| 【発明の名称】 |
ジェル状の皮膚保護用シート |
| 【発明者】 |
【氏名】大浦 武彦
【氏名】譲原 和夫
【氏名】村松 宏
|
| 【要約】 |
【課題】創傷部位、即ち傷口に当てるのではなく鬱血等により生じる褥瘡、ケロイド、肥厚性瘢痕等の部位に当て皮膚治療及び鬱血等により生じる褥瘡の予防に用いる非常に低価格で丈夫なジェル状の皮膚保護用シートを提供すること。
【解決手段】シリコーンでなくてもシリコーンのもっている性質、即ち保湿性、接着による圧迫等と同様の性質をもっている物質であれば、従来のシリコーン・ジェルシートよりも安くて、丈夫なジェル状の皮膚保護用シートを作ることが出来るのではないかと考え、鋭意研究の結果、従来のシリコーン・ジェルシートよりも安く、丈夫なジェル状の皮膚保護用シートを作ることに成功した。そこで、ジェル状の皮膚保護用シートは、ポリエチレンとポリスチレンを共重合したことからなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリエチレンとポリスチレンを共重合したことを特徴とするジェル状の皮膚保護用シート。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、褥瘡、ケロイド及び肥厚性瘢痕等の皮膚治療、及び鬱血等により生じる褥瘡の予防に用いるジェル状の皮膚保護用シートに関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、褥瘡、ケロイド及び肥厚性瘢痕等の皮膚治療にはシリコンジェルシートが使用されてきた。 シリコンジェルシートが鬱血等により生じる褥瘡、ケロイド及び肥厚性瘢痕等の皮膚治療になぜ効果があるのか、そのメカニズムは未だに解明されていないが、そのメカニズムとして、水分供給、皮膚表面からの水分蒸発を防ぐが、半透性のため酸素分圧を変えないこと、接着による圧迫、ケロイド中に増加する肥満細胞に対し、シリコンとシリコンジェルシートにインチ毎に数百ボルト流れる静電気がコラーゲン生成物中の肥満細胞に影響を及ぼし、肥満細胞数を現象させること、が考えられ推論されている。 【0003】 又、シリコンジェルシートの他に、プラスチックフィルムからなる基材と、この基材の片面に設けられた弾性ポリマーを主成分とする疎水性粘着剤と、この疎水性粘着剤の上に設けられた親水性粘着剤と、この親水性粘着剤の上に貼着されかつ粘着面をカバーするように設けられた離型紙とを含む創傷保護用絆創膏等がある(例えば、特許文献1参照。)。 【0004】 しかし、シリコンジェルシートは医療現場、特に老人介護施設等で使用するには値段が高いことが指摘され、値段が高いことで採用出来ない、ということがしばしばあった。 又、シリコンジェルシートはもろく切れやすい性質をもっていることも指摘されていた。 さらに、創傷保護用絆創膏は創傷部位、即ち傷口に使用する絆創膏であり、鬱血等により生じる褥瘡、ケロイド及び肥厚性瘢痕等に当てて(貼付し)皮膚の治療及び鬱血等により生じる褥瘡の予防に用いるものではない。 【0005】 そこで、本出願人の一人である原沢製薬工業株式会社は比較的低価格の「シリコーン・ジェルシート」を開発した(例えば、非特許文献1参照。)。 【0006】 【特許文献1】特開2003−339762号公報([0006]) 【非特許文献1】小川令、赤石諭史、百束比古「ケロイド・肥厚性瘢痕に」対するシリコーン・ジェルシートの使用経験第1報」、臨床医薬、第20巻、第4号、別冊、平成16年4月、P459(79)−464(84) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかし、前記原沢製薬工業株式会社が開発したシリコーン・ジェルシートは従来のものより比較的安いものであったが、それでも医療現場、老人介護施設等で使用するには、なお比較的高いものであった。 【0008】 そこで、本発明は、創傷部位、即ち傷口に当てるのではなく鬱血等により生じる褥瘡、ケロイド、肥厚性瘢痕等の部位に当て皮膚治療及び鬱血等により生じる褥瘡の予防に用いる非常に低価格で丈夫なジェル状の皮膚保護用シートを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明者等はシリコーンでなくてもシリコーンのもっている性質、即ち保湿性、接着による圧迫等と同様の性質をもっている物質であれば、従来のシリコーン・ジェルシートよりも安くて、丈夫なジェル状の皮膚保護用シートを作ることが出来るのではないかと考え、鋭意研究の結果、従来のシリコーン・ジェルシートよりも安く(原沢製薬工業株式会社のシリコーン・ジェルシートの約1/2の値段である。)、丈夫なジェル状の皮膚保護用シートを作ることに成功した。 【0010】 そこで、本発明のジェル状の皮膚保護用シートは、ポリエチレンとポリスチレンを共重合したことからなる。 【0011】 本発明のジェル状の皮膚保護用シートは丈夫で、水洗いして何度も使用することが出来る。したがって、購入時に安い料金で購入することが出来ると、同時に、さらに、何回も使用することが出来るので値段的にさらに安くつくものである。 【0012】 本発明のジェル状の皮膚保護用シートはポリエチレンとポリスチレンの共重合体に可塑剤(パラフィン系プロセスオイル等)、添加剤(パラフィン系油ゲル化剤)、及び水素添加炭化水素樹脂を混合したことにより製造される。 【0013】 鬱血等により生じる褥瘡は、ベッド(特に病院のベッド)、椅子(特に車椅子)等に長時間皮膚を当てていると生じるものであるが、本発明のジェル状の皮膚保護用シートを当該皮膚に当てておくと褥瘡が生ぜず、当該褥瘡の発生を予防することも出来るものである。本発明のジェル状の皮膚保護用シートはコストが非常に安く、丈夫で水洗いすることにより何回も使用することが出来るので、このことからも褥瘡の発生の予防に使用することができるものである。 【発明の効果】 【0014】 本発明は、以上の構成を有するので、非常に丈夫で、低コストのジェル状の皮膚保護用シートを提供することが出来、したがって、医療現場、老人介護施設等に限らず、鬱血等による褥瘡、ケロイド、肥厚性瘢痕等の治療を必要とする患者にあまねく使用することが出来、かつ、鬱血により生じる褥瘡の発生を予防することも出来るものである。 【実施例】 【0015】 下記に本発明の実験例を示す。 【0016】 実験例1(治療効果) 2歳8ヶ月の女児、胸部に熱湯をかぶり、熱湯受傷後、徐々に肥厚性瘢痕を生じた。本発明のジェル状の皮膚保護用シート(6cm×12cm×1.5mm)を貼付し、10週間経過観察していたところ、発赤は消退し、毛細血管の拡張も認められなくなった。 【0017】 実験例2(治療効果) 32歳の女性で、左肩にできたケロイドを一旦切除した後に、1年後に発赤、痒みがみられたということで、本発明のジェル状の皮膚保護用シートを貼付し、8週間経過観察していたところ、痒みはおさまり、発赤は軽快傾向を示した。 【0018】 実験例3(褥瘡の予防効果) 男性が4例、女性が6例、平均年齢は38.7歳(1〜77歳)であり、手術部位は背部2例、肩1例、下腹部1例、下腿6例で、8〜15時間の手術の患者さんにベッドに寝る部位に本発明のジェル状の皮膚保護用シート(25cm×30cm×3mm)を貼付した結果、褥瘡が出来なかった。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】505172352 【氏名又は名称】大浦 武彦 【識別番号】500379912 【氏名又は名称】原沢製薬工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成17年5月11日(2005.5.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096758 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 剛
【識別番号】100114845 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 雅和
|
| 【公開番号】 |
特開2006−315980(P2006−315980A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月24日(2006.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2005−138748(P2005−138748) |
|