| 【発明の名称】 |
血清フェリチン増加剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】奥原 康英 【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区上品濃12番13号 株式会社ファンケル中央研究所内
【氏名】重松 典宏 【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区上品濃12番13号 株式会社ファンケル中央研究所内
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| 【要約】 |
【課題】安全で副作用のない、潜在性鉄欠乏者の血清フェリチン値を増大することによる鉄欠乏改善を有する素材を提供すること。【解決手段】 ダイフラクトースアンハイドライドを含有することを特徴とする、潜在性鉄欠乏改善作用を有する経口用組成物及び改善剤。本発明の組成物は潜在性鉄欠乏者に対する血清フェリチン増加作用を有し、かつ安全で副作用がない。本発明の組成物は粉剤、固形、錠剤、飲料など様々な形態での提供が可能であり、食品として製造することが可能である。【選択図】 なし
【解決手段】ダイフラクトースアンハイドライドを含有することを特徴とする、潜在性鉄欠乏改善作用を有する経口用組成物及び改善剤。本発明の組成物は潜在性鉄欠乏者に対する血清フェリチン増加作用を有し、かつ安全で副作用がない。本発明の組成物は粉剤、固形、錠剤、飲料など様々な形態での提供が可能であり、食品として製造することが可能である。【選択図】 なし |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ダイフラクトースアンハイドライドIIIを含有することを特徴とする血清フェリチン増加剤。 【請求項2】 ダイフラクトースアンハイドライドIIIを含有することを特徴とする潜在性鉄欠乏改善効果を有する経口用組成物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ダイフラクトースアンハイドライド(DFA)を経口又は非経口で摂取することにより血清フェリチン増加効果を高める組成物に関するものである。 【背景技術】 【0002】 貧血にはいくつかの種類が認められるが、代表的なものが体内の鉄不足が原因の「鉄欠乏性貧血」である。鉄は体内で酸素の運搬の役割を担っており、これが不足すると動機や息切れ、集中力やスタミナの低下を招く。鉄は毎日の発汗や排泄などにより毎日1mg程度失われることが知られている。 【0003】 しかしながら、失った1mgの鉄を補給するためには、その10倍程度の鉄を補給しなければならない。これは、鉄の体内の吸収率が低く、食事で摂った鉄分が全て吸収されるわけではないためである。そして、不足した分の鉄は、実際に身体の機能に影響が出る前に貯蔵された分から使われる。即ち、上記の鉄不足が原因による症状が出なくても、徐々に鉄不足が進行していく。このような状態を「潜在性鉄欠乏」と呼び、これが進行し、鉄欠乏性貧血になると、回復に数ヶ月を要す事がある。 【0004】 このような潜在性鉄欠乏の改善として、一般的に鉄剤を経口投与する事が知られているが、鉄剤の投与量は通常50〜200mg/日を服用する必要があり(非特許文献1)、また、鉄剤には胃腸障害(吐き気・嘔吐・下痢・便秘・心窩部痛など)という副作用が伴い易く、長期服用による改善は非常に困難が伴う。 【0005】 【特許文献1】特許第3514955号公報 【特許文献2】特開2003−321371号公報 【特許文献3】特開2004−137194号公報 【特許文献4】特開2004−149427号公報 【特許文献5】特開2004−161619号公報 【特許文献6】特開2004−284985号公報 【非特許文献1】長尾 清,日本医薬品集 23,1201〜1202,2000 【非特許文献2】亀井明子,石田裕美ほか,栄養学雑誌 61(2),99〜108,2003 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 潜在性鉄欠乏状態は、貯蔵鉄と相関する血清フェリチンを測定することで診断できる。フェリチン濃度は、男性と女性では性差があるが、閉経後では女性でも男性の値に近くなる傾向になる。また、成長期には低く、加齢によって増加する。非特許文献2では、潜在性鉄欠乏を血清フェリチン値が17ng/ml未満としている。したがって、血清フェリチン値が17ng/ml未満の潜在性鉄欠乏者は、血清フェリチン値を増加させる事が必要である。 【0007】 本課題は、鉄剤の大量投与によらない、また安全で副作用のない、潜在性鉄欠乏者の血清フェリチン値を増大することによる鉄欠乏改善を有する素材を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者は、上記課題解決のために鋭意検討を重ねた結果、ダイフラクトースアンハイドライドを含有する経口用組成物及び改善剤を摂取することにより、安全で副作用の無い血清フェリチン増加効果を見出した。 【0009】 すなわち、(1) ダイフラクトースアンハイドライドIIIを含有することを特徴とする血清フェリチン増加剤、(2) ダイフラクトースアンハイドライドIIIを含有することを特徴とする潜在性鉄欠乏改善効果を有する経口用組成物、である。 【発明の効果】 【0010】 ダイフラクトースアンハイドライド(DFA)含有組成物を摂取することにより、フェリチンを選択的に増加させることができる。それによって、体内鉄蓄積量を増加させ、潜在的な鉄欠乏症を改善することができる。また、体内の鉄蓄積能力が高まることにより、鉄の摂取量低下による鉄欠乏貧血を予防することが可能となる。また、血清フェリチンが増加することにより血中鉄イオン濃度の上昇を抑制し鉄中毒の防止が可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 ダイフラクトースアンハイドライドは、2個のフラクトースの還元末端が、互いに、他のフラクトースの還元末端以外の水酸基に結合した環状二糖類である。その結合様式は4つあり、それぞれ、DFAI、DFAII、DFAIII、DFAIVと称されている。これらDFAは、カラメルなど、糖加工食品に含有されているが、工業的な生産も可能になっている。一例をあげると、主にチコリに含まれるイヌリンから、イヌラーゼにより生産されるもので、たとえば、Arthobacter sp.H65-7 株を使用した発酵法により本菌株が生産するイヌラーゼIIによるイヌリンの分解により生産される。ただし、この製法は一例であって、本発明を制限するものではない。 【0012】 本発明では、4種類のDFAの内、好ましくは、DFAIIIを使用する。DFAI、DFAII、DFAIVは、二糖類として安定性に欠ける事があり、吸湿・潮解により変質する可能性があり、実用化に際し、ハンドリング性能に問題が生じる可能性があるからである。しかしながら、本発明でいう血清フェリチン増加効果においては、問題なく使用可能である。 【0013】 これらDFAは食品として使用することができる二糖類であるが、現段階で知られている最大の特徴は、ミネラル吸収機能を持つ事である。DFAは、カルシウム、カリウムなどに対し、吸収促進効果をもつ。また、その吸収促進効果は、通常の糖類の場合、腸内細菌を活性化させ、腸内のpHを低下させることによりミネラルを溶解させて、吸収しやすくする作用機作であるが、DFAは、そのような作用機作以外に、腸管のタイトジャンクションを経由して体内にミネラルを取り込むことが報告されている。また、この働きは、ミネラルが欠乏している状態のとき、より吸収機能を高め、さらにミネラルが、過剰のときは、吸収機能が抑制されるという特徴をもつ。その他、利尿作用や便通改善、骨形成促進、う蝕誘発抑制作用効果等が知られている(特許文献1〜6)。 【0014】 本発明者は、このようなミネラル吸収機能をもつDFAIIIに、選択的な血清フェリチンを増加させ体内鉄蓄積能力を向上させ、その結果、潜在性鉄欠乏改善効果をもつことを見出し、本発明を完成させた。 【0015】 また、潜在性鉄欠乏改善のための鉄の投与量が、通常の鉄剤では50〜200mgであるのに対して、本発明においては、その1/8〜1/33にあたる僅か6mg(DFA500mg)で有意に改善させることができる。潜在性鉄欠乏改善効果は、単なる鉄吸収亢進作用だけではなく、DFAそのものが、血清フェリチンを増加させる作用によるものであることが、明らかになった。 【0016】 本発明においては、DFAを含有する組成物を製造し、潜在性鉄欠乏改善効果を期待するヒトに経口又は非経口で摂取させる。本発明の組成物は、経口又は非経口で摂取できるものであれば、最終形態の制限はない。 【0017】 経口用としては、粉剤、固形、錠剤、飲料など様々な形態が可能であり、食品としても製造することが可能である。その場合の賦形剤、香料、滑沢剤、酸味料など、普通に使用されている原材料の添加は制限なく実施可能である。また、加工にあたって、加熱、溶解、圧縮、攪拌など物理的な影響についても、通常の加工レベルであれば一切、問題なく実施可能である。DFAの適性摂取量は、概ね、一日あたり、500mg以上10g以下である。500mg以下であると、効果がみられず10g以上であると、軟便化などの兆候が見られる場合がある。 【0018】 ただし、軟便化は、ヒトにより、体質的な影響、普段の食生活などの影響もあるので、必ずしも、10g以上の摂取が厳禁ではなく、そのヒトの状況を見つつ加減することが必要である。いずれにしても、DFAは、安全な糖質食品であることから、毒性に関する問題はないし、一般に使用されている鉄剤のような、胃腸障害(吐き気・嘔吐・下痢・便秘・心窩部痛など)という副作用なども発生することはなく安全に潜在性鉄欠乏改善効果を期待できる。 非経口用としても、通常の製剤化技術を適用することができる。 【実施例】 【0019】 実施例1〔DFAIIIと鉄の摂取が潜在性鉄欠乏へ与える影響試験〕 試験方法 試験デザイン:ブラインド・3群並列投与 被験者: 通常生活を送っている女子大生60名(1群20名×3群) ※フェリチン17ng/mL未満の潜在性鉄欠乏の被験者についても解析 被験食品:・DFA( 500mg ) +ピロリン酸鉄(鉄6mg)/錠剤4粒/day ・ショ糖( 500mg ) +ピロリン酸鉄(鉄6mg)/錠剤4粒/day ・ヘム鉄(鉄6mg)/ 5カプセル/day 摂取:被験食品を朝食の食前に1日1 回,12週間毎日摂取 検査・測定項目: 身体測定;身長,体重及びBMI 血液学的検査;ヘモグロビン,ヘマトクリット 血清生化学検査;血清鉄,フェリチン,UIBC及びTIBC 尿検査;pH,比重,タンパク,糖,ウロビリノーゲン,ビリルビン,ケトン体及び潜血 アンケート調査;自覚症状,食事調査 (結果) 【0020】 その結果を図1に示す。全被験者のうち、潜在性鉄欠乏の被験者においては、DFA摂取群のみ血清フェリチン値の有意な上昇(P<0.05)が確認された。その他、血液学検査、血清生化学的検査、尿検査、自覚所見には、有意な変化は無かった。 【図面の簡単な説明】 【0021】 【図1】被験者(潜在的鉄欠乏)のフェリチン値変動
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| 【出願人】 |
【識別番号】593106918 【氏名又は名称】株式会社ファンケル 【住所又は居所】神奈川県横浜市中区山下町89番地1
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| 【出願日】 |
平成17年5月11日(2005.5.11) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−315984(P2006−315984A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月24日(2006.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2005−139129(P2005−139129) |
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