g クエン酸3ナトリウム* 適量(pH調整量) 葉酸(東京化成工業(株)製) 0.01g 水 残 部 全 量 100.0mL(pH3.5)。 【0083】 これを、50mL容量の蓋付きの透明ガラス容器に93℃達温でホットパック充填した後、フェードメーターにて紫外線を8時間照射した。紫外線照射後4時間及び8時間めに、各々酸糖液中の葉酸の量をHPLCにて測定し、最初に配合した量(100%)に対する残存率(%)を求めた。結果を表6に示す。なお、結果はn=2の平均値である。ブランクの残存率(%)と比べて、葉酸残存率が高い場合を↑、ほぼ同じ場合を→、及び低い場合を↓として記載する。 【0084】 【表6】
【0085】 この結果から、葉酸の光照射による劣化に対して、酵素処理イソクエルシトリン、ミリシトリン、クロロゲン酸、ヘスペリジン及びエピカテキンはいずれも抑制効果を有していることがわかった。 【実施例1】 【0086】 スポーツドリンク ビタミンの安定化のために各種ポリフェノールを用いてスポーツドリンクを調製した。具体的には下記の2種類の処方に従って材料を混合し、ろ過した後、500mLのペットボトルにホットパック充填して2種類のスポーツドリンクをそれぞれ調製した。 【0087】 【表7】
【実施例2】 【0088】 コーヒー飲料 ビタミンの安定化のために各種ポリフェノールを用い、コーヒー飲料を調製した。具体的には下記2種類の処方に従い、次のように調製した。まず処方3、4を水に80℃で加熱溶解後、室温まで冷却し、その他の原料を順次添加して全量補正した。次いで75℃まで加熱し、15MPaにてホモジナイズした後、250mLガラス瓶に充填し、121℃20分間レトルト殺菌して2種類のコーヒー飲料(処方1、処方2)をそれぞれ調製した。 【0089】 【表8】
【実施例3】 【0090】 ドリンクゼリー ビタミン類の安定化のために酵素処理イソクエルシトリン及びクロロゲン酸を用いてドリンクゼリーを調製した。具体的には水と2を攪拌しながら、1、4、6、8、9の粉体混合物を添加し、80℃10分間攪拌溶解した。次いでその他の原料を順次添加して全量補正した後、200mL透明ポリエステル製パウチ容器に充填し、85℃30分間殺菌し、ドリンクゼリーを調製した。 【0091】 <処方> 1.砂 糖 5.0(kg) 2.果糖ぶどう糖液糖 10.0 3.4倍濃縮マスカット果汁(清澄)(寿高原食品(株)製) 1.25 4.TK−16(松谷化学工業(株)製) 8.5 5.乳酸カルシウム(太平化学産業(株)製) 0.1 6.クエン酸三ナトリウムF* 0.1 7.クエン酸(無水)N* 0.25 8.ゲルアップ※K−S*(ゲル化剤) 0.3 9.ゲルアップ※SA−3C*(ゲル化剤) 0.1 10.マスカット香料* 0.1 11.サンメリン※AO-1007 0.2 (酵素処理イソクエルシトリン15%含有製剤)* 12.クロロゲン酸(東京化成工業(株)製) 0.005 13.チアミン塩酸塩(三共ライフテック(株)製) 0.0015 14.リボフラビン(第一ファインケミカル(株)製) 0.0015 15.ピリドキシン塩酸塩(第一ファインケミカル(株)製) 0.0015 16.シアノコバラミン(DSMニュートリション・ ジャパン(株)製) 0.02(g) 17.コレカルシフェロール(三共ライフテック(株)製) 25000(IU) 18.葉酸(DSMニュートリション・ジャパン(株)製) 0.1(g) 水にて合計 100.0 kg。 【実施例4】 【0092】 栄養ドリンク ビタミン類の安定化のためにミリシトリン及びヘスペリジンを用いて栄養ドリンクを調製した。具体的には水に1〜5を撹拌溶解し、全量補正した。次いで93℃達温にてその他の原料を順次添加し、100mL褐色ガラス瓶にホットパック充填し、栄養ドリンクを調製した。 【0093】 <処方> 1.果糖ぶどう糖液糖 24.0(kg) 2.クエン酸(無水)* 0.55 3.クエン酸三ナトリウム* 0.55 4.サンメリン※Y-AF(ミリシトリン3%含有製剤)* 0.05 5.ヘスペリジン(東京化成工業(株)製) 0.05 6.チアミン硝酸塩(三共ライフテック(株)製) 0.005 7.リボフラビン(第一ファインケミカル(株)製) 0.01 8.ピリドキシン塩酸塩(第一ファインケミカル(株)製) 0.005 9.シアノコバラミン(DSMニュートリション・ジャパン(株)製)30.0(mg) 10.コレカルシフェロール(三共ライフテック(株)製) 50000IU 11.レモン香料* 0.2 水にて合計 100.0 L。 【実施例5】 【0094】 キャンディー ビタミン類の安定化のためにクロロゲン酸または酵素処理イソクエルシトリンを用いてキャンディーを調製した。下記2種類の処方に従い、次のように調製した。まず処方1、2、15を混合し、190℃まで煮詰めた後、120℃に冷却し、その他の原料を順次溶解、成型して2種類のキャンディー(処方1、処方2)をそれぞれ調製した。 【0095】 【表9】
【実施例6】 【0096】 ソフトビスケット ビタミン類の安定化のために酵素処理イソクエルシトリン及びエピカテキンを用いてソフトビスケットを調製した。具体的には3、6を万能混合撹拌機でビーターを用いて126rpm/1分30秒混合したものに2、5を加え、更に126rpm/3分間混合する。次に126rpmで混合しながら、4を少しずつ加えた後、篩にかけた1及び7から14を順次混合する。冷蔵庫にて30分間寝かせた後、厚さ15mmに圧延し、20mm×30mmにカット、成型する。上火150℃、下火120℃のオーブンで約30分間焼成し、放冷し、ソフトビスケットを調製した。 【0097】 <処方> 1.薄力粉 100.0(kg) 2.上白糖 35.0 3.マーガリン 40.0 4.全卵 20.0 5.脱脂粉乳 10.0 6.トーステッドバター オイル NO.46970* 0.2 7.サンメリン※AO-1007* 0.3 (酵素処理イソクエルシトリン15%含有製剤) 8.エピカテキン(東京化成工業(株)製) 0.1 9.チアミン塩酸塩(三共ライフテック(株)製) 0.0015 10.リボフラビン(第一ファインケミカル(株)製) 0.0015 11.ピリドキシン塩酸塩(第一ファインケミカル(株)製) 0.002 12.シアノコバラミン(DSMニュートリション・ジャパン(株)製)3(mg) 13.コレカルシフェロール(三共ライフテック(株)製) 50000IU 14.葉酸(DSMニュートリション・ジャパン(株)社製) 10.0(mg) 合 計(焼成前) 205.6kg。 【実施例7】 【0098】 ビタミンタブレット ビタミン類の安定化のためにミリシトリン及びクロロゲン酸を用いてビタミンタブレットを調製した。具体的には1から9を粉体混合した後、10を加えて再度粉体混合した。次に定法により乾式打錠してビタミンタブレットを調製した(水分含量約2%)。 【0099】 <処方> 1.(局方)D−ソルビトールS(日研化学(株)製) 85.0 (kg) 2.サンメリン※Y-AF(ミリシトリン3%含有製剤)* 1.0 3.クロロゲン酸(東京化成工業(株)製) 1.0 4.チアミン塩酸塩(三共ライフテック(株)製) 4.0 5.リボフラビン(第一ファインケミカル(株)製) 1.0 6.ピリドキシン塩酸塩(第一ファインケミカル(株)製) 4.0 7.シアノコバラミン(DSMニュートリション ・ジャパン(株)製) 0.01 8.コレカルシフェロール(三共ライフテック(株)製) 20000IU 9.葉酸(DSMニュートリション・ジャパン(株)製) 0.05 10.DKエステルF-20W(第一工業製薬(株)製) 5.0 合 計 101.1。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000175283 【氏名又は名称】三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1丁目1番11号
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| 【出願日】 |
平成17年5月11日(2005.5.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065215 【弁理士】 【氏名又は名称】三枝 英二
【識別番号】100076510 【弁理士】 【氏名又は名称】掛樋 悠路
【識別番号】100108084 【弁理士】 【氏名又は名称】中野 睦子
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| 【公開番号】 |
特開2006−315985(P2006−315985A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月24日(2006.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2005−139159(P2005−139159) |
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